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長野工業高等専門学校学生の

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(1)

長野工業高等専門学校紀要 ・第 2 9 号 ( 1 9 9 5 ) 1 0 9

長野工業高等専門学校学生の

体力 ・運動能力に関す る現状 と課題 について 内山了治 塚田修三 加藤俊也

( 平成 7 年 10 月 31 日 受理)

Characteristics of physical fitness and motor performance 

of Nagano National College of Technology Students

By Ryouzi Uchiyama Shuzo Tsukada and Toshinari Kato

P u r p o s e so ft h i ss t u d ywe r et oc l a r if y t h ec h a r a c t e r is t i c so fp h y s i c a l丘 t n e s sa n d mo t o rp er f om a n c eo fNa g a n o Na t i o na l Co l l e g eo fTe c l mo l o g y St u d e n t s .Ph y s i c a l 丘 t n e s sa ndmo t o rp er f oma nc ewe r eme a s u r e db yas p o r t st e s td e v e l o p e db yMi n i s t r y o fEd u c a t i o n. t hema i nr e s u l t swe r ea sf ol l o ws :

l ) Fi r s t

y

e a rma les t u d e n t s;Ph ys i c a l丘t n e s sa ndmo t o rp er f o m a n c ewe r ee q ua l t ot h en a d o n a la v e r a g eo f1 5y

ears.

2 ) 2 , 3 , 4 a nd5 t h.y e a rs t u d e n t s( ma l ea ndf e ma l e ) ;Th e ywe r el o we rt ha nt he na t i o n a la v e r a g eo fe a c ha g e.

3 ) Po o rd e v e l o p me n ta p p ea r e di nt h et e s ts e e mst obebr o u g hta b o utb yt h e i r hc ko fe x e r c i s e .

1 . は じ め に

近年の生活環境 ・労働環境や食生活など生活諸条件の変化によ り,体力や運動能力の低下, 肥満や成人病の増加等が報告 されている

1

6・7)

.特に文部省 による昭和 3 9 年以来の体力 ・運 動能力調査結果7 )か ら青少年における最近数年間の傾向は,程度差はあるもののほとん どの 年齢において体力 ・運動能力 ともに低下傾向が認 められ,特に高等学校以上の年齢段階で顕 著であることが報告 されている.また,経年的変化 に関 して,体力のピーク年齢は男子 1 7 歳, 女子 2 0 歳頃 と考えられてお り,男女 とも 1 7 歳頃までの体力の向上は顕著である.運動能力は, 男子は 1 7 歳頃までに急激に向上 し 2 3 歳頃 ピークに達 し,女子は 1 3 歳頃までは向上す るがその 後停滞 し 2 2 歳頃 ピークに達 している.運動能力の加齢に伴 う発達傾向は男女間に大きな差違 がみ られ,女子の早熟性を うかがわせ ることが報告 されている3 ).

事 一般科 講師

H 一般科 助教授

暮‥ 一般科 教授

(2)

1 1 0 内山7治 ・塚田修三 加藤俊也

体力 ・運 動能力は, ピー クに達 した後は加齢に伴いゆるやか に低 下す る

2・7)

が,青年期 に 達 した体力 は一生の上 限 とな り,青年期 ・壮年期 以降の体力 レベル を左右す る

6

・7 )と考 え ら れ る. したがって, この時期 を‑教育機 関で過 ごす高専生 に とって,運 動 との関わ り方 は, 生涯 の体力や運動能力 , さらには心身 ともに健康 な生活 を送 るための重 要な要素 として位 置 づけ られ る と思 われ る. しか しなが ら,本校 にお いては , 5 年 間継続的 に主体的に運動 に取 り組 む学生 は少 な く,運動不足 を実感 しなが らも,体育授 業が唯一 の運動機会 とな るこ とが 多い.体育授業 は 1‑ 3 年生 までは 2 単位 ( 高校 生は 3 単位) , 4 ・5 年生は 1 単位 のみで あ り,授業 中は この年代 に見受 け られ る,エネル ギ ッシュな躍動感 あふれ る姿は少 なく,身 体運動 を極力避 け疲 労を蓄積 させ ない よ うにす る面 も見受 け られ る.また,放課後 ,運動 に 費やせ る時間 も短 く,運動 クラブ も高等学校 ほ ど活発 ではない ことな どか ら,体力 ・運動能 力 ともに向上 させ られ ない実態が予想 され る.

