理え 簟:療
f
去学第25巻 第5
号
345〜350
頁(
1998
年)報 告
膝
前
十字 靱帯 損 傷後
の
大
腿
四
頭
筋筋
力
と
筋 電 図反
応
*川
島
敏 生
1)野 鳥
長
子
1)長 尾 啓 子
1)重 松
雄 大
1)山
上
繁 雄
1)武
田
真佐美
D
高 嶋 直 美
D
長
屋
説
1)佐 藤
宜 充
1)栗
山 節 郎
2) 要旨
膝 前 斜 字靱 帯 損
傷
によ る神経
受 容 器の機 能 低 下によっ て筋の反 応 時 間の 遅れ が予 想さ れ る。 また,
膝 前 十字靱帯擬
傷 後の 患 者は特 有な歩 容を県す る こと が指摘
さ れてお り, こ れ が人 腿 四頭 筋に写える影 響も考
え ら れる。今
回そ れを検 証す るこ と をト
柏
勺に, 膝 前 卜字 靱 帯 損 傷 患 者の大 腿四頭 筋の等 速性筋
力・
力 発 生 率,
脛 骨の前 方 動 揺 距 離を測定
す る と と もに,表面筋
電図
を用
い て大 腿直筋 ・
内側
広筋
の 筋 電 図 反 応 時 聞・
電 気 力 学 的 遅 延・
周波数解析
な ど を行
っ た、
,
各パ ラメー
ター
を健 側・
患 側で 比較
した結 果
, 患側
の等 速 性 筋 力・力
発 生率
には有
意な低 下が、
脛 骨 前 方 動 揺 距 離には有
意な増 大が認め られた。 さ らに, 患 側の電 気 力 学 的遅 延に有
意な遅 延が認められ ると ともに, 患 側の 内 側 広 筋の 平 均 パ ワー
周波数
に有
意な低
ドが 認め ら れ た。 電 気 力 学 的 遅 延と脛 骨 前方動揺距離
に相
関は認め ら れ な か っ た。 反 応時
間の う ち,中
枢 過 程 を 反 映 する といわ れて い る筋電
図 反 応時間
に は差が認め ら れず,
末 梢 過 程を反 映 する とい わ れて い る電 気 力学 的 遅延
に有
意な遅 延が認め られた。
また,
%タイ プH
線維
が 高い者に増大
が 認め られる とい う力 発生 率と内 側広筋
の平均
パ ワー
周 波 数に有 恵な低.
ドが認 め ら れ た。 これ らの こと か ら,
膝 前十字靱帯損傷後
の反 応 時 間の遅 れの原 因が,
神 経 受 容 器 の 障 害であ る とい う予 想に反 し,
内 側広筋
の タイプ 且線
維の 萎 縮が原 因で あると推 察 し た。 また膝 前 十字靱帯損傷
後の患 者は大 腿四頭 筋の 収縮
を避け る歩容
や股 関 節 屈 曲モー
メン トを 大 き くする歩容
を呈 するといわれて い る。 こ の様な歩行
が2 関節筋
で股1
對節 屈 曲 作 用 もある 人 腿 直筋 と単関 節 筋で膝関節
伸 展作
用の み の内 側 広 筋の活動
累に差を も た ら し,
そ の結 巣と して 同じ大 腿 四頭筋
であ り な が ら,
タイ プll
線 維の 萎 縮に差 を生 じ させ た と考
え た。 キー
ワー
ドACL
, 大腿
四頭 筋,
反 応 II寺間 (受 付i.
1 上997年9月12匸1!受 理 []1998q三5月L61i)vStrength
and EMG Response of Quadr】ceps MuscLes m
PとItielltti witl 〕 A11亡eri(〕r く〕rし1ciと↓te I
,
Lgalllent 【11jur}「
1)[{本鋼 管 病
1
塊 ワ/
丶
ビ リテー
シ ョ ン科 (干2LO.
G852掴「奈川県!Illll奇市 川 崎 区 鋼∫紆通り]
・
・
2−
1) Toshio Kawashima、
RPT,
Nagit ko N⊂)tQri,
RPT,
Masaml TaReda,
RPT,
Naoml Takashlma,
RpT,
Keiko Kaga り,
RPT,
Takehiro ShigcrnaLsu,
RPT.
