沖縄21世紀ビジョン基本計画
中 間 評 価(案)
(第1章)
(対象年度:平成24年度~平成27年度)
平成28年11月
沖
縄
県
資 料 1
1
目
次
2第1章
総
説
3 4 1 中間評価の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 5 2 基本計画策定後の沖縄の社会・経済情勢・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 6 (1)社会情勢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 7 (2)経済情勢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 8 9 3 基本計画の展望値の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 10 (1)人口・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 11 (2)労働力人口・就業者数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 12 (3)県内総生産・一人当たり県民所得・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 131 ※赤字は意見を踏まえ追加・修正 ※青字は庁内調整により追加・修正 2
第1章
総
説
3 41
中間評価の概要
5 中間評価は、沖縄21世紀ビジョン基本計画(以下、「基本計画」という。)及び沖縄 6 21世紀ビジョン実施計画(以下、「実施計画」という。)の中間地点である5年目を目 7 途に、行政評価等の結果を踏まえ、課題や施策の展開方向を整理することにより、必要 8 に応じて基本計画を見直すとともに、後期の実施計画の策定に反映することを目的とし 9 て実施するものである。 10 基本計画では、各施策に通底する基軸的な考えとして、よりよい地域社会の構築につ 11 いて、「潤いと活力をもたらす沖縄らしい優しい社会の構築」を、よりよい地域経済の発 12 展について、「日本と世界の架け橋となる強くしなやかな自立型経済の構築」を掲げてい 13 る。 14 中間評価では、「沖縄らしい優しい社会の構築」及び「強くしなやかな自立型経済の構 15 築」に関連して、県民意識調査における生活の各側面における満足度の推移や各種統計 16 指標等から、基本計画策定後の沖縄の社会・経済情勢と基本計画の展望値の状況につい 17 て分析を行った上で、実施計画に掲げる「成果指標」の達成状況及び「主な課題」の解 18 消状況を評価・点検し、その結果を踏まえ、基本計画に掲げる基本施策ごとに、これま 19 での施策展開による成果等と今後の課題について明らかにするとともに、後期計画期間 20 に向けた施策の展開方向を示すこととする。 21 222
基本計画策定後の沖縄の
社会・
経済情勢
23 24 (1)社会情勢 25 「沖縄らしい優しい社会」とは、ユイマールをはじめとした助け合いの精神に基づく 26 社会の絆で支えられたコミュニティを形成することによって、子どもが健やかに生まれ 27 育つ環境をつくるとともに、県民全体で守り育む豊かな自然環境と伝統文化のもと、医 28 療や福祉、保健が充実し、子どもから高齢者まで安全で安心に生活できる社会である。 29 以下、県民意識調査における生活の各側面における満足度の推移から社会情勢等につ 30 いて分析を行う。 31 32 子どもが健やかに生まれ育つ環境の整備について、沖縄県では、平成27年3月に「黄 33 金っ子応援プラン(沖縄県子ども・子育て支援事業支援計画)」を策定し、待機児童の 34 解消など市町村との協働による教育・保育の提供体制の確保、教育・保育を担う人材の 35 確保と資質の向上に取り組むとともに、平成28年3月には「沖縄県子どもの貧困対策計 36 画」を策定し、支援を必要とする子どもの状況に対応した総合的な施策を実施する等、 37 次世代の沖縄を担う子どもたちが夢や希望を持って成長していける社会の実現に向け取 38 り組んできた。1 2 平成27年度に実施した県民意識調査において、「安心して子供を生み育てられる環境 3 が整っている」かどうかを尋ねたところ、33.5%が満たされていると回答しており、平 4 成24年の前回調査から3.6ポイント(平成27年33.5%-平成24年29.9%=3.6ポイント) 5 向上している。 