鳥類 の オ ウ ム病 に関す る研 究(第1報)
―
輸 入 鳥 につ い て―
愛知県衛生研究所 ウイル ス部
三 宅
恭 司
石 原
佑 弐
藤 浦
明
井 上
裕 正
(昭和58年2月19日 受付)
(昭和58年4月19日 受理)
Key words: Chlamydiosis, Imported birds, CF and HI test, Pathological study
要 旨 最 近,輸 入 鳥 に 起 因 す る 動 物 検 疫 官 の オ ウ ム病 罹 患 や,一 般 人 の 重 症 例,死 亡 例 が 報 告 さ れ,感 染 源 と して 輸 入 鳥 が 注 目 さ れ て きた. そ こ で,輸 入 鳥7種 類,計242羽 に つ い てChlamydia psittaciに 対 す る抗 体 保 有 率 を 調 べ,CF抗 体 陽 性 で あ った 鳥 に つ い て は 病 理 学 的 検 査 も 行 い 以 下 の よ う な結 果 を 得 た. 242羽 のCF抗 体 陽 性 率 は19羽(7.9%)で あ った.鳥 種 別 で は ボ タ ン イ ン コ が22.2%と 最 も 高 く,次 い で 十 姉 妹 の17.0%で,他 の 鳥 種 で は6.7∼9.7%の 陽 性 率 に と ど ま っ た.な お,文 鳥 及 び キ ン カ鳥 は 全 例 CF抗 体 陰 性 で あ った が,HI抗 体 は24.3%と,12.5%に そ れ ぞ れ 認 め ら れ た. 19羽 のCF抗 体 価 は4∼128倍 に 分 布 した が,比 較 的 高 い抗 体 価 を 保 有 した 例 は 十 姉 妹 に 多 く認 め られ た. ま た,19羽 の 内 部 臓 器 肉 眼 検 索 で は,十 姉 妹 の1羽 に オ ウ ム病 の 特 徴 所 見 と言 わ れ る 肝 と脾 の 腫 大 が み られ た.組 織 学 的 検 索 で は14羽 の 肝 に 実 質 細 胞 の 巣 状 壊 死,ビ マ ン 性 壊 死,炎 症 性 細 胞 浸 潤 等 の 病 変 が 認 め られ,14羽 中11羽 の 肝 あ る い は 脾 に 封 入 体 の 存 在 が 確 認 され た.肝 病 変 あ る い は封 入 体 の存 在 は CF抗 体 価8倍 以 上 を保 有 した 例 に 多 く認 め られ た. 以 上 か ら,CF抗 体 陽 性 で あ っ た19羽 の うち14羽 に オ ウ ム病 が 示 唆 さ れ た.ま た,封 入 体 の 存 在 か ら11 羽 にChlamydia psittaciの 保 有 が確 認 され,人 オ ウ ム病 の 感 染 源 と し て の 重 要 性 が 示 唆 さ れ た. 緒 言 わ が 国 に お い て,特 に 人 の オ ウ ム 病 が 注 目 さ れ る よ う に な っ た の は1957年 以 降 の こ と で,同 年, 徐1),後 藤2),北 本3)等 に よ り オ ウ ム病 患 者 が 東 京, 神 奈 川 県 で 発 生 し た こ と が 報 告 さ れ,そ の 後,徐4) は1965∼72年 に 東 京,神 奈 川,千 葉,新 潟,福 岡, 札 幌 等 の 各 地 で も 患 者 の 発 生 し た こ と を 報 告 し て い る. 本 症 の 感 染 源 は 鳥 類 で あ る が,わ が 国 で は セ キ セ イ イ ン コ,オ ウ ム,十 姉 妹,カ ナ リア,鳩 等 が あ げ ら れ,特 に セ キ セ イ イ ン コ は 家 庭 で 飼 育 さ れ
て い る数 が 最 も多 い こ と,保 有 す る病 原 体 が 起 病
性 の 強 い こ と等 か ら感 染 源 の主 体 と され て い る.
これ らの 鳥 類 は,勿 論 国 内 で も生 産 さ れ て い る
が,外
国 か ら も輸 入 され て い る.輸 入 愛 玩 鳥 は 従
来 か ら輸 入 され て い た と思 わ れ るが,最 近 の 愛 玩
鳥 ブ ー ムに よ り輸 入 数 は 増 大 し,1974年
に は 年 間
200万 羽 を 越 え た と言 わ れ,輸 入 国 は 台 湾,イ ン ド
ネ シ ア,ア
フ リカ,南 米 等 で あ る.オ
ウ ム病 の 輸
入 も 当然 予 想 され,事
実,1974∼79年
に輸 入 鳥 に
起 因 す る動 物 検 疫 官 の罹 患,一 般 人 の 重 症 例,死
亡 例 が報 告 され て い る5).
