住宅金融政策の課題︵I︶
III住宅金融公庫を中心にlll
村 本 孜
目 次
一 はじめに
二 政策金融としての公庫融資︵I︶
三 政策金融としての公庫融資︵Ⅱ︶
−l−︱利子補給の問題ll
︵以上前号︶
四 持家政策と公庫融資
五 公庫融資の課題
四 持家政策と公庫融資
公庫融資が五四年度末には︑残高一〇兆八九〇四億円となり﹁政府金融機関融資残高の二八・七%という巨大
住宅金融政策の課題 ︵Ⅱ︶
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(第14表)地域別持家率
が自分の家を持ち︑商業その他の自営業者も七二・一%の
持家率であるのに対し︑雇用者層では五四・四%にすぎ
ず﹁とくに年収三〇〇万未満雇用者は四二・ハ%に留まっ
ている︒とりわけ︑地域別観点を加味すると︑京浜大都市
圈の年収三〇〇万円未満の雇用者の持家率は二七・二%の
低水準である︒ な規模になったのは︑石油ショック以後︑経済政策的性格つまり景気浮揚政策としての役割が公庫融資に付せら れたからにほかならない︒そして︑このような公庫融資の性格付けは﹁持家政策によって推進されており︑この 持家政策を正当化するのが﹁国民の根強い持家志向﹂という主張である︒既に別の箇所で指摘したように︑昭和 四〇年に住宅戸数を住宅世帯数で除した値は一以上となり︑四八年には一・○五となったことで明らかなよう に︑住宅は量的には充足され︑空家が相当存在している︵空家率は四三年四・〇%︑四八年五・五%︑五三年七・六 %︶︒一方︑持家率は昭和五三年には六〇・五%に達し︑先進主要国ではアメリカの六四・六%︵一九七五年︶に 次ぐ水準となっている︒このよう・に︑持家率が全国で六割を超えているにもかかわらず﹁国民の根強い持家需要 があるのは︑持家率には﹁地域別︑従業上の地位別﹁所得・年齢階層別に相違がみられる﹂からである︒
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(第15表)持家率の特性(昭和53年)
が︑この表でみる限り︑持家の方は約六割弱が平均居住水準であるのに対し︑借家は約八割強が平均居住水準に
満たない︑劣悪な居住水準であることが判る︒この傾向は大都市地域で顕著で﹁とくに南関東では借家の約九割
弱が平均居住水準未満で︑とくに約三割は最低居住水準にも達していないことが明らかである︒南関東すなわ
ち﹁京浜大都市圈の借家の状況がいかに劣悪かをこのデータは物語っている︒
﹁住宅需要実態調査﹂︵建設省住宅局︑昭和五三年︶によれば︑借家居住世帯のうち︑四四・一%が改善を考え﹁
そのうち持家の取得による改善を考えている世帯は八〇・七%︵新築︑家の購入︑土地のみ購入︶に達している︵第 ㈲ 所得年齢層別にみると︑低所得層︑ 若年層ほど持家率が低い︒収入五分位階 級別でみると︑昭和五三年に第1分位三 五・七%︑第Ⅱ分位四〇・九%︑第三分 位五一・六%である︵第一六表︶︒ 以上のことから︑持家率が低く︑持家 志向が強いのは︑大都市圈とくに京浜市 圈の低所得雇用者について顕著であると 推論できる︒ この点を別の観点からみてみると︑第 一七表は住宅の居住水準達成状況である
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由として︑次のように指摘している︒すなわち︑
﹁① 持家は︑財産としての価値が高く︑財産形成の主要なターゲットとして位置づけられていること︒
② 建設された住宅の規模が﹁持家で広く︑借家で狭いという格差があることから︑広さへの欲求が持家への
欲求に転化しやすくなっていること︒
(第17表)住宅の居住水準達成状況
一八表︶︒とくに︑東京圈では︑借家世
帯のハハ・八%が持家志向であること
が明らかである︒
このように︑持家に対する需要が旺
盛なのは︑持家取得によって居住水準
を向上させるという要望︵質の向上と言
ってもよい︶が強いことが重要な要因
ヽであると同時に︑資産としての住宅に
対する保有選好も大きく︑実物資産と
しての住宅取得は︑生活の充実と資産
選好の両面の相乗効果から促進される
のである︒この点について﹁ ﹃住宅金
融公庫三十年史﹄は持家欲求の強い理
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(第18表)住宅の改善計画の内容(昭和53年)
︵ほ︶持家の借入金返済額が︑借家の支払家賃とほぼ同程度になったため︑借家居
住者に﹁家計負担が同程度であれば持家の方が得﹂という風潮が生まれたこと︒﹂
以上のよう・な持家需要に対応して採られた政策が持家政策である︒持家政策とし
