了
「
’!
ご
1叩併
r ζ5ご/σ:‘厂natoヂP5ン【
/hotiotnicSvien〔
e 2【,IZ、
Vσ
L31,
N{
}
1、
12−
23原
著論 文
順 序 記憶
の
短期 的保持
に お
け る
語長効果
:項 日
と順序
の符
号 化に お け る トレー
ドオフ仮 説に関 する検討
1都 賀 美 有
紀
・
星
野
祐
司
立 命 館 大学Effects
of wordlength
on
order memoryin
short −
term
retention :Examination
ofthe
item
−
order encodingtrade
−
offMiyuki
ToGA
andYuji
HosHiNo
Ritsumeikan Universi’ア*
Two experiments were conducted to lnvestigate the effects 〔〕fword length on item and order memory
,
In both expe 「iment… f・c・ ・e・all t・・t・nd ・ ・ec・nst… U・n t・・t w・・e c・nd ・ ・t・d t… ・a・u・e it・m ・nd ・・d・・m ・lu・ ・y,
・e・pec−
ti・ ・ly・
・Fi・e・h
・ ・t w・ ・d… 51・ng w・ ・d・ w ・・e p… ent・d・【th・1・ … i・9
Pha
・e a・d!・・ted・丘er ・d・1・ア・f 7.
5・.
1・Ex−
pe
「imentl
・
b。th F・ee ・e・・ll・nd ・・c・n・t・u・ti・n t・・t・w・・e i・t・ ・mi ・gl・d、
1・ E・p・・ime・t 2,
ea・h・fth・ ・e t・・t・w・・p・e−
・ent・d i・ ・ bl・ ・k・曲 ・m ・t・
B・th ・xp ・・im・nt・d・mQn ・t・・t・d・th・t l・ng w・・d・h・d・n ad ・・nt・g・at th・
i
・・t seri、lposition and short words had an advantage at other serial positiens in a fr¢e recali test
,
while word length had no ef−
fect in a re⊂QnstruGtiQn test
,
These results suggest that the encoding 〔⊃f ltem information is processed atdifferent
stages er subsystems than the encoding of order inf{)rmatk )n
.
Key
words :word Length effe⊂t,
free recal1,
0rder reconstruction私た ち は 物 事の時 間 的 順 序につ いて よ く記 憶 して い る
こ とが 知 ら れてい る (例えば, Hasher&Zacks
,
19ア9;Mc−
Cormack
,
1981)。
Hasher &Zacks は,
Zimmerman & Un−
derWQod (1968)が行っ た実 験に お いて自 由再生後に測 定 し た単語の提 示 順序の記 憶に は順 序の記 銘を教示 し た条 件と教不 し なか っ た条 件で差が示 さ れ なか っ たこ と か ら
.
順 序の記 憶が記憶 意採1
を 必要とし ない 自動 的 処 理で ある酊能 性 を 示 唆し た。
しか し,
自由再生 後に 測 定 し た 単 語のlr
匱序の記憶で は な く,
順 序の 再構 成 課 題の み を 行っ たNaveh−
Benjamin (1990)は,
系列提示さ れた 単 語 の順 序を記 銘す るとい う教示 を あ らか じ め与え た条 件 群 と記 憶 課 題を予期し ない 条件 群 を比 較し,
「4
構成課 題の * C ・11
・g・ ・fL・tt…,
・Rit ・・m・ik・n U ・iversitV,
・56−
1T ・」i−
i。Kitamachi, Kita
−
ku,
Kyoto 603−
857フ,
Japan
E
−
mail :mtoga−
a @sLritsumei.
ac.
jp
I 本研究の
一
部は 凵本 認 知 心理学 会第5同大 会お よ びH
本 心 理 学 会 第ア1回人会に おい て発 表さ れ た。
また
,
研究の一
部は 2009年 度お よび2010年度立 命 館大学研究推進プログラム (基 盤研究)に よる補 助を 受けた
.
成 績が 記 銘教 示を与えた条 件 群に おい て高く なる こ とを 示した。
川貞序の記 憶は符号 化か ら検 索まで さ まざま な プ ロ セ スを含み,
自動的処理 と みな される部 分が あ るとし て もそ れ だ け で は説 明で き ない こ とが指 摘さ れて い る(N・v ・h
−
B・njami ・,
1990;T・eng, L・e,
&W ・tzet,
・1979)。Hendry & Tehan(2005)お よ びTehan & Tolan(2007)は
,
項 凵につ いての符 号 化 処理 と順序につ いての符号化 処理 が トレ
ー
ド オフ の 関 係にあると仮 定し てい る。 彼らに よ る 項 目と順 序の トレー
ドオ フ仮 説は,
語 長効 果につ い て 説明 する た め に提 案さ れ た。
直 後系 列 再生課 題に お い て,
語 長の短い単 語 (短 単 語 )は語 長の長い単 語 (長 単 語 )より多 く再生さ れる こ と が 報 告さ れて い る (例え ば,
Baddeley,
Thomson,
& Buchanan,
1975)。 こ の よ う な語 長 効 果につ いて は
,
短期記憶を再 活 性 化 する心的リハ
ー
サル に 要 す る時 間が語 長によっ て異な る た め
,
窺 期記憶か らの衰 退
,
あるいは 十渉の影 響に より長 単語の成績が短 単 語より劣る結 果になる と説 明さ れ て い る (Bad
−
deley,
Chincotta,
Stafford,
&Turk,
2DO2)。
しか し,
面吾長 効果の説明 に おい て リハ
ー
サル に要 する時 間を重 要視し ない仮説も提案さ れ てい て
,
語 長 効果 に関する統・
的な見都賀
・
星野;順序記憶の短 期 的 保 持に おけ る語 長 効 果 13解が得られ てい るわ けで はない (例えば, Lewandowsky
,
Oberauer
,
& Brown,
2009;Nairne,
2002)。
Tehan & To]an(200ア)に よ れ ば
,
項 目と)1fi序の トレー
ド オ フ仮説は語 長効 果に関す る新しい仮 説と し て提 案され た。
項 目と順 序の トレー
ドオフ仮 説は,
直 後の記 憶 課 題に見ら れ る語 長 効 果の みな ら ず,
長 期 記 憶の課題で の語 長 効 果につ い て も考 慮さ れて いる。
Hendry & Tehan (2005) は次の よ う な実 験を行い 彼ら の トレ
ー
ドオフ仮 説 を検証 してい る。 実験で は,
系列提 示 された単 語 を順 序ど お りに想 起 するこ とが求められ る 系列 再 生と,
学 習時に提示さ れ た単 語か ど うか の判断を 求め ら れる再 認 記 憶に学 習 単語の語 長が及ぼ す影 響が検 討さ れ た.