輸 入 鳥 の オ ウ ム病 に 関 す る調 査 は,徐5),福
士6)
等 に よ っ て報 告 され て い る.徐 は1975年,オ
ウ ム,
イ ン コ,九 官 鳥 等 を群 別 に 調 査 し,7群
中5群
か
別 刷 請求 先:(〒 462)名 古 屋 市 北 区辻 町 字流7-6 愛知 県 衛 生研 究 所 三宅 恭 司昭 和58年7月20日 571
らCklamydia psittaci(以 下C. psittaci)を 分 離 し, 福 士 等 は1980∼81年 に 輸 入 さ れ た 鳥 類 の う ち 輸 入 後2週 間 以 内 に 弊 死 又 は 病 的 症 状 を 示 し た オ ウ ム,イ ン コ 類 計462羽 か らC. psittaciの 分 離 を 試 み,307羽(66.5%)が 陽 性 で あ っ た と 報 告 し て い る. し か し な が ら,輸 入 鳥 の う ち セ キ セ イ イ ン コ, 十 姉 妹,文 鳥,カ ナ リ ア 等 の 小 型 鳥 類 に つ い て は あ ま り調 査 が な さ れ て い な い よ うで あ る.そ こ で, 著 者 等 は こ れ ら の 鳥 類 に つ い てC. psittzciに 対 す るCF抗 体 と 一 部 に つ きHI抗 体 保 有 率 等 を 調 べ,CF抗 体 陽 性 の 例 に つ い て は 病 理 学 的 検 査 も 行 い 若 干 の 知 見 を 得 た の で 報 告 す る. 材 料 と 方 法 1.調 査 材 料 Table1に 示 し た よ う に,調 査 に 供 し た 鳥 は セ キ セ イ イ ン コ,十 姉 妹,ボ タ ン イ ン コ,カ ナ リ ア, ベ ニ ス ズ メ,文 鳥 及 び キ ン カ 鳥 の7種,計242羽 で, 1981∼82年 に 台 湾,イ ン ドか ら輸 入 さ れ た も の で, 名 古 屋 市 近 郊 の 輸 入 業 者 か ら 現 地 で,外 見 上 特 に 異 常 の な か っ た も の を 購 入 し た. 2.血 液 採 取 方 法 抗 体 調 査 の た め の 血 液 は,す べ て 心 臓 穿 刺 で 採 血(0.2∼0.6ml)し た の ち,解 剖 し,肝,脾 等 の
主 要 臓 器 を病 理 学 的 検 査 の た め 採 取 した.
3.抗 体 価 測 定
CF抗
体 価 は す べ て の 鳥 に つ い て測 定 し,HI抗
体 価 は文 鳥 及 び キ ソ カ鳥 に つ き測 定 した.
CF試
験 用 抗 原 は市 販 品(デ ン カ生研 社)と,一
部 自家 製7)を用 い井 上 の 方 法8)で測 定 した.ま た,
HI試 験 用 抗 原 は す べ て 自 家 製 に よ り マ イ ク ロ タ
イ タ ー 法9)で測 定 した.
4.病 理 学 的検 査
CF抗
体 陽 性 の19羽 と陰 性 で あ った5羽
の 肝 及
び脾 か ら常 法 に よ り組 織 切 片 を 作 成 し,ヘ マ トキ
シ リン ・エ オ ジ ン染 色 を 施 し検 索 し た.
結
果
1.CF抗
体 価 及 び陽 性 率
CF価
分 布 及 び 陽 性 率(4倍
以 上)をTable
1に
示 した.陽
性例 は7種
の うち5種
に み られ,そ
の
率 は,ボ
タ ン イ ン コが22.2%,十
姉 妹17.0%,ベ
ニ ス ズ メ9 .7%,セ
キ セ イ イ ン コ7.1%,カ
ナ リア
6.7%で,文
鳥 及 び キ ン カ鳥 は 全 例 陰 性 で あ った.
次 に,抗 体 価 で あ る が,陽
性 鳥 のCF価
は4
∼128倍 に分 布 した .こ の うちで も比較的高 い抗体
価 を保 有 した 例 は十 姉 妹 に多 くみ られ,特
に1羽
は128倍 のCF価
を 保 有 した.
