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中小企業経営者の性格・意識と企業経営上の特徴(森俊治教授退官記念論文集)

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中小企業経:営者の性格・意識と

     企業経営上の特徴

戸  田  俊  彦

1 本稿の目的  今,中小企業は産業構造転換,技術革新,国際化,情報化など激しい変革 のまっただ中にある。事業活動分野や経営は劇的な変化・対応を迫られ,中 小企業の興亡起状,新旧交替が急速に進展している。  このようななかで,経営の対応の成否ひいては中小企業の死活の鍵となっ た経営者に再び脚光があてられてきている。中小企業経営論の分野で経営者 の役割やアントルプルヌールシップ,企業家精神に関する著作や論文が相当 数みられるようになってきたのは,こうした事情を反映していよう。  また,企業の維持・成長,あるいは逆に衰退・倒産のドラマは究極のとこ ろで経営者の性格・意識といった極めて人間的な要素によって大きく影響さ れていることもよく見聞きするところである。  しかしながら,このように経営者の重要性に目が向けられ,文献もかなり 現われてきたとはいえ,企業盛衰に大きくかかわっているとみられる経営者 の人間的側面について,わが国で実証的に調査解明を試みた研究はまだまだ 不足しているといわざるをえない。本調査研究は激動期にある中小企業経営 者を対象にその点に光をあてようとする試みである。  このため本稿は,筆者自身が参画する機会を与えられた愛知県産業情報セ       1) ンターの中小企業経営者実態調査を利用し,幾多の調査項目のなかから,経 1)この調査は,愛知県産業情報センター『中小企業経営者実態調査報告書一一中間報告   』平成元年3月,として公表されている。本稿は,そこで触れられたことは割愛し, 時間の制約上,とりあげられなかった点を新たな視点で分析したものである。

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営者の性格・意識にかかわる項目を選び出し,他の調査項目とクロス分析す ることによって,中小企業経営者の性格・意識の違いが企業業績や経営者行 動,経営行動,つまり企業経営上の特徴にどの程度反映されているのかを明 らかにし,中小企業経営者の人間的側面の一端を解明せんとするものである。

II調査研究の方法

 本稿がよりどころとした愛知県産業情報センターの中小企業経営者実態調 査はつぎのような調査上の特徴をもっている。  (1)愛知県内中小企業経営者を対象とした郵送によるアンケート調査であ る。  ② その際,「ご回答は,調査の正確陛を期すため,社長(代表者)ご自身 でお書きくださるようお願いします。それが難しい場合は,可能な範囲で他 の方でご記入いただき,代わって答えがたいものについては,社長にご確認 ください。」とする記入要領をそえ,正確性を期した。  (3)調査時期は,昭和天皇崩御後の平成元年1月21日∼2月6日である。  (4)調査票の回収状況は,対象1,500社中,313社からの回答があり,転居 先不明で返送されたものを除けば,回収率は21.6%である。  このような特徴をもつ経営者調査のデータを使って,経営者がもっている 性格・意識の違いによって企業業績や経営者行動,経営行動に差があるかど うかを確認するのが本稿の目的の1つである。このため,経営者の性格・意 識として選んだ項目は,経営者に二者択一なしい三者択一で回答を求めたっ ぎのものである。  (1)経営者の性格に近い三英傑(信長型,秀吉型,家康型)  (2)論理(分析)的と直観的  (3)革新的と保守的  (4)人に任せると自分でやる  (5)パーソナリティ重視と専門的知識・経験重視

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 (6)事業経営成功は努力が大と才能が大  これらはいずれも経営者の性格的側面を表わすものと考えちれたがゆえに 選ばれている。ただ⑤のパーソナリティ重視と専門的知識・経験重視,(6)の 事業経営成功は努力が大と才能が大は,性格というよりも意識的側面を・表わ しているとも考えられる。しかし,これ,らにも性格が強く反映していると考 えられるがゆえに選ばれている。それぞれの項目で,㈲を除いて,経営者の 選択が一方的にならず,比較的サンプルに偏りがなかっ■スことは分析上,好 都合であったといわなければならない。  なお,性格的側面に関連する項目として年齢と性別も考えられるが,年齢 については報告書に既述されているので省略した。性別については大きく男 性に偏り,クロス分析してみたが,特定の傾向や差異は2点しか見出されな かった。すなわち,女性では最終学歴が高校(普通科)が多いことと,海外 出張回数が「なし」とするものが目立っていたのみである。そこで性別につ いても省略している。  それぞれの性格・意識上の選択をしたものをサブ・サンプルとして,他の 質問項目ごとに回答企業全体の内訳と比べることによって,特定の傾向や目 立った点を見つけ出して各性格,意識の影響を調べようとした。その際,サ ンプル数が100以上なら全体と比べて5%以上の差異を示したもの,60∼99な ら7%以上,40∼59なら10%以上の差異を示したものを特記した。このよう にして企業業績や経営者行動,経営行動を表わす質問項目ごとに経営者の性        2) 格・意識による差異と特徴点を明らかにしょうとしたのである。 III経営者の性格に近い三英傑と企業経営上の特徴 業種別にみると,信長型は全体と比べて製造業が相対的に少なくサービス 2)以下,全体と比べて特異な値を示したクロス分析結果のみを図表化し,付表1∼付表 40として示しているが,本文中では,どの付表によっているかは自明であると思われる し,一々あげていては繁雑になるし,紙幅の制約もあって,依拠した付表を示していな いことをお断りしておきたい。