6単 語か ら な る学 習リス ト が30 リス ト提 示さ れ,
その う ちの IOリス トは系 列再生を測 定す る た めに 用い ら れ,
残りの 20 リス ト は再 認 記憶を測定す るた め に用い られ た、
学 習 単 語は 1秒ごと に 1単語が提 示され た。 系 列再生 課 題は学習 リス トが提 示され た直 後あ るい は4秒 後に実 施 さ れ,
再 認 記 憶 課 題は 30リス トすべ て が 提 示さ れ た後に実 施さ れた.
系 列 再 生の止 答 率に は短 単 語が長 単 語より も 高 くな る語 長 効 果が示さ れ たn一
方 で,
再 認 記憶では長 単 語の再 認率が 短単語よ り も高く な る語 長 効 果が示さ れ たuHendry & Tehan(2005)に よ る と
,
学 習 時に長 単 語は 短 輦語より も長い 時 間をか けて処 理さ れ るた め,
項H
に 関 す る符’
号化が豊 富にな る。
再 認 記 憶は主に項1.
1
情 報に 基 づ くた め,
再 認 記 憶 課題で は長 単語が 短 単 語 よ り 高い 成 績になると説 明 された..
・
方,
短 単 語は長 単語より も 短い時間で符号化さ れ る.
その た め,
彼らの実 験の よう に 1語あ た りの提示時間が短 単 語と長単語で 同 じ長さに 設 定さ れ た状 況で は,
長 単語よ り も 短単語におい て11「頁序 の符 号 化の た めに利 用で き る時 間が 長く な る。
その結 果,
順 序の記憶につ いて は短 単 語が長 単語より有利に な るu こ の よ うに填 目の処理と順序の処理 が トレー
ドオフ の関 係にあると仮 定さ れ る。 項 目と順 序の ト レー
ド オ フ 仮 説に つ い て は,
語 長 効 果 以 外の変 数につ いて も検 討されて い る
。
Nairne,
Riegler,
& Serra(1991)お よ びDeLosh&McDaniel (1996)は
,
生成 条件や低頻 度 条 件の よ うに 項 日の処 理に よ り多 くの処 理資 源が さかれる と,
順序の 処 理に使 用で きる処 理 資 源が低 減する た め,
項 目の記 憶 ご関連す る再 認 課 題や 自由 再 生 課 題の成 績が 高 くなり,
順 序の記 憶に依 存 する再 構 成 課 題の成 績が低 く なる と説 明し た。
語長 効果にお け る項目と川貢序の トレー
ド オフ仮 説を検 討 する た めに行われたHendry &Tehan(2005)の実 験は,
設 定さ れた保 持 時 間 を 問 題 点と して挙 げる こ と が で き る。
Hendry &Tehan (2005)で は,
系 列 再生課題は各 学 習リス トの提 示 直 後あ るい は4秒 後に行わ れ,
再 認 課 題 はすべ て の学 習リス トが提示さ れ た後に行わ れ た。 し た が っ て,
Hendry& 踟han
(2005)の実 験で は,
項 目の記 瞳と順 序の 記憶が同 じ遅 延 時 間において比 較さ れ て はい ない,
、
項 目の記 憶 と順 序の記 憶の両 方 を 反 映 す るとさ れ る系 列 再生課 題は短 期 記 憶の影 響を示 して お り,
項 目の 記 憶を 反映す るとさ れ る再 認 記「
「意課 題は長期 記 憶の影 響 を示してい ると考え ら れ る。 語長効 果に お け る項目と順 序の トレー
ド オフ仮 説を検 討す る た めには.
遅延時 間が 同 じ条 件で項 目の記 憶と順 序の記 憶を検 討する必 要が あ る だ ろ う、、
今回の実験で は,
同一
の遅延時問後に語 長効果に関す る項目 と順 序の記 憶 課 題を行い.
項 日の処 理と順 序の処 理 が ト レー
ドオフ の関係にあ るか どうか を検 討し た.
研 究の目 的は,
項 目と川貞序の ト レー
ドオフが 短 期 的 保 持の 範 囲で成 するか どうか を検 討 するこ と であっ た。 Bad−
deley(2000)お よ びBadde]ey
.
Allen,
& Hitch (2011)は 異 な る情 報を扱う複 数の処 理か ら構 成さ れて い る作動記憶の モ デル を 提 案し てい る。
作 動 記 憶が複 数の要 素か ら構 成 さ れ てい るの な らば,
単語の 徇号化 処理がそ れ らの構 成 要素に振 り分け ら れ ること に よ り トレー
ドオフ が生じ に く く なる可能 性が考え ら れる。
実 験で は,
短 期 的 保 持の 範 囲に おい て検 討 する た め に,
各 リス ト の提 示 後に実 施 す るこ と がr可能な自由 再 牛 課 題と順 序の再構 成 課 題 を 用 い た。
Hendry 8(Tehan (20e5)は系列 再生 課 題と再 認記憶 課 題を用い て いる が
,
同.
一
一
の遅延時 間に す る た め に,
系 列 再 生 課 題と同樣に 夏つ の学 習 リス ト を提 示し た後に 再認記憶 課 題を行うと, 再 認 記 憶の成 績に天 井 効 果が示 さ れ る 可能 性が あ る、
、
ま た,
系 列再生 課 題は,
項日 と順 序の1而方の記 憶が必要なの で,
その結 果が項 目と順 序の い ずれ の記 憶に起 因 するの かにつ い て の判 断が難 し くな る だ ろ う。
これ らの 理由か ら,
今回行っ た2つ の実 験で は,
5つ の 単語か ら なる リス トを提 示 し た後に.
臼由再 生か順 序の再 構 成を実 験 参 加 者に課 し たtt 自由再生課 題 は項目の記 憶を主に反 映 する と考え られ,
冉構 成 課 題は 順 序の記 憶を主に反 映す る と考え ら れ る。
5つ の単 語に 関 するn
由再生 課 題と順序の傷構 成 課 題は実 験 参 加 者に とっ て比 較的容 易 な 課 題で あ り 天 井 効 果の出 現 が 懸 念 さ れ る点,
お よ び語 長 効 果に関 する項 目と川貞序の ト レー
ド オフ仮説は 直 後記憶に 限定 さ れ てい ない点 (Tehan & Tolant 2007) を 考 慮 して ア.
5秒の保持時 問 を 設定し た. 語 長 効 果にお け る項 目と川貞序の トレー
ドオフ 仮 説が成 りL’
llつ な ら ば,
主に項 目の記憶が利 用さ れ ると考え ら れ るrl
由再生課題で は長単語の [E
答率が 短i巨語 よ り も高く14 基 礎心 理学 研 究 第31 巻 第1号 な る と
r
・想 さ れ る。
しか し,
Rus.
so & GrammatQpouleu (2003)は6つ の単 語か らなる学 習リス トを用い て 口由 再 生 課 題 を実 施 し,
直 後と30秒 遅 延の 両 条 件におい て短 単 語の正答 率が長 単語 を上回 る結果 を 示 してい る。 自 由 再 生 課 題で は実験参加 者が順序を利 用して検 索を行 う可 能 性が 指 摘さ れ てい る た め (DeLosh &McDaniel,
1996;Mulligan& Lezito
,
2007;Nairne et al.