6 同調査では、「保育所や学童保育所を利用しやすいこと」についての満足度は29.6% 7 で、前回調査から2.6ポイント(平成27年29.6%-平成24年27.0%=2.6ポイント)向上、 8 「仕事と生活(子育て、介護など)が両立しやすい労働条件や職場環境が整っているこ 9 と」についての満足度は22.0%で、前回調査から3.1ポイント(平成27年22.0%-平成2 10 4年18.9%=3.1ポイント)向上している。 11 12 13 14 15 16 関連する国の動きとして、子どもの貧困対策を総合的に推進することを目的とした「子 17 どもの貧困対策の推進に関する法律」が平成26年1月に施行されるとともに、平成28年 18 6月に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」において、「希望出生率1.8」の実 19 現に向け、保育の受け皿整備や保育士の確保、放課後児童クラブの整備等に取り組んで 20 いる。 21 22 医療や福祉、保健の充実について、沖縄県では、平成26年3月に「健康おきなわ21 23 (第2次)」を策定し、健康・長寿おきなわの維持継承に向け、官民一体となった健康 24 づくりに取り組むとともに、県立新宮古病院(平成25年6月開院)や、県立新八重山病 25 院の整備等による医療提供体制の充実等、県民だれもが住み慣れた地域で安心して、健 26 康で生き生きと暮らすことができる社会の実現に向け取り組んできた。 27 28 県民意識調査において、「良質な医療が受けられること」について尋ねたところ、43. 29 4%が満たされていると回答しており、前回調査から6.2ポイント(平成27年43.4%-平 30 成24年37.2%=6.2ポイント)向上している。 31 同調査では、「介護サービスが充実し、利用しやすいこと」についての満足度は23.0 32 %で、前回調査から0.7ポイント(平成27年23.0%-平成24年22.3%=0.7ポイント)向 33 上、「障害のある人の社会参加が拡大していること」についての満足度は17.7%で、前 34 回調査から3.4ポイント(平成27年17.7%-平成24年14.3%=3.4ポイント)向上、「病 35 気の予防のために、健康診断、健康相談が受けやすいこと」についての満足度は41.2% 36 で、前回調査から2.6ポイント(平成27年41.2%-平成24年38.6%=2.6ポイント)向上 37 している。 【表1】県民生活の満足度の推移(子育て分野) 単位:% 質問項目 H2 1 H2 4 H2 7 安心して子供を生み育てられる環境が整っていること 1 6 .5 2 9 .9 3 3 .5 保育所や学童保育所を利用しやすいこと 1 2 .7 2 7 .0 2 9 .6 仕事と生活(子育て、介護など)が両立しやすい労働条件や職場環境が整っていること 1 4 .4 1 8 .9 2 2 .0 (典拠)沖縄県「県民意識調査」
1 2 3 4 5 6 7 関連する国の動きとして、「ニッポン一億総活躍プラン」において、「介護離職ゼロ」 8 の実現に向け、介護の受け皿整備や介護人材の確保、健康寿命の延伸、障害者、難病患 9 者、がん患者等の活躍支援に取り組んでいる。 10 11 自然環境の保全等について、沖縄県では、「奄美・琉球」の世界自然遺産登録の実現 12 に向け取り組むとともに、赤土等流出防止対策や廃棄物不法投棄対策の実施、地域間連 13 携等による廃棄物の適正処理に向けた公共関与による産業廃棄物処理施設の整備を推進 14 する等、沖縄の豊かな自然環境の次世代への継承に向け取り組んできた。 15 16 県民意識調査において、「豊かな自然が保全されている」かどうかを尋ねたところ、4 17 7.6%が満たされていると回答しており、前回調査から8.6ポイント(平成27年47.6%- 18 平成24年39.0%=8.6ポイント)向上している。 19 同調査では、「赤土流出、騒音、環境汚染などが少なくなること」についての満足度 20 は30.1%で、前回調査から5.9ポイント(平成27年30.1%-平成24年24.2%=5.9ポイン 21 ト)向上、「廃棄物の適正処理、減量化・リサイクルが活発に行われていること」につ 22 いての満足度は38.1%で、前回調査から10.0ポイント(平成27年38.1%-平成24年28.1 23 %=10.0ポイント)向上している。 24 25 26 27 28 29 30 関連する動きとして、平成26年3月には「慶良間諸島国立公園」が、平成28年9月に 31 は「やんばる国立公園」が新たな国立公園として指定されており、自然公園法に基づく 32 制度や仕組みなどにより、自然の保護や適切な利用の促進に取り組んでいる。 