【論 文】 UDC :624
.
137.
55 :624.
042.
ア :55D.
34 日本建築学会構造系論文報告集 第 365 号・
昭和 61 年 7月地震
時
住
家
被 害 予 測 法 定 式 化
への
試
み
一
主
とし て ,地 盤液 状化
に起
因 する被害 を中
心 に一
正 会 員 正 会 員谷
飯
口 田】
一
{
汲士
*事
* * §1
は じ め に 地 震 に よ る 住家の被 災 危険度 評 価は人 的 被 害や 火災 被 害の誘発, さ ら に地震後の生活環境悪化へ の波 及誘因と な るこ と よ り地 震防災 上 重要な位置を占めてい る。
住 家被 害 発 生 原 因 は,
地 震 動 を直接 原 因 と する被害と 間 接 原 因 (液 状化な ど の地 盤破 壊)と す る被害に分け ら れ るが,
最 近の木造家屋の被 害発 生原因は,
地震 動を直 接 原 因とした被 害より,
地 盤破 壊に起因す る被 害が相 対 的に多く なっ て いる。 特に,
地 盤の液 状 化によ る被 害が 顕 著で あり,
河 川 流 域や海 岸 付 近の低 平地におい て重要 な問 題とな っ て い る。
震 動 を 直 接 原 因 とする被 害 (以 下,
震 動 性 被 害と記 す ) の予測 法に は,
物 部1 )に よ る実 証 的 研 究や家屋の復 元 力 特 性を考 慮し た弾塑性動的応答 解 析を行っ た解 析 的 研 究2〕が あ る 。 これ ら の研究は家屋の定量 的な被 害 予 測に 多大な成 果を残 して いる。
一
方, 液 状 化な ど地 盤 破 壊を原 因とす る被 害 (以 下,
非 震 動 性 被 害と記す)につい て, 液 状 化 を対 象と した場 合,
土質 力 学の分 野 に おいて液 状 化発生メカニ ズムや そ れ を支配す る諸因子の研究をも とに液状化可能 性の判定 法が数 多く提案2}−
S) さ れ一
応の成果 を あ げ てい る。
し か し,
家屋の 被災 危 険 度 評 価に応用で きるところ まで に は 至っ ていない。 液状化に起因 す る家屋被害につ い て, 望 月6} ら は液状化地 盤の状況 と家屋 被 害 程 度 を関連づ け て い る もの の, 地 震・
地 盤・
構 造物を 同一
系と して評価 し て いる もの では ない。
す な わ ち, こ れ らの研究は, 液 状 化お よびその被 害の問 題に対し,
土 質 力 学の分 野で は地 震・
地 盤系の解 析で あ り,
望月 ら は地 盤・
構 造 物 系の解 析である。 こ れ ら両 者を統一
的に考 察する こ と は液 状化 に関す る被 害の定 量 的な危 険 度 評 価 を具 体 化する ことに な り,
ま た, 震動 性 被 害に よる危 険 度 評 価 を統 合する こ と で, 統一
一
・
的な住 家の被 災 危 険 度 評 価 法が達 成さ れ る。 本 研 究は,
こ の よ う な観 点にた ち,
地震 時 住 家 被 害 予 測の定 式 化を,
主とし て,
液状化に起 因す る場合を中心 に既 往の地 震 被 害 事 例を 分析す るこ とによ り経験的に試 み るもの である。
§2
被 害 発 生に関 す る基 本の考 え 液 状 化を起 因と し た家 屋 被 害は 「地 震 動 」→ 「地 盤の液 状化」→ 「家屋被 害 」の発生形 態を呈し,一
般に , 家屋被 害 率 をy
と すると,
y =
ノ(地 震 力,
地 盤の液 状 化 強 度,
家屋 強度 )……・
…・
…・
…・
…一 ……・
…
(1) で表され る。
(1) 式 を 具 体 的な関数形で表現す るこ と で被 害 推 定に結びつ くが,
右辺の 各項目 は種々 の素因 よ り構 成さ れ て い る。
こ の素 因につ い て, 既往の地 震被 害 資 料, 液 状 化 地 域の住 家 被 害状況調 査, 液状化実験を参 考に表一
1に示す素 因 を考え た。
これ らの素因 を基に,
(1) 式の整理を 試み る。
液 状化に よ る被 害発 生の 危険 性お よびその形 態 を時系列で推 察す る と,
概念的で は あ るが以 下の 3つ に分 類でき る。
地 震・
地 盤 系よ り決 定さ れ る 液状化 危険 度,
す な わ ち, 地 震 力と地 盤 強度の大小関係 液状化発生後の地 盤変形と その規模 地 盤 変 形 に対 す る家屋 強度,
す な わ ち,
地 盤・
構造 物系よ り決定さ れ る家 屋 被 害 以 上の 分類に基づ き (1)式を 整 理す る と,
y
= ・f
,(地 震 力,
地 盤強 度 )+f
,(地盤 変 形と規 模 ) +fs
(家屋強 度 )………・
……・
…・
…・
・
・
……
(2) と な る。
こ こ で,
fi
項は前述の 分 類 に対 応し,
fi
項 は に対 応 して い る。
こ れ らの項は被 害 増 大に関 与 して い る。
ゐ項は に対応し,
被害の低減効 果を表して いる。一
一
方,
震 動性 被害につ い ては (1)式の地 盤の液 状 化 強 度の要 因 を 除い た地 震 力 と家屋 強度で決 まる。
す な わ ち, 表一
1 液 状 化 被 害 に 関 わ る要因 昭 和 60年 春お よび秋 季 地 震 学 会に内容の一
部を 発表 宰 愛知工業 大学 助 手・
工修 ** 愛 知工業 大学 教 授・
理博 〔昭 和 60年 12月9日 原稿受 理 } 力 (地 震 ) 液 状 被 害 発 生 (地 盤 強 度 ) (家 屋 強 度) 最 大 加 速 度 地 盤 造 (剛 性 ) (せ ん断 応 力 ) ●鬨agnltud 尸 ● 震 央・
震 源 距 罰 波 形の特 性一 一 冖
1
● 継 続 時 間 ● N 値 ● 粒 径● 土 質 形 ● 非 液 状 化 層の傾 斜 地 下 水の 位 置 累 不 変 的 *.
麹.
