Ⅰ.本報告の目的と視察概要
1 .本報告の目的
筆者らは,2014年8月12日にフィンランドのヘルシ ンキ(Helsinki)大学中央病院において主任医療ソー シャルワーカー(以下,MSW)MS Miia Stohle より,
MSW 業務に関するレクチャーを受けた.
そこで本報告では,フィンランドの MSW 業務の紹 介を通して,日本の MSW 業務との共通点と相違点を 検討し,日本の MSW 業務を相対的に捉えるうえでの 一助になれば,と考えている.
2 .フィンランド共和国の概況
外務省ホームページによると,フィンランドの面積 は33.8万平方キロメートルで,日本よりやや小さい国 である.2014年5月末現在の人口は約543万人で,首都 はヘルシンキである.過去にはスウェーデンやロシア が統治した歴史があり,1917年にロシアより独立して フィンランド共和国が成立した.公用語はフィンラン ド語(第一公用語),スウェーデン語(第二公用語),
英語である.宗教は福音ルーテル教(国教),正教会
(国教)で,政体は共和制をとっている.
現在の主要産業は,金属機械,電子電気機器製造(携 帯電話等),紙 ・ パルプ等木材関連で,2013年度の経済 成長率は-1.38%である.
なお,フィンランドの高齢化率は2006年末で16.5%
であるが,2020年には23%,2040年には27%になると 予測されており,EU 諸国のなかでも最も高齢化の速 度は早い.
3 .視察日程と場所
筆者(保正)がフィンランドを訪れたのは,今回が 三度目である.毎回,フィンランド在住の松島耕作氏 に視察先のコーディネートと通訳を依頼し,過去2回 はフィンランドの福祉全般(1回目)と高齢者ケア(2 回目)の視察を行った.今回は教員 ・ 大学院生 ・ カウ ンセラー ・ 中学生の8人で,表1の日程で視察を実施 した.
* 立正大学社会福祉学部
* * 立正大学大学院修士課程
キーワード:フィンランド,医療ソーシャルワーカー,業務
フィンランドにおける医療ソーシャルワーカーの業務
保 正 友 子
*関 井 和 美
**図 1 フィンランド共和国
表 1 2014年度の視察日程 2014年8月12日
・ ヘルシンキ大学中央病院見学(主任MSWのレクチャー)
・乗馬セラピー見学
・重度呼吸障害者宅へ訪問 2014年8月13日
・特別支援学校とワークショップ見学
・ ロホヤ市家族センターで障害者支援ネットワークに関 するレクチャー
・ダウン症の夫婦宅訪問
視察場所は,ウーシマー県西部に位置する自治体で ヘルシンキの西方約50㎞に位置するヘルシンキ郡ロホ ヤ市(Lohja)である.この地では古くから鉱山 ・ 建設 材料産業 ・ 園芸農業が盛んである.
Ⅱ.フィンランドの医療システム
1 .国民の医療へのアクセス
フィンランドでは,1963年に全国民を対象に健康保 険制度が施行された.現在,全ての市民は社会保障番 号を通じて公的医療保険に加入している.また,民間 の保健医療サービスもあり,民間サービスを利用した 場合,患者は社会保険を扱う社会保険院(KELA)よ り一定額の補償が得られる.
フィンランドには2つの制度,基本保健ケアサービ ス1)と専門医療ケアサービス2)がある.前者は主として自 治体が単独または隣接自治体と共同,または他の自治 体や民間の医療機関へ委託して運営する保健センター や保健センター付属病院において提供される.市民が 病気になった時には,まず保健センターまたは診療所 で診察を受け,必要に応じて紹介状を持って専門医療 を提供する病院を受診する.
国民の8割は無料または低額で,医療機関や医師を 選ぶのが難しい公的医療サービスを利用する.しかし ながら順番待ちが長いため,待っている間に治癒する ことも少なくない.一方で,富裕層は国保以外の保険 をかけており,料金は高いがアクセスが良く好みの医 療機関や医師を選べる私立病院に入院するため,貧富 の差が存在するのが実情である.なお,2010年に施行 された保健ケア法により,これらの格差を改善する改 革が実施されてきている.山田(2011:102)による と,国立保健福祉院が発表した2010年12月31日付けの アクセス状況報告では,法的に定められている6ヶ月 を超えて診療待ちをしている患者数が,前年前に全国 で3,300人あったにもかかわらず,2010年末には1,245人 に減少したという.そのため,2011年2月の経済新聞
ると,フィンランド人は民間医療よりも公的医療に満 足しているという結果が出ていることを伝えている.