SeLsu Nas.
a)一
自,
RpT,
Yosh {miLsu Sato,
RPT,
Shigeo Y…uロaganli,
MD : Dept,
o[』
RehabilitaしiOll Medicine,
Nlpporl Kohkun Hos ぎ)ital
2)
’
レ樋 椅管 病 院 整 形外科Sets
.
uro Kuriy〜L[ll;1,
MDi Dept,
of OrthOpedLc Surgcry.
N[正}pon 旺くc〕hkall Huspitalは じ め に
当 院で は膝 前
卜字靱帯
(以.
.
lz
’
ACL
) 肉建 術・
一
次
縫 合 術の術 前に,
大 腿 四 頭 筋・
ハ ム ス ト リン グスの等速性筋
力, 脛骨 前 方 動 揺 距 離な どの 量的 評 価を可能
な範 囲で 施 行 して い る。一
方,
外 傷の 繰 り返 し や種々 の損傷後
の ギプス固 定に よ る関 節 内 外の組 織の癒 着と瘢痕
化な どによ り,
関 節 内 外346 理学 療 法 学 第 25巻 第
5
弓 の固 有 受 容.
器が機 能低
下に陥
り,情報
の 鼠的・
質的
低 ドが も た ら さ れ,
その結 果として筋の制 御に よる反 応 時 間の遅 れが現れ る1)こ と が指摘
さ れて い る。ACL
に も神 経 受 容 器の存 在 2)と 坐 骨 神 経 を介 した脊 髄へ の電 気 生 理 学 的 入 力3)が報告
さ れ て お り,ACL
損傷
に よ り そ こ に存 在 する神 経 受容
器 も障害
さ れる こと が予測
され 歓,また
,
膝 前 卜字靱帯
損傷後
の 患者
は歩
行、】
ノニ脚 期 に大 腿四頭
筋の 収 縮を避ける歩 行を行 うこ とが指 摘さ れて い る4〕、、これらの こ と が,大 腿四頭
筋
.
の反 応 時 開や筋 力・
筋 トル クの立L
が りに 与え る影 響 を検
証 するこ と を日
的に この研究
を行っ た。反 応
時問
に関 して は表面筋
電 図を用い,
遅 延の 要 因を より明 確にするた めに,
反 応 時 間 を中枢
過 稈 を 反 映 する とい わ れ る筋電
図 反 応 時 間 (pre・
motor reaction
time
:以 卜PMT
)と末梢
過程
を 反 映 する とい わ れ る電 気 力 学 的 遅 延5) (elec−
troInechanical
delay
:以 下EMD
) とに分けて検 討した。 筋 トル ク の立 ⊥1が り に関して は,力
発生率
(rate offorce
developmcnt
:以 ドRFD
) を検 討した。 さ らに筋 線 維タイ プの
変化
を検討
す る こ と をFi
的に 筋 収 縮 時の 筋 竈 図の 周波数解
析を行
っ た。 これ らの こと よ り,
若 干の知 見を得た の で こ こ に報 告 するo 対象
対
象
は,ACL
再建
術・一
次 縫 合 術を目 的に当 院に 人院
し たACL
損 傷の術 前 患 者20
名で あ る。 対 象 者の条 件として は,
外 傷その他
の既往
の ない 正常
な健常側
を有
すること と,
損傷側
に は測 定 時 に疼 痛が出 現せず 最 大 努 力で の筋 力 測 定が可能
で あるこ と と し た。性
別は男娃 12
名,
女性8
名で あ り,受傷
か ら測定
まで の 平 均 期 聞は17.