,
1991;Tehan&Tolan,
2007)t 順序の記憶が影 響を及 ぼ す程 度に応じ て 自由再 生の正答 率は短 単語が長 単 語よ り も高 くな る
,
あるい は 長 単 語と 同程 度に な る か も しれ ない。 トレー
ドオフ仮 説 は,
自由再 生課題で順序の記 憶が手が か りに される場 合 に限 り,
短 単 語の成 績が長 単 語より優れ る語長 効 果が現 れる と予 想 する (Tehan & Telan.
2007.
p.
39)。
白 由 再 生 課 題において実験参加者が学 脅時の提示 順序を利 用して学 習 単 語の検 索 を 行っ た場 合に は、
学 習 時の相 対 的 な前 後 関係を維 持したPt
生の割 合が 高く な ると考え ら れ る。
学 習時の提示 順序と実験 参加 者によ る再生順 序が どの程 度 対 応して い る か に関 する入出力対 応 得 点 (Asch & Eben−
holtz,
1962)を用い て,
実 験 参 加 者が 学 習 時の提 示 順 序 を利 用 して学 習 単 語の自 由 再 牛 を行っ たの か,
また語 長 の影 響が 提示 順序の利 用 に見 ら れ るか につ いて検 討 す る。 トレー
ドオフ仮 説が 正 しけれ ば,
自 由再生課 題で短 単 語が長 単 語よ り良い 成 績に な る語 長 効 果が 牛 じる場 合,
入 出 力 対応 得 点が チャ ン ス レ ベ ル よ り高くな り,
短 単語の人出 力対 応得点が長 単語より高く な る だ ろう一
.
一
方,
順序の再構成課 題で は,
再提示さ れ た学 習 語を 学 習 時の提 示 順 序に並べ 変 える こ とが実 験 参 加 者に求め られ る。
短 期 的な保 持 時 間の 後で あ れば,
再構 成 課 題で 再提示 さ れ た 単 語 を 学 習 語 として再 認す るこ と は容易で ある た め,
再 構 成 課 題で の成 績は項 目の記 憶に よる影 響 をほ と んど受けず,
主に順 序の記 憶に依 存す ると考え ら れ る。
した が っ て,
語 長 効 果に お け る項目と順序の ト レー
ド オフ仮 説が成 り立つ な らば,
再 構成課 題の成 績 は,
短単 語が艮 単語よ り も高く なる と予 想で きる。 Hulme,
Surprenant
.
Bireta,
Stuart
,
&Neath(2004)は,
6単語につ いての再 構 成 課 題を用いて短 単語 リス トの成 績が長 単 語 リ ス トよ り も高 くな るこ とを示 した。 また
,
Baddeley et al.
(2002)は,
単 語 系 列 を2回連 続して提 示し,
単 詒の提 示 順序が1
司 じ か 異 な る か につ いての判 断を実験参 加 者に求 め る課 題を用い て,
短 単語 リス トが長 単 語 リス トより高 い 成 績にな るこ とを示した。
こ れ らの結 果より,
再構 成 課題では短 単語の成績が長単語よ り高くな ると予 想で き よう。実
験
1 実 験1では,
短い保 持 時 間に お け る自 由 再 生 課 題と順 序の再構 成課題 を用い て,
語 長が項 目の記憶と順序の記 憶に及ぼす 影 響を検 討し た。 自由 再生課 題と再 構 成 課 題 の どち ら を行う の か は学 習リス ト提 示後に実 験 参 加 者に 知ら せ た た め,
実験参 加耆は 項日と順 序の両方を記銘す る必 要が あっ た。
項 冖の処 理 と順序の処理が トレー
ドオ フ の闃 係にある な らば, Hendr γ& Tehan (2005)の説 明 と同様に,
項 目につ いて は長単語が短単語よりも多く記 憶さ れ,
逆に順 序につ い て は短単 語が長 単 語よ りも多く 記 憶さ れ る だ ろ う。
し たが っ て,
主に項 目の記 憶を反 映 する自由 再 生 課 題で は長 単 語が短 単語より も正 答 率が高 くな り,
主に順 序の記 憶 を 反 映 する再 構 成 課 題で は短 単 語が長 単語 よ り も正 答 率が高 くなるだろう。
ただし,
自 由再生課 題 で は実験 参加 者が順序を 手が か りに して再 生 する こ と によっ て,
短 単 語の正答 率が長 単語より も高 く なるあるいは短単 語と長 単 語の正答率が 同程 度に な る口∫ 能 性が ある。
こ の場 合,
トレー
ドオ フ 仮 説が正 し けれ ば,
学 習 時の提 示 順 序と実験 参 加 者に よ る再 生 順 序がど の程 度 対 応 してい るか に関 す る入出 力 対応得 点が チャン ス レベ ル より高 くな り,
短 単 語の入 出 力 対 応 得 点が 長 単 語 よ り高 くなる だ ろう。
方 法 実 験 計 画 語 長 (短 単 語,
長 単 語 )と課 題 (白 山 再 生 課 題、
再 構 成 課 題 )の実 験 参 加 者 内2要因 か ら な る計 画 で あっ た。
実 験 参 加 者 4年 制 大 学の学生20名 (男 性5名,
女 性 15名,
平 均 年 齢20.
1歳SD≡
5.
D
が実 験に参 加し た。
材 料 天 野・
近 藤 (1999)に よ る文 字 音 声 単語親 密 度 数が 5,
0か ら6.
