「グローバル時代の組織と人材」
~今、求められる自律型組織を 目指して~
一橋大学 守島基博
1.今、組織革命が起こっている
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これまでの組織がもっていた階層的構造が、環境に適応しにくくなっている。
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背景にある変化競争環境の急速な変化
イノベーションが戦略の中核に 知識創造の重要性
全般的な「サービス経済化」
ビジネスのグローバル化(現地対応の重要性)
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また組織デザイン(組織編成)も変化している→
組織のフラット化や、プロフィットセンター化、プロジェクトチーム制の導入
その結果、
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共通するのは、現場での価値創造が競争力の源泉に なったこと•
その結果、これまでの階層的組織ではなく、現場が 自律的に機能する「自律型組織」が求められる•
また人の面もそれに適合した人材が求められる。•
現場力のある組織•
「現場力」:現場での知識創造、顧客価値創造、臨機応変の問題解決
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でも、やはり組織なので、纏まりや協働も必要•
管理によらない組織としての纏まり例えば、グーグル
自律(人材)
高度プロフェッショナル人材 高い成果報酬によるモチベーション
自らの目標設定
全ての始まりは一人ひとりのアイディア
協働
会社としてのまとまりは、ビジョン 顧客・社会の視点
リーダーとマネジャーの分離
自律(組織)
自分のアイディアを、イントラを通じて、会社 のプロジェクトにしていく(80-20ルール)
個人のプロジェクトの参加を通じて、組織が できる
ビジョンに基づく自律的なチーム作り
2.考えてみると、
日本企業の強みは、圧倒的に現場力だった。
例えば、大きいところでは、トヨタ
トヨタの強みは現場での改善、改良による品質 の作りこみ
言い換えれば現場の自律性 震災対応でも、
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震災対応で早く復興した企業とそうでない企業 を分けた要因のひとつは現場力の強さ。→
ローソン、ヤマト運輸など。→
多くの企業の復興基盤は現場の頑張り→
復興の原動力は、現場の力ただ、今、現場が弱っている
幾つかの症状
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現場で働く人の疲弊仕事を通じた働きがいの低下
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協働の減少一人ひとりが職場で個別化
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職場リーダーの機能低下部下をきちんとマネジメントできない現場リーダー
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「職場寒冷化」•
また、はたして、これまでの現場力で戦っていけるのか。•
求められるのは、付加価値を創造できる現場=顧客志向+創造性+仲間との協働
変化する職場 ( 守島調査 , 2008)
「職場に関する変化」項目
貴方の職場では、過去3年間でどういう 変化が見られましたか?
「そう思う」「どち らかといえばそう 思う」を選択した 割合(N=2,823)
1.仕事のできる人に仕事が集中するよう になった
55.6%
2.進捗管理が厳しくなった 41.6%
3.自己都合で退職する社員が増加した。 39.6%
4.個人の目標設定における裁量が増大し た
29.4%
5.若年層に育成に手が回らなくなった 27.1%
6.職場で協力しあう雰囲気がなくなった 19.3%
7.メンバーの間での競争意識が高まった。 15.3%
新たな現場力の構築
• 自律的な職場は、経営上、重要な資産
• でも、現在、職場が変質し、機能が低下して いる職場の変質が起こっている
• 成果主義など、ここ暫くの経営施策の影響が 大きい。
• また今までよりさらに現場力が求められる経 営環境になってきている。
• 経営として、必要な現場力の回復のために
何ができるのかを考えるべき時
3.今、もとめられること
「組織開発」という考え方の導入
組織開発:もともとは、単なる人の集まりが、組織に なるために組織自体を開発するという考え方
人を集めただけでは、組織は生まれない
人材多様性の高い欧米では重要な経営機能組織開発(伝統型)とは、
●フォーマルな仕組みを再構築する組織デザインとは区別 される
