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Special Edition 002 Long Ke 中国南京市生まれ 1988 年来日 92 年愛知大学法経学部卒業 94 年名古屋大学大学院経済学研究科修士課程修了 長銀総合研究所を経て富士通総研経済研究所の主任研究員に 2006 年より現職 静岡県立大学グローバル地域センター特任教授 広島経

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(1)

Special Edition

FUJITSU RESEARCH INSTITUTE

C

hina

F

ocus

寺島実郎 

日本総合研究所会長

隆 

(2)

Special Edition

Long Ke

中国南京市生まれ。1988年来日。92年愛知大学法経学部卒 業、94年名古屋大学大学院経済学研究科修士課程修了。長 銀総合研究所を経て富士通総研経済研究所の主任研究員に。 2006年より現職。静岡県立大学グローバル地域センター特任 教授・広島経済大学特別客員教授兼務。主な著書に『中国の不 良債権問題─高成長と非効率のはざまで』(日本経済新聞出版 社)、『チャイナクライシスへの警鐘』(日本実業出版社)など多数

隆 

富士通総研経済研究所主席研究員

(3)

特別

対談

1947年北海道生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科 修士課程修了後、三井物産入社。調査部、業務部を経て、 ブルッキングス研究所(在ワシントンDC)に出向。その後、米 国三井物産ワシントン事務所所長、三井物産戦略研究所 所長、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授、三井 物産常務執行役員等を歴任し、現在は(一財)日本総合研 究所会長、多摩大学学長

Jitsuro Terashima

寺島実郎 

日本総合研究所会長

(4)

一方で東南アジアの主要国、つまり

ASEAN

の主要国はこの条約に賛成して います。シンガポールだけは棄権しま したが、それ以外の国々は賛成してい るのです。つまり東南アジアの国々は、 自ら核を持たないことを明確にし、その 視点から東アジアの安全や安定を考え ています。

米国の核の傘の下にある

日本の非核化はどうする

柯 これから日本にできることは何で しょうか。 寺島 今回の議論で非常に重要なのは、 核を持たない、核を開発しないことに 加えて、核を脅迫の材料にすることを 否定しています。さらに、核の傘に入っ ていても、それはあくまでもディフェン シブな思想であって、日本が自らの意 思で核兵器を使用したり、攻撃を要請 することはできない。積極的に核を使 用することにコミットしているわけでは ない。つまり、核の傘の下にあっても国 連の核兵器廃絶条約に参加することは 一切、矛盾がないことをオーストリアが わざわざ説明しています。 東アジアの地政学リスクにおいて、 最大のリスクになりつつある北朝鮮の まずウィーンには

IAEA

(国際原子力機 関)の本部があります。北朝鮮の大使館 もある。その意味で情報収集の国際的 な中核になっているといえます。国連 では

2017

7

7

日に

122

カ国が賛成 する形で核兵器禁止条約が採択されま した。実は、中心になって音頭をとって きたのがオーストリアです。 オーストリアは、

2014

年に「オースト リアの誓い」という宣言をしました。こ れは、オーストリア自身が恒久的に核 を持たないという決意です。これを前 提として、非人道的な兵器である核を 廃絶していくためのリーダーシップを とってきたのです。 この条約の交渉開始に関する決議に は日本は反対に回りました。なぜなら 日本は、米国の核の抑止力の下にある からです。北朝鮮の核の脅威に対して、 米国の核の傘に守られている。だから 核兵器を廃絶する決議には与しない立 場をとりました。

国連の核兵器禁止条約が

意味するものは

柯 寺島さんはロンドンから帰国した ばかりと伺いました。現地ではイギリス の

EU

離脱の状況をご覧になったと思 いますが、欧州あるいはグローバルの 視点から東アジアを取り巻く地政学リ スクを捉えた場合、オーバービューと してどのような印象を持っておられま すか。 寺島 東アジアの地政学リスクを考え るとき、いま避けて通れないのは北朝 鮮の核の問題です。今回は、ロンドンを 訪問する前に、ウィーンで開催された 第

42

回中東協力現地会議で講演をしま した。そこで改めて気づいたことがあ ります。私たちが北朝鮮の脅威を議論 する際、米国と北朝鮮が角突き合わせ ていて「対話か圧力か」というパラダイ ムの中だけで議論する傾向があります。 しかし、ウィーンにおける議論のパラダ イムは少し違います。

東アジアの地政学リスクを考えるための第一歩とは?