そして,民間病院にはお金で解決できる富裕層が入 院するため,MSW は設置されていない.日本では2002 年(平成14)11月29日に出された「厚生労働省保健局 長通知健康発第1129001号 医療ソーシャルワーカー業 務指針(2002年改正版)」において,MSW の業務範囲 は経済的問題の解決 ・ 調整援助以外にも療養中の心理 的 ・ 社会的問題の解決,調整援助,退院援助,社会復 帰援助,受診 ・ 受療援助,地域活動と定められており,
経済的問題以外も対応が必要とされたが,フィンラン ドでは経済的問題以外への対応はどのようにしている のかが気になるところである.しかしながら,今回は この点について聴き取りができなかったため今後の課 題としたい.
2 .ヘルシンキ大学中央病院の概要
フィンランドでは専門的医療は20の健康管理地区に おいて提供されており,そのうち5か所には大学病院 が設置されている.筆者らが今回訪れたヘルシンキと ウーシマー県の健康管理地区(HUS)は,健康管理地 区のなかでは最大の規模をほこる.
HUS は構成する24自治体の住民への医療を提供して おり,住民が即座に公平な医療が受けられることを目 的としている.HUS にはヘルシンキ大学中央病院(100 床)と精神科病院(50床)の2つが設置されており,
92,000人の住民が対象で,1年間に1,200人の患者が利 用している.患者は外来にかかると,一つの病気で1 日34ユーロの定額を自己負担として支払うということ であった.
ヘルシンキ大学中央病院は,急性期で希少な疾患を 扱っている病院であり,フィンランドでは最大の大学 病院である.HUS 内の病院には49種類の専門職が働い ている.病院の様子は写真のとおりで,日本の病院と は異なりこげ茶色を基調とした外装 ・ 内装で,病室の ドアは密閉されているため,廊下からは病室内の様子 はうかがえない.結核患者が入院する病室では,廊下 よりも気圧を低くして中から外に空気が漏れないよう になっている.
図 2 ロホヤ市
Ⅲ.医療ソーシャルワーカーの業務
1 .大学病院の医療ソーシャルワーカーの概況 MSW は7人でチームを作り,大学病院には2人,
精神科病院には5人在籍している.HUS には200人程 のソーシャルワーカーが,フィンランド全体では1,000 人程のソーシャルワーカーがおり,一般的には市の公 務員として自治体で働いている.ソーシャルワーカー の教育は,フィンランドの6つの大学で行っており,
1983年よりソーシャルワーカーの専門教育は修士レベ ルとされている.この点について,日本では未だ学士 レベルが一般的なので,両国で異なる点である.
MSW の仕事は,個人 ・ 家族 ・ 地域に関連する人生,
社会全体の変革 ・ 変動で生じる問題を処理することで ある.大学病院では,年間600回,月平均50回の面接を 実施している.病院内の内科(呼吸器科 ・ 代謝内科 ・ 腎臓内科),神経科,外科,泌尿器科,整形外科(人工
関節手術),産婦人科等々の患者が対象であり,全てに 関わり必ず面接を実施しているとのことであった.相 談室には,午前中に全科より電話がかかり5,6人の面 接を行い,午後は自分達の計画で動く.特別な教育を 受けた精神科看護師とチームを組むこともある.日本 では,地域包括ケア病棟や療養型病院の MSW は全患 者への面接を行うことがあるが,急性期病院ではスク リーニングリストや依頼箋に基づき対応することが多 いため,少し状況が異なるように感じた.