●人と人との、インフォーマルな関係性や作業プロセスの運営 方法を革新するのが組織開発
●伝統的な職場の小集団のまとまり、凝集性をさらに高める プログラムとして活用
グーグルなど、米国西海岸のベンチャー企業では、競争力の基盤の ひとつ
進化する組織開発
「強い組織の開発」
•
ただ、今、必要なのは組織としてのまとまりや 一体感のみではない。•
自律した職場の構築など、総合的な組織として の強みの開発へ•
企業の競争力を継続的に向上させるための マネジメント•
今必要なのは、環境変化に対応するための、「現場自律化へ向けた組織開発」
現場自律化へ向けた組織開発
5つのポイント:
1)現場における理念とビジョンの徹底 迷わせない
2)現場へのエンパワーメント 単なる権限移譲を超えて 3)考えさせる工夫
小さなイノベーションを目指す
4)リーダーシップとフォロワーシップ 全てをリーダーに任せるのではなく 5)コミュニティとしての職場づくり
職場のコミュニケーションと絆
今、必要な組織開発
①現場における理念とビジョンの徹底
• 会社全体の方向性を繰り返し伝え、自分なりの 目標とミッションに落とし込むために
• 人は、役割とミッションがないと(少なくとも最初 は)動けない。
• 迷うことがモチベーション低下の最大要因
• どこに向かうべきなのかを共有する
• 繰り返しと腹おちさせる工夫が勝負
今、必要な組織開発②
②働く人のエンパワーメント
• エンパワーメントは単なる権限移譲ではない。
• 人材にパワーを与えて、“出きるようにして あげる”のが、文字通りエンパワーメント
• 指示なしで仕事ができる状態が、エンパワー された状態
• 基盤は、
1)能力開発
2)権限・情報委譲
3)意識付け(必要性の確保)
今、必要な組織開発
③考えさせる工夫
• 自律性への第 1 歩は考えること
• ポイントは、現場の人にどこまで考えてもらうか
• そのための工夫
良品計画の“現場マニュアル”
未来工業では「小さなことを考え、それを提案 する」ことが一人ひとりのミッション
• “小さなイノベーション”が大切
• 考えることは学習できるスキル
• どこまで考えてもらうかが現場力の基本
今、必要な組織開発
リーダーシップとフォロワーシップ
④リーダーシップとフォロワーシップを両方とも強化する
•
まず、リーダーについては、自律型の組織で求められるの は、良き統率者ではなく、現場の経営ができる人材•
経営とは、1)行くべき方向を決める(ビジョン・戦略の決定)
2)そこに組織を連れていく(人を巻き込んでの 戦略の達成)
•
経営トップは、何時でも、経営的なリーダーシップが求め られていた•
今は、現場へ•
多くの企業で、リーダーの育成が組織の強みに繋がる⇒ GE
現場リーダーが育つ組織とは
1.
リーダーが重視され、報われる組織→
リーダーになりたくない若者たち2.
エンパワーメントのある組織→
何も権限のないリーダー3.
フィードバックと支援のある組織→
孤軍奮闘するリーダー4.
フォロワーが育っている組織 フォロワーシップ教育皆さんの企業は、こうした組織になっていますか?
フォロワーシップ
•
ただ、こうした組織が有効に機能するためには、強いリーダーだけではダメ
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今、日本の組織で現場リーダーが疲れている•
リーダーが機能しない。•
なぜ、そうなのか?•
多くの理由があるが、ひとつの大きな理由は、組織が、自律型になるなかで、フォロワーが 育っていないから
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フォロワーが依存型だと、どんなにリーダー教育 をしても、効果が薄い。フォロワーシップとは
• 3 つの要件
1)リーダー(またはリーダーの出したビジョン や目標への)コミット
2)そのなかで自己の役割を自律的に描く 能力
3)さらに、いつでもリーダーを批判的に見る力
• こうしたことがフォロワーシップの要件と 言われている。
• フォロワーシップ教育の時代
今、必要な組織開発⑤
コミュニティとしての職場づくり
•
職場は、やはりコミュニティ(人の集まり)•
でも、そうした状態が崩れてきた•
だから、人の繋がりを大切にする•
別の言い方をすれば、企業内の人的ネット ワークの強化•
コミュニティは、コミュニケーションから•
震災で示された繋がりの強さ•
そこから、イノベーションも生まれる。最後に
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今、起こりつつある組織革命•
そこでのキーワードは、「自律・分散・協働」•
でも現場が弱っている•
現場自律のための組織開発 1)理念とビジョンの徹底2)現場へのエンパワーメント 3)考えさせる工夫
4)リーダーシップとフォロワーシップ 5)コミュニティとしての職場づくり