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位相回復問題の光ファイバ屈折率分布測定への応用

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(1)

位相回復問題の光ファイバ屈折率分布測定への応用

著者 岩井 俊昭, 増井 裕也

雑誌名 静岡大學工學部研究報告

38

ページ 73‑92

発行年 1988‑03‑25

出版者 静岡大学工学部

URL http://doi.org/10.14945/00008597

(2)

73

位相回復問題の光ファイバ屈折率分布測定への応用

岩井俊昭・増井裕也

Refractive−Index Profil圭簸g of the OpticaユFiber by    Us圭ng the Phase Retrieval Algorithm

Toshiak圭IwAI and Hironari MAsuエ

 This paper presents the p◎ss圭bility of the iterative a圭gorithm for the phase retrieval applied t◎the refractive一圭ndex profiling of the optical fiber. The influences of the initial phase set, the slit width and the Gaussian noise on the recovered phase function of the

◎ptical fiber are investigated by tak至ng acount of practical】uaeasurements. The usefulness of this method is shown in a computer simulation study for measurement of the refractive・

index profile◎f the opt圭ca圭fiber.

曜.緒

 光ファイバの光波伝送特性はコア内屈折率分布に依存するため,ファイバ製造過程において屈折率 分布をモニタできる簡便かつ実時闘測定可能な測定法が求められている。現在,標準的な測定法とし ては縦方向干渉法ユ・2)が用いられているが,ファイバ試料を数100μmの厚さに輪切りにするという熟 練を要する試料破壊工程が必要である。また,不渉法の高測定精度を保持しつつ,試料破壊工程を要 しない横方向干渉法3・4)も提案されている。両方法とも干渉法であるがゆえ測定環境が制限され,か つ測定に対してある程度の熟練が必要であるため,製造過程におけるモニタ用測定法としては,不十 分である。製造過程におけるモニタ用測定法としては,参照光を必要とするような手渉法ではなく何 らかの簡易測定可能な量(例えば,光強度分布)を計算機処理し実時間で屈折率分布を再構成する方 法が適していると考えられる。集束法はS,6),ファイバ試料を側方照射したときに生じる光強度分布か らコァ出射面における屈折角分布を算出しコア内屈折率分布を再構成する方法であり,上述の要求を 満たす測定方法である。しかしながら,この方法はプリフォームのように試料の寸法が照射光の波長 に比べ非常に大きいときは高測定精度を期待できるが,ファイバのように寸法が小さいときは回折効 果のために測定精度が著しく低下する欠点を有するため7),現在のところ測定手法として確立きれて

いない。

 本研究は,位相回復問題を光ファイバに応用し,モニタ用測定法の要求を満たすコア内屈折率分布 測定法を確立することを圏的とする。位相回復問題は,物体面の既知物体振幅とフーリエ面の測定ス

(3)

74 岩井俊昭・増井裕也

ペクトル振幅に薄して数値計算処理を行なうことによって物体の位相関数を回復する研究であり,電 子顕微鏡8),天文9),コヒーレンス理論ゆなどの分野において数種のアルゴリズムが提案されている が,本格的な光学計測への応用に関する研究はなされていない。位相回復問題では本来照射光が物体 によって回折を受けた結果生じる光強度分布を用いるため,ファイバ屈折率分布測定に応用した場合 光線理論を基礎とした集束法のような測定精度の低下が生じないことが期待できる。しかしながら,

位相関数の画復の確実姓や客観性が問題となる。本報では,GerchbergとSaxtonが電子顕微鏡嫁 の振嬉情報から位相回復を行なうことを目的に提案した反復法(以下GS法と略す)8)を取り上げ,

計算機シミ=レーシsンによリファイバ屈折率分布測定への応用の可能性を検討する。

2.GS法による位相回復アルゴリズム

 Fig・1にGS法による位相回復アルゴリズムを示す。この方法では,観測されたフーリエ面強度分 布の平方根をとることで得られる測定スペクトル振幅Fと,既知条件として物体振幅fを用いる。測          定スペクトル振幅Fに対してフーリヱ変換とフー一リエ逆変換を繰り返しながら,物体面では物体振幅

