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論文内容要旨

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Academic year: 2021

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論文内容要旨

Alleviation of murine osteoarthritis by deletion of the focal adhesion mechanosensitive adapter, Hic-5

(細胞接着斑メカニカルストレス応答性アダプター分子 Hic-5

欠損による

変形性膝関節症発症抑制)

Scientific report

生理系生化学 宮内 彩

変形性関節症 (osteoarthritis: OA) は, 軟骨の分解を伴う関節の変 性により, 疼痛や機能障害を来す疾患である.OA の進行にはメカニカル ストレスや炎症性サイトカインの関与がすでに知られており, それらに よる細胞外マトリックス(extracellular matrix: ECM)の分解が早期 OA 進行において重要である. また関節軟骨の ECM として代表的な

collagen

Ⅱ や

aggrecan

の 分 解 に は そ れ ぞ れ

Matrix metalloproteinase-13 (MMP13) と A disintegrin and metalloproteinase with thrombospondin motifs-5 (ADAMTS5) が主な分解酵素として知られている.

Hydrogen peroxide-inducible clone-5 (Hic-5) は hydrogen peroxide

および transforming growth factor-β1

により誘導される遺伝子として

単離され,細胞と ECM との接着点である細胞接着斑に局在するアダプタ ー分子である. Hic-5は生体内では内臓・血管平滑筋細胞に高発現し,メ カニカルストレス存在下で細胞接着斑からアクチンストレスファイバー に移動し,細胞収縮能の制御に関わることが報告されている. さらに過度 のメカニカルストレスによって誘導されるアポトーシスや接着斑安定性 に寄与し,血管中膜のリモデリングに参画することも明らかとなっている.

その他にも

Hic-5 はインテグリンシグナル,アクチンリモデリングや細

胞遊走などへの関与が知られていたが,

Hic-5 欠損マウスでは一見明らか

な表現型変化が見られなかった. しかしながら近年 Hic-5 欠損マウスを 用いた研究において,動脈硬化や動脈瘤,肝線維症,大腸がんといった疾 患発症への関与が示された. そこで本研究では,

ECM リモデリングやメカ

ニカルストレスとの深い関わりが知られている

OA 発症における Hic-5

の 関与について検討した.

まず野生型および Hic-5 欠損マウスを用いて膝の内側半月板を外科的

(2)

に切除することで OA モデルを作成し, 軟骨組織の形態変化および OA 関連分子の発現を解析した. Hic-5 欠損マウスでは, 野生型マウスに比 べ病変の進行抑制が認められた. また OA 進行における代表的な異化作 用を担う因子である MMP13 と ADAMTS5 の発現も Hic-5 欠損により抑制 されていた. OA 進行に伴う Hic-5 の発現を in vivo で観察したところ, 術前は発現が乏しいのに対し, 術後 2 週間以降軟骨表面である表層帯と その下層である中間帯の軟骨細胞での発現増強が認められた.さらに, マ ウス膝関節および大腿骨頭から採取した軟骨細胞を用いて, IL-1β, TNF- α およびメカニカルストレス負荷による Hic-5 欠損の影響について検 討した. 炎症性サイトカインおよびメカニカルストレスにより Hic-5 の 発現が増強され, 初代培養軟骨細胞でも同様に MMP13 や ADAMTS5 の遺 伝子発現誘導が Hic-5 欠損により抑制された. 本研究により Hic-5 を メカニカルストレス下流の新規

OA

発症促進分子として同定したと考える.

参照

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