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生体高分子ゲルの転移過程における環境効果に関す る研究

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(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

生体高分子ゲルの転移過程における環境効果に関す る研究

金谷, 晴一

九州大学工学応用理学

https://doi.org/10.11501/3075449

出版情報:Kyushu University, 1993, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

第 5 章

卵 白 の ゲ ル 化 過 程

83 

(3)

5 ‑1 緒 言

食 品 加 工 の 分 野に お い て 最 近 、 新 鮮 さ を 維 持 し 、 更 に 、 熱 の 変 性 に よ る 栄 養 素 (ピタ ミン等) の 損 失 を 防 ぐ と い う 利 点 か ら 加 圧 処 理 に よ る 加 工 が 注 目 されている (1‑1‑2節 参 照 ) 。 硬 さ 軟 ら か さ と い っ た ゲ ル の 特 徴 は 、 ゲ ル 化 過 程 に お け る 変 性 状 況 が 大き く 影 響 す る 。 第 3章 に お い て 代 表 的 な 食 品 タ ン パ

ク 質 で あ る 筋 原 線 維 タ ン パク 質 ア ク ト ミ オ シ ン の ゲ ル 化 過 程 に お け る 加 熱 及 び 加 圧 処 理 に よ る 影 響 に つ い て 議論 し た 。 ア ク ト ミ オ シ ン は 成 分 抽 出 さ れ た 塩 溶 液 で あ る が 、 本 章 で は 、 も う 一 つ の 代 表 的 な タ ン パ ク 質 で、抽 出 処 理 を 施 し て い な い 卵 白 に つ い て の ゲ ル 化過程の観測について述べる。

卵 白 は 非 常 に ポ ピ ュ ラ ー な 物質であるので 、 ゲ ル の 静 的 物 性 は、広 く 行 わ れ て い る 。 例 え ば 、 電 気 泳 動30)、レオロジ ー 測 定9)、SEM観 察4)等 が あ げ ら れ る 。 し か し な が ら 、 変 性 過 程 に お け る動的機構 の 変化及 び 、 加 熱 ・ 加 圧 処 理 と の 比 較 研 究 に つ い て は ゲ ル の 物性に大 きく寄 与 す る 事 は 明 ら か で あ る に も か か わ ら ず ほ と ん ど 行 わ れ て い な い。

本 章 に お い て は 、 卵 白 も ア ク ト ミ オ シ ン と 同 様 に ゲ ル 化 に よ り 白 濁 す る と い う 点 に 着 目 し て 、 加 熱 及 び 加 圧 処 理 を併 用 し て 行 っ た 場 合 の 卵 白 の ゲ ル 化 過 程 に お け る 動 的 機 構 の 変 化 に 関 し 、 時間 分解 濁 度 ス ペ ク トル 測 定 シ ス テ ム

を 用 い て 測 定 さ れ た 結 果 に つ い て 述 べ る 。

5‑2  実 験

5‑2‑1  試 料 の 調 製

生 の 卵 白 を 撹 祥 し 、 超 音 波 に よ り 脱 気 した。こ の脱気処理は、 以前に行っ た 予 備 実 験 の 際 、 温 度 の 上 昇 と と も に 卵白試料中から 気 泡 が で て く る 現 象 が 観 測 さ れ 、 そ の 必 要 性 が 認 識 さ れ た た め に行 っ た 。 こ の 処 理 を 行 っ た 後 は 試 料 よ り 気 泡 の 出 現 は 観 測 さ れ な かった。

5‑2‑2  時 間 分 解 濁 度 ス ペ ク ト ル 測定

84 

(4)

最 初 に 、 加 熱 処 理 中 に お け る 圧 力 の 影 響 を 調 べ る た め に 、 各 圧 力 に お い て 昇 温 速 度0.5oC /minで400Cから650Cま で 温 度 を 上 昇 さ せ た と き の 透 過 不 ス ペ ク

ト ル の 時 間 変 化 を 測 定 し た 。 圧 力 は 、 大 気 圧0.1MPaから250MPaまで変化さ せた。

次 に 、 加 熱 処 理 に よ る ゲ ル 化 過 程 と の 比 較 を 行 う た め に 、 温 度 ジ ャ ン プ (30 秒間で 40~70oC まで昇温し、その後一定温度に保つ)実験を行い、透過 率 の 時 間 変 化 の 様 子 を 観 測 し た 。

さ ら に 、 高 圧 下 に お け る ゲ ル 化 過 程 の時 間 依 存 性 を 明 ら か に す る た め に 、 圧 力 ジ ャ ン プ の 実 験 を 種 々 の 温 度 (25、45、50及び600C) で 行 っ た 。 そ の 際 設 定 温 度 で 試 料 をO.lMPa(常圧)に600秒 間 放置 し た 後 、 圧 力 を250MPaまで 60秒 間 で 上 昇 さ せ 、 そ の 後 約600秒 間圧力を一定に保った。