33 34 伝統文化の保全・継承等について、沖縄県では、沖縄各地域で世代を越えて受け継が 35 れてきた沖縄文化の基層である「しまくとぅば」の次世代への継承に取り組むとともに、 36 「空手発祥の地・沖縄」の世界への発信に向け沖縄空手会館の整備を推進する等、沖縄 37 の風土と伝統に根ざした個性豊かな文化の形成に向け取り組んできた。 38 【表3】県民生活の満足度の推移(自然環境分野) 単位:% 質問項目 H2 1 H2 4 H2 7 豊かな自然が保全されていること 2 4 . 3 3 9 . 0 4 7 . 6 赤土流出、騒音、環境汚染などが少なくなること ※1 2 9 . 3 2 4 . 2 3 0 . 1 廃棄物の適正処理、減量化・リサイクルが活発に行われていること ※2 4 0 . 6 2 8 . 1 3 8 . 1 (典拠)沖縄県「県民意識調査」 ※1:H21の質問は「大気の汚れ、河川の汚濁、赤土流出、騒音、悪臭、有害物質による環境汚染などがないこと」 ※2:H21の質問は「ごみや廃棄物の減量化・リサイクルが行われること」 H24の質問は「廃棄物の減量化・リサイクルが活発に行われていること」 【表2】県民生活の満足度の推移(健康福祉分野) 単位:% 質問項目 H2 1 H2 4 H2 7 良質な医療が受けられること 2 8 . 7 3 7 . 2 4 3 . 4 介護サービスが充実し、利用しやすいこと 1 1 . 9 2 2 . 3 2 3 . 0 障害のある人の社会参加が拡大していること - 1 4 . 3 1 7 . 7 病気の予防のために、健康診断、健康の相談が受けやすいこと 3 2 . 8 3 8 . 6 4 1 . 2 (典拠)沖縄県「県民意識調査」
1 県民意識調査において、「しまくとぅば、郷土芸能、伝統工芸、歴史遺産などの魅力 2 ある沖縄文化が保全・継承されている」かどうかを尋ねたところ、40.9%が満たされて 3 いると回答しており、前回調査から3.2ポイント(平成27年40.9%-平成24年37.7%=3. 4 2ポイント)向上している。 5 同調査では、「県民が文化芸術にふれる機会が増加していること」についての満足度 6 は33.8%で、前回調査から0.7ポイント(平成27年33.8%-平成24年33.1%=0.7ポイン 7 ト)向上している。 8 9 10 11 12 13 以上のとおり、沖縄らしい優しい社会に関連する生活の各側面の満足度は、全体とし 14 て前回調査より向上はしているものの、いずれの項目も満足度は50%以下であり充分で 15 なく、満足度の更なる向上に向け、引き続き積極的な取組が必要である。 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 【表4】県民生活の満足度の推移(伝統文化分野) 単位:% 質問項目 H2 1 H2 4 H2 7 しまくとぅば、郷土芸能、伝統工芸、歴史遺産などの魅力ある沖縄文化が保全・継承されていること 16.1 37.7 40.9 県民が文化芸術にふれる機会が増加していること 25.9 33.1 33.8 (典拠)沖縄県「県民意識調査」
1 (2)経済情勢 2 「強くしなやかな自立型経済」とは、移出型産業と域内産業の両者が連携・補完する 3 経済構造を創出し、移出型産業から獲得された外貨が域内に投下され、新たな需要を創 4 出する原資となり、域内産業を活性化させることにより、雇用の創出、所得・税収の増 5 加が図られ、地域経済全体が安定的に発展する好循環の状態を実現することである。 6 以下、各種統計指標等から経済情勢について分析を行う。 7 8 平成24年度以降の沖縄経済は、観光関連 9 では、新石垣空港が開港したことに加え、 10 LCCや海外航空路線の新規参入、クルー 11 ズ船の寄港回数の増加、官民上げての誘客 12 プロモーション等により入域観光客数が右 13 肩上がりで増加しており、平成25年度以降、 14 3年連続で過去最高を更新している。 15 特に近年、円安に伴う訪日観光需要の高 16 まりや、航空路線の拡充等を背景に外国人 17 観光客が大幅に増加しており、平成27年度 18 には167万人と平成23年度の5.5倍まで増加 19 している。 20 なお、各月の入域観光客数においても、 21 平成24年10月以降、平成28年9月現在で、 22 前年同月を48か月連続で上回るとともに、 23 35か月連続で同月の最高を更新している。(【図1】、【図2】参照) 24 また、入域観光客数の増加と販売客室数の増加から、主要ホテルの稼働率も前年を上 25 回る動きが続いており、平成27年平均の主要ホテル客室稼働率は、80.8%と平成23年を 26 14.7ポイント(平成27年80.8%-平成23年66.1%=14.7ポイント)上回っている。 27 (【図3】参照) 28 29 観光客の滞在の質を示す指標のひとつであるリピーター率は、年々上昇しており、平 30 成27年には84.2%と、過去最高を更新している。(【図4】参照) 31 32 33 34 35 36 37 38