そ こで,本研 究は本校 学生 の体力 と運動能力の実態 を把握 し,同年代の青年 と比 較検討す るこ とによ り,課題 を明確 にす る とともに,少ない体育授 業 を よ り効果 的 に指導 してい くた めの基礎的知見 を得 ることを 目的 とした.

'2. 方 法

(1) 体力 ・運動能力実態調査

標本数 は表 1 , 2 , 4 に示 した とお りであ る.調査期 間は,平成 6 年 4 月下旬 〜 5 月 と平成 7 年 4 月 下旬 〜 5 月 にかけて体育授業 中に実施 した.調査項 目は,文部省 ス ポー ツテス ト ( 体力 診断テス ト,運動能力テス ト) の1 2 項 目とし,それぞれ実施要項に従 って実施 した.

(2) 分析方法

調査結果 は各項 目毎男女別 に,文部省 に よる平成 5 年度体力 ・運動能力調査結果 の年齢別 全国平均値 と比較 し,差の検定は T検 定を用い有意水準は 5%以下 とした.ただ し,4 ・5 年生 男子 は全 国高等専 門学校 学生調査 結果 と比較検討 した.全 国専 門学校学生の平均値 は, 年齢別 1 8・1 b歳 の値 よ り,体力 ・運動能力 ともに高い ことが報告 されてい る

7)

.

体力診 断に関 して は,項 目間の体力 要義 を比較検討す るた めに ,H ス コア‑ を採 用 した.

なお,背筋力は平成 7 年度 の調査で器 具が故障 したため,比較項 目か ら削除 した: したがっ て,体力総合得 点 も比較 できなか った.今後,背筋力計の補正値 を衰 出 し検討す る予定 であ る.また,平成 7年度 2 ・5年 生 については, 2年間の縦 断的資料 に基づ き検討 を加 えた.

3. 結 果 と 考 察

(1)男子学生 の体力診断について

図 1 に各項 目別 に学年別 H ス コア‑ を示 した ( 各項 目とも全 国平均値 は H ス コア‑で 5 0 と

な る) .図 1 か ら本校 男子学生の体力診 断のア ウ トライ ンを読み取 ると , 1 年生で は伏 臥上

(3)

長野工業高等専門学校学生の体力・運動能力に関する現状と課題について 1 1 1 体そ らしが全国平均値 よ り低い ものの,それ以外の 5 項 目は全国平均値 とほぼ同程度かそれ 以上の結果であった. しか し , 2 年生以上をみ ると , 4 年生の踏み台昇降運動指数 , 4 ・5 年生の握力の 3 項 目において全 国平均値 よ り高い値を示 した他 は,全国平均値 を大幅に下回

り,各体力要素 ともに劣ってい る.各学年 を横断的に比較すると,本校入学当初は全国平均 並かそれ以上の体力を有 してい るが ,2 年次以降は経年的な向上が認め られ る項 目はあるも のの,加齢に伴 う急激な向上

1・6・7)

は どの学年にも見受け られなかった.表 1 に体力診断テ ス トの学年別結果及び全国値を示 し,体力要素別 に療討 した.

1)敏捷性 ( 反復横 とび),瞬発力 ( 垂直跳) : 1年生は全国平均値 とほぼ等 しい値 を示 . Lたが ,2‑ 5 年生では各学年 とも全国平均値 より反復横 とびは 0 ・ 7 6 ‑3 ・ 1 9 回,垂直跳は, 0 . 81 ‑4 . 0 7 cm 低 く 1 % 水準で有意差が認 められた.

