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第4号発刊にあたって

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Academic year: 2021

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第4号発刊にあたって

園田 尚弘

文化環境研究会会員

『文化環境研究』は今回をもって4号を数える。財政の悩みを常に抱えながらも、今回も院生 の労作と、優れた着眼点を示している学部生の論文を紹介できるのは喜ばしい。近々CiNiiで1 号から3号までを含めてウェブ上で読むことができるようになるのも、成果の発信ということか ら嬉しいニュースである。

環境科学部の発足から12年目の今年で文化環境研究会の教員会員の平均年齢も若返っている。

それとともに院生の論文も学生の卒業研究の方法論、手法もフィールド調査、社会調査を取り入 れた研究が数多く見られるようになった。これはイギリスのカルチュラル・スタディの動向から しても自然な成り行きのように思える。

若手教員の研究、著述の学会賞受賞のニュースが続けざまに耳に入ってくることも、同僚とし ての私どもにとって心強いことである。そのもとで学ぶ院生、学部生にとっても、幸いなことで ある。環境科学部の時間割では教員と学生が少人数でゼミを行う時間がかなりに組み込まれてい るので、学生は優秀な教員陣と十分に接する機会があるわけである。

文化系教員の人材の充実を見るにつけ、私にとってもったいなく思えるのは、長崎大学にそう した人材を生かした学部を最低一つは作っていこうという強い意志が見られないことである。

たとえば東アジア文化研究といったプロジェクト遂行のためにも、長崎の文化財の研究や文化 政策の立案のためといった目的だけのためでも、しっかりした学部の設立の必要があるように思 う。観光や集客のために学的認識が歪められてしまう長崎の現状をみても、調査、議論、批判の 力を備えた学生の育成を図る必要があるのではないだろうか。もちろん研究対象は長崎のことに 限られない。

私は、今年度をもって退職するので、この機会を利用して、学生諸氏にメッセージを伝えたい。

それは外の世界から、自分と日本の姿を見てみるということである。ライフスタイルにしろ、

自分の価値観にしろ、この島国の中だけに過ごしていると、実に一面的になってしまう。外の世 界だって理想の場所はないのだが、それにしても、自分たちがどんなに狭く限定された考え方の もとで生活しているかを知るには、やはり日本の外にでて、日本の社会を観察するにしくはない と思う。なぜ教育費がこんなに高いか、テレヴィや新聞がどうして食事や芸能取材に時間をとる のか、報道はなぜこんなに自民族中心主義なのか、いろいろ考える材料が見つかるだろう。自分 が学び、働き、暮らしている現状が絶対的だと思いこめば、経済的にも、精神的にも搾取されて しまうから、言っているのである。

研究誌の巻頭の言葉としては場違いになってしまったが、再度書くこともないので、お許しい ただきたい。

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