∫により團復物体儒号の打ち切りを行ない,フーリエ面では測定スペクトル振編Fにより帯域内の回 復スベクトルに対する置換を行なう。なお,反復に先立って物体振帳ノには(一π,π)で一様分布す

るランダム数列を初期位椙として附加する。

 次に,2乗位相関数を物体関数としたときにGS法により得られた信号回復例を示す。物体関数は,

Inital Ra翁da厨 Phas② unifo】r堕1y dist】【・ibuted    in(備π,π〉

Fig.1. Block diagra血of Gerchberg−SaxtoR algGrithm.

(4)

位相回復聞題の光ファイバ屈折率分布測定への応用 75

アω一・ect田exp[ブφα)コ (1a)

       φ(x)=ax2       a≧0       (1b)

で定義され,その振福麗i数と位相関i数をそれぞれFig.2(a)と(b)に示す。 Fig.3には,(1)式で定 義きれる物体にコヒーレントな平行光を照射したときにフラウンホーファー回折場またはレンズの

20

 鱒oηコ峯ε<

 舶﹇℃2﹈⑩纈墜0よ

鞠2.o

一4.o

   一4・o  一乞o   o   乞0   4、o      醐4、o  騨2.o   o   2、o   」転o

      P6s竈乏1。晦 [醐1      P。s柑。n [搬頃1

      (a)Ar憾p鑓tude functipn       (b) Phoseギ童2 notion

Fig.2. Examp王e◎f the object f疑nctio盤with(a)rectang!e amp1圭tude function a訟d      (b) positive q慧adratic phase f登縫c撮o識.

詮22三

Fig.3.

2.0

1.0

0

一4.0 一2.0   0       PbsitiOn

2.0 4.o

[mmユ

王n亡eロsまty distribution i織the Fourier plane which is calcu三ated by慧sing 亡he FFT a19◎rith燃.

(5)

ア6 嵩井俊昭・増井裕也

 も⑪㊥で3脚恩ε︽  鶴冒歪︼

 O

⑳麟O£鉱

欄繍  一鋤   0  2ゆ  輔        Po◎斡㎞  癒m司

・     (o) fn itia 1 0bjecセ

繍鱒  鴨鋤   O        P6き㎞

funct菅on

題  鱒

   【餓mユ

 鋤暑設箆ξ夙

刷概@ 一⑳  ︵ b  ︶

塾㎜】

Fi rst

    噸鞠0 働⑳   0  2』  UO        Peeft oc9}  [納m1

言terGセ10n

 ヨ93翼五ρヒ︽

置輔

     繭4爵   備2幽    0    2幽   4β      d鎚   嶋魯◎   ◎    2爵   へ◎

      P繍㎞  [㎜l     R繍i㎞  【繭1

      (c) 1◎Oth 雪terq輔on

Fig.4. Example of the phase retrieval圭n the◎bject pla且e by using the Gerchberg・Saxton     algorithm, in which (a) initial obj ect fuRction, (b)歪最rst 圭ter&tion a獄d (c)100th     i亡erat圭◎獄are shOW捻.

(6)

位相回復問題の光ファイバ屈折率分布測定への応用 77

後方焦点面で観測されるであろう光強度分布をFFTを用いて計算した結果を示す。計算において,

2乗位相係数σ灘π(radian/Mm2)なる位相関数に幅五諜2.5㎜のスリットをかけ物体関数を形成 し・全幅1emmの物体面を128点でサンプルした。 F圭9・2(a)のスリット関数で表わされる物体振幅 を物体面における既知条件fとし,Fig・ 3のフーリエ変換強度分布の平方根を測定スペクトル振幅戸 としてGS法のアルゴリズムに従って物体位相関数(Fig・2(b))を回復したときの例をFig、4に示 す。初期位相として一様分布に従うランダム数列を用いたにも関わらず,反復1回目にして位相関数 のおおまかな形状が回復され・反復100回目では物体関数の振幅関数と位相関数の両方が完全に回復 されていることが分かる。