2.文 鳥 及 び キ ン カ鳥 のHI抗
体 陽 性 率
Table 1 Distribution of CF antibody titers against Chlamydia psittaci among imported birds
Table 2 Distribution of HI antibody titers against Chlamydia
psittaci among java sparrows and rice birds
Table 3 Pathological study on sero positive birds
*
Swellings of the liver and spleen
これ らの 鳥 は 上 記 の よ うに,CF抗
体 が す べ て
陰 性 で あ った た め にHI試
験 を 実 施 した.そ
の成
績 はTable2に
示 した が,文 鳥9羽,キ
ン カ鳥4
羽 に8∼16倍
のHI価
が認 め られ,そ の 陽 性 率 は,
文 鳥 が24.3%,キ
ン カ鳥12.5%で
あ った.
3.病 理 学 的 検 査
CF抗
体 陽 性 で あ った19羽 の 病 理 所 見 はTable
3に 示 し た.肉
眼 的 検 索 で は 十 姉 妹 の1羽(No.
10)に 肝,脾
の 腫 大 が 認 め られ た の み で,他
の18
羽 に は 特 別 な異 常 は み られ な か った.
組 織 学 的 に は,肝 の 変 化 が 目立 ち,14羽
の 肝 に
実 質 細 胞 の巣 状 壊 死(Fig.1),ビ
マ ン性 壊 死(Fig.
2),炎 症 性 細 胞 浸 潤(Fig.1,2)等
の い ず れ か の
病 変 が 認 め られ た.特
に,十 姉 妹 の2羽(No.6,
10)で
は強 度 の ビマ ン性 壊 死 病 変 が 認 め ら れ た .
また,封 入 体 は19羽 の うち の11羽(肝
又 は脾)に
存 在 が 確 認 され た(Fig.3).
次 に,CFと
肝 病 変 との 関 連 性 を み た と こ ろ,
CF価4倍
を 保 有 した 例 で は,2羽
に病 変 が 認 め
られ た にす ぎ な か った が,8倍
以 上 で は 肝 病 変 出
現 頻 度 が 高 く,8∼32倍
で は そ の ほ とん ど の例 に
中 ∼ 強 度 の 病 変 が 認 め られ た.128倍 を保 有 した 例
(No.7)で
は 肝 実 質 細 胞 の 壊 死 性 変 化 は み ら れ
ず,グ
リ ソン氏 鞘 周 辺 に炎 症 性 細 胞 浸 潤 が 認 め ら
昭和58年7月20日 573
Fig. 1 Focal necroses and inflammatory cell infiltrations of the liver (No. 8). •~ 20
Fig. 2 Diffuse necroses and inflammatory cell infiltrations of the liver (No. 6). •~ 20
れ た の み で,病 変 と して は 比 較 的 軽 度 で あ っ た. 封 入 体 は,1例(No, 13, 8倍)を 除 き,8倍 以 上 を 保 有 し た す べ て の 例 か ら検 出 さ れ た. 対 照 と し てCF抗 体 陰 性 で あ っ た 十 姉 妹5羽 に つ い て も 病 理 学 的 検 索 を 行 っ た が,肉 眼 的 に あ る い は 組 織 学 的 に 著 変 は 認 め ら れ な か っ た. 考 察 及 び ま と め 1981年10月 及 び82年1月 に 輸 入 さ れ だ セ キ セ イ イ ン コ 等7種 の 購 入 時,外 見 上 特 に 異 常 の 認 め ら れ な か っ た 計242羽 に つ い て,C. psittaciに 対 す る 抗 体 保 有 率 を 調 べ,陽 性 で あ っ た 例 に つ い て は 病 理 学 的 検 査 も行 っ た.242羽 のCF抗 体 陽 性 率 は19 羽(7.9%)で あ っ た が,こ の 陽 性 率 が 高 率 で あ る
Fig. 3 Arrow showing cytoplasmic inclusion body in the spleen (No. 8). •~ 100
