西 松 建設 技季長VoL22
防食パネルライニング
「レコパネル工法 」 の開発
磯 陽実車 Akiolso
/ )
、林 利充 **ToshimitsuKoba yashi
町田 能章車 YoshiyukiMachida
1.はじめに
シール ド工法 は,地下鉄道 ,上下水道,電力,通信 , 共同溝 な どの ライフライン整備 における都市 トンわ レ構 築技術 として,急速 な発展 を遂 げて きた.近年,建設 コ ス ト縮減のため材料 ・構造 ・施工 システム等 における技 術 開発 ・改善 によ り,工費低減,工期短縮,維持補修費 の低減 を図ることが求め られている.低滅策の一つ とし て二次覆工の省略化が挙げ られる.二次覆工省略 による 効果 は,二次覆工費の削減だけでな く,掘削断面縮小 に よるシール ドマ シン,掘削土処理費,セグメン トの コス
ト低減 ・工期短縮 もある.
二次覆工 は,一般 に防食,防水 ,蛇行修正,防振 ,内 面の平滑化 , トンネルの内装仕上 げ工等 を目的 として, 一次覆工 のセグメン ト内面 に無筋 または鉄筋 コンクリー
トを巻 き立てている ものである. トンネルの防水上,セ グメン ト継手部 に貼 り付 けるシール材 の性能向上 によ り 止水性が確保 で きることか ら,鉄道や電力関係 の トンネ ルでは二次覆工 を省略す ることが多 くなっている.
しか し,下水道管路,特 に汚水管 においては,管路 内 における硫化水素が発生す る腐食性環境 のため,セ グメ ン ト材料 であるコンクリー トや鋼材 の劣化 の発生が懸念 され,二次覆工省略 はセグメン トの耐久性確保 の点で困 難である. また,二次覆工 にコンクリー トを使用 した場 合 はコンクリー トその ものが劣化 し,維持管理上補修が 必要 となることが想定 される.
そ こで, コンクリー トに代 わ り,耐久性 に優れている 合成樹脂製パ ネルをセグメン ト内面 に設置 し,二次覆工 厚 を薄 くすることで掘削断面 を縮小 し工事費の トー タル コス ト縮減 を図 る レコパ ネル工法 (ResistingCorrosion panelSystem)の開発 を行 った.以下 に レコパ ネル工法 の概要 を報告す る.
琴技術研究所土木技術課
**技術研究所建築技術課
セグメン ト
図‑ 1 設置状況 レコパネル設置状況
コンクリー ト二次覆工 レコパネル工法
抄録
図‑ 2 従来工法 とレコパネル工法の管路断面比較
2
. レコパ ネル工法の概要レコパ ネル をセ グ メ ン トへ 設 置 した状 況 の概 要 を 図‑ 1に示す.レコパネルは防食パネルと透水層からなる。
その厚 さは防食パ ネル10mm,透水層5mmであ り計15mm程度 である.従来のコンクリー トによる二次覆工厚は,コンク
リー トの性能や施工上の制約か ら一般 に200mm‑300mmであ る.従来工法 とレコパ ネル工法 との管路断面の比較例 とし て仕上が り内径3,000mmの場合 を図‑2に示す.
レコパ ネル工法 は,セグメ ン トへ の設置方法 によ り, 現場設置方式 とセ グメ ン ト一体成形方式 とに分 け られ
る.それぞれの形状 の概要 を図‑3お よび図‑4に示 し, 各部材 の機能 を以下 に示す.
( 1 )
防食パ ネル汚水 か ら発生する強酸 (硫化水素) によるセグメン ト の劣化や腐食 を防止す るものである.
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抄録
防食パネルは,熱硬化 性樹脂であるエポキシ樹脂 と粉末 状のセラ ミックを骨材 とする樹脂モルタルを熱硬化 により 工場にて成形する。エポキシ樹脂 は,下水道処理場のコン クリー ト防食被覆材 として吹付け ・塗布等 による方法での 施工実績があ り,T水道事業団 「コンクリー ト防食指針
」
に適合する材料 として認定 されているものである.