 実際の測定では・Fig・4のように反復のたびに圃復状況をモニタすることは演算時閲の増加を伴う ばかりでなく自動計測の立場からも非現実的である。そこで,反復1番目の回復状況の目安として2 乗振幅平方誤差(RMS誤差)

       N−3

      Eの一[忍{1ゐ1一レr、(1N・−lΣlfl l2)E/2−]ii,   (2)

      ゴ鴇o

を定義する・ここで・みとf (bはそれぞれ既知物体振幡と反復1番目の回復物体振幅,さらにN はサンプル数を表わす。(2)式の2乗振幅平方誤差は回復収束状況のモニタ用として有効な目安であ

り・反復回数が増加すると単調に減少することが数学的に証弱きれている11)。しかしながら,2乗振 幅平方誤差は物体振幅の回復収束状況を示すもので,位相関数の形状回復収束との関係において数学 的確証が奮在しないため・2乗振幅平方誤差が零に収束したときに必ずしも位相関数の形状が回復さ れたとはいえない・そこで・本研究では・2乗振幅平方誤差で物体振幅の回復状況をモニタするとと

もに回復位相関数を最小二乗法によりM次多項式       M

      φω㍉譲。Cmxm        (3)

に近似し・各項の係数から位相関数の回復状況をモニタすることにした。このような併用により,物 体の振幅関数と位相関数の回復収束状況を同時に判断でき,不要な反復を大幅に減少させることがで

きるばかりでなく,回復物体関数に対して客観的な判断が可能になる。

3.案  験  系

 Fig.5は, G 1型VADファイバのコア内屈折率分布測定に位相回復問題を応用するときに想定さ れる実験系を示す・He−−Neレーザ(波長λ ・O・ 6328 Ptm)からのビームを一様強度の平行光に変換し,

ファイバ試料に側方照射する。ファイバ試料は幅Lのスリットの申央に設置され,信号物体を形成す る。CCDカメラの先端に取り付けられた対物レンズにより,スリットの幅に対してレーレーの距離 L2/λより十分遠い距離に設置された観測面または物体直後にフーリエ変換レンズを挿入したときの 後方焦点面に生じたフーリエ変換光強度分布をCCD面に結像する。ここで,コア内屈折率分布を測

(7)

78 岩井俊昭・増井裕也

         Slit Glas8 sup・PQrt ゆ1ate

 Uide◎

d当9置tセ⑧r

Pt icro ・−

C㎝P戚3r

P蓬8ゆヨa〜3

monitoe Plotもor

糖一嚇⑧翼as⑧r Coコ面at納98りS奮o翻.

   F圭9.5.Opticai盆nd electrical sys亡e拠s which may be used for measuri怨窪        the rafractive情i血dex profile of the optical fiber.

定するためとコアとクラッドの境界で不用な反射や屈折を輝制するために,クラッドの屈折率に等し いマッチングオイル中に物体全体と対物レンズを浸す必要がある。カメラで検出された映像信号デー タは,マイクロコンピュータで制御されている画像入串力装麗のフレームメモリに保存される。GS 法のアルゴリズムにしたがって画像デー一タは数値演算処理され,位相関数の回復が行なわれる。GS 法のアルゴリズムにおいて,スリットが物体振輻の既知条件となり回復物体位相関数の打ち切りを行 なうことに利用され,フー・リエ変換光強度分布の平方根が測定スペクトル振幅として回復スペクトル 振幅の帯域渕限に利用される。Fig・5に示す実験系を基礎に,位相回復問題の光ファイバ屈折率分布 測定への応用に関する可能性を計算機シミュレーションにより検討する。

      4.Gl型VADファイバの位相関数

 GI型ファイバのコア内屈折率分布は,伝播光波の群速度最大でかつモード分散最小の条件の下で 最適化されるが,両条件から一意の屈折率分布が決定されることはない。一一般のコア半径aのGI型