1 さらに、観光リゾート産業とともにリーデ 2 ィング産業の一つである情報通信関連産業に 3 ついては、「アジア有数の国際情報通信ハブ 4 (=Smart Hub)」の形成を目指す「おきなわ 5 Smart Hub構想」を策定し、情報通信関連産 6 業の更なる集積と同産業の高度化・多様化に 7 向け、国内外における積極的なプロモーショ 8 ン活動、沖縄とアジア・首都圏を直結する国 9 際海底光ケーブルの敷設、国際IT研究開発機関が行う研究開発等の活動への支援、沖 10 縄IT津梁パークの整備等に取り組んできた。 11 その結果、平成27年度(平成28年1月1日時点)における県外から立地した情報通信 12 関連企業の数は387社となっており、約27,000人の雇用が創出されている。(【図5】参照) 13 14 加えて、東アジアの中心に位置する地理的 15 優位性を生かし、時代に即した新たなリーデ 16 ィング産業として振興を図っている国際物流 17 関連産業については、国際物流拠点の形成に 18 向けた第1ステージとして平成21年に全日空 19 の国際貨物ハブの運用が開始され、国際物流 20 特区の創設、ロジスティクスセンター等の物 21 流関連施設の整備、沖縄県産品の輸出拡大に 22 取り組んできた。現在、第2ステージとして、航空路線・海運航路の拡充、国際物流特 23 区の拡大、全国特産品流通拠点化推進等に取り組んでいる。 24 その結果、各地域の貨物需要を踏まえた航空路線の変更等に伴い、年度ごとの貨物取 25 扱量に増減はみられるものの、平成20年度には約1,800トンであった那覇空港の国際貨物 26 取扱量は、平成27年度には約17万トンと飛躍的に増加しており、成田、羽田、関空に次 27 ぐ国内第4位の取扱量となっている。(【図6】参照) 28 29 投資関連では、沖縄振興一括交付金の創設 30 に伴う沖縄振興予算の拡充などから、公共工 31 事が毎年増加を続けている。(【図7】参照) 32 公共工事請負額の内訳を見ると、国発注工 33 事では、那覇空港第2滑走路関係などの大型 34 工事が進められており、県発注工事では、沖 35 縄振興一括交付金を活用した、情報インフラ 36 や産業関連施設などの整備が行われ、市町村 37 発注工事においても、沖縄振興一括交付金を活用した、観光施設や歴史資料館など地域 38 の交流拠点となる施設が整備されている。
1 また、民間工事においても住宅着工が堅調 2 であるなど、総じて好調に推移している。 3 (【図8】参照) 4 なお、公共工事の発注にあたっては、沖 5 縄県が策定した「県内企業への優先発注及び 6 県産品の優先使用方針」に基づき、分離分割 7 発注等による県内企業の受注機会の確保等に 8 努めているところである。 9 10 このように、平成24年度以降の沖縄経済は、リーディング産業である観光リゾート産 11 業を中心に良好な状態が継続しており、加えて、沖縄振興一括交付金の活用等による公 12 共投資の増加なども寄与し、様々な業種の業況に好影響を与えている。 13 このことは、日本銀行那覇支店が発表している「県内企業短期経済観測調査結果(短 14 観)」による企業の景況感にも現れており、景況が良いと回答した企業の割合から、景況 15 が悪いと回答した企業の割合を差し引いた企業景況感(D.I.)をみると、平成28年1月 16 ~3月期はプラス「46」と調査開 17 始(1974年)以降で最高を記録し、 18 直近の4月~6月期においてはプ 19 ラス「39」と良い超幅が5期ぶり 20 に縮小に転じたものの、平成24年 21 4月~6月期以降、17期連続でプ 22 ラスを続けるなど、県内企業が景 23 気の良さを実感していることがわ 24 かる。 25 (【図9】参照) 26 27 好調な企業の景況を背景に、建設業や卸売 28 ・小売業、サービス業などを中心にほとんど 29 の業種において、求人状況の改善へとつなが 30 っており、その結果、有効求人倍率は平成25 31 年以降、3年連続で復帰後の最高値を記録す 32 るなど、県内の雇用情勢においても、これま 33 でにない好調を継続している。 34 (【図10】、【図11】参照) 35