5‑3  実 験 結 果

5‑3‑1  温 度 変 化

図5‑1に 、 試 料 を 室 温 で150MPaま で 加 圧 し た 後 、 種 々 の 温 度 で 観 測 した透 過 率 ス ペ ク ト ル を 示 す 。 生 の 卵 白 試 料 は 低 温 度 領 域 に お い て は 薄 黄 色 で あ る ので、 450nm付 近 で の ス ペ ク ト ル 強 度 の 減 少 は 卵 白 の 光 吸 収 に よ る と考えら れ る 。 ま た 温 度 上 昇 と 共 に 短 波 長 領 域 の 強 度 が 、 長 波長 領 域 の 強 度 よ り 急 激 な減少を示す事が観測された。

こ う し た 温 度 依 存 性 を 定 量 的 に 調 べ る た め に 、 同 様 な実 験 を 異 な る 圧 力 下 で 行 い 、 透 過 率 ス ペ ク ト ル の う ち 入=400nmで の 透 過中 強 度 を 温 度 に 対 し て プ ロ ッ ト し た も の を 図5‑2に 示 す 。 各 々 の 圧 力 で試 料 は 、 低 温 度 領 域(500C以下) に お い て は ほ と ん ど 透 過 光 強 度 の 低 下 は 示 さ れ な かっ た が 、 温 度 が 徐 々 に 上 昇 す る に つ れ 、 そ の 強 度 は 著 し く 減 少 し た 。

一 旦 高 温 度 領 域 ま で 加 熱 し た 試 料 は 白 濁 し 、 ゲ ル を 形 成 して い た 。 こ の は 測 定 後 の テ イ ル テ イ ン グ テ ス ト に よ っ て 確 か め られた。

と こ ろ で 、 こ こ で の 昇 温 速 度(0.50C/min)は 、 例 え ばDSC測定.52)の 際 の 昇 温 速 度 ( 通 常5~ 10o

C/min) と 比 較 し で も 非常 に 遅 い の で 、 ゲ ル 化 の 際 の 静 的 な 性 質 を 観 測 す る の に 十 分 緩 や か で あ る と 考 え ら れ る 。

図5‑2で 示 さ れ る 様 に 、 透 過率 強 度 が 減 少 を 開 始 す る 温 度 は 、 印 加 さ れ た 圧

85 

(5)

/ 圃 ヘ

υ

~

・~

A

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)  λ

お ∞ ロ

ω

一 戸 口

] [

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1

H

6 3 . 4

0

400  450  500  550  600  W a v e l e n g t h  ( n m )  

5‑

1.卵白を常温で

150MPa

まで加圧した後に 昇 温

(O.50

C/min ) した場合の各温度における透過率 スペクトル

86 

(6)

. 心 ・

MMW)

XX  X ̲x... x 

x "   '"  xx vx xX..  ̲̲  "X  xxMm 

J‑

xx xrxxhxxxmxmM 

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。 0 . 1 1 ¥ 在 Pa

150 MPa 

• 250 MPa 

/ーヘ υ

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ω ]

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1

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'・.__~ ~ ~ ~ð X】 一 一

. 句

. . . e . 8 " 2 5 5 5 8

40  45  50  5 5   60  6 5   T e m p e r a t u r e   ( O C  ) 

図 5 ‑ 2 . 卵白を 常 温 で加 圧 した後に昇温 ( O . S o C / m i n ) した場合の

透過率( 入

=400nm)

の温度変化

87 

(7)

力 の 値 に よ っ て 変 化 し た 。 さ ら に 、 圧 力 の 影 響 を 明 ら か に す る た め に 、 透 過 率 強 度 が 初 期 値 の1/2に な っ た 温 度 を 、 印 加 さ れ た 圧 力 に 対 し て 図5‑3にプロ

ットした。図5‑3の 様 に 、 上 に 凸 の 単 純 な 曲 線 が 得 ら れ た 。 こ の 曲 線 か ら 、 180MPaよ り 低 い 圧 力 下 で は 、 卵 白 のゲ ル 化 の 進 行 を 抑 え る 事 が で き る と い う 事が示唆された。

これらの結果は、 chymotrypsinogenの 構 造 上 の 安 定

' i ! l :

の 温 度 と 圧 力 影 響53)、 及 び alkilbenzeneの 溶 解 度 の 圧 力 依 存性 の 結 果54,55)とも良く一致していた。

5‑3‑2  温 度 ジ ャ ン プ 実 験

図5‑4に温度ジャンプにおける透過光強度(入=400nm)の時間依存性を示す。

400Cから700Cま で の 温 度 ジ ャ ン プ に よ り 、 卵 白 は時 間 の 経 過 と 共 に 透 過 光 強 度 の 減 少 を 示 し 、 す で に3‑3節 で 述 べ た ア ク ト ミ オ シ ン の 加 熱 ゲ ル 化 過 程 の 結 果 と 非 常 に 似 た 振 る 舞 い を 示 す 事 が 判 明 し た。