日本人としての 思想の基盤 を

見つめ直す時期にきている

北東アジアの非核化に向けて

日本のリーダーシップと

覚悟が問われている

(5)

朝鮮半島についても日本人として過 去を忘れてはいけません。その意味で も、東アジアのリスクや安全保障を語 るときに、日本人としての思想の基盤 を考えなければいけません。自虐的な 意味ではなく、日本が長い歴史的な経 緯の中で、東アジアにどんな役割を果 たしてきたのか、どう向き合ってきたの だに冷戦の枠から取り残された「冷戦 孤児」のように考えている面があります。 北朝鮮の軍隊が隊列を組んで行進して いる姿や女性アナウンサーが興奮して 絶叫しているような姿を見ると、われ われとは何の関係もない異様な世界が 繰り広げられているように思いますが 「あれは

72

年前の日本が、まさに世界に 向けて発信していた姿ですよね」と言 われてみると、否定できないのです。 朝鮮半島は

72

年前、歴史の事実とし て日本に帰属していました。第二次世界 大戦、なかでも太平洋戦争のときには、 北朝鮮も日本の旗の下に一緒になって 戦ったのです。そこで私が非常に複雑な 思いを抱いているのは、オーストリアと 朝鮮半島は似ていることです。オースト リアもヒトラーの下に併合されて、ドイ ツ軍として第二次大戦を戦いました。 核、あるいはミサイルを議論するときに、 日本自身の思想の基盤が問われていま す。自分たちが恫喝されているから、そ れに対して「圧力を加えるのがいいの か」、「対話がいいのか」とのパラダイム だけではなく、議論の前提になる日本 人としての思想が問われていることを 強く感じました。これが今回のウィーン での大きな体験です。 私が言いたいのは、日本自身が東ア ジアの安全保障に対する思想の基盤を 持つべきであること。また、北東アジア の非核化に向けての日本の覚悟とリー ダーシップが問われていることです。 さらに意識すべきは「いまの北朝鮮が 見せている異様さは、

72

年前の日本と 同じですよね」と言われたとき、ハッと する部分があることです。 日本人は歴史軸の中で北朝鮮がいま 東アジア地域の現状 KEYWORD 国連の核兵器禁止条約 核兵器の使用や保有、実験などが初めて 法的に禁止された国際条約。2017年7月 に開催された交渉会議に出席した124カ国 中、122カ国が賛同する形で採択されたも の。50カ国の署名によって発効する。米国 やロシア、インドなど核兵器を保有する国 は、条約に参加していない。また、日本は 米国の核の傘に依存していることから、署 名しないことを表明している。

中国

〈人口〉 約

13

8000

万人 〈1人当たりGDP〉 約

8113

ドル

北朝鮮

〈人口〉 約

2516

万人 〈1人当たりGNI〉 約

1228

ドル 1韓国ウォン=1130ドルで換算

モンゴル

〈人口〉 約

312

万人 〈1人当たり名目GDP〉 約

3857

ドル

日本

〈人口〉 約

1

3000

万人 〈1人当たり名目GDP〉 約

3

4522

ドル

台湾

〈人口〉 約

2355

万人 〈1人当たり名目GDP〉 約

2

2540

ドル

韓国

〈人口〉 約

5150

万人 〈1人当たりGNI〉 約

2

7450

ドル 出典:外務省、内閣府、総務省統計局

(6)

て、もっと世界に視野を広げさせなけ ればいけないと思いますね。

若者が共鳴するものこそ

本当の脅威になる

私は、

2015

年に亡くなった元西ドイ ツ首相のヘルムート・シュミット氏と議 論したことがあります。そのときにシュ ミット氏は「北朝鮮の脅威なんて大した 話じゃない」と言ったのです。私はびっ くりしました。 彼は、キューバ革命を主導したチェ・ ゲバラやフィデル・カストロに注目して いたといいます。なぜなら、政治指導 者として世界の若者の心をときめかせ、 揺さぶる部分があったからです。とこ ろが、いまの北朝鮮に共鳴している若 者など、世界を見渡しても

1

人もいない。 そんな脅威は怖くないと彼は言ったの です。 柯 脅威の質が違うことを正確に認識 しておく必要があるということですね。 分の存在を示さんがために危ない兵器 を乱発してみせているような状態。こ れは、大変な脅威ですが、脅威の質が 違います。体制転換を余儀なくされる ような脅威ではなく、ならず者が何をす るかわからないという脅威なのです。 柯 

Uncontrollable

(制御できない)。 寺島 その通りです。もう一つ、言って おかなければいけないのは、社会主義 政権でありながら、世襲であること。近 代的な政治思想の原点に立ち返れば、 これはジョークみたいな話です。もし、 毛沢東の孫がいまの中国を牛耳ってい て、世界に対してそれをアピールして いるとしたら、びっくり仰天です。 その意味で北朝鮮の体制は、金王朝 なるものを存続せんがための体制に なっていて、国民の幸福を実現するた めに努力している体制には、とても見 えません。軍事力だけを際立たせ、核と ミサイルだけで世界を恫喝するような 体制が真っ当ではないことを認識させ かをはっきりと認識すべきです。 さらに、一般論として「核はなくすべ き」などという話ではなく、新しい局面 を迎えている核とミサイルの脅威に世 界が向き合うときに、日本の悲惨な経 験も含めて、東南アジアの国々がどう いう視点で日本を見つめているのかを 忘れてはいけません。 それがなければ、この議論はうつろ で思想性のないものになってしまうで しょう。