鰒 ■ 基 礎 形式 独 立 基 礎 布 基 礎 へ 7 基 礎一
108
一
y =
f
(地 震 力,
家 屋 強 度 〉…………・
……・
・
…・
(3
) で あ る。
本研 究は (2)式お よ び 〔3)式の具体化 を地 震 被 害 事 例を基に経験的に定 式 化す る も の で あ る。 既往の液 状 化による家屋 被 害は多くの地 域で発 生してい る が,
その 中 で も濃尾平 野は 1891 年濃尾 地震, 1944年 東 南 海 地 震,1945
年三 河 地震を経 験してお り解析地域と して適 して いる。
ま た,
こ れ らの地 震 被 害の状 況や液 状 化と密 接な 関 係にある表 層 地 盤の構 造など他の地域に比べ比較的明 らか に され て い る ので, これ らの地 震 を分析対象地 震と し た。
な お,
解 析 対 象 地 域は主と して名 占屋 市 域と し た。
§3
既 往の地 震 被 害 分布 3.
1 濃 尾・
東 南 海・
三河 地 震 各 地 震に お ける住 家 被 害.
*.
零illlは当 時の町 村別,
連区 別お よ び区別の行政 単位で 調 査さ れて いる が7)−
9・
1,
図一
1− 3
は名 古屋市に お け る被 害率を1km
メ ッ シュ 単 位で 再 整 理 し たもの で ある。
こ の各地震にお け る被 害を地 盤の振 動 特 性 より分析 し たのが 図一4
であ る。
こ こ で,
地盤の地 震 危 険 度は,一
般に,
周 期・
振 幅 特性より論じられる場 合が多い。
そ こ で,
こ の危険度をS
波 多重反 射 理 論 より解 析 的に最 大0酬A RAT圏O
層
1891 NO 日1 匚A口T閧QUA臨
喞
a1鱗図
一
11891 年 濃 尾 地 震による名古屋 市の被 害率 分 布DAHAGE RATIO
.
19“ TeNANKAI EARTHeUAKE−
alth−
a5 図一
2 1944年 東 南 海地 震による名古 屋 市の被 害 率分布 増 幅度と そ の周ma
1°)を 求 め,
図一
5に示す10
段階区分 と した。
周 期・
増 幅 度の増 加と と もに ランク が増 大し,
危 険 度 が 高く な る と仮 定し た値で あ る. 図一
4の丸 印の 大 小は ランク お よび被害 率に該 当 する 1km メ ッシュ 数 を表 し,
丸 印の黒い部 分は,
各々 の メッ シュ 数の中で液 DA岡 ムGERム1「O
、
194S 岡TKAVVAEARTHOUAKE
FO,
1鵠 図一
3 1945年三 河 地 震によ る名 古屋市の被 害 率 分 布 1 3D−
1o.
3o§
5−
1。N
1−
5 ゆ蠶
二
,1
醜
30−
0 10−
30冪
5−
1。 臥ID−
mo堡
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1.
0 0コー
Q5−
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1.
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O.
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o.
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○ ○ 。 1891NQBIOo
N rofVhshes ● ● 247一
一
一
1358 凱 α OO エ ゜ ° °δ
゜ ° ° 脳 ● ● oO 。 o ” ”○
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○ ○ 旨 O”
U 冂 U 匚 O祠
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厄 UH制
州一
α F 1 2 3 4 5 6 7 Rarlk of 9エvurxi ear しhq.
risk 図一4
地 盤の振 動 特 性 と被 害 率の関 係10
Predomimant eriod in sec
図
一
5 増幅度と卓越 周期に よ る地 震 危 険 度E2)状 化 現 象が観 測さ れ たメ ッ シュ の比 率 を示 したもの であ る。 図に示 した よ うに
,
非 震 動 性 被 害 (液 状 化 )と震 動 性 被 害を 比較す る と,
同一
地 震 危険 度ラ ン ク におい て は,
どの地震におい て も非 震 動 性 被 害の方が約2〜
6倍 大き く なっ て いる。 ま た,
こ の被害率の最 大変化量は (後 述 す る図一
7参 照 ),
濃尾 地震で約40 %, 東 南 海 地 震で約 25 %,
三河 地 震で約 5% と なっ て い る。 図一
4 は地 盤の振 動 特 性に着 目し た考 察であっ た が,
家 屋 被 害は加 速 度との 関 連で分 析す る ことも 必 要で あ る。
そこ で, 濃 尾, 東 南 海, 三河 地 震の名 古 屋 市にお け る地 表 面 最 大 加 速 度 を解 析 的に求め, 両 者の関 係 を考 察 し た。
地表 面最大加速度は断層モ デル を用いる翠 川・
小 林m の方 法に よっ た。
具体的に は名 古屋市域 の第三紀上 面を 地 震基盤 と し,
まず震 源 か ら基 盤までを翠川に よ る 方 法で速度応答ス ペ ク トルを求め, さ らに,
この ス ペ ク トル か ら5
%の減 衰定数を考慮し た加速 度 応 答スペ ク トル を 計算し た。
次に,
小 林1Z}ら によ るこ の加速度応答 ス ペ ク トル と地 震 動 最 大 振 幅との 関 係 式よ り地 震 基 盤 上 面で の最 大 加 速 度を求め た。 そ して,
こ の最 大 加 速 度に,
第三紀 層 以 浅の地 盤構 造を基に S 波 多重反 射理論に よ り計 算さ れ た最 大 増 幅 度を乗 ずるこ とで地 表 面 最 大 加 速 度 を算 定し た。
地 表面 最大 加 速度は 500m メ ッシュ 単 位で求め, そ の一
例 を東 南 海 地 震につ い て図一
6に示し た。
こ の メッ シュ 単 位で求め られ た最 大 加 速 度 を, 相 加 平 均 を とっ て lkm メ ッ シュ 単位に再 整理 し, 3つの地 震につ い て 1 km メ ッ シュ 単 位の 最 大 加 速 度と被 害 率の 関 係 を 図一
7に示 し た。
図 中 白 丸は液 状 化が観 測さ れ た地 域で ある。
最 大 加 速 度と被 害 率の 関 係 は,一
般 的 傾 向と して,
震 動 性 被 害 を 定 量 的に説 明 する物 部 式りの形 状 囲 151−
eeo 鬮 S51.
4CO 圜 aMew 圉 251−
mo 図一
6 解 析 的に求め た東南 海 地 震の地表 面 最大 加速 度23 )一
110
一
を示 し てい る。
し か し,
最 大 加 速度が220− 320gal
程 度に も か か わ らず被 害 率 が25
% 以一
ヒ と,
他の メ ッ シュ とは傾向を異にす る メ ッ シュ が見ら れ る。 これ らの メ ッ シュ は液 状 化の 発 生が記 録さ れ てい たメ.
