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屋外公共空間における喫煙環境形成に関する研究ー大学キャンパスを対象としてー [ PDF

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(1)屋外公共空間における喫煙環境形成に関する研究 - 大学キャンパスを対象として -. 木村 直子 1. 序論. 2.日本国内の喫煙環境. 1.1. 研究の背景と目的.  政府は、「健康日本 2 1 」を中核とする国民の健康づ.  近年、新しい通信手段の発達により、若年層を中心. くり・疾病予防を更に積極的に推進するため、2003 年. に様々な交流形態が生まれており、多様化する人と人. 8 月に「健康増進法」を公布した。同法第 25 条の中で、. との交流を高めるためのますます充分な環境づくりが. 「受動喫煙の防止」として、学校、体育館、病院等多数. 求められている。そこで、人と人との交流によって引. の者が利用する施設を管理する者に対し、これらを利. き起こされる現象としての滞留行為の中でも、近年そ. 用する者について、受動喫煙を防止するために必要な. の行為そのものや、それによって周囲に与え得る影響. 措置を講ずるように努めることが義務付けられた。. が非常に問題視されている「喫煙」に注目する。.  このような政府による法律の制定のみならず、地方.  喫煙問題に関しては、世界各国で環境保全等を目的. では、自治体による条例の制定など様々な取り組みが. としてあらゆる取り組みがなされているが、日本では、 なされており、各々の自治体で議論を交わし解決策を 禁煙化が叫ばれ、条例の制定等の措置が講じられ始め. 模索している段階である。. たのがごく最近であるため、喫煙空間や喫煙装置の配. ①東京都千代田区の事例. 置が無計画な場合が多く、逆に都市環境を損ねたり、  東京都千代田区は、2 0 0 2 年 10 月に罰則付きの路上 その空間が充分に機能していない等の問題が生じてい. 禁煙条例を制定した。この条例では、歩きたばこ禁止. る。. 地区での喫煙は終日、灰皿使用の有無に関わらず全て.  そこで本研究では、喫煙環境および施策の現況を把. 違反となり、過料を徴収する。. 握し、大学キャンパスの広場等 1 1 箇所を対象として、  当初懸念された支払いをめぐる問題は起こらず、当 喫煙に伴う滞留の実態および公共空間における快適な. 初の狙い通りにポイ捨て数は激減した。しかし、同区. 喫煙環境の形成方針を明らかにすることを目的とする。 の場合、禁煙マーク設置や一部指導員の民間委託等の. 1.2. 研究の方法. ため、予算措置が問題となっている(図 2 )。.  まず、国内の喫煙環境や施策に関する現状を把握し、. ②東京都港区の事例. 次に、既往研究の調査データを用いて、喫煙を含む.  東京都港区は、区内全域での路上・歩行喫煙及びポ. 様々な滞留行為の全容を把握する。更に、九州大学箱. イ捨ての禁止を目指し、 「みなとたばこルール」を設け. 崎キャンパスを対象とした喫煙空間の設置と利用実態. ている。モデル地区に指定された新橋駅、品川駅、六. に関する調査と、喫煙環境に関するアンケート調査を. 本木交差点周辺には専用の喫煙コーナーを設け、それ. 実施し、考察を行い、総括とする(図 1 )。. 以外の場所での喫煙は禁止されている(図 2 )。.    1. 研究の背景と目的.  また、罰金を科すのではなくモラルに訴えた環境美.    2. 日本国内の喫煙環境. 化を狙っており、JR 新橋駅周. 東京都千代田区、東京都港区の事例紹介.    3. 滞留行為の把握 (福岡市内の大学キャンパスの広場等11箇所) 滞留行為、グループ人数と滞留時間との関係 滞留行為と姿勢との関係. 辺地域では、ポイ捨てが 7 割減 るなど成果も上がっている。.    4. 喫煙空間の利用実態調査 (九州大学箱崎キャンパス) 喫煙空間の把握 喫煙者の歩行と滞留、歩行者密度 喫煙空間のタイプ分け.    5. 喫煙環境に関するアンケート調査 (九州大学箱崎キャンパス) 喫煙者率 受動喫煙について 実施を望む喫煙対策について 記念講堂前広場の喫煙環境について.    6. 快適な喫煙空間の配置に関する考察    7. 総括. 図 2 新橋駅前に設置された喫煙コーナー(東京都港区)と 生活環境条例のポスター(東京都千代田区). 図 1 研究のフロー. 2-1.