1 2 また、雇用の創出に向けた産業 3 振興の取組の成果や、好調な県内 4 景況を背景に、就業者数も着実に 5 増加を続けている。 6 平成23年から平成27年にかけて、 7 就業者は4万5千人の増加(平成 8 27年66万4千人-平成23年61万9 9 千人=4万5千人)となっており、 10 男女別にみると、男性が1万6千人で、女性が2万9千人となっている。就業者に占め 11 る女性の割合は平成23年の43%から平成27年には45%まで上昇している。 12 13 完全失業率も改善傾向にあり、平成25年からは3年連続で5%台となっている。平成 14 27年の失業率は5.1%となっており、男女別にみると、男性が5.9%で、女性が4.2%とな 15 っている。(【図12】、【図13】参照) 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 一方、日本銀行那覇支店が公表している、 26 県内金融経済概況の百貨店・スーパー・コン 27 ビニの売上高から個人消費の状況をみると、 28 平成25年以降、対前年比で増加を続けており、 29 県内人口の増加や観光需要を背景に、個人消 30 費は堅調に推移している。 31 (【図14】参照) 32 33 34 35 36 37 38
1 2 好調な状態が続く沖縄経済ではあるが、有効求人倍率や完全失業率、非正規雇用の割 3 合の高さといった雇用環境や、家計の状況等を全国と比較するといまだに厳しい状況と 4 なっている。 5 6 有効求人倍率については、【図10】で示し 7 たとおり、3年連続で復帰後最高を記録し、 8 1倍台の達成が見えてきたものの、全国最下 9 位にとどまっており、全国平均とは、いまだ 10 に0.4ポイント程度(全国1.20倍-沖縄0.84 11 倍=0.36ポイント)の差が生じている。 12 (【図15】参照) 13 14 完全失業率についても、平成23年には2.5ポイント(沖縄7.1%-全国4.6%=2.5ポイ 15 ント)あった差が、平成27年には1.7ポイント(沖縄5.1%-全国3.4%=1.7ポイント) 16 とその差は確実に縮まっているものの、若年者失業率(15歳~29歳)を見ると、平成27 17 年は3.0ポイント(沖縄5.3%-全国8.3%=3.0ポイント)の差となっており、改善傾向 18 ではあるが、いまだに大きな差が生じている。(【図16】、【図17】参照) 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 雇用現場における採用形態を見ると、パ 29 ートや契約社員など、非正規雇用の割合が 30 全国で最も高い状況となっている。 31 沖縄県の非正規雇用率は、平成24年時点 32 で44.5%と半数近くが非正規雇用となって 33 おり、全国と比べ6.3ポイント(沖縄44.5 34 %-全国38.2%=6.3ポイント)高く、年 35 々その差(平成14年4.2ポイント、平成19年5.2ポイント)が広がってきている。 36 (【図18】参照) 37
1 非正規雇用者が多いことから、賃金水準も 2 低くなっている。事業所規模5人以上の事業 3 所で勤務するパートタイムを含む常用労働者 4 の年間平均給与額は、全国の7割程度の水準 5 となっている。(【図19】参照) 6 7 8 9 非正規雇用が多く、低賃金であることな 10 ど、労働条件の満足度の低さ等から、就職 11 してもすぐに仕事を辞めてしまう者が多い 12 ことも沖縄県の雇用環境の不安定な要因の 13 一つとなっている。 14 就職後1年以内に仕事を辞めた割合を示 15 す離職率は全国で最も高く、平成24年時点 16 で6.7%と全国と比べ1.7ポイント(沖縄6.7 17 %-全国5.0%=1.7ポイント)高い状況となっている。(【図20】参照) 18 19 また、沖縄県の雇用環境は大きく改善されつつあるものの、雇用のミスマッチも依然 20 として大きな課題となっている。 21 企業側から見た労働力の過不足について、日本銀行那覇支店の「県内企業短期経済観 22 測調査結果(短観)」における、雇用人員が過剰であると回答した企業の割合から、雇 23 用人員が不足している企業の割合を差し引いた雇用人員判断指数(D.I.)を見ると、企 24 業が景気の良さを感じている一方で、人手不足の問題を抱えていることがわかる。 25 【図9】で示したとおり、平成24年以降、企業における業況判断指数は改善が進んで 26 いるものの、雇用人員判断指数は、この間もマイナスが継続している状況である。特に 27 平成25年以降はマイナス幅が拡大しており人手不足が深刻な状況となっている。 28 (【図21】参照) 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38