ッ シュ で ある。
以上の こと よ り,
震動性 被 害につ い ては どの地 震 と も 物 部式の傾 向を示し,例
え ば小 林・
長 橋2 ]に よっ て求め ら れて い る最大 加 速度と住 家 被 害 率の 関 係で説 明で き る。 し か し,
液 状 化が発 生し て い た場 合は,
上 記の傾 向 か ら大き く はずれ被害率は増 大して いる。
す なわち,
液 状 化に よ る被 害は最 大 加 速 度の みb
要 因で は十 分説 明す る ことは で き な い ことを示 唆して いる。
3.
2 液 状 化に起 因す る被 害 図一
8に, 濃 尾, 東 南 海, 三 河 地 震におい て液状化が 記 録 され た地 域 を示し た。
こ の液 状 化履歴に よ れば, 名 古 屋 市は市 北 西 部の庄 内 川 付 近 と南 部の臨 海 地 域に集 中 し て い るe 濃 尾 地 震に おいて は下之一
色 町 (中川区 )で 井 戸か ら泥 水, 砂 水が噴 出し, 砂 泥が2m
も噴 出し た 所が少な く なっ たと記 録さ れ ている。
東 南 海,
三 河地 震 で は南部地域一
帯が液状化し, 稲永新田 (港 区 )の工場 loo 05 豈 の 買 巴 q→
o β 矗 呂蛋
甑 x
.
Acceleration on ヒhe surfacer gal 図一
ア 最大 加 速 度と住 家被 害 率の関 係の 3分の 1が浸 水す る な どの被 害が発 生してい た
。
近 年でも記 憶に残っ て お り, かつ , 液状化が多 数 発 生 し てい た東南 海 地 震につ いて, 港 区一
帯を対象に アン ケー
トや面 接に よ る住民調 査を行っ た。
そ の結 果に よ る 液状化 発生 地域を 図一
9に 示し た。 ま た,
こ の 液 状 化 調 査 結果 と地 表 面最大 加 速度お よ び被 害 率につい て図一
10 に示し た。
液 状 化 発 生メッ シュ をiiii印で示し た。
液 状 化 メッ シュ では非 液 状 化メ ッ シュ に比べ,
最 大 加 速 度はほ ぼ同一
で あっ て も その被 害は最大 5倍と極めて大き く なっ ている。
す な わ ち,
液状化被害は加速度や地 盤の振 動特性の み で説 明で き るもの では なく,
地 盤の液 状 化 強 度に注目 し た分析を行う 必要が あ る。 3.
3 被 害 率算定 式前述で明ら かに し た
,
被 害 状 況 を 基に, 以 ドに液 状 化 に よ る被害と震動に よ る被 害 推 定 式の具 体 化 を行っ た。
(1
)液状化に よ る被 害 推 定 式まず
,
(2)式に示 し た ように,一
般に, 液状化に よ る被害は 地 盤の液 状 化 強 度と密 接な関 係にあ るこ と は疑 う余地のない ことで ある。
そ こ で,
こ の液 状化 強度の 判「
ー
7 ’’
」
一
「
SANDVEN 丁 kCRACK言MUD VENT
.
.
.
.
釦 日5DENCE W直TERFLcrw 図一9
ア ンケー
ト調 査に基づ く東 南 海 地 震で の液 状 化 地 域 1945 TONANKAI EARTHQUAKE 図一
10 東南海地 震に おける名 古屋 市 南 部の地 表面最大加速度,
被 害 率,
液 状 化 地 域 定法につ い て考え る ことにす る。
従来,
提 案さ れて い る 液 状 化 判 定 法に は土の強 度の み を主 体13) (地 震 動は考え ていない 〉と す る もの と,
地 盤 強 度・
地 震 外力に より判 定す る 方 法3 牌・
51が ある。
本 研 究の主 旨か ら す れ ば,
地 震 外 力に対して液 状 化 するか否かを判定す ること が 必要 であ るこ と や,
地震 外 力 (最 大 加 速 度 )をパ ラ メー
ター
と して用い るこ と より,
震 動 性 被 害と の相互比 較が可 能 で あ るこ と よ り,
後 者の判 定 法 を用い るこ と に し た。 こ の判 定 法には,
例え ば,Seed3
],
岩 崎ら41,
石原5) の 方法 が ある。
こ の中で,
岩崎の方 法は液 状 化 危険度を 数 値で 表示す る唯一
の 方 法である。
す な わ ち, 被 害と液 状 化の 定量解 析に適して い るの で, こ の方 法 を用い て液状 化 危 険 度を判 定す る ことに し た。
こ の方 法の概 要を 以下に示 す。 この方 法は,
応 力 比,
土の要素の強度そ し て地 盤 液 状 化 指 数より構 成され て い る。
まず,
地表 面 最 大 加 速 度よ り,
各 深 度に おけ る応 力比 Tm。m/協 を τmar /σ魯;
(α mα
r/9)・
(σ v/σ9
・
rd・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一
(4) で推 定す る。
こ こ で, σ∋は有効 上載圧,
rd は深度 方 向 へ の 低 減 係 数である。
次に
,
液状化に対す る土の要素強 度R を三軸 液 状化 強度 R.
よ り,
R =C
,・
C
ゴC3・
C4・
C5・
Re ”………・
………・
・
(5) な る関 係 を用い て推定す る。 こ こ に,
C,− C
,は静 止 土 圧係 数や試 料の攪乱,
密度等に関す る補正係 数で あ り,
Re は平 均 粒 径D
、。, 有 効上載 圧そ し てN
値で示さ れ る 振 動三軸 試 験によ る液状化 強 度の実 験式であ る。
(4) 式お よ び (5 )式よ り, 任 意の深度に お け る要 素の液 状化 に対す る安 全 率 F、を
F
、=R ・
σ;/τm。r・
…・
・
…・
……・
・
…………・
…・
・
(6 ) と し, さ らに,
F,の深さ方 向の変化 よ り,
地 盤 液 状 化 指 数P
,.
を ・イ
・・
隴 〉・
d
・……・
・
…・
…・
…・
…一
(・) と定 義 し た も のであ る。 た だ し,
F,.
〈1.
0の ときは,
F
=1− F
,,F
,≧1.
0の と きは F;
O.
0 と す る。
ま た,W
(z) は深 度に対す る重み 関 数 と し,W
(z)=
10−
0.
