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子育て生活基本調査 ( 幼児版 )~ 幼稚園児 保育園 児をもっ保護者を対象に ~

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(1)

Title

教室環境作りに関する小学校低学年の実践研究

Author(s)

岡田, みゆき; 土岐, 圭佑

Citation

北海道教育大学紀要. 教育科学編, 65(2): 213-221

Issue Date

2015-02

URL

http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/7679

Rights

(2)

Journal of Hokkaido University of Education (Education) Vo 6.l5, NO.2 February, 2015

教室環境作りに関する小学校低学年の実践研究

岡田みゆき・土岐圭佑*

北海道教育大学旭川校家庭科教育研究室 *千葉県鎌ヶ谷市立鎌ヶ谷小学校

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OKADA Miyuki and DOKI K

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Department of Education, Asahikawa Campus, Hokkai【10University of Education

キ'KamagayaElementary Schoo,lChiba

要 旨

教室環境を自分たちで整える能力を高める小学校低学年における授業を開発した。授業は, 整理整頓や掃除のよさを心で感じるための詩を取り上げる,教室の汚れを見つける活動や清掃 活動など実践的な活動を取り入れる,絵日記やカードによる学習の振り返りの活動を取り入れ て構成した。結果は,以下の通りである。 -低学年においては,整理整頓や掃除のよさを,心で感じることで,自主的な行動へと促すこ とができる。 -教室の汚れを見つける活動や清掃活動など,実践的な活動を通して,日々の掃除への意欲付 けや技能を高めることができた。 -絵日記やカードによる学習の振り返りが,整理整頓や掃除への意欲が高め,学校のみならず, 家庭での行動につながる。

1.研究の目的

現在では大量生産大量消費の時代が続き,もの にあふれた社会となっていることもあり,整理整 頓や掃除ができない人が増え,ゴミ屋敷や不法投 棄などの社会問題も起こっている1,2)。これは, 自分が良ければいい,他人に迷惑がかからなけれ ばいい等の身勝手な考えや,自分が生活する環境 への美化意識の低下によって起こっていると考え られる。そして,こうした考えは大人だけではな く,子どもにも広まっている。

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教育研究開発センターによる「第

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回 子育て生活基本調査(幼児版)~幼稚園児・保育園 児をもっ保護者を対象に~(2008)J3)では,自分 の遊んだ後の片付けをすることができない子ども が多いことを指摘している。「もう少し自分でやっ

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岡 田 み ゆ き ・ 土 岐 圭 佑 てほしいと思うことはありますか?Jと言う質問 に対して, 36.6%の母親が「遊んだ後の片付けを もっとしてほしい」と答えている。この項目は, 年齢が上がるほど要望が強くなっていた。同じく Benesse教育研究開発センターの全国小・中学生 の母親を対象にした「第2回子育て生活基本調査 報告書 (2003)})によると,小学校高学年や中学 生になっても, 1人ですることのできない生活習 慣の 1つが「遊んだ、後の片付けや部屋の整理整頓」 (37.8%)であった。小・中学生の3人に 1人は 「片付け」ができないのである。 また,全国