北朝鮮の脅威を

どう捉えるべきか

柯 やはり北朝鮮の脅威が大きなポイ ントになりそうですが、日本としてどう 捉えればいいのでしょうか。 寺島 北朝鮮は曲がりなりにも、社会 主義国家です。先ほど「冷戦孤児」とい う言葉を使いました。冷戦時代であれ ば、北朝鮮の背後に中国やソ連が存在 していたので、北朝鮮が南進すれば、東 アジアを社会主義化する可能性があり ました。その意味で日本にとって大きな 脅威でした。 柯 昔は。 寺島 そうです。ところが、現在の北朝 鮮の脅威は、「ならず者国家」として自

東アジアの地政学リスクを

考える上では脅威の質を

正しく認識する必要がある

東南アジアの国々が日本を どういう視点で見つめているのかを忘れてはなりません

(7)

ないと思いますね。

中国にはあるが

日本にはないものとは

柯 いま寺島さんがおっしゃったこと に私は非常に感銘を受けました。中国 で安全保障の専門家と話をすると、彼 らは最近、二つの柱を持っています。上 海協力機構と

BRICS

です。この二つで リーダーシップをとろうとしています。 しかし、日本には柱がない。

G20

APEC

に参加はしていますが、日本が リーダーシップをとっているわけでは ありません。北東アジアでも、せめて 日中韓でコンスタントに何かをやって いこうとの動きもありますが、やったり、 やらなかったり。さまざまな事情があっ また、習近平国家主席が提唱した中 国の「一帯一路」構想は、中国と欧州を 結ぶ経済圏構想です。当初は「それは キャッチフレーズだけだ」と見ていた人 が多かったのですが、世界のリーダー を集めて国際会議を実施するなど着実 に実績を積んでいます。 それからトランプ氏が米国の大統 領になったことで葬り去られてしまっ た

TPP

に代わって中国が主導する形の

RCEP

(東アジア地域包括的経済連携)が、ア ジアを含む新しい自由化の仕組みの流 れを大きくリードし始めています。 いかなる時代であっても、世界の中 心となって引っ張っていく人には必ず 思想というか、束ねていくコンセプトが あるわけです。だから日本にも思想が 必要だと言っているのです。 中国がいま、大きな構想を見せては いますが、まだそれが成功している段 階ではありません。中東や東南アジア においても中国のやり方に対する警戒 心は強い。ある種の拒絶反応もありま す。その中で日本と中国が協力し合う ところは力を合わせながら、世界にど ういう秩序を作っていくのかを語り始 めなければいけない。中国は危険だと 言っているだけでは、リーダーになれ

リーダーシップを見せた

中国のAIIB構想

柯 近著『ユニオンジャックの矢』(NHK 出版刊)の中で「イギリスがすごいのは、 エンジニアリングの能力が非常に高い こと」だとおっしゃっています。東アジ アの地域においては、エンジニアリン グの力は誰がリーダーシップをとって 強化していくと思われますか。 寺島 現状を見ると、中国が構想力の 面でリードをし始めているのは確かで しょう。たとえば東アジアをウォッチし ている米国の専門家は 日本はスモー ルだ と指摘します。中国は正当性の面 ではクエスチョンが残るが、グローバ ルガバナンスの面で、米国に取って代 わってリードしていく構想力の片鱗を 見せ始めているというのです。

AIIB

(アジアインフラ投資銀行)構想もそ の一つです。あっという間に八十数カ 国が参加するような体制に持っていき ました。これはまさに拙著の中で書い ていますが、中国と英国との連携が非 常に意味を持ってしまったのです。英 国が動くことによって、英連邦の中に いる

14

カ国が一緒に動くことになって、 それが中国の構想力に大きな光を当て たのです。

東アジアのリーダーシップは誰がとるのか?

欧州とも連携を深める

中国が構想力で一歩リード

KEYWORD アジアインフラ投資銀行(AIIB) 中国が主導する国際開発金融機関で、中国 の習近平国家主席が 2013年に設立を提唱 し、2015年12月に発足したもの。港湾、道 路、鉄道、空港、下水道などアジア諸国の インフラ整備のための資金融資を目的に 設立された。中国を含めたBRICS5カ国、 ASEAN10カ国などのほか、英国、ドイツ、 フランスなどの欧州諸国も参加。その数は 八十数カ国に上る。

(8)

