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(1)

富大経済論集

P : C f  

‑262 ー

贈与剰余金の性格について

山 崎

夫 佳

え 1 J f .  

一 九

四 八

年 の

A ・ A ・ A 会計原則によれば﹁牧益は受贈物からは生じない︵何冊

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とされていた︒しかるに利益概念を二元的にとらえる一九五七年の A ・ A − A 会計原則においては︑これといささか

考えを異にするようである︒すなわち︑贈与は︑企業実体の見地 i

企 業

利 益

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定 ー

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本 の

一 部

︵ 贈

与 資

本 ︶

として取扱われているが︑企業主の見地|株主利議の算定ーからは︑株主に帰属すべき利益ハ株︑子持分︶と解されてい

る︒それは︑本質的に︑資本醸出合同 1ES

ロ 片 岡 山

一 ︶ 口 氏

︒ ロ ︶

の意味を有するのであるが︑贈与者において︑もともと持

分をもっ意思がないところから︑このように処理されるのであると思う︒

一つには贈与剰余金の資本的性格からくる回牧可能性について

であり︑他はその帰属関係からくる処分可能性に関してである︒そしてこれらは︑資本取引と損益取引との区別とい しかし︑これだけでは︑未だ疑問は解決されない︒

う会計の基本的課題にもつながる問題であると考えられる︒

こ の

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贈与剰余金の性格を吟味せんとするものである︒

以 下

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七 五

巻 二

(2)

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七 六

巻 三

一 九

巻 五

号 贈 与 剰 余 金 の 資 本 性

一 九

四 八

年 の

A ・ A − A 会計原則は︑資本を定義して︑﹁払込資本守田区 1

S 山 口

1 E

︶は︑株主または株主・債権者

以外の者によって醸出された現金もしくは他の資産・用役の公正な市場価格によって測定され︑またそれは︑債権者

①  から株主への持分移転に際し免除された債務額によって測定される﹂と記している︒この定義はまた︑ A ・ I − A の

支持するところでもある︒すなわち︑それは財務諸表の表示に関して︑自己資本な B

官 吉

q g 田

M V E −︶の醸出部分 −

は︑株主によって払込まれた額と︑株主あるいは株主以外のもののいずれにせよ︑彼等から株式発行を伴わずして受

@  入れた資本との双方を示すよう勧告している︒これをみても判る通り︑一般に贈与は︑ 一種の資本提供と解されてい

る の

で あ

る ︒

フィニィ・ミラーは︑無条件贈与と条件付贈与とを区別し︑後者は︑契約条件が満たされるまで︑一時的な勘定で

⑤  処理し︑その後は︑それらを通常の固定資産勘定と払込剰余金勘定に振替えるべきであるとしている︒しかし︑

こL

‑263 一

ーヲヴ・ガ 1 ナ l は︑株主による贈与は払込資本︵払込剰余金︶として分類さるべきであり︑株主以外のものによる無

条件贈与および債務免除

S O H E 8 5 0 2 0 Z

るのみが︑贈与剰余金として表示さるべきであるとい%︒そこで贈

与というとき︑それは丹波博士にしたがって︑株主以外のものからする贈与であって︑贈与者の意図が︑積極・消極

@  のいかんを問わず︑資本の提供にあるものと理解したい︒建設助成金・建設寄付金・工事負担金・固定資産贈与益・

私財提供・債務免除益等が︑これに属する︒

わが国の﹁企業会計原則﹂は︑資本的支出に充てられた国庫補助金︵建設助成金︶および工事負担金・資本補墳を目

贈 与

剰 余

金 の

性 格

に つ

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︵ 山

崎 ︶

一 一

(3)

