表1. ソーシャルワーク ( Bachelor )学修課程 ( ポツダム社会福祉大学の例 ) 学修課程 学 期 学修内容 試験方法 単位 時間数 基礎課程 ( Grundlagenstudium ) 1~2 職場の構成 筆記および口述 15 450 ソーシャルワークの専門的学修の基礎 筆記又は口述 15 450 ソーシャルワークの基礎的方法および活動計画 (1) 筆記および (又は) 口述 10 300 ソーシャルワークの社会学的および人間科学的基礎(1) 筆記および (又は) 口述 10 300 法律上および社会政策上の基礎 (1) 筆記 10 300 専門課程 ( Vertiefungsstudium ) 3 ソーシャルワークの基礎的方法および活動計画 (2) 筆記および (又は) 口述 51 50 ソーシャルワークの社会学的および人間科学的基礎(2) 筆記および (又は) 口述 51 50 法律上および社会政策上の基礎 (2) 筆記 10 300 ソーシャルワークにおけるソーシャルマネジメントおよび経済的基礎 筆記および (又は) 口述 51 50 外国語 (専門用 語) 筆記又は口述 51 50 4 (選択必 修) ・社会生活への適応および教育(1) どちらか を選択 ・問題への対応および社会的擁護に関する助言(1) 筆記および口述 15 450 ソーシャルワークの理論 筆記又は口述 10 300 ソーシャルワークの基礎的方法および活動計画 (3) 筆記又は口述 51 50 5 (選択必 修) ・社会生活への適応および教育(2) どちらか を選択 ・問題への対応および社会的擁護に関する助言(2) 筆記 30 900 6 (選択必 修) ・社会生活への適応および教育(3) どちらか を選択 ・問題への対応および社会的擁護に関する助言(3) 企画書および口述 15 450 ソーシャルマネジメント 筆記又は口述 5 150 卒業論文( Bachelor-Arbeit ) 卒業論文および口述 10 300 合計単位 180 5400 ‥‥ ‥ 出典) Studien-und Prufungsordnung f ur
den Prasenzstudiengang Bachelor of Arts: Soziale Arbeit(StudPO)
7学期の専門課程では、「ソーシャルワークの理論 と方法」、「ソーシャルワークの倫理」、「ソーシャ ルワークの組織、資金調達、マネジメント」、「実 習とスーパービジョン」、「卒業論文」などの他に、 選択Modulとして、「社会的文化および教育活動」、 「保健、疾病、ソーシャルワーク」、「児童および青 少年への支援」などがあり、第1~7学期で合計 210 単位(6300 時間)を学修する9)。 このようにボローニャ・プロセスにより、多く の大学で新たな学修の仕組みに切り替えられてき ているが、少なからず課題もある。例えば、各科 目が Modul 化しているものの、その内容は必ずし も大学間で統一されていないことが挙げられる。 これは Modul の内容を各大学で決めることができ るからである。また、学修課程の Modul 数や一つ の Modul における単位数についても同様で、これ らが多様化していることは否めない。 6.日本への示唆 ボローニャ・プロセスにより、欧州高等教育圏 の形成は着実に進んでいる。従来欧州各国は、独 自の教育制度をもっていたため、教職員、学生な どの流動性や雇用の促進を図るうえで、大きな障 壁があった。この障壁を崩し、共通の高等教育制 度を構築することで、人的移動を活発化し、教育、 研究などの水準を高め、雇用を促進することが期 待されている。 これとは対照的に、日本の社会福祉士養成では 国内に視点が置かれているため、果たして国外で 通用する教育水準が確保されているのか疑問であ る。これは前述のドイツのソーシャルワーク教育 と比較すれば一目瞭然である。また、国際社会事 業学校連盟(IASSW)と国際ソーシャルワーカー 連盟(IFSW)の合同総会(2004 年)で、「ソーシャ ルワーク教育および養成のためのグローバル基準」 が採択されたことは、ソーシャルワーク教育、養 成、そして雇用などを、グローバルな視点で捉え ることが求められていることを意味する。今後、 日本のソーシャルワーク教育、研究、雇用などの 水準を高めるためにも、日本、韓国、中国を主要 国としたアジア高等教育圏の形成について、積極 的に検討する必要があるのかもしれない。 7.おわりに 本稿では欧州圏で展開されているボローニャ・ プロセスに注目し、ドイツのソーシャルワーカー 養成(教育)の動向について整理した。前述のと おり、欧州高等教育圏の形成により、教育、研究、 雇用などの水準向上が期待されているが、2010 年 の実現以降、これらがどのように推移するのか大 変興味深い。この点については、今後の動向を見 守りながら報告したい。 引用文献・資料 1)高木剛:ドイツにおける介護福祉専門職の養 成教育-ラインラント・プァルツ州の例を中 心に.介護福祉士.3:47-54.2004. 2)高木剛:ドイツにおける介護、看護、ソーシャ ルワーク人材養成の最近の動向.第 15 回日本 介護福祉学会大会プログラム・要旨集:148. 2007. 3)高木剛:介護福祉専門職による「医療行為」に 関する研究と今後の専門職養成の考察-ドイ ツおよびデンマークの現状分析を中心に.訪 問看護と介護.12(8):674-678.2007. 4)高木剛:ドイツにおける老人介護士の養成教 育- 2003 年施行の教育改正を中心に.介護福 祉学.14(2):213-220.2007. 5)高木剛:ドイツにおける高齢者ケアを担う人 材養成.社会事業研究.47:191-194.2008. 6)高木剛:ボローニャ宣言とドイツのソーシャ ルワーカー養成の動向.第 47 回日本社会事業 大学社会福祉研究大会報告資料集:51-52. 2008.
7)David Crosier、Lewis Purser & Hanne Smidt: Trends Ⅴ:Universities Shaping the Eurppean Higher Education Area.European University Association :15-18.2007.
8)Statistische Daten zur Einfuhrung von Bachelor-und‥ ‥
Hochschulrektorenkonferenz(HRK):10-12.2008. 9)Modulhandbuch des Bachelor Studiengangs Sozial