5の 範囲の 単 語か ら220語を選択して使 用 し た。 選択さ れ た単語は すべ て ひら が な表記に して用い た。
半 数は モー
ラ数2の単 語 (例として,
いす)で あり,
短 単 語と して使 用し た。
残 りの半 数は,
モー
ラ数5の単 語 (例と して,
こ う さてん)で あ り,
長単語こして使用 した。
5つ の 短 単 語か ら な る リス トお よび5つ の長 単 語か ら な る リス ト を そ れ ぞ れ22個 作 成 し,
学 習 リス ト と して 用いた、
リス トを構 成 する単 語の組み合 わせ は無 作 為で あっ たが,
すべ ての 実 験 参 加 者に対 して 同 じ22リス ト を用い た。 短 単語か ら な るloリス トと長単語か ら な る 10 リス ト を合わせ た20 リス トで構 成さ れる リス トセ ッ ト を2つ作 成し,
それ ぞれ を実 験の前 半と後 半に割 り当 て た。
2つ の リス トセ ッ ト間で リス ト は車 複せず,
ま た,
都 賀
・
星 野:順 序 記 憶の短 期 的 保 持に おける語 長 効 果 15 どの実 験 参加者に も同一
の 2セ ッ トを 用い た。
残 りの 2 つ の短 単 語リス ト と2つ の長 単 語 リス トは練 習 用の学 習 リス トとして用い た。
自由 再 生 課 題と再構 成 課 題では,
横 線を5本EIJ
刷し た A5版の紙 を 実 験 参 加 者が 記 人 するた め の用 紙と した。 記 入 用紙は 冊 了 に して使用 した。
装置 パー
ソナル コ ンピュー
タに より制御さ れ たCRT ディスプレイ を用いて学 習 単 語お よび挿入 課 題 を提示し た。 手 続 き 実験は個 別に実施し た。 最初に2つ の短 単語 リス トと2つ の長 単 語リス ト を用い て,
自 由 冉生課 題と 再 構 成 課 題の練 習を行っ た。
その後,
休 憩 をは さ ん で前 半に20試行実施し,
後 半に 20試 行 実 施 し た。
2つ の リ ス トセ ッ トの う ち どち ら を前 半 お よ び後 半で使 用 す るか は,
実験参 加 者 間で カ ウン ター
バ ラン ス をとっ た。
前 半 お よ び後 半で 用い ら れ た 短単 語の 10リス トは,
自 由 再 生 課 題 と再 構 成 課題に無 作 為に 5 リス トずっ 割 り当て ら れ た。
長 単 語 の 10リス ト も 同様で あっ た。
短 単 語 リス ト と長 単語 リス トの ど ち ら を提示す る か を含む リス トの 提 示 順 序,
およ び,
リス ト内の単 語提示 順序は実験参加 者ご と に無 作為化し た。 前半と後半の間の休 憩は5分か ら10分で あっ た。
練 習を含め た実 験 全 体の所 要 時 闇は 約45分で あっ た。 学 習リス トの提 示で は,
実 験 参 加 者に画 面 中 央に示さ れ る注 視 点 (+)に注 日 する ように教 示し た。
注 視 点の後 に提示 さ れ る単語 を声に出し て読む よ うに,
お よ び,
提 示さ れ た単語とそれ らの提 示 順 序の両 方を覚え る よ う に と教示 した。
順 序を覚えずに単語の み を覚える,
あるい は,
単語を覚えずに各 単 語の 頭 文 字をつ なげて順 序のみ を覚え る など,
単語あ るい は順 序の.
一
方の み を覚え る方 略は と ら ない よ うに実 験 参加者に求め た。 注 視点を 250ms 提 示 し,
直 後に,
5つ の単 語 を1つ ずつ 継 時 的に 提 示し た。
各 単 語の提 示 時 間は950・ms で あ り,
項 目 間 時 間 間 隔は250ms で あっ た 三 。 5つ の 単語か ら な る学 習 リス トを提示 し た後,
挿入 課 題と して 1桁ど う しの足し算 (例え ば,
4十6=
〜)を実 施し た。 足 し算は全部で6問あ り,
そ れ ぞ れの閙 題の提 2r・
備実 験に おい て,
刺 激 提示時 間を750 ms と し,
刺激問 間 隔を250ms と し てHendry &Tehan (2005) と同 様の 1000ms の間 隔で項 目を提 示し た場合,
実 験 参 加 者か ら長 単 語を音 読し きれ ない ときが ある と い う報 告が さ れ た た め,
刺 激 提 示 時 間 を950ms と し,
刺激間 間 隔を250ms と し た。
1i 備 実 験に おい て,
1000 ms ずつ 足し算 問 題を提 示 し た場 合,
実 験 参 加 者か ら負担が大 きい とい う報 告 が あっ た た め,
1問あ た り1250ms を害1」り当てたD 示 時 間 は 1250ms で あっ た コ。
計 算で用い る数につ いて は,
1問ごと に無 作 為に選択した。 実験参加 者に は計算 問 題の答 え を声に出 すこと,
また.
計 算 問 題およ び その 答え は覚え る必 要が ない こ とを教示し た。 挿 入課 題 終 了 後,
自 由再 生 課 題 あるいは再構成課 題を 行っ た。
自由 再 生 課 題の場 合に は,
挿 入 課 題の直 後にブ ランク 画面が提示 さ れ た。
実 験 参 加 者に は,
ブランク画 面が提示され た な ら ば,
その試行 内の提示リ ス ト にあっ た単 語 を提 示さ れ た順 序に関 係なくで きるだ け多く思い 出して手元 の 用紙に記 入す る よ う にあらか じ め教 示して い た。 用 紙に記入 す る際は,
1番E
の欄か ら 順に 1つず つ 下段に記 入 するよ うに し,
単 語 を思い出せ ない場 合に は空 白の ままにする よ うに求め た。
再 生に要 する時 間は 制 限 しなか っ たe 実験 参加 者が再 生で き る単語を すべ て 記 述 した後に次の試 行 を実 施 した。 再構 成 課 題の場 合に は,
挿入 課 題の直 後に,
学 習 リス トに含ま れて い た 5単 語が無 作 為な順序で縦.
一
列に画 面に提示 さ れ た、
その 際 学習時の提 示 順 序 と は異な る順 序で提 示さ れ る よう に し た。 実験参 加 者に は,
5つの 単語が画 面に提 示さ れ た な らば,
そ れ らの単 語を学 習時の提示 順序に並べな お して手 元の用 紙に記 入 する ようにあ らか じめ教 示して い た。
用 紙に記 入 する際に は。
1番 目に提 示さ れ た と思 う 単 語を 1番 上の欄に,
2番 冖に提 示さ れ たと思う単 語を ヒか ら2番 目の欄に とい う 具合に学習時の提示 順序と記 入 する5つ の欄 を 対応させ るこ とを求め た。 どの順番か ら記 人して もよい こご と,
同じ単語は 2度 以ll
使 用せ ず に すべ ての単 語を使っ て5つ の欄を必 ずう め る よ うに実 験参 加 者に教示し た。 順序の再構 成に要する時 間は制 限 し なか っ た。
結 果 自由再生課 題の 正答率 学習 時に提示 さ れた単 語が学 習 順 序に か かわ らず 再生 さ れ た場 合をIl{答とし た。 短 単 語 条 件と長 単 語 条 件の’
F
均正答 率 は,
それ ぞれ.
56 (SD=
O.
11)と.
51(SD=
0.
11)で あっ た。
各 語 長につ い て 系 列位置ごと の平均正答 率をFigure 1に示し た。
正答 率 につ い て2 (語 長 )×5 (学 習 時の系 列 位 置 )の分 散 分 析 を行っ た。
以 下の統 計 的 分 析で は有 意 水 準 を5% に設 定 し た.
分 散 分析の結果,
語 長の主 効果,
系 列 位 置の 主 効 果,
お よ び そ れ らの交互作用 が有 意で あっ た (そ れ ぞ 京し,
F(1、
19)=
フ.
84,
MSE=
0.
Ol,
p<.
05;F(4,
76)=
8.
34,
MSE
−
O.
04,P
〈.
。1;F(4,
76)−
8Al,
MSE=
。.
02.
P<.