一 川

聞 大

経 済

論 集

一 一 一 ︐

︐ / 264~

的とする贈与剰余金または債務免除益を資本剰余金に計上すべきものとしている︵企業会計原則注解六︶︒ただし︑ここ

で﹁資本的支出に充てられた﹂という使途が︑資本剰余金︵贈与剰余金︶の要件になるとは思われなMo助成の目的に

し た

が っ

て ︑

その本質を理解すべきである︒

と こ

ろ で

S − H ・ M 会計原則は︑資本を定義して︑ つぎの広狭二様に分っている︒もっとも一般的な意味におナ

る資本は︑富の貯えであり︑その使用によって︑所有主が追加の富をえようと慾するものを意味する︒企業の資本は

固定・流動を問わず︑財産または資産のすべてから成る︒狭義の専門的な意味における資本は︑右に定義した財産ま

たは資本における所有主の持分を意味する︒この狭い意味において︑資本は︑負債によって表わされる借入資本を含

まない︒狭義の資本は︑ 同醸出資本と刷稼得あるいは活動から生じた増加分とに分たれ︑これら二つの部分は︑

﹁ 資

本と剰余金﹂という言葉で表現される︑

広義の資本は経済的であり︑狭義のそれは法律的であると考えられる︒この資本の定義に照応して︑利益について

﹁利益は︑資本たる富の使用および供与された用役から生ずる富の増加分である︒狭義

も ︑

s − H ・ M

会 計

原 則

は ︑

における利益は︑この増加分のうち所有主の分け前である﹂と述べている︒

このように資本概念および利益概念を広狭二様に定義する S − H ・ M 会計原則の態度は︑必ずしも明らかではない

が︑それぞれを二元的構造においてとらえる立場がある︒︒へイトンの主唱する企業主体理論がそれであり︑これらの

概念に関するかぎり︑ 一 九 五 七 年 の A ・ A ・ A 会計原則のとるところでもあると付度される︒

企業主体理論は︑会計の主体として企業実体概念を措定する︒企業実体の見地は︑経営管理的な観点から︑資本の

調達源泉にとらわれることなく︑企業を営業単位・財務単位とみる立場である︒そこでは︑普通株主・優先株︑主・社

債権者・債権者・贈与者等によって提供された資木の間には︑顕著な区別は存しない︒それは︑法律的見地を無視す

(4)

つまり︑経営者による財務管理の観点か るもむではないが︑第一次的に︑経済的見地および経営的見地を重視する︒

らは︑これら資本は合併されて︑総資本的に取扱われるのである︒けだし︑醸出資本も借入資本も︑ はたまた留保利

益も︑資本としての機能には変りなく︑ ともに全体としての企業資産に化体することになるからである︒

したがって︑このような資本の運用に関係してえた利益は︑企業利益として算定される︒それは︑同牧益と︑それ

に関連する費消原価との比較による前者の超過分もしくは不足分と︑削資産の売却・交換・その他の転換による企業

の利得または損失とから生じた正味資産の増減である︒この場合︑支払利子・法人所得税・真の利益分配は︑企業の

純利益の決定要素から除かれる︒企業利益は︑生産的経済単位としての企業の能率牲を測定するとともに︑株主・債

権者等資本の提供者に対して配分すべき総額からなるものとされるのである︒配当金と同模︑支払利子もまた利潤の

分配とみなされる︒

以上のような総資本そのものの直接的な増減をもたらす取引を資本取引と解釈するならば︑次節に述べる﹁固有の

資本取引しと区別して︑これを﹁広義の資本取引﹂と呼称することができる︒広義の資本取引の結果︑経営者の管理

対象となった資本を運用してえた利益を企業利益ということは右に述べたが︑企業利益に関係ある取引︑これを﹁固

有の損益取引﹂と呼びたい︒牧益および費用は企業資産の増減であり︑企業主または株主持分の増減ではないからで

ある︒近代会計は︑第一義的に企業実体としての企業を対象とする︒

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① ③ ① ② ①  

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山 崎

F

(5)

沼大経済論集

T~

‑266 

⑥ 

山下勝治者﹁会計学一般顕治﹂一二 O 良︑二二九氏

丹波探太郎著﹁前掲書﹂一三八頁︑二 OO 頁

﹁税法と企業会計原則との調整に関する意見書 L によれば︑贈与剰余会は︑つぎのように述べられている︒

国庫補助金︑建設助成金

資本的支出の対象となった国庫補助金の会計理論上の本質は明らかに常業利議ではなくて︑資本剰余金である︒株主の隊出

によらずして︑企業に M 附属する資本が︑国民経済的目的のため国庫から補充せられたものであるという点がその特質をなして

い る

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あ る

︒ 工 事 負 担 金

工事負担金の会計上の本質については︑多少議論が分れている︒あるものはこれを負債性引当金︵口白

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︶ と

なし︑あるものはこれを資本剰余金となしている︒会計原則においては︑工事負担金をもって企業資本の補填のための隊出額

とみなし︑これを資本剰余金に計上すべきものとしている︒

株主の贈与および債務免除長

株主の会社に対する贈与︵私財提供および債務免除をふくむ︒︶は︑通常会社の財産整理または欠領填補のため行われるも

のであるが︑それは法的に資本払込の万法によらない資本補填の万法であって︑追出資とみなすべきものであり︑これを収得

した企業にとっては資本剰余金の発生を意味するものである︒株主以外の者にとって贈与がなされた場合においても︑資本補

填の性質を有するものについては︑これを資本剰余金に算入し︑益金に算入しないことが会計上一般に認められた原則である︒

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贈与剰余金の帰属関係

ぺイトンによれぽ︑会社エンティティは︑本質的に︑投資家グループの資金を取扱う管理人として行動する組織体

(6)