ては︑税制等の各種持家助成策︑昭和四六年六月に公布・施行され︑持家を貯蓄資
産と並ぶ財産形成の目標とし︑財形持家融資等の助成措置を講じている財形法﹁昭
和四一年から実行され︑第四期計画に突入しようとしている住宅建設五ヵ年計画等
があげられる︒とくに︑第一九表にみるように﹁住宅建設五ヵ年計画は︑第一期計
画︵昭和四一〜四五年度︶では持家率を五〇・〇%︵実績五一・〇%︶としていたが︑
第二期計画では五五・三%︵実績五八・ハ%︶︑第三期計画では六〇・〇%︵実績七
一・二%︶と上昇せしめており︑第四期計画では七一・四%と計画している︒とくに︑
計画値よりも︑実績値の方が上回っており︑とりわけ第三期計画では計画の六〇・
〇%を大きく上回る七一・ニ%という持家率を実現した︒このことは︑持家政策が
民間の持家需要を喚起したことを物語っている︒第一九表を検討すると︑住宅建設
五ヵ年計画は︑第一期計画こそ全体で達成率一〇〇・六%と目標を実現したもの
の︑第二期および第三期計画は達成率が全体で八六・五%︑九〇・七%といずれも
目標を下回っている︒ところが︑公庫住宅の達成率をみると︑第一期計画の一〇〇
・七%は無論のこと︑第二期計画では一二一・五%︑第三期計画では一三二・六%
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(第19表)住宅建設五ヵ年計画
と大きく目標を上回っている︒公
庫住宅は︑住宅建設五ヵ年計画の
中では︑いねば持家政策の柱にな
るものであるが︑第一次石油ショ
ック以後の景気浮揚政策の中心に
なったこと等により﹁唯一例外的
に高い達成率を示している︒第三
期計画の実績べIスでみると︑公
的住宅三六八万戸のうち︑二五二
万戸が公庫住宅で︑六八・五%の
シェアとなっている︒したがって︑
持家政策を推進するのがいわば公
庫住宅であり︑公庫融資が持家政
策の担い手であったことが判る︒
このように公庫融資が持家政策
の中心になったのには種々の理由
があるが︑景気浮揚策として公庫
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融資が重要視されたことが無視できない︒その理由は︑﹃住宅金融公庫三十年史﹄によれば︑
﹁① 従来の不況期には︑個人消費や輸出などで景気を下支えしたが︑四九年度の不況ではこれらの最終需要が
非常に弱いため︑財政支出によって公共投資や住宅建設を強力に推進する必要があること︒
② 公庫融資は︑財源の逼迫している一般会計に大きな負担を与えることなく︑比較的に弾力的運用が可能な
財政投融資の利用が中心であること︒
③ 根強い住宅需要に支えられて︑公庫融資を拡大すると︑その分住宅建設が確実に伸び景気対策の効果が出
てくること︒
④ 住宅建設の関連事業の生産誘発効果は︑公共投資と並んで大きく︑比較的少ない財政支出で大きな波及効
果が期待できること︒
⑥ 住宅建設投資のGNPに占める割合が増大している中で︑住宅建設を刺激すると︑それに伴ってGNP増
大への寄与度が大きくなっていること︒
⑥ 国民の根強い住宅需要が存在している中で︑その潜在需要を実現化していくことは︑長期的にも福祉社会
﹁11J 建設につながっていくこと︒﹂
である︒とくに︑④の住宅建設の生産誘発効果は︑公共事業の生産誘発係数︵治水ニ・○七︵道路建設二・〇〇等︶
よりも大きく﹁二・二五︵建築費一単位当たり生産誘発はニ・二五単位の増大︶であり︑公庫住宅の生産誘発係数は︑
個人住宅建設でニ・二三︑マンション購入および民間団地分譲住宅でニ・三二と推計され︑景気浮揚効果が大き
いと考えられた︒この点で﹁持家政策は景気浮揚政策と一体化され﹁公庫融資もその性格付けが不明確になって
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しまった︒そもそも持家政策は︑前述引用の⑥のように福祉社会建設という社会政策の側面が強かったのである
が︑景気浮揚政策の性格が加味された結果﹁種々の問題を生ぜしむるに到ったのである︒
とくに重要なことは︑公庫融資が急増したにもかかわらず︑住宅用地確保政策が十分採られなかったため︑地
価急騰を招いた︒住宅用地確保の目途がないにもかかわらず︑住宅金融面からの購買力増強政策が公庫融資の形
で推進されたため︑地価は上昇したのである︒高度経済成長時代には︑家計の収入の伸び率も大きく︑地価上昇
も吸収され得たが︑経済の低成長化は家計収入伸び率を低下させ︑地価急騰の下で︑持家取得可能世帯を急減さ
せることとなったのである︒この点で﹁持家政策を住宅金融面から購買力を高める方策により実現させることに
