海洋鉱物資源開発に向けた資源量
評価・生産技術等調査事業について
平成29年6月
身近に使用されている鉱物資源の事例:自動車
【駆動モーター、 電動パワステ】 ネオジム(Nd)、 ジスプロシウム (Dy)、銅(Cu) 【ボディ・鉄鋼部材】 鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、 クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、 モリブデン(Mo)、 マンガン(Mn)、バナジウム(V) 【バッテリー】 リチウム(Li)、 コバルト(Co)、 ニッケル(Ni)、 セリウム(Ce)、 鉛(Pb) 、錫(Sn) 【排気ガス触媒】 プラチナ(Pt)、 パラジウム(Pd)、 アルミナ(Al) 、 ジルコニア(Zr) 、 セリウム(Ce) 【ライト】 ガリウム(Ga) 【ディスプレイ】 インジウム(In) <製造工程> 【超硬工具】 タングステン(W) コバルト(Co) 【工作機械モーター】 ネオジム(Nd)、 ジスプロシウム(Dy) 【ワイヤーハーネス】 銅(Cu)、ベリリウム(Be) ※ : 自動車に使用される元素産業を支える鉱物資源
<ベースメタル> <レアメタル> クロム ニオブ リチウム アンチモン チタン … マグネシウム コバルト モリブデン タングステン タンタル レアアース :輸入 :国内産出
鉱物資源の海外依存の現況
海外から
100%輸入
海外から
100%輸入
我が国は、ほぼ全てのベースメタル及びレアメタルの
海外依存度が100%
鉱物資源の海外依存の状況
銅 鉛 鉄 亜鉛 スズ ボーキサイト(アルミニウム) ニッケル マンガン46.9% 8.8% 5.4% 4.7% 3.4% 30.9% 45.6% 7.1% 5.5% 4.9% 3.8% 33.1% 50.5% 8.8% 6.8% 6.0% 3.7% 24.2% 0% 20% 40% 60% 80% 100%
銅
亜鉛
ニッケル
第4位
第5位
第2位
(出典)WMS Yearbook 2014世界のメタル需要における日本の需要
• 鉱物資源の安定供給を確保するため、鉱種ごとの実態を踏まえ、関係機関と連
携し、①海外資源確保の推進、②備蓄、③省資源・代替材料の開発、
④リサイクル、⑤海洋資源開発を総合的に実施。
精鉱
地金
①海外資源確保の推進 資源外交等による資源国との関係強化や、供給 源の多角化・上流権益の獲得(探鉱支援、ファイ ナンス支援、税制等)。 ④リサイクル 収集された使用済製 品等に含有する非鉄 金属の回収技術の高 度化を促進。製品
②備蓄 レアメタルの短期的な 供給障害に備えるた め、備蓄(国家備蓄及 び民間企業による自 主的な備蓄)を実施。使用済
製品
③省資源・代替材料 の開発 レアメタルの使用量 低減技術や、その機 能を代替する新材料 の開発を実施。 鉱石品位: 銅 0.3~1%程度 銅純分: 20~30% 99.99%鉱石
ベースメタル 一部のレアメタルの供給ルート レアメタルの供給ルート国
内
外
鉱
山
製
錬
ユ
ー
ザ
ー
リ
サ
イ
ク
ル
製
造
業
⑤海洋資源開発 海洋鉱物資源の開発・利用の促進に向けた資 源量調査、生産技術開発等を実施。鉱物資源政策
鉱山開発の特徴
電磁探査 地質調査 磁場 ボーリング調査 資源探査衛星 空中物理探査 開発工事 鉱床鉱山開発は、まず探鉱によって鉱床を発見する必要があるが、
商業的開発に十分な量の
鉱床の発見に至る確率は非常に低い
。また、生産に至るまでに
巨額の資金と10~20年
程度の期間を要する
リスクの高い事業。
→このため、南米、豪州、北米、インドネシア等といった既存の資源有望地域のみならず、資
