インドの公企業
著者 田部 昇, TABE Noboru
ページ 1‑177
発行年 1968‑05
URL http://hdl.handle.net/10723/1241
第2章 公企業 の価格政策
公 企業 の価格政策 は,価格管理 の一般 的方式 と価格設定 の諸基準 に関す る 問 題 の二 つ に大別 され る.
前者 は,企業 レベル でみれ ば利益政策 ない し剰 余金政策 として,価格設 定 の主 目標 を どこにお くか とい う問題 にな る.一定 の 目標 利益率 の実現か,粗
利益 の拡大か,公共部門内部 にお ける販売 の促進,マーケ ッ ト●シェアーの 拡大 か,あるいは私的企業 の高価格・ 独 占利潤 に対す る抑 止か,な ど,い く つかの 目標 が考 え られ る。
また,国民経済 の観点 ない し経済政策 の担 当者 か らみれ ば,公企業投資 に 対す る一 定 の粗利益率 の引 き上 げに よって,再投資可能 な剰 余金 を投 資財源
として確保す る とい う政策的配慮が必要 とな る
これ に対 し,後者 の価格設 定 基準 に関す る問題 は,価格設定 の際 に企業が 準拠 すべ き基 準であ り,会計 原 則 に関す る基準 と密接 な関係 を もつ.
本章 は,資源配 分の決定 に重要 な影響 力 を もつ公企業の価格 政 策 に つ い て,国民経 済 の観点 と企業 レベルでの実際 を検討す る.
第1節は,まず,過去一連 の5カ年計画書 を通 じて公企業の利益概 念が ど の よ うに変化 して きたか,また,そのために制度上 どの よ うな措置が とられ たか を概観す る。
第2節は,市場 の型 をは)独占型,0)寡占型,t31名 目的競争 型 にわけ,それ ぞれ の型 に対応す る企業 での価格設定の実 際 を費用構造 との関連 で具体的 に 考察す る.
第3節は,価格政策 との関連 で補助金交付 の事 例か ら,補助 金政 策 の意義 と問題点 を指摘す る
第 1節 価 格 政 策 の 目的 と基 準
1.経済計 画 と価 格政 策
に)概念上 の問 題
公 企業 の利益 あ るいは剰 余金 は,公共 投資 の財源 として重要 な役割 をは た さな けれ ばな らない とい う考 え方 は,1959年の全 イン ド国民 会議派委員会 の ウーテ ィ・ セ ミナー (00ty Seminar)で は じめて政府の公式見解 として表 明 され た (注
1)
経 済学者 V.K.R.V.Raoは この セ ミナーに提出 したペイパ ー,̀̀Prices,
Income,Ⅵ砲ges and Profits in a Socialist Society" の 中で, イ ン ドの 公 企 業 は, もはや,nO― profit no‑lossと い う古典的な価 格政策 を捨 て,利
益 な い し剰 余金 を生 み だす よ うな積 極 的 な政 策 を とるべ き こ とを提案 した。
この考 え方 は,国民会議派委員会の決議 として採択 され, さ らに,第3次 5
カ年計画の中に採用 され ることにな った。
このセ ミナーに先 だ って,すで に,1954年,政 府 の 税 制 調 査 委 員 会 (TaXatiOn lnquiry Commission)も ,公企業のnO―profit no‑lossの 考 え方 は,イ ン ドでは受 け入れ られない とい う公式の見解 を示 してい る(注2).これ は,公企 業の利益 ない し剰 余金が国家 の財源 として重要 な役割 を担 うべ きで あ る とい う指摘 に とどま り,はた して公 企業全体 に対 し, 日標利益率 を設 定 す べ きか, もしそ うであれ ば,その根拠 はなにか,な どにつ いてはま った く ふ れ ていない。漠然 とした認識 はあ った として も,その必要性 を説明す る根 拠 は示 され ていなか った.この ことは,第2次 5カ年計画 書 について もい え
る(注 3).
第2次計画 期間 は,いうまで もな く,積極的 な公企業導 入政策が開 始 され た時 期であ る.計画立案 の段階では,社会主義諸国か ら計 画 に参加 した経 済 学者 が,公企業の価格 政策 に関 し積 極的 な利益 中心の政策 を とることを助 言 して いた(注41.しか しなが ら政府 は,計画書 に述べ る とお り,投資財源 の 一
(注1)Congress Planning Sub― Committee,Oο′ノ
Sο
ガ πα″(Papers discussed),AHIndia Congress Committee, New Delhi, 1959, pp. 171〜
177.(注2)rσ″α′
j。
″ ル̀″
′η Cο″″
'ss,ο
″
R″
ο′′,1954,pp.202〜205.(注3)Sοσο″′
F′
υ′―ル ク′P′
α″(Government of lndia).
(注4)たと えば,OSkar Lange,M.Kalekiら が イ ン ド統 計 研 究 所 マ ハ ラ ノ ビ ス 教 授 に 進 言 し た ペ イ パ ー に み られ る
48
部 として公企業の利益 を期待 す るだけで, 日標利益率 を定 め るまでには至 ら な か った.
この当時,公企業投資 の大部分が鉄鋼業 と機械金属業種 に集 中 し,投資 の 生 産 力化が遅れていた とい う事情 もあ り,利益 を生 む段 階 になか った こ とも 事 実 で あ る.
しか しなが ら,価格 政 策 につ いて は っ き りした考 え方が形成 され ていなか った こ とも否定 で きない.