5・
z で表 す関 数で あ る。さて
,
液状化が発 生す る と そ の規 模に応 じて,
その地 点や 周 辺に地変が 生 じ,
家 屋 倒 壊な どの被 害を 発生さ せ る。
この液状化 規 模は,
現 象 面 的に は噴 出泥砂水の個数 や その高さ,
そ し て地変 (地割れ な ど)か ら一
次 近 似 と し て推 定でき る。
こ の 液状 化 規 模の現 象 記 述を既 往の地 震 事 例 を 参 考に, 表一2
に示す6
階 級の液 状 化ラ ン ク に 区 分し,
1891年 濃 尾 地 震 時の愛 知 県 下に お ける被 害に つ い て,
前 述の液 状 化 危 険 度 指数 (以 下,P ,
.
値 と記す) と ともに図一
11に示し た。
な お,P
,.
値の計算に必要な 地 表面 最 大 加 速 度は図一
6に示し た東 南 海 地震 と 同 様の一
一
111
一
表
一
2 濃 尾 地 震 に よ る液 状 化 記述の分 類とラ ン ク化 竝 ク ⊥1234
液 状 化の程 度 僅かの哨 砂・
噴 泥 が 発 生 す る 噴 砂・
噴 泥がや や 多いi
複 数 箇 所か ら噴 砂・
嗜 泥 水、
近 傍一
面水 地 裂から 高さ1−
2mの噴 砂。
噴 泥水に よ り、
付近 湛氷し、
周辺 に浸 水も ある す 地 裂 か ら 高 さ2・
3mの噴 砂。
哨 泥 水が20 分 か ら 且時 間も続 く。
噴 出 水 が 河 川のご と く流れ、
浸 水 被 害 も 生ず る 6 地裂tt■ i高轟 以 上 の 噴 砂・
一
嘖怩 汞が「 時 問 以 上も続く。
噴 出水が河川 のこと く.
流 れ・
浸 水 被 害 を 生 ず る.
_
654321
20[
旨 U く 恥凵
コ σ コ LOyZq 匡0
10 λ)30
40 5060
LIQVEFACT工ON POTENIIAL.
PL 図一
11 濃 尾 地 震によ る 液状化危 険 度 指 数と液 状 化ラ ンク 5ら
ヨ
ど ; 二 思 ち
コ
σ コ も 考 歪 1(
駅)
ト
δ 雪 。工
冨 D83 ち Q「
り
2Φ
9 鳬 0 0 5 0 50
5 0 3
2
2 D IO 20 30 40 50 6D Potentle] of Llquefact
]
on,
PL 図一
12液 状 化 危 険度指 数と液 状 化ランク
,
被害 率の関係 方 法で計算し,N
値,D
,。 (平 均 粒 径 〉等は液状 化記述 の ある地域 周辺のボー
リン グ資 料を参 考に して求め た。
図
一
11に示 し たP
,値と液 状 化ラ ン クはP。
値の 増 加 と ともに ランク値も高く なる比 例 関 係を示 してい る が, P,=
15付近 を境に して そ の増 加 傾 向は異なっ て い る。 具 体的に は,
ラ ンク 4以 下で は,
ランク 1増 分は P,.
値 4 増分に比 例する関 係を呈して い る が, ランク 5以上に なる とP,値の増 分は13
と な り, ラン ク 4と 5で は,
P,値は約 3倍 異な る。
そこで,
今 後の議 論の た め にP
, 値と ラン ク値が線 形 関係と な るよ うに図一
11 を表 示し 直し たの が図一
12である。 図 中の実 線は両 者の 関係 を 示す 近 似 式で,
以 後の被 害推 定 式作 成へ の基 本 的な関 係 と し た。
と こ ろ で,
P,値は最大 加 速 度,
地 盤 構 造 が 求 め られ一112一
れば 解 析 的に算 定で き る値であ る ので,
液状化ランク と 住家被 害率の関係 が 明 ら か と な れ ば,
図一
12は液 状化 に よる家屋被 害 予 測の一
手法 と なる。 現 在,
この関 係を 定量的に示す資料は ないが,
図一
4,7
に示し た よ うに,
液状化に よ る 被 害 は 震 動 性 被 害 よ り,
濃 尾 地 震で約30
〜
40% , 東 南海地震で約 20−
25%大き く なっ てい る。
これ らの被害率発生 地域の液状化 記 述は表一2
の ラン ク 5 ない し6に相 当 してい る。
ま た,
望 月6} らに よ る 1964 年 新 潟地震で の 被害調査 に よ れ ば 全壊率で約10
%,
被 害率で約20
%大き く なっ てい る。 液状化 記述の詳細は ないが周辺の 被害状況 か ら推 察す る と 表一
2の ランク5
〜
6に相 当す る もの と思わ れ る。一
方,
近 年の地震では, 松 田・
望月U /ら によ る日本 海 中 部地震の能 代 市にお け る 被 害 調 査によ れ ば,
低 位 沖 積 砂 質 地 盤で の被 害 率は他の 地 盤 より大き く,
被 害 率は30% 以上 と な る地 区が多い 。 ただし,
液 状 化の詳しい記 述は ないが市 全 体の液 状 化 傾 向か ら判 断す ると,
そ の程 度は表一
2の ラ ン ク2〜
3に 相 当 する もの と思わ れ る。,
以.
ヒの液 状 化に起 因す る被 害 状 況を概 観す る と,
古い 地 震で は, 液 状 化ラ ン ク 「J−
6で は被 害 率は 20−
4e % に な り,
新しい地 震で は ラ ン ク 2〜
3が約 30 % 程 度に な るとい え よ う。
本 研 究で分 析 する地 震は濃 尾・
東 南 海・
三河 地 震 を対 象とし て い る の で, ま ず, こ れ ら の地 震を考え ることに し, 濃 尾 地 震の被 害 状 況よ り液 状 化ラ ン ク6に お け る住 家 被 害 率 を30% と仮 定した。
この被 害率を 図一
12に示し た液 状 化ラン ク で比 例配 分 し, 同 図右縦軸に示し た。
す な わ ち,
被 害 率y
(%) とP
,値の関 係は,
y
ニ O.
667・
P
,・
…・
……・
・
……・
…………・
……
(8) と な る。
この式は, (2
)式の右辺fi
項 を定 式 化し たも の であり,
本研究の基本推 定 式と し た。
(2) 震 動に よ る被 害 推 定 式.
.