ファイバの屈折率分布は,2乗分布形関数で近似され次式で与えられる12)。

      耐llE1姻∵芸   (4)

ここで,Aは灘ア中心の最大屈折率物とクラッドの屈折率naの比屈折率差       %02−%02

      (5)

      、4=

       2no2

を表わし,d《1なる条件を満足するものとする。

 Fig.5に示す実験系を用いた実験を計算機シミュレーシvaンするためには,ファイバ試料は物体薗

(8)

位相回復閥題の光ファ4バ屈折率分布測定への応用 79 と観測面との距離に比べ厚さが無視できる位相物体とみなす。このとき,物体の位相関数はコアの入 射平面から出躯平面まで光波が伝播したときの光路長差となる。コア内屈折率分布が軸対称であると

き,(4)式をアベール積分変換に適用すると位相関数は次式で与えられる:3)。

      φ(ζ)一伊國(1イ) 3/2 ::i二 (6)

(6)式の導鵠にあたりζ=κ/aなる置換を行なっており,さらに比屈折率差に対してd《ユより

      μ゜譜        (7)

なる近似を用いた。Fig・ 6とFig・ 7はそれぞれ(6)式で与えられるVADファイバの位相関数と物体 面で編がファイバのコア直径に等しいスリットをかけたときのフーリエ面に生じる光強度分布を示 す・ここで・コア半径をa ・・25 gem,コア内最大屈折率no ・1.472,クラッドの屈折率κo=1.457,

比屈折率差A・・1%そしてスリット幅L ・5◎μ瓢を計算条件に用いた。以下の計算機シミュレーショ ンでは・Fig}6とFig・7で用いた光ファイバの計算条件を用い,初期位相として与えられる一一.ec分 布ランダム位相数列と確定位相数列,既知条件であるスリット幅,実際の測定に生じるであろう雑音 がGS法による位相回復操作に及ぼす影響について詳細に調べる。

a沿

﹇℃︒﹂﹈

4

Φの︻︶ぼ

0

一一Q.0 一1.0 0 1.0 2.0

×/a

Fまg.6.Phase function given by Eq.(6)as a sam,ple of a VAD fiber.

(9)

80 岩井俊昭・増井裕也

800

.診40。

2

2

0

一300 0

×

   300

[μm],

Fig・乳lnte捻si亡y distr三buti。n加the F・疑rier p玉a且e calc讐三ated fr・鳳phase     function of E{蔓.(6)with the rect我gle amp三itude f{ユnction。

5.計算機シミ=レー・・■一ションの結果

 5−1 一様分布ランダム初期位相による回復

 Fig.1のGS法のアルゴリズムにおいて,初期位相として一様分布に従うランダム位相数列を与え るのであるが・計算機で得られるのは疑似乱数であるためその系列に依存する可能性が生じる。Fig。8 は,40種類の異なる乱数系列を与えたときの反復回数に対する2乗振幅平方誤差の変化を示す。ここ で・物体面のスリット幅50μmを既知条件として罵い,Fig・7に示すフーリエ面強度分布の平方根を 測定ス・ペクトル振幅としてGS法により位相回復を行なった。2乗振幅平方誤差は反復回数の増加に 伴い単調に減少するが,連続変化ではなくステップ状変化になる。また,反復300回で零に収束する 場合が大部分であるが一部収束しきれない場合があり,2乗振幅平方誤差の収束速度に対してランダ ム位相数列の系列の依存性が見られる。      

 Fig・9は・反復園数の変化に対する回復された位相関数の形状収束変化を多項式近似したときに得 られる各項の係数の変化で示す。ここで,40種類の異なる乱数系列のそれぞれに対して得られた國復 位相関数のデータを2/3乗し・(3)式の2次多項式に最小二乗近似を行ない各項の係数を求め,その平 均値を実線で結んである。各項の係数は統計的に見て反復回数ユ00圃前後でほぼ一定値に収束し,平