53‑3 圧力ジャンフ。実験

図5‑5は 、 圧 力 ジ ャ ン プ 実 験 に お け る 卵 白 の 透 過 不 ス ペ ク ト ル の変化を示す。

試 料 の 初 期 温 度 は450

C

で あ る 。 急 激 な 加 圧 に よ り 透 過 不 ス ペ ク ト ル 強 度 の 著 し い 変 化 を 観 察 し た 。 ま た 、 そ の ス ペ ク ト ル の プ ロ フ ァ イ ル の 変 化 の 傾 向 は 図5‑1に示した150MPaで、の温度変化の場合に観察されたものと類似していた。

図5‑6に 、 圧 力 ジ ャ ン プ 実 験 で 図5‑5で示したスペ ク ト ル を 測 定 し た 時 の 試 料 の 温 度 の 時 間 変 化 を 示 す 。 急 激 な 加 圧 に 伴 な う 断 熱 効 果に よ り 圧 力 容 器 内 の 試 料 の 温 度 が 上 昇 す る 事 が 認 め ら れ る が 、 こ の温度上昇に関する考察は、

後に述べる。

図5‑7に示す様に、初期温度が45及 び500

C

の場合は、透過光強度(入=400 nm )  は 、 加 圧 直 後 一 旦 増 大 し (60秒 ) 、 そ の 後 時 間 の経 過 と 共 に 徐 々 に 減 少 し て いる。図5‑7中に 250

C

( 室 温 ) で 測 定 さ れ た デ ー タ も 示 す 。 室 温 に お け る 圧 力 ジ ャ ン プ の 実 験 に お い て は 、 試 料 の 透 過半 は 少 し 増 大 し 、 そ の 後 は ほ と ん ど 変 化 を 示 さ な か っ た 。 一 方 、 試 料 の 初 期温 度 が600

C

の 場 合 は 、 常 圧 に お い て 既 に 室 温 か ら こ の 温 度 ま で の 温 度 上 昇に よ り 透 過 取 が 減 少 し て お り 、 圧 力 ジ

ャ ン プ に よ る 更 な る 変 化 は 、 観 測 さ れ なかった。

88 

(8)

6 2  

60 

e n

a e g

, 

、 、

一 n 一

一O一

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E A

‑ σ b

一一

e

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A

+ a L

a

一一

N 一

 

 

ミ~

υ  5 8  

ω 

ω 

~

4

556 

.  

54 

 

 

 

52  o  50  1 0 0   1 5 0   200  250  P r e s s u r e  (  MPa ) 

図 5 ‑ 3 . 卵白試料の昇温過程(図 5 ‑ 2 ) において透過率が

50%

となる温度と圧力の関係

89 

(9)

L i g h t  I n t .  

‑ . ‑   . a ̲ . ‑ ・ ‑ ・ 会 い ・ ‑ . ‑ ・ 一   . :

+ ...

ロ ロ

AH C)  

.悦ぬ晴樹剛氏

80  ( υ

︒)

ω 

~

60  ω  ~

~

ト ω 

λ

お ∞

ロ ω

一 戸 口 ] [ H Z ω

P

40 

120 

.

.  . . . . . . . . ‑ ・ ・ ‑ ・ ・ ・ ‑ ・ ← ・ ベ ・ ‑ ・

4

・ ‑ ・ ・ ・‑ ・‑ ・ ・ ・ ・ ‑ ・ ト

。 40  60  8 0   Time  ( s e c )  

20 

tEI

u

U

 

図 5 ‑ 4 . 温度ジャンプ実験における透過率 (入= 400nm) と 試料の温度の時間変化

90 

(10)

/ーヘ υ ....~ 4

ロ ロ

630 s e c  

( a t  250MPa) 

.3 hd

o  s e c  

( a t   O.lMPa) 

~ F4

∞  ロ

~

ω 

4 +

. . . c :  

bl) 

......(

ι  750 s e c  

( a t  250MPa) 

400  450  500  550  600  Wavelength ( n m )  

図 5 ‑ 5 . 卵白試料について圧力ジャンプ実験における 透過率スペクトルの変化

91 

(11)

70 

60 

。 υ 

ω 

4

350 

4

ω 

~

5  ω 

~ 40 

30 

0  200  400  600  800  Time ( s e c )  

,‑町¥

250~

~

¥、̲./

Q) 

c/) 

α

012  1000  1200 

図 5 ‑ 6 . 圧力ジャンプにおける試料温度の時間変化

92 

(12)

+

i T O  

+

+

︒ + C  

A F o

+ 曹

︑ .