第3次 5カ年計 画期 に は じめて,公企業 の 目標利益率 を,剰余金比 率 とし て不す ことになった (注5).
この比率 は,目標 とす る公共投資財源 に対 し,鉄道 を含 む公企業 の剰 余金 の割合 として示 され た.こ こでい う剰 余金 は,減価償却 積立金 への繰 り入れ 分 を これ に加 えた粗貯蓄
(grOsS Sa宙
ng)でぁ る.グ ロスの概念 としての剰 余金比率 に対 し,第 4次 暫定計 画書 は,は じめて,総 使 用 資本 に対す る粗利益率 として11〜12%の 目標利益率 を掲 げてい る(注0.
■ 剰 余金比率 か ら粗 利益 率 へ と公 企業 のパ フ ォーマ ンスを評価 す る尺度 が変 化 した こ とは,政府 の価 格政 策 にお いて概 念上 の変化が行 なわれた こ とを物 語 る。公企業が国家の財 源 に どの程 度寄与す るかが,企業 の投 資額 に対 す る 利益率 とい う尺度 で沢
1定
され る こ とを意味 してい る.、 それ では, この剰 余金 な り利益 は どの よ うな基準 に よって設 定す るのであ ろ うか.この点 について公式 には明確 な政策 は示 されていない と い っ て よ い。一 つの有力な考 え方 は,前述 の ラオ教授 に よって示 され る 計画的 に設 定 され る利益"(planned profits)と ぃ ぅ概 念であ ろ う(注 7)
これ は,一定 の幅 を もって価格 が計画 当局 に よって管理 され てい る状況 の も とで企業 の生む利益 は,古典派的 意味 にお け る正常価格 と間接税等 を含 む 市 場価格 との差 として とらえ られ る。
つ ま り,前者 は財 の生 産 に必要 な主 要 費用 に設備・ 機械 等 の維 持・ 更 新 に
(注
5)r力
jガFjυ
ο̲シ
α″″′″(注
6)Fο
″′力F′
υο yσα″P′
′″―■D′
α″ θ″′′j″
ο(Planning Commission),p・
83.(注7)前掲 Rao論文,pp.172〜173.
必要 な準備金, さ らに政府 の非 投資活動 の維 持 に必要 な積立金 等 を加 えた も のであ る。
したが って,市場価格 との差 は,通常,資本主義的企業 の場 合 に含 まれ る 事業税 0売上 げ税,その他間接税部分 に対 応す るもので,政府 の立場 か らみ れ ば, これ らの部分は,財政収 入 の一部 で あ り,かつ また,公共投 資 に支 出
しうる もので もあ る.
この よ うな考 え方か ら,公企業 の剰余金 の計画 的 目標設定が行 なわれ るこ とに な る
こ うしてみ る と,経済計 画 の要請す る公 企 業 の価格政 策 とい うもの は, じ つ は剰 余金政策 とも呼ぶべ き性質 の もので,企業 が 目標 とすべ き利益率 の設 定,その前提 とな るべ き設定方式 や基準等 について政策上 の指示が な されて いない こ とがわか る。
む しろ,第2次か ら第3次 5カ年計画 期間 を通 じて,公企業 は生産 目標 の 達成 とい う産 出量 中心 の配 慮・ 政 策が先 行 したため,価格 問 題 が背後 に押 し や られ る結 果 とな った.
少 な くとも,公企業 トー タルの剰余金比率 か ら目標利益率 の設定 が行 なわ れ るまで は, プランニングの中で価格機能 の もつ意義が過少評価 され,む し
ろ物量 本位 の政策が大 きな関心事 であ った。
資金調 達 とい う角度か ら,価格政策 の重 要性 が認識 され る よ うにな ったの は, よ うや く第4次計 画書 にな っては じめ て明示的 にな った。
価 格 政 策 は,たん に資金調達 とい うull画のみでな く,経済活動全 般 にかか わ る問題 であ る.公企業が市場独 占を有 してい るか ぎ り,また,私企業活動 に大 き く依存 してい る経済構造 の もとでは,あ る特定の市場 にお け る公企業 の価格政策 は資源配分の有力な手段 とな りうる。 その意味で,公企業の価格 メカニズムの実効性 とその意義 を探 るこ とは,混合経済 の経済基盤 をあ き ら か にす る ことにな る。
(2)目標 利益率 の経済的 意味
まず,計画 当局が想定 した公企業 トー タル の粗 利益率 の根拠 を検討 してみ る。
60
第 10表 は,第2次か ら第4次5カ年 計 画 期 間 につ い て公 企 業 剰 余金 と投 資 支 出 の構 成 を示 した もの で あ る す で に述 べ た よ うに,剰余 金 の総 額 を計 画 目標 と して認 定 したの は,第3次計 画 が 初 め て で あ る。 当初 計 画 で は,剰余 金55億 ル ピー,公共 投 資 支 出750億ル ピー と し,その比 率 は73%と な って いた
第10表 各計画期間における公企業の剰余金・投資支出・粗利益率
(単位 1,000万 ルピー)
第&盗詳男認間
第
(1966〜4次計画期間
71)剰
余
金
鉄
② 公企業 (鉄道以外
)
投 資 支 出 直 接 投 資 間接 社 会 投 資
67 67
一
道
4,600 2,820 1,780
8,630
5,3323,298
1,345
260
9,345 6,620
3 総投資支出に占める
乗」余金の比率 罰 %│ 53% 84%
4
粗 利 益 率
18% 26%(注)1 乗」余 金 とは償 却 後,利子・ 税 金・ 準 備 金 支払 前 の粗 利 益.