(10)

位相回復問題の光ファイバ屈折率分布測定への応用 8

0.8

LO LL

]」

  O.4

(ノ)

Σ

0

 1 100 200 300

iterGtion

F三g.8.V臓r三ati◎Rs of the root・mean squared errors as a f臓c毛io豆of iterati◎ns     whe血40 different sets of the unifor燃1y嫡distributed raBdom phase are     giVen at the 圭】【1it量al Step Of圭teratiOI三S,

均圃復位相関数が確定する。また,設定位相関数では1次係数が零であるのに対して,回復位相関数 では2次係数と同程度の値となっているため,回復位相関数の形状に大きな誤差を笙じる。さらに,

回復誤差は各係数に対して数10%と大きな値を示し,ランダム位相i数列を用いたときには,回復位相 関数の形状収束精度がランダム数列の系列に依存して大きく変化することを示す。

 Fig・8とFig・9の結果は, G S法の初期位相として一様分布ランダム位相数列を与えることは回復 位相関数に客観性を与えることになるが,一方ではたとえ2乗振幅平方誤差が零に収束しても彩状が 必ずしも園復されたことを意味するとは限らないことを示す。さらに,回復された位相関数は統計的 に意昧を有するもので,園復操作一回ごとの確定的な回復結果にはならない。

 5−2 確定初期位相数列による回復

 実際の測定では,予め位相関数の形状がある程度予想される場合が多いと考えられる。そこで,回 復したい位相関数に類似した形状を有する確定位相数列を初期位相として与えるときの回復収束速度 および回復位相関数形状への影響を検討する。以下に示す最大屈折率物一物とコア半径aが与えら れている3種類の異なる関数に従う数列を確定初期位相数列として与えた。

 三角形関数[Fig.10(のコ;

(11)

82

  露。◎、

  尋。◎

  象.◎

o  oo

 一象。◎

 −4.o  −6.o     咽

岩井竣昭・増井裕也

   ×¶◎鳳x   ℃.5

  1e◎

  ◎。6

o  o  −◎.5

 −1。o  噛¶.5     壌

1◎◎

随豊rot盲on

2◎◎ 30◎

10◎

董to rqtion

2◎◎ 3◎◎

    ×弩0−2

   望.2

   0.8    0。4  嗣 o  o

  F−o。4

  −0.8   −¶。2

    唾       璽◎0      2◎◎      3◎o        lte rot言on

Fig.9. Variations of the coefficients ofもhe quadratic polynom圭a玉s to which    the phase func亡ions recove red for 4◎ different sets of the init董al    phase are apProximated by using the least squares method.

(12)

位相回復問題の光ファイバ屈折率分布測定への応用 83

冒三

4

霧O歪

一2.◎ 儒噂壌00       ◎        璽9◎

       翼/◎

(o)7ri◎ngl㊨f購ho嚇◎髄

2.◎

門㊨6◎

霧4・o

o

・−Q。◎  一¶●◎    ヤ ◎  t t…藍響;◎…

       x/⑪

(b)Goし纏謡◎轟fM鶴ct霧on

2ゆ

㌍r㊨。◎

2

460 霧◎ま

     一2:●0      の順噛oO       O        1・◎      .2LO       x/◎、

       (c)Porobo麗G.,ずur鴇輔o轟

Fig・10・ Initial sets of three differe難t phase fu孤ctions of(a)triang1e     function,(b)G・aussian fI芝識c亡圭◎n, and (c) paral)olic functi⑪コ.

