第6章 横断的施策 第1節 環境教育・学習
1 長崎市の環境教育・学習推進事業
今日の環境問題は、地球環境問題に代表されるように、人間活動や社会活動そのものが 原因となっており、その解決のためには、事業者や市民の環境に関する知識の向上、さら には、保全のための活動を行う意欲が培われることが必要となっている。長崎市では、市 民・事業者に環境保全について関心を持ってもらい、三者協働による取組みを進めるため の第一歩として、主に下表に示す環境教育・学習推進事業を行っている。
事 業 名 目的・内容 平成28年度実績 水生生物による
河川水質調査
水生生 物の種類などによ って水 質判定 を行い、 河川への親しみを 図る事業。
調査地点:3河川、5地点 参加者:5団体、270名
親子環境教室
小・中 学校生とその保護 者を対 象に、 環境保全意識の向 上と地球 にやさ しい行動の促進を 目的とす る事業 。
参加人数合計 256名
1回目(海辺の生物観察会:78名) 2回目(川の生物観察会:119名) 3回目(草木観察会:26名) 4回目(ネイチャーゲーム:33名)
生活雑排水対策事業
家庭から出される廃食用油を使っ た石けんづくりを通した、生活雑排 水対策についての意識の向上を目的 とする事業。
開催:3回 参加人数:32名
環境関連副読本の発行
副 読 本 「 わ た し た ち の く ら し と 環 境 」 、 「 く ら し と リ サ イ ク ル 」 を 発 行 。
「わたしたちのくらしと環境」 4,300部 「くらしとリサイクル」
5,000部
長崎市環境学習・行動 ガイドブックの作成
市 、企 業 、市 民 団 体 が実 施 している 環 境 学 習 会 やイベント 、資 材 提 供 等 に 関 する情 報 をとり まとめたガイドブックを 作 成 。
市内小中学校へ配付 長崎市ホームページに掲載
環境学習会への講師派遣 (出前講座)
学 校 及 び各 種 団 体 への講 師 の派 遣 制 度 。
開催:11回 参加人数:473名
環境カウンセラー (環境省)
環境アドバイザー制度 (長崎県)
講演会や研修会等への講師の派 遣制度。
派遣件数
県環境アドバイザー:14件
ホタルの里づくり
ホ タ ル の 里 づ く り 事 業 と し て 、 地 域 住 民 と 市 が 一 体となって河川 環境づくりに取り組む事業。
飛翔状況の情報提供 全市一斉の飛翔調査 ホタルマップの作成
親子で省エネ実験 ・施設見学会
小中学生とその保護者を対象 に、電気に関する実験や市内の環 境関連施設の見学を通して、環境 保全に対する意識の醸成を目標と した学習会。
第2節 自主的な環境活動と協働
環境基本計画を着実に推進していくためには、市の責務は大きく重い。また、市自身が 大規模な消費者であり、事業者でもあることから環境保全に関する率先実行計画の策定をは じめとした取組みを行っている。
1 長崎市役所地球温暖化防止率先行動計画(長崎市地球温暖化対策実行計画【事務事業編】) 平成 13年 3 月に「長崎市役所環境保全率先実行計画」を策定し、市役所が率先して環 境への負荷の低減に取り組むとともに、市民や事業者を環境配慮の行動に先導していく ための各種取組みを進めてきた。現在は、同計画を「長崎市役所地球温暖化防止率先行 動計画(長崎市地球温暖化対策実行計画【事務事業編】)」として平成 25年 3月に策定 (平成 29年 2 月改訂)し、引き続き、市の率先行動として環境への負荷低減に取り組ん でいる。
また、平成 19年度からは平成 15年に認証を取得した ISO14001の運用を終了し、長 崎市独自の「長崎市環境マネジメントシステム」を構築し、運用している。
(1)計画の対象とする事務・事業及び組織・施設等の範囲 それぞれの範囲は次のとおりとする。
対 象 と す る も の
事務・事業
本市のすべての事務事業
※ 光 熱水費及び 燃料 費 に つい ては、市が直 接 支出 する 場合及び施設 管理委託料又は負担金として支出する場合を対象とする。自動車走行 量については、市が所有する車両(貸与を含む。)を対象とする。 組織・施設 本庁及び出先機関
平成 28 年度の主な取組み
省エネルギー の促進