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業が相対的に多いという特徴をもっている。秀吉型・家康型には目立った点 は認められない。  常用従業員数別には,信長型で50∼99人が多くなっている。  創業年次別には,信長型は戦前(昭和20年以前)ならびに昭和20年代が少 なく,40年代に相対的に多い。また,50年代もやや多い。秀吉型は40年代に 少なく50年代に多い。20年代もやや多くなっている。家康型は戦前に多く, 50年代に少なくなっている。信長型は若い企業が多く,家康型は伝統ある企 業が多く,秀吉型は20年代と50年代が多い,その中間タイプといえよう。  主要事業・製品のライフサイクルでは,秀吉型で成熟期が相対的に少なく なっている。信長型で新生期,初期成長期がやや多く,生まれたてで生きが いいのに,家康型ではそれらがやや少なくなっている。  最新の年間売上高では,秀吉型が1∼5億円クラスで相対的に少なくなっ ている。また信長型では50億円超の企業は存在していない。  最新の経常利益額では,信長型が1千万∼5千万円クラスで多くなってい る。秀吉型が5千万∼1億円で相対的に多くなっている。  最新決算年の対前年売上高成長率では,信長型で10∼30%が多くなってい る。秀吉型が0∼5%が少なくなっている。家康型が0∼5%が多くなって いて,10∼30%が相対的に少なくなっている。信長型は高成長が多いがマイ ナス5%以下でもやや多く,二極分解的であるのに,家康型は着実ないし低 成長ぶりを示しており,秀吉型はその中間型だということができよう。  最:新決算:年の対前年経常利益成長率でみると,秀吉型はマイナス5%以下 が相対的に多く,10∼30%でも多くなっている。家康型はマイナス5∼0% が相対的に多く10∼30%が少なくなっている。経常利益成長率では秀吉型が 二極分解的である。  最近5年間ぐらいの売上高推移では,信長型で急増が多くなっている。若 い企業が多いことが関係していよう。  最近5年間ぐらいの経常利益推移では,信長型でジグザグ上昇が相対的に 少なくなっている。

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 企業発展・業績を左右する最大の要因については,秀吉型で経営者能力を あげるものが相対的に少なく,家康型では多くなっている。  事業の成功・失敗に対する社長の影響力については,信長型で「半分くら い」とするものが相対的に多く,家康型ではそれが少なくなっている。  社長就任後の会社の業績については,信長型で「大いに上がった」が多く, 「やや上がった」が相対的に少ないのに,家康型で「大いに上がった」が相 対的に少なく,「やや上がった」が多くなって対照的である。信長型のはっき りした性格と自信が表われているようである。  社長の地位・職務については,信長型で「責任」が相対的に少ないのに, 家康型では多くなっている。また,家康型では「厳しい」とするものが少な くなっている。信長型では「闘い」,「活力」,「厳しい」,「孤独」などがやや 多くなっており,闘いのイメージが浮かび上がってくるようである。  現在年齢では,信長型が40代が多くなっている。秀吉型が50代が相対的に 少ないのに,家康型は50代が多くなっている。信長型が最も若く,家康型が 最年長で,秀吉型は30代以下と60代以上がやや多い構成をもつが年齢的には 両者の中間にある。  最終学歴では,信長型が大学(文科系)がやや多く,大学(理科系)が少 ない。高校(普通科)もやや多い。家康型では大学(理科系)が多くなって いる。  創業者との関係では,信長型が創業者本人が多いのに,家康型は相対的に 少なくなっている。創業は信長型が向いているのであろう。  得意な分野では,家康型が「人事・労務」が相対的に多くなっている。  倒産・経営危機経験については,秀吉型で「あり」とするものが相対的に 多くなっている。  論理(分析)的対直観的については,信長型は直観的が多い。秀吉型は論 理的が多くなっている。家康型は秀吉型にやや近い。信長型の直観的の突出 ぶりが顕著である。  革新的対保守的については,信長型が革新的とするものが多く,家康型で

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は保守的が多く,まさに対照的である。  パーソナリティ重視対専門的知識・経験重視については,信長型でパーソ ナリティ重視が多く,秀吉型で専門的知識・経験重視が多くなっている。  事業経営成功は努力が大か才能が大かについては,信長型で才能が相対的 に多くなっているのに,秀吉型では努力が多くなっている。  人に任せる対自分でやるについては,信長型は自分でやるが多いのに家康 型は人に任せるほうが多い。  経営の重点については,秀吉型で従業員の幸福が相対的に少なく,利益が 相対的に多くなっている。  社長の能力を決定づける最:も大切なものについては,信長型で人柄・性格 が相対的に少なく意欲が多くなっている。  勤務時間については,信長型で9時間台が相対的に少なく,10時間台,13 時間以上がやや多くなって,長時間勤務ぶりが明らかである。  意思決定のパターンについては,秀吉型が「社長中心の意思決定」が相対 的に多くなっているのに,家康型では「社長中心の意思決定」が相対的に少 なく「役員と協議して社長が決定」が多くなっている。  東京出張回数については,信長型が10回以上が多いのに,秀吉型ではそれ が相対的に少ない。信長型の活動性が顕著に現れている。  講読新聞の必読記事項目数については,家康型で11∼15が相対的に多くな っている。0∼5はやや少なく,家康型の情報重視の姿勢が明らかである。  後継者については,秀吉型が「まだ必要ない」が多いのに家康型では相対 的に少ない。家康型では長男と決めているものがやや多くなっている。  望ましい後継社長像については,信長型で信長型とするものが相対的に多 く,秀吉型で秀吉型とするものが相対的に多くなっている。家康型では家康 型がやや多くなっている。それぞれのタイプごとに自らに似たタイプを望ま しい後継社長像としてみる傾向が認められるようである。  創業以来新製品(新技術)開発に成功したか否かでは,家康型が開発に成 功が少なくなっている。冒険をおかすことが少なかったものと思われる。

