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4-4.特任教員・客員研究員だより「ドイツ・バイエルン州経済ミッション派遣事業に参加して」

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Academic year: 2021

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1. はじめに

「2007 年滋賀県ドイツ・バイエルン州経済ミッション派遣事業」に参加の誘いが滋賀県からあった。 ドイツは民間会社に在籍していた当時バーデンヴェルテンベルク州のカールスルーエに企業の研究所の事務所を 開設し、その地を拠点にヨーロッパ各地の有力研究機関や大学等との共同研究の交渉や、若手研究者を派遣して の研究活動など数え切れないほどの回数にわたり出張し、活動していた思い出の地でもある。いわゆる企業サイド での産学官連携活動である。そのような個人的な思いもあり、また大学で産学官連携の仕事をさせていただけるよう になって、大学側の人間としてドイツに接してみることも必要と考え、「滋賀県の経済ミッション派遣事業」に自費参加 した。 訪問先は滋賀県と友好関係にある「社団法人シュヴァーベン環境センター」、「ミュンヘン商工会議所」、「キーム湖 排水環境連盟」の 3 団体および環境関連企業 4 社とアウクスブルク大学であった。今回はこれらの 8 ヶ所を 4 日間で 訪問するというかなり激しいスケジュールであった。

2. バイエルン州について

ドイツは連邦共和国制のもと 16 の州から構成されるが、日本国における地方分権よりは各州の持つ自治権限は はるかに大きい。なかでもバイエルン州は 16 州のなかでも面積は 7,548 平方 km、国の約 20%を占めドイツ国最大 の州で州都はミュンヘンである。 人口は約 12.4 百万人で国の約 15%、GDP は約 48 兆円で国の約 17%でありドイツ国の中でもきわめて大きな存 在である。また失業率は 7.9%で国内最低水準である一方、住民一人当たりの GDP は約 3.9 百万円と最高水準であ る。州内の産業構造比率は、農林牧畜業 1%、製造業 32%、サービス業 67%である。 先端技術、新製品の研究開発には州 GDP の 3%相当額を研究用インフラ、技術革新事業に投入している。また州 内の総合大学 11 校、単科大学 15 校、ドイツ航空宇宙センター、環境研究センター等では、産学連携、技術移転が活 発である。日本との経済関係では、貿易は 1:2.2 で日本の輸出超過傾向である。投資額は対日投資が約 900 億円、 対バイエルン州投資が約 1,010 億円である。 日本とバイエルン州との姉妹都市関係は合計 16 市町あり、ミュンヘンは札幌市、アウグスブルクは尼崎市と長浜 市、ノイシュタットは日野町、ヴェルツブルクは大津市と締結している。

3. 訪問団体・企業・大学

① 社団法人シュヴァーベン環境センター 環境ビジネス分野のテクノロジーに関し欧州でナンバーワンを目指してバイエルン州が推進するプロジェクト “High Tech Ofensive Bayern” に基づいた会員制組織である。

環境ビジネス分野においての情報提供、創業者支援、産学連携コーディネート、企業内研修、中小企業のマー

滋賀大学 産業共同研究センター

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ケティング支援、海外投資支援等のミッションを持っている。現在の会員 構成は、環境関連企業、研究機関、行政・経済団体等で企業約 100 社、 研究機関・自治体等約 60 である。またインキュベーション施設も有してい る。入居条件は原則 5 年間で、賃借料は 1m2 当たり 10 ユーロである。セ ンター長は入居者と滋賀県企業との交流に意欲的であった。 ② ミュンヘン・オーバーバイエルン商工会議所 会員数は約 290,000 社でありドイツ国内最大の商工会議所でアジア部が対日交渉を担当している。「会員の利 益のために尽力する」、「素早いサービスを提供する」、「行政を経済会の側から効果的に利用するよう支援する」 を役割としているとのことであった。 ③ キーム湖排水環境連盟 連盟は 1978 年に創立され 1 日 に 平 均 11,000 m3 以 上 、 年 間 5,000,000m3 の汚水浄化を行い、 85,000 人分の汚水・生活排水処 理能力を所有している。下水網 はキーム湖周辺全長 50km、湖 底全長 28km であり、処理後の水 をキーム湖へ戻す排水パイプは、 全長 10km で合計約 90km が連盟管理である。さらに地方下水溝は約 260km に達している。これまでに連盟浄水 施設に約 9,500 万ユーロ、地方下水道施設に 5,000 万ユーロが投資されており、バイエルン州からは 7,500 万ユ ーロ以上の援助があったということである。 ④ バイオエネルギーシュヴァーベン社 一般家庭、レストランや食品業 界からの生ごみを利用して発電 施設を運営している。発電に使 用されたごみはコンポストとして 再利用される。 ⑤ べコンエネルギーテクノロジー社 バイオガス技術によりバイオマスとして生ごみを乾燥発酵させエネルギーに変換し電力と熱エネルギーを生成 させている。電力は公共の電力供給源となり、熱エネルギーの大半は熱エネルギー利用者に供給されている。ま たコンポストは農業や園芸の肥料として利用されている。ミュンヘン市のごみ処理施設は改修された生ごみを使 用して年間 8,000 トンを処理している。発電装置を設置しており処理後の生ごみはコンポストとして販売している。 ⑥ CFC ソルージョン社 燃料電池、ガスコージェネ発電で欧州に 19 箇所の燃料電池施設を持っている。

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⑦ アーヘンタル社 半官半民の事業形態で、地元産木材を乾燥させチップ、ペレット、練炭 および蒔きを製造販売している。副産物として土壌改良材を販売している。 地域循環型モデルといえる。 ⑧ アウグスブルク大学 1970 年設立の大学である。学部構成は神学、経済学、法学、哲学、社会学、言語歴史学、数学、自然科学、応 用情報学の 9 つから成り立っている。教員は約 450 名、学生は約 14,500 名である。日本学科をもっており日本語 講座がある。経済学部において日本経済・社会を重点分野にしているとの説明があった。日本の大学では一橋 大学、関西学院大学、早稲田大学と交流があるとのことであった。

4. おわりに

環境関係の経済団体・企業・大学 8 ヶ所を 4 日間で訪問し議論するというスケジュールで、各々の訪問先機関とは 時間が制約された議論ではあったが与えられた時間で有益な議論ができた。訪問先の経済団体・企業はすべて日 本との商取引を前提に議論を行ってきていた。滋賀県の経済ミッション派遣も滋賀県企業にバイエルン州の調査お よび企業との出会いを提供するフェーズから、これからは滋賀県も検討されているとは思うが、ギブアンドテイクの原 則で滋賀県から具体的な商取引のテーマを提示しバイエルン州の企業が滋賀県の経済団体・企業との取引に魅力 を感じて来日してくるように情報発信をおこなっていくフェーズに進化していくべきではないかとミュンヘンからの帰路 で感じた。 最後にバイエルン州訪問の機会を提供いただいた滋賀県および滋賀県産業支援プラザに感謝いたします。また、 現地で数多くの有益な情報、国際商取引にあたり知的財産権の重要さ等の助言をいただいた在ミュンヘン日本総領 事館の伊藤領事にお礼申し上げます。 < 参考文献 > 1. 『2007 年度ドイツ・バイエルン州経済ミッション派遣事業』 滋賀県 (財)滋賀県産業支援プラザ/2007 年 11 月 20 日

参照

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