般 に,
住 家 被 害 率は加 速 度の増加と と も に等比級数 的に増 加す るが,
その増 加速度は被害率の最大 値に近づ くに つ れ小 さく な る 。 す な わ ち,
被 害 率 0 ° /.−
100% を漸 近 線と し,
その間を増 加す る成 長曲線と な る。
小林21 ら は物 部 式を参考に,
最 大 加 速度と被 害率の関 係 を正 規 確 率 曲 線で与えて いる。 本 研 究で は図一
7に示し た最大 加 速 度と被 害 率の 関 係を基に, 成長曲線の一
種であるロ ジスチ ッ ク曲線を用い推 定 式 を 作 成する。
今, 被害 率を
y
, 最大 加 速度
をa とする と被 害 率の 増 加 率は dy /d
α=
π 邑・
y− k幽y2 ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(9
) と な る。
こ の微分方 程 式 を 解くと,
被 害 率は,
y=
κ /(1十 m・
e一
α’
α )…・
……・
………・
・
・
・
・
…
(10) と なり, こ の式 がロジスチ ック曲線で ある。 こ こ で,
K は漸 近の上限 値,
m,
α は定数で あ る。
し たがっ て,
K=
10Qで あ る。
また,
こ の曲 線の特 性か ら,
m は建 物の耐 震 力に, α は そ の地域の建 物の
一
様 性 を 示す指 標に相 当す るであ ろ う。 〔10) 式’
を 用 い,
図一
7に示 し た被 害 率の 増加傾 向を 近似す る と,
図 中の実 線で示 す 】r=
100/(1十700・
e−
o’
OH’
a )・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(11) と な る。
(11
)式と事 例との バ ラ ツキは多少あ る が,
こ の式を震 動 性 被 害の基 本 推 定 式 とし た。
§4
算 定式の改善 4.
1
液状 化 (8
)式の基 本 推 定 式は地 震 外 力 と 地 盤 強度の関 係を 濃尾地震 を対象に示し た の に過ぎ ない。
そこで,
(8) 式 が東南海地震,
三河 地 震そ して日本海中部地震につ い て どの程 度 説 明できる か を 示し たのが図一
ユ3であ る。
被害 率は濃 尾,
東 南 海, 三 河地震 につ い て は 1km メ ッ シュ 単 位で, 日本 海中部地 震につ いては浅 田]’
a) らに よっ て調 査さ れ た地 区 別の値を用いた。P
,.
値の算 出につ い て は濃尾,
東 南 海,
三 河 地震と も断層モ デル より解 析 的に 求め た地 表面最 大加速度を,
口 本 海 中 部 地 震につ い て は 太 田剛 らによ る アン ケー
ト方 式を用い た震 度 調 査,
強震 記 録17) を 参 考に 175−
225 gal.
とし た。
な お,PL
値は日 本 海 中 部 地 震では 地区 全 体で計 算され た値の平均値を用 い, その他の地 震で は メッ シュ 単 位で求め た値で あ る。
こ れ ら4つ の地 震のP
,値と住 家 被 害率の関係は,
巨 視 的に は, 両者は比 例 関 係 を示 し (8
) 式との対 応 も比 較 的よい一
致 を 示して いる。
し か し,P
,= 25 付近で,
東 南 海,
三河,
口本 海 中 部 地 震の被 害 事例の一
部で全 体の 傾向か ら少し ず れ るよ うで ある。
こ こ で,
こ の分 布 状 況 を 分 析す るこ とで (8)式の改 善を試み た。 こ の分 布の差 異は (2 )式に示した種々 の 要因に よ るものと推 測 され る。
そこで, まず,
な るべ く 同一
要因の多い濃 尾,
東 南 海,
三河 地 震 (地 盤構 造,
地 形, 家 屋 形式は ほ ぼ同一
と考え られ る)を対 象と し て考 察す るこ とに し た。 ヒ記の地 震に よ るP
、値と被 害 率の 分布の最大と最 小 を (8)式 と同一
こう配で近 似す る と,
図 中 破線 (a)お よ び (b
)で示す関係,
Y
α=
0.
667・
PL
十4L655…・
……・
…・
…・
・
…・
・
…
(ユ2)605
。 tue喜
40
lil
10
00
図一
13 ℃Z
〕3D
40
5060
70
80
Potent1己1 0f Llquefactlon.
PL 既往の地 震によ る P,
値と被 害 率の関 係Y
,=O.
667・
P,− 8.
675tStt
−一
…
一・
・
・
・
・
…
t・
t−・
−t・
・
(ユ3> と なる。
す なわ ち,
(8 )式は被 害 率で 13.
3%の変 動 幅を示してい る。
そこ で, (12)式お よ び (13)式の中 央を通る。Yc
= 0.
667・
PL−
L995………・
…………
(14
) を今後議 論を進め る推定 式と す る。 以 上は古い地震事例に基づ いた分析結果で あ るの で,
過 去と現在で大き く異な る家屋の構造 形 式 や 埋 立 地 等の 環 境 変 化 を取り入れ補 正 を行う必要が あ る。
具体的な補 正 項 とし て は,
(2 )式のfz
お よびf3
項であ る。
こ の 補 正につ い て は,
まず, 各 補 正項 を どの よ う な関数形,
ある い は, 係 数と して取り 入 れ る か が問 題と な る。 そこ で,
これ らの補 正 項 を以 下の2
つ の特性に分け検 討す る こ と に し た。
す な わ ち,
(1
)被 害 増 大 誘 因と な る補 正 項 (ii
) 被害減 少要 因と な る補正項 で あ る。
口1
に関わる補正項の具 体 的な因 子と し て, 地 震の 特 性,
地 形・
地 盤 構 造そ し て液 状 化 地 域の 平面 的 拡り を考え た。
これら の因 子は (14)式 右辺第一・
項のP
,値に係る係 数と仮 定し た。
(iD
に関わ る補正項は, 構 造 体の強 度とし て 「建 物の基 礎 強 度」を考え,
基 礎 型 式と して,
(14)式 右 辺 第2項に係る係 数と し た。
以 上の補 正 項 を (14
)式に組み込む と,一
般 形と して,
一闇
・
[
ト
[
iil
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(15> と仮 定す るこ と ができ る。こ こ で,
S
ト n は地 震 波の特 性,Gi−
n は地 形・
地盤 構 造,
Bi_
n li家 屋の基 礎 型 式である。
な お,
液 状 化に よ る被 災地域の 拡がり につ い て は, P, 値の調査密 度や周 辺 地 形・
地 盤 構 造が深く関 与し てい る こと やこの事に関す る デー
タ不 足に より,
今後の検討課 題 と し た。 (1) 地 震 波の特 性 と被 害 液 状 化 し た地 盤に さら に地 震 外 力が作用 する と,
液状 化 層の流 動に よ る沈 下や横 方 向へ の移動な どの 地 変が発 生 す る可 能 性が大 きくなる。
その結果, 被害は増加す る もの と推 察さ れ る。
すな わち,
液 状 化が発 生す る か否か (P,値に より判 定 )と同時に, そ れ以後の震 動 継 続 時 間 も被 害 増 大 素 因 となる。
一
般に,
震 動 継 続 時 間はマ グニ チュー
ドの増 加とと も に長 く な るこ と が 知 ら れて い る。
そこで, 図一13
に示 し た P,値と被 害率の中か ら,
M8.