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 同業他社に比べ劣っている項目数については,信長型が4つをあげるもの が相対的に多いのに,秀吉型ではそれが少なく3つが多くなっている。  以上,目立った点を項目ごとに拾いあげてきた。これを各経営者タイプご とに特徴点をあげてみるとつぎのようになろう。  信長型経営者で全体と比べて目立つのは,製造業が相対的に少なくサービ ス業が目立って,50∼99人規模で,昭和20年代以前の創業企業が少なく40年 代創業の企業が相対的に多く,経常利益額で1千万∼5千万円が多く,その 5年間の推移ではジグザグ上昇が少なくなっている。売上高は対前年,5年 間ともに急増している。社長の影響力は半分くらいとするものが目立つが, 社長の地位・職務として責任をあげるものが相対的に少なく攻めの経営で社 長就任後の業績を大いに上げている。経営者自身は40代と若くてしかも創業 者が多く,大学(理科系)が少ないだけに直観的で,革新的で,自分でやり, パーソナリティを重視して,事業成功は相対的に多くのものが才能によると し,社長能力決定因を意欲としている。勤務時間も13時間以上という長時間 勤務をいとわず,東京出張も10回以上が多く,望ましい後継社長像を信長型 と相対的に多くのものが考え,同業他社に比べ劣っている項目は4つとする ものが多い。  秀吉型経営者は,昭和50年代創業企業が多く,ライフサイクルは成熟期が 相対的に少ない。年間売上高は1∼5億円クラスが相対的に少なくて,対前 年成長率も0∼5%が少ない。経常利益額は5千万∼1億円が相対的に多い が,その対前年成長率はマイナス5%以下と10∼30%が多く二極分解的であ る。企業発展因として経営者能力をあげるものが相対的に少ない。経営者の 年齢は50代が相対的に少なく,倒産・経営危機経験は全体に比しもっている ものが多く,論理的で専門的知識・経験を重視し,事業成功は努力によると するものが多い。経営の重点は従業員の幸福が相対的に少なく相対的に多く のものが利益におき,社長中心の意思決定が多い。東京出張回数は10回以上 が相対的に少なくなっている。後継者はまだ必要としないとし,望ましい後 継社長像は秀吉型が相対的に多い。同業他社に比べ劣っている項目数では3

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つとするものが多く4つとするものが少ない。  家康型経営者は,戦前創業が多く,対前年売上高成長率は0∼5%が多く, 対前年経常利益成長率もマイナス5∼0%が相対的に多くて10∼30%が少な いなど低成長ないし安定成長である。企業発展因として経営者能力が多くの ものからあげられ,社長の影響力も半分くらいとするものは少なくなってい る。社長就任後の業績はやや上がったとするものが多い。社長の地位・職務 は厳しいとするものが少なく責任をあげるものが目立っている。50代の経営 者が目立ち,大学(理科系)出身者が多く,得意分野は人事・労務が相対的 に多い。創業老は相対的に少なく,保守的で,人に任せるほうが多く,役員 と協議して社長が意思決定し,新聞の必読記事項目数は11∼15が相対的に多 く,後継者もまだ必要ないとするものが少ないなど気配りが行き届いている が,新製品(新技術)開発に成功した経験は少ないところに特徴がある。  つまり,信長型は積極果敢な行動と戦略をとっていて急成長しているが危 なっかしい。反して家康型は地味だが人に任せ気配りのある行動と守りの戦 略をとって安定的かつ着実である。秀吉型は両者の中間タイプであって,と くに論理的で知識・経験重視であるところに特徴点を見出すことができる。 IV 論理(分析)的・直観的と企業経営上の特徴  常用従業員数別については,論理(分析)的とするものは50∼99人が少な い。直観的とするものは20∼29人が少なく,50∼99人目多くなっている。論 理的より直観的の方が規模が相対的に大きいといってよい。  最新の年間売上高については,論理的は5∼10億円が少なく,直観的は1 ∼5億円が相対的に少なく,5∼10億円で相対的に多くなっている。  最新の経常利益額では,論理的で1千万円以下が相対的に少なくなってい る。  最新決算年の対前年経常利益成長率では,論理的で5∼10%と10∼30%が 少なく,30%超が相対的に多くなっている。  最近5年間ぐらいの経常利益推移では,直観的で漸増が多く,ジグザグ上