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校の学校を対象として行われた ダスキンの「児童・生徒からみた学校の実態調査 (2011)J 5)によると,積極的に掃除が「好き」と 答えたのは全体の16%に過ぎなかった。最も多 かったのは,「掃除が好きではないが,嫌いでは ないJ(66%)であった。その他,永添,岡田6)は, 中学生が自分の持ち物を管理できず,教室が汚く なっていることを報告している。また,そのため に,生徒の落ち着きがないことも指摘している。 このように,掃除,整理整頓に関する調査では, 幼児期から多くの子どもたちが整理整頓を苦手と しており,それを克服しないまま年齢を重ねてい くことがわかる。そして,自分にとって一番身近 なものである遊んだ後の片付けができないという こともわかった。つまり,学校や家庭において掃 除や整理整頓をしなければならない場面は多くあ るのだから,その機会を利用した取組や指導が, 幼い頃から必要ではないかと考える。 しかしながら,小学校低学年において,掃除や 整理整頓の仕方を学ぶ機会は少ない。生活科では, 「生活上必要な技能を身に付けること」の中に, 道具や用具の準備,片付け,整理整頓ができるこ とという記述があり,遊んだものを後片付けする という内容は含まれているが,掃除や整理整頓を 学ぶことは記述されていない。また,教科書にお いても,こうした学習内容は掲載されていない。 ただし特別活動の中には,「清掃などの当番活 動等の役割と働くことの意義の理解」という内容 は含まれている。しかしここでは,当番活動の役 割や働くことの意義を実感させることが目的であ り,教育環境への関心を高めることを,授業とし て取り上げることは求められていない。そのため, 低学年において,こうした授業実践はきわめて少 ない。 小学校低学年の児童に身の回りの快適さへの関 心を高め,その大切さに気付き,自ら快適な住環 境を整える力を身に付けさせることは難しい。け れども,「掃除をするとどんな気持ちになるか?J など掃除のよさを感じさせる場面を設定したり, 教室内の掃除や整理整頓をするなどの実践的な活 動を行ったりすることによって,整理整頓や掃除 のよさや大切さに気付き,実践する能力も身に付 くのではないかと考える。さらに,学校の教室内 だけではなく,実生活や将来に生かせる能力と態 度につなげていくことができると考える。 そこで,本研究では,教室環境に関心を持ち, 掃除や整理整頓のよさに気付き,自ら教室環境を 整えることができる力を育成するための小学校低 学年における授業を開発することを目的とする。 その際,清潔で気持ちがよいという感情を実感さ せるために,「掃除をするとどんな気持ちになる か ?Jを考える場面や実際に整理整頓や掃除を行 う活動を取り入れてプログラムを構成し,その有 効性についても検証する。

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研究の方法 (1) 研究対象 研究対象者はA市立T小学校2年1組18名であ る。授業は,身の回りの環境や物に関心や愛着を 持つ学習の中の小単元「教室キレイにつかい隊11 キラッ!ピカッ!大作戦J (全4時間)として生 活科の時間で,平成 24年 6月に実施した。 (2) 捜業の目標 授業の目標は,生活科及び家庭科の学習指導要 領を参考に,以下の4つに設定した。 ① 教室環境に関心を持ち,意欲的に教室をきれ いにしようとする。 ②掃除や整理整頓のよさに気付く。

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③ 場所に合わせた掃除や整理整頓の仕方を理解 し,実践できる。 ④ 学習したことを日常の生活に役立てようとす る。 (3) 捜業構成の視点 4つの授業目標を達成するために,授業を構成 する際には以下の視点を取り上げた。 ① 整理整頓や掃除のよさを心で感じるきっかけ となる詩を学習の導入で取り上げる。 ② 掃除への意欲付けや技能を高めるために,教 室の汚れを見つける活動や清掃活動など,実 践的な活動を取り入れる。 ③ 学習したことを日常の生活に役立てるため に,絵日記やカードによる学習の振り返りの 時間を設ける。 (4) 捜業構成 学習内容は表 1に示す通り,全 4時間で構成し た。 1時間目の授業の導入部分では,「はきものを そろえるJ (写真1)という詩から,整理整頓と は何で,そうすることによってどんな気持ちにな るかを感じさせ,整理整頓への関心を持たせたO 展開部分では,視覚的に教室内のごみや汚れに気 付ける掲示物(写真2)を提示し,教室内の整理 整頓できる場所について考えさせた。さらに,「こ のように散らかっている教室をどう思うか?J 1"こ こで勉強できるかな?Jなどと,汚い教室にいる とどんな気持ちになるのか考えさせ,整理整頓の 写真