MSW は,時に自分達を「追い出し係」と感じるこ ともあるようである.フィンランドでは市町村の診療 所は無料で,自治体立の大学病院に入院した後に自治 体は早く患者を退院させたい.そのため,医師は不十 分でも退院の許可を出すこともあるため,自治体の診 療所に患者を移す時などはそのような気持ちになると のことであった.この点については,日本の MSW も 退院支援の窓口になることが多いため,多かれ少なか ドアの取手
大学病院の正面玄関 エントランス 廊下
ナースステーション 病室のドア ドアを開けるスイッチ
れ同じように感じる場合が多いのではないだろうか.
MSW のオフィスの様子は写真のとおりである.机 にパソコン,資料保管用のキャビネットがあり,日本 で MSW が事務をとるスペースと同じような雰囲気で あった.
2 .医療ソーシャルワーカーの役割
MSW は心理社会学の学問を学び,病気になったこ とでの変化を重視する.何らかの変化に対しての適応 性は人によって異なる.病気はノックもせず向こうの 方からやってくるため,病気に備えている人はまずい ない.大病をすると家族がとても動揺するが,段々と これまでと同じようにはできないことがわかってくる.
問題解決には時間がかかるため,MSW 側の要求を 強要せず,患者 ・ 家族の適用に合わせることが求めら れる.そのためには,患者との対話が必要であり,患 者の家族には激動が起こっていることを把握しなけれ ばならない.まずは患者の収入を第一に考え,そのう えで患者の親,子ども,親戚状況をみていく.その人 が障害を持っていたとしても,社会の一員であること に気を配る.人の能力のどこが病気で失われたのかを 調べ,何かを失ったことで他のものにどれだけ影響を 与えるのかを考える.人と環境に対して心理社会的観 点から働きかけ,まずは患者がいる場所から出発する ソーシャルワークの方法は,日本と同じである.
以前に比べると医学的治療期間は短くなり,その後 のケア(リハビリテーション,ソーシャルワーク)が 重要になってくる.どの様なサービスが必要になるの かを把握するのが MSW の仕事である.病院は病気を 治療するところなので,MSW の存在は「異色」な仕 事である.医師は治療したが MSW は家に帰れないと 判断する場合もある.自宅に帰った後に,患者がどう やって生活するのか,色々な資源を活用して一つずつ 片づけなければならない.社会と病院との間をつなげ るのが MSW の大きな役割である.そのため,市の障 害者サービスに密接な関係がある.このような役割は 日本の MSW にも共通するもので,バックグラウンド や視点の異なる医療職のなかで,社会福祉の立場から 支援を展開するのは両国で共通した事項といえよう.
3 .ソーシャルワークの方法
MSW がまず患者の状況を知るには,性別,年齢,
職業等カルテにあることをつかみ,次に家族,子ども,
親戚,居住地等周辺のことを把握していく.そして,
退院後に必要なサービスを判断するため,このあたり から自治体の福祉課と連絡をとることとなる.その後,
患者の意見も取り入れて,買い物サービスか移動サー ビスの必要性を話し合い,具体的に市にホームヘルパー 派遣願書を書き,国民年金支出願書を出す.そして,
退院までに,その人の実践記録を書き保存する.
MSW のオフィス( 3 枚)
MSW のオフィス入口
図3は主任 MSW が示したフィンランド語のソーシャ ルワークプロセスの図を,日本語に訳したものである.
表現されている用語は日本で活用するものとは異なる ものの,ソーシャルワークのプロセスはほぼ日本と変 わらないといえよう.
図4は MSW 業務と密接な関係がある事務所 ・ 機関 として,主任 MSW が示した図を日本語に訳したもの である.関係機関は日本の状況とは大きくかけ離れて いないが,アルコール依存症関係担当が入っているの が特徴的である.フィンランドでは,以前から高いア ルコール依存症者数と自殺者数が問題になっている.
これらの機関のうち,複数にアプローチを要する患 者は多い.
ここで,自治体ソーシャルワーカーと MSW の権限 の違いについて触れておく.フィンランドでは,市の ソーシャルワーカーはかなりの決定権があるが,MSW は全くないことが強調された.退院後に必要なサービ スについては,自治体に報告することが MSW の仕事 である.報告を受けた後に,市のソーシャルワーカー は各家庭の内容を把握してソーシャルワーカーの仕事 を取り持つ社会指導員とでチームで決定がなされる.