2)筋力 ( 握力) : 1 ・4 ・5年生は全国平均値 よ り高いが,逆に 2 ・3年生は低 くそれ ぞれ 1 %,5 % 水準で有意差が認 められた.

3) 持久性 ( 踏み台昇降運動) : 1・4 年生は全国平均 と同程度であるが , 2 ・3 年生は 低 く ,1 % 水準で有意差が認め られた.

4)柔軟性 ( 伏臥上体そ らし,立位体前屈) : 3年生以上はいずれ も 1 % 水準で有意に全 国平均値 より低 く身体が固い現状が把握 された.

(2)男子学生の運動能力について

各学年における運動能力テス トの合計点はそれぞれの年齢における全国平均値 と比較す る と, どの学年において も低 く, 1 % 水準で有意差が認 められた.学年別の傾向 としては , 1 年生はボール投 と懸垂が低 く有意差が認め られたが他の種 目は全国平均 とほぼ等 しく,合計 点での有意差は この 2 種 目が原 因しているもの と考察できる. 2 年生以上では,全国平均値 との差が大きく , 5 年生ではすべての種 目において有意差が認 め られ,運動能力が劣ってい る実態が明確になった.種 目別 では,ボール投,懸垂 ,1 5 0 0 m 走の能力が どの学年 とも顕著

D )5 年

□4 ロ E E g2 31 3 年 年 年 *

* *: 辛: P P 〈 〈 O O . . 0 0 5 1 * * * *. * * . 日 日 . .

* *■

* * I . i : . : . : 0 * : * . : . : 一

* *

* * . . . . . . .

* *.

● l l H 日 日 M M l H l l l M ‖

H llllIH H 日 日 llH MH lllH 日 日 = qG ■

3 5 4 0 4 5 5 0 5 5 図 1 H スコア一にみ る男子学生の体力

立位体 前屈

上体そらし 踏み台昇降 握 力 垂直とび 反復横 とび

Hスコア‑( 全国平均 = 5 0 )

(4)

11 2 内山了治 ・塚田修三 加藤俊也

表 1 男子学生の体力診断テス ト結果

学 年 反復横 とび 垂直とび 握 力 踏み台昇降 上体そ らし ‑立位体前屈

標本数 ( 人) 一 回

C kg

指数

C cm

1 7 6 平均 43 . 5 2 5 7 . 44 40. 7 4 由. 7 6 5 3 . ‑ 30 , 9 . 38

l

SD 4 . 3 7 6. 55 6. 9 0 1 5. 0 0 7 . 48 6 . 93

学 最高 55 77 5 8 11 5. 3 8 71 20

年 最低 2 8 3 8 2 4 44. 5 5 35 ‑1 3 7 3 8 全国平均 42 . 83 5 7 .36 40. 51 67 . 95 5 4 . 39 9. 20 SD 5 . 97 8 . 62 6. 9 9 1 3 . 2 2 9. 3 0 7 . 46

全国平均 との差 0. 69 0. 08 0. 2 3 0. 81 ‑ 1 . 09 0 . 1 8 1 7 9 平均 43 . 85 5 5 . 62 41 . 2 0 ̲ 63 / 3 7 55 .1 4 9 . 89 2 sD 4.1 3 8 .38 6. 6 4 1 2. 0 6 7 .1 1 6 . 82 学 最高 5 3 7 9 6 2 1 09 . 7 6 7 4 25 年 最低 ■ 3 2 33 2 2 37 . 8 2 31 ‑1 4 7 2 4 全国平均 44. 61 5 9 . 69 43. 4 9 69. 3 9 5 6 . 22 1 0 . 54