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0 4 h A W   +

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2. AH d)

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2 4 5 6  

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1 2 0 0  

UハU

U

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8 0 0   400  600 

Time ( s e c )  

。 200 

図 5 ‑ 7 . 卵白の圧力ジャンプ実験における透過率(入= 400nm)  の時間変化

93 

(13)

室 温 以 外 の 試 料 の 加 圧 後 に お け る 低 透 過 本 領 域 に お い て は 試 料 は ゲ ル 化 し て い た 。 こ の 事 は 、 光 学 測 定 終 了 後 に 行 っ た テ イ ル テ イ ン グ テ ス ト に よ り 確 か め ら れ た 。 ま た 、 室 温 (250C) の 試 料 は 加 圧 後 も ゲ ル 化 し て い な い 事 を 同 様に確認した。

ところで、図5‑6に 示 し た 様 に 、 短 時 間 の 断 熱 加 圧 に よ り 試 料 温 度 の 上 昇 が 誘 起 さ れ 、 こ の 温 度 上 昇 が ゲ ル 化 過 程 に も 影 響 を 及 ぼ す と 推 測 さ れ る が 、 そ の 様 な 影 響 は 、 以 下 の 事 実により無視できると考えられる。

1.  図

5 ‑ 4

から判断して、

70

0

C

付近まで の 温 度 の 上 昇 に よ り ゲ ル 化 は 進 行 す る 。 も し 、 加 圧 に よ る 温 度 上 昇 に よ っ て ゲ ル 化 が 引 き 起 こ さ れ る な ら ば 、 ゲ ル ク ラ ス タ ー の 増 大 の た め に 、 透 過 光 強 度 は減少するであろう。しかしながら、

圧 力 ジ ャ ン プ に よ り 透 過 光 強 度 が 増 大 す る と い う 観 測 結 果 は 、 加 熱 に よ る ゲ ル化過程とは逆の結果である。

2.  250

C

に お い て の 透 過 光 強 度 は 、 圧 力ジ ャ ン プ に よ る 温 度 上 昇 の 後 に 徐 々 に 減 少 し 室 温 に 戻 る 過 程 に お い て 、 ほ と んど一定のままである。

5 ‑ 4  

考察

3

章 及 び 本 章 で 得 ら れ た 加 熱 ・ 加 圧 ゲ ル 化 過程 に お け る 測 定 結 果 に つ い て 、 熱 力 学 的 及 び 反 応 速 度 論 的 観 点 か ら 理 論 的 に 考察 し 、 加 熱 処 理 と 加 圧 処 理との変性過程における比較を行う。

5 ‑ 4 ‑ 1  

加 圧 に よ る タ ン パ ク 質 の 変 性

タ ン パ ク 質 の 変 性 の 要 因 と し て は 、 主 と して 水 素 結 合 、 疎 水 結 合 、 静 電 的 相 互 作 用 及 び 高 分 子 と 水 の 相 互 作 用 等 が あげ ら れ る が 、 そ の 変 性 現 象 は 結 果

として一連の反応過程である。

Hawleyは 、 タ ン パ ク 質 の 変 性 を一 種 の 相 転 移 と 考 え 、 変 性 状 態 の 自 由 エ ネ ルギー (G

D

) と未変性状態のエネルギー (G

N

) との差 ~G (=GO‑GN;サフィック

スDとNは 、 変 性 及 び 未 変性 状 態 を 示 す ) を 計 算 し て い る53)。 自 由 エ ネ ル ギ ー

94 

(14)

変化(企

G)

を温度と圧力の関数として、

d ( t l G )   =  ‑ t l S d T  

+企

VdP

(5‑1) 

と 記 述 し 、 圧 力 でPoからPま で 、 温 度 でTOからTまで積分すると、

t l G   =  t l Go 

+企

V o ( p ‑ p o ) 

‑i1

S

o

( T  ‑ To

+ 学 ( P‑p o Y  

) +2α(P

一 九

)(T‑To)

‑IlC1T(ln (T I

叫 ‑ 。

(5‑2)  となる。ここで、

A α = ( 引=降 t

(5‑3) 

E a‑ ‑ a z‑ ‑

E

︐ ︐ ︐ ︐ ︐ ︐ ︐ E .

fi

11 11

一 一

QU

A a

 

(5‑4) 

企 日 ( 割

T (5‑5) 

で あ る 。 図5‑8に示す様にi1Gの 温 度(T)及 び圧力(P)依 存 性 が 計 算 さ れ て い る53)o

tlG=O面 と 曲 線 と の 交 点 が 変 性 ・ 未 変 性 の 相転 移 点 で あ る 。 図5‑8に示す様に 加 熱 処 理 の み な ら ず 加 圧 処 理 に よ っ て もd Gが 負 と な り 、 タ ン パ ク 質 は 変 性 を 起 こ す と い う 事 が 熱 力 学 的 な 計 算 か ら予 測 さ れ る 。 図5‑9は、式(5‑2)のパラメ ータにchymotrypsino genの 測 定 デ ー タ を採 用 し て 得 ら れ たdG=Oの 等 高 線 で あ る56)。 未 変 性 領 域 がL1G<Oで 、 変性 領 域 がL1G>Oで、ある。図5‑8の 中 の 等 高 線 の 傾き

