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論文審査委員

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Academic year: 2021

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(1)

博士学位論文内容の要旨

氏 名 河田

カ ワ タ

所 属 人間健康科学研究科 人間健康科学専攻 学 位 の 種 類 博士(看護学)

学 位 記 番 号 健博 第

107

号 学位授与の日付 平成

28

3

25

日 課程・論文の別 学位規則第4条第1項該当

学 位 論 文 題 名 女子大学生の保健行動促進を目指したヘルスリテラシー向上性教育

プログラムの開発と有効性の検討

論 文 審 査 委 員 主査 教 授 斉藤 恵美子 委員 教 授 西村 ユミ 委員 教 授 習田 明裕

【論文の内容の要旨】

【目的】女性の十代後半から

40

歳代前半は性成熟期とされ、生殖機能が最も安定し、性行 動が活発化する時期である。特に

20

30

歳代は自らの生殖機能、性行動に関連した健康課 題が顕在化する時期でもある。

20

30

歳代の女性の健康課題への対処行動として、情報通 信機器を利用した情報入手や相談が報告されているが、情報の鵜呑みや情報過多による不 安等が報告されており、健康情報を入手し活用する能力であるヘルスリテラシーの向上が 重要である。また、性に関する知識の不足が報告されており、継続的な性教育が必要であ るが、高等学校卒業以降に性教育を受ける機会は少ない。加えて、女性の大学進学率は

50%

を超えており、大学生に適した性教育プログラムの開発が必要である。そこで、本研究で は、

20

歳以上の女子大学生を対象に女性の健康を守るための保健行動の促進を目指したヘ ルスリテラシー向上性教育プログラムを開発し、有効性を検討することを目的とする。

【方法】研究方法として、プログラムの開発とプログラムの有効性の検討の

2

つの方法から 述べる。性成熟期女性のヘルスリテラシー尺度(以下、ヘルスリテラシー尺度)の

4

つの下 位尺度の内容を基に、看護職、女子大学生からの情報収集によりプログラム案を検討した。

プログラム案の構成は、講義と月に

1

回の携帯電話メール配信を組み合わせ、期間は

3

か月 間とした。使用教材は、プレゼンテーションソフトによるスライド、基礎体温計および表、

おりものの模型、婦人科受診時のシミュレーションのワークシートとした。

プログラムの開発は、

20

歳以上の女子大学生

13

名を対象に、プログラム案を実施し、前

後比較デザインによる介入研究を行った。期間は

2014

12

月~

2015

3

月であり、調査項

目は、基本属性(年齢、婦人科既往歴、性教育の受講歴、自分の体への関心、子宮頸がん

検診受診)、プロセス評価項目として、プログラムの内容、満足度、難易度、教材の理解

(2)

博士学位論文内容の要旨

度等、プログラム評価項目として、ヘルスリテラシー尺度、女性の健康に関する知識(以 下、知識)とした。基本属性とプロセス評価項目は、基本統計量を算出し、ヘルスリテラ シー尺度と知識の前後比較にWilcoxonの符号付順位検定を行った。本研究は、2014年度首 都大学東京荒川キャンパス研究安全倫理委員会の承認後に実施した(承認番号

14083

)。

プログラムの有効性の検討は、

20

歳代以上の女子大学生を対象に比較群を設けた準実験 デザインによる介入研究を行った。研究協力大学が指定した学部学科の学生に対し、各群 の参加者を募集した。各群の人数は、プログラム開発の研究時の介入前後のヘルスリテラ シー尺度の得点差を参考に算出し、各群

13

名以上とした。期間は

2015

3

月~

10

月とし、

プログラムの開始時期は、参加者の履修登録および健康診断時とした。調査項目は、基本 属性(年齢、婦人科既往歴、性教育の受講歴、自分の体への関心、子宮頸がん検診受診歴)、

ヘルスリテラシー(ヘルスリテラシー尺度、医療従事者に自分の体について説明する自信 の有無)、女性の健康に関する知識、保健行動(基礎体温測定の有無、おりものの観察の 有 無、コンドームの使用の有無、子宮頸がん検診受診の有無)、保健行動の行動変容ステ ージ(基礎体温測定、おりものの観察、コンドーム使用、子宮頸がん検診の受診を「する つもり」「するつもりはない」)と設定した。調査は、プログラム実施前(事前調査)、

プログラム終了

1

か月後(最終調査)に行った。分析方法は、基本統計量を算出し、最終調 査時のヘルスリテラシーに関する項目、知識、保健行動および行動変容ステージの両群の 比較は、

Mann-Whitney

U

検定および

Fisher

の正確確率検定またはχ

2

検定を行った。さ らに、介入群内の前後比較はWilcoxonの符号付順位検定、

McNemar検定を行った。本研究

は、

2014

年度首都大学東京荒川キャンパス研究安全倫理委員会の承認後に実施した(承認 番号

14104

)。

【結果】始めにプログラムの開発としての結果を述べる。プログラムには

13

名の応募者全 員が参加し(参加率

100

%)、平均年齢は

20.7

歳(標準偏差

0.4

)であった。プログラムの 評価は、全員が「満足」 (

100

%)と回答し、内容の難易度は、全員が「ちょうど良い」 (

100

%)

と回答した。教材の評価は、すべての教材で全員が「理解できた」(

100

%)と回答した。

実施前後のヘルスリテラシー尺度得点では、実施後が有意に高く(

P=.001

)、知識得点も 実施後に有意に高かった(

P=.003

)。

次に、プログラムの有効性の検討としての結果を述べる。参加者は、介入群の

32

名に対

14

名(参加率

43.8

%)、比較群の

72

名に対し

60

名(参加率

83.3

%)であった。最終調査

の参加者は、介入群

14

名(参加率

100

%)、対象群

56

名(参加率

93.3

%)であった。事前調

査の自分の体への関心の有無とヘルスリテラシー尺度の得点を用いて両群のペアマッチン

グを行い、分析対象者を各群

14

名の合計

28

名とした。参加者の平均年齢は

20.6

歳(標準偏

0.7

)であった。両群の事前調査時の基本属性、ヘルスリテラシー、知識、保健行動およ

び行動変容ステージに有意な差はみられなかった。両群の最終調査時の比較では、介入群

のヘルスリテラシー尺度得点が有意に高く(

P

.002

)、医療従事者に自分の体について説

明する自信があると回答した人の割合も介入群で有意に高かった(

P<.001

)。また、介入

(3)

博士学位論文内容の要旨

群の知識得点が有意に高かった(P=.008)。両群の保健行動の項目には有意な差がみられ なかったが、基礎体温測定の行動変容ステージでは、介入群で測定を「するつもり」と回 答した人の割合が有意に高かった(P=.006)。介入群内の前後比較では、介入後のヘルス リテラシー尺度得点が有意に高く(

P=.002

)、医療従事者に自分の体について説明する自 信があると回答した人の割合も、介入後に有意に高かった(

P<.001

)。知識得点も、介入 後に有意に得点が高かった(

P=.029

)。介入前後の保健行動に有意な差はみられなかった が、介入後の基礎体温測定の行動変容ステージでは、測定を「するつもり」と回答した人 の割合が有意に高かった(

P=.031

)。

【考察】本プログラムは、女子大学生に適切な内容であり、ヘルスリテラシーと知識の向

上、および基礎体温測定の行動ステージの変容に有効であった。高等学校卒業以降の性教

育やそのシステム構築の必要性が指摘されている中で、本プログラムは大学生活の中でも

定期健康診断時等の健康への関心が高まる機会に活用することが期待できる。

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