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はきものをそろえるの詩 写真2 汚い教室 よさに気付かせた。まとめの部分では,実際に教 室内で活動しながら,整理整頓できるところを児 童に発見させた。自分が見つけたところを発表し, それを学級全体で共有し,さらに日常の整理整頓 につなげるようにした。 2時間日の授業の導入部分では,日に入らない 汚れについて気付かせるために,「もっともっと 教室をきれいにするには何をすればよいのか?J という問いかけから,「掃除をする」ということ に気付かせる内容とした。展開部分では,教室の どこが,どのように汚れているのか実際に見つけ る活動を取り入れた。いろいろな箇所に目が行く ようにグループ活動とし,発見した汚れをプリン トに記入させ,発表させた。さらに,その発見し た汚れは「誰が掃除するのか?J という質問を投 げかけ,「気付いた人がきれいにするJ 1"毎日教室 を掃除する」など,掃除をすることの意義を理解 するとともに,毎日の掃除への意欲付けを図った。 まとめの部分では,次回の掃除を実践するという 活動に向けて,今日見つけた汚れをどのようにき れいにしたいのか,「がんばるぞカード」に次回 の清掃活動への意気込みを書かせ,自分の活動を 明確にさせた。 3時間日は,実際に掃除活動を取り入れた授業 展開で,今までの学習を体験的に復習させた。導 入部分では,前回記入した「がんばるぞカード」 を振り返り,本時の意欲付けを行った。展開部分 では,グループに分かれ,今までの学習で見つけ た汚れや新しく見つけた汚れをきれいにするなど

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岡 田 み ゆ き ・ 土 岐 圭 佑 普段よりも丁寧に掃除をさせた。気付いたグルー プには整理整頓もさせた。また,児童が自主的に 見つけた掃除のポイントなどは,教師側から,学 級全体に共有させるように努めた。さらに,グルー プで活動することで,協力することの大切さや, お互いが今どんな作業をしているのか,把握しな がら取り組ませ,協力することのよさを体験させ た。まとめの部分では,教室の掃除活動を通して, 気 付 い た こ と や ど ん な 気 持 ち な っ た の か 考 え さ せ,発言させた0 4時間日の授業は総まとめとして,今までの学 習を振り返り,これからの生活に生かすことを考 えさせた。導入部分では,今までの学習を 1時間 目から振り返り,学習のまとめの絵と作文を書く 活動につなげた。展開部分では,掃除活動中の様 子を表す絵を描くとともに,自分は何をがんばっ て,どのようにきれいになったのか,これからは どんなことを心がけて取り組みたいのかなどを文 章で表現させた。まとめの部分では,教室内の掲 示物について触れ,掃除だけではなく,教室内を 装飾することによってもきれいで素敵な教室にな ることに気付かせた。また,学校の中で自分たち の使う場所,あるいは家庭内の自分の部屋などに も日を向けさせ,これからの学校生活や家庭生活 に生かしていけるように指導した。 (5) 捜業の分析方法 分析資料は,授業で用いたワークシート,「が んばるぞカードJ,学習のまとめの絵日記である。 記述した内容から, 4つの授業の目標が達成され たかを+食言すした。 巳 4 寸A 表

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授業内容 習 内 時配 学習項目 ι孟て, 廿 1.整理整頓 ・学習の導入として,「はきものをそろえる」の詩を読み,「そろえる」ことのよさに気 1/4 のよさに 付き,学習への関心を持つ。 気づこう ・提示された汚い教室の絵を見て,これでよいのか考え,発表する。 -汚い教室で授業を受けたいのか,受けたくないのか,その理由も考えて,整理整頓の よさに気付く。 -教室の中の整理されていない箇所を探し,発表する0 ・整理されていない箇所をどうしたらよいかも含めて,これからの生活で心がけたいこ とをワークプリントに記入し,発表する。 2.よごれを ・整理整頓をする意味を振り返る。 2/4 みつけよ ・もっときれいな教室にするために,何をしたらよいかを考えることを通して,教室の う 汚れに気付く。 -教室のどこが,どのように汚れているかをグループで見つけ,プリントに記入し,発 表する。 -見つけた汚れはだれがきれいにするのかを考え,自分が気付いたときにきれいにする こと,または毎日教室を掃除することで,教室をきれいに保てることに気付き,掃除 への意欲を持つ。 「がんばるぞカード」に次回の清掃活動への意気込みを記入し,発表する0 ・前回「がんばるぞカード」に記入した意気込みを確認する。 -自分の掃除場所,掃除の仕方を知る。 ・グループに分かれて掃除する。 -掃除後,自分の机,ぞうきん,ロッカーの整理整頓をする。 ・どこをどのように掃除し,どのような気持ちになったかをプリントに記入し,発表す ることを通して,掃除や整理整頓のよさを実感する。 3.教室掃除 をしよう 3/4 カ を ろ ピ 戦 返 ラ 作 り キ 大 振 う A 斗 A -これまでの学習内容を思い出す。 -キラピカ大作戦を行って,どのように感じたのか,これからの生活にどのように生か すかを作文に書き,これまでの学習を振り返る。 -教室掲示に目を向け,汚れだけではなく,教室をきれいに飾ることで,きれいな教室 や素敵な教室になることを知る。 -これまでの学習が,家庭生活の中でも生かせることに気付く。 4/4