( d P /d T ) dG = O

0 . 1

から

200MPa

程度までは正である。

Claus ius ‑Clapeyron関係によると、

(15)

i 1 G 

図 5 ‑ 8 .自由エネルギーの差(企G) の温度及び圧力依存性

56)

9 6  

(16)

600 

400 

U

U

ヴ ノ 釘

( d b e

  。

C

4

己 ‑ 2 0 0

‑ 4 0 0  

~S

=0 

‑ 6 0 0  

‑ 4 0   ‑ 2 0   0  20  40  60  (T‑T O )  ( o C )  

図 5-9. 式 (5-2) から計算された~G=O の温度 (T-T

O

) 及び

圧力 ( P ‑ P o )依 存 性5 3 )

(パラメータ;

Chymotrypsinogen

、 変性 の割 合 ;

0.5) 

97 

(17)

( 笠 ) 川 J s : ‑ S

N ̲ L1

dT )^η‑n  Vn ‑V'J 

L1V 

(5‑6) 

ここで、 L1

S ( = 

SD‑SN)及びL1V( 

VD‑VN)は、変

t t

状 態 と 未 変 性 状 態 の エ ン ト ロピー差及び体積の差である。 200MPa程 度 ま で の高圧下で、 (dP/dT).1G=Oは 正 で あ り 、 ま た 常 圧 で の エ ン ト ロ ピ ー 差 はdS>Oで あ る ので、 dV>0となり、

こ の 程 度 の 圧 力 下 で は 変 性 状 態 よ り も 未 変 性 状 態 の 方 が 体 積 が 小 さ い。とこ ろが約200MPa以上の高圧下ではL1V< 0である。

また、 Kauzmannによれば、タンパク?をの部分的モル体積(VO)は 、 以 下 の 様 に構成される57)

Vo 

VVvoid Vso1  (5

7)

ここで、 Vcは 、 高 分 子 の 固 有 体 積 と 構 成 原 子 のvander Waals体積の和、 VYoid は 完 全 に パ ッ キ ン グ で き な い た め に 生 じ る 分 子 内 の 隙 聞 の 体 積 、 dV

so1は水和 に よ る 体 積 変 化 を 示 し て い る 。 通 常dV

so1が 負 で あ る 事 は よ く 知 ら れ て い る 。 VYoidは 加 圧 に よ り 圧 縮 す る た め に (δ VYoid/δP)<0で あ り 、 ま た高 圧 下 で は

自 由 水 の 収 縮 に よ る 構 造 化 の た め に 水 和 に よ る 体 積 減 少 は 小 さ く な り 、 (δ d Vso1 /δP)> 0である。従って、

v

。 の 圧 力 依 存 性 は こ れ ら の 寄 与 の 程 度 に よ

り 正 に も 負 に も な る 。 言 い 換 え れ ば 、 タ ン パ ク 質 の 圧 力 変 性 に 関 し て は 、 タ ン パ ク 質 に 含 ま れ る 水 の 挙 動 、 特 に 水 和 現 象 が 重 要 な 要 因 と な っ て い る と 考 え ら れ る 。 式(5‑6)のd Vと(5‑7)のd VOが 等 し い と 考 え る と 、 未 変 性 及 び 変 性 タ ン パ ク 質 に お け るV。 圧 力 依 存 性 は 、 物 質 に よ り 異 な る が 大 ま か に は100‑‑‑‑‑ 200MPaの 圧 力 下 で は 未 変 性 タ ン パ ク 質 の ほ う が 変 性 タ ン パ ク 質 に 比 べ て 小 さ

く 、 そ れ 以 上 の 圧 力 下 で は 反 転 し て 変 性 タ ン パ ク 伎 の ほ う が 小 さ く な り 、 そ の 結 果 高 圧 下 で タ ン パ ク 質 の 変 性 が 起 こ る 。

Heremansは、加圧によるタンパク質の体積変化(企V)を求めた。その結果、

タ ン パ ク 質 の 解 離 現 象 及 び 変 性 に お け る 体 積 変 化 は 負 の 値 を と り 、 そ れ ぞ れ ‑ 100及 び‑50ml/mol程 度 で あ る の で 問 、 高 圧 下 に お い て は 、 夕 ン パ ク

T

1

の変官

のみならずず、夕ンパク質クラス夕一の解離現象が起こる。

卵 白 に つ い て も 同 様 な 事 が 成 り 立 つ と 考 え る 事 が で き る の で 、 観 測 さ れ た 温 度 及 び 圧 力 依 存 性 ( 図5‑3) から、 180MPa以 下 ま で の 圧 力 処 理に お い て は 卵 白 の ゲ ル 化 が 抑 制 さ れ る 事 が 示 唆 さ れ る。

98 

(18)

5 ‑ 4 ‑ 2  

実 験 結 果 の 考 察

Ferryに よ る と 、 タ ン パク質の加 熱 処 理 に よ る ゲ ル 化 過 程 の 反 応 式 は 以 下 の 様 に 記 述 さ れ る59)