2 直 接 投資 とは公 共部 門 投 資 の うち,電力,小工業,大工 業 ・鉱 山,運輸 ・ 通 信 に対 す る投資 で あ り,農業 ・村 落 開 発 ・ 灌漑,社会 サ ー ビス
,
在庫投 資 を除 く公 企業投資 と考 え られ る もの3 粗 利 益率 の推 計 方 法 :計画期 間 中 の乗」余 金 を前計 画期 終 期 の 累 積 投資 額 十 当 該 計 画期初 年 度 の直 接 投資 支 出額 を もっ て除 し た年 率 を示 す
4 第2〜第3次計 画 の数 値 は実績値 Fογ″′力
Fjυ
′yο
″P/α
″‑4D″″夕 θ″′″″p.80 第4次計 画 の数 値 は次 の資 料 に もとづ く。
D″
α/̀Fο
″″′力P/α
πl iィ
ク′″′α′α″′F′
″′″σjα
′Bα
ノα″ε´s(1964〜 65,コ 9γ
θ〜 γノ,ノθ75〜 γθ), by Perspective Planning Division, Planning Commission,
1966, Section 4, Financial Balances
ょ り実績 は,同表 にみ られ る よ うに,支出が113億ル ピー増加 した の に 対 し て,剰余金 は7億5,000万 ル ピー減 とな った。 したが って,その比率 は5.3%
に とどまる.
これ にたい し,第4次計 画草案 に よ る と,剰余金 の比率 を8.4%と 設定 し て い る.
そ こで, この剰余金 の 目標額 と,技下 資本の利益率 との関係 を調べてみ よ う.
第3次計 画期間 で実現 した47億5,000万ル ピーの剰余金 は,第2次計 画 の 終 期1960/61年 まで に投下 された累積 投資額 と第3次計 画 の初 年度1961/62
年 度 の工 業部門投資額 に よって生み だ され た もの と仮定す る。
これ は,第2次計 画 で重 点投資の対 象 とな った鉄鋼,機械,化学肥料等 の 公企業 が第3次計 画期 の中央 か ら稼 働 し始 め,利益 を計上 して きた ことか ら み て,一応妥 当な仮 定 と考 えて よいで あ ろ う.つま り,投資 の生産力化 に必 要 な時 間上 のずれ を3〜 5年とみてい る (注 81
第3次計 画期間 の粗 利益率 は年率1.8%と な り,第4次計 画 期間 では,同
様 の仮 定 に もとづ くと, 2.6%とな る。
この数値 は鉄道 を含む,広義 の公企 業 を対象 としてお り, これ を中央政府 所 管 の会社形態企業 に限定 してみ る と剰 余金 の内容 は,全体 の74%を減価 償 却 準備 金が占め, 留保 利益 はわずか26%にす ぎない こ とが わか る (第
11表
参 照).
計 画 書 が示す剰 余金 は, この よ うに減価償却費 を含む粗 利益 として計 算 さ れ て い るか ら,厳密 な意味 での投下 資 本 に対す る利益率 を示す こ とにな らな レヽ
.
そ こで,会計検査院決算報 告書 の資料 を用 いて粗利益率 の計 算 を行 な って み る.
決 算報告書の方式 に したが って各企業 の財務内容 をみ る と, まず,資本構
(注8)W.B.Reddaway,r力 ′ っ′υ´′
q′
″′″′α′ め′」″ピjα
″Eο
ο″ο″ノ(London:George Anen & Unwin Ltd.,1962), pp.189〜 196,Appendix A, ̀̀Importance of Time‐Lags for Economic Planning''参 照62
第
11表中央政府企 業 の剰余金構 成
1961 / 62
1962 /// 63 1963 / 64
1964 // 65
7.5 13 2
144
18 0
213
22.7 47 2 57.2
73 9 63 4 76 6 75 2
76 1(単位 1,CHl万 ルピー
)
留保利益 に
)
減価償却
合
(2)
〔資 料 〕 B.V.14ehta,
Surplus of Public Enterprises," Eε
ο″ο″jσ
′″グ PO/j″ ε″′陥 ″ノノ
,V。
1.1(Nov.19,1966)No.14,pp.585〜586
造 につ いてい くつか の問題点 を指摘す る必要があ る.(1)利子率 の開差 企業 ごとに長期借 入資金 の利子 が異 な った り,利子 負 担 が免 除 され る企業 もあ る。(たとえば,ヒ ン ドゥスタン鉄鋼会社は,1962年 3月31
日まで, 総額
35億
7,CX10万ルピーの対政府借入金に対する利子支払いが 免除きれた)
また, 2〜10年 の間利子支払 いが繰 り延ぺ られ る場合 もあ る。
(2)配当金 の凍結 配 当金の支払 い は多 くの場合 な されず,その まま準備 金 に くみ入れ られ る。1965/66年度 の18会 社 につ いてみ る と,総払込 資本額 に対 す る配 当率 は6.9%と な るが,未配 当の会社 を含 め合計60社 の平均配 当 率 は0.27%と きわ めて低 い(注9)
(E9) e&B|Jm*# : (l)Hindustan Insecticides Ltd. (6.0"/o),(2) Hindustan Cables
Ltd. (5.9'/o),(S)H.v.r.00.0%),( )State Trading Corp. of India Ltd. (10. 0
fu) ,lg) Mazgaon Dock Ltd. (4. 2%), Gl Bharat Electronics Ltd. (a. g"/o) , (7)Garden Reach Workshops Ltd. (4.5%), (g) praga Tools Ltd. (J.g%),
(9)Indian Rare Earths Ltd,. (2. \fu), (gN ational projects Construction Corp.,
Ltd. (5.6fu), [flAshoka Hotel Ltd. (e. sfu), [flMogul Line Ltd. (T.s%),
[t) Central Road Transport Corp., Ltd. (40.0%), fl{ Indian Telephone
Industries Ltd. (4. 7o/s), figHindustan Antibiotics Ltd. (10. Oala), flgNational Instruments Ltd. (2.L%), m National Newsprint & paper Mills Ltd.