源のフロンティア地域(アフリカ諸国等)を含めた継続的な探鉱等の鉱山開発への取組が
必要。
鉱物資源を取り巻く課題(鉱山開発そのもののリスク)
資源ナショナリズムの先鋭化
(出典)公表情報等を元に、METI作成 ザンビア 12年以降、銅とコバルトに加え、ニッケ ルや亜鉛等の鉱石に対しも、10%の輸 出税を賦課。 12年に、付加価値税の還付を廃止。 南アフリカ共和国 国会で、高付加価値化 (Beneficiation)義務 や、黒人企 業(BEE)への26%の資本譲渡義務 を内容とする改正鉱業法が上院下 院を通過。具体的な内容を定める政 省令は検討中。 ジンバブエ ジンバブエ企業等への51%の資本 譲渡義務などを盛り込んだ現地化 経済権限拡大法の改正案を検討 中。 メキシコ 採掘・抽出を行う企業等に対 して新たに鉱業特別税を賦 課するなど、鉱業に対して大 幅増税。 中国 90年頃から原材料の輸出数量を規制。 05年に付加価値税の還付を廃止。 06年以降、原材料を中心に 輸出税を賦課。 フィリピン 鉱石の輸出禁止を含む議員 立法を国会に提出。 インドネシア共和国 09年に鉱業法を改正。尼企業等への51%の資本譲渡を義務付け。 加えて、高付加価値化義務により、14年以降、事実上の鉱石等の輸出禁止。 錫の輸出について、インドネシア商品取引所(ICDX)を介しない取引を禁止。 輸出入制限を可能とする新貿易法が14年2月に国会で承認。 ベトナム 11年に鉱業法で高付加価値 化を義務付け。 中国によるレアアース等の輸出枠削減(2010年)やインドネシアの鉱業法改正による事
実上の鉱石輸出禁止措置のように、資源ナショナリズムの先鋭化は、我が国企業の事業
活動にも大きな影響。
こうした動きは他の資源国にも広がりつつある。
資源ナショナリズムの先鋭化
海底熱水鉱床 コバルトリッチクラスト マンガン団塊 レアアース泥 特徴 海底から噴出する熱水 に含まれる金属成分が 沈殿してできたもの (沖縄、伊豆・小笠原 海域) 海底の岩石を皮殻状に 覆う、厚さ数mm~ 10数cmのマンガン酸化 物(南鳥島海域) 直径2~15cmの楕円 体のマンガン酸化物で、 海底面上に分布(太平 洋(公海)) 海底下に粘土状の堆積 物として広く分布(南鳥 島海域) 含有する 金属 銅、亜鉛等 (金、銀も含む) マンガン、銅、ニッケル、 コバルト、白金等 マンガン、ニッケル、銅、 コバルト等 レアアース(重希土を含む) 分布する 水深 500m~3,000m 1,000m~2,400m 4,000m~6,000m 5,000m~6,000m
海洋鉱物資源の全体像 4つのフィールド
我が国は、世界第6位の領海・排他的経済水域(EEZ)・延伸大陸棚の広さを誇り、近年、 石油・天然ガスに加え、海底熱水鉱床などの我が国周辺海域に賦存する鉱物資源の開発への期待 が高まっている。 開発が可能になれば、海外に供給の太宗を依存している我が国の資源の新たな供給源として期待 できる。ベヨネース海丘 野甫サイト 伊是名海穴 ごんどうサイト 拓洋第五海山 小笠原海台 公海鉱区 沖ノ鳥島 活動的な海底熱水鉱床 (及び潜頭性の海底熱水鉱床) コバルトリッチクラスト 潜頭性の海底熱水鉱床 レアアース堆積物
我が国EEZと延伸大陸棚に賦存が期待される鉱物資源の分布
日本列島 南鳥島 田名サイト 比嘉サイト海洋基本法
(平成19年4月27日法律第33号) 海洋エネルギー・鉱物資源の開発の推進
• 石油・天然ガス
• メタンハイドレート
• 海底熱水鉱床
• コバルトリッチクラスト
• マンガン団塊
• レアアース堆積物
他
海洋エネルギー・鉱物資源開発計画
(平成25年12月24日経済産業省総合資源エネルギー調査会) 海洋エネルギー・鉱物資源の商業化に向けた中長期計画