0の東 南 海 地 震とM 7.
1の 三河 地 震 を比較す る。 まず,
東 南 海 地 震に注 目し た場 合,
図一
13の一
点 鎖線で示 し た よ うに,
濃 尾 地 震 (図 中の 実 線 )と比 較する と,
被 害 増 加 率は 大 き く約 1.
3倍一
113
一
とな っ てい る
。
同様に,
三河 地 震 (図 中の 二点 鎖 線 )と 比 較する と,
逆に被 害 増 加 率は小さ く約 0,
2倍に減 少し て い る。
日本 海 中 部 地 震 (M=
7.
7>で は,
ほ ぼ,
東 南 海 地 震の傾 向と一
致 して いるよ うであ る。
以上の傾 向よ り, (15)式の S、−
n の係 数を地 震 発生域 とマ グニ チュー
ドに より,
S
,−
S3
の 3つ の係 数に区 分 し, 表一
3に示 す 値 を 補 正 係 数と し た。
(2 )地 形・
,
地 盤 構 造と被 害 望 月6 )らの報 告や日 本 海 中 部 地 震 時の 車 力 村での被 害 に見ら れ るよ うに,
家 屋 被 害は液状化による地 盤の沈 下 ばか り でな く, 非 液 状 化 層の傾 斜 等に よ る横 移 動 (地す べ り} も発 生して い る。 こ の原 因は,
前 述の地 震 動 継 続 時 間 も 考え ら れる の で,
表一
3に示し た Si〜
S3の係 数 も考 慮に入れ地 形 特 性に関わ る補 正 係 数 を求める こ と に し た。
地 変の原 因 を 地 形 特 性に よる もの と考え ると,
図一
14 に示す模式的な地 盤構造が考え られ る。
図中の (ユ)型 式は非液状化層の傾 斜が大き く, 上 部の砂 層が液 状 化す る と,
その境界面で のせ ん断 抵 抗 力が激 減す る。
そ し て さ らに震 動が作 用す る とこの傾斜に添っ た 地 すべ り的地 変が発生 す る 地盤 構 造を模 式し た もの であ る。 (2
}型 式は,
不 透水層 (粘 土 層な ど)が地 表面付 近に依存し た り,
近 地点で液 状 化 強 度が か な り異な る地 盤 構 造を模 式 して い る。 こ の ような地 盤で は,
過 剰 間 隙 水圧 の消 散に 伴う浸 透 流が平 面 的 拡がりを 起 し,
周 辺地 盤 の液 状 化を 促 進させ た り,
変 形させ る可 能 性をもつ もの と考え ら れ る。 (3 )型 式は,
液 状 化 強 度が その周 辺でほ ぼ同じで,
地 変 も沈 下 程 度に留まる構 造であ る。
被 害は (3)型 式 か ら (1)型 式へ と増 大すると仮定し て い る。 こ の よ うな地 形と被 害 発 生の現 象 面か ら補正係 数を求 め る。
濃 尾 平 野で は,
事 例 分 析に用い た地 震 当 時で は(2> およ び (3
>型 式の地 盤が多く,
臨 海 部において (1 ) 表一
3 震 動 継 続 時 間に関わ る補 正 係 数灘
Sl
=1.
300
S2
=1.
000S2
= 正。
000
S3
=0.
222
S3
=0.
222
S3=0.
222
模 式 図 〔1〕 憤万向へ
の地 変 大 地 盤 の 変 動 方 同 地 盤 の 変 動 方 向一
一
.
.
一
幽
1’
無 髄 流亊一
.
.
浸 透 流’
」
7’
せん 断 胝 抗 打の 低 下 せ ん 断 抵 抗 力ω低 F.
.
.
横 万 向へ の 地変 小 地 盤 の変 動方 向 地 盤の変動方 向一
一
齟
”
.
、
’
「
’
1.
一ド
.
」
L
・
ン鱸罷
購
賑 三.
三密1慧 逮 塑.
.
墨 塑流盤 塁し 愾 方 向へ の地変 無11
地 盤の変動 万向璽
醸 燹
図一
14 液 状 化 地 盤の模式 図一
114
一
型式が一
部 見ら れ る。
能代お よ び津 軽平野 に おいて は,
(1),
(2
)型 式の地 盤 が 多い。
そこで,
(14)式の推 定 式は (2 )お よ び (3 )型式の地 盤で発生し た被害率よ り作成さ れ た もの と考え れば,
こ の地 形・
地 盤の補 正 係 数 は1.
0と な る。
こ の 補 正 係 数 を 基 準に.
図一
13に示 し たP
,値と被害 率の 関係を検 討すると, 日本 海中部地 震に おい てP
,値50
付近 で 〔14
)式の 関 係か ら大き く ず れてい る 点 が あ る。
こ の地 点 は 若 美 町 と 車 力 村で ある。
こ れ らの地 区の 構 造 型 式は,
(1 )型に属し,
両方と も 液 状 化 を伴 う地 盤 流 動 現象を生じ てい た。 (14
)式との ずれは, 若 美 町で約 L7 倍,
車力町で約1.
5倍と なっ て いる。一
方, 東 南 海 地 震,
三河 地 震で,
P,値が20以 下 の地 点で は (14)式の値の約0.
3と なっ て い る。
以 上の こ とより,
(15)式の地 形・
地 盤 構 造に係る補 正係数 を3
つ に区 分し, 図一
14に示 した地 形タイフ に よ り,G
[= 1.
6,G2
; 1.
0,
(;3; 0.
3と仮 定し た。
ただ し,
日本 海 中部地 震 よ り決 定し た G,=
1.