(2) 3. 滞留行為の把握 −既往研究の調査から−. 4.喫煙空間の利用実態調査.  まず、既往研究 の調査データをもとに、都市内の. 4.1. 調査対象地の選定. 屋内外空間における喫煙を含む様々な滞留行為の全容.  九州大学箱崎キャンパス(福岡市東区)を調査対象. を把握する。. 地とし、キャンパス内の広場の中でも、多くの学生が.  調査は、近年の若年層を取り巻く生活・交流環境の. 交流・滞留の場として利用している、記念講堂前広場. 変化に着目し、多くの若者が交流の場として利用する. と農学部食堂前広場、文系食堂前広場を選定した(図. 福岡市内の主要総合大学キャンパス 4 ヶ所と商業施設. 5,6,7)。. (1). (2). の屋外広場 4ヶ所、屋内広場 3ヶ所 を調査対象地とし. 4.2.現地調査とサンプルデータの抽出. て、2000 年 9 月∼ 10 月、2 0 0 1 年 1 月における 12 ∼.  調査は 2005 年 1 月に行った。調査対象地が学内食堂. 13 時及び 16 ∼ 17 時の各一時間に行った。調査対象地. 周辺であることを考慮し、利用者が最も多いと思われ. 全体を見渡せる位置からビデオ撮影を行うと同時に、 る昼食の時間帯の中でも、歩行者・滞留者が比較的多 滞留行動をとっている人及び複数人のグループを 1 単. く、様々な場所での喫煙が見られた 12:20-12:40 の 20. 位として、図面上に位置とサンプルの属性、人数、姿. 分間を調査時間として設定した。. 勢、行為について記入した。.  現地調査では、調査対象地全体を見渡せる位置から. ①滞留行為、グループ人数と滞留時間との関係. ビデオ撮影し、後にその映像を見ながら、滞留または.  滞留行為で最も多かったのは「会話」で男女共に 50. 通行する人及び複数人のグループを 1 単位として、図. %以上を占めた。「喫煙」は男性では 1 4 . 8 % と二番目. 面上に滞留場所をプロットした。喫煙者については、. に多かったが、女性では四番目に多く 7.5% であった。. 動線、サンプルの属性、人数、滞留時間、姿勢等を書.  滞留行為と滞留時間との関係を見ると、全サンプル. き込み、更にそれらを調査シートにまとめた。. の平均滞留時間は 1 2 . 6 分である。最も滞留時間が長. 4.3.調査対象地における喫煙空間の把握. いのは「睡眠」の 41.9 分であり、以下「飲食」(22.9.  まず、各調査対象地において灰皿や分煙機器、分煙装. 分)、 「運動」 (19.5 分)と続き、 「喫煙」は「会話」と. 置などが設置された指定喫煙空間の現状を把握する。. 並んで 14.1 分であった。.  本研究の調査対象地では、灰皿以外の喫煙装置は見.  また、グループ人数と滞留時間との関係を見ると、. 当たらず、記念講堂前では 9 箇所(喫煙空間番号①∼. グループ人数が増えるほど、滞留時間が長くなる傾向. ⑨) 、農学部食堂前では 1 箇所(同⑩) 、文系食堂前(同. がみられた(図 3,4、表 1)。. ⑪∼⑭)では 4 箇所の指定喫煙空間が確認された。. ②滞留行為と姿勢との関係.  また、現地調査時に、指定喫煙空間以外でも個人また.  全ての滞留行為と姿勢との関係を見ると、 「椅子に座. は複数人のグループで滞留し、喫煙する者が見られた他. る」人が最も多く 38.0%を占め、以下「立つ」(30.3. の三箇所について、指定外喫煙空間(1),(2)(以上、農. %)、「段差に座る」(17.3%)と続く。. 