(13)

84 岩井俊昭・増井裕也

      州書ん(n° −ng)細畿  (8)

 ガウス関数⊂Fig.ヱ◎(b)コ;

      φ・(x)== 9ka(n・ 一一n・)exp[一多]   (9)

 2乗関数[Fig.10(c)〕;

      il・・(x)一{声晒)憾∵ll二1 (・・)

ここで,kは波数を表わし,ん=2π/λで与えられる。(8)式から(10)式に向かって,確定初期位相 関数の形状は(6)式の設定位相関数のそれに類似している。Fig.11は,確定初期位相数列を与えた ときの反復回数の変化に対する2乗振幅平方誤差の変化を示す。2乗振幅平方誤差は反復圓数が増加 するとほぼ単調に減少し,初期位梱関数の形状が類似するほど零への収束速度は増加する。さらに,

ランダム初期位相数列を与えた場合の結果Fig・8と比較すると,確定位相関数列を与えた場合は2 乗i振幅平方誤差の零への収束速度が極端に大きく,反復園i数50回前後で零に収束する。Fig.12は,反 復回数の変化に対する回復位梱関数の形状収束変化を最小二乗多項式近似したときに得られる各項の

O.3

LOO.2

tU

Σ

  o.1

at:

   0    1       20       40       60       1七erGゼon

Fig. U. V歌ri霧tions of the root・ね臓ea無sq蓑ared errors as a fuRction of iteratio豆s     whe且もhree differe込t sets o至the圭nitial phase fu且ctions are give轟 at     theま職it三a!step of iterati。ns.

(14)

位相回復問題の光ファイバ屈折率分布測定への応用

  4。0

  2.◎

o  ◎o

 −2。o

 −4.o

    ×1 o−−2   哩。◎

  O.5

o  o

 −o.5

 一壌.0     1

薯ter◎t蓄◎n

100

彗tor◎t董on

20◎. 300

      ×1◎縣3      {.o

    O.5    N  o  o

    −O.5

    −1。0

      1        ¶◎◎       20◎  ・    3◎O        Iteroセion騨

Fig.ヱ2. Variations of the coefficients◎f the quadratic polynomials毛o which the     phase functions recovered for three different sets of the initial phase     functions are approximated by using the least squares method.

85

(15)

86 岩井俊昭・増井裕砲

係数の変化で示す・確定初期位相を与えたときの園復位棺関数の各項の係数は,ランダム位相数列を 与えた場合の結果Fig.9に比べ奴東速度が増加し反復回数50回前後で設定値に収束し,収束した後

の値は初期位相闘数の形状に影響されることなく設定位相関数のそれに一致する。

 結論として,初期位相数列として確定位相関数列を与えると,計算時間を大幡に短縮できかつ回復 位相関数の形状精度も大幅に改善される。さらに,ランダム初期位根数列の場合と異なり,確定初期 位相数列の場合は2乗振幅平方誤差の収束と図復位相関数の形状収束が正確に対応するようになる。

したがって,回復された位相関数に対して客観性が失われない程度の確定位相関数列を初期位相とし て与えることは実用上有意義であると考えられる。

 5−3スリット幅の影響

 これまで,物体面の既知条件としてスリット幅をコア直窪に等しく設定していた。コア半径は,シ ングルモードファ4バで数μ叫マルチモードファイバで数10μmと非常に小さく,実際にコア直径 に等しい幅を有するスリットを設置することは困難である。そこで,スリット幅は広い方がより実現 性があるので,スリット煽を広げた場合のGS法による位椙関数回復への影響を検討する。

 Fig・13は・4種類の纏が異なるスリットを物体振幅の既知条件としかつ初期位相として三角形関 数に従う位相数列を与えたときに得られる反復圓数の変化に対する2乗振幅平方誤差の変化を示す。

0。15

jO LOヒω O O  の  5

Qりー配 0嚢轟1

100

     :L ・50μm

−一一一一一一 Fし=150いm

−・一一一 FL謹300μm

−一一一・ FL ・450pm

200 300 lteratiOn

Fig.13. Variatioms of the root・!ne鋤squared eτrors as a function of iteratio識s     when four different s翫w三dths are giv鋤in the object pla且e.Σn this     case・the triangle funct圭on is give登as a登in圭tial phase function.