6
±20,
2
ケ月で あっ た。 方 去筋
力・
反応時 間の 測 定と周 波 数 解 析に は筋 トル ク の測 定と ともに筋 トル クと表 面 筋 電 図の同期化,
筋 電 図の周 波 数 解 析な ど が可能
であ る等
速性筋
力 測 定 機(エ リエ
ー
ル ダ イナ ミ クス社 製, ARIEL
CES
−
5000
)を使
用 し た。
対 象 者はこの
機
器の シー
ト上に股・
膝 関 節90
° 屈曲位
の座 位と なり,
骨 盤と人 腿 を 固 定し,
ド腿 遠 位 部を
60
°
/s の角 速度
に設
定 し た[u]転 棹の パ ッ トに固走
し た 。さ らに
,
内 側 広 筋(
vastus mediaiis : 以 下VM
) と 大 腿直 筋
(rectusfemoris
:以一
ドRF
)よ り表 面 筋 電 図 を導出
し た。 電 極位
置はVM
で は膝 蓋骨
内縁
よ り中枢
側へ 四 横 指の位 置, RF
で はk
前 腸 骨 棘か ら膝
蓋 骨上縁 を結んだ線 上の中点
と し,
サ ンプ リン グ周 波 数は1000
Hz
と し た 。 測 定 シス テム の無駄時
間を最 小 にする た め に対象者
に対
して は, 骨 盤・
大 腿 部・
一
団
退遠位部
の 固 定を許 容 範 囲で で きる限り強
く行 い,
両手
で股 関 節の両外側
に千
、ン:置 するバー
を握 り 体 幹 をバ ッ クレ ス ト に固定
さ せ た。 また,機器
に対
しては2
ケ所あるジョ イ ン ト部分
の締
め付
け を で きる限り しっ か り行
っ たc、運
動
開始
の トリ ガー
と なる外 乱 刺 激は,
約2.
5
m の天 井か ら紐で 吊されたバ ス ケ ッ ト ボー
ル が対象者
の前方約 1.
51n
か ら丁 放し されて,
下腿の パ ッ ト に当たる衝 撃とした(
図 1
) 。対象者
に は 閉 眼にて ,外
乱刺激
を感 じ た ら速やかに最 大 努 力 で膝の 仲 展 を行
う よ うに指
示した。 最 初に こ の衝
撃
を安静時
に与え,
筋 竃 図で 伸 張 反 射が出
現 しな い こ とを 確 認 し た。次
に対象者
が こ の運 動 方 法 を 理解 するまで,
数 回の練 習 を 行い,
その直後
に施
行した1
回の 値 を分析
に用い た、、 な おこ の外 舌L
刺 図1 測定方法 1、
51n 前 ゐより吊さ オ↓たバ ス ケ.
トボー
ル を 于收 す.
膝 前 卜宇 靱 帯 損 イ 麦の大腿四頭筋筋力と筋電 「
SII
反応347
RT甬
RFD筋 トル ク … ←
刪
齟
{
TPF−Tt 齒
一 1 図2
EMG
と筋トル クの関 係RT (r¢action tilnc):反 応 時 間
,
PMT 〔premQtor retlctionLime): 筋 奄 隠1}又LL
・
叮与il{亅,
EMD (electromechanicE 亅1 clelay }』
7匕蒙
t
/f
}∫泊勺∫屡更
1,
「
「PF (ti1Tleし⊂>peak fo[℃c):ナ」ヒ\.
クH,
寺「背亅,
PT (peak tDrque):体 重11bs
丶
〔1りの ヒ1一
クトル クkk
−
.
.
RFD (rate D9 [』
orce 融 ve1し,pment ): 力発 {1ぞ辛ζ.
激
は[’
1頭
での開始合図後, 5
秒 以 内の ラ ン ダム な 悶 隔で 与え,
常に健 側・患側
の 順番
で行
っ た。解析
の パ ラメ…
ター
一
は角
速度 60
° /s で の ピー
ク トル ク値 (〔bs
単 位で体弔 比に換算
: 以 ドPT
)、
外 乱 刺 激 (膝 屈 曲トル クと して表 出 )か らVM
・
RF
そ れ ぞ れの筋活動
開始
までのPMT ,
VM
・
RF
の筋 活 動 開 始か ら筋 トル ク出 現までのEMD
, 筋 ト ル ク出
現か ら ピー
ク トル ク に達す る まで の カピ
ー
クrl
寺i
昌」(timc
to peakforce
; 以.
ドTPF
),
体 重 比に換 算:す る 以前のPT
値
をTPF
で害1亅一
コたRFD
と した (図2
)。EMD
は筋 トル ク の発 生が 大 腿 四 頭 筋 各 部の筋 収縮
力の合
力と して現れ る と考
え ら れ るの で,VM
・RF
ど ち らの筋
収縮
が ト ル ク の発生に最 初に寄
’ ∫して く る か が断定で き な いた めVM
・RF
の 平均 値とした。
さ らに,
VM
・
RF
の 筋 活 動 時 の 平 均パ ワー
澗 波 数 (meanpower
frequcncy
: 以 ドMPF
),
KT
−− IOOO
ar−
throrneter
を使
用し,201bs
で牽引
し た際の脛骨
前 方 動 揺 距 離を測 定し たD 同
一
v li“
ラメ
ー
ター
の 健但
lj・
患側
の比較
に は,
Wilc
()xonsi8rled
rank
test
を用い て統計
処理 し た。 ま た, 患倶
1亅の各
パ ラ メー
ター
と受 傷か ら測 定まで の期 聞,
脛 骨 前方 動 揺 距 離とEMD
との 関 係をSpearman
の 順 {、跡ll
関を用い て’
検討
し た。 結 果結
果を表
1に示す、
,
PT
健 倶l!69.
