よくある
LC/MSトラブルとその解決法
~サポートセンターのノウハウ大公開~
日本ウォーターズ株式会社
©2013 Nihon Waters K.K. 1JASIS 2013 新技術説明会
9月4日(水) 15:50~16:15
感度に関するトラブル
キャリーオーバ及びゴーストピークに関するトラブル
再現性に関するトラブル
本日の内容
本日の内容
再現性に関するトラブル
MS検出器の問題?
分析に関するトラブルは、原因がMS側に起 因するのか、LC側の問題なのか、それとも カラムに由来するのかを見極める事が重要 です。サンプル注入に関する問題?
カラム分離に関する問題?
検出器 問題
感度に関するトラブル
©2013 Nihon Waters K.K. 3感度低下の原因分類と確認方法
感度低下の原因分類と確認方法
標準品
–保存中の分解→再調製
試料注入
–注入正確性の低下→注入量を変えて測定(レスポンスの直線性を確認) –試料残量の低下→試料量を増やす
LC/MSシステムにおける分解
–UVで分解、熱分解→装置構成や測定条件を変更していないかどうか
LC/MSシステムへの吸着(バイアルを含む)
–バイアルやカラムへの吸着→濃度を変えて測定(レスポンスの直線性を確認) ©2013 Nihon Waters K.K. 4
イオン化の抑制
–カラムの劣化による分離能の低下、移動相の汚染、LC/MSシステムの汚染 →感度低下前と異なる点がないかどうか
MS内の透過量の低下
–MSの汚染→感度確認用の標準試料を測定(システムチェック)感度に関するトラブル
感度に関するトラブル
フローチャート例
フローチャート例
今までは測定可能 標準溶液の問題の可能性 Yes 標準溶液再調製 (標準溶液の原因か否か 探る) Yes N 分析条件は変更していない No LC、MS、カラムなどトラブルの原因箇所の切り分け Yes No 以前の条件で再測定 (メソッド類が原因か否か 探る) No ©2013 Nihon Waters K.K. 5 今回、初めてメソッド開発 分析対象物質は、そもそもLC/MSでイオン化するのか? 分析対象物質の構造式や化学的特性は調べたか? 分析条件の最適化 Yes Yes測定条件の確認方法
測定条件の確認方法
過去と現在のメソッドの設定
過去と現在のメソッドの設定
/
/実測内容
実測内容
感度良好時(過去)の クロマトグラムとExperimental Record 感度低下時(現在)の クロマトグラムとExperimental Recordこれらの内容を比較
(印刷も可能)
見えない妨害成分によるマトリックス効果
見えない妨害成分によるマトリックス効果
的成分 グ 目的成分高濃度にリン酸塩を含む試料を測定
リン酸イオンのSIM ネガティブモード、MSスキャン 目的成分のクロマトグラム ポジティブモード、MRM ©2013 Nihon Waters K.K. 7 移動相Bのプロファイル(%)LC
LCの洗浄方法
の洗浄方法 例
例
©2013 Nihon Waters K.K. 8 参考文献:MSメソッド開発時などのLC洗浄方法、サポート番号:TUTR134684447 http://www.waters.com/japan_masslynx_tipsMS
MS洗浄方法
洗浄方法 例
例
6000回血漿検体
分析後
1.21
e3
100 %Reserpine_004 MRM of 1 Channel ES+ 609.25 > 1951.21e3 S/N:PtP=94.73
分析後
0サンプルコーン
洗浄後
1.16
e5
0.10 0.20 0.30 0.40 0.50 0.60 0.70 0.80 0.90 1.00 1.10 1.20 1.30Time 0 100 %Reserpine_005 MRM of 1 Channel ES+ 609.25 > 195
1.16e5 S/N:PtP=2059.45
©2013 Nihon Waters K.K. 9 P/N : 1402271
品名:POLISHING COMPOUND (HYPREZ)
キャリーオーバ及びゴーストピークの
キャリーオーバ及びゴーストピークの
原因分類と確認方法
原因分類と確認方法
キャリーオーバ
–
1回以上前に注入した測定成分が、その後の測定において検出されること
–
ニードルの洗浄不足 注入バルブへの残留→オートサンプラーを使わずに測定
ニ ドルの洗浄不足、注入バルブへの残留→オ トサンプラ を使わずに測定
ゴーストピーク
–
測定成分とは異なる成分が検出され、測定上の妨害となること
–
移動相→移動相交換、または、グラジェントの平衡化時間を変えて測定
–
カラム→カラムを外す、または、カラムを交換
–
LC/MSシステムに由来→カラムを外す、システムの洗浄
–
バイアルの内部→バイアルの変更、バイアル洗浄後に測定
©2013 Nihon Waters K.K. 11–
バイアルの蓋→蓋を外して測定
キャリーオーバとゴーストピークに関するトラブル
キャリーオーバとゴーストピークに関するトラブル
フローチャート例
フローチャート例
ブランクサンプルを数回連続注入 してピーク強度が下がる キャリーオーバ Yes No ニードル洗浄液の種類の見直し ニードル洗浄回数や量の見直し LCシステム、インジェクタ、カラム、サンプルバイアルなど ゴーストピーク原因箇所の切り分け ゴーストピーク まず最初に、インジェクタを動かさずに分析 (Empower-プレップ注入、MassLynx-グラジエントブランク) ※MassLynx Tips参照 ピークが検出したら・・・ 移動相、カラム、またはLCシステム 由来 ©2013 Nihon Waters K.K. 12 ピークが検出しなかったら・・・ インジェクタ、またはサンプルバイアル由来 移動相交換、及び、カラム有り無しなどで何処由来かを確認 0(ゼロ) mL注入で通常分析を行い、 ピークが検出するかどうかを確認キャリーオーバ及びゴーストピークの
キャリーオーバ及びゴーストピークの
対処方法
対処方法
キャリーオーバ
–
ニードルの汚染
o測定成分が溶解する溶媒
測定成分 溶解する溶媒
高極性→水の割合を増やす、低極性→有機溶媒を増やす
o酸、又は、アルカリの添加→溶解度を高めるようにpHを調製
–
バルブへの残留
o注入前にバルブを駆動
ゴーストピーク
–
移動相
o測定ごとに調製
LC/MSグレード ベンダーを変更
©2013 Nihon Waters K.K. 13 o測定ごとに調製、LC/MSグレ ド、ベンダ を変更
–
カラム、LC/MSシステム
o「MSメソッド開発時などのLC洗浄方法」を実行
–
バイアルの内部及び蓋
oバイアルの変更
バイアル選択例
バイアル選択例
セプタムの素材・デザイン 特徴 PTFE ▪ 1回限りのインジェクションに適す ▪ 対溶媒性・対薬品性に優れる