の か,あ る い は 低 率 で あ る の か の 解 釈 に つ い て は こ の 種 の 調 査 が な さ れ て い な い た め 今 後 の 問 題 と し た.因 み に,輸 入 鳥 のC. psittaci保 有 率 に 関 す る 福 士 等6)の 報 告 で は,1980年4∼11月 に 輸 入 さ れ た 主 と し て オ ウ ム,イ ソ コ 類(輸 入 後2週 間 以 内 に 発 死 又 は 病 的 症 状 を 示 し た)のC. psittaci保 有 率 ば 鳥 種 に よ り(0∼100%),ま た 輸 出 国 に よ り(50∼100%)異 な る こ と を 報 告 し て い る. 次 に,CF抗 体 価 で あ る が,19羽 のCF価 は4 ∼128倍 を 示 し た.こ のCF価 が 感 染 発 症 の ど の 時 期 と 関 連 し,ま た 人 の オ ウ ム 病 の 感 染 源 と し て ど の よ う な 意 義 を 有 す る か を 解 析 す る こ と が 重 要 と 考 え ら れ る. 通 常,鳥 類 の オ ウ ム病 発 症 様 式 は 次 の よ うに 大 別 さ れ よ う.す な わ ち,(1)ヒ ナ 鳥 の 時 期 に 感 染 し,一 部 死 亡 す る が,大 部 分 は 生 残 し 無 症 状 キ ャ リ ア ー 鳥 と な る.(2)無 症 状 キ ャ リ ア ー 鳥 は 過 密 状 態,栄 養 不 良 等 の 環 境 要 因 の 変 化 等 で 再 発 す る10).(3)病 鳥 か ら 健 康 な 鳥 に 水 平 感 染 が 起 こ り, 顕 性 又 は 不 顕 性 感 染 が 成 立 す る1)等 で あ る. す で に 記 し た よ うに,今 回 の19羽 が こ れ ら の ど の 様 式 に 属 す る か が 問 題 で あ る が,こ れ を 検 索 す る 手 段 と し て 血 清 中 のIgM, IgG抗 体 を 定 量 す る こ と に よ り あ る 程 度 解 析 可 能 か と思 わ れ る.し か し,小 鳥 の た め 血 液 量 が 少 量 で こ の 面 か ら の 判 断
は下 し得 な っ た.従 っ て,血 清 学 的 に は,19羽 個 々
の 抗 体 価 の 解 釈 や,感
染 様 式 等 は 明 確 に で き な
か った.
一 方
,病 理 学 的 検 査(Table
3)で は,19羽
の う
ち1羽(No.10)に
オ ウ ム病 の特 徴 所 見 と言 わ れ
る肝,脾
の 腫 大 が み られ た.ま
た 組 織 学 的 に は14
羽 の 肝 に壊 死 性 変 化 あ る い は炎 症 性 細 胞 浸 潤 等 が
認 め られ,封
入 体 も11羽 の 肝 あ るい は脾 に確 認 さ
れ た.こ
れ ら一 連 の病 理 変 化 は オ ウ ム病 を 強 く示
唆 す る もの で あ り,11羽
は封 入体 の 存 在 か ら病 原
体 の保 有 が 確 認 さ れ,人
の オ ウ ム病 の感 染 源 と し
て も重 要 で あ る こ とが 示 さ れ た.今
回 の調 査 で 注
目 され た こ と は,肝 又 は 脾 に病 変 が あ り,オ ウ ム
病 が 示 唆 され た に もか か わ らず,著
者 等 の 目に と
ま る よ うな 外 見 的 異 常 が み られ な か った こ とで あ
る.Schachter等11)は,愛
玩 用 鳥 類 の 繁 殖 場 に お け
る野 外 実 験 で 鳥 が オ ウ ム病 に罹 患 した 場 合,ヒ
ナ
鳥 で は大 部 分 が 病 的 症 状 を示 した が,成
鳥 で は 病
的 症 状 を 示 した 例 は極 め て少 数 で あ っ た と報 告 し
て い る.ま た,北 本 等3)は,患 者 の 発 生 した 家 庭 で
飼 育 さ れ て い た 鳥 は 外 見 上 健 康 で あ った が 糞 便 よ
りC.psittaciが 分離 され た と報 告 し て お り,著 者
等 の観 察 も含 め,鳥
の オ ウ ム病 の 一 般 的 特 徴 と思
わ れ る.こ
の こ とか ら,今 回 封 入 体 が確 認 され た
11羽 に つ い て も無 症 状 キ ャ リア ー鳥 の可 能 性 が 示
唆 さ れ る.
抗 体 価 と病 理 変 化 の 関 連 で あ るが,4倍
を 保 有
した 例 で は7例
中2例
に,8倍
以 上 で は12例 全 例
に 肝 病 変 が み られ,こ
の12例 の うち11例 に 封 入 体
が 認 め られ た.こ
の 結 果 よ り,抗 体 価 の 高 さは 肝
病 変 又 は 封 入 体 の 出 現 頻 度 と関 連 性 が あ る よ うに
思 わ れ るが,こ
れ に つ い て は 例 数 を増 や し検 討 す
る必 要 が あ る こ と,ま た,実 験 的 にC. psittaciを
鳥 に感 染 させ,CF抗
体 価 の 消 長,病 理 変 化 等 を 検
索 す る こ とが 必 要 で あ る と考 え られ る.