[1]  [2] 

xPN xPD (PD)x 

( 5 ‑ 8 )  

ここで、 X、 P

N

Po 、 (Po)χ は、タンパク 質の数、 未変 JI~I:タンパク賀、 変性タ ン パ ク 質 、 変 性 タ ン パ ク 質の ポ リ マ ー (ゲル)を示す。前節に示した様に、 タ ン パ ク 質 の 変 性 と 会 合 の 形 成 メ カ ニズムは違 うに し ろ 、 加 圧 処 理 に よ る ゲ ル 化 過 程 と 同 様 な 過 程 を 経 る 事 は 明 ら かである。

前 節 で も 示 し た 様 に 、 低 圧 力 領 域 ( 図

5 ‑ 2

150MPa )

では、未 変 性 タ ンパ ク 質 か ら な る 弱 い 結 合 の ク ラ ス タ ーは圧縮 を 受 け、水分 子 の 水 和 の 増 加 に よ

り 部 分 的 比 容 が 減 少 す る た め に 、 ア ミノ酸内の 疎水基 が 表 面 に 現 れ る 事 に よ り タ ン パ ク 質 の 変 性 が 起 こ る と 考 え ら れ る。実際こ の圧 力 領 域 に お い て 、 図

5 ‑ 2

で 見 ら れ る 様 に 透 過 率 は 圧 縮 前 よ り も 高い と い う 結 果を得ている。

一 方 、 高 圧 力 領 域 ( 図

5 ‑ 2

250MPa)

に お い て は 、 疎 水 相互作 用 の圧力 依 存 性 の 変 化 に よ る 変 性 タ ン パ ク 質 の 会 合 や重合により60)、透過率 強 度 が 減少す

る。

図5‑7の 圧 力 ジ ャ ン プ 実 験 に お い て 、 加圧以前の常 圧 に おける 100秒 程 度 ま で の 領 域 に お い て は 、 温 度 が 高 い ほ ど 透 過 不 は高 くな ってお り、 この事 は加 熱 に よ る ゲ ル 化 の 場 合 で も 熱 変 性 が 生 じ る 前 に 加熱によるBrown運動の増 大 に よ り 未 変 性 の タ ン パ ク 質 ク ラ ス タ ー が 解 離 す る と いう事を示唆している。

従って、 600C以 下 の 低 温 度 領 域 に お け るBrown運動及び低圧力領 域 に お ける 疎 水 性 相 互 作 用 は 、 ど ち ら も タ ン パ ク 質 の 解 離現象を引き起こすと考えら れ る 。 一 方 、 圧 力 ジ ャ ン プ 実 験 の 最 終 段 階 (‑‑

800

秒以降 ) に お い て は 、 試 料 温 度 が 高 い ほ ど 透 過 率 は 低 く 、 高 温 ・ 高 圧 力下 で は 、 よ り 重 合 度 が 高 い と い う 傾 向 を 示 し て い る 。 こ の 原 因 に つ い て は 、 未 だ 明 ら か で は な い が 、 加 圧 に お い て も 試 料 温 度 が 高 い ほ と守Ovalbumin等の構 造のゆ ら ぎ が 大 き いのでよ り反 応 性 に 富 み 、 ま た 球 状 タ ン パ ク 質のunfoldingも 促 進 さ れ る 事 に よ り 重 合 反 応 が

よ り 著 し く 進 む た め で は な い か と 考 え られる。

9 9  

(19)

次 に 加 圧 及 び 加 熱 処 理 に よ る ゲ ル 化 過 程 を 速 度 論 的 に 議 論 す る 。

高 圧 下 に お け る ゲ ル 化 の 進 行 に お い て は 、 式(5‑8)の過程[1 、] [2]が 同 時 に 進 行 し て い る と 考 え ら れ る 。 過 程 の 速 さ [2]が、[1 ]と同じか、あるいはより速い 場 合 に は 、 光 散 乱 測定では、

2

つ の 過 程 は 分 離 し て 観 測 さ れ な い で あ ろ う ( ケ ース 1) 。 一 方 、 過 程 [1 ]が、 [2]よ り 速 い な ら ば 、 変

t t

過 程 は 別 々 に 観 察 さ れ る で あ ろ う ( ケ ー ス2)。

以 上 の 事 を よ り 明 ら かに す る た め に 式(5‑8)の 反 応 を 連 続 的l分 子 反 応 で あ る と 仮 定 し て モ デ ル 計 算 に よ り 透 過 光 強度の時間変化を計算した。

N N、ND及び、

NGを 未 変 性 、 変性 及 び ゲ ル 状 態 の 数 と す る と 、 反 応 は 速 度 定 数 k12k23k21及 び k32を用いて、

k 12  k23  NNご ND ご NG

k

21 

k

32 

(59)

と書ける。

今 、 連 続 的 l分子反応であると仮定すると、

k21, k32 O (5‑10) 