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結果と考察 (1) 教室環境への関心 表2は2時間日の授業で、行った「教室のどこが, どのように汚れているのか実際に見つける活動」 の結果である。 1 グループ 4~5 人で構成,全 5 グループで活動し,発見した場所と汚れをプリン トに記入した。 表2から,最も児童が気付いた汚れの場所は「宿 題の置く棚」と「流し台の下」の4グループであっ た。

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の下」というように,普段は日に入ら ないところに着目し,すみっこやはじっこを中心 に発見していったことがわかる。さらに,どのよ うな汚れがあるかという点では,「ほこり」とい う記述が一番多く,また「砂ほこり」や「細かい ほこり」など大きさや色に着目して活動していた ことがうかがえる。教室内の細かい部分にまで日 を向け,汚れている場所を探すことができたこと からも,教室環境に関心を持って活動しているこ とがわかる。 (2) 掃除や整理整頓の仕方の理解 表3は2時間日の授業で、行った「がんばるぞ カード」に,

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時間目の掃除活動での児童の意気 込みを記入したものである。 18人全員の児童が, グループ活動で見つけた教室内の汚れの場所を, どのようにきれいにするかを記入することができ た。「先生のつくえの下にほこりがいっぱいあり ました。だから,わたしはぞうきんでほこりをと りたいで、す。J,'ぼくは,きょうだんのすきまの ほこりを,ぞうきんできれいピカピカになるよう に,そうじしたいで、す。」というように,どのよ うに汚れているから,自分はこのようにしたいな どと理由もあり,具体的な内容となっていた。さ らに,グループ活動以外,「ぼくはごみばこの下 のけしゴムのかすをぞうきんできれいにふきとり たいで、す。」のように個人的に新たに見つけた場 所を「がんばるぞカード」に記入している児童も おり,自主性を見ることができた。このように, 整理整頓に関する記述はなかったものの,どこを どのように掃除をするのかを記述していることか ら,掃除の仕方を理解したことがうかがえる。 また,「きれいJ'ぴかぴか」などの単語を活用 しながら,教室内をどのようにしたいか,意欲が 高まってきていることがわかる。なかには,「こ れからもいっしょうけんめいがんばりたいです」 という記入もあり,今回の学びを通してこれから の生活に生かそうとする意欲もうかがえた。 (3) 掃除や整理整頓のよさに気付く 表4は4時間日に児童が作成した絵日記の中の 文章をそのまま記述したものである。掃除や整理 整頓のよさに気付くことができているかを評価す るにあたり,掃除や整理整頓をするとどのような 気もちになるかという記述に注目して検討した。 児童の記述の波線( )が,掃除や整理整頓 をするとどのような気もちになるかを示している。 最も多かったのは「いい気もちになりました」 ( 8人)という記述であった。次に,「すっきり した気もちになりましたJ (5人), 'うれしい気 もちになりましたJ (3人), '心がそろったみた いな気もちJ(2人), 'さけびたい気もちJ(1人) と続く結果になった。一人 (B) を除いて,多く の児童が,掃除や整理整頓をした後,「いい気もち」 「すっきりした気もち」になると表現していた。 1, 2時間目の授業で,掃除や整理整頓をすると どんな気もちになるのかを尋ねたことが,このよ うな発言につながったものと思われる。 また, 1時間日の「はきものをそろえる」とい う詩の内容がしっかりと児童に定着したことで, 「心がそろったみたいな気もち」という記述もみ ることができた。この詩を教室に掲示したことも あり,実際,多くの児童がこの詩を暗唱していた。 さらに,「ぴかぴかになるとJ'すみずみまでき れいにすると」など,どうして「いい気もち」に なったのか,理由を記述している児童もいた。こ のように,ほぼすべての児童がどのような気もち になったのかを記述しており,多くの児童が掃除 や整理整頓のよさに気付くことができたと評価す ることができる。