6に は家 屋 被 害 判 定の相違に よ る影 響 も含 まれ てい るであ ろ う。
例え ば,
古い地 震で の全 壊, 半 壊は正に倒 壊,
半 壊であるの に対 し,
最 近の全 壊は修理 すれば住める家屋 も高い比 率で含 ま れて いる し,
半 壊に至っ て は実に多 様である。
こ の よ う な家屋被害判定につ いて,
古い地 震 との統一
的な被 害 判 定 法 を考え る必 要が あ る。 そ しで,G
‘の補正 係 数 を 決 定し な け れ ば な ら ないが, 本論で は 取 り あえ ず前 述の 係 数と し,
今 後の資 料 蓄 積と分析によ り改 善を試み たい と考えて い る。
(3) 家屋の基 礎型式と被 害 建 物の基 礎 強 度につ いて は,分析 事例対象地 震の濃尾,
東 南 海,
三 河 地 震で は独 立 基 礎が ほ と ん どで,
日本海中 部 地 震で は若 美町に おい て約 70% が 布 基 礎で,
その 内 50% が無 筋で あっ たIE/。
液状 化に対し,
有鉄筋の布基 礎 が 被 害 低 減に有 効で あるこ と は多くの研究者が指 摘す る ところで あ る が,
液 状化の規模にも 左右さ れ る と思わ れ る。
乏こで, 基礎型式を独立,
布基 礎に分 類しtt
(15
) 式の基 礎 型 式に係わ る補 正 係 数を 近年の被害事例より考 察し た。
な お,
基 礎形 式 と して 「ベ タ基 礎」の分 類は あ る が, 木造家屋でこ の基礎が単独 (布 基礎と の併 用は考 え ら れ る)で存在す ること は実質的には極めて少ないの で,
本論で は考慮 して いない。
さ て,
こ の基 礎 形 式の相 違に よ る被 害 状況 につ い て, 望 月・
宮 野19 ]に よる 1978年 宮 城 県 沖 地 震, 秋田市 2°1に よる 1983年日本 海 中 部地震の調査 が ある。
前 者は仙 台 市 東 部 低地の 調 査であ る。 この結 果に よれ ば,
布 基 礎 形 式の家屋 が大・
中 (全・
半壊に相 当 ) 被 害を受け た割 合 は 5.
1%,
そ の他の基 礎で は 35.
4 % と 約 7倍に達 して い る。
た だ し,
こ の被 害の直 接 原 因が液状 化である か否 か は不明で ある。
次に,
液状 化 被 害が顕 著で あっ た秋田市 新 屋 松 美町での調 査によ れ ば
,
被 災 家屋 (すべ て布基 礎 〉の 中で土 台 と基 礎が はずれ る被 害は,
有 鉄 筋 基 礎が全体の 22.
2 %,
無 筋が 66.
7% と約1
/3
になっ て い る。
壁の 亀裂や破 損 被 害で は,
有鉄 筋が 22.
6%,
無 筋が54.8
% と なっ て い る。
いずれの被 害に お い て も, 有鉄 筋が被 害 低 減に有 効で あ り,
その効 果は無 筋に比べ約3
倍 程度の低 減に な る。
以 上の基礎 形 式と被 害 状況 よ り, 基礎 形 式に係る補 正 係数を,
独 立 基ee
B,;
1.
OOO , 布 基mo
B
,=
5.
000 と仮 定 し た。
な お,
布 基 礎は有 鉄 筋 とし,
無 筋の場 合は独 立 基 礎 と同一
とし た。
以.
ヒの補 正 係 数 を考慮す る と,
(15)式は,
一 ・・
[
iliiiiiii
]
儻
iii
]
・
P ,−
1・
995・
[
1
:
:
:
:
:
瀏
・
・
…・
……一
(16 ・ と なる。 4,
2 震 動 性 被 害住 家 被害は加速 度ば か り でな く, 地 盤の周 期 特 性
,
構 造 物の周期な ど の影 響 を 受 ける こ とや地 方によっ て構 造 物の耐 震 度 が一
様 (uniformity )で ないた め,
単一
的に 被 害率推定式を決め るこ とは困 難で あ る。 そこ で,
(10) 式の 係 数 α,
m を変 化させ る こ とで耐 震 力や unifor−
mity を 反 映す る 推定 式を作 成し た。
図一
15は その一
例 である。
図中のE .
Q1
−
3は,
耐 震 力 が 比較的一
様に分 布する家 屋 群で,
かつ,
周 期が0.
3〜
O,
5秒程 度の家 屋 被 害 率を考え,
E.
Ω4−
6は uniformity が低く,
比 較 的 新 し い (周期 0.
2〜
O.
3
秒 程 度 ) 家 屋の 被 害率 推 定 式 で あ る。
ま た,
図 中 斜 線 部は小 林・
長橋z〕に よる 1968 年十 勝 沖 地 震の 八 戸NS 成分の地震 波 形による,
家 屋標 準周期O.
2〜
LO 秒 の家 屋の被 害率よ り評 価さ れ た最 大 加 速度を示し たもの である。
こ の応答解析 結 果と比 較 的 よい対応 を示して い る の はE .
Ω2,
4である。 すな わ ち, 複雑な応 答 計 算 を行わ な く て も (地震 波の特 性や家 屋の 100 豈 Φ∪
」
ω q05 匚「
01 o ; 。 配 ω 0 霍 o ロ,
.
盗
遜
灘
瀦
穿
一
聯
!・
日
536早
融
→
r8
:8
銘
1翻
O.
〔}14 35D O.
014 700014 1 図一
15−
l0 2 0 3 0 400 500 6 0 7 Q 8 0
Max
.
Accelerati 。 n 。n the surface,
ga1ロジスチ ック曲 線に よ る最大 加 速度と被 害 率の関 係 周 期 特性に留意し な け れ ばな ら ない が)概略 的な被 害 率 推定に有効である
。
また被 害資料の集 積と ともに, 係 数 α,
m を 経 験 的に求め るこ と も容易であり,
逆に α, m か ら被 災 地 域の耐震 力,
uniformity の評 価も可 能であ ろ う。 4.
3 検 討お よび結果液 状 化に よ る被害 率 推定 式
,
(16)式 を用い て , 図一
13に示し た濃尾,
東南 海,
三河,
日本 海中部地震の被 害 率 を計算し,
計算 結 果とこ れ らの地震 に よ る被 害 率 を 比 較 し たの が 図一
16で ある。
計算に際 し,
日本 海 中 部 地 震は すべ て布 基 礎とし て計 算 を行 っ た。
両 者の関 係は 比較 的よ く一
致し,
そ の相関係数 は0.
929とな っ た。
§5
被 害 予 測 算 定例一
名古屋 市の場 合一
(
16
)式および図一
15のE .
Ω.
3
式を用い て,
東 海 地 震 を想定し た場 合の名 古屋市にお ける 被 害の算 定 を行っ た。
E.
Q3
式は, 名 古屋の木造 家 屋は昭 和25年 以降のρ
一
δ P 歪 臥 円 召P
憙
0 20 40 60 80 0b5ervatlon of Oan,ge t10,
per cent図
一
16 液状化に よ る被 害 推 定 式 を 用い た計算 結 果 と 被 害 事 例 の対 応「
、
.