• 資源量評価
• 技術開発(採鉱・揚鉱技術、選鉱・製錬技術等)
• 環境影響評価 等
海洋基本計画
(平成25年4月26日閣議決定)(参考)海洋鉱物資源開発の推進に係る法制度の体系
海底熱水鉱床の開発に向けた工程表 H 2 5 - 2 8 F Y 海洋基本計画(平成25年4月26日閣議決定) ①我が国周辺海域の資源ポテンシャルを把握するための資源探査の継続的な実施、及び②生産に向けた技術開発を集中的に実施。 平成30年代後半以降に民間企業が参画する商業化を目指したプロジェクトが開始されるよう、資源探査、採鉱・揚鉱に係る機器の技術 開発等を推進。 H 2 9 F Y - H 3 0 年 代 半 ば H 3 0 年 代 後 半 以 降 技術的課題及 び生産コスト 等の課題を克 服することを 前提に、平成 30年代後半以 降に民間企業 が参画する商 業化を目指し たプロジェクト の開始 (海洋生産試 験等の実施) 総 合 的 な 検 証 の 実 施 【今後の課題】 • 大水深における採鉱、揚鉱技術の確立 (世界初の試み) 【想定される課題】 • 長期間運転に向けた安定・信頼性向上 • 商業化に見合う生産コストの引き下げ システム設計・ 陸上・海上試験 (-H25FY) 【採鉱】 採掘試験機の海上 試験(水深700— 1600m,12-24時間連 続試験)(H26-28FY)) 概念検討 (-H24FY) システム設計・陸上・ 海上試験(H25-28FY) 採鉱・揚鉱システ ムを一体として実 海域でパイロット 試験(水深700m-1600m、2-4週間 連続試験(H29FY)) ○これま での課題 を克服し、 商業機 の設計・ 製造 (H30FY-H30年代 半ば) ○詳細資 源量評価 方 向 性 の 確 認 ・ 見 直 し 【揚鉱】 【選鉱・製錬】 パイロット試験による技術確立(H26-28FY) 【資源量評価】 新鉱床の発見・既知鉱床の評価(〃) 【環境影響評価】 環境影響評価手法の確立(〃) ○選鉱・製錬連動 試験(地金の試験 的製造(H29-30FY)) ○事業化の判断に 資するレベルの 詳細資源量把握 経 済 性 の 検 討( H 3 0 F Y ) ○環境影響評価手法の実証 平成25年12月 海洋エネルギー・鉱物資源開発計画(経済産業省)
海底熱水鉱床 開発計画 工程表
採掘・集鉱試験機 ROV (作業監視ロボット) 水中ポンプ 白嶺 揚鉱母船 水深 約1,600m 海底熱水鉱床 掘削した鉱石の流れ
海底熱水鉱床の採鉱・揚鉱パイロット試験
水中ポンプ(実物) 水運搬船 揚鉱水の移送 海洋エネルギー・鉱物資源開発計画(平成25年12月) では、「海域でのパイロット試験等を通じ て、平成29年度までに採鉱・揚鉱分野の要素技術を確立する」と記載されている。 平成29年度は、沖縄海域で採掘・集鉱試験機を用いて海底1,600mの海底熱水鉱床を掘削・ 収集し水中ポンプで海水とともに洋上に揚げる世界初の採鉱・揚鉱パイロット試験を実施する。これ により、要素技術の確立と、平成30年度に行う経済性評価に用いるデータの取得を目指す。【 音響調査 】 ・マルチナロービーム(MBES) ・サブボトムプロファイラー(nSBP) ・サイドスキャンソナー(SSS) ・極深海測深機 ・流向流速計 船体付/曳航式 【 海底観察・環境分析 】 ・遠隔操作無人探査機(ROV) ・ファインダー付深海カメラ(FDC) ・塩分、水温、水深測定装置 (CTD) 【 海底掘削調査 】 ・船上設置型掘削装置 ・海底着座型掘削装置 (BMS/BML) 【 表層サンプリング 】 ・ファインダー付パワーグラブ (FPG) ・有索自航式サンプリング装置 ・各種ドレッジ、コアラ 【 物理探査 】 ・船上重力計 ・船上3成分磁力計 ・曳航式プロトン磁力計 ・2D反射法地震探査装置 FPG ドレッジ CTD BMS SSS MBES nSBP 2D地震探査装置