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昇がその分少なくなっている。  企業発展・業績を左右する最大の要因としては,論理的で経営者能力をあ げるものが相対的に少なく,直観的では多くなっている。  事業の成功・失敗に対する社長の影響力については,論理的で7∼8割と するものが相対的に多い。  現在年齢については,論理的で40代が多く50代がやや少なくなっている。 論理的では30代もやや多く,30代,40代が論理的なようである。  最終学歴では,論理的で大学(理科系)が相対的に多く,直観的ではそれ が少なくなっている。自らを論理的とみるものは理科系が多いことが如実に 現われ,一般常識とも合致しているのである。  得意な分野については,論理的で販売が相対的に少なく,技術(研究開 発),経理・財務が多い。直観的では販売が多くなっている。それぞれの性格 の差が得意分野をわけたものと考えられる。  社長としてよくやっている対まだ未熟では,論理的でよくやっているをあ げるものが相対的に多く,直観的では未熟をあげるものが多くなっている。  社長の性格に近い三英傑では,論理的で信長型をあげるものが少ない。直 観的では信長型をあげるものが相対的に多くなっている。したがって論理的 とみているものは秀吉型か家康型を多くのものがあげ,直観的とみているも のは信長型か家康型を多くのものがあげているのである。  社長の能力を決定づける最も大切なものとしては,直観的で人柄・性格を あげるものが相対的に少なくなっている。  勤務時間については,論理的で10時間台が相対的に少ない。論理的の方が 長時間勤務の傾向が認められるようである。  海外出張回数については,論理的で「なし」が多く1回台が相対的に少な い。直観的ではその逆で「なし」が相対的に少なく1回台が多くなっている。 直観的の方が海外出張回数が上回る傾向がある。  東京出張回数については,論理的で10回以上とするものが相対的に少なく, 直観的ではそれが多くなっている。東京出張でも直観的の方が上回っている。

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 講読新聞の必読記事項目数については,論理的で0∼5が相対的に少なく, 11∼15が相対的に多くなっている。論理的の方が新聞を丹念に読んでいるよ うである。  後継者については,論理的で長男が相対的に少なくなっている。論理的に 後継者をつめれば長男が否定されるのであろうか。  望ましい後継社長像としては,論理的で家康をあげるものが相対的に少な い。  以上を,各経営者タイプごとにまとめてみよう。論理的経営者が全体と比 べて目立つのは,常用従業回数50∼99人,最新の年間売上高5∼10億円,経 常利益額ユ千:万円以下が相対的に少ないことである。また,対前年経常利益 成長率で30%超が目立つ。企業発展因として経営者能力をあげるものが相対 的に少ない。社長の影響力は7∼8割とするものが相対的に多い。現在年齢 は40代が多く,大学(理科系)で,技術(研究開発),経理・財務を得意分野 としている。相対的に多くのものが社長としてよくやっているとし,信長型 は少ない。勤務時間では10時間台が相対的に少なくなっている。海外出張は なしとするものが多く,東京出張も10回以上とするものが相対的に少ない。 必読記事項目数は11一一一15が相対的に多い。後継者は長男が相対的に少なく望 ましい後継社長像として家康型が相対的に少ない。  直観的経営者は,20∼29人が少なくて50∼99人規模が多く,年間売上高で 1∼5億円が相対的に少なく5∼10億円が相対的に多い。最:近5年間ぐらい の経常利益推移で漸増が多い。企業発展因として経営者能力が多くなってい る。大学(理科系)は少なく,販売を得意とするが,社長として未熟とする ものが多い。信長型が多く,社長能力決定因は人柄・性格とするものが相対 的に少ない。海外出張回数は1回台が多く,東京出張も10回以上が多くなっ ている。  つまり,論理的経営者,直観的経営者ともに,その言葉上の性格が濃厚で, 前者は,たとえば後継者を長男とすることが少なく,必読記事項目数が多い など,経営行動上,論理的に望ましい行動をとることが多く高成長である。

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対するに,後者は,未熟で信長型で行動力があって,海外出張,東京出張な どが多いところに特徴がある。 V 革新的・保守的と企業経営上の特徴  業種別には,革新的でサービス業が相対的に多くなっている。  研究開発型・情報関連・ニュービジネスに該当するか否かについては,革 新的でそうとするものが多く,保守的では少ない。この点でまさに両者は対 照的である。  創業年次別では,革新的で昭和50年忌が多く,保守的ではそれが少ない。 研究開発型企業やニューベンチャーの族生時期と関係しているようである。 したがって革新的では全般に創業年次が新しいものが多い。  主要事業・製品のライフサイクルについては,革新的で初期成長期が相対 的に多い。革新的では中期成長期もやや多い。保守的では成熟期,衰退期で やや多くなっている。革新的での若々しさが目立っている。  最新の年間売上高では,革新的で1∼5億円が相対的に少なくなっている。  最新の経常利益額では,革新的で1千万円以下が相対的に少なく,1千万 ∼5千万円が多くなっている。保守的では1千万∼5千万円が相対的に少な くなっている。  最新決算年の対前年売上高成長率では,革新的で10∼30%が多くなってい る。一般的に革新的の方が成長率が高くなっているといえる。  最新決算年の対前年経常利益成長率では,革新的で0∼5%が相対的に少 なくユ0∼30%が多い。保守的では逆に0∼5%が多く,10∼30%が少なくな っている。革新的では成長率が保守的に比べて高い傾向があるのである。  企業発展・業績を左右する最大の要因については,革新的で従業貝能力を あげるものが相対的に多く,保守的ではそれが少ない。  社長の地位・職務については,革新的で責任をあげるものが相対的に少な く,保守的では多くなっている。  現在年齢については,革新的で40代目多く,50代,60代目相対的に少なく