・公用車への電気自動車の導入:1台
・街路灯の LED 化:転換 6,395灯、新設 348 灯 ・夏の節電対策:平成 22年度比▲10.4%
冬の節電対策:平成 22年度比▲14.1% ・職員の ECO アクションの実践
再生可能エネ ルギーの導入
・太陽光発電設備の導入:公共設備 6施設
(2)市役所(全庁)からの温室効果ガス排出量
長 崎 市 役 所 で は 、 市 の 全 て の 事 務 事 業 か ら 排 出 さ れ る 温 室 効 果 ガ ス を 、 2030 年 度 (平成 42 年度)までに、基準年の2007年度(平成 19年度)比で 46%削減すること を目標としている。
2016 年度(平成 28 年度)の温室効果ガス排出量(速報値)は、94,948 トンである。 これは基準年である 2007年度(平成 19年度)と比較すると 9.7%増加している。
増加の主な要因としては、電力排出係数が増加したことと、廃棄物埋立処分場の延命化 及び廃棄物発電のための「廃プラサーマルリサイクル」
※
■市役所(全庁)のエネルギー消費量の推移
2 市民の役割
今日の 広範多岐に わたる環境問題 の多くは、私たちの日常生 活や事業活 動に伴う環境 負荷が 大きな影響 を及ぼしている 。私たちは、 このことを認 識し、自ら環 境問題に取り 組んでいかなければならない。
長崎市 では、自治 会等の活動を通 して、多くの市民(団体) や事業者が 、環境保全活 動に自 主的・積極 的に取り組んで いる。これか らは、これら の活動を点か ら線へ、線か ら輪へ と繋げるこ とで、個人や家 庭、地域の力 を、さらに大 きな力へと拡 大していくこ とが必要である。
平成 28 年度は、4月にながさきエコライフ基金を活用し、市民が気軽に集い、利用で きる市 民主体の環 境活動の拠点と して「サステ ナプラザなが さき(長崎市 地球温暖化防 止活動推進センター)」を開設した。
また、 多くの市民 が環境行動を実 践するためのきっかけづく りを目的と した環境イベ ント「 ながさきエ コライフ・フェ スタ」をはじ め、市民の環 境保全行動を 促進するため の取組みを実施した。
事業名 事業の概要 平成 28年度の実績等
「ながさきエコネット」 のネットワーク拡大
市民総参加による継続的な環境行動の 実践に向けて、幅広い市民が情報を共 有し、互いに支え合いながら、確実な 行動を実践するための市民ネットワー ク拡大事業。
毎月 1 回の定例会を開催し、「ながさ きエコライフ・フェスタ」の企画・運 営を行うとともに、「環境団体協働活 動推進事業」や「まちなか講座」など を地元小学校やサステナプラザながさ きと協働実施することで、ネットワー ク、メンバーの拡大を図った。 登録メンバー数 41,508 名
(320 チーム)
環境月間行事
環境省が提唱する「環境月間」期間中 に環境保全行動を促進するための多彩 な取組みを実施。
長崎ペンギン水族館 ボランティア制度
長崎ペンギン水族館のサービス向上、 活性化のためボランティアを募集。
ボランティア 63 名登録
廃食用油石鹸づくり (生活雑排水対策事
業)
生 活 雑 排 水 の 環 境 へ の 影 響 を 啓 発 。 苛 性 ソ ー ダ 等 を 提 供 し 、 団 体 の 活 動 を支援。
市民団体への資材提供 3回 参加者累計 32 人
ボランティア活動 などの環境整備
市民の公益的な活動に対し、人材の育 成、情報の提供、活動拠点の確保など 市が側面から活動を支援。
市民活動センター「ランタナ」を市 民活動団体の交流拠点として開放 し、市民活動団体のネットワーク化 を推進。
環境に関する NPOの支援
環境に関する NPO の支援。
環境に関する市民活動団体へのアド バイスの実施。
「ながさきエコ スクール」の推進
環境にやさしい学校づくりを推進し、 小・中学生の環境に対する意識の高揚 を図る。
平成 28 年 4月、市内全小中学校 121校(統廃合 2校)認定
ながさきエコライフ・ フェスタ
無関心層を含め多くの市民が環境行動 を実践するためのきっかけづくりとし て、啓発効果が高く、気軽に参加でき る環境イベントを開催。
平成 28 年 10 月 16 日(日)開催。 イベント参加者:35,000 人
