九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
Evaluation of the extent of damage to the
esophageal wall caused by press-through package ingestion
田村, 拓也
https://doi.org/10.15017/2534394
出版情報:九州大学, 2019, 博士(医学), 課程博士 バージョン:
権利関係:
(別紙様式2)
氏 名 田村 拓也 論 文 名
Evaluation of the extent of damage to the esophageal wall caused by press-through package ingestion
論文調査委員 主 査 九州大学 教授 中村 雅史 副 査 九州大学 教授 池田 典昭 副 査 九州大学 教授 中川 尚志
論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨
日本では、Press-through package (PTP包装)誤飲による食道損傷が多数報告され ている。しかし、誤飲時の食道損傷のリスクを評価する方法は今まで確立されてい ない。本研究では、ブタ食道とシリコンシートを用いてPTP包装を誤飲した際の食道 壁損傷リスクを評価する方法を確立した。4種類の試験物について、誤飲を想定し、
ブタ下部食道に引っ掻き試験を行い、定性的に病理評価した。試験物は、PVDCコー トのPVCで出来た一般的なPTP、やわらかい素材のPTP、丸い形状のPTP、使い捨てメ スである。次にブタ食道をシリコンシートに代替し、自動摩擦試験機HHS 2000を用 いて50mm/minの速度で750gの固定荷重で引っ掻き、各試験物と接するシリコンシー ト表面の摩擦力を定量評価した。ブタ食道に生じた傷は、使い捨てメス>PVDCコー トのPVC>やわらかい素材のPTPと丸い形状のPTPの順に深かった。シリコンシートに 生じた平均摩擦力は、使い捨てメスが922.7gf 、PVDCコートのPVC が524.0gf、やわ らかい素材のPTPが323.5gf、丸い形状のPTPが288.7gfであり、PTP誤飲時の食道壁損 傷について、引っ掻き試験を応用した定性的、定量的評価を検討したところ、結果 は一致していた。この結果は、PTP誤飲時の消化管損傷リスクはPVDCコートのPVCよ り、やわらかい素材のPTPや丸い形状のPTPの方が低いことを示唆している。
これらの結果は、より安全なPTP包装の開発における評価法の確立に資する結果と 考えられた。
本論文についての試験はまず論文の研究目的、方法、実験成績などについて説明 を求め、各調査委員より専門的な観点から論文内容及びこれに関連した事項につい て種々質問を行ったが適切な回答を得た。
よって調査委員合議の結果、試験は合格と決定した。