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場所(グループ数) 宿題を置く棚

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流し台の下 (4) 教壇のすきま (3) 本棚の下 (3) テレビの下 (3) 机といすの足 (3) 教室のすみ (2) 机の下 (2) ストーブの下 (1) 給食台の下 (1) コンセントに下 (1) ロッカーの下(1) 表3 場所(グループ数) 教壇のすきま

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流し台の下 (2) 宿題を置く棚 (2) 本棚の上 (2) 教室のすみ (2) 机の下 (2) ゴミばこの下 (2) 本棚の下 (1) 床 (1) 給食台の下 (1) テーブルの下(1) ロッカーの上 (1) ロッカーの下 (1) テレビのうしろ (1) 岡 田 み ゆ き ・ 土 岐 圭 佑 表2 児童が気付いた教室内の汚れ 汚れの内容(グループ数) 細かいほこり (3),ほうきのかす (1) ほこり (4), ほこり (2),砂ぼこり(1),紙 (1),くつの汚れ (1) ほこり (3) ほこり (2),汚れ (1) 消しゴムのかす (2),よごれ (1) ほこり (2) 布の糸 (1),ほこり (1) ほこり (1) ほこり (1) ほこり (1), 汚れ (1) 「がんばるぞカード」に記載された掃除場所と方法 汚れの内容(グループ数) ほこりをぞうきんできれいにする (2) ほこりを 1つのこらずとる (1) ほこりがないように,きれいピカピカにする (1) きれいにする (1) ほうきでごみをとる (1) ほこりをほうきでほじくり,ぞうきんでふく (1) ほこりをぞうきんでふく (1) ほこりをぞうきんでふく (1) ほこりをぞうきんとほうきできれいにする (1) ほこりをとって,ぞうきんでふく (2) けしゴムのかすは自分のじゃなくてもひろう (1) ぞうきんでほこりをとる (2) けしゴムのかすをぞうきんできれいにふきとる (1) ほこりをはく (1) ほこりを 1つのこらずとる (1) よごれをぞうきんでふいてぴかぴかにする (1) ぞうきんできれいにふく (1) きれいにする (1) ぞうきんとちりとりで,ピカピカにする(1) よごれをぞうきんでふく (1) ごみとほこりをほうきではく (1)

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絵日記の中の児童の記述内容 児童 内 容 ( は目標①, は目標②に関する記述) A はじつことかふいて,おわってみたらきれいでいいきもちになりました。じぶんのおうちももっときれい にしたいです。これからもきょうしつやおうちをきれいにしたいです。 B これからは,まどなど,つくえの中も,せいりせいとんしたいです。 C ぼ く は , そ う じ で ゆ か を て い ね い に ふ い た 。 弘 主 義 段 以 点 主 幻 ゴ ぷ

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と 点 琵 お 誌 は 以 。 これからがんばることは,ぞうきんがけともつぶとほうきをがんばりたいです。 D 気もちはうれしい気もちです。ほうきも,ぞうきんもたいいくかんまえろうかも,学校全部がんばりたい です。 E ぼくは,なんだかスッキリした気もちになりました。これからも,きょうしつを,きれいにしたいです。 F きれいになったら,いい気もちになりました。 G すっきりしていい気もちになりました。これからがんばりたいことは,ピアノとかの下やダンボールの下 とかにほこりがたまっているので,ぞうきんできれいにしたいです。 H すごくスッキリしました。これからも,あんぜんとマナーをまもってそうじをします。 I そうじをしたあとは,すごく気もちがよかったです。これからも,ながしそうじを,あか1つもなくなる ようにがんばりたいです。

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これからも,いろいろなすみっこを, そうじしていきたいです。 K そうじがおわってから,心がそろったみたいに気もちよくなります。だから,おうちでもぼくは,水曜と 月曜日とにぞうきんがけをたまにします。でももっと,気もちょくするためにぞうきんがけをする曜日を 増やしたいです。そしたら,もっともっと気もちよくなると思います。 L 交友立却設乏ふム止法島三民主収工。こんど,こうえんとかにごみとかが,おちていたら,ひろっ てごみばこにすてたいです。 M いすの足についたごみをとりました。いい気もちになりました。これから,かどをふくのをがんばりたい ですo N わたしは,そうじをやったあとすっきりした気もちになりました。これからがんばりたいことは,そうじ のとき,ごみがのこらないようにしたいです。 0 主主兵文~之は立以来五五三kZミ。これからも,はじっこをピカピカにしたいです。そして,お うちのうらにごみがおちているので,学校から帰ってきてそうじしたいです。 P そうじがおわったときに,きれいになってうれしかったです。これからも, ドアとか本だなの上にあるご みをとりたいです。 Q