す。ある日突然、アジアに

EU

のような ものができることはないですが、エネル ギー、金融、

ICT

(情報通信技術)あるい は教育など、具体的なテーマごとに連 携を積み上げていくというプロセスが あっていいと思います。キャンパス・ア ジア構想もその一つとして可能性を秘 めています(P13参照)。 柯 その中で中国の体制のサステナビ リティ(持続可能性)はいま問題になってい ます。これまでの中国はどちらかという と鄧小平が敷いたレールに則って発展 してきました。ただ、ここへ来て文化大 革命で育った世代が毛沢東の時代に逆 戻りしようとしている面もあります。中国 の今後についてどう捉えていますか。 柯 でも

AMF

(アジア通貨基金)は失敗し ましたね。

エネルギーやICTで

連携を積み上げるべき

寺島 そうです。

AMF

もそうだし、アジ ア開発銀行もそうですが、そういったト ライアル&エラーを踏まえて新たな構想 を作り上げていくことが大切でしょうね。 あるいは、エネルギー。今後の東アジア の発展のためには、エネルギーの安定基 盤を作っていかなければいけません。 欧州が

EU

の枠組みの中で

EURA

TOM

(欧州原子力共同体)を立ち上げて いるように、東アジアでも連携の基盤 を模索していくことは大いにあり得ま て途切れてしまいます。日本は北東ア ジアにおいて、どういうリーダーシップ をとろうとしているのでしょうか。 寺島 戦後の日本は、米国の影響を強 く受けながら歩んできました。しかし、 「トランプが率いる米国についていけば 日本の安全と未来が開ける」状況では なくなっています。自分の頭で考えなけ ればいけないのです。 過去を振り返ると、アジアにおける 金融不安をできるだけ軽減するため

1998

年のアジア蔵相・中央銀行総裁会 議において、当時の宮澤蔵相が資金支 援スキームを提唱しました。いわゆる 新宮澤構想です。これによって日本は 東アジアから大きく評価されました。 中国の「一帯一路」構想のイメージ

中央アジア

ロシア

西アジア

東アジア

東南アジア

中国

日本

地中海

欧州

インド洋

南シナ海

一路

一帯

(9)

寺島 確かにアイデンティティークラ イシスにぶつかり始めている印象はあ ります。中国は

1949

年に国民党政権か ら毛沢東の中国に変わりました。共産 中国になったわけです。あの時代の中 国にとって社会主義は魅力があった。 国民を束ねる力があったのです。民族 の枠を超えて、資本主義の影の部分を 克服していくことが国の将来にとって 大事であるというメッセージによって 中国を束ねることができた。これが毛 沢東思想です。 かつて、日中学院に通っていたこと がありますが、あの時代の中国には、ま だ、地方の医学訓練所で医療技術を学 んで農業の傍ら患者の治療をする、い わゆる「はだしの医者」などがいて、国 民のために奉仕するコンセプトがすご く行き届いていました。中国は新たな 近代化の実験をしているのかもしれな いとの胸騒ぎもありました。 柯 当時、中国から伝わってきたメッ セージは魅力的なものでしたか。 寺島 私は必ずしも魅力を感じたわけ ではないから、毛沢東思想万歳の左翼 学生のグループには与しませんでした。 ただ、金まみれの商業主義に堕落して いく資本主義社会のある部分を突いて、 習近平氏が中華民族の復興を強調しているのは確かです。 しかし、いまの中国人は昔に比べて愛国心が薄れているのも 事実です。たとえば、共産党の幹部の子どもたちが安易に中 国国籍を捨てて、米国や英国の国籍を取得しています。 これはいまの体制に魅力を感じなくなり、人心が中国から 離れていっている証拠でしょう。つまり、中国あるいは習近平 政権が直面しているアイデンティティークライシスといえる のです。 一方で香港や台湾を見ていると、中国本土に背を向けてい ます。昔は中国本土の成長を熱望していましたが、いまは逆に 失望している部分があります。 昔サンフランシスコのチャイナタウンに行くと、あそこは華 僑世界そのものでした。しかし、最近はいわゆる“バナナ”が 多くなりました。肌は黄色いが中身は白くなってしまってい る。つまり2世・3世の中国人が増えて心が変わってしまった のです。彼らは中国本土との関わりを持っていません。米国人 としてのアイデンティティーを強く持つようになるわけです。 私には娘が1人います。家内も中国人です。娘と私が一緒 に中国対日本のサッカーの試合を見ると、彼女はいつも日本 を応援するわけです。彼女のアイデンティティーは日本なの です。私には言いませんが、彼女は中国のことを思い出すと、 いやなことが多いわけです。 これは日本のメディアの問題もあります。たとえば中国人 観光客が日本へ来てマナーが悪いなどというニュースが報じ られます。そんなときにも娘は、中国人に対して非常に悪い印 象を持つのです。もしも、華僑のネットワークが弱くなってい くとすれば、アーキテクチャーやエンジニアリングの分野で中 国は構想力が弱くなる可能性もあると思います。 

ティ

ティ

Long Ke

(10)