学部食堂前),(3)(以上、文系食堂前)と定める。.  喫煙という行為のみに着目すると、 「立つ」 「座る」 「寝. 4.4. 喫煙者の歩行と滞留、歩行者密度. 転ぶ」「その他」の大きく 4 つの姿勢に分けてみても、.  歩行喫煙者の動線を記入した図面と、調査シートを. 「座る」が 7 2 . 4 %と高い割合を占め、特に「椅子に座. 集計して得られたデータをもとに、各喫煙空間の滞留 N. る」が 45.8%と半数近くを占めている(表 2)。 ②. 表 1 滞留行為と滞留時間との関係 睡眠. 滞留行為 平均滞留 時間(分). 飲食. 41.9. 運動. 22.9. 19.5. 会話. 喫煙. 14.1. 読書. 14.1. 携帯電話. 12.9. 何もしない. 10.6. その他. 6.5. 8.4. 全行為. その他 1.9% 1.8% 100% 6.1% 携帯電話 5.9% 何も 6.5% 9.2% 90%しない 7.5% 80% 喫煙 14.8% 70%. 飲食 12.7%. 19.5%. 1.9% 6.0% 7.4% 12.3% 15.0%. 60%. 30%. 18. 会話 54.8%. 16. 250. 54.0%. 50 0. 198. 104 84 36. 188. 女性. :喫煙空間の範囲. :喫煙空間の範囲. :木. :木. :駐輪自転車. 図 5 調査対象地(記念講堂前)図 6 調査対象地(文系食堂前). 26. 6. 2人. 72 27 21 18 3人. 11∼20min 41∼50min. 8. ︵ 分. 6. ︶. :木. :駐輪自転車. (2) ⑩. 4 56 51. 2. 34 8. 6. 0. (1). 4人∼ 21∼30min 51∼60min. 全体. 図 3 滞留行為. (3). ⑪ ⑫. :駐輪自転車. 図 4 グループ人数と滞留時間. 図 7 調査対象地(農学部食堂前). 2-2. N. 1人. 男性. 78 46. 21 14 11. 0∼10min 31∼40min 平均滞留時間(分). 10%. ① :喫煙空間番号. ① :喫煙空間番号. :喫煙空間の範囲. 留 12 時 10 間. 12.6. 9.5. 83. 平 均. 14 滞. 12. ︵ 300 人. 100. 52.5%. ⑬. ① :喫煙空間番号. 18. 150. 20%. 0%. 460. 滞 留 400 者 350 数. ︶. 10m. 20. 464. 450. 200. 50% 40%. 500. 5. ③ ④⑥ ⑦. N. 喫煙. 01. ⑨. ⑭. ①. 表 2 滞留行為と姿勢との関係 立つ 座る 寝転ぶ その他 寄りかか 寄りかか 椅子に座 段差に座 地べたに その他に 立つ 合計 合計 る( 立つ) る(座る) る る 座る 座る 97人 3人 100人 1人 166人 56人 37人 2人 262人 0人 0人 (26.8%) ( 0.8%) ( 27.6%) (0.3%) ( 45.8%) ( 15.5%) ( 10.2%) ( 0.6%) ( 72.4%) ( 0%) (0%) 884人 33人 915人 4人 1108人 504人 326人 30人 1972人 24人 8人 (30.3%) ( 1.1%) ( 31.4%) (0.1%) ( 38.0%) ( 17.3%) ( 11.2%) ( 1.0%) ( 67.6%) ( 0.8%) (0.3%). ⑤ ⑧.