の である︒このエンティティの利益は︑窮極の分析において︑株主の持分における増加を意味する︒したがって︑株主

に対する純利益︑すなわち︑株主持分を決定するには︑利益決定要素として︑さらに支払利子・法人所得税・利益配

②  当および負債の支払免除や贈与のような事象から生ずる借記もしくは貸記が包含されるのである︒

﹁実現﹂が本質的な要素であるから︑ もっとも︑ヴァッタ 1 は︑利益の決定には︑

のは︑真の利益ではありえないと述べている︒なるほど︑会社によって﹁実現 L されたが︑未だ配当に当てられてい ﹁株主に対する純利益﹂という

よし、 き な

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﹁稼得﹂はされたが︑未だ﹁実現しされていない利益の一種と考えることがで

ともかく︑総資本によって稼得された企業利益は︑国家・債権者・社債権者・優先株主等︑上位の請求権者の要求

を順次充たして︑残余は︑もっとも下位の請求権者である普通株主に帰冒する︒また︑企業実体の見地から贈与資本

とみなされた債務免除益や贈与が︑企業主の見地から︑株主に帰罵すべき利益となるのは︑ 元来︑贈与者の側におい

て︑持分をもっ意思を放棄しているからである︒これについて︑︒へイトンは︑

また無条件の寄付︵向日常﹀もしくは寄贈守 2 ロ 2

3

つぎのように述べている︒贈与による

それは現存する株主の持分の増加をもたらすのであ恥︒

により生じた株主持分の増加は︑もっとも広い意味において︑利 財産の醸出を︑会社利益とみなすことはできないが︑しかし︑

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書〆者 三♂ノえ

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その効果は︑当期利益および利益剰余金のいずれにも及んではならないとして

っ L ー このような﹁株主に帰属すべき利益﹂を決定するには︑当然﹁固有の損益取引﹂を前提としこれを含むから︑これ

らの取引を﹁広義の損益取引 L と称することができよう︒以上のように︑利益概念は二元的にとらえられるのである

が︑出資者の見地は︑あくまでも第二義的においてのみ︑問題となるのである︒それは︑企業主または株主持分の増

制 畑

与 剰

余 金

の 性

格 に

つ い

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山 崎

J t  

(7)

富大経済論集

‑268‑

減を中心とする法律的な観点に通ずる︒

しかしながら︑会社エンティティが︑本質的に﹁管理人﹂であるとすれば︑窮極において法律上の所有者としての

株主に対する正当な認識を欠くことはできない︒企業実体の見地は︑必然的に企業主の見地へ移行する︒ここに企業

主体理論がとる二元的構造の特徴を窺知することができるのである︒そして︑株主持分そのものの直接的な変動をも

たらす取引を﹁固有の資本取引﹂として理解するものである︒資本会計が︑その研究領域として︑自己資本すなわち

資本金・払込剰余金・贈与剰余金・評価替剰余金・留保利益等の株主持分を対象とする所以である︒

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⑥ ① ④ ① ①   言

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四 贈与剰余金の回牧可能性・処分可能性

およそ︑企業に委ねられた資産は︑その調達源泉にとらわれることなく︑等しく重要であって︑企業活動の注意深

ま た 牧 益 力 の 正 し い 計 算 を 行 う た め に

︑ 実 際 価 値 で 認 識

・ 測 定 さ れ な け れ ば な

らない︒実に会計の目的は︑会計責任守口

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−−日々︶を明らかにすることであるから︑経営者が︑責任を負うすべ

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︵ 但 口 仲

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巳 己 申 一

ての資産の価値を報告することは当然である︒

もし︑資産が購入によって取得されたならば︑原価︵ 8

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会 計

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かりに︑資産が贈与によっ

て取得されたとしても︑会計責任はなお存在する c そ の 額 は ︑ 公 正 な 市 場 価 格 ︵ 同 色 円

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︶で測定さるべき o

(8)