{5.9%), flg Manganese Ore(India)Ltd. (7.8%).
0 土地・ 建 物等 の無償供 与 。中央政府 または州政府 は工場建 設 に必要 な 土地 。建物等, また,電力 。原 材料 な ど生産要素 を無償 または名 目的 な価格 で譲渡す る場 合が多 い
これ らの特 別措置 を受 け る会社 は,剰余金 の計上 は過大 に評価 され る結果 となるこ とはあ き らかであ る そ して,大むね,資本 コス トが過少評価 され る傾 向がでて くるのは当然 であ る
中央政府企業 の資本構成 もまた一定でない (注 101.
株 式払込 資本 と借 入金 の比 率 は,原則的 には1:1の割合 を維持 す る こ とが 望 ま しい とい う方針 が計画 当局 か ら示 され て い る.
た とえば, ヒン ドゥスタン鉄鋼会社 は,1966年3月 末決算の段 階 では,払
込 資本金52億 8000万 ル ピーに対 し,中央政府か らの長 期借入累積額43億 2000 万 ル ビーの資本構成 とな る。
この結 果,払込資本対借 入金比率 は,1964/65年の1:067か ら1965/66
年の1:082に とな った (注 11)
以上 の諸点 を考慮 して, こ こでは払込資本 タームでな く総使用 資本 に よる 粗 利益率 をみ る こ とにす る ここで粗利益 とい う場合,固定 資産償却後,課
税前利益 に利子 を加 えた もの で あ る.
第12表 は1964/65年度 にお け る中央政府所管 の会社形態企業42社 と公共企 業体4社の合計46社 について純利益率 な らびに粗利益率 を計算 した ものであ る 建 設段 階 13社 を除 くと,工業分野 で現在稼 働 中の企業42社 の平均粗 利益 率 は3.6%,公共 企業体4社 1.1%と な る 政 府会社 と公共企業体46社 の平 均粗利益率 は33%と な る
この よ うに して得 られた平均粗 利益率 は,前述 の計画書 に示 された粗利益 率18%と比 べ る と比較的高 い水準 にあ る といえ る.
しか しなが ら両者 を厳 密 に比較す ることはむずか しい す で に述 べ た とお
(注
10)1964/65年度 の長期借入金 の財源は
,中央政府
906%,州政府
02%,外国 借款
7.2%,その他
2.0%とな り
,中央政府 に依存 す る度合が圧
l‐」
l的に大 きい
.(中 央政府
1965年決算報告書 )
(注
11)r力ο■″″″α′ Rθ ′ο ″
‑1965/66(The Hindustan Steel Ltd。)p・7.
64
第
12表
公企業59社
の利益率 (1964/65年 度)
(単位 1,000ル ピー
)
総資 純利益率 は
)
純 利 益
(2)
粗 利 益
(3)
粗利益 率
(3) (1)
(1)政 府 会 社
② 公 共 企 業 体
0 」ヽ 計 0)十(2
14)建設中の政府会社 t5)合 計 0)十
14)
228,621
5,277233,898
‑117,553 116,345
521, 23, 544,
‑55,
489, 431 542 973 482 491
36
1 1
33
一
〔資料〕 著者推計, 詳細は付属資料第 1表 参照
り,計画書 で示 され る剰 余 (Surplus)概 念は,グロスの貯 蓄 として とらえ ら れ て い る。
これ に対 して,59社の粗 利益率 は償却後,課税利子支払前利益 を基礎 とし て い る.
つ ぎに,参考 まで に払 込 資本lC対す る 純利益
(禾
U子十税金―準備金)の比率 をみ る と,政府会 社42社 の純利益 率16%,公共企業体0.2%とな る.59社全 体 の 平 均 は1.4%を示 す (詳細は巻末付属資料第 1表 「公企業の利益率」を参 照)以上,粗利益率 と純 利益率 を もって,公企業 の実績 をみた その結果,第 4次計 画書 に示 され る 目標粗利益 率 は,投下 資本 に対 す る純利益,あるいは 限界利 益率 を高 め る こ とに よるの ではな く,むしろ,剰余金構成 の約70%を
占め る減価償却費 に よって支 え られ てい る こ とが理解 で きる。
この こ とは,企業 のパ フ ォーマ ン スを減価償却 を含 む剰 余金 の大 き さに よ って評 価 す るこ と
lCな
り,その結果,企業 の経営者 は,設備・ 機械 の耐用 年 数 や償却率 を無視 して費用計算 を人 為的 に行 な う危 険性 の あ る こ とを暗示 して い る(注 12).