7
:士:16.
2
%・
丿よ廴但II48.
4 一
ト18.
6
%『
Cf’
,
∫
Lt
1
側が有 意 (p<G.
OOOI
)に低 下して いた。PMT
VM
で は健側
120−
L
30
msec・
1
歯1
側 llE
:1−
3
,
1
msec で あ り,
RF で は健 側 116 士30
msec・
1
ま1
側 111
=28msec
で あ り,
VM
・RF
ともに有
意 差は認め られ な か っ た。FMD
健 偵]180
二t30 Tnsec・
ノ、
皇イ貝il100
土36
}nsec て3
∫ま廴 側が絢.
恵(
p−
0
.
0216
)に遅 延してい たDTPF
表1
各パ ラメー
タの健 側・
患 側での比 較 (平均士標準 偏 差 ) パ ラ メー
ター
健 側 ピー
ク トノレクf
直 (%) 筋 電図反 応 時間 ⊂msec ) 内 側 広筋 大腿直 筋 電 気 力 学 的 遅 延 (msec ) カピー
ク時 間 (msec ) 力 発 生 率 (ft・1bs
!rnsec) 平 均パ ワー
周 波 数 (Hz
) 内側広 筋 大腿 直 筋 頸 骨 前 方動 揺 距 離 (mm )69,
7
±16.
2
120±30116
±3080
±30258
±94
435.
7一
ト181.
5
65,
0
:ヒ7.
2
82.
5± 7.
06
.
6
±2.
8
患 側48.
4
:,18.
6
1ユ1⊥34 111±2810D
上36285
±122
381.
6
±333、
4
53,
4士 1LO80,
6
⊥.
10,
9
1
/.
3
±2、
4
有意 差 P<0
.
01
NS NSp 〈0,
05
NSP
<0.
05
Pく0,
01
NSP くO.
Ol
348 理学療 法学 第
25
巻第5
弓・
健
側 258
±94msec
・
患側 285
±122
msec で 有 意 差は認め ら れ な かっ た。RFD
健但
U435
,
7
ゴ:181
. r コft
・
lbs
/msec・
患、
狽il381.
6
±333
.
4ft
・lbs
/rrlsc・
C で 患、
側 が 有 意 (p
=0.
el37
)に低
.
一
ド
してい た。MPF
VM
で は健 側65.
0
±7.
2
Hz ・
患 側53
.
・1±11.
O
Hz
で患、
側
が有
意(
p−
0
.
001D
に低 下して いた が,
RF
で は{建{則82.
5 −
i
7,
0
Hz ・
患 但1180,
6
±le.
9
Hz
と有
意 差は 認 め ら れ な かっ た 。 脛 骨 前 方 動 揺 開 離健 側
6.
6
±2.
8
mm・
患倶
111
.
3
±2,
4
mm で患 側 が 有 意(
p = O.
OOOI)
に増
大して い た。受 傷か ら測 定まで の期 間と患 側パ ラ メ
ー
ター
との
相
関 相 関の認め ら れ た患 側パ ラ メー
タ・
一
はPT
(順 位 相 関 係 数:0.
558,p = O.
015
),
お よ びRFD
(lrlr
{位 網 関 係 数:OA66
,p =
0
.
042D
であっ た。 また,
脛 骨 前方 動 揺 距 離 とEMD
に相関
は 認め ら れな かっ た。考
察
患
側
のPT
が有
意に低ド
し たの は,受傷
後の安 静や筋 活 動 量の低 下に よ る当然の結 果 と考え られ た。 しか し,PT
は受
傷か ら測 定まで の 期 間とiE
の相 関が認められた。 っ ま り受 傷 後 聞 もない対 象者
ほ どPT
が低 く, その後は向上 して い く とい う事実
が 認 め ら れ た。今
[司,疼痛
の 無い対象者
の み を 対 象に した に もか かわらず こ の よ うな結 果 と なっ たの は,受傷後
間も ない対象者
ほ ど,脱臼感
な どに対する潜 在 的な不 安感
な ど か らくる神 経 系 の抑 制 要 因 も働いた た めで はないだろ う か。反 応
時
聞(
reactiontin
ユe)
は 「与え ら れ た刺
激によっ て意識
的に決 定される応 答の最 小の時
間 遅れ.