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なっている。保守的では40代が相対的に少なく50代が多い。一般に革新的の 方が年齢が若い。この年齢が若いことが革新的と強い相関にあるようである。  最終学歴については,革新的で大学(文科系)が多くなっている。  創業者との関係については,保守的で本人が相対的に少なく子供が相対的 に多くなっている。いわゆる創業者より後継者の保守性が明らかである。  得意な分野については,革新的で技術(研究開発)が相対的に多く,製造 が少ない。保守的では技術(研究開発)が相対的に少ない。革新性と技術(研 究開発)との密着性が明らかである。  倒産・経営危機経験については,保守的で「あり」とするものが相対的に 多くなっている。この経験が保守的にしたのかもしれない。  パーソナリティ重視対専門的知識・経験重視については,革新的でパーソ ナリティ重視とするものが多く,保守的では逆に専門的知識・経験重視とす るものが多い。  事業経営成功は努力が大か才能が大かについては,革新的で才能が大とす るものが相対的に多く,保守的では努力が大とするものが多くなっている。  社長の性格に近い三英傑では,革新的で信長型が相対的に多く家康型が少 ない。保守的では信長型が少なく家康型が多い。  経営の重点については,革新的で従業員の幸福をあげるものが相対的に少 ない。  社長の能力を決定づける最も大切なものについては,保守的で人柄・性格 をあげるものが相対的に少ない。  勤務時間については,革新的で11時間台が多く,保守的ではそれが相対的 に少ない。革新的な方が長時間勤務の傾向がある。  意思決定のパターンについては,革新的で「役員と協議して社長が決定」 が相対的に少なくなっている。  東京出張回数については,革新的で10回以上が多く,保守的ではそれが相 対的に少ない。革新的の方が出張回数が多い傾向にある。  購読新聞の必読記事項目数については,保守的で0∼5が相対的に少ない。

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保守的の方が丹念に新聞を見ているようである。  後継者については,革新的で長男が相対的に少ないが,保守的では多くな っている。  望ましい後継社長像については,保守的で秀吉型とするものが相対的に多 く家康型とするものは相対的に少なくなっている。  主要事業の市場地位については,革新的でニッチャーが相対的に多いが, 保守的ではそれが相対的に少ない。また革新的では追随者が少なく,人にな いものを求めようとする気風が強いようである。  新製品(新技術)開発に成功か否かについては,革新的でそうとするもの が相対的に多く,保守的では少なくなっている。  同業他社に比べ劣っている項目数については,保守的で3とするものが相 対的に少ない。  以上を,各経営者タイプごとにまとめてみれば,つぎのようになる。革新 的経営者が全体と比べて目立つのは,サービス業が相対的に多く,研究開発 ・情報関連・ニューサービスに該当するものが多いこともあって,昭和50年 代創業が多く,初期成長期にあるものが目立っている。年間売上高1∼5億 円が相対的に少ないが,対前年成長率で10∼30%が多い。年間経常利益額で は1千万∼5千万円が多く,対前年成長率で10∼30%が多い。いわば成長率 が高いのである。企業発展因は従業員能力とするものが相対的に多く,社長 の地位・職務に責任をあげるものは相対的に少ない。年齢は40代が多く,大 学(文科系)出身で,技術(研究開発)を得意分野としている。パーソナリ ティ重視で,相対的に多くのものが事業成功は才能によるとし,信長型で, 家康型は少なく,経営の重点に従業員の幸福をあげるものは相対的に少ない。 勤務時間は11時間台が多く,役員と協議して塾長決定とするものも相対的に 少ない。東京出張は10回以上が目立ち,後継者に長男とするものが少ない。 市場地位はニッチャーが相対的に多く,新製品(新技術)開発に成功してい るものが多いのが特徴である。  保守的経営者は,研究開発型・情報関連・ニューサービスに該当するもの