(3) 喫煙者数と歩行喫煙者数を表にまとめた。なお、滞留. ③文系食堂前広場. 喫煙者に関しては、滞留者数に加え、滞留の姿勢別の.  20 分間に 30 人の喫煙者が観測され、食堂の出入口に. 人数と滞留時間、グループ人数も観測し、各喫煙空間. 近い⑪ , ⑫ ,(3)では、歩行喫煙者が数多く観測され、複. を利用した喫煙者の平均滞留時間と平均グループ人数. 数人で滞留喫煙する者も見られた。広場中央の⑬ , ⑭で. を算出した。. は、滞留喫煙者が非常に多く、平均グループ人数も多い。.  また、歩行者密度(20 分間に喫煙空間の範囲内 を通. 4.5. 喫煙空間のタイプ分け. 過した歩行者数)は、既往研究でその有効性が実証され.  これまでに得られた各喫煙空間の空間的特性と、喫煙. た時刻レイヤー法を用いて、1 分間隔で作成したレイ. 者の空間利用に関するデータをもとに、全ての喫煙空間. (3). ヤーによって捉えられた歩行者数の 0.44 倍であるので、 を以下の 5 つのタイプに分類することができた(表 3)。  歩行者密度(人 /20 分) = 歩行者数(人)/0.44. [1] 高密度出入口周辺タイプ(② , ⑤ , ⑧ , ⑨). として求めることが出来る。.  歩行者密度が 4.7 人 / 分以上と高く、最寄の建物の. ①記念講堂前広場. 出入口からの距離が近い。また、歩行喫煙者が多く、滞.  20 分間に 44 人の喫煙者が観測され、特に食堂の出入. 留喫煙者が少ないのが特徴である。. 口付近で歩行者密度の高い⑤ , ⑧ , ⑨の空間では、歩行. [2]中密度歩道タイプ(⑥ , ⑦ , ⑪ , ⑫ ,(3) ). 喫煙者が 15 人前後観測された。⑥ , ⑦の空間では、複.  歩行者密度は中∼高程度で、歩行喫煙者も滞留喫煙者. 数人で長時間滞留する喫煙者が多く見られた(図 8,9) 。. も見られる。平均グループ人数が 3.0 ∼ 5.0 人と多い。. ②農学部食堂前広場. [3]中密度車道タイプ(① , ⑩).  20 分間に 21 人の喫煙者が観測され、 唯一灰皿が設.  歩行者密度は低∼中程度で、車道に面しているため. 置してある⑩の空間では、滞留喫煙者は見られなかった. か、歩行喫煙者は見られるが滞留喫煙者は見られない。. が、他の場所で滞留して⑩の空間で灰皿を使用する者. [4] 低密度歩道タイプ(③ , ④ ,(1)). や、歩行喫煙者が数多く見られた。灰皿は設置されてい.  歩行者密度が 1.1 ∼ 1.9 人 / 分と低く、歩行喫煙者も. ないが、着座装置のある(1),(2)の空間では、複数人の. 滞留喫煙者も見られる。歩道沿いだが歩行者動線から少. グループが長時間滞留喫煙する姿が観測された。. し外れた場所にあり、着座装置があるため滞留しやすい。 [5] 低密度広場タイプ(⑬ , ⑭ ,(2)). ⑨. ②. ▲ ▲. ▲ ▲ ▲▲ ▲ ▲▲ ▲▲ ▲ ▲ ▲ ▲. ら外れた場所にあるため、複数人の滞留喫煙者が多い。. ▲▲ ▲. ▲ ▲. ▲ ▲ ▲ ▲ ▲. ①. ▲. ▲. ▲ ▲. ▲ ▲. ③. ④ ⑥ ⑦. 5.喫煙環境に関するアンケート調査. ▲ ▲. ▲ ▲▲. ▲ ▲ ▲.  歩行者密度が 1.1 人 / 分以下と非常に低く、動線か ▲. ⑧. ⑤. ▲. ▲▲ ▲ ▲ ▲. ▲. ▲ ▲. ▲ ▲. ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲▲ ▲ ▲. 5.1. 調査方法. ▲ ▲▲. ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲.  