ARI
2013年の工業製品生産（4つの世界一）
• 粗鋼生産は
7.79億トン、2003年の3.5倍、世界全体の49.3%。
• セメント生産は
24.2億トン、2003年の2.8倍、世界全体の58.1%（2012
年）。
• 石炭生産は
36.8億トン、2003年の2倍、世界全体の46.4%（2012年）。
• 発電量は
5.4兆kWh、2013年の2.8倍、世界全体の21.9%（2012年）。
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500 2011 2012
百万トン
石炭生産
粗鋼、セメント生産
（出所）中国統計年鑑、BP統計、世界鉄鋼協会、アメリカセメント協会
ARI
石炭消費
•
2013年の一次エネルギー消費は26.3億toe、石炭消費は一次
エネルギー消費全体の
66.6%。
•
2003～2013年の10年間で石炭消費は26.8億トン増。年平均増
加量は日本の年間消費量
1.7億トン（2012年）より多い。
• 上海市の面積当たりの石炭消費量は
6.9トン/m
2
（日本は
0.5）。
（出所）中国統計年鑑、エネルギー統計年鑑
一次エネルギー消費構成 地域別の石炭消費量
山西省
北京市
河北省
天津市
黒龍江省
遼寧省
吉林省
山東省
新彊ウイ グル自治区
江蘇省
福建省
上海市
河南省
江西省
安徽省
淅江省
湖北省
湖南省
広東省
広西自治 区
内モンゴ ル自治区
台湾
青海省
チベット 自治区
雲南省
四川省
貴州省
寧夏自治 区
陝西省
甘粛省
海南省
重慶市
石炭消費量年間 億トン以下1
石炭消費量年間 億トン以上、３億トン未満2
石炭消費量年間３億トン以上
6.9 ン mト / 2
4.4 ン mト / 2
2.6 ン mト / 2
2.6 ン mト / 2
2.2 ン mト / 2
1.6 ン mト / 2
1.6 ン mト / 2
1.3 ン mト / 2 1.2 ン mト /
2
1.5 ン mト / 2
面積当たりの石炭消費
ARI
4兆元の経済対策の後遺症
•
2013年の粗鋼生産能力は10.4億トン/年、過剰能力は1.3億トン/年
以上。
2015年の過剰能力は2億トン/年以上に達する見込み。
•
2013年のセメント生産能力は30.7億トン/年、過剰能力は4億トン/年
以上、
2015年の過剰能力は10億トン/年に達する見込み。
•
2013年の発電設備の平均稼働率は51.4%だが、新規稼働容量は
9,400万kWで、2012年の東京電力の6,558万kWより多い。
•
2013年の石炭生産能力は42億トン/年以上、過剰能力は5億トン/年。
中国の石炭消費量と世界の比較
中国のエネルギー多消費製品の生産量
（出所）中国統計年鑑、
BP統計
ARI
「世界の工場」の後遺症
• 地球温暖化ガスの大量排出、
2012年のCO2排出量は日本の7倍。
• 地方の生態環境の破壊、大気、水、土壌汚染の深刻化。
• 国民健康レベルの低下、
2000年以降肺がんの発症率が上昇、2025
年に肺がん患者は
100万人に達し、世界一の「肺がん大国」になる
予測。
中国の
CO2排出量
（出所）BP統計、中国環境統計年鑑
1/10万人
病気 2010 2011 2012
呼吸性 68.3 65.5 75.6
ガン 162.9 172.3 164.5
呼吸性 88.3 85.0 103.9
ガン 144.1 150.8 151.5
都市部
農村部
年 排出量 単位 北京 天津 瀋陽
2011
二酸化硫黄 万トン 9.79 23.09 11.09
窒素酸化物 万トン 18.83 35.89 13.03
粉塵 万トン 6.58 7.59 6.58
重度汚染日 日数 79 45 33
2012
二酸化硫黄 万トン 9.38 22.45 11.12
窒素酸化物 万トン 17.75 33.42 13.07
粉塵 万トン 6.68 8.41 6.76
重度汚染日 日数 84 60 36
ARI
経済成長の予測
• 短中期の見通し
• 中国政府：
2014年の経済成長率7%、2011～2015年の年平均成長率7%。
•
IMF：2014年の経済成長率7.3%、2018年までの年平均成長率7.1%。
•
OECD：2012～2018年の経済の年平均成長率7.7%。
•
