Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service Japanese Sooiety for the Soienoe of Design
巻
頭
言
Foreword杉 山 和雄
SUGIYAMA Kazuo 千 葉 大 学 Chiba University 自動 車は別とし て,
日本の ように どこの 企業に も インハ ウ ス に デ ザ イ ナー
を数多
く抱えてい る国は お 隣の韓 国 くらい か も しれ ない。 現 在 市 場に出 回っ て い る商 品の 売れ行 きの如何に関 わ らず次々 と次 期商 品を市
場に 送 り 出 す場合
に は,
インハ ウス に100
人,200
人 と多
数の デザ イナー
を必 要 する。一
方, 現 在の商 品の売れ行きが落ち込み そ う な兆し を関 知 してか ら次の商 品 を開発するの で あ れば,
インハ ウ スに さ ほどの 数の デ ザ イ ナー
を 抱える必 要は な く,
外 部の デザ インコ ンサル タ ン トの力を活 用 する こ と になる。 日本や韓 国は, 自動 車を含め て,多
くの 産 業が前
者の 立場を取っ て きたこと が,
インハ ウス デ ザイ ナー
を多
く必 要とした 理由であろう。
さて,
デザ インマ ネー
ジメ ン ト とい う言 葉は今日 世 界 中で定 着してい るが,
こうし た 製 品 開 発に対す る思 想や体 制の違い を考
える と,
そ れ ぞ れの体 制で デ ザ インマ ネー
ジメ ン トに対 する視 点や力 点の置 き 方に差が 生 まれ る の は当 然であろう。 以前,
大 学の 同 僚の 渡辺誠 助 教 授 等と共にロ ン ドン ビジ ネス ス クー
ル の デ ザ インマ ネー
ジメン トセン ター
を訪ね た お り,
同セ ン ター
のデ ィ レク ター
である ア ン ジェ ラ・
デュ マ 教 授は,
「欧州 で デ ザ イン マ ネー
ジメ ン ト と言う と,
皆,
ああマー
ケテ ィ ン グ の 話 ねと狭 く,
捉 える傾 向がある。 」と嘆い て お ら れ た。 しか し, 経 営 資 源とし て の デ ザ イン の価値
とか その 上手 な運用 の仕方 を,
言 わ ば一
歩 引い た形で見る ことの で き る風土 にあっては致し方のない こ と かも知れ な い 。 ま た,
デザ インマ ネー
ジメ ン トの論 文,
著 書の 著者は経 営 学の 方々 で あ り,
デザ イン分 野の人 は極 めて少ない こ ともこ れに拍 車を かけてい よう。一
方,
インハ ウス に デザ イナー
を多
く抱 える 日 本 で は,
デザ イン部 署 自身の 問題と して,
「デ ザイン 部署の マ ネ
ー
ジメン ト」
とい っ た組 織 論 的 色 彩に強 い 関心 が払わ れてい る ように思える、 デザ イン部署 は, 自 身の組 織を如 何に力 量 高 く,
如 何に製 品開 発 全体を ドラ イ ブする力と な りうる か を模 索してい る の である。 し か し,
インハ ウス の デ ザ インマ ネー
ジ メ ン トが組
織 論だ けで事 足 りるわ けで はない 。 やは り経 営 学 的 観 点か らみたデ ザ インマ ネー
ジメ ン トも 重 要であることは論
を待
た ない 。そこで 本特 集 号で は
,
様々な観 点が 入 り交じ り,
広が り を見せ てい る デザインマ ネー
ジメン ト を 日本 型の インハ ウ スの デ ザイン マ ネー
ジメ ン ト と して整 理・
再 構 築 してみ るこ と を試み た。 編 集に際して は,
ま ず,
シンポ ジュー
ムを開催 し,
その 際の パ ネ リス トの発 言をパ ネ リス ト自 身が校正・
修正 す る と い う方 法 を執っ た。 本 特集 号 は 三つ の部分か ら成 り立っ てい る。 最 初は,
日本の デザ インマ ネー
ジメ ン ト研 究の第一
人 者であ り, 「知識 創 造 企業 」の 著 者であ り, 「デザ イン マ イン ドカン パ ニー
」の訳 者でも あ る野 中郁
次 郎先 生に全体の基 調 講 演を お願い した。
第二 は,
「日本 型デザインマ ネー
ジメ ン トのパ ラ ダイム シフ ト」
と題 して,
インハ ウ スデ ザ イン マ 不一
ジメ ン トの シ ス テムの変 革と展 望につ い て議 論 して頂い た。 パ ネリス トは共に デ ザ イ ナー
出 身で, その部 署の トッ プにな ら れ た方々 で あり,身
をもっ てインハ ウス デ ザ インマ ネー
ジメ ン トの 変革
を体
験 してお ら れる方々 である。
日本 という
風土の中で,
それ ら をこれから どの よう
に展 開してい こうとして い るの か その展望 を議 論 して頂い た。 第三 は,
「企業マ ネー
ジ メ ン ト に お け るデザ イン の新た なる責 任と権限」
と題 して21
世 紀に求められ るインハ ウスデ ザ イ ナー
の 職能と役 割につ い て議 論 し て 頂い た。 パネ リス トは共に デザ イン分野外か ら デ ザ イン部 署の長にな られ た方々 で あ る。 それ だけ に21
世 紀に求められ る インハ ウス デザ イナー
の役 割 を冷徹
に見ての 議 論を して頂い た。 本 特集号がデザ インの現場や, デザ イン研 究 者に とっ て参 考と な り,
刺 激となることを祈っ てい る。デザ イン学 研 究 特 集 号 SPECIAL ISSUE OF JSSD Vol