次に、喫煙者と非喫煙者による、喫煙環境に関する意. ▲ ▲ ▲. ▲. 識や考え方の違い等を把握するため、箱崎キャンパスを. ▲ ▲ ▲▲ ▲▲ ▲▲ ▲ ▲ ▲▲ ▲ ▲▲ ▲ ▲ ▲▲ ▲. 利用する学生を対象に、アンケート調査を行なった。配. :滞留者. ▲:歩行者. 布数は 150 部、回収は 114 部で、回収率は 76.0%である。. :木. N. ① :喫煙空間番号 :喫煙空間の範囲 :駐輪自転車. 5.2. 被験者属性  被験者は男性 91 人(79.8%) 、女性 23 人(20.2%)で. 図 8 記念講堂前広場の歩行者と滞留者. あり、男女別に喫煙者率を見ると、男性は 39.6%、女性 は 8.7% である。全国喫煙者率と比較すると、男性では. ⑨. ② ⑤. ⑧. 7.3%、女性では 4.5% 低い値を示している(図 10) 。 表 3  喫煙空間のタイプ分け 空間的特性. ① ③. ④ ⑥ ⑦. :木. [2]. [3] N. :滞留喫煙者 :歩行喫煙者 :自転車に乗った状態で喫煙 :歩行(喫煙者の非喫煙時の動線) ① :喫煙空間番号 :喫煙空間の範囲. [1]. :駐輪自転車. [4]. 図 9 記念講堂前広場の喫煙者の歩行と滞留. [5]. 2-3. 喫煙空間 番号. 調査対象地. ② ⑤ ⑧ ⑨ ⑥ ⑦ ⑪ ⑫ (3) ① ⑩ ③ ④ (1) ⑬ ⑭ (2). 記念講堂前 記念講堂前 記念講堂前 記念講堂前 記念講堂前 記念講堂前 文系食堂前 文系食堂前 文系食堂前 記念講堂前 農学部食堂前 記念講堂前 記念講堂前 農学部食堂前 文系食堂前 文系食堂前 農学部食堂前. 着座装 置 1=有 2=無. 2 2 2 2 1 1 2 1 2 1 1 1 1 1 1 1 1. 軒・庇 1=有 2=無. 2 2 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 1 2. 壁 1=有 2=無. 1 2 1 1 2 2 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2. 喫煙者の空間利用 出入口 から の距離 (m). 植栽 1=有 2=無. 2 1 2 1 1 1 1 1 2 2 1 1 1 2 1 1 1. 4.3 6.3 3.2 4.8 12.5 18.6 7.4 4.4 9.1 18.9 25.0 10.8 11.0 22.2 13.1 15.7 33.9. 歩行者 密度 (人/ 20 分). 131.8 129.5 93.2 131.8 40.9 47.7 100.0 120.5 79.5 29.5 77.3 27.3 22.7 38.6 6.8 2.3 22.7. 歩行 歩行者 喫煙者 密度 数 (人/ 分) (人). 6.6 6.5 4.7 6.6 2.0 2.4 5.0 6.0 4.0 1.5 3.9 1.4 1.1 1.9 0.3 0.1 1.1. 5 13 15 17 7 7 6 6 7 6 5 4 3 2 0 1 0. 滞留 喫煙者 数 (人). 平均 平均 滞留時 グループ 間(秒) 人数(人). 0 0.0 3 88.3 1 74.0 2 84.5 4 202.0 4 255.5 3 845.0 3 845.0 4 138.7 0 0.0 0 0.0 3 148.7 2 50.5 4 1026.3 9 256.6 9 256.6 3 814.3. 0.0 2.0 1.0 1.0 3.8 3.0 3.0 3.0 5.0 0.0 0.0 2.3 1.0 2.3 3.8 3.8 4.7.