は限界があり︑持家政策の再検討を必要とする︒持家政策が住宅用地供給可能量とのバランスを失する限り︑地
価そして住宅価格の高騰を招き︑家計の収入・負債のアンバランスの拡大と︑住宅ローンによる返済苦を招くの
みである︒したがって︑持家政策中心の住宅政策には方向転換が迫られており︑その中で公庫融資も再検討され
るべきである︒
五 公庫融資の課題
昭和四〇年代に急成長し︑石油ショック後の景気浮揚政策の中軸としてその役割が顕著となった公庫融資につ
いても︑いくつかの問題点そして限界が明らかになってきている︒財政再建という・課題を抱える国の一般会計予
算の伸び率が抑制される中で︑三で指摘したような利子補給を一般会計に大きく期待することは困難である︒既
に︑昭和五六年度予算では︑補給必要額と予算で認められた額との間にはギャップが生じており︑今後このギャ
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ップは大きくなることはあっても︑小さくなることはない︒この一般会計からの利子補給が停止されれば﹁資金
運用部から資金を借入れて︑それを一般会計からの利子補給で補助した上で﹁五・五%という低金利で貨付ける
システム自体が否定されることになるが︑利子補給がその必要額を充足されないということは︑この否定の方向
を示すものである︒
また︑公庫融資の原資となっている資金運用部資金を含む財政投融資自体の見直しも︑ニで示したような未消
化問題等から重要な課題であると同時に﹁資金運用部資金の原資である郵便貯金は︑金融システムの中で新しい
課題を与えていることは周知である︒このような経済・金融環境の中で公庫融資も従来通りの在り方ではその運
営に支障が生ずることになるが︑ここでは住宅金融公庫の資金調達面と資金運用について今後の課題を論ずるこ
ととしたい︒
00 住宅金融公庫の資金調達の問題であるが︑従来の資金調達方法には︑㈲一般会計および見返資金特別会計
・産業投資特別会計からの出資金︑㈲財投資金の借入れ︵資金運用部資金と簡保資金︶︑㈲財形住宅債券および宅地
債券の発行︑の三つがある︒このうち﹁公庫発足当初の原資は㈲によっていたが﹁ 一般会計からの出資金は昭和
三〇年度に終了し︵見返資金特別会計の交付金は二五・二六年度のみ︶︑三二年度からは産投会計出資となったがこれ
も四〇年度に終了したため︑公庫の資金調達は㈲の借入金が主となっている︒財投借入金は二六年度から始ま
り︑当初は資金運用部資金のみであったが︑三〇年度からは簡保資金の借入れも行われるようになった︒したが
って︑四〇年代以降の公庫の原資は借入金が主で︑㈲の債券発行もあるものの僅かであり︵三八年度から︶︑これ
に公庫の自己資金が加わっているという構成であった︵第二○表︶︒既に︑公庫が財投借入金に依存している限
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(第20表)公庫資金の原資
の根幹であり︑欧米諸国ではこのシステムが早くから確立し︵イギリスの建築組合︑アメリカの貯蓄貸付組合・相互貯
蓄銀行︑西ドイツの建築貯蓄金庫など︶︑住宅資金の安定的供給が行われている︒日本ではこのようなシステムが確
立しておらず︑住宅金融問題の一つの隘路となっている︒
住宅建設のための資金︑すなわち住宅ローンの金利は低い方が望ましく︑経済的厚生にも資するわけである り︑多くの問題が生ずることを見てきた︒この点で︑これまでのよう な資金調達方式に依存することには眼界があり︑新たな方式を導入す ることが望まれる︒ 公庫融資の原資として財投借入に依存しないとすれば︑公庫自体の 資金調達機能を活用する必要があり︑それは㈲の債券発行方式の拡充 であろう︒現在も財形住宅債券および宅地債券の発行が行われている が︑その規模は第二〇表に見るように小さい︒この点で︑昭和五六年 ︵14︶度から﹁住宅・宅地債券積立制度﹂が導入されたことは注目される︒ 住宅建設のような支出については︑多額の資金を要するため︑かなり の期間に亘る資金計画をもつ必要がある︒とくに計画的住宅貯蓄を行 い︑一定規模に達した段階でこれを基とし︑住宅ローンを上積みした 上で︑実際の住宅建設資金をするという方式が一般的である︒したが って︑計画的住宅貯蓄と住宅ローンをリンクするシステムが住宅金融
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が︑そのためにはロlンの原資の金利も低くなければ金融システムとしては完結しないことは︑期間対応原則と
︵15︶合わせて︑自明なことである︒将来住宅ローンを希望する者が計画的に低い金利で預金などの貯蓄を行い︑それ