計 画 当局者 が公 企 業 トー タル の一般 的 な 目標利益率 を設 定 す る こ とは きわ
めて困難 で あ り,また非現実的 であ るこ とも十分理解で きるこ とであ る。 し か しその反面 生産物 の費用・ 価格 関係が考慮 され ないままに,企業 の剰 余金 の規模 が,公企 業のパ フォーマ ンスの尺度 とな る と,企業 の運営 維持 に必要 な最少限 の企業性 の原則が そ こなわれ る恐れ が あ る
2.利益率 開差 とその背 景
前項 で は公企業 の利益率 の水準 とその問 題 点 を検討 した.つぎに,純利益 率 が,それ ぞれ企業 ご とに どの よ うに異 な るのか, もし開差 が大 きけれ ば,
その開差 を規定す る要 因は何 か をあ きらか に してみ よ う. 第13表 純利益率階層別会社分布 (1964/65年 度
)
純利益率の階層 総払込資本額 (%) 使用総資本額 (%)
は
)赤9)1 %以 0)1 %〜 3 14)3 %〜 5 t5)5 %〜 10
(61 10 %〜15 (7)15 %以
合
計 字 下
%
%
%
%
上
9 5 2 5 10 6 9 462 17 1,912,77
5,788,
485,51 736,21 354,34
164,2 210,259.
5
7 3 17
16 48
61 94
6 47 6 56 3 38 1 85 3 28 100 00 19,812.705,560
9,652, 100
10,164,277 1,061,79C l,077,90C 555,313
305,061539,234 16,409,144
(注
12)V.V.Ramanadham教 授 は, この点 を実 例 を もって指 摘 してい る また筆者 の イ ンター ビュ ー調査 で も,減価 償却 の 方 法 に つ い て は まっ た く経1■
者 の 意志 決 定 に ゆ だ ね られ てお り, 国家 の設備 投 資 財 源 をふや す とい う観 点 か ら決 め る こ とが望 ま しい, とい う意 見 が多 くみ られ た 企 業 の観点 よ り, 国家 の 財 源 と い う考 慮 が先 行 して い る と思 わ れ るヽア
.ヽ
「. Ramanadham,Surpluses of Public Enterprises," Bα sjσ P′
′θ' read at Seminar on Public Enterprises,Osmania University,Hydcrabad(June 18‑19 th. 1966), p. 11・(単位 1,000ル ピー
)
〔資料〕 付属資料Ⅱ第5表 「純利益率階属別の会社分布」参照
こ こで は,利益率 を純利益 の使用総資 本 に対す る比率 とす る。粗 利益率 に は, さきに述べた よ うな政府 の特別措置 の恩恵 を受 け,資本 コス トが過少評 価 され る傾 向が あ る.純利益 率 の指標 は,費用 の競争性 をか く乱 す る諸要 因 が排除 され,費用―価格関係 や価格政策 の影響が比較的反映 され る もの と考 え られ る.
第13表 は,純利益率 を6階層 に分 け,それ ぞれ企業数 と総払込資本額 な ら びに使用 資本額 を集計 した ものである(注 13).
この表 か らあ き らか な こ とは,純利益率 の開差 が会社数,資本額 ともに き わめて 大 きい とい うこ とであ る。
この開差 を,1958/59年な らび に1964/65年 の両年度 を比較 してみ よ う
̲
1 (付属資料第 5表 と第 6表 にもとづ く
)
赤字計 上 の会社 は,1958/59年度 にお いて34社 総払込資本額 の22.14%, 1964/65年度 には46社 全体 の19.81%を 占め る.
純利益率1%未満 の会社 は,1958/59年度 の27.36%に たい し,1964/65
年度 は59.97%に 増加 して い る。 これ は,公企業 の うち最大規模 を もつ ヒン ドゥスタン鉄鋼会社が1964/65年度 には,はじめて利益 を計上 したためであ る
以上 の赤字会社 と1%未
i商
の会社 を加 える と,1964/65年度 で は,約80%に達す る.
この こ とは,公企業投資の約80%が, 1%未満 の きわめて低 い収 益率 に留 ま ってい る こ とを示 してい る.
純利益率 の各階層別開差 は,会社数で も,総払込 資本額 で も低収益性企業 に大 き くな り,縮小 よ りもむ しろ拡大す る傾 向 にあ る.
個 々 の会 社 につ いてみ る と,(1)赤 字 または,低収益 水準 にあ る もの,(2)平 均的収 益性 水準 にあ るもの, そ して,(3)比 較的高い収益性水準 にあ る もの と 二 つの型 にわけ られ る.
この よ うに開差 の動 きを5年間 の時間上 の流 れ の中でみ る と,おそ らく,
以上 の三 つ の型 に該 当す る各企 業 には,それ ぞれ利益率 を規定す る一定の共
(注
10集計方法はV.V.Ramanadham前掲論文の示唆に負う通 す る要 因 が 内在 して い るの で は な い か とい う推 浪1が成 り立 つ.一定 の 共 通 す る要 因 と して,第1に政 府 の低 価 格 政 策 が低 利益 率 を規 定 して い るの で は な い か。
第2の要 因 と して,費用・ 価 格 関 係,価格・ 産 出量 関 係 をめ ぐる経 営 能 率 の 低 さが,同じ く低 利 益 率 を規 定 して い るの で は な い か.
この二 つ の仮 説 をた て て,それ ぞれ 三 つ の型 の背 後 に 内 在 す る問 題 点 を検 討 す る.