(4) 5.3. 調査結果. 述欄でも意見があがっており、表示方法の改善やサイン. ①受動喫煙について. 表示を全学統一するなどの工夫が必要である(図 11 ) 。.  日常生活において、受動喫煙を受ける頻度を尋ねたと. ③記念講堂前広場の喫煙環境について. ころ、 「時々受けている」が最も多く、45.6%(52 人)を.  最後に、記念講堂前広場における喫煙環境について、. 占めた。喫煙者に限ると「ほぼ毎日受けている」が52.6%. 実際に喫煙空間として適切または不適切だと感じた経. (20 人)と最も多く、非常に高い割合の学生が、日常生. 験がある場所とその理由を記入してもらった。. 活において受動喫煙を受けていることが分かる(表 4) 。.  まず、タイプ[1]とその周辺の空間については、少数.  次に、受動喫煙を「毎日受けている」 「時々受けてい. の喫煙者の便利で利用しやすいという記述もあったが、. る」と回答した者に対し、受動喫煙を受ける場所を尋. 歩行者密度が高く、通行の妨げとなり危険であるという. ねたところ(複数回答可)、 「飲食店などの商業施設」を. 意見が大半であった。同様にタイプ[2]についても、利. あげた者が最も多く(47 人 ,54.0%) 、以下、 「大学キャ. 便性が高く、着座装置があるため滞留しやすいという記. ンパスの屋外空間」 (41.4%,36 人)、「大学キャンパス. 述もあったが、道幅が狭く危険で、受動喫煙の恐れもあ. の屋内空間」 (37.9%,33 人)と続く。この結果から、健. るため、喫煙空間の配置場所としては好ましくない。. 康増進法の制定から一年半以上経つ現在でも、多くの.  一方、歩行者の動線から多少外れた所にある、歩行. 商業施設や大学キャンパス内において、必ずしも適切. 者密度の低い、タイプ[3],[4],[5]のような空間につ. に分煙が行なわれていないことが分かる。. いては、他人の迷惑にならず安全であり、喫煙空間と. ②実施を望む喫煙対策について. して適切であるという意見が多かった。.  大学キャンパスの屋外空間での実施を望む喫煙対策に. 6.快適な喫煙空間の配置に関する考察. ついて尋ねたところ(複数回答可) 、 「指定喫煙場所以外.  現地調査とアンケート調査の結果から、公共空間に. での喫煙の禁止」 (65 人 ,57.0%)が最も多く、特に非喫. おける喫煙空間は、以下のような方針により配置する. 煙者では 63.2%がこれを選択した。次に多かった「歩き. ことが望ましいと考えられる。. たばこの禁止」 (52.6%)は、非喫煙者が 59.2% であるの. ・歩行者密度の高い出入口付近における灰皿等の喫煙. に対し、喫煙者が 39.5% であり、最も格差が大きい。. 空間の配置を避ける。.  逆に、喫煙者の回答が最も多かった「喫煙場所の表. ・動線から一定距離以上外れた、歩行者密度の低い、か. 示を明確にする」(20 人 ,52.6%)については、自由記. つ出入口から視認しやすい場所に設ける。. 表 4 受動喫煙を受ける頻度と場所. ・喫煙者と非喫煙者の空間利用を適切に分けるための. ほぼ毎日 受けている. 喫煙者 非喫煙者 合計. 殆ど 受けていない. 未記入. 20人(52.6%) 16人(42.1%) 2人(5.3%) 15人(19.7%) 36人(47.4%) 24人(31.6%) 35人(36.7%) 52人(45.6%) 26人(22.8%) 大学キャンパ 大学キャンパ ス(屋外) ス(屋内). 商業施設. 喫煙者 非喫煙者 合計. 時々 受けている. 15人(41.7%) 32人(62.7%) 47人(54.0%). 16人(44.4%) 20人(39.2%) 36人(41.4%). 11人(30.6%) 22人(43.1%) 33人(37.9%). 