いま購入するとすれば支払わなければならない現金原価︵ B 島

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︶である︒したがって贈与資産

の場合︑直接の支出がないという理由で︑備忘的・名目的金額の記録に止めればよいというような形式的な原価主義

者の主張は妥当なものではない︒ で

あ る

︒ そ

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ところで︑贈与資産は︑通常固定性のものであるが︑それが企業活動に不可欠のものであるとすれば︑恒久資本ハ

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しながら︑他方︑契約条件に反しないかぎり︑これら資産を企業から除去することが認められるかもしれない︒そこ

で贈与資本の回牧の問題を︑減価償却計算にかかわらしめて︑つぎに考察してみたい︒

か し

わが国の税法は︑贈与を利益剰余金であると考え︑ ①  ただ圧縮記帳を認めて︑その一時的所得算入を免除している︒

圧縮記帳によれば︑固定資産は︑その現実の取得価格と異なる圧縮額を基礎とした減価償却を余儀なくされるのであ

らその結果︑年々の償却不足額は︑耐用期間にわたり︑それだけ部分的課税をうけしめることとなり︑また耐周年

数経過後︑減価償却による留保資金に不足をきたすことになる︒このことは︑資本の食込みを招くものであるといわ

れ る

税法が︑贈与を利益剰余金であるとみるのは︑それが︑株主の醸出資本以外の資本を認めないところからくるので ︒

ある︒それは︑企業主の見地にのみ立脚する資本主理論に通ずるものがある︒しかし︑企業実体を基調とする企業主

‑269 一

体理論からは︑贈与が資本とみなされることは既述の通りである︒

そこで問題は︑贈与資本の全面的回牧が可能であるかどうかということに帰する︒山下博士によれば︑

﹁ そ

の 全

周期間にわたって資本の食込みハ恐らく助成金に相当すべき︶が予期せられているところに︑建設助成金が考えられ

るものであろう︒従って︑ 圧縮記帳の結果として︑設下資本の全部的回牧が不足し︑それだけ資本の食込みが招来す

贈 与

剰 余

金 の

性 格

に つ

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︵ 山

崎 ︶

(9)

宮 大

経 済

論 片

‑270 ー

るという上の非難は︑

ものを論難することは︑当らないようである︒

つぎの見解に傾いていると

い う

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それ自体白殺的な論理となる c

﹂ と

このようにみてくると︑税法における圧縮記帳方式その

一致した意見は存しないが︑

一 般

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それは営業利益にチャージされ︑減価償却引当金︿

m s R S F こ ︶ 3 5 0 在 日

g ︶に貸記される︒さら

に贈与剰余金︵

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ω 区若宮田︶勘定は︑減価償却記入がなされる都度︑償却されてゆく︒この期間的償却︵減価償 ニ f a

ラ ヴ

・ ガ

1 ナーは︑この問題に関して︑

①  いう︒贈与資産が市場価指で評価されている場合︑この価格はその財産の耐用期聞にわたって償却さるべきである︒

却 記

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利益剰余金︵何

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﹀勘定へ振替えられる︒贈与剰余金から利益剰余金への振替には︑取締役会 g

貸 記

さ れ

の玉式承認をえるようにすることが︑

ま た

勧 告

さ れ

る ︑

これを例示してみよう︒ いま︑建設助成金二 OO 万円︑建物の製作価格五 OO 万円とする︒建物の耐用年数は一 O

トー品

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年と見積り︑残存価格はないものとすれば︑仕訳はつぎのようになる︒

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︵ 吉 町 一 辻 ︶

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沿 ︶

(10)

これによれば︑前述の圧縮記帳額を取得価額とみなして︑当該固定資産の減価償却を行うのと︑実質的に異なると

ころはない︒また﹁税法と企業会計原則との調整に関する意見書﹂は︑贈与剰余金が﹁窮極において株主の利益に帰

肩するという見地から︑租税政策上これを非課税とすることが好ましくないとすれば︑単に減価償却費の計上にあた

り取得価額から国庫補助金︵工事負担金筆者注︶ を控除した金額を基鍵とする方法をとる﹂ょう懲湿しているが︑そ

れにも適うであろう︒

しかし︑それでは︑贈与剰余金が利益剰余金に振替えられて部分的に処分されることになる点︑疑問は未だ残る︒

わたくしは︑これに関して︑固定資産の評価修正額に対する処理法としての折衷法︵

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的なものを覚える︒それは︑ 以上のような仕訳に続いて つぎの仕訳を行うからである︒

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そして注目したいのは︑貸方項目が引当済利益剰余金︵何回店主 ω 日