いるわけです。 これは中国がアジアに対して持って いるブリッジといえます。それがタイと つながり、ベトナムとつながり、インド ネシアとつながり……。大中華圏は香 港、台湾、シンガポールと本土の中国 の連携体というイメージだけではなく、 もっとやわらかくグレーターチャイナ を構想しなければいけないときが来て いるな、と私は感じます。 ただし、これは本土の中華人民共和 国にとってポジティブな話ばかりじゃ ない。大中華圏との連携が深まれば深 まるほど、たとえば中国の民主化のよう な問題が、どうしても出てきます。 たとえば シンガポールモデル とい う言い方があります。中国が共産党一 党支配の体制からどう民主化していく か。そのときに台湾、香港、シンガポー ルと中国本土との関係が逆に、中国を どう変えていくのか、それが問われてく るでしょう。 ものすごくしびれる部分を持っていま す。その証拠にシンガポールの水族館 には明代の武将、 和の大航海に関す る華々しい展示があります。

中国はアジア各国と

連携を構築している

柯 著書『大中華圏ネットワーク型世 界観から中国の本質に迫る』(NHK出版 刊)に書かれているグレーターチャイナ ですね。 寺島 本土の中国だけではなく、香港、 台湾、シンガポールを大中華圏の中核 というイメージで捉えていますが、もち ろんそれ以外に、タイにも、インドネシ アにも

1000

万人単位の中華系の人たち が活動しています。 私が学長を務めている多摩大学が雲 南大学と提携しましたが、雲南大学に は

1

万人、

2

万人という単位の留学生が 東南アジアから来ているそうです。全 学生の

3

分の

1

程度を留学生が占めて 中国が名もなく貧しく美しく、人民のた めに奉仕する、「はだしの医者」が病気 になった人のところに駆けつけていく ような国づくりをしている部分の怖さは ありました。若干のリスペクトも込めて。 ところが、いまの中国は日本も真っ 青になるほどのマネーゲーム国家にな りました。どんどん資本主義社会の影 の部分を吸収しています。社会主義と いう言葉が神通力を失って、国を束ね る力を失ってきたときに登場してきた のが「中華民族」です。この言葉は習近 平自身が盛んに言うようになっていま す。社会主義というコンセプトでは束 ね切れなくなったアイデンティティー を「中華民族」という言葉によって置き 換えようとしているのです。 台湾は政治体制が中国とは違うよう に見えます。シンガポールしかり、香 港にも中国本土との違和感がある。海 外にいるオーバーシーズチャイニーズ は歴史的な事情として、漢民族の人が 多いわけです。中国が元や清など北方 民族の支配下に置かれた時代に南に動 いた人たちの子孫が東南アジアにいま す。その人数は

3500

万人といわれてい ます。その人たちのほうが逆に「中華民 族の歴史的な栄光」などという言葉には、

中国が大中華圏との

関係を深めれば

民主化の問題が表面化する

(11)

しています。ことほど左様に通貨も暦も 文字も、日本はあらゆる面で中国の影 響を受けてきました。その日本は、江戸 時代に自力で外国から鎖国していたよ うに錯覚を起こしがちです。しかし、中 国本土が明から清へ移行する混乱期に あった。つまり、日本の鎖国は中国が混 乱していたからこそ、できたとも言える わけです。もし中国がそのときに強大な 力を持っていれば、日本が鎖国をして も乗り込んできたに決まっています。 そして、江戸の正学といわれた朱子 学も中国の学問です。そこから本居宣 長が登場し、国学が生まれたのが江戸 後期です。つまり、江戸時代は日本人 が中国の文明・文化から精神的に自立 するときだったのです。 日をてこに、エネルギーを高めていく。 韓国でも反日をてこに国民を統合して いこうという傾向が出ています。そこに 行きついてしまうのです。 日本は文明的にも思想的にも中国の 影響を大きく受けています。その歴史 は

2000

年以上にも及びます。言い換え ればお世話になってきたわけです。た とえば、江戸時代。それ以前の日本では、 永楽通宝を中心にした中国の通貨が日 常的に使われていました。江戸時代に なってから永楽通宝が廃止されて寛永 通宝が使われるようになりました。 あるいは、天皇の存在さえ歯 にも かけない勢いで暴れ回っていた織田信 長の馬印は、実は永楽通宝でした。馬 印とは、戦国時代に武将の所在を明示 するために馬の前に立てられたのぼり です。つまり、織田のシンボルマーク が永楽通宝だったのです。永楽通宝は、 信長よりも

100

年ほど前の中国明代の 皇帝、永楽帝の時代に鋳造され始めた ものですが、信長はそれを格好いいと 思い、自分のロゴにして、アイデンティ ティーとして戦っていたわけですね。 柯 寺島さんも永楽通宝を持っていま すよね。 寺島 そうです。この寺島文庫に所蔵