0人(0.0%) 38人(100.0%) 1人(1.3%) 76人(100.0%) 1人(0.9%) 114人(100.0%). 路上. 66.7%. 29.4%. 0%. 10%. 20%. 60.0% 50.0%. ( 2 ) 喫煙環境に関するアンケート調査を行い、大学. 30%. 40%. 50%. 60%. 70%. 80%. 90%. キャンパスの屋外空間における適切な喫煙空間の配置. 100%. と明確なサイン表示の必要性を明らかにした。. 喫 煙 者 :4 4 . 7 % 非 喫 煙 者 :6 3 . 2 % 全 体 : 59.2%   5 7 . 0 % 5 2 .6 % 5 2 . 6 % 46.0% 4 8 .2 % 39.5%. (3)現地調査とアンケート調査から、公共空間における快 適な喫煙空間の配置に関する考察を行い、方針を示した。. 40.0% 30.0%. 23.7% 1 8 .4 % 1 4 . 5 % 1 8 . 4 % 10.5% 1 5 .8 % 13.2%. 20.0%. 16.7%. 7 . 9 % 7 .0 % 5 .3 % 0.0%. 10.0% 0.0%. 喫 煙 の 禁 止.   以 外 で の. 指 定 喫 煙 場 所.     禁 止. 歩 き た ば こ の. 明 表 喫 確 示 煙 に 場 す を 所 る の. て、様々な滞留行為と喫煙環境に関する現地調査と意. 70.6%. 図 10 被験者の喫煙者率と全国喫煙者率 70.0%. 九州大学箱崎キャンパス他 1 0 箇所の広場を対象とし. つのタイプに分類できる。. 33.3%. 全体(全国値).  本研究では、国内の喫煙環境に関する現状を把握し、. について、空間的特性と喫煙者の空間利用実態から 5. 86.8%. 全体. 7. 総括. ( 1 ) 箱崎キャンパス内の 3 つの食堂前広場の喫煙空間. 91.3%. 13.2%. 喫煙場所のサイン表示を補助的に活用する。. 識調査を行い、以下のことが明らかになった。. 53.1%. 8.7%. 女性(全国値). 6人(16.7%) 6人(11.8%) 12人(13.8%). 60.4%. 46.9%. 女性. その他. 5人(13.9%) 7人(13.7%) 12人(13.8%). 非喫煙者. 39.6%. 男性(全国値). 家庭. 6人(16.7%) 10人(19.6%) 16人(18.4%). 喫煙者 男性. 合計. 環 境 づ く り. 吸 わ な い. 未 成 年 が.   行 な う. 清 掃 活 動 を.     減 ら す. た ば こ の 広 告 を.   規 制 す る. 13.2% 10.5% 3.9% 7.0% 7 .0 % 2.6%. 買 え な い よ う. 図 11 実施を望む喫煙対策.   手 軽 に. 特 に な し. そ の 他. (1)時刻レイヤー法による交流・滞留と空間構成に関する研究 , 山之内崇 ,2001 (2)主要総合大学キャンパス4ヶ所(九州大学記念講堂前・文系食堂前、九州産業大学本館前、 福岡大学学士会館前) 、商業施設の屋外広場 4ヶ所(JR 博多駅博多口前広場、西鉄大橋駅前 広場、天神岩田屋本館前広場、天神パサージュ広場) 、屋内広場 3ヶ所(ソラリアプラザイ ベントプラザ、天神イムズビルイムズプラザ、博多リバレインアトリウムガーデン) (3)本研究では、人類学者の E. ホールが提案した、人間の空間行動を研究するプロクセ ミクスの概念を参考に、 各個人同士の付き合いが可能であるとされる社会距離の範囲内 (360cm 以内)であれば、その空間にいる個人に対し何らかの影響を与えうると考え、こ れを喫煙空間の範囲と定義する。. 2-4.

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