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福島県内での復興支援事業 ①

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Academic year: 2021

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福島県内での復興支援事業 ①

東日本大震災における日本赤十字社の復興支援事業

              (平成26年12月31日現在)

1.海外救援金による復興支援事業

 日本赤十字社では、海外の100の赤十字社・赤新月社を通じて海外から寄せられた「海外救援金」(約600 億円)により、さまざまな復興支援事業を実施している。この海外救援金を財源とした復興支援事業につ いては、海外の新興国や発展途上国で発生した大規模災害において実施する場合はあったが、日本赤十字 社をはじめ、海外の赤十字社でも先進国での大規模災害における復興支援事業ははじめて実施するもので あった。  日本赤十字社では、寄せられた海外救援金を有効に活用するため、本社に『東日本大震災復興支援推進 本部』を設置し、専任の本社職員をはじめ、委託・派遣スタッフを配置した。また、岩手・宮城・福島の 被災3県にも本社嘱託職員を派遣し、被災地のニーズ調査を担当させるとともに、被災3県支部が事業の 窓口として連携を図りながら復興支援事業に取り組んだ。  復興支援事業を実施するにあたって「世界と被災地をつなぎ生活再建・教育・福祉サービス・医療の基 盤づくりを支援し、安全で安心な社会の復興に貢献する」という全体ビジョンをもとに、『生活再建支援』・ 『教育支援』・『福祉サービス支援』・『医療支援』・『原子力発電所事故への対応』と各分野別のビジョンから 構成される『東日本大震災復興支援事業基本計画』を策定した。 東日本大震災復興支援事業基本計画 全体ビジョン わたしたちは、世界と被災地をつなぎ、 生活再建・教育・福祉サービス・医療の基礎づくりを支援し、 安全で安心な社会の復興に貢献します 分野別ビジョン 生活再建支援 日常生活を取り戻し、コミュニティを再生するために必要な支援を行い、 復興に向かう被災地の人々の生活基盤づくりに貢献します 教育支援 教育の現場で失われた物、場、安心を届けることで、 次世代を担う子どもたちの将来の基盤づくりに貢献します 福祉サービス支援 失われた福祉サービスの回復を支援し、高齢者の方や障害を持った方々が 安心に暮らせるための基盤づくりに貢献します 医療支援 地域の医療連携体制の復旧と災害対応能力の強化を支援し、 被災地の方々の命と健康を守るための医療基盤づくりに貢献します 原子力発電所事故への対応 放射能による影響への正しい知識と被ばく状況を把握できる環境を整え、 人々の原子力事故・放射能に対する不安の軽減に貢献します 基本方針 1.国際赤十字のネットワークの効果的な活用 2.広大な被災地域における公平かつ迅速な事業実施 3.国、県、市町村、他団体との協調 4.国内外に対する説明責任の確保 5.日本赤十字社の資源を最大限活用し、ハード・ソフトの両面から支援を実施 6.地域に根づく活動への継承  発災直後、被災3県では救護活動を中心に行っていたが、時間の経過に伴い、平成24年度以降被災3県 支部が主体となって各県独自の復興支援事業を実施することとなった。

福島県内での復興支援事業

(2)

福島県内での復興支援事業 ② に 費 業 事 援 支 興 復 、 て し 別 区 と 」 金 援 義 災 震 大 本 日 東 「 た れ ら せ 寄 ら か 体 団 ・ 人 個 の 外 内 国 、 は 金 援 救 外 海 ※        充当している。

2.日本赤十字社

(本社)