1 2 家計の状況を見ても、可処分所得は全国の7割程度の水準となっており、平成25年度 3 以降はその差が徐々に開いている。一方で、平成22年を100とした消費者物価指数を見 4 ると、平成23年以降、沖縄は全国に比べて物価上昇幅が大きくなっている。 5 沖縄は全国に比べ、低い所得水準であるにもかかわらず、物価水準は年々上昇してい 6 ることから、教育費など、固定費以外への支出に回せる家計の余裕が全国に比べて少な 7 いと言える。(【図22】、【図23】参照) 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 以上のとおり、沖縄県と全国の経済情勢を比較するといまだに差が生じているが、そ 18 の一因として、沖縄県と全国との産業構造の違いがあることが考えられる。 19 沖縄県の県内総生産に占める産業別の構 20 成比は、全国と比べ、第3次産業の割合が 21 高く、第2次産業においては、建設業が高 22 い一方、製造業が少ないといった特徴があ 23 るが、その背景として、第3次産業につい 24 ては、観光リゾート産業がリーディング産 25 業として成長したこと、第2次産業につい 26 ては、戦後の米軍基地の建設過程で建設業 27 が増大し、復帰後も本土との格差是正のために集中的に社会資本整備が進められたこと 28 で建設業が増え続けたことや、高コスト構造や市場規模の狭あい性など島しょ県の不利 29 益性が影響し製造業の立地が進まなかったことが要因と考えられる。(【図24】参照) 30 31 就業者一人当たりの付加価値額を示す、 32 労働生産性をみてみると、沖縄は全国の約 33 7割の水準で推移しており、その差は拡大 34 傾向にある。(【図25】参照) 35 36 産業別の労働生産性をみると、沖縄の産 37 業構造において高い割合を占める第3次産
1 業のうち、「サービス業」については全国においても他の産業に比べて労働生産性が低 2 くなっているが、それに加えて沖縄は全国 3 の8割程度の水準となっている。 4 また、「卸売・小売業」については、沖縄 5 は全国の6割程度の水準となっている。 6 (【図26】参照) 7 沖縄の産業構造において高い割合を占め 8 る「サービス業」や「卸売・小売業」にお 9 ける労働生産性の低さが、県民所得の低さ 10 の要因の1つになっていると考えられる。 11 12 第2次産業のうち、「建設業」については全国においても他の産業に比べて労働生産 13 性が低くなっているが、それに加えて沖縄は全国の9割程度の水準となっている。 14 また、「製造業」については、沖縄は全国の6割程度の水準であるが、沖縄県の製造 15 業は「食料品」製造業の割合が高く、全国と比べて「一般機械」、「電気機械」、「輸送用 16 機械」などの割合が低い。製造業における沖縄の労働生産性の低さには、こうした業種 17 の違いも影響していると考えられる。 18 19 労働生産性が低いと、分配される賃金も低くなり、それによって、早期離職などにも 20 つながっていくことから、今後、沖縄県が本格的な自立型経済の構築を目指すためには、 21 各産業において、付加価値を高めるための一層の質の向上に取り組む必要があり、あわ 22 せて、雇用の質の改善や産業の高度化に対応できる人材育成等に取り組むことも重要と 23 なってくる。 24 このような取組により、高付加価値型産業への転換を図っていくことで、生産性の向 25 上を図り、企業の収益の向上、雇用者の所得の増加へとつなげるなど、経済の好循環を 26 生み出すことで、沖縄振興をより一層加速させていくことが求められる。 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38
1 2
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基本計画の展望値の状況