海洋資源調査船「白嶺(はくれい)」
海洋エネルギー・鉱物資源開発計画(平成25年12月)の計画に沿って、資源量調査や鉱石等 の試料の採取から採掘試験機の母船としての機能を持ち、計画の中心として活用している。26.4 26.0 12.8 11.6 28.4 10.2 27.0 23.2 37.0 0.0 50.0 100.0 150.0 平成28年度 平成29年度
予算規模、予算額削減のための工夫
平成28~29年度の予算推移
今年度(平成29年度)は、海底熱水鉱床の採鉱・揚鉱パイロット試験の実施を予定しているた め、平成28年度と比べて予算額が増額している。 採鉱・揚鉱パイロット試験には、海洋調査船「白嶺(はくれい)」を始め、揚鉱母船や水運搬 船など、複数の船を使用するため、採鉱・揚鉱パイロット試験に向けた試験や本番の試験に必 要な傭船費が増額している。 →これらの船舶は、海洋での調査に合わせ必要となる機能や規模の船を選定するなど、執行額 を必要最小限に抑えるための工夫を行っている。 平成29年度のパイロット試験以外の費用については、主要機器に限った試験の絞り込みや鉱 床発見のための調査費の削減を行い、予算削減に向けた工夫を行っている。 傭船を伴う海洋鉱物資源の資源量等評価費 シミュレーション、分析費、試験費等 要素技術試験に必要な傭船費 要素技術試験に必要な傭船費を除く経費 パイロット試験固有の傭船費 単位:億円 合計 94.6億円 合計 108.0億円海洋鉱物資源開発における民間企業の巻き込み
JOGMEC・三菱重工業
・新日鐵住金エンジニアリング
・海上技術安全研究所
・清水建設
・住友金属鉱山
・深田サルベージ建設
・三井三池製作所
採鉱・揚鉱パイロット試験受託 コンソーシアム (委託) ・参加予定産業:造船・舶用、海洋エンジニアリング、機 器・コンポーネント製造、海運・海洋サービス、資源開発 海洋資源開発に関する技術プラットフォーム ・正会員:116(JFEスチール、住友商事、IHI等) 賛助会員:55、アライアンス会員:29 (一社)日本プロジェクト産業協議会(JAPIC) ・正会員:32、賛助会員: 44 (三菱重工業、鹿島建設、JFEエンジニアリング等) (一社)海洋産業研究会 ・正会員:45(JX金属、三菱重工業、大林組等) 団体会員: 10、個人会員: 27 海洋資源・産業ラウンドテーブル 海洋鉱物資源開発は、世界でも商業化の事例はなく、現段階では、商業化の判断に必要な資源量の確認や生産 技術が未確立。このため、民間企業の投資に向けた技術的な判断材料の提供までを、国の役割として実施。 生産技術については、民間のコンソーシアムに委託。資源量の情報とともに、生産技術情報について、将来の担い手と なり得る民間の関心団体等に提供し、参入を促す。 パイロット試験実施体制 資源エネルギー庁 (委託) 海洋鉱物資源開発に関心を持つ民間団体等 ・正会員:52 (住友金属鉱山、三井金属鉱業、三菱マテリアル等) 日本鉱業協会 パイロット試験の実施 を通じた知見・経験の 獲得 • 資源量調査や生産技術開 発の進捗・結果を提供 • 参入の慫慂 • 資源量調査 • 生産技術開発中間評価の実施