1
とい わ れ,PMT
とEMD
か ら成 り,PMT
は巾 枢 過 程, EMD
は末 梢 過 程を反 映す ると仮 定 さ れ る5)。 今 回, PMT
に は有 意差 は認め られ な かっ たが, EMD
には患 側に有 意な遅 延が認 め ら れ たEMD
には直
歹1騨
性要
素の ゆ る み と と もに筋張
力が関 節 トル クとして検 出できる までの結
合 組 織お よ び関節
の ゆ る み,
トル クが測 定 可 能な レ ベ ル まで に達す るまで の時 間,
測 定シ ス テム にお ける無 駄 時 間が加わ る6)。 こ の う ち,
健 側・
患 側 での測 定条件
で 明ら かに差の ある要 素はACL 損
傷に よ る関 節のゆ る みであ る。 そこ で脛 骨 前 方 動揺距離
の 測定 ・検
討を行 っ た、、 そ の結 果,
患 側膝
は脛骨
前方制動
を担うACL
の損傷膝
で あ る ため, 患 側に有 意な増 加が認め ら れ た、, しか し, EMD
との相関
は 認 め ら れ な かっ た。 っ ま り,
関 節の 動 揺 (ゆる み)が増 大 して も患 側EMD
が増
加す る 傾向
は 認め ら れ ず, 前方
動 揺が患 側EMD
の遅 延 の.
大き な要 因には なっ て いない と考え た。 さ らに,TPF
に有 意 差は 認 め ら れ な か っ た が 患側
のRFD
に有
意な低下
が認め ら れた。TPF
は筋 トル ク出 現か らPT
までの時
問であ るた め,
今 回のよ う に患側
・
健側
のPT
に有 意 差が認め ら れ る場 合,
そ の比 較に はTPF
で はな くPT
をTPF
で除 したRFD
を 用い るこ と が適切
と考
え る。RFD
は筋
の収縮
速 度で あり, 厳 密で はない が トル ク カー
ブの x’
1
/トが り角度
を表
わ してい る。 永田7)はRFD
を 最大 トル ク出
現率と表 現 し,
% タ イ プ且線維
が高
い者
に その 増 大が認め ら れ る,
と報 告して い る。こ の こと か ら
, RFD
の低
.
ド
はi
モに タ イ プH
線維
の萎縮
が その原 因で ある と推 察 した。 ま たRFD
は発 症か ら測 定まで の期
間と正 の相関
が 認め ら れ た。 こ の こと か ら, 神経 系の抑制
は筋
.
張 力で あ るPT
の 低 ドの み な らず,
力 発 生 の速度
であるRFD
も低.
一
ドさ せ る,
と い うこ と が 百え るの では ない だ ろ う か。 さ らに
,
患 側VM
のMPF
に有 意なf
氏下が言忍 め られ,
患 側RF ’
に は有.
意 差が認め ら れ な か っ た、 こ の こ と か ら, 患側 EMD
の遅延・
RFD
の 低 卜「
の原 因は患 側VM
にお ける タ イ プ1
線 維の選 択 的萎縮
が その 原 因と推i察
し た。Sal
。8)に よると,
低い運 動 強 度で は タ イ プ1
線 維の み活 性 化さ れ,
運 動 強 度が増すに っ れ タイ プH
線 維が活 性 化され る とい う。 また,
ヒ ト大腿 四 頭 筋の廃 用性筋萎縮
の酵素組織
学的
研 究9)で は筋 線維
タ イ プ別 貞径は タ イ プ1
線 維 ≧ タ イ プIA
膝前十字 靱帯損傷 後の 大 腿 四 頭 筋 筋 力と筋 電 図反 応
349
線 維≧ タ イ プ 且B 線維
の関 係が あり,
ヒ ト大 腿 四 頭 筋など タイ プ1
線 維,タ イ プnA
・
IIB
線 維が 適度
に混 在 する標 準 的な筋
で はタイ プHB
線 維の筋萎縮
が最 も高 度で あ ると考え るのが適切
で あ る10 )とい う。 以一
ヒの こと か ら, ACI 、
損 傷 後の患側大
腿四頭 筋の活 動 量 低.