̲ SD ‑6. 3 3 8. 29 6. 87 1 3 . 3 4 9 . 05 6 . 94

全国平均 との差 ‑0. 7 6 ‑ 4. 07

++

‑2. 2 9

++

‑6. 02

‑ 1 . 08 ‑0. 65 7 4 平均 43 . 2 2 5 8 .1 5 43. 0 0 65 . 04 5 2 . 7 6 7 . 48 3 sD 4. 86 6 .79 7. 87 1 3 .1 0 7 . 84 7 .5 2 学 最高 5 9 ■ 7 4 6 6 1 02 . 27 71 21 年 7 45 全国平均 最低 44 . 3 8 0 6 61 .1 42 4 44. 2 6 3 9 41 69. . 67 5 7 5 7 .27 37 1 1 ‑1 .1 3 0 SD 6. 3 8 8.5 8 7.1 6 1 2. 8 9 9. 35 7 .1 9

全国平均 との差 ‑ 1 . 64

+

‑ 2 . 99

++

‑ 1 , 6 9 + ‑4. 5 3

.‑4. 51 榊 ‑3 . 62

++

1 01 平均 4 4 . 0 0 6 0 .62 46. 9 2 65 . 5 3 5 3 .3 6 9.1 4 4 . SD 4. 7 6 7 .2 4 7. 6 3 1 6. 3 9 8. 7 0 7 . 62 年 最低 21 3 8 2 8 40 . 91 20 ‑21 5 0 4 全国平均 48 .1 8 6 2. 24 45. 9 6 .63 . 3 3 5 8 .5 4 1 2 . 8 2 SD 4 . 43 6.5 8 6. 7 4 11 . 9 9 8. 60 6 . 84

全E g平均 との差 ‑4 .1 8 + + ‑ 1 . 62 * 0. 96 2. 2 0 ‑5 .l

a 榊

‑3 . 68

6 0 平均 44 .1 2 6 0. 93 46. 0 5 60 . 4 3 51 .33 8. 55 5 .SD 6 .1 4 8.93 6. 7 7 8. 7 9 8 . 94 7 . 6 6 学 最高 5 4 7 8 63 82 . 5 7 7 2 21 年 5 4 4 全国平均 最低 47 . 31 1 6 . 61 .7 2 2 4 45 . 9 2 2 2 42. 62. 2 7 5 . 9 5 7 . 22 27 1 2. ‑l 00 l SD 4 .5 6 7 .0 2 6. 5 7 1 1 . 8 3 8. 57 6. 6 4

全E g平均 との蓋 ‑3 .1 9

‑ 0.81 0 . 1 3 J ‑2. 3 6

‑5 . 94

‑3. 45

9 4 1 7 9 平均 42 . 02 ‑5 8.1 5 40. 0 3 66. 7 8 5 2 .3 4 9 .5 2 1年 SD 5 . 28 7 .6 9 6. 31 1 2. 3 4 8 . 06 6 . 89 2 年次 との業 1 . 83

‑ 2.5 3 + * 1 .1 7 + ‑3 . 41

"

2 . 8 0

+*

0. 37 9 4 6 0 平均 43 . 56 6 2 .9 7 45 . 6 4 5 9 .1 9 5 0.7 5 8. 2 6'

4

年 SD 4. 35 7. 9 6 6. 3 4 1 0. 71 1 1 . 22 8.l l ( 注)全国平均値 ・sD の値は , 1‑3 学年までは年齢別 ,4 ・5 学年は全国高等専門学校の値を示す.

T 検定 :各学年平均値 と全国平均値による. * *: P 〈 O . 01 , *: P 〈 O . 5

(5)

長野工業高等専門学校学生の体力 ・運動能力に関す る現状 と課題 について 1 1 3

表 2 男子学生の運動能力テス ト結果

走幅跳 ボール投げ チエ P

標本数 ( 人) ● 秒 一: l : I cm . L ■ , m、 ; ; 【 司 ●● 秒 I. 一 1 7 6 平均 7 . 57 . 41 2 . 60 ‑23 . 9 4 5. 2 0 ‑ 3 8 6. 47 29.1 3 l SD 0 . 5 8 4 9. 9 9 4 .31 3. 69 4 2 . 08 1 2 . 20