Ol)。 交互作 用が有意で あっ たので
,
ド位 検 定として,
系 列 位 置の各 水 準に お け る語 長の単 純 卞 効 果につ い て 分析を 行っ
16 基 礎 心理学 研 究 第31巻 第1弓
1.
0
8
6
4τ
∩
∠ α α α α ち Φ 辷 oO ⊂ o モ o Ω o 」一
0
.
0
1
2
3
4
5
Serial
Position
Figure I
.
Proportlon corre ⊂t of free recal ]as a functionofword length and serial positiomn Experiment 1
.
意で あり (そ れぞれ
,
F(1,
19)=
18.
59,
MSE;
U、
02,
p<.
Ol; F(1,
19)=
4.
41,
MSE=
O.
02.
p<.
05;F(1,
19)=
13.
1ア,
MSE=
0.
02,
p
く.
01),
系 列 位 置2と3におい て は有 意で は なか っ た。 自 由 再 生 課 題の正答率はt 系 列 位 置1と4で は短単 語が 長単 語より も高 く,
系 列 位 置5で は長 単 語が短 甲語 よ り も高い こ と が示さ れ た。 自由 再 生 課 題 に お け る入 出 力 対 応 得 点 自 由再 生 課 題 は項 目の記憶を }三に 反 映 してい ると考 え ら れ る が,
実験 参 加者に よ る再 生 順 序が学 習 時の 単語の提 示 順 序と対 応 す る傾 向が Nairne et aL (1991)によっ て示さ れてい るこ と か ら,
今同の実 験1に おけ る自 由再生に も順 序が 利用 さ れ てい るこ とが示唆さ れ る、 その た め,
入出力対 応得 点を算 出した。
人出力対 応 得点は,
実験参加 者が 自 由 再 生 し た学 習 単語の巾で,
学 習 時の相 対 的な順 序が保た れ て い るペ ァ数 を,
再 生され た学 習 単 語が 作るペ ァ数で 割っ て求め る。
例え ば,
a,
b,
CJd,
e の5つの単語が 学 習 時にこ の順序で提示さ れ たとす る、 実験 参 加者が リス ト になか っ た 弔語xを含め て,
x,
d,
b,
e の4つ の 単語をこの 順 序で再生 し た とす ると,
学習時の提示 順序の前 後を 保っ てい るペ ア数1(bと e)が分r一
とな り,
学 習 単 語の ベ ア数2(dとb,
bと e)が分 母となる。
実 験1で は,
1つ の学 習リス ト に対 し て実 験 参 加 者が 学 習 単 語 を2つ以 上 連 続 して再 生し た場 合につ い て入出 力 対 応 得 点を算 出した。 短 単 諸条件と長 単語 条 件におけ る平 均 入 出 力 対 応 得 点は,
そ れ ぞ れ.
66 (SD=
0.
22)と,
5g (SD=
0.
18)で あ り,
短 単 語と長 単 語と もに チャ ン ス レ ベ ル (.
50)より有 意に高かっ た (そ れ ぞ れ,
t(19)=
3,
25,
p〈.
Ol;t(lg);
2.
19,
p〈.
05)。
入 出 力 対 応 得 点に おける短 単 語と長 単 語の間に有 意 差はなか っ た (t(19)=
1.
42,
ns)。
し たが っ て,
実 験1で は,
学 習 時に お け る前 後関係を維 持 し た 再 生 傾 向に ある が,
単語の再生順 序と学 習 時の提 示 順 序と の対 応に語 長は影 響 を及 ぼさ なか っ た。
1.
0
8
(
04
2
σ α α α←
8
ヒ oO ⊆ o モ o α o と0,
0
1
2
3
4
5
Serial
Position
Figure 2
.
Proportion correct of order reconstru ⊂tion asafun ⊂tion ofword
length
and serial position in Exper−
i]]]el/t 1
.
再 構 成 課 題の 正答 率 実 験 参 加 者が並べ 替え た そ れ ぞ れの単 語につ いて学 習 時の提 示 順序と一
致 し た場 合を 正 答と した。 短 単 語 条 件と長 単 語 条 件の’
ド均IE答 率は,
そ れ ぞ れ.
60 (SD=
0.
19)と.
62 (SD=
O.
18)であ り,
チ ャ ン ス レ ベ ル (.
20) よりも有 意に高か っ た (そ れ ぞ れ,
t(lg)=
9.
39,
p〈.
Ol ;t(19)=
IO.
44,
p〈、
Ol)。 そ れ ぞ れの語 長に お ける系列 位 置ごと の 平均IE
答 率をFigure 2に示し た。
[11
答 率につ い て 2 (語 長 )×5 (学 習 時の系 列 位 置 )の分 散 分 析 を行っ た結 果,
系 列 位 置の主 効 果が 有 意で あっ た (F(4,
76)=
45.
02,
MSE=
0.
02,
P<.
01). 詒 長の1
効 果,
お よ び,
系 列 位 置と語 長の交 互 作 用は有 意で はなか っ た (それ ぞれ,
F(L l9)=
0.
12,
MSE=
:
O.
09,
ns ;F(4、
76)=
023,
MSE =
0.
Ol,
ns)。
順 序の再 構 成 課 題の 止答 率に語 長の影 響は示 さ れ なか っ た。
考 察 臼 由再生 課 題に おいて は,
語 艮の主 効果 が有 意な大き さ に な り 全体と しては 短単語の成 績が長 単 語より高い 『 答 率を示し たが,
語 長ご系 列 位 置の交 彑 作 用が有 意に な り,
系 列 位 置5で は長単語が短 単 語よ り も高い IE答 率が 示さ れ た。
一
方,
順 序の再 構 成 課 題での成績に は,
語 長 の 主効果 も,
語 長と系 列位置 と の 交 h:作 用も示され な か っ た。 Tehan& Tolan(2007)1ま,
順 序の記 憶に依 存 し て 自 由再 生 課 題に語 長 効 果が生じ る可 能 性 を指 摘してい る。
Tehan&「
1blan(2007)に よ る実 験2で は,
8単語 を 用 いた自由再 生 課 題が行わ れ た. その 再生 率は,
学 習 直 後 で は短 単 語が長 単語よ り も高か っ たが,
15秒の 遅延を 設け ると短 単 語と長 単 語に差が 見ら れ な くなっ たu 彼ら は,
直後 自由町生で は学習時の順序に依存す る再 生方略 の利 用が顕 著で あっ た た め に短 単 語が長 単 語よりも成 績 が高 くなっ たと説 明し た。
しか し,
今同の実 験1の 自 由都賀
。
星 野:順序 記 憶の短期 的 保持に お け る語 長 効 果 1ア 再生課 題で の短 単語と長 単語の入 出 力 対 応1
早点は,
とも にチャ ン ス レベ ル以上で あっ たが,
そ れ らに有 意な芹は 示 され なか っ た。
した がっ て,
自 由 寓生課題にお け る 語 長 効 果が順序の記憶に依 存す るとい う証 拠は見い だせ な か っ た。 これ らの結 果は,
順序の記憶は短 単 語が優れ,
項「1
の記 憶に は長 単語が優れ る とする ト レー
ド オフ仮 説 に よ る 予想と.