ドによりVM
にタ イ プ 豆線 維の高度
な萎 縮が おこ り,
これに より
MPF
の低 ドが認め ら れ た と推察
し た。Berchuck
ら4 )に よ る とACL
損 傷患者
の75
% に歩 行 立 脚 期に脛 骨が前方
にずれ る不 安か ら,
そ れ を避ける た め に大 腿四頭筋
の収縮
を避け る歩 行 (Quadriceps −AvoidanceGait
)が認め ら れ る と い う。 ま た,受傷後 1
年 以 上た っ た陳 旧 例で は歩行時
の股
関 節 屈 曲モー
メ ン トの増大
が 認め ら れ るの とする報 告
がある、,
これ らか ら考え る と,
ACI .
損 傷 後に同じ大 腿四頭筋
であ っ て も,
単 関 節筋
で膝伸
展 作 用の み の VM の活
動 量が一
二関 節 筋で股 関節
屈曲作用
もあるRF
の活 動 量より少な く な り, RF
よりもVM
によ り高度な タイ プll
線 維の萎縮
が出
現した と考え た。 そ の結 果,
同じ大
腿匹1
頭 筋で あ っ て も,RF
にMPF
の低 下が認め られず, VM
に はMPF
の低下
が 認め ら れ る とい う差が現わ れ たので は ないだ ろ う か。本
研 究よ り,
ACL
損傷後
に特
異 的か否か は判1
新で きな い が,ACL
損傷後
の大
腿四頭筋
には筋
力の よう な 量的 低 ドの みな らず, EMD
の遅 延やRFD
の 低 ドな どの質
的 変 化 も認め られた。 さ ら に この原
因は,VM
の タイ プ且線 維の萎縮
であ る と推 察 され,
これ はACL 損傷後
に見られる特 有 な歩容
とVM
が単 関 節で あ るこ と が要因
と推
察 し た。今
後,ACL
損 傷 後 の理 学療 法
に お い てVM
にH
を向
け た評 価・
訓 練が必 要と考える。 文 献D
中 山 彰一
:関 節 ト レー一
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』
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E
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350
Eljl!illts?Lidi;:
tt'
25#eg5-Fi<Abstract>
Streftgth
andEMG
Response
ofQuadriceps
Mus
¢les
in
Patients
with
Anterier
Cruciate
Ligament
Injury
Toshio
KAW'
ASHIMA,
RPT,
Nagako
NOTORI,
RPT,
MasamiTAKEDA,
RPT,
Naorni
TAKASHIMA,
RPT,
Keiko
NAGAO,
RPT,
Takehiro
SHIGEMATSU,
RPT,
Set.su
NAGAYA,
RPT,
Yoshimitsu
SATO,
RPT,
Shigeo
YAMAGAMI,
MD
Departmemt
ofRehabilitation
Medicine,
Nippon
Kbhkan
ffOspital
Sctsuro
KURIYAMA,
MD
Departmemt
of
Orthopedic
SuTgerv,
AJiPPon
Kohkan
ffbspital
We
evaluatedthe
jsokinetic
strcngth ofquadriccps
and anteriortibiai
displace-ment of
the
patients withthe
anterior cruciateligament
(ACL)
injury
(N=-,20),
and recorded simultaneously electromyography(EMG)
of rectusfemoris
and vastus medialis using surface clectrodes.W
¢determined
premetor
reactiontime
<PMT),
electromechanical
delay
(EMD),
which was consideredto
represent muscle response, and meanpower
frequency
(MPF)
fromEMG,
Thc
isokinetic
strengthdecreased
significantly(p-<O.OOOI)
andthe
anteriortibial
displacement
increased
significantly(p=O.OOOI)
in
the
lower
extremity withthe
{njured
ACI..
EMD
increased
significantly(p=--O.0216>
andMPF
of vastus medialisdecreased
significantly(p=
O.OOI
1)
in
thelower
extrernity with theinjured
ACL.
Thcsc suggested a
decrea$e
in
quadriceps
muscle strength and a delay inmuscleresponse
in
patients withACL
iniury.