最高 6. 20 5 3 0 3 6 2 0 31 4 5 9

9 . 7 0 22 8 1 3 ■ ■ 0 5 98 7

1 0 5 5 全国平均 、7 . 5 4 41 3.7 7 2 6 .1 5 5. 80 381 .7 3 3 3 . 75 SD 0 . 64 5 6. 95 5 . 21 3. 67 42 .7 6 1 4. 40 全国平均との差 0. 03 1 .1 7 2. 21相 0. 6 0+ 4. 74 4. 63

++

1 7 9 平均 7 . 7 6. : 3 97 .51. 22 . 94■ 1 5. 2 2‑ 40 0 .1 2. .27 . 02 2 sD 0 . 51 5 3. 3 4 4. 44 3. 4 4 43 . 07 1 3 . 39 学 最高 ‑ 6. 3 0 52 0 35 1 7 31 5 69

年 9 . 6 0 23 0 1 0 0 5 4 6 7

1 0 7 6 全国平均 7 . 3 4 42 9. 9 2 27 . 6 1 7. 4 0 37 3 . 6 2 40 . 29 SD 0 . 6 2 5 5 . 68 5 . 47 4. 6 3 45 . 97 1 6. 20 全国平均との差 0. ' 42相 ‑32 . 41

++

‑4. 67

*+

‑2.1 8+ + 2 6. 5 0

*8

‑1 3. 27+ 〜

7 4 平均 7. 68 42 8. 67 23. 3 9 5. 84 40 4. 71 2 6. 54 3 sD 0. 55 47 . 22 3. 69 2. 97 5 0.1 5 1 2.1 9

最高 6 . 80 51 0 3 0 1 2 30 9 58

年 ̲ . MN. "… . . a. 低" I . . 1 0 . 1 0 3 2 . 0 ! . a O 5 . §0 8 1 0 8 5 全国平均 7 . 2 5 43 4. 6 8 2 8. 2 3 7. 93 37 3 .1 6 42. 60 SD 0. 7 4 61 . 64 5. 61 5. 01 4 6 .35 1 7 . 26 全国平均との差 0. 43* * ‑6. 01 ‑4. 84

++

‑2. 0 9相 31 .55

**

‑1 6, 06+ +

1 01 平均 7 . 29 431 . 27 27 .1 3 6. 84 40 2. 06 3 4. 5 4 学 最高 6. 0 0 . 55 5 40 3 0 297 7 8.

年 9. 30 40 1 6 . M. . . " "0 . 597 9 5 4 8 全国平均 7 . 2 8 445 . 5 6 27 . 7 5 8.1 0 37 8.1 1 40. 5 5 SD 0. 43 46. 20 5. 03 4. 2 0 40 . 08 1 3 . 24 全国平均との差 0. 01 ‑1 4. 29

++

‑0. 62 ‑ 1 . 2 6* * 2 3 . 95+ * ‑6. 01

.

6 0 平均 7 . 4 2 41 4. 31 25 . 24 6. 48 40 9 .53 3 0. 5 5 5 sD 0. 4 9 5 6. 3 4 4. 35 3. 4 9 48. 37 1 4. 62 学 最高 6 . 60 5 55 35 2 0 . 31 7 7 0

年 9 . 2 0 3 0 0 1 6 1 4 9 6 5

5 4 9 全国平均 7 . 2 7 44 9 . 4 6 2 7 .7 7 7. 5 7 3 84 .1 5 3 9. 5 4

全国平均との差 0.1 5* * ‑35 .1 5* * ‑2 . 53榊 ‑ I . 0 9* 25 .3 8* * ‑8. 99

9 4 1 7 9 平均 7 . 7 4 3 9 4. 88 2 3. 22 . 4.5 6 4 01 . 60 23. 7 3 1年 . SD 0 . 5 5 48 . 92 4 . 84 3. 5 2 42 . 01 11 . 8 9 2 年 次 との貴 0. 02 2. 62 ‑0. 2 8 0. 65+ ‑ 1 . 48 3 . 2 9

++

9 4 6 0 平均 ・7 . 4 8 42 0. 22 2 4. 49 5 . 3 3 4 09 . 88 28. 94 4 年 SD 0. 4 8 60. 20 4 . 35 3.1 3 55 . 97 1 5 . 6 6

1500m

( 注) 全国平均値 ・SD の値は. 1‑3 学年までは年齢別 ,4・5 学年は全国高等専門学校の値を示す.