第2節
市場 の型 と価 格設定 の実 際
前節では,企業間における利益率開差の背景には,市場ないし産業の型に しぶじてあ る種 の価格政 策 が作用 して い るのではないか とい う推 論 を試 み た.
企 業の利益率 の水準 や,企業間 の開 差 は もろ もろの経 済 的,非経済的要 医│ に よって影響 を うけ る こ とは当然 であ る。前節 の分析 では, それ ぞれ の企業 には意識的
lCせ
よ,あるい はあ る種 の慣 行 の よ うな もの にせ よ,価格設定 の 基準 ともい うべ きものが存 在 してい る と思 われ るそ こで,本節 では,市場 ない し産業 の型 ご とに,い くつか の会社 を対 象 に 価格設定 の実際 を検討 す る。
い うまで もな く,価格設 定 の実態 をあ き らか にす る こ とは, きわ めて困難 な仕事 であ り, ここで利用 した資料 ない し情報の多 くは筆者 のイン ター ビュ ー調査 に もとづ くもの であ る.
一 般 に公企業 の価格政 策基準 に関 す る理論上 の文献 は多 いが,その実際面 を究 明 した調査 は きわめて少 ない (注 14).
す でに述べ た よ うに,理論 と実 際 の距離 はい ち じる し く乖 離 してい るのが 事 実 であ る。実際 の価 格設 定 は,多くが政治上 の配慮や政策的必要性 に よっ て,個別的 に しか も論理 的体系性 を もた ないままに実 施 され てい る とい え よ
(注
14)公
企 業 の価 格 設 定 方式 をめ ぐる理 論 的 基礎 を扱 っ た文 献 として,下記 の もの が参考 に な る 加 藤 寛 編『 公 企 業 の 経 済 学』, 日本 経 済 新 聞 社(昭
和41年),ならびヾに G.S. Bhalla, Economic Theory and Public Enterprise Pricing,''
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ル″″″α′,Vol.XH(Oct.〜 Dcc.1964),No.2,pp.156〜 166 68う.その結果,価格政 策 を通 じて資源 の合理的配分 を意図 した に もかかわ ら ず,その方向 とは逆 にか え って市場機能 を悪化 させ る とい う事 態 を生み だ し かね ない.
本節 は以下 にお いて,個々 の会社 では価格設定 が どの よ うな基 準 とね らい の も とに行 なわれてい るか, その問題点 はなにか をで きるだけ具 体的 に究 明 す る.
1.市場 の型 に よる分類
公企 業の大部分は,その性 質上,市場 にお いて独 占的影響 力 を もつのが普 通 であ る したが って,いま,価格 の競争性 とい う観点か ら公企業 の市場 を 分類 す る と,に)独占型,(2)寡占型,鱚)名 目的競争 型 の三つにな る。
に)の独 占型 は,その企業 の生産物が唯 一の需要者 であ る政府機 関 に よって 購入 され る需要独 占の性格 を もっている。 た とえば,バハー ラ ッ ト電子工学 会社 (Bharat Electronics Ltd)の エ レク トロニ ックス製品,イ ン ド電 話機製 造会社 はndian Telephone lndust五 es Ltd)の 電 話器 。設備, ヒン ドゥスタ ン・ ケー ブル製造会社 (HinduStan Cables Ltd)の 電信用 ケー ブル,チ トラン ジ ャン機関車製造会社 (Chittaranian Locomot市e Work→ の電 気機関車,全
:国
石炭 開発公社 (National COal Development Corporation)の洗炭 な どは政 府 が唯 一 の需要者 とな って い る.0)の寡 占型 は,同一産業 に少 数の独 占的公企業 だけがあ る場 合 と,少数 の 独 占的私企業 とともに同程度 の独 占力 を もつ少数 の公企業が併 存す る場合 に わけ られ る
前者 は,少数 の公企業相互 で不完全競争 または独 占的競争 が成 立 してい る 状況 に近 い もの で,たとえば,総合車両工場 (Integral coach Factory)と 鉄 道省車両 庁 が そ うであ る.
後者 の場合 は,鉄鋼業や重電 気機械産業 にみ られ る.私企業 の タタ鉄鋼会 社 (Tata lrOn&Steel Ltd)な らびにイ ン ド鉄鋼会社 はndian lrOn&Steel Ltd)の2社に対 し公企業 の ヒン ドゥスタン鉄鋼会社(ルール ケ ラ〈Rourkera〉,
ビライ<Bhilai>, ドゥル ガ プール<Durgapur>各 製鉄所 を経 営)と ボ カ ロ
鉄 鋼会社(BOkarO Steel Ltd建設中)の 巨大会社2社が存在 して い る
この よ うな寡 占形態 の も とでそれ ぞれ の企業が どの よ うな価格設定の方式 を採用 す るのか,公企業 の価格指導者 としての機能 はなにか。 とい う問題 は 非常 に興 味深 い.この寡 占形態 を混合寡 占 (MiXed Oligopoly)と 称 し,今 日の 低 開 発諸国 に顕著 にみ られ る新 しい産 業 組織 と考 えて よいで あ ろ う(注 15).
(3)名 目的競争型 は,同一 産業 に多数 の私企業 とともに複数 の公企業が存 在 す るが,価格 は,国内 な らび に国際的価 格 との競争性 に もとづいて政策的 に 決 定 され る一種 の統 制価格 に近 い性 質 の ものであ る.