文 鳥37羽,キ
ン カ鳥32羽 は す べ てCF抗
体 陰 性
を 示 した の でHI抗
体 を 調 べ た と ころ,文
鳥9羽
(24.3%),キ
ン カ鳥4羽(12.5%)に8∼16倍
の
抗 体 価 が 認 め られ た.こ
の現 象 は 鳩 等 で もみ られ
る こ とで,試 験 法 の 感 度 の差 に よ る も の と考 え ら
れ る12).
1975年 を 境 い に 輸 入 鳥 の 数 は や や 減 少 し て き た と言 わ れ て い る が,1980年1∼12月 に お い て も 約 150万 羽 が 輸 入 さ れ,鳥 種 別 で も 小 型 愛 玩 鳥 が 多 い こ と,今 回,外 見 上 異 常 の 認 め ら れ な か っ た11羽 に 病 原 体 保 有 が 示 唆 さ れ た こ と か ら,今 後 の 継 続 調 査 が 必 要 か と考 え ら れ る. 稿 を終 る にあ た り,病 理検 査 を 御担 当 いた だ い た 当所 生 物 部長 伊 藤 正 夫博 士 に深 謝 致 します.ま た 材 料採 取 に御 協 力 い た だ いた 当 県衛 生 部 食 品獣 医 務 課 に感 謝 します. な お,本 論 文 の要 旨は 第25回 日本感 染 症 学 会(中 日本) にお い て発 表 した.文
献
1) 徐 慶 一 郎, 中 村 兼 次, 北 山 徹, 木 下 達 二, 増 田 義 一, 大 森 常 良, 松 本 稔: お うむ 病 患 者 の 一 家 族 内 発 生 例. 日 本 医 事 新 報, 1717: 24-26, 1957. 2) 後 藤 敏 夫, 塩 田 浩 政, 中 村 博, 内 藤 寛, 服 部 保 樹, 石 井 進, 大 森 常 良, 松 本 稔: 日本 に お け る オ ウ ム 病. 総 合 医 学, 14: 825-832, 1957. 3) 北 本 治, 大 谷 杉 士, 館 野 巧, 橘 田 晃, 高 山 久 郎, 松 本 寛 三 郎, 阿 部 定 生, 及 川 達 郎: オ ー ム 病 の 臨 床. 重 症 治 験 例 を 中 心 と し て. 日新 医 学, 44: 534-544, 1957. 4) 徐 慶 一 郎: オ ウ ム病 を め ぐ っ て. メ デ ィ ア サ ー ク ル, 18: 101-111, 1973. 5) 徐 慶 一 郎: 最 近 の オ ウ ム 病 感 染 に つ い て. ウ イ ル ス, 31: 21-32, 1981 . 6) 福 士 秀 人, 平 井 克 哉, 島 倉 省 吾: ク ラ ミジ ア の 輸 入 オ ウ ム類 か ら の 分 離 に つ い て. 病 原 微 生 物 検 出 情 報, 29:1-3, 1982. 7) 三 宅 恭 司, 藤 浦 明, 石 原 佑 弐, 井 上 裕 正: オ ウ ム 病 血 清 診 断 用 抗 原 の 作 成 と愛 知 県 住 民 の 抗 体 保 有 状 況 に つ い て. 感 染 症 誌, 55: 558-565, 1981. 8) 井 上 栄: ウ イ ル ス 検 査 法 の 実 際. 補 体 結 合 反 応. 臨 床 と ウ イ ル ス 別 刷, 10: 87-94, 1975. 9) 徐 慶 一 郎: ク ラ ミジ ア, 微 生 物 検 査 必 携, ウ イ ル ス ・ リケ ッ チ ャ. 検 査 第2版: 393-412, 1978 . 松 沢 謙 編, 日本 公 衆 衛 生 協 会. 10) 松 本 稔, 後 藤 敏 夫, 大 森 常 良: 日 本 に お け る オ ウ ム病. ウ イ ル ス 学 の 進 展2集: 65-96, 1959. 東 昇 編, 永 井 書 店.11) Schachter, J.,
Sugg,
N.
&
Sung,
M.:
Psittacosis:
The reservoir
persists J. Infec.
Diseases. 137: 44-49, 1978.
12) Hilleman, M. R., Haig, D. A. & Helmold, R. J.:
The indirect complement fixation,
Hemagg-lutination
and
conglutinating
complement
absorption tests for viruses of the
psittacosis-lymphogranuloma
venereum
group.
J.
Im-munol., 66: 115-130, 1951.
昭和58年7月20日 575
Study on Avian Chlamydiosis Part I. Imported Birds