3 基本計画では、ビジョンで掲げた将来像実現のために実施される諸施策事業の成果等 4 を前提に、目標年次(平成33年)における沖縄の人口及び社会経済の展望値を示してい 5 る。以下に、同展望値の現状と推移の確認と達成の見込みについて概観する。 6 7 (1)人口 8 本土復帰の昭和47年に96万人であった 9 本県の人口は、増加基調で推移し、平成 10 27年には143万人となっている。展望値 11 である平成33年の144万人の99.6%(基 12 準年の平成22年時点は96.7%)に達して 13 おり、展望値の144万人は達成できるも 14 のと見込まれる。 15 しかし、平成24年に行った推計では、 16 平成37年前後にピークを迎えた後に減少 17 に転じるものと見込まれており、本県も人口減少社会となることが予測されている。 18 平成27年の年齢構成をみると、0~14歳の年少人口は24万4千人で17.2%、15~64 19 歳の生産年齢人口は89万7千人で63.2%、65歳以上の老年人口は27万9千人で19.7% 20 となっており、平成22年に比べ年少人口と生産年齢人口の割合は、減少傾向(平成22 21 年:17.8%と64.8%)で、老年人口の割合は増加傾向(平成22年:17.4%)で推移し 22 ている。 23 沖縄県では、人口が増加基調にある現段階において積極的な人口増加施策を展開し、 24 その減少及び構成変化に係る影響を最小限に食い止め、地域の活力と成長力を維持・ 25 発展させることを目的に、平成26年3月に「沖縄県人口増加計画」を策定し、同計画 26 に基づく取組を積極的に推進しているところである。 27 28 (2)労働力人口・就業者数・完全失業率 29 労働力人口は、15歳以上人口の増加等を背 30 景に増加を続けており、平成27年は70万人と 31 なっている。展望値である平成33年の71万9 32 千人の97.4%(平成22年時点は93.6%)に達 33 しており、展望値の71万9千人は達成できる 34 ものと見込まれる。 35 就業者数は、雇用環境の改善により増加し、 36 平成27年は66万4千人となっている。展望値 37 である平成33年の69万人の96.2%(平成22年1 時点は90.1%)に達しており、展望値の69万人は達成できるものと見込まれる。 2 完全失業率は、観光関連や医療福祉関連など雇用吸収力のある産業の伸びもあり、平 3 成27年は5.1%となっている。平成22年時点の7.6%からは2.5ポイントの改善となって 4 いる。 5 展望値である平成33年の4.0%を達成するためには、更に1.1ポイントの改善が必要と 6 なるが、県経済が順調に推移していることや、企業における人手不足の状況等を考慮す 7 ると、展望値の4.0%はおおむね達成できるものと見込まれる。一方、非正規雇用の割 8 合が高いこと等を踏まえ、今後は雇用の質の改善に向けた取組が必要となる。 9 産業別の就業構造は、第1次産業が平成22年の5.6%から4.5%(平成27年)に低下、 10 第2次産業が15.4%から15.5%、第3次産業が78.3%から78.5%で微増となっており、 11 第1次産業の割合が低下する一方、第2次産業及び第3次産業の割合が上昇する傾向に 12 ある。 13 14 (3)県内総生産・一人当たり県民所得 15 県内総生産は、平成25年度で名目3兆 16 8,818億円(経済成長率3.3%)であり、 17 平成22年度の3兆7,264億円から、1,554 18 億円(4.2%)の増加となっている。 19 展望値である平成33年度の5兆1,439 20 億円の75.5%(平成22年時点は72.5%) 21 に達しているが、展望値を達成するため 22 には、1兆2,621億円の増加(年3.6%の 23 成長)が必要となる。 24 平成15年度から平成24年度までの10年間の県内総生産の対前年度成長率をみると0.2 25 %だが、平成25年度は基本計画に基づく沖縄振興施策の展開による成果が現れたこと 26 等もあり3.3%の高い伸びとなっている。 27 平成26年度以降も県内景況は拡大を続けており、航空路線の拡充やクルーズ船の寄 28 港回数が増えたことから入域観光客数が大幅に伸びていること、人口の堅調な増加な 29 どから民間消費が増加していること、民間住宅工事や民間設備投資の回復などにより 30 投資が増加していることに加え、沖縄振興一括交付金等を活用した取組による成果も 31 現れてくることから、今後も、本県経済は着実に成長を続けるものと見込まれる。 32 このような、好調な県内景況に加え、今後の自立型経済の構築に向けた観光リゾー 33 ト産業や情報通信関連産業の振興、臨空・臨港型産業などの新たなリーディング産業 34 の育成、沖縄の特性を生かした様々な産業振興などの成果等により、計画期間中の経 35 済成長が平成25年度の3.3%で継続すると仮定すると、平成33年度の県内総生産は5兆 36 501億円(展望値の98.2%)となり、おおむね展望値に近い水準まで拡大することが見 37 込まれる。 38 具体的には、観光リゾート産業において、平成25年度に4,478億円であった観光収入