宀「
、’
r」
」
LT
.
「
廿
’
’
,
、
「
’
ド
1
bL
“
占
,
.
嶽、
1
許
尸
1
’
尸
丁
」
Lr
L
」
’
1
叮’
■
1
’
尸
L
’
「
、
〔コー
2.
5「
’
.
「
r
E5U
面
畳
U。
nofd 闘 ・ger●t10 醗 1』1−’
ゐ.
o 圏275−
4,
5 ■ 石.
1一
國司・
6−
as Ml氏fi−
T5.
e 図一
17 想 定 東 海 地 震に よ る 推 定 さ れた被 害 率分布一
115
一
建 物が多いこ とより
,
耐 震 性が本研究で用い た地震 事例 当 時よ り向上 し,
かつ,
uniformity も 比較的 高い もの と 仮 定し て選定し た。
地 表 面 最 大 加 速 度の計 算は東南海地震な ど,
本研究で 用い た地 震に よる計 算 法と同一
で あ る。
な お,
断層モ デ ル は建 設省東 海 地 震 想 定 委 員 会によ る もの と し た。
液 状 化 危 険 度 指 数 (P,値 )の計 算に必 要なDSD
等に つ い て は, 名 古 屋 地 盤 図 21 )に 記 載さ れて い る 土質 試 験 デー
タを統計 的に処 理する ことで求め た。
液 状 化の計 算 対 象地 点は,名古 屋 地 盤 図のボー
リング柱 状 図 を参 考に,
可能性の あ る地 点すべて を対 象 地 点とし た。
被 害 率の 算 定は 500m ×500m メ ッ シュ を基 準とし,
その結 果を 図一17
に示し た。
な お, 最 大 加 速 度は ほと ん どの メ ッ シュ で 250gal以下で あるが, 市 南 西 部にお いて一
部 250gal〜
300 galの メ ッ シュ が存 在して い る。
液 状 化に よる被 害 率の計 算に おい て, 地 形・
地 盤に係る 係 数は地 盤 図・
ボー
リングデー
タ を参 考に決 定し,
基 礎 型 式につ い て はすべ て布 基 礎と し た。 た だ し,
図に示さ れてい る被 害 率は, 最 大 加 速 度お よ び液 状 化に よっ て求 め られ た被 害 率の大き い方が示さ れ て い る。
推 定結果に よ れば, 市 西 部の庄 内川 沿い,
臨 海 地 域そ して天白川 沿 いで被 害率15
%以 上 とな る。
これ らの地 域の被 害 率は 液 状 化に よ る もので あっ た。
次に,
以上の計算結果を基に, 震 動 性 被 害と液 状 化に よる被 害を比 較 し名古屋市に お け る液 状 化 被 害の特 性を 検 討した。
図一
18は その 検討 結 果である。
ほと ん どの 地 点で液 状 化による被 害が震 勤性被害よ り大き く な っ て い る。
こ の両 者の関 係は,
液状 化に よ る被 害 率 を Y,,
震 動性 被 害 率 をYaと すると,
Yl=3.
64・
Ya・
…
tt−・
一
一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一・
(17 ) と な る。
す な わち,
名古 屋 市の液状化被害は震 動 性 被 害 の約3.
6倍もの被 災 危 険 度を示 唆している。
§6
ま と め 地 震 時 地 盤の液 状 化による家 屋被害の予 測 法 を作 成し 儒 曼 篇←
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図
一
18 震 動 性 被害と液 状 化による被 害の 関 係一
116
一
た。
従 来,
震 動 性 被 害の予 測 法は数 多く提案さ れてい た が, 液 状 化に よる推 定 法はなかっ た。 こ の問題に対し,
地 震・
地 盤・
構 造 物 を 同一
一
・
系と して,
過 去の被害を詳 細 に分析する ことで解 明し た。
ま た,
震動 性被害につ い て も物 部式と は異なる予 測 式 を作 成し た。 本 論 文の要 約を 示す と以 下の よ うに な る。
(1) 既往の地 震 被 害 事 例に よれ ば,
液 状 化に よ る被 害は震 動性被 害に比べ 約 2〜
6倍 大 きくなっ て い る。
被 害 率で は約 20〜
40% 増し てい た。 (2) 地 震 力, 地 盤 強 度,
地 形な どの要 因を考 慮し た 被 害 推定式 (16
式 }に よ る計 算 結 果 と 既 往の被 害と は よ く対応し,
両 者の相 関 係 数は0,
929 と なっ た。
(3) 震 動 性 被害の推 定をロ ジスチッ ク曲 線 を用い る ことで試み た結果,
小 林・
長 橋2〕に よ る家 屋の応 答 解 析 結 果と 比較 的よい対応を示し,
被 害 推 定の 有 効な一
手 法であ ること が確 認で き た。〔4 ) 想 定 東 海 地 震たよ る名 古屋市の住家被害率の 可
能 性は, 市 西 部の庄 内 川 沿い
,
臨 海地域,
天白川 沿い で 15% 以 上と なっ た。 ま た,
これ らの地 域 の被 害 率は液 状 化に よるもの であっ た。 (5 ) 液 状 化に よ る被 害と震 動 性 被 害を 推 定結果によ り比 較した結 果,
想 定 東 海 地 震で の 名古屋市に お け る液 状 化 被 害は震 動 性 被害の 約 3.
6 倍と なっ た。
数少ない実 証資料の 中か ら多くの要 因を考 慮し た液状 化 によ る 被害 推 定 式を提 案 し た が
,
表一
3の係 数St
が わずか なマ グニ チュー
ドの変 化で大き く変る など問 題 点 を残し ている。 今後,
資料の蓄 積 と と もに検 討し たい と 考えて いる。
謝 辞 本 研 究を行う に当た り,
本学助 教 授 正 木 和 明博 士には 終 始 貴 重な議 論をい た だいた。
数値 計 算は愛 知工業 大 学 計 算セ ンター
お よ び名 古 屋 大 学大 型計 算セ ン ター
(課 題 番 号40003JJ2386
)を使用 し た。
資 料の収 集に当た っ て は名古屋市 市 民 局 災 害 対 策 課の 方々 に多大な御 援 助をいた だい た。
こ こ に深 甚の謝 意 を 表す る次 第である。
注 1) 被 害 率 (%)=
(全 壊 戸 数+1/2半壊 戸 数 )/総 戸数 XlOO 参考文献 1) 物 部長 穂 :土 木 耐 震 学,
常盤 書 房.
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