を原資として低利の住宅ローンを行う金融システムこそ︑住宅金融として最も望ましいものである︒このシステ
ムを現行の民間金融機関に期待するとすれば︑﹁住宅金融勘定﹂という・べき新しい制度を導人しなければならな
い︒この点で︑住宅金融公庫が︑債券発行を行い﹁将来公庫融資を希望する者がこれに応募し︑一定の条件を満
たした後に︵一定額の債券を購入することや︑所定の方式で積立てるなど︶︑公庫融資に優先権を与えるといった方式
は︑計画的住宅貯蓄と住宅ローンのリンク・システムに適うものである︒公庫の発行する債券の金利を低利にす
れば︑現行の五・五%融資も可能であるし︑それ以下の条件での融資も可能となろう︒いずれロせよ﹁公庫が債
券発行による資金調達を推進することは不可欠であり︑財政投融資の見直し論ともコンシステントである︒
財政投融資見直し論についてレビューすることは本稿の目的ではないので避けるが︑積極的提言を行っている
ものに野口氏の主張がある︒それによれば︑財投関連機関存続の判断を行政あるいは政治の場で行うのではな
く︑市場の判断に委ねる方式を用い︑具体的には財投資金の供給を停止し︑各機関が資本市場で債券発行を行っ
て資金調達をすることとし︑いったん市中消化された債券を資金運用部が市中から購入する︒これにより︑市中
から資金調達を行いうる機関のみが︑その資金の範囲内で︑事業を継続しうることとなるというものである︒財
政投融資の再検討を行う方式として合理的なものと言えるが︑もしこのような再検討がなされるとしても︑公庫
の債券発行方式による資金調達は充分機能ずるものと言えよう︒
② 公庫融資の運用については︑種々の問題があるが︑大別してニつの側面が指摘できる︒一つは運用対象で
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あり﹁もうI一つは金利の問題である︒
公庫融資の運用対象は︑現行でも二元的ないし画一的でない運用によって類別化されている︒たとえば︑地域
別運用はかなりきめ細かく行われているし﹁所得別運用も昭和五六年度から導入され﹁年収ハ○○万円を超える
者については五・五%融資ではなく︑ハ・○%融資が適用され︑五・五%融資に所得制限が行われるという﹁二
元的運用﹂が採用されている︒このような﹁ニ元的﹂ないし﹁多元的﹂運用は﹁公庫融資のもつニ元的性格l
社会政策的融資と経済政策的融資︱から見て当然の方向である︒社会的に見て︑安定的な住宅供給を行うべき
分野︵相対的低所得層︶には低利の社会政策的融資を行う一方︵たとえば︑法定金利の五・五%融資︶︑景気変動に対応
して供給されるような分野︵相対的高所得層︶には低利でない経済政策的融資を行う︵たとえば政令金利︶ことがよ
り積極的に活かされるべきである︒
第一六表に見たように︑低所得層ほど持家率が低く﹁第三図に明らかなように︑収入の低い若年層に持家需要
はシフトしている︒したがって﹁所得格差別の運用も二元的なものから︑もう少しきめ細かい多元的運用へ移行
することが期待されよう︒
次に︑公庫融資の金利の問題であるが︑現行の金利制度にはすでに利子補給の面からも問題かおることを指摘
した︒三で論じたように︑法定金利と政令金利のニ元的適用のより一層の徹底化﹁すなわち社会政策的融資には
法定金利を適用する一方﹁経済政策的融資には政令金利を適用するという方式を確立する必要がある︒
さらに︑公庫融資の貸付金利の水準自体をフレクシブルにすることが望まれる︒公庫資金の調達金利である財
投金利か昭和四七年以降しばしば変更され︑変動幅が大きくなっている中で︑公庫の貸付金利︵とくに法定金利︶
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のろが硬直的であることは問題である︒住宅ローン金利は低いほど望ましいことは言うまでもないが︑現行の法
定金利五・五%の上下一定範囲内でフレクシブルにする程度のことは考察されるべきである︒公庫の貸付金利も
金利体系の中で位置付けられるのが本来の姿であり︑少なくとも民間の一年定期預金の金利に等しい水準でなけ
れば︑公庫融資を受けた者がそれを預金して利益を受ける︵利鞘を稼ぐ︶ような状況を発生せしめることとなり︑
社会的不公平を生むこととなる︒したがって︑法定金利を固定するのではなく﹁金利自由化の中で位置付けるこ
とが重要である︒その上で︑三の最後に示したような①?⑥の措置が加味されるべきである︒
︵一九八一・三・三一︶
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