致 してい なかっ た。
自111再生 課題において,
学 習リス トの終 端 部 分で 短 単 語の成 績が低か っ たこ と は刺 激接 尾 効 果 (stimulus 9.
uffix effe⊂t)と類 似 し た現 象が牛じ た た め と考 え られる. い く つ か の単 語が系 列 的に聴 覚 提 示 さ れ た直後に,
再牛の合 図と して ブザー
音 を提 示する条 件と比べ て,
覚え るべ き 項 囗で はない 単 語が再 牛の合 図と して聴 覚 提 示さ れ る条 件で は,
新 近部分の記憶 成績が低く な る現.
象が刺 激 接 尾 効 果として知 られてい る (概 要と して,
Neath&Surpre−
nant,
2003)。
実 験1の挿 人 課 題で は,
1桁の数字の和を声 に出して答え るこ とが実験 参 加 者に求め ら れた。
実 験 参 加 者に よる解 答のモー
ラ数は短単語の モー
ラ数に近い た め,
音 素を より多く含む長 単 語で は挿 入課題に よ る畠: 韻 的.
.
ド渉の影響が小さ かっ た と考 えられる、
、一一
方.
短 単語 で はモー
ラ数が少ない た め,
高韻 的な ト渉の影 響 を受け やすか っ た の で あろ う。 その結 果,
挿人 課題に お け る足 し算へ の 同答が刺 激 接 尾 効 果と類 似の現象を引き起こ し,
短単語の親 近 性 効 果を弱めた と考え ら れ る、
Ro−
mani、
McAlpine,
Olson,
Tsouknida,
& Martin(20 5)は,
短 単 語が優 位な語 長 効 果が調 唐抑 制に よっ て消 滅あ るい は 逆転す るこ と を 示 し,
長 単 語が音 韻11
勺十二 渉の影 響を受け に くい特徴を持つ と述べ てい る.
実 験1に おける再 構 成 課題で は語 長の違い に よ る影 響 が示さ れ なかっ た。
こ の結 果は,
Huime et al.
(2004)に よる実 験2の結果 と’
致 し ない.
彼ら の 実 験2で は,
6 単 語 を 川い た系 列 再 生の直後に, 碍提小 さ れ る単 語を 学 習 時の提 示 順に選択す る順序の系 列 再 構 成 課 題を行っ て いる。
その結 果,
短.
単 語の成 績が艮単 語 よ り も高い こ じ が 示 さ れ た。
今回 の実 験1で用い た手続 きとHulme et al.
(2004)に よる実験 2にお け る手 続 きを比 較 する こい くつ かの相 違 点が存 在 する、 その 1つ が,
実験1で は自lll再 生 課 題と再 構 成 課 題の 2つ の課 題が無 作 為な 順序で実 施 され たの に対 して,
Hulme et al.
(2004)の実 験2で は 1つ の課 題の み が実験参加 者に課せ ら れ てい た点である/
t 実 験1の 丙構 成 課 題の成 績に語 長の影響が 示 さ れ なか っ た 結 果は,
2つ の課 題を混 合し て行っ たこ と によ るか も し れ ない。
実 験1で は,
臼由 再生 課 題 と順序の再 構 成 課 題を混 合 して行っ た た め,
実 験 参 加 者に よるll
頃序の記 銘処 理が 不 十 分になっ た口∫能 性が ある。
再 構 成 課 題 よ り自 由 再 生 課 題の ほ うが よ り困 難で あ るとい う印 象を実 験 参 加 者が持 ち,
自 由再 生 課 題の遂 行に重点が置かれ る な ら ば,
順序 の記 銘 は不十 分な処理になる か もし れ ない。
その結果,
再 構 成 課 題で は語長の影 響が出 現し なか っ た口∫能 性が考 えられる.
それゆえ.
実.
験参IJU
・
a
’
が順 序を記 銘 する必 要 性を剛確 化す るT
一
続 き を 用い て,
順 序の記 憶にお け る語 長の影 響を検討す る必 要が あ る、
実 験 2 自 山 醇 生課題と順序の再 構 成 課 題に お け る語 長の影 響 を再 検 討す る こ と が実 験2の 目的で あ る、
,
実 験2で は,
白由再生 課 題と再構 成 課 題 を 異 なる ブロ ッ クに分け て実 施し た,
、
つ ま り,
実験参 加 者は 項 目か川貢序の どち ら か を 記 銘 するこ と が 求め ら れ た.
,
2つ の 課題を それ ぞれ ブ ロ ッ ク化 するこ と によっ て,
実 験 参 加者は各課 題に 固有.
な方略を用い るこ とが容 易にな ると考えられる、
、
その た め,
項 目と順 序の トレー
ド オフ仮1説 (Hendry &Tehan,
2005)が成 り立つ な ら ば,
実 験2の 再構 成 課題で は短 単 語が長 単語よ り も高い成 糸貞を示す こと が予 想で きる。 方 法 実験 計 画 語 長 (短 単語,
長 単語 )と課題 (自由 再 生 課題,
冉構 成 課 題 )の実 験 参 加 者内 2要 因か ら な る計 画 であっ た。 実 験 参 加 者 実.
験1に参 加し ていない 4年 制 大 学の学 生お よ び大 学 院 生の 20 名 (男 性8名,
女性 12名,
平均 年齢23.
4歳,
SD=
5.
5)が実 験に参 加 した。 材 料と装 置 実験】 と1
,i]じ学習 リス トお よび1
・
[ i]じ装 置 を用いた,
また,
実 験 参 加 者が記 人す る ため の用紙は実 験 1と1
司様であっ た/
t 手続き 次に述べ る2点を除い て実験 1と同じ手続き で あっ た。 1つ 目は,
自由 再 生 課 題と蒔構 成 課 題 を混 合 せずに行っ た点で ある,
:
実 験 参 加 者の 半 数は24 リス ト に つ い て 臼由 再牛1課題を行っ た 後,
休 憩 を 挟 んで 別の 24リス ト につ いて再 構 成 課 題 を 行っ た、
,
残 りの実.
験 参 加K
一
は24リ ス ト に つ い て再構 成 課 題を行っ た後,
休憩 を は さ んで 別の 24 リ ス ト につ い て 白 山再牛課題を行っ た、
.
自lll再 生 課 題およ び 再 構 成 課 題の最 初の 4 リス ト は 練 習試行で あっ た.
、
練 習 試 行で 用い られ た4 リ ス ト は,
2つ の短単 語リス トと2つ の長 単 語リス トか らな り.