(16)

位相園復問題の光ファイバ屈折率分布測定への応用 87

8

4。◎

2.◎

一一Q。◎

一4。◎

1セer◎tion

δ

  ×f o ・・z l。◎

O.5

一〇』δ

一1。o   つ 10◎ 2◎◎ 3◎o

lteration

δ

  ×璽o一載 竃.0

O。5

喚0.5

一一煤D0

   1 10◎ 2◎o 3◎◎

曇teratior「睡

Fig。14. Varia亡i◎ns of the coefficients of the quadratic poly礁om,ials to wh圭ch      the phase f疑蕊c鍼◎澱s rec◎vered for fo墜r dまfferent slit wi.dths are      approximated by using the least squares method.王n this case,蜘e      trまangle fu益ction is given as an i磁tial phase function.

(17)

88 岩井俊昭・増井裕也

スリット幅が増加するに従い2乗振福平方誤差の零への収束速度は減少する。スリット幅が増加する と,フーリエ颪強度分布は零周波数付近に集申するためスペクトル振編のサンプル点数の減少が生じ る。ところが,GS法による位相回復において,零周波数付近のスペクトルの情報が主要な寄与をす るため,スベクトル振福の零周波数付近のサンプルデータ不足が2乗振幅平方誤差の収束速度の劣化 を坐じさせると考えられる。Fig.14は,反復回数の変化に対する回復位相関数の形状収束変化を最 小二乗多項式近似したときに得られる各項の係数の変化で示す。2乗振幡平方誤差はスリット編が 300μ1nと450μmのとき反復回数300回でも零に収束していないにもかかわらず,回復位相関数の形 状はスリット幅に依存せず反復回数50回前後で設定値に収束する。ただし,1次係数はスリット幅が 増加するに従い誤差を生じるが,L ・450 #mの場合でも1%以下であり問題にはならない。したがっ て,実際の測定では回復位相関数の形状が正確に得られれば良いのであるから,スリット幅はある程 度広くすることが可能である。また,本シミュレーションでは物体面とスペクトル面のサンプル点数 を128に固定して行なっているが,実際の測定ではスリット輻が広くなったことで生じるスペクトル 振幅のサンプルデータの不足は,スペクトル面におけるサンプル点数を増やしFFTの計算において 物体面とスペクトル面のサンプル点数との関係を考慮しつつ補正を行なうことで解決でき,Fig、13と Fig・ユ4で得られた結果以上にスリット輻を広げることが可能であると考えられる。

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(18)

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Fig. 16. Variatiens of the doefficients of the quadratic Polynomials to which the phase functioRs recovered for fortr different $ignal‑to‑noise ratios are approxirriated by using the least squares method. rn this ' case,・ the triaRgle function is given as an initial phase function.

(19)

§o 岩井俊昭・増井裕也

 5−4 雑音の影響

 フーリエ面強度を測定する際には,コヒー一レント照射で生じるスペックル雑音やカメラおよび画縁 処理系で生じるショット雑音などが画嫁信号に重畳するのは避け難い。したがって,GS法による位 相圓復において雑音の影響を検討する必要がある。Fig.15とFig.16は,それぞれ4種類の異なる S/N比を与えたときの反復回数に対する2乗振幅平方誤差と回復位相関数の形状変化を最小二乗多 項式近似したときに得られる各項の係数の変化を示す。ここで,初期位相は三角形関数に従う位相数 列を用い,雑音としてガウス雑音を用いた。S/2>比は,ガウス乱数列niを用いて

      s/N−[謬糾    (11)

      づ綴o

で定義される。2乗振幅平方誤差は反復園数が増加すると単調に減少するが,S/N・・○。の場合に比 べS/1>比が減少すると2乗振幅平方誤差の零への収束速度は減少する。一方,回復位相関数の形状 は,S/N比が減少すると収束速度は減少するが,測定対象である0次と2次係数は, S/2V比の影響 を閥題になるほど受けない。また,形状誤差を生じる1次係数については,S/N比<5では大きな 誤差を生じるが,S/2V比>5ではその影響は問題にならない。さらに, S/2>比>5なる数値は実際 の測定においてそれほど困難なく達成できると考えられる。