実施主体 委員会等名 委員会等での主な評価コメント等 経済産業省 ①総合資源エネルギー調査会資源・燃料 分科会(2回) ②本邦における資源開発の在り方に関す る検討会(2回) • これまで確認された資源量は少なく、5000万トンの 目標は妥当。 • 開発には経済性が重要。30年代後半の商業化は非 常にチャレンジング。 総合海洋政策本 部 ①参与会議(6回) ②新海洋産業振興・創出PT(7回) ③海域の利用の促進等の在り方PT(1回) • 着実に進捗していると評価。金属需要の将来見通し と計画の関係を明らかにすべき。 • 課題を一つ一つクリアして段階的に進めることが重 要。 JOGMEC ①海底熱水鉱床開発委員会(1回) ②分野別ワーキンググループ(13回) • 掘削本数と資源量評価の精度の関係の検証が必要。 • 実際の揚鉱を想定し、固体混入時に水中ポンプの 性能曲線がどう変化するかを確認すべき。 • 浮選試薬の添加量や種類の見直しが必要。 平成28年度 評価実施状況 政策的な議論・評価の場として、経済産業省は、これまで平成25年度の海底熱水鉱床開発計画 第一期最終評価を実施、平成29年度5月に資源・燃料分科会において第2期海洋エネルギー・鉱 物資源開発計画のこれまでの成果について評価を実施。 また、内閣府を事務局とする総合海洋政策本部では、有識者から構成される海洋鉱物資源の産業 化や海洋の環境等の会議の中で海洋鉱物に関する取組の議論を行っており、本事業に対する客観 的なレビューを実施。 さらに、専門分野の議論・評価の場として、JOGMECは、民間企業、大学、研究機関等の学識経 験者から構成される第三者委員会(専門分野のWG)を設置し、進捗状況、実施方法、目標達 成度及び今後の計画に対する審議を受けており、事業の進め方や機器仕様の見直しまで広範な意 見を踏まえて事業を推進。商業化に向けた政府及び関係機関の評価検討体制
経済産業省 (委託) JOGMEC 総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 海底熱水鉱床開発委員会総合海洋政策本部会合
参与会議 意見 諮問 助言 答申 諮問 基本計画委員会 ① 海 洋 安 全 保 障 小 委 員 会 P T ② 海 洋 産 業 利 用 P T ③ 海 洋 環 境 P T ④ 海 洋 人 材 育 成 等 P T 海 洋 技 術 に 関 す る プ ラ ッ ト フ ォ ー ム 報告経済産業省
情報提供 委託資源量評価
採鉱技術
選鉱・製錬技術
環境影響評価
海底熱水鉱床開発委員会
(委員長:浦辺徹郎東京大学名誉教授) ○事業全体の計画審議等総合資源エネルギー調査会資源・燃料分科会
意見交換 分野別ワーキンググループ(WG) (必要に応じ分野合同会議で情報共有) AIST、JAMSTEC、民間企業、 大学、研究機関との協力産業界、研究者、国民等
総合調整
○企画・運営・広報等 ○動向調査 ○経済性検討の統括JOGMEC
資源量評価 WG 環境影響 評価WG 採鉱技術 WG 選鉱・製錬 技術WG *事務局:JOGMEC 鉱山経営、プラント機械装置開発経 験者、選鉱・製錬、環境専門家等 参加 参加 諮問・答申 三菱重工業(株)、新日鉄住金エンジニアリング(株)、(国)海上技術安 全研究所、清水建設(株)、住友金属鉱山(株)、深田サルベージ建設 (株)、(株)三井三池製作所 諮問 助言 委託海底熱水鉱床の開発 実施体制図
連携 内閣府(SIP) 総合海洋政策本部会合 採鉱・揚鉱パイロット試験受託コンソーシアム(JV)(1)資源量調査 【これまでの取組】 ○既知鉱床の資源量は 約740万トン ○新規有望鉱床を複数 発見 【課題・論点】 ○十分な資源量としては 5,000万トン程度(※)が 必要 ※現在発見されている鉱床 の平均金属含有量に基づ き、企業の陸上鉱山への投 資対象と考えられる2兆円規 模の金属価値を有し、15年 以上の採掘年数となる概略 資源量 (2)生産技術開発 【これまでの取組】 ○平成29年度に採鉱・揚 鉱に関する要素技術のパ イロット試験を実施 ○選鉱・製錬技術につい