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江主。これからも,きれになりたいです。 R 心もそろいました。これからもぜんぶがんばりたいです。 (4) 日常の生活に役立てる 日常の生活に役立てるを評価するにあたり,こ れからどのようにしていきたいかという記述に着 目して検討した。児童の記述の二重下線( が,これからどのようにしていきたいかを示して いる。 最も多かった記述は「これからも掃除の活動を が ん ば り た い 」 が

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人であった。次に,「これか らもきれいにしていきたい」が 4人,「これから も整理整頓をしていきたい」が1人という結果に

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岡 田 み ゆ き ・ 土 岐 圭 佑 なった。このように,児童の掃除や整理整頓に対 する意識や意欲は,以前よりも高くなったことが わかる。掃除をすると「いい気もち」になるから, 「これからも掃除をがんばりたい」など,今回の 学習で掃除や整理整頓のよさに気付いたので,こ れからも継続していきたいという記述が多くあ り,学習の目標を達成していることがうかがえる。 また,「ぞうきんがけともっぷとほうきをがん ばりたい」や「ぞうきんできれいにしたい」など 掃除道具の名前をあげたり,「たいいくかんまえ ろうか」や「ピアノとかの下やダンボールの下と か」など掃除をする箇所の名前をあげたり,具体 的な記述も多くみられた。さらに,「学校全部が んばりたいJ iお家で掃除する回数を増やしたい」 「こうえんとかにごみとかが,おちていたら,ひ ろってごみばこにすてたいJiおうちのうらにご みがおちているので,……そうじしたい」など, 教室内だけではなく,学校全体や家庭,あるいは 地域社会にも生かそうとする姿勢が見られた。 このように,全ての児童がこれから何をしたい のか,何をがんばりたいのかを記述しており,掃 除に自主的に取り組み,これから日常の生活に十 分に役立てようとしていると評価できる。 以上,児童の記述の分析から,授業の4つの目 標については,大半の児童が達成できたと評価で きる。掃除や整理整頓のよさや意義に気付き,そ のための掃し拭くといった技能も向上し,これ からの生活にも役立てようという意欲も見ること ができた。教室環境を整えようという意欲や意識 をこの授業で高めることができたと考えられる。

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学習後の教室環境 学習後8ヶ月ほど経った現在の教室環境及び児 童の様子を担任に尋ねると,次のような状況が示 された。 まず,教室の掃除では,子どもたちが雑巾で拭 くことを嫌がらなくなった。以前は雑巾の扱いが 下手で,水を固く絞ることをしなかった子どもも いたが,今は全員が上手に使うようになった。ま た,机をきちんと並べることに気を付けるように なり,そろっていないと

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カ王そろわないよ」と いう言葉を耳にするようになった。授業で使用し た詩の効果は想像以上に大きく,低学年には掃除 をするとどんな気もちになるのかを考えさせるこ とは大切だと感じる。 さらに,教室の整理整頓や掲示物にも日を向け るようになった。自主的に学級の本棚の本をきれ いに並べたり,自分の持ち物をきちんと片付けた り,きれいな教室にすることに関心を持つ児童が 増えた。また,教室内の掲示物が変わったことに 気付く児童が増えた。飾ることですてきな教室に もなると感じているようで,掲示物に絵や飾りが あると喜ぶようになった。また,学習内容や友達 の作品の掲示物もよく見るようになったことか ら,学習効果の面でもよい影響を与えていると感 じる。全体を総じて,教室環境を整えようという 意欲や意識は高まり,実際の行動にも表われてい ると思われる。 しかしながら,一方で, 8ヵ月経過した現在, 教室環境に無頓着な児童や,清掃活動に消極的な 児童が見受けられるようになったことは否めな い。また,全体的に雑巾の使い方は上手になった が,ほうきの使い方は難しいのか,上手に扱えな い児童もいる。