主体の復興支援事業

1.生活再建支援

(1)生活家電セットの寄贈  日本赤十字社は被災された方の生活支援の一環として、仮設住 宅や借り上げ住宅等の入居者に、テレビ、洗濯機、冷蔵庫、炊飯 器、電子レンジ、電気ポットの生活家電セットを寄贈した。  平成23年4月に寄贈事業を開始し、平成24年12月末で事業は終 了したが、福島県では県内の避難者へ43,367セット、県外避難者 に20,250セット、合計63,617セットを寄贈した。  なお、岩手県では18,694セット、宮城県では49,045セット寄贈 されている。       (2)川内村仮設コミュニティセンター建設支援  原発事故の影響により、川内村は全村民が避難し、役場機能を郡山 市の「ビッグパレットふくしま」に移転した。村民は応急仮設住宅に入 居し、避難生活が長期化することにより、住民同士のつながりが失わ れることが懸念されることから、日本赤十字社では、ドイツ赤十字社 から寄せられた海外救援金を財源として、村民の地域交流の拠点とな るコミュニティセンター建設を支援した。完成したコミュニティセン ターは、村民にとってストレス解消、情報交換の場及び子どもの学習・子育て支援の場となっている。  また、緊急避難区域の解除に伴い、平成25年3月にコミュニティセンターも川内村に移設され、子ども たちの交流の場として活用されている。 (3)浪江町民への健康調査事業  浪江町は、役場機能を多くの町民が避難している二本松市に設置したが、二本松市から離れたいわき市 にも2,000人を超える多くの町民がおり、浪江町の気候と似ているため、移り住む町民が年々増えつつあっ た。いわき市内の浪江町民は、市内の借り上げ住宅に分散して生活しているため、孤立しやすい状況にあっ た。町民への行政サービスが十分にいきわたらず、中でも保健サービ スにおける町民の不安を解消するため、浪江町の依頼により、平成24 年10月からいわき市に避難している浪江町民約2,000人を対象に、日 本赤十字社の看護師による訪問健康調査を実施した。不慣れな土地で の生活にストレスを抱える町民に寄り添い、心の叫びに耳を傾けなが ら彼らの健康を見守る取り組みが続けられている。

【日本赤十字社が行う復興支援事業】 1. 生活再建支援 2. 教育支援 3. 福祉サービス支援 4. 医療支援 5. 原子力発電所事故への対応 世界各国の 赤十字社・ 赤新月社 ⓒNobuyuki Kobayashi 

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福島県内での復興支援事業 ③

2.教育支援

(1)飯舘村小学校仮設体育館建設支援事業  原発事故により全村避難を余儀なくされた飯舘村の草野、飯樋、臼石 の3つの小学校は、避難先の川俣町の中学校の教室を間借りして学校生活 を行っていたが、国の補助を受け仮設校舎を建設。日本赤十字社では、補 助事業の対象外であった仮設体育館の建設を支援し、平成24年4月20日に 開校式が行われた。 民がいわき市に避難しており、子どもたちも市内の幼稚園・保育園に分散 援センターの機能を併せ持つ『あおぞらこども園』の建設を支援した。この 『あおぞらこども園』の完成により、保護者が安心して子供を預けて働ける ようになり、町民のコミュニティ再建にも寄与している。 (3)スクールバス寄贈事業 住宅や借り上げ住宅で生活し、子どもたちも遠距離通学や転校を余儀なく されていた。そこで、日本赤十字社ではスクールバスを寄贈し、仮設住宅 や借り上げアパートから通学する小・中学生を支援している。 対象地域 実施時期 支援形態 配備したバス 福島県 大熊町 平成23年10月~平成24年7月 運行委託 大型バス(50人乗り)2台 平成24年8月 車両寄贈 大型バス(50人乗り)2台 いわき市 平成24年8月 運行委託 大型バス1台 いわき市 (保育園) 平成24年4月~平成25年3月 車両寄贈 マイクロバス(29人乗り)1台 車両寄贈 マイクロバス(29人乗り)1台 中型バス(42人乗り)1台 車両寄贈 大型(48人乗り)2台 (4)給食運搬車寄贈事業  原発事故により会津若松市に移転している大熊町では再開した幼稚 園、小・中学校の学校給食のための給食運搬車両や食器、調理器具を 支援し、温かく栄養の取れた給食により子どもたちの成長を応援して いる。 市町村名 支 援 先 数  量 1 南相馬市 南相馬市鹿島区給食センター 深皿1,000個 カレー皿(大)540個、(小)5,150個 南相馬市立原町第二小学校 南相馬市立石神第二小学校 食器消毒保管庫 各校1台 2 大熊町 (会津若松市) 永和給食センター 河東給食センター (1)永和給食センター分:箸等21品目 (2)河東給食センター分:強化磁器食器   (菜皿)等17品目 (3)給食コンテナ・配膳台1式 大熊幼稚園 給食運搬車両 1台

(4)