Global Economic Outlook 2014：2012～2018年の年平均成長率5.9％。
• 中長期の見通し
2011~2020 2020~2030 2030~2040 2011~2040
IEA
8.10%
5.7% （2020～2035）
EIA
7.3%
5.7%
4.0%
5.6%
IEEJ
7.6%
4.7%
3.4%
5.2%
DRC
Scenario A
6.2%
5.1%
-
-
Scenario B
7.6%
5.5%
-
-
Scenario C
7.9%
5.2%
-
-
Asiam
7.8%
5.6%
3.8%
5.7%
（出所）IEA、EIA、IEEJ、国務院発展研究センター、エイジアム研究所
ARI
弊所のエネルギー需要予測
•
2020年に鉄鋼、セメントなどのエネルギー多消費製品の需要はピー
クに達する。
•
2030年の一次エネルギー消費は38.7億toe。年平均伸び率2.6%。
•
2030年に中国の石炭需要はピークに達し、石炭消費は22.2億toe
（
61.1%）、石油消費は6.8億toe（17.5%)、天然ガス消費は4.0億toe
（
10.2%）となる。
（出所）エイジアム研究所
石炭多消費製品の需要予測 一次エネルギーの需要予測
ARI
国際機関や中国のエネルギー需要予測
•
IEAは2030年の一次エネルギー需要を39.5億toe、EIAは55.4億
toeと予測。
• 中国国務院発展研究センターは
2030年の一次エネルギー需
要を
42.3億toeと予測。
• 日本エネルギー経済研究所（
IEEJ）はIEAとほぼ同様の予測傾
向で、
2030年の一次エネルギー需要を40.1億toeと予測。
予測機関 エネ源 2011 2020 2030 2040 予測機関 エネ源 2011 2020 2030 2040
石炭 1,866 2,118 2,166 - 石炭 1,918 2,509 2,996 3,061
石油 446 615 702 - 石油 508 702 857 1,021
天然ガス 110 257 393 - 天然ガス 104 205 345 463
その他 320 528 684 - その他 245 589 815 998
合計 2,743 3,519 3,945 - 合計 2,774 4,006 5,013 5,542
石炭 1,859 2,061 2,189 2,251 石炭 1,918 2,251 1,994
-石油 442 645 783 866 石油 508 556 664
-天然ガス 108 272 471 628 天然ガス 104 370 746
-その他 319 455 566 678 その他 245 509 824
-合計 2,728 3,433 4,009 4,423 合計 2,774 3,686 4,227
-DRC
EIA
IEA
IEEJ
（出所）IEA、EIA、IEEJ、国務院発展研究センター
ARI
2014年の「大気汚染防止行動計画」
• 経済構造の転換、
2017年の一次エネルギー消費に占める石
炭比率を
65%以下に。
•
PM2.5とPM10対策として、都市部の小型石炭焚ボイラーを廃
止、天然ガス、電力、集中式熱供給に転換。
• エネルギー多消費産業の生産能力拡大を禁止、老朽化生産
設備を廃棄、
2015年までに銑鉄1,500万トン、粗鋼1,500万トン、
セメント
1億トン、板ガラス2,000箱の生産能力を削減。
• クリーンコールの利用促進、選炭率を
70%以上に。
• 山元石炭火力発電の開発、長距離
UHV送電線の敷設。
• ガス供給能力増強、小規模炭鉱閉鎖、低品位炭輸入禁止。
• 石炭総量規制、
2017年に目標責任管理制度導入、環境部が
各地の政府と契約。
（出所）国務院「大気汚染防止行動計画」の政策内容を整理した
ARI
各地の「大気汚染防止行動計画」
• 各地の「行動計画」を調べたところ、石炭生産減を掲げた地域
は
25%で、合計8,300万トン減。需要抑制を掲げた地域は39%。
数値目標なし、生産増加の可能性が高い地域は
36%。
• 石炭代替エネルギーとして、天然ガスを挙げたのが
20地域、
再生可能エネルギーが
13地域、電力移入が5地域、原子力が
3地域、なしが2地域（複数選択）。
（出所）各地の「大気汚染防止行動計画」の政策を整理した
石炭削減計画の有無
石炭代替策