た とえば, イ ン ド肥料公社 (Fertilizer Corporation of lndia Ltd)の 窒 素肥 料, ヒン ドゥスタンエ作機械会社(HinduStan Machine Tools Ltd)の 各種 工 作 機 械,重電 気公社(Heavy Engineering Corporation Ltd)の 重電気機 械,
ヒン ドゥスタン 抗 生物質製造会社 (HinduStan Antibiotics Ltd)の ペニシ リ ン,ス トレプ トマ イ シン等 の抗生物質 な どが その代表例 であ ろ う。
2 価 格設定 の実 際
以下 のケー スス タデ ィで は,まず企業 の概況 を簡単 に解説 し,つぎに価 格 設 定 の方式 や基準 を検討 す る。 なお, こ こで利用 した資料 や情報等は断片 的 な材料 が多 く,また,鉄鋼 会社 をの ぞいて調査時点 は1962年 現在 であ る。
(1)独占型公企業 の場 合
●)バ′ヽ一ラ ッ ト電子工学会社 (Bharat Electronics Ltd.)
この 会社 は,1954年に電子工学関係部 品の製 造 を目的 に設 立 された政 府会 社 で あ る.
フ ラ ン ス企 業 (COmpagnie General―de―Telegraphic Sans Fil)と の 間・ に 1953年 1月 1日 か ら向 う10年 間 にお よぶ 技 術 援 助 契 約 が 成 立 した
生 産 は1956年 1月 1日 か ら開 始 して い るが,当初 計 画 の11.9%程度,1959
年 末 で よ うや く215%にす ぎなか った (注 161.
(注15)混合 寡 占下 に お い て 公 企 業 の価 格 ・ 販 売 政 策 が 私 的 独 占価 格 に 対 す る対 抗 力 効 果 を もつ 点 を理 論 的 に 分 析 し た下 記 の 論 文 が 有 益 で あ る.
ヽ
Villiam C.Ⅳ Ierrill and Norman Schneider, Government Firms in Oli―
gopoly lndustries: A Short―Run Analysis," 0″
α″′′/Jノ
ノ0″
″″クノ οF Eε ο″ο″′rs,
Vol.LXXX(August 1966)No.3,pp.400〜 412.
(注16)Fifty―Ninth Report(Second Lok Sabha)of Estimate Committee,1958〜
59(April 1959),p.3.
60
生産 の遅れが, と くに目だつ公 企業の一 つ として,下院 の監査委 員会 はた びたび,会社経営 の実 態 を究明す るな ど世上 の注 目の的 となった.電子工 学 製 品の唯 一 の独 占企 業 として,生 産 の遅延 が 問題 とな るばか りか,そ の価格・
費用関係 が同時 に監 査 委員会で問 題 とされ た。
製品価 格 は,原料 総 原価 と労 務 費 を中心 とす る.主要 費用に一定比率 の間 接費 を加 えた総費用 に10%の利 益 を掛 けて設 定 され て い る(注 17).
間接費 は工場 の設備 能力が完全 に稼働 した場合 に必 要 とされ る経 費 として 計算 され る。
この よ うな基準 に よって設定 され る価格 は,同種 の輸 入品 と比 べ かな り割 高 とな ってい る こ とが 指摘 され た (注18).そのため, この会社の唯 一 の需要 者 であ るはずの政府 機 関 (鉄道省,航空会社,全イン ド放送局,警察など)は,輸
入品 を購 入す る とい う事態 さえ生 じた.
高価格 の原 因 は,輸入原材料・ 部品費 と間接経費 にあ る といわれ る.も っ とも輸入 す る原材料 や部品類は,通常 の民 間 ベースに よ る輸入関税31.5%の
高率 に対 し,わず か2.625%の特 別措置 を受 けてい る。
この よ うに同種 の輸 入価格に比 較 して割 高 な国産 品 を積極的に保 護す るた め,政府 は,政府機 関 の物資調 達 方針 として,輸入 品 と国産品 との価格差 が 25%の限 度 内にあ るか ぎ り国産 品 を購入すべ きことを勧 告 してい る(注 19).
この よ うに価格 の競 争力を劣悪 に してい る要因は,輸入原材料0部品 の相 対価格 もさる こ とな が ら,間接 費 の部分 に あ ることを指 摘 してお こ う。
いま,大蔵省 に提 出 した原価計 算書 に よって,間接 費 の比率 と, これ に も とづいて計算 された生産費の構成 を調べ てみ る(注20).
生産費 は,(1)直 接 労 務費,121原 料費,(3)そ の他 の直接 経 費,に)間接費 に分 け られ,後者 は さ らに,は)工程段 階 (ShOp OVerheads),(2)工 場段階 (Factory
(注 17)Thirty―
Ninth Report of Estimate Committee,1956〜 57(Dec.1956),p.44,(注
18)Sixth Report of Public Accounts Committee,1957〜58(April 1958),
ヽ「ol. I―
Report, p. 31.(注 19)Thirty―
Ninth Report of Estimates Committee,1956,p.47.(注
20)Sixty―Eighth Report(Second Lok Sabha)of Estimates Committee,1959〜60(Dec.1959),Appendix IV,pp.90〜98.
Overheads),輪)原材料段 階 (Materia1 0verheadS),そ してに)管理段 階 (Ad‐
ministrative OVerheads)に 分類 され る.