T 検定 :各学年平均値 と全国平均値による. * +: P 〈 O . 01 , I: P〈 O . 5

(6)

1 1 4 内山了治 ・塚田修三 加藤俊也

に低 くかった.ボール投げに関 しては,投動作が未熟で,腰 と肩の回転が同一に行われむち 打ち現象が見受 けられない学生が 目に付いた.懸垂は 1 回もできない とい う学生もお り,非 日常的な運動を実施 させ ることも今後の課題 といえる.また,1 5 0 0m走では,体力診断テス トの持久性を示す踏み台昇降運動指数にも関係す るが,力 を出 し切れない学生が多い と思わ れ る.すなわち,体力診断テス トによる持久性は高いが,1 5 0 0m走中に生理的限界 よりも心 理的限界に早 く到達 し頑張れない学生が多いことが推察され る.

加藤 ・芳賀

3)

らは,昭和61 年度,本校学生の1 5 0 0m走な ど持久力を必要 とす る種 目は,高 学年 ほど劣っていることを報告 している.今回の調査でも同様な傾向が認められた. さらに, 表3に示すように,昭和61 年 当時の学生に比べ,持久的能力が低下 していることは有意 に認 められ る.他の体力要素や運動種 目に関 しては資料がな く客観的には比較できないが,全国 平均値 との開きから同様に低下 してきていることが予想 され る.

表 3 本校学生の昭和61 年度 と平成7 年度における1 5 00 m走タイムの比較 ( 単位 :秒)

a (人 ) AV S D n ( 人 ) AV S D n (人 ) AV S D

昭和61 年度 80 3 6 2 41 . 0 0 78 3 7 3 70 . 62 7 0 3 7 3 29 . 53 平成 7 年度 1 7 6 3 86. 4 7 42. 0 8 7 4 4 0 4. 71 5 0.1 5 6 0 4 0 9. 5 3 48 . 37 平均値の差 2 4. 47 ■ ' 31 . 71' 暮 3 6 .5 3事 暮

事 事: p< 0 . 01 昭和61 年度のデータは,加藤 ・芳賀 らによる3 )

(3) 平成 7年度 2 ・5年生に関する 2年間の縦断的調査結果について ( 表 1,表2 )

1 )平成 7 年度 2 年生に関 して : 1 年次から 2 年次‑の加齢に伴 う向上は敏捷性,筋力, 持久力に認め られたが,瞬発力 を示す垂直跳,柔軟性を示す伏 臥上体そ らしは 1 % 水準で有 意な低下を示 し,身体が全般的に固くなってきていることが うかがえる.また,運動能力に 関 しては,総合得点で有意な向上が認 められ,全体的に向上 しているといえる.しか し,体 力 ・運動能力 ともに加齢に伴 う急激な向上は見受 けられず全国平均 との差が拡大 した.

2)平成 7年度 5年生に関 して : 全国の高専生の 4年次 と5年次の特徴は,体力 ・運動 能力 ともに , 4 年次にピークに達 し , 5 年次はやや低下す る傾 向が見受 けられ る.本校学生 は瞬発力において 5 年次に有意な向上が認 められたが,その他の種 目は全国の高専生 と同様 な傾向を示 した.しか しなが ら,すべての種 目において,全国平均値を下回っていた.

(4)女子学生の体力 ・運動能力について ( 表4)

女子学生については標本数が少ないため,学年平均値はその構成員の特性 に左右 され る危 険性 もあるが,現状を捉 えるとい う観点か ら比較検討を加 えた.体力に関しては, 1 ・2年 生までは全国平均値 とほぼ同程度の値 を示 したが ,4 年生では瞬発力,持久性以外の項 目は 有意差が認め られ,全国平均 よ り劣っていることが判明 した. 5 年生は敏捷性以外は全国平 均 と同等の体力が認められた.また,運動能力の総合得点は どの学年 とも全国平均値 より劣

り,特に 4 ・5 年生は差が大きくなる傾向を示 した.