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ることである︒また留保利益が割当額に不足する場合は︑特別引当金︵戸 32

旨 −

H 目的脅︿巾︶

ましいとされる︒ とされてい

を設けて調整するのが望

このような会計処理によって︑フルに減価償却を行う管理的な見地と︑持分関係を明らかにする株主の見地との双

方を満足させることができると考える︒

‑271 

注①法人税法施行規則第十一条﹁法人が資本的支出に充てるため︑交付された国部補助金︑都道府県裕助金又は市町村補助金で

第 二

項 に

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︵ 山

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(11)

‑272‑

巨大経済論集

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同第十一一条﹁電気事業︑ガス事業︑地方鉄道事業又は軌道事業を常む法人がその事業に必要な施設を設けるため︑電気若し

くはガスの需要者又は鉄道若しくは軌道の利用者その他その施設によって便益を受ける者から金銭又は資材の提供を受けた樋

合において︑その金銭又は資材をもってその施設を構成する資産を取得し︑その資産につき︑その価額から当該金銭の額又は

資材の価額に相当する金額を控除した金額をその帳簿価額として財産自録に記載したときは︑その価額と財産目録に記載した

側額との北京額に相当する金額は︑各事業年度の所得の計算上︑これを損金に算入する︒ L

②法人税取扱通達九四﹁国庫補助金等の交付を受けた日の属する事業年度前の事業年度において︑当該国庫補助金等の交付の

自的となった固定資産を取得しているときは︑当該同定資産の取得価額から交付を受くべき国庫補助金等の金額を控除した金

額を取得価額とみなして︑当該国定資産の減価償却を計算するものとし︑国庫補助金等の交付を受けた日の属する事業年度に

おいて︑当該固定資産の帳簿価額から当該国時補助金等の金一績を控除した金額を下らない金額を当該悶定資産の帳簿価額とし

たときは︑これを認めるよ

①山下勝治者﹁前掲書

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フィニィ・ミラーは︑贈与が条件付である場合︑所有権取得前においても︑資産の減価償却を行うべきであるとする︒もし

償却が行われないならば︑所有権取得前の償却不足額を償うに足る高率の減価償却が︑取得後の使用期間中に必要となる︒こ

れら高率のチャージは︑同一のは業条件下にある二つの期間の間に︑奥なった収益賦課をもたらし︑全使用期間ならぬ所有期

間に償却総額を負わせることになるというのである︵ロ・﹀−

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有とならない同定資産の償却を必めることは︑会計責任官

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なおペイトンの設例にしたがって︑折衷法の仕訳を示せば︑つぎの通りであるつ

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連物の取得何格が一 O 万ドル︑耐用年数は二 O 年と見積られ︑残存何格はないものとする︒五年経過したとき︑濯物の取替

版価が二五万ドルに修正されるとすれば︑つぎの記帳がなされる︵丹波康太郎著﹁前錫書﹂一一一七 i

一 二

八 頁

参 照

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建物減価償却引当金

遺物減価償却引当金一修正額

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(貸方〕 37,500  12,500  留保手 lj 説

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(貸万)

(貸万) 損 主主 12,500

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保利益 7,  500  (イ百プ j)

(fl'j)  j)  (4)  (5) 

7,500  留保利益ー吸収尚治加留保定 i (貸万) 留 〔イ /'l)J 〕 (6) 

む 'Im  .iJ  同

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〔貸方〕 (借方〉 (3) 

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(13)

富大経済論集

一 一 一 六

‑274‑

しかし︑贈与について︑企業実体の見地から︑

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の仕訳を行うとすれば︑建設助成金が︑ただちに処分されても良いような印象を与えるかもしれない︒しかし︑それ

では助成の主旨にもとることになる︒建設助成金は︑助成をうけた企業において︑その主旨にそうため︑資本として

保持せらるべきであろう︒とすれば︑前節に述べた折衷法がよりアピ l リングな処理法であるように思われる︒

それにしても︑わが国の﹁企業会計原則﹂は︑﹁正当な理由がなければ︑資本剰余金を利益剰余金に直接又は間接

︵損益計算書原則六の二項﹀と述べているが︑這般の問題は︑これとも対決を迫られているよ に張替えてはならないよ

う で

あ る

本稿は︑このような難問︵

3 2

E ︶に対する試論であるにすぎない︒さらに他日を期したい︒

︵ 一 九 五 九 ・ 八 ・ 一 一 一 一

参照

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