6.屈折率分布の再構成

 これまで,光ファイバの出封面における位相関数の回復について検討してきたが,本硫究の目的は コア内屈折率分布の測定であるため,回復位相関数を用いて屈折率分布を再構成しなければならな い。光ファイバのコア内屈折率分布に軸冠称性が仮定されるとき,回復位相関数に逆アベール積分変 換を行なうことにより屈折率分布が再構成される。すなわち,コア内屈折率分布は回復位相関数φ(X)

を用いて次式で与えられる埠5)。

dn(r)−n(r)一%F÷∫冥灘砒 (12)

(i2)式において, t=:(x2・−r2)1/2なる変数変換を行なうと

      An(r)「翻∫汗与響)dt   (13)

に変形される。(13)式を用いると演算時間が大幅に短縮できかつ収束精度も向上することが報告さ れており16),園復位相関数を(13>式に適用しコア内屈折率分布を計算機により数値再構成する。

 F圭9・17は,VADファイバに対する(a)設定位相関数と(b)初期位相として三角形関数列を与え たときに得られた回復位相関数を示す。一方,Fig.18は,(a)設定屈折率分布と(b)(13)式を用い て数値再構成された屈折率分布を示す。Fig.17と18から,位相関i数およびコア内屈折率分布が良好 に再現されていることが分かる。さらに,GS法による位相関数圃復において,物体位相関数には存

(20)

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位梢回復問題の光ファイバ屈折率分布測定への応用

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Fig・17・Phase fun・ti・n・・乏th・VAD fib・・, in whi・h(a)a籍d(b)a・e giv・n     by Eq・(6)a簸d・ec・ve・ed by the GS me亡h・d, respectively,

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在しない定位相項が現れる場合があるが,屈折率分布再構成の過程において用いる逆アベール積分変 換で位相関数に対する微分操作が介在するため最終的には影響をGE Vない。しかしながら,回復位相 関数にゆらぎ誤差が存在する場合は・微分操作が誤差を増大させる可能性があり,注意が必要である。

7.結

光ファイバ屈折率分布測定にGS法による位相回復問題を応用することについて, VADファイバ を例にとり計算機シミュレーシsンにより検討を行なった。位相関数の回復操作において,初期位相 として一様分布に従うランダム位相関数列を与えた場合は,回復位梢関数の再現性が悪くかつ収束速 度も小さいため計算時間がかかる割に有効性に乏しいことが分かった。そこで,客観性を失わない程 度の確定位椙関数列を与えることで再現性を保証しかつ計算時間の大幅な短縮をはかった。また,実

(21)

92 岩井俊昭・増井裕也

際の測定を想定して物体振幅の既知条件であるスリット幅の影響を検討したが,スリット帳を増加さ せると影響が生じることが分かり,実験においては物体面とスペクトル面のサンプル点数の関係を考 慮した上で灘定スペクトル振幡の零周波数付近のサンプル点数を増加きせることが必要であることが 分かっ7。また,測定中に儒号に重畳する雑音は園復位相関数に誤差を生じさせる可能性があるが,

実際の測定で十分に達成可能なS/N比の範囲では聞題になるような誤差は生じないことが分かった。

本シミュレーシyンを通して,GS法による位相回復処理が光ファイバ屈折率分布測定に十分適用可 能であるという感触を得た。今後は,実際に光ファイバの屈折率分布測定を行ない,シミ=レーショ ンの結果を確証する。きらに,二次元への拡張,その他の位相回復手法による比較,パンダファイバ や楕円ファイバなど非軸落称屈折率分布測定へと研究を進める予定である。

 本研究を進めるにあたり,研究環境整備に多大な協力をしてくださった電子工学科電子応用システ ム講座の藤村久技官に感謝します。

参 考文献

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16)藤浪,昭和61年度卒業論文(静岡大学).

参照

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