2 ・5年生の縦断的比較については, 2年次の敏捷性, 4年次の持久性が向上したものの,

これ以外の体力項 目,運動能力種 目については加齢に伴 う向上は認められなかった.

(7)

長 野 工 業 高 等 専 門 学校 学 生 の体 力 ・運 動 能 力 に関 す る現 状 と課 題 につ い て 1 1 5

竃 4 *k( 君子学

等 E

k

# 果 断 篭 誉 上体そ ら

u

L 立位f n t

n

A

37

平均

36.76 40.24 28.49 60.20 50.73 10.24

1 SD

3.83 6.46 6.14 7.79

8.05 8.08

886

全国平均

37.22 41.81 25.89 62.25 53.90 11.56 .

年 sD

5.06 7.02 5.06 11.70 7.96 7.07

全国平均との差

‑0.46

1.57 2.60 ‑2.05 ‑3.17+

.‑

1」32 26

平 均 ‑

38.04 43.67 ̲ 28.15 ̲58.06 52.96 ̲ 13.04

̲ 年

876

全国平均

37.96 42.64 27.41 66.17 54.25 12.56

SD

4.80 6.76 5.35 13.26 8.21 6.79

全国平均との差

0.08 1.03* ‑ 0.74 ‑8.11 *事

1.29 0.48 l

23

平均

36.61 ‑ 40.86 25.09 64.84 45.26 1109

4p sD

3.06 8.65 4.26 ‑24.80 6.40 p‑753

sD

4.69 6.49 4.73 10.91 7.90 6.23

全国平均との差

‑2.64++

1.69 ‑2.74++ 3.18 ‑9.41 ‑2.97*

18

平均

36.78 40.61 27.61 63.06 53.22 13.67

5 sD

2.76 4.79 3.47 8.67 10.32 5.03

1404

全国平均

39.68 42.15 28.24 61.25 55.48 13.72

全国平均との差

‑2.90+書

1.54 ‑0.63 1,81 ‑2.26 ‑0.05

94 26

平均

353248 46.73 2523 5800 5256 1274

∫牢 SD 66 5.42 405 764 622 726.

94 18

平均

38‑6518 45.74 2653 5651 5521 1384 4年

SD

98 8.97 ..331 .683 567 ..‑499 5

年次との差

‑ 58** ‑14.74● ‑853

‑l

l05** ‑2421 ‑2084

学年

50

m 走幅跳 ボール投げ 斜懸垂

1000m

p 合計点

37

平均

9.19 287.92 13.81 24.28 308.22 28.95

892

全国平均

8:98 299.58 15.03 27.04 ‑ 306.43 34.84

全国平均との差

0.21**

‑l

l.66**

1.22** ‑2.76**

.

1.79 ‑5.89** 26

平均

8.82 314.81* 15.19 28.54 315.69 34.04

2 sD

0.58 40.26 2.88 14.09 32.20 13.88

904

全国平均

8.90 305.78 15.73 29.05 301.08 38.48

年 sD

0.99 52.32 3.94 14.07 45.67 18.08

全国平均との差

‑0.08 9.03 ‑0.54 ‑0.51 14.61** ‑4.44**

‑23

平均

9.34 279.68 13.70 21.96 328.10 23.87

4 sD ̀

0.71 ‑40.41 2.64 11.58 37.22 ‑9.90

1788

全国平均

8.91 313.61 16.22 28.38 305.90 37.36

年 sD

0.78 .49.20 3.87 12.58 39.27 15.28 18

平均

8.81 291.28 14.94 21.56 303.28 31.50

5 sD

0.53 41.47 2.07 5.59 25.51 11.36

‑学

1508

‑ 全国平均

8.90 315.39 16.63 28.24 .308.27 37.27

年 sD

0.65 48.02 4.84 12.34 3う.75 15.32

全国平均との差

‑0.09 ‑24.11**

1.69** ‑6.68** ‑4.99 ‑5.77**

94. ‑26

平均

‑0980 8 ° 29896 1493 26.67 32062 3226

∫牢 SD 68 4313 314 9.98 5330 1367 2

年 次 との 差

16 1585 026 1.87 =‑492 178

94 ..18

平均

‑09580 28763 1426 17.95 29937 2963

( 注) ・全 国平均値 ・S Dの値 は,年齢別 の値 を示す.