自 由冉牛 課 題と再 構 成 課題の両ノ∫で 同 じ4リス ト を使 用し た。
10個の短 単請 リス トと lo個の 長 単 渚リス トか ら な る リ ス ト セッ トの 1つ を自 由 再 生 課 題で使 用 し,
残 りの loflhlの短 単語リス ト と lo個の長 単 語 リス トか ら な る も18 基 礎心 理学研究 第31巻 第 1号 う1つの リス ト セ ッ トを再構 成課 題で使 用した
。
2つ の リス トセ ッ トの う ち ど ち ら を自 由 再 生 課 題お よび再構成 課 題で使 用 するか は実 験 参 加 苔 間で カ ウンター
バ ラン ス をとっ た。
2つ 目は,
臼 由 再生課 題お よ び 再 構 成 課 題に お け る記 銘 教 示が異 なる点である。
臼 由 再 生 課 題につ い て は,
実 験 参 加者に,
提示さ れ た単 語 を 声に出 して読 む よ うに,
お よ び,
後に順 序を問わない単 語のテス トが行 われ るの で提示 さ れ た単語 を覚え る よ う にと教 示 し た。
再 構成 課 題につ い て は,
実 験 参 加 者に.
提示さ れ た単語を声に出 して読む よ うに,
お よび,
後に学 習 時に提小 さ れ た 5つ の 単語が再びすべ て同 時に提 示さ れ,
そ れ を見な が ら提 示された順 序に並 び 替え る テス ト を行うの で,
単 語の提 不 さ れ る順 序を覚えるよ うに と教 示した。
た だ し,
順序 を 覚え る際に単 語の頭 文 字だ け をつ な げ る方 略はとら な い よ うに求め た。
結 果 自由再 生 課 題の正 答 率 実 験1と同様に正答 率を求め た。 短 単 語 条 件と長 単 語 条 件の’
ド均正答 率は,
そ れ ぞ れ.
62(SD=
0.
13)と.
58(SD=
・
O.
14)であっ た。 そ れ ぞれ の 語 長にお け る系 列 位 置ごと の平 均止答 率をFigure 3に示 した。 正 答 率につ いて2 〔諸長 )X5 (学 習 時の系 列 位置) の分 散 分 析を行っ た結果,
語 長の主効果は有 意な大き さ に至 ら なか っ た (F(1,
19)=
4.
25,
MSE=
0.
02,
ρ=,
053)。
系 列 位 置の主効果と,
語 長 と系 列 位 置の交 互 作 用が有 意 で あっ た (そ れ ぞ れ, F(4,
76)=
3.
64,
MSE=
O.
04,
p
く.
Ol; F(4,
76)=
4.
11,
MSE=
O.
03,
P
〈.
Ol)、,
交彑作 用が有 意で あっ たの で,
卜位 検 定と してt 系 列 位 置の各 水 準に おけ る語 長の単 純主効 果につ い て分 析 を 行っ た。
語 長の単 純 主効 果は,
系 列 位 置2 と5において有 意で あ り 〔そ れ ぞ れ,
F(1,
・19)−
7.
55,
・MSE = O.
03,
P
く,
05 ;F(1,
19)−
5.
51,
MSE=
0.
03,
pく.
05),
その他の系 列 位 置において は右 意で は な か っ た.
自由 再 生 課 題の正 答 率は,
系 列 位 置2に おい て短 単 語が長 単 語よ り も高く,
系列位置5に おい て長 単 語が短 単語よ り も高い こ とが示さ れ た。 自由再生課 題に おけ る入 出 力 対 応 得 点 実 験1と同様 に入 出 力 対 応 得 点を算 出 した。
実 験2の短単語条件と長 単 語 条 件に お け る平均入出 力対応得点は,
それ ぞ れ.
67 (SD=
O.
17)と.
55 (SD=
0.
23)で あっ た。 短単語の 入出力 対 応 得 点はチ ャ ン ス レ ベ ル (.
50)よ り も有意に高かっ た が,
長 単 語で は入 出力対 応得 点と チャ ン ス レベ ル と の間 に有 意な差は示さ れなか っ た (それ ぞ れ,
t(19)=
4.
50,
p<,
01;t(19)≡
0、
96,
ns)。
入 出 力 対 応 得 点にお ける短単語 と長 単語 の 問に は有意な 差が示 さ れ た (t(19)=
4.
64,
p<.
01)。 し た がっ て,
短 単 語の み学 習 時の 前 後 関 係を 維 持して再 生す る傾 向に あ り,
短 単 語 は 長 単 語 よりも,
学習時の提示 順 序と実 験 参 加 者が再 生した単 語の順 序 と の対 応関係が よ り強く なっ て い た。
再構成 課 題の正答 率 実 験1と同 様に正 答 率を求め た。
短 単 語 条 件と長 単 語 条 件の平 均 正 答 率は,
そ れ ぞ れ フ6 (SD=
・
O.
16)と.
70(5D; O.
19)であ り,
チャン ス レベ ル (、
20) よ り も有意に高か っ た (それぞれ,
t(19)=
15.
60,
p
く.
Oll t(19)=
11.
85,
p<.
Ol)、
それぞれの 詒 長に お け る系 列 位 置ごと の平 均 正 答 率をFigure 4に示 し た。 正答 率につ い て2(語 長)X5 (学習時の系列 位 置 )の分 散 分 析 を行っ た 結果,
系列位置の 主効 果が 有 意で あっ た (F(4,
76)=
17.
88,
M∫E=
O.
02,
p〈.
Ol)。
語 長の主 効果 お よ び系列位 置と語 長の交 互 作 用は有 意で はなか っ た (そ れ ぞれ,
F(1,
19)=
2.
47,
MSE=
0.
07,
ns;F(4,
76)=
1.
81,
MSE=
0.
01,
ns)。 順序の再構 成課 題の正答 率に は語 長の影 響が示さ れ なかっ た。
0
8
ハ
04
2
0
1
α α α α α ← O Φ 辷 OO ⊆ O = 」 O α O 」 巳 →− Short
4
2
3
4
5
Serial
Position
Figure 3
.
Proportion correct of free recall as afunctien
ofword length and serial positien in Experiment 2
.
1.
0
8
【
04
2
0
0
0
0
ぢ Φ 辷 oO 匚 o モ o α o 占0 .