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が少なく,50年代創業も少ない。経常利益額は1千万∼5千万円が相対的に 少なく,対前年成長率も0∼5%が多く,低成長である。企業発展因は従業 員能力とするものが少ない。社長の地位・職務は責任とするものが多い。年 齢は50代が多く,創業者の子供が多い。技術(研究開発)を得意とせず,倒 産・経営危機経験をもつものが多い。専門的知識・経験を重視し,事業成功 は努力によるとし,家康型が多い。社長能力決定因として人柄・性格をあげ るものが相対的に少ないし,勤務時間も11時間台が相対的に少ない。東京出 張は10回以上とするものが相対的に少ないし,必読記事項目数は0∼5が相 対的に少ない。後継者を長男とし,望ましい後継社長像は秀吉型が相対的に 多く家康型が相対的に少ない。市場地位はニッチャーが相対的に少ないし, 新製品(新技術)開発に成功した経験も少なく,劣っている項目数は3つが 少ない。  つまり,革新的経営者は,若い企業で初期成長期にあるサービス業に多く, 高成長である。年齢も40代で,信長型として,パーソナリティ,才能に信を おき,東京出張も多く,ニッチャーとして新製品(新技術)開発に成功する など革新的・行動的である。  対するに,保守的経営者は,革新的経営者で目立った特徴点が特徴点とし て出て来ず,責任を意識し,50代目あって,創業者の子供が多く,倒産・経 営危機経験をもつものが多く,知識・経験を重視し,家康型で,努力を多と して,万事に保守的であるところに特徴がある。 VI人に任せる・自分でやると企業経営上の特徴  常用従業員数については,人に任せるでは9人以下が少なく,自分でやる ではそれが多い。企業規模の差が現われているようである。  最新の年間売上高では,人に任せるで20∼50億円が相対的に多く,自分で やるではそれが少ない。一般に人に任せるほうでの売上高規模の大きさが目 立っている。  事業の成功・失敗に対する社長の影響力については,人に任せるで「ほと

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んど全て」が相対的に少なくなっている。  社長就任後の会社の業績については,人に任せるで「大いに上がった」が 多くなっている。人に任せることは業績向上とつながるようである。  創業者との関係については,人に任せ’るで本人が相対的に少なく,自分で やるで本人が多くなっている。創業者は自分でやる傾向があるといえる。  パーソナリティ重視対専門的知識・経験重視については,入に任せるでパ ーソナリティ重視が相対的に多く,自分でやるでは専門的知識・経験重視が 多くなっている。自分でやるなら知識・経験がものをいうのであろう。  事業経営成功は努力が大か才能が大かについては,人に任せるでは才能が 相対的に多く,自分でやるでは努力が多くなっている。それぞれのタイプの 特徴からみてうなずけるところであろう。  社長の性格に近い三英傑については,自分でやるで家康型が相対的に少な い。人に任せるではそれがやや多くなっている。  勤務時間については,人に任せるで9時間台が多く,自分でやるではそれ が少ない。一般に人に任せる方では時間が短い傾向があり自分でやる方では 長い傾向がある。  意思決定のパターンについては,人に任せるでは「社長中心の意思決定」 は相対的に少なく,「役員と協議して社長が決定」が多い。自分でやるでは逆 に「社長中心の意思決定」が多く,「役員と協議して社長が決定」が相対的に 少なくなっている。任せるなら協議が必要であり,自分でやるなら自分中心 の意思決定でよいからであろう。  主要事業の市場地位については,人に任せるではマーケット・リーダーが 相対的に多く,ニッチャーが相対的に少ない。自分でやるではニッチャーが 多くなっている。規模の差が反映されているように思われる。  人に任せるほうのタイプの経営者が全体と比べて目立つのは,常用従業員 数9人以下が少なく,売上高20∼50億円が相対的に多いことである。そして 社長の影響力は「ほとんど全て」とするものが相対的に少なく,社長就任後 の業績が「大いに上がった」が多い。創業者本人が相対的に少なく,パーソ

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ナリティ重視で,相対的に多くのものが事業成功は才能と考え,勤務時間は 9時間台が多い。役員と協議して社長が決定し,マーケット・リーダーが相 対的に多くニッチャーが相対的に少ない。  自分でやるほうのタイプの経営者は,従業員9人以下が多く,売上高20∼ 50億円が少ない。創業者本人が多く,知識・経験重視が多い。事業成功は努 力とし,家康型が相対的に少なくなっている。勤務時間は9時間台が少なく 長時間労働である。社長中心の意思決定が多くニッチャーが多くなっている。  つまり,人に任せるほうの経営者は,企業規模が比較的大きく,パーソナ リティ重視で,勤務時間が短く,役員と協議して社長が決定するなど,人の 能力を生かそうとしている。一方,自分でやるほうの経営者は,小規模で創 業者本人が多く,知識・経験,努力を重視し,長時間働いて,社長中心に意 思決定をしているところに特徴がある。 VIIパーソナリティ重視・専門的知識・経験重視と企業経営上の特徴  業種については,パーソナリティ重視で製造業が相対的に少なくサービス 業が相対的に多くなっている。  研究開発型・情報関連・ニュービジネスか否かについては,パーソナリテ ィ重視で該当するものが多い。専門的知識・経験重視ではそれが少なくなっ ている。  地区については,パーソナリティ重視で尾張が少なく名古屋が多くなって いる。  創業年次については,パーソナリティ重視で昭和50年代が多く,知識・経 験重視ではそれが少なくなっている。パーソナりティ重視でサービス業,さ らには研究開発型・情報関連・ニューサービスが多かったことの反映であろ う。  主要事業・製品のライフサイクルについては,パーソナリナィ重視で初期 成長期が相対的に多くなっている。  最:近5年間ぐらいの売上高推移については,パーソナリティ重視で急増が