イベントでの CO2削減量:18.9t-CO2
長崎市版「COOL CHOICE」推進運動
温室効果ガス削減に向けて政府が推進 す る 国 民 運 動 「 COOL CHOICE 」 の 取 組みを「ながさきエコライフ」の取組 みと併せて推進。
地域の住民や各種団体と連携して幅広 い取組みを実施。
「COOL CHOICE」賛同者 10,705 名
3 事業者の役割
本市では、平成9年12月に実施した市民意識調査に引き続き、平成21年8月にも市 民や事業者、小学生を対象とする環境に関する意識調査を実施した。
そのう ち事業者に 対する意識調査 の結果、環境への配慮につ いては、「 経営に影響の 及ばな い範囲で配 慮している」と の回答が最も 多く、昼休み の消灯や冷暖 房の温度設定 の調整 、ごみの分 別徹底など、身 近な環境行動 については、 強い関心を持 って取り組ん でいる事業者が多かった。
一方で 、環境マネ ジメントシステ ムの認証取得や環境に関す る社内研修 などの取組み につい ては、コス トや人手、人材 が不足してい るなどの理由 で、なかなか 進んでいない。
このこ とから、本 市では、事業者 の環境保全行動を推進する ために、環 境省が策定し た環境 経営システ ム(エコアクシ ョン 21: EA21 )の普 及を 図り、二酸化 炭素排出量、 廃棄物排出量等を削減し、事業者の環境保全活動を推進している。
また、行政と市民とが協働して環境美化を図るために、平成13年度からアダプトプロ グラム制度を導入し、広報紙等で広く「里親」を募集してきた結果、平成28年度末現在 で 151 の団体が加入している。
事業名 事業の概要 平成 28年度の実績等
エコアクション 21 (EA21)の普及・啓発
環境省が制定した、中小企業者等の環 境への取組を推進する環境経営システ ム(EA21)の普及を図り、事業者の 環境保全活動を推進する。
第3節 市の横断的な取組み
1 土地利用
低炭素なまちづくりに向けて、
環境負荷の少ないコンパクトな市街地を形成する
ため、市街地の無秩序な拡大を抑制するとともに、開発許可制度等を活用して、適
正な市街地の規模へ誘導を行い、自然環境を保全する取組を推進している。
2 環境情報
行政、市民、事業者それぞれの立場を越えて連携し、環境問題への取組みを進めるため には、まず、それぞれが持つ情報を相互にやりとりし、共通の情報を持つことが重要であ る。
本市では、環境に関連する情報を広報紙、ホームページ等により公表している。 【平成 28年度実績】
・平成 28年度版長崎市環境白書(平成 28年 11 月発行) ・平成 28年度版長崎市清掃事業概要(平成 28年 12 月発行) ・広報紙「リサちゃんニュース」(平成 28年 10 月発行)
・インターネットによるホタル情報の提供(平成 27年 5月∼6 月)
・平成 28年度長崎市地球温暖化対策実行計画年次報告書(平成 28 年 8月) ・平成 29年度版長崎市環境学習・行動ガイドブック(平成 29年 3月)
3 環境影響評価
これまで国の環境影響評価実施要綱(昭和59 年8月)及び長崎県環境影響評価事務指 導要綱(昭和 55年 7 月)のほか、公有水面埋立法等各種個別法に基づき、自然環境の保 全、環境汚染の未然防止の観点から事業計画に係る市長意見の表明、住民意見の聴取、審 査・指導を行ってきた。平成9年6月には環境影響評価法、平成11年10月には長崎県 影響評価条例が制定されている。
4 規制的措置
環境保全を効率的に進めていくためには、法律、条例等に基づく規制的措置を適切に講 じていく必要があり、環境に関する規制及び規制的役割を果たす条例・要綱の整備を図っ ている。
5 誘導的措置
経済的な誘因を与えることにより、市民や事業者が環境保全に適合した行動をとるよう 促すことを目的として、各種の補助金制度を実施している。
【平成 28年度の主な実績】
・長崎市浄化槽設置整備事業補助金(補助 42件、市単独 42 件) ・長崎市資源物回収活動奨励補助金(2,093 件)
・長崎市生ごみ堆肥化容器等購入費補助金(堆肥化容器 77基、電動式 37 基) ・長崎市資源物回収事業奨励補助金(年間延 91業者)