時刻 tにおける N N、ND及び、N

Gの 数NN (t)、N(t)及 びNG(t)は、

dNN(t) 

ぷ =‑

k 12 NN (t) 

(5‑11) 

dNn(t) 

ぷ =

k 12 NN (t) ‑k23 N(t) 

(5‑12) 

これを解いて、

NN(t)=AO

( ‑ k

12t) (513)

n u   n u  

EEA

(20)

li f

k 

n

LE

う&

L

Px e 

f

J

1

11

M2一k

bk

LK

AU 

D N 

(5‑14) 

ここで A 。は定数である。

また、

NG (t) 

Ao N N  (t) ‑ND(t)  (5‑15) 

未 変 性 、 変 性 及 び ゲ ル 状態、におけ る光の散乱能を、 1

cat N、1

caD及び、1

catGと すると、

光 の 透 過 率 (ITrans)は、

=Ao

い ‑

{NN (t)

い +

ND (t)

tD

+ 叩 )

ISca 

(5 ‑] 6) 

と書ける。

今、 A= 1、IScatN= 200、IScatD= 1及び、IScatG= 1000として計算する。

図5‑10及 び 図5‑11は、 k12 / k23 

O. 1 (ケース lに 対 応 ) 及 び k1k23 

10 

(ケース2に 対 応 ) の 場 合 に お け る 未 変 性 、 変 性 及び ゲ ル 状 態 の タ ン パ ク 質 の 数 を 表 す { 式(5‑13)から(515)の計算結果│ 。ケース !の 場 合 は 変 性 状 態 の 数 の 割 合 が 著 し く 小 さ く 未 変 性 タ ン パ ク 質は短 時 間 で ゲ ル化す る と い う 事 が 示 唆 さ れ る 。 一 方 ケ ー ス2の 場 合 は 変 性 状 態、の数の割 合 がケースlの 場 合 よ り 高

く 従 っ て ゲ ル 化 は ゆ っ く り と 進 行 す る と い う 事が判った。

図512及 び 図513に式(5‑16)か ら 計 算 し た 各 k1k23に 対 す る 透 過 半 の 時 間 変 化 を 示 す 。 図5‑12  (ケースlに対応) に お い て 透 過 不 は 、 時 間 の 経 過 と 共 に 単 調 に 減 少 し て い る が 一 方 、 図5‑13 (ケース2に 対 応 ) に お い て は 透 過 不 は 一 旦 増 加 し そ の 後 減 少 す る と う い う 結 果が得られた。

温 度 ジ ャ ン プ 実 験 に お い て は 、 実 験 結果(図5‑4)は モ デ ル 計 算 に よ る 結 果 (図5‑12) と よ く 対 応 し て お り 透 過率が単 調 減少を 示 し た の で 、 卵 白 の 加 熱 処 理 に よ る ゲ ル 化 過 程 は ケ ー ス 1に属すると考えられる。

一 方 圧 力 ジ ャ ン プ 実験の結果(図5‑7)に つ い て も 、 モ デ ル 計 算 に よ る 結 果 (図5‑13) と よ く 対 応 し て 透過 率の急 速 な 増 加 の 後 、 減 少 を 観 察 し た 。 従 っ て 、 最 初 の 段 階 が 、 過程[1 ]を示 し、 次 が 過 程[2]を 示 す 。 す な わ ち 加 圧 に よ る ゲ ル 化 は 、 ケ ー ス2である事が示唆された。

こ の 様 な 反 応速度の違 い は 、 生 成 さ れ た タ ン パ ク 質 ゲ ル の 物 性 と 関 係 し て

(21)

/ーヘ

~

∞ 

."4

1 . 2  

1 . 0   I

..0 

~0.8

~

ω 

よ o  0 . 6

~

1 5  

0 . 4  

5  コ

~ 0 . 2  

. . . c =  

0 . 0  0 

Gel 

N a t i v e  P r o t e i n  

、/ f く ケ De

r e dP r o  

2  4  6  T  ( a r b .  u n i t s )  

5 ‑ 1 0 .

タ ン パ ク 質 の 変 性 、 ゲ ル 化 曲 線

( T

は時問、

k

12 / 

k

23 

=  O .  1  ) 

8  1 0  

(22)

1 . 2  

U

o o f o

‑ ハ

U

U

( ∞ 右 ロ

.3 hd

ロ む

)

0H

‑ 判

1 $

  0 . 4  

5  ロ

~O.2

. . c  

0 . 0  0 

・・

• / 

、、‑ ¥

, 

、、、

/ .   N a t i v e  P r o t e i n  

/  . . . . . . . /  

.............. 

