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重症筋無力症と月経・妊娠・出 産.内科

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Academic year: 2021

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重症筋無力症患者における月経周期と症状増悪の関連性 

 

班      員    野村  恭一 

共同研究者    伊﨑  祥子,橋本  ばく,田中  覚,王子  聡,山元  正臣,山鹿  哲郎,杉本  恒平,古谷  真 由美,宮内  敦生,石塚  慶太,鈴木  理人,齋藤  あかね,原  渉,田島  孝士,久保田  昭 洋,成川  真也,小島  美紀,吉田  典史,三井  隆男,傳法  倫久,深浦  彦彰 

 

研究要旨 

重症筋無力症(myasthenia gravis : MG)は神経筋接合部のシナプス後膜上にある標的抗原に対する自 己抗体の作用により,神経筋接合部の刺激伝達が障害されて生じる自己免疫疾患である.男女比は 1  :  1.7 で女性に多いことが明らかとなっている.実臨床の場においては,女性患者にみられる月経 周期と MG 症状増悪の関連があり,これに関する報告は新しいものでも 20 年以上前にさかのぼる.

MG 女性患者における MG 症状の増悪と月経周期との関連性について明らかとすることを目的とし,

女性患者に対するアンケート調査結果を解析した.結果,MG 女性例の 54.2%に月経関連時増悪を 認め,月経 1 週間前から月経中に症状が増悪することが明らかとなった.月経は MG 増悪のリスク 因子になりうるが,さらなる調査検討を要する.MG 症例の診療に当たり,単に疾患の性差だけで はなく,女性患者に生じうる症状変動をも認識する必要があることが示唆された. 

  目  的 

重症筋無力症(myasthenia gravis : MG)は神経 筋接合部のシナプス後膜上にある標的抗原に対 する自己抗体の作用により,神経筋接合部の刺 激伝達が障害されて生じる自己免疫疾患で,男 女比は 1 : 1.7 で女性に多い.実臨床の場におい ては,女性患者にみられる月経周期と MG 症状 増悪の関連があり,これに関する報告は新しい ものでも 20 年以上前にさかのぼる1,2).MG 女 性患者における MG 症状の増悪と月経周期との 関連について調査検討した. 

   

        埼玉医科大学総合医療センター  神経内科 

方  法 

2018 年 2〜5 月に当院を受診した MG 女性患者 と埼玉県 MG 患者会に参加された女性患者にア ンケート調査を行い,その結果について解析し た. 

結  果 

症例は 30 例,調査時の平均年齢は 50.3 歳(範 囲 28−76).罹病期間の平均は 12.2 年(1−40) 

で,眼筋型 4 例,全身型 26 例であった. 

26 例(87%)は経口ステロイド(PSL)治療を 受けており,現在の PSL 内服量は 7.3 mg/日(0

−35)であった.調査時に月経を有していたのは 17 例であった.この 17 例のうち月経周期と MG 症状増悪に関連がある群(増悪あり群,n =  13)と関連がない群(増悪なし群,n  =  9)に分け

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- 66 - てさらに検討した.PSL 治療を受けているのは 増悪あり群の方が有意に多く(P  =  0.03),現在 の PSL 内服量も増悪あり群の方が有意に多か った(P = 0.03).   

月経周期と MG の症状増悪に関連があると答 えたのは 54.2%(回答者 24 人中 13 人)であった.

月 経 の 度 に 毎 回 増 悪 す る と 答 え た の は 66.7%(回答者 15 人中 10 人),月経 1 週間前か ら月経中にかけて症状増悪が見られることが多 かった.症状増悪は日常生活に支障が生じてい る場合が多いことがわかった. 

考  察 

  月経と神経疾患については,月経関連時片頭 痛がよく知られるが,多発性硬化症も 42%が月 経直前または開始時に症状が増悪すると言われ 3).女性ホルモンと MG の関連については,

エストロゲンは EAMG を増悪させる方向に働 く報告 4)があるが,月経時はエストロゲン,プ ロゲステロンともに低下しているが,ホルモン の値だけではなく変動することが,症状増悪と 関連する可能性がある.PSL と月経時関連症状 増悪については更なる検討を要する. 

結  論 

MG 女性例の 54.2%に月経関連時増悪を認め,

月経 1 週間前から月経中に症状増悪を認めた.

月経は MG 増悪のリスク因子になりうるが,さ らなる調査検討を要する.MG 症例の診療に当 たり,単に疾患の性差だけではなく,女性患者 に生じうる症状変動をも認識する必要がある.   

文  献 

1. R.R.Leker, et al. Exacerbation of myasthenia  gravis during the menstrual period. J Neurol Sci. 

1998; 1566: 107-111 

2.  松永宗雄ら.  重症筋無力症と月経・妊娠・出 産.内科. 1971; 28: 950-954 

3.  Zoegdrager  A.,  et  al.  The  premenstrual  period  and  exacerbation  in  mutiple  sclerosis. 

Eur Neurol. 2002; 48: 204-206 

4.  L.  Delpy  et  al.  Estrogen  enhances  susceptibility  to  experimental  autoimmune  myasthenia  gravis  by  promoting  type  1-polarized  immune  responses.  J  Immunol. 

2005; 175: 5050-5057  健康危険情報 

なし 

知的財産権の出願・登録  特許取得なし 

実用新案登録なし   

     

 

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