日中の指導者が

いま意識すべきことは

柯 東アジアの地政学リスクをコント ロールするためには、日中が協力して いくことが大事だと思います。私は日 本で生活をして、かれこれ

30

年になり ます。

30

年前の日中関係を振り返ると、 どこか妙な感じがします。寺島さんも 著書に書かれていますが、当時の日中 友好関係を表す言葉として「一衣帯水」 が使われていました。これは、一筋の帯 のような細く長い川や海峡に分断され てはいるが、両岸の関係が非常に深い ことを示したものです。今後の日中関 係のあり方を考えたとき、何が重要に なるでしょうか。 寺島 私は、日本人としてのアイデン ティティーを誰よりも強く持っているつ もりですし、そういう意味合いにおいて、 うつろな意味での日中友好を語る気は ありません。どちらの国の指導者も、あ る種の構想力を自らに問いかけなけれ ばいけないときに来ているのです。これ は政治の指導者だけでなく、経済の指 導者も心しなければいけません。 現状は安手のナショナリズムをてこ に国の中での自分の立ち位置を高めて いこうという指向にあります。中国は反

日中間の協力関係はどうすれば構築できるか?

相互にメリットのあるテーマで

段階的接近を積み重ねたい

KEYWORD アジア太平洋研究所 アジア太平洋地域の持続的な発展をサ ポートする目的で2011年12月に設立され た。運営は会員企業に支えられているた め、政府や特定の企業グループの影響下に はなく「中立的なシンクタンク」として、自 由に発想し研究できる。2017年度は、「ア ジア太平洋地域におけるFTAとEPAのあ り方」、「アジアにおける開発金融と金融協 力」などの研究会を開催している。

(12)

中国と正面から向かい合える局面が来 るのではないかと思っています。 柯 日本も中国も歴史の負の遺産をい つまでも引きずっているのではなく、ど こかにしまい込まないと、新しい道は切 り開けませんね。山崎豊子さんのよう な前の世代の人たちは徐々に去ってい くわけですが、問題は、いまの世代、あ るいはこれからの新世代です。日本人 と新世代の中国人は過去を知りません。 変に教え込まれているかもしれません が。寺島さんは世界中を旅してさまざ まな地域を見てこられた中で、地政学 リスクに限らず、今後の新しい日中関 係を切り開くためにどうすべきか。この 対談のレポートは日本でも中国でも多 くの方に読まれると思いますので、メッ セージをお願いします。 寺島 大切なのはプロダクティビティ (生産性)の高いテーマを互いに確認する ことだと思います。さきほどは、教育や エネルギー、金融などの事例で話をし ましたが、相互利益につながるテーマ を見つけ出して力を合わせることが大 事。互いにメリットが得られるテーマを 見つけ出して一つずつ積み上げていく 段階的接近法以外、あり得ないという ことです。 に行って講演した思い出もありますが、 先輩たちが戦後の日本を作ったときに 自分たちが中国大陸で行ってきた負の 歴史に対する思いが非常に強くあるこ とを感じました。 いまではそれが、どんどん希薄に なってきて、いつまでもそれを引きずっ ていないことは悪いことばかりではあ りません。しかし、正面から中国と向き 合っていく時代が、そろそろ来ていま す。そのときには、歴史的背景が役立 つでしょう。 中国にとっても日中の相互理解が東 アジアの安定の基盤になります。相互 理解と相互に尊敬し合えるような関係 を作っていかなければなりません。この 国を率いている産官学、あらゆる分野 におけるリーダーが、その心をも持って 向き合わなければいけないテーマです。 これは覚悟が必要です。

日本が米国依存を脱し

東アジアに貢献するには

日本にとっては、日米中のトライアン グルの構造の中で、米国だけに依存し て生きてきた戦後を克服して、東アジ アにおける日本の独自の立ち位置を確 立していく必要があります。その中で その後、日本人の自覚が高まり『蘭学 事始』で、西洋を模倣した近代化が始 まりました。その部分では、アジアで先 行して成功したという自信もありまし たし、日清戦争に勝ったことも手伝っ て日本の中国に対する見方が変わりま した。いままで抱いてきた劣等感を優 越感に反転させて、日本近代史は迷走 し始めたのです。それが日露戦争から 第一次世界大戦、あるいは中国に対す る出兵、満州事変など一連の事件につ ながりました。 日本人は歴史を静かに振り返って、 中国に対するまるでバイオリズムのよ うな劣等感と優越感の交錯状況から 抜け出さなければなりません。中国を 正面から見据えて付き合っていく必要 があります。それを実現するための大 きな構想力と腹の底に力の入った胆力、 気力を持って中国と向き合えるかどう か、それがこれからの日本のリーダー にとって問われてくるのです。 つまり戦後の日本を引っ張ってきた 第一世代の経済界のリーダーたちを思 い出すと、山崎豊子さんの小説ではあ りませんが「二つの祖国」が背景にある と感じます。私は山崎豊子さんと一緒 に中国の宝山製鉄やさまざまなところ 東アジアの地政学リスクをコントロールするには、 日中の協力が大事です