ては実験室ベースでは確 立 【課題・論点】 ○基礎技術から、商業化 に向けたスケールアップや効 率的な開発・回収技術が 必要 ○パイロット試験により新 規課題発見の可能性有り (3)環境影響評価 【これまでの取組】 ○平成29年度のパイロット 試験に向けて環境影響評 価手法を開発 【課題・論点】 ○評価手法の高度化 ○国際ルールと国内法制 度の整合性確保 (4)経済性評価 【これまでの取組】 ○資源量評価や生産技 術、環境影響評価手法を 踏まえ平成30年度までに 行う予定 【課題・論点】 ○商業化の実現には、経 済性評価だけではなく、市 況見通し、法制度整備、 技術的課題などの外的要 因の評価も必要 (5)法制度整備 【これまでの取組】 ○海洋鉱物資源開発に 適用される法令を整理し、 商業化に向けて障壁にな り得る事項を整理 【課題・論点】 ○揚鉱水処理、閉山後 管理、環境影響評価の在 り方 ○国際ルールと国内法制 度の整合性確保
本邦周辺海域における海底熱水鉱床開発の在り方
我が国周辺海域に賦存する海洋鉱物資源は、海外に依存しない最も安定した供給源。 このため、海洋基本計画(平成25年 閣議決定)では、海底熱水鉱床については「平成30年代 後半以降に民間企業が参画する商業化を目指したプロジェクト」を開始することが目標とされている。 現在、海底熱水鉱床の商業化に向けて、(1)十分な資源量の把握のための調査、(2)生産 技術の開発、(3)環境影響評価手法の開発・国際ルール整備、(4)経済性評価、 (5)法制度整備 に取り組んでいるところ。• 資源量の把握については、昨年5月、沖縄海域伊是名海穴Hakureiサイトの資源量を740万ト ン、伊豆・小笠原海域ベヨネース海丘の資源量を10万トンと確認した。 • 新たな鉱床については、平成26年度に、伊平屋小海嶺周辺「野甫(のほ)サイト」及び久米島沖 「ごんどうサイト」を発見・公表した。更に、平成27年度には、伊平屋島北西沖「田名(だな)サイ ト」、久米島北西沖 「比嘉(ひが)サイト」の2つの鉱床の発見を公表した。 <これまでの成果> <論点・課題> • 計画どおりに進められているものの、事業者が参入の判断ができるレベルの十分な資源量の把 握には至っていない。発見した鉱床の資源量の把握や新たな鉱床の発見が優先すべき課題。 • SIP「次世代海洋資源調査技術(海のジパング計画)」による調査プロトコル策定や民間の調査能 力向上により、現在の探査技術では発見が困難な鉱床の発見や活動的な熱水鉱床周辺の潜頭 性鉱体の発見に期待。 • 外国船による同意を得ない海洋の科学的調査が行われている現状に鑑み、我が国のEEZ等に 賦存する鉱物資源の把握は、鉱物資源の安全保障上の観点からも重要。
1.海底熱水鉱床 (1)資源量調査
• 採鉱・揚鉱技術については、平成29年度に沖縄海域において採鉱・揚鉱パイロット試験を実施する ため、採掘・集鉱試験機の実海域での試験を実施し、試験機の改良や24時間連続運転を達成した。 また、平成28年度に試験用水中ポンプの製造・試験を行った。 • 選鉱・製錬技術については、金属鉱物が微少で硫化物の結晶化が十分進んでいない複雑な構成で あり、産出場所によって全く鉱物の組合せが異なることが判明した。平成29年度、30年度の選鉱連 続試験、製錬連動試験に向け、選鉱方法や試薬の検討により、実験室ベースでは、精鉱の鉛・亜鉛 品位を50%、亜鉛実収率を70%に引き上げることができた。また、貴金属については、既存のプロ セスである塩化揮発法で回収可能であることを確認した。 <これまでの成果> <論点・課題> • 世界初の試みという困難性も十分認識しつつ、パイロット試験を通じてシステムとしての基礎技術確 立を目指す。 • 掘削効率の向上や安定的な揚鉱、揚鉱後のスラリー(鉱石と水の混合)の分離処理技術といった シ ステムや生産コスト削減に資する技術開発を行うべき。 • 鉛・亜鉛品位や亜鉛実収率について、更なる回収率の向上を目指し経済性を向上させることが必 要。