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回忌的に多い。知識・経験重視では急増が少ない。  最近5年間ぐらいの経常利益推移については,パーソナリティ重視で急増 が相対的に多い。以上の業績的側面のすべてで業種構成が反映されているよ うに思われる。  事業の成功・失敗に対する社長の影響力については,パーソナリティ重視 で「半分くらい」が相対的に多い。  社長の地位・職務については,パーソナリティ重視で責任とするものが相 対的に少ない。  最:終学歴については,パーソナリティ重視で高校(職業科)が相対的に少 ない。  創業者との関係については,パーソナリティ重視で本人が多く子供が相対 的に少ない。知識・経験重視では逆に本人が相対的に少なく子供が相対的に 多い。  得意な分野については,パーソナリティ重視で販売が多く技術(研究開発) が相対的に少なくなっている。  革新的対保守的については,パーソナリティ重視で革新的が多く,知識・ 経験重視で保守的が多い。  事業経営成功は努力が大か才能が大かについては,パーソナリティ重視で 才能が相対的に多く,知識・経験重視で努力が多くなっている。  人に任せる対自分でやるについては,パーソナリティ重視で人に任せるが 多く,知識・経験重視で自分でやるが多い。  社長の性格に近い三英傑では,パーソナリティ重視で信長型が相対的に多 く,秀吉型が少ない。  経営の重点については,パーソナリティ重視で「従業貝の幸福」が多く「経 営の安定」が相対的に少ない。知識・経験重視では逆に「従業員の幸福」が 相対的に少なく「経営の安定」が多い。  社長の能力を決定づける最:も大切なものについては,パーソナリティ重視 で意欲が相対的に多くなっている。

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138  森 俊治教授退官記念論文集(第258・259号)  意思決定のパターンについては,パーソナリティ重視で「役員と協議して 社長が決定」が相対的に少なく,「組織中心の意思決定」が相対的に多くなっ ている。  東京出張回数については,パーソナリティ重視で1回台が少なく10回以上 が多い。東京とのつながりが強いのである。  講読新聞の必読記事項目数については,パーソナリティ重視で0∼5が相 対的に少ない。  後継者については,パーソナリティ重視で長男が相対的に少なくなってい る。  同業他社に比べ劣っている項目数については,パーソナリティ重視で「な し」が相対的に少ない。  パーソナリティ重視型の経営者が全体と比べて目立つのは,サービス業が 相対的に多く,研究開発型・情報関連・ニューサービスに該当するものが多 くなっている。名古屋にある企業が多く,創業も昭和50年代が多くて初期成 長期が相対的に多い。5年間の売上高推移も,経常利益推移も共に急増が相 対的に多い。社長の影響力は半分くらいが相対的に多いが,社長の地位・職 務は「責任」とするものが相対的に少ない。高校(職業科)が相対的に少な い。創業者本人が多く,販売を得意分野とするものが多く,革新的で,任せ るほうで,事業成功は才能によるとするものが相対的に多い。信長型が多く, 経営の重点を従業員の幸福とし,社長能力決定因は意欲とするものが相対的 に多い。組織中心の意思決定が相対的に多く,東京出張も1回台が少なくて 10回以上が多く,必読記事項目数は0∼5が相対的に少ない。後継者は長男 が相対的に少なく,劣っている項目数も「なし」が相対的に少ない。  専門的知識・経験重視型の経営者は,研究開発型・情報関連・ニュービジ ネスに該当するものが少なく,創業も50年代が少ない。5年間売上高推移も 急増が少ない。創業者の子供が相対的に多く,保守的で,自分でやり,事業 成功は努力とするものが多い。経営の重点は経営の安定が多くなっている。  つまり,パーソナリティ重視型経営者は,研究開発型・情報関連・ニュー

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サービスに属するサービス業などが多く,50年代創業で初期成長期にあって 急成長している。創業者本人で販売を得意とし,革新的で,任せ,才能と意 欲を買い,信長型ではあるが,従業員の幸福を目的とし,組織中心の意思決 定が目立っている。  対するに,知識・経験重視型経営者は,パーソナリティ重視型経営者で目 立った点が少なくなっており,創業者の子供で自分で努力し,経営の安定を 重点にしているものが多い特徴がある。 VIII事業経営の成功は努力・才能と企業経営上の特徴  最:新決算年の対前年売上高成長率については,才能で0∼5%が相対的に 多く,5∼10%が相対的に少ない。  :最近5年間ぐらいの経常利益推移については,努力で漸増が多い。才能で はそれが相対的に少ない。  事業の成功・失敗に対する社長の影響力については,才能で「ほとんど全 て」が相対的に少なく「半分くらい」が多い。  社長の地位・職務については,才能で責任とするものが相対的に少ない。  現在年齢については,才能で50代が少ない。その分60代と30代がやや多く なっている。  革新的対保守的については,才能で革新的が多く,保守的は少ない。努力 では保守的がやや多くなっている。  パーソナリティ重視対知識・経験重視については,努力で知識・経験重視 が多く,才能ではパーソナリティ重視が多い。  人に任せる対自分でやるについては,才能で人に任せるが多く,自分でや るが少ない。努力では自分でやるがやや多くなっている。  杜長の性格に近い三英傑については,才能で信長型が多く,秀吉型がやや 少ない。  経営の重点については,努力で経営の安定をあげるものが多くなっている。  勤務時間については,才能で9時間台が多い。一般に才能とするものの方