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まとめ

整理整頓や掃除のよさを感じるための詩,教室 の汚れを見つける活動や清掃活動,学習の振り返 りのための絵日記やカードを学習内容に取り入れ て授業を構成し,教室環境を自分たちで整える能 力を高めるための授業を開発した。結果,以下の 効果が認められた。 -低学年においては,整理整頓や掃除のよさを, 心で感じるための詩を活用することは,自主的 な活動を促す上で効果的であった。 -教室の汚れを見つける活動や清掃活動など,実 践的な活動を通して,日々の清掃への意欲付け や,清掃の技能を高めことができた。 -絵日記やカードによる学習の振り返りが,整理 整頓や掃除への意欲を高め,学級のみならず,

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学校全体や家庭での住環境を整える行動へつな げることができる。 以上のように,教室環境を整える能力を高める ための授業を開発し,小学校低学年の生活科の授 業で実施したところ,この授業を通して,普段の 教室掃除への意欲を高めたり,学校生活や家庭生 活の住環境を整えようとする意欲を育んだりする ことができたと思われる。児童の多くは掃除のよ さと楽しさを理解することができたのではないだ ろうか。これにより,中には学級の清掃活動をよ りよくすると共に,家庭などの日常生活の中でも それを生かそうという気持ちになった児童も見受 けられた。高学年の家庭科の学習につながる準備 段階の学習ができたと考えられる。高学年の学習 では,整理整頓や清掃の手順や方法など,より発 展的な内容を学べることができるだろう。 このように、低学年からの掃除指導として掃除 や整理整頓について取り上げた今回の授業実践は ある程度有効であったと言える。しかしながら, 活動を取り入れた授業により,一時的には,教室 環境に対する子どもの関心は高まりを見せるが, それを継続し,習慣化することはまた別の問題で あり,とても難しいことである。繰り返し学習す ることを通して,子どもの喚起を促す必要がある。 低学年から清掃活動があること,毎日子どもた ちが長い時間学級で過ごすことを考え合わせるな らば,教室環境を整えることに関する学習は低学 年から必要である。そして,中学年,高学年と学習 を継続し,発展させることも必要であると考える。 住環境を整えていく知識や技能が身に付けさせる ためにも,縦断的に学習できるような授業開発と システム作りが,今後求められる。 引用文献 1 )肥沼位明 (2009)あのごみ屋敷をどうかしてと言わ れたら.出石稔『自治体職員のための政策法務入門~, 第一法規. 2 )環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部循環型社 会推進室 (2004)循環型社会構築の障害とその克服に 向けて:不法投棄の現状と対策について/環境省編, ぎょうせい. 3) Benesse教育研究開発センター (2008)第3因子育 て生活基本調査(幼児版)~幼稚園児・保育園児をもっ 保護者を対象に~教育リポート.

http://benesse.j p/berd/ cen ter / open/ report/ kosodate/2008_youj i/ soku/index.h tml

4) Benesse教育研究開発センター (2003)第3回子育 て生活基本調査(小中版),教育リポート.

http://benesse.j p/berd/ cen ter / open/reportl kosodate/2003 _youj i/ soku/index.h tml 5 )ダスキン(2011)児童・生徒からみた学校の実態調査. www.duskin.co.jp/torikumi/ gakko/research/ pdfl research2011_01.pdf非search 6 )永添正美,同田俊江 (2005).中学生の片づけ行動と 自己空間の認知に関する研究.日本建築学会, 44, pp.289-292. (岡田みゆき 旭川校教授) ( 土 岐 圭 佑 鎌 ヶ 谷 小 学 校 )

表 4 絵日記の中の児童の記述内容 児童 内 容 ( は目標①, は目標②に関する記述) A  はじつことかふいて,おわってみたらきれいでいいきもちになりました。じぶんのおうちももっときれい にしたいです。これからもきょうしつやおうちをきれいにしたいです。 B  これからは,まどなど,つくえの中も,せいりせいとんしたいです。 C  ぼ く は , そ う じ で ゆ か を て い ね い に ふ い た 。 弘 主 義 段 以 点 主 幻 ゴ ぷ d と 点 琵 お 誌 は 以 。 これからがんばることは

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