この点については,日本の MSW とは少し状況が異 なるように受けとめた.日本でも,生活保護や介護保 険など,自治体が窓口になっている制度については自 治体に決定権限があるものの,患者 ・ 家族が他の医療 機関や福祉機関の利用を検討する際には,MSW はそ の決定プロセスに関与することが多い.たしかに MSW にサービスの決定権があるかと言われればそうとは言 いきれないのかもしれないが,フィンランドよりは MSW のサービス決定への関与の度合いが強いように 思われるため,少し違和感があった.
4 .フィンランドの医療・福祉システムの問題 レクチャーの最後に,フィンランドの医療 ・ 福祉シ ステムの問題について,大きく3点の問題が提起され た.
第一は,フィンランドには社会資源の横の関係が一 切ないため,ソーシャルワーカーが図4に挙げたよう な社会資源の一つずつと利用者を結びつける必要があ ることである.日本の介護保険におけるケアマネジメ ント機能が導入されていないため,その分の手間と時 間がかかると思われる.
図 3 ソーシャルワークプロセス
準備作業
社会的状況 の(カ テ ゴ リ ー 別)腑 分け
ソ ー シ ャ ル ワークの 必要性評価
ソーシャル ワークの 目標設定
ソ ー シ ャ ル ワ ー ク 概 要 まとめ ソ ー シ ャ ル ワークの 介入手続き
図 4 MSW 業務と密接な関係のある機関
ヘルシンキ大学中央病院 医療ソーシャルワーカー
保険会社 (自動車事故)
精神科関係 職業安定所
児童保護 高齢者
身体障害者 サービス サービス
一般企業 (基本サービス・
生命保険)
アルコール 依存症関係
第二は,フィンランドでは1990年代のバブル経済崩 壊以降,不況に見舞われている.現在の失業率は2014 年9月現在で8.7%にのぼる.そのため,児童関係や教 育関係をはじめとした市町村の予算が削減されており,
医療 ・ 福祉に関しては自治体の精神科,アルコール依 存症関連課には少額の予算しか支出されず,別の課に たらいまわしになることもあるという.「北欧が福祉国 家だなんてとんでもない.お金があるかないかだけ だ.」と主任 MSW は皮肉な調子で語っていた.
そして第三は,高齢者へのケアについてである.高 齢者にとっては,掃除 ・ 買い物のサービスや看護サー ビスがあるが,掃除 ・ 買い物は私企業から購入するこ とになる.高齢者は,このようなサービスを活用して なるべく長く自宅にいるようにし,心身の自由がきか なくなった最後の2年程は高齢者ホームに入所するが,
その兼ね合いが難しいという.また,北欧では,完全 な核家族化が進んでしまったうえに,子どもは18歳に なり家を出てからは,よほどの事情がないかぎり親と 同居しないし,親も同居を望んでいない.そのため,
国民は親の面倒を見られないことが普通で当然と考え ることが問題であると述べていた.
Ⅳ.日本の医療ソーシャルワーカー 業務との共通点と相違点
最後に,以上のような状況のなかで,日本とフィン ランドの MSW と MSW 業務の共通点と相違点をみて いきたい.そもそも両国では国の福祉システムが異な るため3)単純な比較は意味を持たないといえるが,日本
の MSW 業務を相対化する意味でもすり合わせをして みたい.
表2は両国の共通点と相違点をまとめたものである.
共通点をみると,国を超えてもソーシャルワークの基 本は同じであることがわかる.一方相違点は,ソーシャ ルワーカー業務そのものというよりも,両国の福祉 ・ 医療システムの違いに起因するものであるといえよう.
以上のように,今回初めてフィンランドの MSW 業 務の視察をすることができた.まだ十分に探りきれて いない面については今後の探求課題としたい.
付 記
本報告は,立正大学社会福祉学会第16回大会における口頭発 表「フィンランドの視察報告③~医療ソーシャルワーカーの仕 事~」に基づいて執筆したものである.
この場を借りて,視察旅行のコーディネーター小野鎮氏,フィ ンランドでのマネジメントと通訳を行っていただいた松島耕作 氏,フィンランドの関係者の皆様,参加メンバーに御礼申し上 げます.