・T

検 定 :各学年平均値 と全国平均値 による.

**:P〈O.01.*:P〈O.5

(8)

11 6 内山了治 ・塚田修三 加藤俊也

以上の結果か ら,本校学生の体力 ・運動能力の実態は,入学 当初は全国平均並みであ り, 加齢 に伴 う向上 も見 られ る. しか し, この時期に特徴的な急激な向上は認 められず,また, 全国平均値 との差は 2 年次に拡大することが認め られた. 退 1 回の授業の中でいかに運動量 を増や し,自分 を追い込めるよ うな質の高い運動を行わせ るか,また,運動生理学的観点か らは週 1 回の運動で トレーニング効果を期待す ることは困難であるので, 日常生活の中に運 動習慣 を持たせ る指導をいかに行 うかとい うことが,重要な課題 として捉えられた.

中ら

5)

は,高専生の運動習慣の違いが身体的発達に及ぼす影響について,週 3 ‑4 回以上の 継続的な運動実施はバ ランスの とれた身体の発育発達をもた らすが, この時期における運動 不足は全身持久力の低下,筋パ ワーの発達阻害を引き起 こす ことを述べている.本校の学生 の傾向はこの運動不足により引き起こされ る状態 と類似 してお り,今後は,学生の運動習慣 を明 らかにし,運動習慣 と発育発達の関係な どさらに詳細な検討が必要であると思われる.

4. ま と め

本校学生の体力 ・運動能力について 2 年間にわた り測定,調査 し検討 した.得 られた結果 は次の とお りであった.

( 1) 1 年生男子の体力 ・運動能力は,この年齢の全国平均値 と同等であった.

(2) 2 年生 〜 5 年生については,体力 ・運動能力 ともに全国平均値 より劣 り , 2 年次に全 国平均値 との差が拡大 している.

(3)男子学生の 1 年次から2 年次, 4 年次か ら5 年次‑の加齢に伴 う向上は,全国平均値 より低 く,一般 に言われている急激な向上は認められなかった.

(4) 本校学生のこのような体力 ・運動能力の実態は,運動の中断や運動不足により引き起 こされ ると推察 される.

参 考 文 献

1) 飯 田頴男 ・松浦義行 :基礎運動能力の領域中にしめる各下位能力領域の割合と加齢に 伴 う変化,体育学研究 31 , p p 3 9 ‑51 ,1 9 8 6

2) 市村操‑ :青年期における運動能力の因子構造の発達的変化,筑波大学体育科学系紀 要 5 , p p1 9 ‑23 , 1 9 8 2

3) 小田宮章夫 :スポーツ活動経験による運動能力の発達特性一縦断資料による因子分析 的研究‑,体育学研究 2 6, p p1 9 ‑2 8 ,1 9 81

4) 加藤俊也 ・芳賀 武 :長野高専生の運動能力 と体力弾性について,長野工業高等専門 学校紀要 1 8 , p p1 3 7 ‑1 45 , 1 9 8 7

5) 中 比 呂志 ・出村真一 :運動習慣の違いが青年期男子学生の体格及び体力に及ぼす影 響 ‑3 年間の縦断的資料に基づいて‑,体育学研究 3 9 , p p 2 8 7 ‑3 0 3 ,1 9 9 4

6) 松浦義行 :体力の発達,朝倉書店 , p p 6 8 ‑1 2 0 ,1 9 8 9

7) 文部省体育局 :平成 5 年度体力 ・運動能力調査報告書 ,1 9 9 4

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