福島県内での復興支援事業 ④ (5)サマーキャンプ  震災により、生活環境や教育環境が大きく変化した子どもたちは、たくさんの精神的ストレスを受けて いる。子どもたちに日常生活を離れ大自然の中で多くの仲間たちととも に、思いきり体を動かして楽しく過ごしてもらうことを目的として、『サ マーキャンプ』を実施した。  平成24年度、平成25年度に岩手県、宮城県、福島県で被災した小学5 年生~中学生を対象に北海道のルスツリゾートで、芋ほり、乗馬体験の ほか、赤十字救急法や高齢者理解のプログラムを学ぶサマーキャンプを 実施し、たくさんの子どもたちが元気いっぱい参加しました。  平成24年度 3,451人(福島県からは1,549人)  平成25年度 2,337人(福島県からは1,032人)

3.福祉サービス支援

(1)相馬市に災害公営住宅を建設  震災により、相馬市は津波の被害により多くの住宅が被災した。日本 赤十字社は台湾赤十字組織からの海外救援金を財源に、相馬市内の狐 穴・南戸崎・馬場野山田・細田東の4団地に災害公営住宅「井戸端長屋」 (4団地 46戸)建設の一部を支援した。この「井戸端長屋」では、 長屋式の共同住宅に共同食堂スペース などを設け、被災した高齢者や障がい者の孤立・孤独化を防ぎ、お互い助け合い安心して生活できるよう に工夫されている。 (2)新地町に被災高齢者共同住宅を建設  台湾赤十字組織からの救援金により、新地町に被災した高齢者の孤 立・孤独化を防ぎ、お互い助け合い生活できるよう被災高齢者共同住宅 建設費を支援した。(3棟 22戸) (3)社会福祉施設等に福祉車両を寄贈  津波による被害を受けた沿岸部では、社会福祉施設の所有する車両の流出・故障により、施設への送迎 等福祉サービスの提供に支障が生じていた。  日本赤十字社では、これら社会福祉施設や被災地域の市町村を対象に、福祉車両や軽自動車を寄贈した。 福島県内では、社会福祉施設や市町村に福祉車両153台を寄贈し、障がい者・要介護者・高齢者に必要な 福祉サービスの提供を行うことが可能となったほか、市町村が行う保健福祉事業にも活用されている。 (4)社会福祉施設に介護用ベッドを寄贈  施設や病院に入所していた避難者を受け入れた施設を対象に、介護用 ベッド(介護用ベッド、サイドレール、マット)を寄贈した。福島県内で は、23施設に96台の介護用ベッドが寄贈された。 (5)肺炎球菌ワクチン接種事業  岩手県・宮城県・福島県の被災3県の70歳以上の高齢者を対象に指定 医療機関での肺炎球菌ワクチンの接種費用を支援した。仮設住宅等で慣 れない生活を送っておりストレスを抱えている高齢者の罹患リスクが高 いといわれている肺炎については、肺炎球菌を原因とするものが一番多 いといわれており、今回の予防接種は、この肺炎球菌の働きを抑えるも

(5)

福島県内での復興支援事業 ⑤ のであり、福島県では約18万人分を助成している。

5.原子力事故対応

(1)福島県内にホールボディカウンターを寄贈  原発事故の影響により、放射線による健康への不安を多くの県民 が抱えていた。福島県では、県民の内部被ばくの状況を測定するた め、体内に蓄積された放射性物質の量を測定するホールボディカウ ンターを整備することとした。  しかし、ホールボディカウンターは高額であり、福島県独自で整 備するのが難しいことから、日本赤十字社では海外救援金を財源に福島県をはじめ、福島市、郡山市、白 た。 (2)福島県内に食品放射線量測定器(ベクレルモニター)を寄贈  放射線による健康への影響に対する不安を解消するため、県内の自 治体では、空間線量の測定や内部被曝測定検査等の対応を行っていた が、福島県内で収穫された農作物、くだものなど食品から国の安全基 準を上回る放射線量が検出され、食に関する不安や福島県に対する風 評被害が問題になった。  日本赤十字社では、福島県と協議し、県の予算では対応しきれなかった台数分として食品放射線量測定 器(ベクレルモニター)を福島市、二本松市、川内村に106台寄贈した。 (3)福島県民の健康管理調査支援  原発事故以来、全県民を対象とした健康管理調査が行われているほか、 震災の影響により浜通りの医療機関が打撃を受け、福島県立医科大学附属 病院への受診が集中しています。必要な検査機器を整備するため、災害対 応血液検査システムなどの医療機器を支援しました。

参照

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