南の貧困 / 北の貧困
2 章補足:“水俣病”
水俣病 有機水銀 特定の企業が悪い
監督官庁が悪い 政治家が悪い
もちろん悪い。しかしそ れだけなのか?
背後にある社会のしくみ
情報化社会
需要創出 必要・文化からの 自由
:モード
伝統・文化で培った 感覚をなくすことで
、新たな需要。
自然の声はお ろか、人間の 声こえすら気 にならない。
“ しかたがない”
法律に反していない
(まだ規制がない)
のだから、構わない
。
このしくみが、“水俣病”と概 念化(本講義)~「大量消費社 会」の
なぜ繰り返されるのか?
いわゆる水俣病患者
有機水銀中毒によって 感覚中枢の機能障害
“ 水俣病”
モードによる必要・文化 の感覚の障害
“ 水俣病”を作り出すしくみ変わっていない
。
規制・制度をかえても、それは“症状(それぞれの社会問 題)”を押さえる対処療法~次々とカタチを変えて、現れる
• 情報化 / 消費化社会において、資源 / 環 境の問題関心が高まった。
大量採取―資源問題
大量生産
大量消費
大量廃棄―環境問題
両端がなくては、情 報社会成り立たない。
どうしよう?
オイルショック・数々の公害問題
• 大量採取:抜け道
“北の国” ⇒ “南の国”
資金援助
一次産品をたくさん輸出させるため
工業製品 一次産品 関税 高い 低い
↓
南の国:輸出する側も、マテリアルの
方が輸出しやすい しくみ
• 大量廃棄:抜け道
• 外部諸社会、諸地域への汚染の転移を深刻化 させた原因
人々の環境破壊に対する意識が強まる 悪物質があるからいけない
外部にやってしまえばいい
諸地域への汚染の転移のシステム
“ 水俣病”
例 . インド化学製品工場の事故
アメリカで生産していたが、環境に 悪影響な物質が見つかる
↓
インドに工場を移動 ↓
インドの環境悪化
例 . ダブル・スタンダード
国内:農薬 - 環境に悪影響のため使用禁止 輸出:可能! 規制のゆるい国に輸出
ブーメラン
アメリカが輸入した作物にも、アメリカで使用禁 止の農薬が使用! ~間接的にやっぱり、禁止農薬 を摂取:見え難くなっただけ
↓二者択一?
①
この不平等に居直る?
②
情報化社会を捨てる?
間接化と不可視化
「豊かな社会」(80年代)最も長い経済発展 ↓ 栄養不良や病気で死亡する人の増加
モードとしての牛 ?!
食料
“ 胃袋”に限界⇒“必要”からの自由ム リ?食料を“濃縮”
穀物 牛 人間
穀物を直接食べるより、
8 倍
も食べられる!需要創出!
飢えは政治(配分) ?!
モード:牛肉
穀物を摂取すれば、世界中の人々が、植え ることのない食料が、存在する
需要創出
世界の半分の飢えは、分配の不平等による飢え
1972年の食料危機
大凶作が原因?
アメリカ等需給調 整の結果
世界生産の 1 % も満たない量を 生産してくれれ ば、飢餓はな かった
経済優先:需要と供給重視:
人がもだえ苦しみ、声を上げても聞こえない
“水俣病”のころ
と同じ
開発 = 作物の支配
アワシュ渓谷の植民地化
人々は川の近くから出ていかなくては
ならなくなり、よくない土の上で生活
しなければならず、放牧し、そこは牧
草がないので家畜が死に、人々は飢え
た
• 貧困というコンセプト 一日当りの生活費 か ↓ 違う 貨幣を必要とする 状況で の欠乏 ⇒貨幣からの疎外
この疎外の前に 存在する疎
外 貨幣への疎外 二重の剥奪
• 貨幣への疎外
東南アジア
マングローブの林 いくらでも
魚介類取れ た
飢えない
エビの養殖場にする 地元の人たち、マン
グローブなくなって 働かざる得ない=労 働力彼らは賃金で食べ物を 買うようになる=市場
× 貧しい彼らに、シゴトを与え た!
水俣との類似点(再録)
需要自己創出~「緑の革命」
農業~化学肥料・農薬
科学の力で収穫倍増!
“ 農業” に必要 だったのか?
違う理由…
農業中心の産業構造を重化学工業に!
資本 そのために
労働力 “ 需要”
資本・労働力・需要
小さな農 村
保護打ち切り
公共投資:重化学工業へ 離農して都市
へ 労働力
農薬
・化
学肥 料
建前:農業を機械化・近代化で対応!
• 北の貧困
東京でテレビがない
ロスアンジェルスで車がない
↓ 貧困だが
多くのアジアでは全然貧困でない 南の、二重の剥奪が北にも存在する
(貨幣への疎外→貨幣からの疎外)
モード
必要と関係なく
買い変える(例 ケイタ イ)
モードに乗らない人の必要の水 準がだんだん引き上げあれる 例 公衆電話なくなる。ケイタ イ持たざる得ない
• 南の貧困と北の貧困 二重の剥奪は共通
「必要」の水準が違う 南は
生きていくための絶対性としての必要 北は
絶対性としての必要とは離陸されて拡
大した、欲望としての必要
二重の剥奪の例を上げてくだ さい。
注意:ミクロ-マクロリンク
2 重の剥奪であることを論じてくださ い。