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140 森 俊治教授退官記念論文集(第258・259号) 渕皿醤寵e円麺騨罧娼聡警髄・寒姻︸e㌍麺騨罧“・マ丹 一懸区 寸 ○ ○ ○ ○ 蛍  中  如  髄  嘩 臼 寸 ○ ○ ○ ○ 牽認 G 渕 ㌍罧轟

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(21)

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(22)

が短時問の傾向にある。  意思決定のパターンについては,才能で「役員と協議して社長が決定」が 相対的に少ない。  海外出張回数については,才能で2回台が相対的に多くなっている。一般 に才能とするものの方が海外出張回数が多くなる傾向がある。  事業経営の成功は努力が大きいとする経営者が全体と比べて目立つのは, 5年間経常利益推移が漸増とするものが多いことと,知識・経験を重視し, 経営の重点として経営の安定をあげるものが多いことのみである。  事業経営の成功は才能が大きいとする経営者は,対前年売上高成長率が0 ∼5%が相対的に多く,5年間経常利益は漸増が相対的に少ない。社長の影 響力は「半分くらい」が多く,地位・職務は「責任」とするものが相対的に 少ない。現在年齢は50代が少なく,革新的で,任せるほうで,パーソナリテ ィ重視で,信長型が多い。勤務時間は9時間台が多く短時間の傾向がある。 「役員と協議して社長が決定」が相対的に少なく,海外出張は2回台が相対 的に多くなっている。  つまり,事業の成功は努力とするタイプの経営者は平均的で,ほとんど特 徴点が浮かび上がってこない。事業の成功は才能とするタイプの経営者は, 安定成長で,革新的,パーソナリティ重視で信長型が多く,短時間勤務では あるが,海外出張が2回台と目立っているところに特徴がある。 IX むすび  以上,われわれは質問項目ごとに全体と比べた経営者のそれぞれの性格・ 意識による特定の傾向や特徴点を摘出・指摘してきた。これによりきわめて ラフな研究方法とはいえ,企業の業績や経営者行動,経営行動に経営者の各 種の性格がどのように影響しているかに関して興味ある諸事実が明らかにさ れ,中小企業経営者の実態や特徴がある程度明らかにされたと思われる。  この点をさらに確認するために,前述してきた結果を総括してみたのが図 表1である。この図表を横に眺めれば,各項目がどの程度経営者の性格・意

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識によって左右されているかが一目瞭然となる。この意味で各種性格が多く 作用した項目をあげてみるならば,社長の影響力,性格に近い三英傑,勤務 時間,意思決定パターン,最新の年間売上高,5年間経常利益推移,社長の 地位・職務,現在年齢,最終学歴,創業者との関係,得意な分野,パーソナ リティ重視対知識・経験重視,努力対才能,経営の重点,社長能力決定因, 東京出張回数,必読記事項目数,後継者などである。  また,図表を縦に読みとるならば,それぞれの経営者性格・意識がどの程 度各項目に影響を与えるかが示されているとみられる。この意味で,社長の 性格に近い三英傑,革新的対保守的,パーソナリティ重視対知識・経験重視, 論理的対直観的,事業経営成功は努力対才能,人に任せる対自分でやる,が この順で影響力をもっていることは明らかであろう。  このようにして,かなり多くの経営上の事柄に経営者の性格・意識的側面 が影響を与えていることが明らかにされ,しかもこうした分析で明らかにな った事実は,いわばわれわれの見聞を肯定する方向に働いていたことも注意 しておかなければならない。  また,各質問に対し3つ以上の選択肢から選ばれるとき,相反するような 性格間で選択がバラバラになるよりも,選択が丁度逆タイプになっているこ とが多かったことも,経営者性格の影響力の強さを物語るものではなかろう か。明らかに経営者性格が業績なり行動なりに一定の意味と方向をもって作 用していたとみられるからである。また三英傑のように三タイプで性格を分 けてみたときでも,信長型と家康型という性格の両極端で選択が逆になって いたこともこの点を裏づける証拠となるものであろう。  こうした諸点を目の前にするとき,われわれは経営者リーダーシップ論で いう特性論的アブU一チの重要性を思わないわけにはいかないのである。  なお,本研究では性格的側面が経営上の諸側面にどのように影響したかを みてきたのであるが,逆に経営上の諸側面が性格的側面に影響を与えている ことも考えられる。たとえば,比較的大規模な企業の経営者は人に任せる態 度をとるといったようにである。

(24)

 また各性格的側面間や各質問項目間にも相互作用が当然考えられるところ である。  したがって,こうした視点を含めて,より一層厳密な相関分析がなされる ことが,経営者の人間的側面の影響力の強さを一般的に確認した以上,今後 の課題とされるべきであろう。それによって,中小企業における経営者のあ り方が具体的に解明されるからである。 付表1 業種と経営者の性格・意識

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(25)

付表3   0 中小企業経営者の性格・意識と企業経営上の特徴 地区と経営者の性格・意識

 10 20 30 40

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付表4    0 常用従業員数と経営者の性格・意識

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(26)

146 森  付表6    0 俊治教授退官記念論文集(第258・259号) 主要事業・製品のライフサイクルと経営者の性格・意識

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付表7   0 最新の年間売上高と経営者の性格・意識

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(27)

付表8   0 中小企業経営者の性格・意識と企業経営上の特徴 最新の経常利益額と経営者の性格・意識

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(28)

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参照

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