注
(1)基本保健ケアサービスとしては,以下の10点がある(山 田 2011:80).①保健指導事業,国民保健に関わる啓蒙事 業,②住民の一般的な健康診断と集団検診,③母子保健所 の設置,④大学を除く学校および生徒の保健ケア,⑤自治 体住民に対する治療,および緊急時の住民以外の人に対す る外来治療,⑥保健センターの入院病棟における医療ケア およびリハビリテーション,福祉機器の貸出,⑦保健セン ターで行われるべき精神衛生ケア,⑧治療のための移送,
⑨労働保健ケアサービスの提供,⑩その他の伝染病法や依 存症ケア法等に定められている事業.
(2)専門医療ケアの内容は,病状の検査,治療および予防,
リハビリテーションの提供である(山田 2011:80).
(3)国の福祉システムの違いを見るときの考え方の一つに,
共通点 ・心理社会的な視点をもち患者の生活再建に関わること
・他職種のなかでは「異色の存在」でありながら奮闘していること
・ほぼ同じソーシャルワークのプロセスをたどること
・多機関とのネットワークを形成すること
相違点
・ソーシャルワーカーは学士レベルが一般的
・ 病院種別等により,全患者に面接を行う場合と行わ ない場合がある
・ 自治体ソーシャルワーカーのみがサービス決定権限 があるわけではない
・ 介護保険のケアマネジメントにみられるサービスの パッケージ化が行われている
・ 経営母体に限らず MSW が配置されている場合がほ とんどである
・ソーシャルワーカーは大学院修士課程修了レベル
・全患者に面接を行う
・ 自治体ソーシャルワーカーのみがサービス決定権が
・ ケアマネジメントが行われておらず,個々のサービある スと利用者を結びつける必要がある
・富裕層が入院する民間病院には MSW は存在しない
福祉国家の型(レジーム)を把握する方法がある.エスピ ン-アンデルセン(Gøsta Esping-Andersen1990=2001)は 福祉国家の型を脱商品化と階層化という指標を用いて,① リベラル型(米国,カナダ,オーストラリア等),②保守主 義型(オーストリア,フランス,ドイツ,イタリア等),③ 社会民主主義型(北欧諸国)に分けている.これによると フィンランドは③に該当するが,彼自身は日本についての 詳細な検討は行なっておらず,別の論文において日本型モ デルは諸レジームの混合体であると言及するに留まってい る.しかしこの点については,研究者間でも意見が分かれ ている(武川 2011:246).なお,エスピン-アンデルセ ンはその後「脱家族化」という新たな指標を取り入れてイ ンフォーマルな福祉(家族内でのケア等)を含む類型化を 試みるようになっている.国際比較をするにあたっては,
制度・政策面での相違だけでなく,インフォーマルな福祉 やボランティア・市民活動の情勢も含めてとらえ,比較す べきであると考えるのが近年の比較福祉国家論のトレンド である.
引用 ・ 参考文献
外務省ホームページ(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/fin- land/data.html#section1,2014.11.18)
Gøsta Esping-Andersen (1990) The three worlds of welfare capitalism. (=2001,岡沢憲芙・宮本太郎監訳『福祉資本主 義の三つの世界―比較福祉国家の理論と動態―』ミネルヴァ 書房.)
堀内都喜子(2008)『フィンランド 豊かさのメソッド』集英社 新書.
石井敏(2008)「フィンランドにおける高齢者ケア政策と高齢者 住宅」『海外社会保障研究』164,39-53.
JETRO フィンランド事務所(2000)「充実した公的福祉制度
(フィンランド)」『JETRO ユーロトレンド』2000年8月号,
58-66.
川島典子(2012)「フィンランドにおける社会保障制度―ジェン ダーの視座からの日芬比較―」『筑紫女学園大学・筑紫女学園 大学短期大学部紀要』7,241-253.
高橋睦子(2008)「フィンランドのソーシャルワーカー」『社会 福祉研究』101,124-130.
武川正吾(2011)『福祉社会―包摂の社会政策―』有斐閣アル マ.
山田眞知子(2011)「フィンランドの保健ケア改革の動向―2011 年5月1日施行の『保健ケア法』―」『自治総研』390,78-
104.
(2015年1月27日受理)