1 が、平成26年度には5,341億円(対前年比19%増)、平成27年度には6,022億円(対前年 2 比13%増)まで増加している。沖縄県では第5次沖縄県観光振興基本計画最終年とな 3 る平成33年度の観光収入1兆円の達成に向け、「沖縄観光推進ロードマップ」を策定し 4 官民一体となって中長期的、段階的に誘客及び受入体制整備等の観光振興施策を推進 5 することとしている。 6 情報通信関連産業では、平成23年度に3,482億円であった生産額が、平成27年度には 7 4,099億円(対23年比17.7%増)まで増加している。沖縄県では計画最終年となる平成 8 33年度の生産額5,800億円の達成に向け、「おきなわ Smart Hub 構想」のもと、 9 国内外からの企業立地の促進、県内企業の高度化・多様化、人材の育成・確保、情報 10 通信基盤の整備等に取り組むこととしている。 11 沖縄県においては、このようなリーディング産業の振興に加えて、今後の沖縄とア 12 ジア地域の経済交流、産業振興に向けた指針となる「沖縄県アジア経済戦略構想」を 13 策定し、国際競争力ある物流拠点や航空関連産業クラスターの形成等に取り組むこと 14 により、沖縄の経済発展を加速させていくこととしている。 15 16 産業別構成比をみると、第1次産業が平成22年の1.9%から1.5%に低下、第2次産 17 業が13.0%から13.9%に増加、第3次産業が85.0%から84.4%に低下となっている。 18 19 一人当たり県民所得は、平成25年度で210万円であり、平成22年度の203万円から7 20 万円(3.4%)の増加となっている。 21 展望値である平成33年度の271万円の77.5%(平成22年時点は76.4%)に達している 22 が、展望値を達成するためには、61万円の増加(年3.2%の成長)が必要となる。 23 平成15年度から平成24年度までの10年間の一人当たり県民所得の対前年度増加率を 24 みると△0.2%だが、平成25年度は基本計画に基づく沖縄振興施策の展開による成果が 25 現れたこと等もあり4.1%の高い伸びとなっている。 26 好調な県内景況を踏まえ、計画期間中の一人当たり県民所得の対前年度増加率が平 27 成25年度の4.1%で継続すると仮定すると、平成33年度の一人当たり県民所得は289万 28 円(展望値の106.6%)となる。一方、県内総人口も増加が見込まれていることに留意 29 する必要があるが、展望値の271万円を達成することは可能と考えられる。 30 31 32 33 34 35 36 37 38
1 2 3 (参考)社会経済展望値一覧 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 ※1 総人口は、総務省統計局「平成27年国勢調査抽出速報集計」 26 労働力人口、就業者数は、沖縄県「労働力調査 平成27年平均」 27 県内総生産、一人当たり県民所得は、沖縄県「平成25年度県民経済計算」 28 ※2 上記「(3)県内総生産・一人当たり県民所得」における平成22年度の数値は、 29 「平成25年度県民経済計算」において遡及改訂された数値を記載しているが、上 30 記「(参考)社会経済展望値」の平成22年度の数値については、基本計画策定時に 31 展望値として設定したものであることから、基本計画に記載している数値をその 32 まま転記している。 33 「一人当たり県民所得」とは、県民経済計算における、県民雇用者報酬、財産 34 所得、企業所得を合計した県民所得を総人口で除したものである。 35 ※3 実質県内総生産は「平成25年度県民経済計算」による。 36 年平均 増減率 139.3万人 143.4万人 144万人 0.3% 67.3万人 70.0万人 71.9万人 0.6% 62.2万人 66.4万人 69万人 0.9% 第1次産業 (6%) (5%) (5%) 第2次産業 (15%) (16%) (15%) 第3次産業 (79%) (79%) (80%) 7.60% 5.1% 4.0% 207万円 210万円 271万円 2.5% 3兆7,278億円 3兆8,818億円 5兆1,439億円 3.0% 4兆426億円 4兆3,647億円 (2.1%) 第1次産業(※2) (2%) (2%) (2%) 第2次産業(※2) (11%) (14%) (10%) 第3次産業(※2) (87%) (84%) (88%) H22 (基準値) H33 (展望値) H27 (現状値※1) 名目県内総生産(※2) (実質県内総生産)(※3) ( 産 業 別 構 成 ) 県総人口 労働力人口 就業者数 ( 就 業 構 造 ) 完全失業率 一人当たり県民所得(※2)