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雑誌名 技術報告

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Academic year: 2021

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ニホンスモモ 貴陽 における放射線照射花粉の受 粉が種子形成と果実品質に及ぼす影響

著者 周藤 美希

雑誌名 技術報告

巻 22

ページ 73‑73

発行年 2017‑03‑10

出版者 静岡大学技術部

URL http://doi.org/10.14945/00010261

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- 73 -

生物系

専門分野

農学・水産学

課題番号 16H00466

ニホンスモモ‘貴陽’における

放射線照射花粉の受粉が種子形成と果実品質に及ぼす影響

周藤美希(フィールド支援部門)

目的

ニホンスモモ‘貴陽’は、大果(200300g)で高糖度(20度 程度)であることから、市場での評価が高い。しかし、栽培に関 しては『味なし果』と呼ばれる低品質果実(糖度10度程度)の 発生が問題となっている。これまでに‘貴陽’は三倍体である ことや、種子形成の異常が認められることは報告されているが、

『味なし果』の発生要因は明らかになっていない。

果実成熟において種子は同化産物を果実内に引き込む役割を 持つ。他の果樹ではγ線や軟X線などの放射線を照射した花粉

の受粉によって種子形成の異常が起こり、照射線量の多少が種子形成異常の程度や果実品質に影響 することが確認されている。‘貴陽’でも同様に放射線照射花粉を受粉することで、種子形成の異常 が高頻度に引き起こされ、その影響により果実の低品質化、すなわち『味なし果』を人為的に誘導 できるかもしれない。

そこで本研究では、『味なし果』発生のメカニズム解明のために、静岡大学農学部附属地域フィー ルド科学教育研究センター栽植の‘貴陽’に理学部附属放射科学研究施設でγ線照射した‘ハリウ ッド’花粉を人工受粉することで、放射線照射花粉の受粉が種子形成と果実品質に及ぼす影響を調 査した。

意義

本研究は、ニホンスモモ‘貴陽’において放射線照射花粉の受粉が種子形成と果実品質に及ぼす 影響を明らかにするものであり、以下の教育および産業面での効果が期待される。

教育面については、人工受粉は自家不和合性や雌雄性を有する果樹において果実生産を行う上で 必要不可欠な栽培管理技術であり、大学の農場教育においても重要な実習プログラムである。上述 のように種子形成の異常は果実品質に影響することがあるが、リンゴ、キウイフルーツ、カンキツ 類などの1果実に複数の種子が含まれる果樹では、種子11つの果実への影響が理解しにくい。

一方、スモモ、ウメ、モモといった核果類では1果実に種子は1つだけである。そのため、種子が 及ぼす果実肥大や品質への影響がわかりやすいことから、学生のより深い理解が期待でき、教育効 果の高い教材開発にも繋がる。

産業面については、放射線照射により誘導した種子形成異常と果実品質の低下の関係性が見出せ れば、『味なし果』を人為的に発生させることが容易となる。それにより『味なし果』発生メカニズ ムが解明され、高品質‘貴陽’果実の安定生産が可能となり、栽培現場への貢献も非常に大きいも のと考えられる。

図 ニホンスモモ‘貴陽’果実

参照

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