(13)

私はいま大学やシンクタンクに軸足 を置いて活動していますが、こうした 知の連携の分野で意味のある連携がで きるテーマ、それをテーブルに乗せて 一種のタスクフォース(特別なミッション) を積み上げていく形でしか日中の今後 はあり得ないでしょう。 中国にも官主導型のさまざまなシン クタンクや研究所がありますから、そう いった場所でもテーマを見つけて積み 上げていくことが大事でしょう。 柯 さきほど寺島さんがおっしゃった 知的連携ですね。 寺島 そうです。私は日中韓の大学の 単位の互換協定の日本側の委員も務め ていて、中国の委員や韓国の委員とも 向き合ってきているから、空気感がわ かる。だから、知的連携のテーマについ ては、責任を持って次の発展につなが る構想を積み上げていこうと考えてい ます。エネルギー連携にしてもテーマ を見つけたいと考えています。

日中韓の利益となる

共同プロジェクトも

大阪にアジア太平洋研究所をつくる ときに、私は力を尽くしました。この研 究所のテーマは、アジア太平洋地域の 「キャンパス・アジア」は、日中韓の大学生の交換留学プロ グラムです。これは、1987年にEC(現在はEU)でスタートし たエラスムス(ERASMUS)構想をモデルにしています。英国 の大学の学生でもドイツの大学のあの先生の授業を受けた い、イタリアの大学のあの先生の授業を受けたい、といった 希望が叶えられる制度です。他の国の大学で勉強してきた 単位は、卒業の単位に加えてもらえます。そうした単位の互 換協定を結んだことによって、欧州の学生は現在、ほぼ例外 なく大学生時代に他の国の大学へ行って講座を受講するよ うになっています。 ブレグジット(英国のEU離脱)の際も43歳を分水嶺にしてイ ギリスの若い人たちは、EUに留まるべきだとのマジョリティ をとりました。反してそれより年配の人はEUを出ていこうと のマジョリティをとった。エラスムス構想の影響が非常に大き かったと私は思っています。 アジアでもエラスムスにトライしようということで始まった のが「キャンパス・アジア」です。「キャンパス・アジア」ではま ず、日中韓の大学が単位互換協定を結んでいます。国内では 10の大学が実験校として選ばれ、中韓の留学生を受け入れて います。スタートしてすでに5年が経過しましたが、なかなか 簡単にはいきません。 私が見ている限り、総じて理科系の大学の単位互換協定は、 うまくいっています。なぜなら、共通の言語が成り立つからで す。難しいのは文科系、社会科学系。それは、歴史認識の壁に ぶつかるからです。 たとえば、「アジアの共通価値」というテーマで講座を組み ます。そこに韓国からも中国からも学生が来ています。韓国、 中国の学生はわれわれがそれを反日教育と呼ぼうが、近現代 史をしっかり刷り込まれています。一方で日本人の大学生は、 高校まで近現代史を教えていないからブラックアウトしてい る。歴史は幕末維新で息切れした状態で授業に参加するため、 ある種の違和感を覚える、というのが現状です。 まだまだ課題はありますが、「キャンパス・アジア」は段階的 接近法のひとつのきっかけになると思います。

寺島実郎

Jitsuro Terashima

(14)

携ができているから政策の選択肢が多 いのです。

日本の技術を

東アジアに生かす

柯 つながっているから。 寺島 そうです。それと同じように東ア ジアのエネルギー連携グリッドを模索 してみる価値はありますね。 さきほど、マクロエンジニアリング の話を出したのは、たとえば米国には ベクテル社のような巨大なエンジニア リング会社があります。しかし、東ア ジアにはない。そんな中で日韓トンネ ル構想などは、ばかばかしくていつま で経っても実現しないと言われますが、 ユーロトンネルを実現したのも日本の 技術です。あるいは香港と空港をつな ぐ青馬大橋のエンジニアリングも日本 の技術でした。 その意味で日本の技術で東アジアの プラスになるようなエンジニアリング、 プロジェクトの構想を展開できる可能 性は大いに可能性があると思いますし、 それをやらなければいけないと思いま すね。 柯 今日は、ありがとうございました。 大変勉強になりました。 孫正義さんは、エネルギーにおける 電力の連携プロジェクトを提案してい ますが、なかなか壁が厚い。 日本のエネルギー政策に携わってい て感じることは、欧州のエネルギー政 策との違いです。ドイツは、再生可能エ ネルギーを推進していますが、それが できる理由は、フランスや北欧と電線 がつながっているからです。再生可能 エネルギー由来の北欧の電源も原子力 由来のフランスの電源も、相互に連携 しながら補完しあえる体制になってい る。つまり、欧州は一種のエネルギー連 共通の利益になるプロジェクトを実現 していくことです。