(2)排水用逆止弁
万一,セグメン ト継手部等か ら地下水が浸入 した場合, セグメン トと防食パ ネル間が密 閉 した構造では,防食パ ネル背面 に水圧 として作用す るためパ ネルの構造お よび 固定方法 に補 強が必要 となる.そ こで,パ わ レにゴム製 (エチ レンプロピレンゴム)の逆止弁 を取付 け,漏水 し て きた地 下水 を管 内 の流 下 す る下水 との微 少 な差 庄
(
1 0 0 m m A
q程度)で管路 内 に排水 させ,
防食パ ネルに過 大 な荷重 として作用 させ ない構造 としている.(3)透水層
防食パわ レ背面とセグメント間で通水用の役割を担 うもの である.使用材はポリプロピレン,ポリエステル等の繊維状 製品で,山岳 トンネルでは防水 シー トの裏面緩衝材 として透 水層 を形成するために用いられている,いわゆる不織布 と呼 ばれるものなどを防食パネル背面に貼 り付けている.
現場設置方式 は,セ グメ ン トリングを組み立 て後 に, 透水層 と一体化 した防食パ ネルを坑内に搬入 し,ボル ト 等 を用いてセ グメン トにセ ッ トす る ものであ り,防食パ
ネル固定用 ア ンカーをセ グメン ト製作時 に埋 め込 んでお く. したが って,セ グメ ン トはRCセ グメ ン トあるいは コンクリー ト申詰め鋼製セ グメ ン トを対象 と している.
防食パ ネル設置後 は防食パ わ レ継手 目地の コーキ ング工 を行 う.なお,セグメン トのボル トボ ックス部 は防錆処 理 として充填工等が必要である.
セグメン ト一体成形方式 は,セ グメン ト製作時 に防食 パ ネル と鉄筋寵 をセ グメ ン ト型枠 内にセ ッ トした後 にコ ンクリー ト打設す る ものである.防食パ ネル とコンクリ ー トの固定 は鋼製 ジベ ル等 によ り確保す る ものである.
セグメン トを組み立てるためセグメン トボル トボ ックス 部や グラウ ト孔 を切 り欠いてお く必要があ り,組み立て 後 に後処理工 として,ボル トボ ックスお よびグラウ ト孔 の充填工 ・仕上 げ工 ,防食パ ネル継手 目地の コーキ ング 工が必要である.
3. レコパネル工法の特長
レコパ ネル採用 によるメ リッ トを以下 に示す.
① トンネル外径が縮小 されることによ り,掘削土量が低 減 される.
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西松彊設技報 Vol.22
潔‑ 3 現状設置方式 レコパ れ レ
ボル トボ ックス
図‑4 セ グメ ン ト一体成形方式 レコパ わ レ
②硫化水素が発生す る腐食性環境で もコンクリー トに比 べ耐久性が向上 し,従来の二次覆工 に比べ維持補修費 の低減が可能である.
③従来の二次覆工 に比べ施工性がア ップ し,工期の短縮 が図れる.
④現場設置方式パ ネルは劣化 した既存 の二次覆工 コンク リー トの内面 に設置す ることによ り, トンネルの リフ レッシュが可能である.
4.
おわ りにレコパ ネル工法 は,三洋化成工業(秩)との共同開発 に よる ものである.
レコパ ネル工法 は二次覆工 と して要求 される品質 (防 食性
,
耐摩耗性,平滑性) を十分 に滴足で き,なおかつ 部材厚が小 さい合成樹脂製パ ネル とす ることによ り, トンネル断面の縮小 を実現 し,工事費,工期 を低減す るこ とが可能 な工法である.今後 は,パ ネルの生産性,経済 性 ,施工性 をさらに追求 し,合理的な部材 の検討 を進め
てい く予定である.