0
1
2
3
45
Serial
Position
Figure 4
・
Proportion correct of order re¢onstruction asafロnction of word length and serial position in Exper
−
ilnent2
,
都 賀
・
星野:順 序 記 憶の短 期的保持に お け る語長効果 19 考 察 自 由 再 生 課 題と順 序の再 構 成 課 題 を別々のブロ ッ ク と して 行っ た 実 験2で は,
これ らの課 題 を無 作 為な 順 に 行っ た実 験1と同 様に,
順 序の記憶に語 長の影 響が示さ れ なか っ た。
した がっ て,
実 験1の結 果は,
実 験 参 加 者 が順序の記銘が不1
分な ま まで再 搆 成 課 題を遂 行した こ と に よ る もの では ない と考え られ る。 実 験2の 自 由 再生課 題の正答 率は,
系 列 位 置2に お い ての み短 単語が長 単 語より も高 く,
系 列 位 置5に おい て の み長単語が短単語よりも高い こ とが 示 さ れ た。 実 験2 の白由 再生 課題で は語 長の主 効 果が有 意にな らなか っ た 点が実 験1と異な るが,
語 長と系 列 位 置の交 互 作 用が現 れ,
系 列 位 置の終端 部で長 単 語 が 短 単 語 よ り も 正答 率が 高 くな り,
そ れ 以 外の一
部で短 申 語が長 単語よりも高い 点は類 似 してい る。
実 験2の 自 由 冉 生 課 題では順序の記憶を実験 参加者に 求めて いない が,
短 単 語の み 入 出 力 対 応 得 点が有 意に チャ ン ス レベ ル以 上で あっ たの で,
少な くとも短 単 語に おい て は意図 的ある いは無 自覚的に順序が記 銘さ れ てい た こ と が示 唆さ れ る。
Tehan & Tolan (2007)が示唆する よ う に白由再生 課 題に おいて順 序を手がか りにする こ と で短単語は想 起さ れ やす くなり,
項 目 その もの の符 号 化 に有 利な長 単 語に 匹 敵す る 成績が 示 さ れ た 可能 性が あ る。
しか し,
短 単 語 も長 単 語 も学 習 時の相 対 的な順 序を 維持 して再生す る傾 向にあっ た実 験1の 自由 再生課 題で も同 様に語 長と系列 位 置の交互作用が現れてい るこ と か ら,
実 験2の 自由再 生 課題に お け る語長の影 響は順 序を 手が か りに再 生 する こ と が原 因で はない と考え られ る。
実験 2の 自 由 再 生 課 題に お け る入 出 力 対 応 得 点で は語 長の影響が示さ れ た が,
実 験2の 再 構 成 課 題で は実 験1 と同じく順 序の記 憶に おける短 単 語の優位性は示され て い ない c この こ とか ら,
順 序の記 憶に対 する語 長の影 響 は 単 語自身が 再牛さ れ た場 合に限ら れて い た と考え られ る。 実 験1と1
司様に,
自由再 生 課題で は 語長と系 列 位 置 の交彑作 用が現れ た が,
冉 構 成 課題で は語 長 と系 列 位 置 の 交Ftl作用 は見られなかっ た。
こ の結 果は,
項 目と順 序 の トレー
ドオフ仮 説を支 持し てい る と はい え ない。総 合 考 察
項目情 報の 処 理と順 序 情 報の処 理の トレー
ドオフ仮 説 (Hendry & Tehan.
2eO5〜 Tehan& Tolan,
2007)を短 期 的 保持の 範 囲に おい て検 討す る た めに
,
挿入課 題を伴 う短 期 的な保 持 時 間の記 憶 課 題 を 用い て,
学 習 単 語の語 長の違 いが項R
の記憶と順序の記憶の そ れ ぞ れ に及 ぼ す 影 響 を 比 較する2つ の実 験を行っ た。 項 目と順序の トレー
ド オ フ仮説に よ れ ば,
学習段階で長 単 語は短 単 語よ り項 目の 処 理に要 する時 間が長くかか る た め,
長単語 が短 単 語よ り項目 に関す る記 憶 課 題に おいて優れ た成績を示すこ と がr
想さ れ る。一
方,
項 日の処 理が容 易で ある短 単 語 は,
処 理時間が制限 さ れてい る学習時に,
より多くの 時 間を順 序の処 理に割り 当て る こ とがで き る た め,
短 単 語 が 長 単 語より も順 序に関 する記 憶 課題に おいて優れ た成 績 を 示 すこ とが 予想さ れ る。
今 回の実 験で は,
トレー
ドオフ仮 説の検 討の た め に自 由 再 生 課 題と順 序の再 構 成 課 題 を 用い た。
トレー
ドオフ 仮 説は,
主 に項 口の記憶が反映さ れ る自由再生 課 題に お い て は長 単語が短 単語よりも成績が高く な るこ とを 予想 す る。
た だ し,
自山 再 生に おい て順 序の記憶を手が か り に し た場 合,
順序の記 憶に お け る短 単 語の優 位 性が反 映 さ れ,
正 答率は短 単 語が長単語よりも高く なるあるい は 同程 度になる ご予 想する。
また,
卞に順 序の記 憶が反映 さ れ る 再構 成課題に おい て は短 単 語が長 単 語より も成 績 が高く な る こ とを予 想する。 今回 行っ た2つ の実 験で は,
自 由 再 生 課 題に おい て語 長と系 列 位 置の交q
作 用が示さ れ た。
系 列 位 置が 1か ら4までの範 囲で は短 単 語が 長 単 語 よ り も高い正 答 率が示さ れ,
系列位置5におい て は長 単 語が短 単 語よりも高い 正答率が示さ れ た。 自由再生 課 題で の順 序 記 憶の利 用を示 す 入 出力 対応得点は,
実験 2 に おい ては短 単語の得 点が 高 く な る語長効 果を示した が,
実 験1に おい て は語長 効 果が 示 さ れ なかっ た。
また,
順 序の再構 成 課 題で は 2つ の実験におい て語 長の影 響 が 示さ れ なかっ た。
自 由 再 生 課 題で は系 列 位 置の一
部に短 単 語が優 れ る 語 長効果が 見 ら れ,
また,
自由 再牛に おい て順 序の記憶を手が か りとし て利用 す る傾 向が示 さ れ た が,
順 序の記憶に は自由再 生の語長効果と対 応す る語 長 効 果が示 さ れ なか っ た。
これ らの結 果は,
トレー
ド オ フ 仮説によ る予 想とは一
致し ない と考 えら れ る。
Hendry& Tehan (2005)カ{用い た再 認 課 題 と今回の研 究で用い た白 由 再 生 課 題は 卞に項 目の記 憶に依 存する と 考え ら れ る
。
冉認 課 題は単 語 を学 習し たか ど うか を 全 リ ス ト提示後に判 断す る課 題なの で,
順 序の記 憶は ほ と ん ど手が かりに は な ら ない と考え ら れ る。一
方,
白 巾 再 生 課 題に は,
再生時に順序の記憶を手がか りに用い るこ と で, 順 序の記 憶に お け る語 長 効 果が白山 再生課題の成 績 に反映さ れ る可 能 性が あっ た.
Tehan&Tolan (2007)は,
実 験2に おい て学 習 直 後に行わ れ た白由冉生課 題で短 単 語が 長 単 語より も優 れた記 憶 成 績になる こ とを示して い る,
,
彼ら は,
学 習 時の提 示 順 序 と再 生 順 序の一
致 度が長 単 語 よ り短 単語において高い結果を示すこ と か ら,
自由 再生 課 題に お い て順 序 情 報が より利 用U∫能で あっ た た め20 基 礎心 理学 研究 第31巻 第1号 短 単 語の検 索が容 易に なっ たと説 明 してい るu 今囲の研 究では項囗と順序の記憶を ブロ ッ ク化して測 定し た実験 2に おい て