これ ら間 接費 は,工場 が100%の能 力生産 を行 な うとの仮 定 の も とで所要 され る直接 労 務 費 に対す る比率 として計算 され る.こ の 比 率 を575%と定 め, これに,(1)総生産費 に対す る 特 許料 (技術提携会社に対 して支払われ るべき
もの)3%と ,12)同 じ く総 生産費 の1%を ノウ・ ハ ウ (knOw̲hOW)の費用
としてそれ ぞれ 加算す る.
これ らを主要費用 に加 え ると生産 費が示 され る。主要費用と間接費用 を生 産 量別にみ た のが第14表 であ る.
価格構成 の 内訳 として,原料総 原 価 と間接 費 が大 きな比 重 を占め,これ ら が 価格の競争 性 を左右す る もの と考 えてよいで あ ろ う。
第14表 バハーラット電子工学会社の生産費構成
生 産量
(送信機
)台 成原 料 総 直 接 労 総 主 要
原 価 務 費
経 費
38 452 0 849 39 301
24 906
1 75626 662
22 489(単
位
1,000ルピー )
費 利 間
特 に も
接 許
生 産 費 ハ ウ の 対 価
8 895 0 320
8 895 0 942
32 326 0 314 161単
位
(7)ノ
ウ・
場J
嘲{J
441691 鉱引
(8)総
(注)1.間接 費 は直 接 労 務 費 の57.5%として計 算.
2.ノ ウ・ ハ ウの 対価 は,特許 料 を除 く総 費 用 の1%と して 計 算
〔資料〕 SiXty―Eighth Report(Second Lok Sabha)of Estimates Committee,
1959〜
60(Dec.1959),Annex II(p.97)ょ り(口
)イ ン ド電話機 会社 (IndianTelephone lndustries Ltd)この会社 は,1947年のイ ン ド独立後 は じめて,中央政 府が設立 した公企業 として有 名である (注21).1948年 7月 に設 立 されて以来,1950年 1月 31日 ま で政府 が直接経営 にあた っていたが,同年2月 1日か ら会社法 に もとづ く政 府 会社 形 態 に改組 され,1953年 に操業 を開始 した。製品 は 自動電 話機 を主 に,
電 信電 話設備の製 造 を行な ってお り,政府 の電信・ 電 話 局 (The POSts and Telegraph Departments)ヵ ミ需 要 者 とな って い る 典型 的 な需要独 占企業 であ
ろ う.
価格 設定の方式 は,部品製 造費用 と組 立工程 に従事 す る労働者 の費用 を加 えた主要 費用に対 し, 2%の販 売 のための間接費をか け,10%の利益 を加 え る。 この 中には, さ らに総 費用 プラス10%に特許料2%と特許料 所得税1%
を加味す る.
卓上 電 話器の費用 構成 を示 した ものが第 15表 である.
第
15表
卓上電話器の費用構成 ‑1952/53年一用
(Rs.))原料 費 総 原 価 崚)間 接 費
は)生 産 費 合 計 (0)+9)) に)利 益 比 率 (10%)
6)販 売 間 接 費 (2%)
6)包 装 費 等
(7)写諄費暮筆尋鼈親くキ
F湯「 る2%)
(D費 用 の 合 計
88 08
4 8892 96
9 29 1 862 80
2.12tfF+l Tenth Report pendices, (June.
of Public Accounts Committee, 1953〜
54,
1954),p. 227.
Vol. H―
Ap‐(注
21)第 3章第2節で この 会社 の 投 資 決 定 の プ ロセス を述 べ て あ る.価 格 設定 の方式 は,前述 のバハ ー ラ ッ ト電子工学 会社 と同様,主要費用 に 一定比率の間 接費 を加 え, これ に10%の利益 を加味す る 「フル 0コ ス ト」 主 義 を とる(注 22).
い ま, この会社の費用 構成 の変化 を生産が軌道 に乗 った1954/55年 か ら 1959/60年 間についてみると第16表になる.
第16表 イン ド電話機製造会社における費用構成の変化
年 度 1954/55 1957/58 1958/59
費用構成 Rs.│% Rs.│%
%
I鼈ソ15
1
2269
1058 184452 130 24 74 6 21 4
4014)間接費の比率((3)/0))
t5)費用の合計 《1)〜 6))
〔資料〕 1954/55か ら1959/60年 度の年次報告書より作成
この会社 の価格政策 として特記すべ きことは,製品の納入先 であ る電 信・
電 話 局への販 売価格が,会社 の技術 提 携 先 とな っ て い る The Automatic Telephone and Electric Co.Ltd.,Liverpool(UK)の 同機種輸入価 格 と 同 じ,また は
,そ
れ以下 に な るよ うに価 格 設定 が行 なわれ て い るこ とで あ る.この こ とは,会社 の経 営 の能率,生産性,パフ ォーマ ンスを輸入価格 に リ
到引引鵬 looo1524 引
(注22)こ の 「フル・ コス ト」 主 義 (Full Cost Principle)と 、 をイ ンタ ー ビュー調 査 を もって実 証 し たホー ル と ヒッ では多 くの独 占公 企 業 で採 用 され て い るよ うで あ る
R.L. HaH and C.」 . HitCh, ̀̀PriCe Theory and θ″
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′′Eσ
ο″ο″′c Pσ′′″s, 1939.わ れ る価 格 設 定の 実 際 チの 考 え方 は,イ ン ド Economlc Behavlor,'
(単
位 10万ル ピー)
くわ し くは,安部 一 成『 現 代独 占 と経 済成 長』,紀 伊 国屋新 書