1.海底熱水鉱床 (2)生産技術開発
• 平成24年度より、採鉱・揚鉱パイロット試験予定海域での環境モニタリング調査、環境影響予測モ デルの開発、環境保全策として試験予定海域内外の深海生物の遺伝子交流の確認を行い、28年 度に環境影響評価手法の開発に着手した。 <これまでの成果> <論点・課題> • 平成29年度の採鉱・揚鉱パイロット試験に向けて、環境影響評価手法の開発及び評価のとりまと めを行ったが、平成28年度に実施したかく乱試験後の生態系等の回復過程を検証するためには、 3~5年間のモニタリングが必要であり、こうした試験結果も踏まえ、更なる評価手法の高度化が必 要。また、パイロット試験予定海域以外の海底熱水鉱床開発にも適用可能か検証が必要。 • 国際海底機構(ISA)、国家管権外区域の生物多様性(BBNJ)、廃棄物等の投棄による海洋汚染 防止条約(ロンドン条約)等において海底鉱物資源開発における環境保全に関する国際的な議論 が開始されている。EEZには国内法制度が適用されるところ、世界に先駆けた取組を進めるため には、こうした国際ルールとの整合性を確保し、国内法制度に反映することが必要。
1.海底熱水鉱床 (3)環境影響評価
• 平成30年度に経済性評価を実施する。 <これまでの成果> <論点・課題> • 平成30年度に行う第2期最終評価は、経済性評価に留まらず、今後克服すべき技術的課題に加 え、国際ルールの策定や市況性を始めとする外的要因も考慮に入れた評価を行い、商業化実現の ための課題について整理を行うことが必要。 • 次期計画期間(第3期)では、これらの課題の克服を図るための検討を実施することが必要。
1.海底熱水鉱床 (4)経済性評価
• 平成27年度に、パイロット試験時及び商業化の際に適用される法令について総合的な整理を行っ た。 • 平成28年度に、法制度上商業化の障壁になり得る事項について整理を行うとともに、国内法制度 の整備に当たっては国際条約等との整合性を図る必要があり、国際海底機構(ISA)等のルールづ くりに我が国として貢献していくべきと整理された。 <これまでの成果> <論点・課題> • 揚鉱水の処理、閉山後管理、環境影響評価の在り方について、引き続き議論が必要。 • 国際海底機構(ISA)、国家管権外区域の生物多様性(BBNJ)、廃棄物等の投棄による海洋汚染 防止条約(ロンドン条約)等において海底鉱物資源開発における環境保全に関する国際的な議論 が開始されている。EEZには国内法制度が適用されるところ、世界に先駆けた取組を進めるため には、こうした国際ルールとの整合性を確保し、国内法制度に反映することが必要。<再掲>
1.海底熱水鉱床 (5)法制度整備
• コバルトリッチクラストについては、平成26年1月に公海域の鉱物資源を管理する国際海底機構(I SA)とJOGMECが平成41年(2029年)1月までの15年間にわたる排他的権益を持つ探査契約 を締結。探査契約に従い、資源量調査、生産技術の検討、環境調査等を行った。 • マンガン団塊については、平成13年6月にISAと深海資源開発株式会社が、排他的権益を持つ探 査業務契約を締結、平成28年に平成33年(2021年)6月までの5年間の契約延長が認められた。 探査契約に従い、資源量調査、生産技術の検討、環境調査等を行った。 • レアアース泥については、平成28年7月に「レアアース堆積物の資源ポテンシャル評価報告書」を とりまとめた。 <これまでの成果>