ASEAN

は、

ASEAN

共同プロジェクトなどを模索していま すが、それと同じように東アジアも共同 のプロジェクトのようなものを、そろそ ろ動かし始めてもいいのではないかと 考えています。 それがマクロエンジニアリングにも つながり、中国にとってもプラスになり、 日本にとってもプラスになり、韓国に とってもプラスになるような共通の利 益になるプロジェクトにつながってく れば非常に意味があります。

日本も中国も歴史の負の遺産を

引きずっていては

新しい道は開けない

欧州の電力網 出典:資源エネルギー庁「エネルギー白書」2011年版 〈最大電力〉

75.54

GW 英国 〈最大電力〉

17.87

GW スイス 〈最大電力〉

110.92

GW

フランス 〈最大電力〉

29.75

GW ノルウェー 〈最大電力〉

32.63

GW スウェーデン 〈最大電力〉

129.08

GW

ドイツ 〈最大電力〉

93.53

GW スペイン 〈最大電力〉

93.06

GW イタリア 〈最大電力〉

18.88

GW オーストリア 〈最大電力〉

15.79

GW ベルギー 〈最大電力〉

19.77

GW オランダ

(15)

日中韓の若者の連携に期待

対 談 を 終 え て

概念的に地政学リスクといえば「ある地域の不安定性が 危険なレベルに達する可能性」と定義することができるか もしれません。寺島さんは、グローバル問題の専門家の視 点から東アジア地政学リスクについて、快刀乱麻を断つよ うに問題の所在を指摘されました。 地政学リスクについて議論するとき、敵、たとえば、北朝 鮮のようなトラブルメーカーが悪いと批判するだけでは意 味がありません。個人的には、そう考えています。自らの無 能さを同時に反省すべきでしょう。 寺島さんは、地政学リスクをコントロールする方法とし て“構想力”を強調されています。構想力とは、さまざまな 事象をコーディネートして、戦略をアーキテクチャーする 力です。木を見て森を見ない政治家は構想力があるとはい えません。 朝鮮半島危機が懸念されていますが、あらためて東アジ アの地政学リスクを考えると、日中韓など主要国の連携が 大幅に弱体化していることこそ問題ではないでしょうか。 日中韓の関係は、歴史認識の違いが原因となって同床異夢 の状態に陥っているように見えます。 そのなかで東アジアにおいて、日本のリーダーシップは 相対的に低下しています。一方で中国の存在は、構想力の 強化によって大きくなっています。ただし、中国の国内問 題は、その外交に大きな影響を及ぼす可能性が出てきまし た。寺島さんの指摘された通り、いま、中国はアイデンティ ティークライシスに直面しています。 中国で共産党大会が開かれ、習近平政権は2期目に突入 します。しかし、権威なき権力は安定しません。中国、ある いは中国共産党がもっとも深刻な危機に直面しているの は、アイデンティティークライシスであり、信仰の危機で もあります。中国人の若者は共産党が示すプロパガンダを 信用しなくなりました。中国が不安定化すれば、朝鮮半島 危機はコントロールすることがいっそう難しくなります。 地政学リスクを管理するには、地域の連携が重要です。 その前に問われているのは、中国が目指す国家像です。習 近平国家主席は、「中華民族の復興」を夢として中国国民に 呼びかけています。民族復興は、国力を強化することを意 味します。もし軍事力を強化しようとするなら、それは本 末転倒です。軍事力強化で中国は怖い国になります。中国 が目指すべき国家像は、外国から尊敬され愛される国にな ることです。そのためには、軍事力よりも“文化と文明”の 力を強化していくべきでしょう。 最後に、東アジア地政学リスクを管理する地域連携を強 化するには、共通の利益を最大化するスキームを考案す る必要があります。多摩大学の学長も務めている寺島さん は、キャンパス・アジアの交換留学プログラムを推進され ています。歴史の負の遺産を清算し、未来志向を持てるの は若者です。日中韓の若者が連携することができれば、東 アジアの未来は明るいものとなるに違いありません(柯隆)。

めまぐるしく

変化

する

中国経済

的確

把握

できる

セミナーを

定期的

開催

研究員による発表に加え、 外部の専門家をお招きし、 講演ならびに対談を予定しています。 詳しくは富士通総研の ウェブサイトにてお知らせします。

(16)

発行 株式会社富士通総研 105-0022 東京都港区海岸1丁目16番1号ニューピア竹芝サウスタワー TEL 03-5401-8391(代表) 企画  柯隆、香田隆、相原真理子、眞野美香(富士通総研) 編集・制作 金久保徹、向山勇(プレジデント社) デザイン 鈴木美里 撮影 加々美義人(人物) 校正 株式会社ヴェリタ トランスクライバー 吉川恵子(メディアミックス&ソフトノミックス) 印刷・製本 大日本印刷株式会社

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