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堤防開削調査結果に基づく、堤防の安全性評価

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Academic year: 2021

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堤防開削調査結果に基づく、堤防の安全性評価

コンサルタント国内事業本部 流域・都市事業部 地盤環境部 古川和弘 他

○キーワード

堤防開削調査、非定常浸透流解析、堤防の緩み領域、堤防の安全性評価

○概要

堤防植生や堤体内の土質構成の違いが堤体の安定性に与える影響を定量的に把握することを目的として 堤防開削調査を行った。本稿では、堤防開削調査結果とそれに基づく非定常浸透流解析から、堤防の定量 的な安全性評価に有用な知見をまとめた。堤防開削調査では堤防内部スケッチ、土壌硬度測定等を行い、

堤防表層の緩み状況等を把握した。これをもとに、土質構成と土質定数を極力実情に近づけた解析モデル による非定常浸透流解析を行い、実測の堤体内水位や水分量との対比から堤防をモデル化するうえで、堤 防表層の緩み域と堤体材料の物性値の重要性を明らかにした。そのうえで、ボーリング調査と「河川堤防 の構造検討の手引き:H14.7国土技術研究センター」に準拠する従来の安全性評価手法による結果と、表 層の緩み領域を考慮した解析結果を対比し、堤防の定量的な安全性評価手法の適用の際は、堤体表層の緩 み領域と堤体材料の物性値の把握が重要であることを明らかにした。

○技術ポイント

① 堤防開削調査の結果、堤体表層20cm程度には、緩み領域が存在すること、透水係数・強度が内部と 異なる傾向を示すことを確認した。また、下位には、50~150cm程度の範囲に根の侵入、モグラの 巣跡、ミミズの巣跡が確認された。

② 土壌水分計の観測結果から、根茎が分布する表層部(0~15cm)とその下層部(15~45cm)は降 雨の影響を受け、その影響度合いは表層部が大きく、一方、下層部は降雨後にやや遅れて含水比が変 化する傾向が確認された。

③ 表層部の緩み領域を考慮した浸透流解析の結果、透水係数が10-3cm/s、10-4 cm/s、10-5 cm/sの範囲 において、浸潤線の出現傾向に大きな影響を及ぼすことが確認された。

④ 根の侵入領域を緩み層として考慮する場合としない場合とでは、表層の緩み層の厚さが変化するため、

透水係数の指標とは別に浸潤線の出現傾向が大きく変化することが確認された。

⑤ 表層を考慮しない既往の指針等に基づく浸透流解析結果と対比し、洪水終了時点での浸潤線の相違、

すべり破壊の安全率の低下、パイピング検討の評価が変わることを確認し、表層の緩み層領域を詳細 にモデル化した成果が得られた。

⑥ ボーリング調査は点の調査であり、ボーリング調査数本で堤防開削調査と同様の解析モデルを作成す るには限界があり、堤体の断面や縦断方向の詳細な情報の得られる物理探査と通常のボーリング調査 を併用するのが有効な手法である。

○図・表・写真等

土壌硬度の区分 貫入量(mm)

永野川-3

永野川-4 永野川-1

永野川-2 永野川-5

永野川-6

川表側

Dc=89.1%

Dc=99.0%

Dc=80.2%

Dc=95.9%

Dc=81.6%

Dc=90.3%

砂質シルト

礫混り砂質シルト 円礫混りシルト

砂質シルト 角礫混り粘土

砂質土・砂質シルト

砕石・砂質シルト

旧堤体

旧堤体 砕石

:土壌水分計設置位置,土質試験等

:表層

:内部

堤防開削調査結果(永野川)

参照

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