、、、

Gel 

2  4  6  8  10 

T  ( a r b .  u n i t s )  

図 5 ‑ 1 1.タンパク質の変性、ゲル化曲線 (Tは時間、 k

12 / 

k

23 

=  1 0 )  

103 

(23)

( ∞ 苦 5 . 3 h

)

k C

Z ロ ω

冨 七

耳 目

J

ω55

d h r ∞ ロ H L

80  60  70 

50  30  40 

T  ( a r b .  u n i t s )  

Uハ

20 

11

 

図 5 ‑ 1 2 . タンパク質の変性、ゲル化 における透過光強度 の

時間変化 ( k

12

/k

23

=0.1 、時刻 T= 20 から反応開始)

(24)

( ∞ お ロ ロ

. 3 M C ) b

z ロ ω

冨 同 玉 虫 J

ω 岩

5 2 5 H

80  60  70 

50  30  40 

T  ( a r b .  u n i t s )  

U

20 

E

I

図 5 ‑ 1 3 . タンパク質の変性、ゲル化 における透過光強度 の 時間変化 ( k

I2

/k

23

=  1 0 、時刻T= 20 から反応開 始)

105 

(25)

い る と 考 え ら れ る ( 例 え ば 、 加 圧 処 理 し た ゲ ル の 弾 性 が 大 き い と い う 事 等 ) 。 さらに図5‑7に お い て 、 試 料 温 度 が 高 い ほ ど 透 過 不 強 度 の ピ ー ク へ 達 す る 時 間 は 短 く 、 ま た 最 小 値 へは 速 く 到 達 し て い る 。 こ の 事 か ら 、 温 度 が 高 け れ ば 高 い ほ ど 、 過 程 [1 、] [2]は 速 く な る と 考 え ら れ る 。

こ の 様 な 相 違 は 、 通 常 の 静 的実 験 で は 区 別 で き な い の で 時 間 分 解 濁 度 ス ペ ク ト ル 測 定 に よ り 物 性 変 化 過 程に お け る よ り 多 く の 非 常 に 有 意 義 な 結 果 が 新 た に 得 ら れ た と 考 え ら れ る 。

5‑5  結 論

時 間 分 解 濁 度 ス ペ ク ト ル 測 定 シ ス テ ム を 用 い て 、 加熱 及 び 加 圧 処 理 を 併 用 し て 行 っ た 場 合 の 卵 白 の ゲ ル 化 過 程 に お け る動 的 機 構 の 変 化 に つ い て 観 測 を 行った。

そ の 結 果 、 温 度 変 化 の 実 験 に お い て 、 透過 不 強 度 が 初 期 値 の 1/2となる温度 を印加庄力に対してプロットしたところ、 上 に 凸 の 単 純 な 曲 線 が 得 ら れ 、 」 の曲線から 180MPaよ り 低 い 圧 力 下 で は 、 卵 白 のゲ ル 化 の 進 行 を 抑 え る 事 が で

き る と い う 事 が 示 唆 さ れ た 。 従 っ て 、 加 熱 処 理 に よ る タ ン パ ク 質 のゲル化は 適 当 な 圧 力 を 印 加 す る 事 に よ り 制 御 す る 事 が 可 能で あ る と い う 事 が 明 ら か と な っ た 。 ま た 、 圧 力 ジ ャ ン プ 実 験 に お い て 得 ら れ た 結 果に つ い て 、 速 度 論 的 な 考 察 か ら 、 加 熱 に よ る ゲ ル 化 反 応 は 加 圧 に よ る ゲ ル 化 と は 異 な っ た 反 応 速 度 で 生 じ る と い う 事 が 示 唆 さ れ た 。 こ の 事 は 工 業 的に み て も 構 造 や 弾 性 の 制 御 と い う 点 に お い て 非 常 に 役 立 つ 結 果 で あ る と 考え ら れ る 。 さ ら に 、 本 章 で 得 ら れ た 結 果 は 、 既 に 第

3

章で述べたアクト ミ オ シ ン の ゲ ル 化 過 程 と 非 常 に 類似した傾向を示した。

ま た 、 こ の 様 な 過 程 は 卵 白 が 非 常 に 複 雑 な 組 成 を しているにもかかわらず、

純 粋 物 質 と 同 様 に 非 常 に 単 純 な 振 る 舞 い を す る と いう事が明らかとなった。

こ の 様 な 振 る 舞 い は 、 高 圧 を 利 用 し た 食 品 加工 に お い て 、 新 鮮 さ を 維 持 し そ し て 、 熱 の 変 性 に よ る 栄 養 素 ( ピ タ ミ ン 等 ) の 損 失 を 防 止 し た り 、 あ る い は 硬 さ 軟 ら か さ と い っ た 商 品 価 値 (ゲルの特徴)の面から重要な結果である。

106 

(26)

第 6 章

卵 白 の ゲ ル ー ガ ラ ス 様 転 移 と 変 性 処 理

(27)

6‑1  緒 言

卵 白 ゲ ル は 、 ア ク ト ミ オ シ ン ゲ ル と 並 ん で 、 生 体 高 分 子 の 中 で 最 も ポ ピ ュ ラ ー な タ ン パ ク 質 の ひ と つで あ る 。 最 近 、 白 濁 し た ゆ で 卵 が 、 乾 燥 雰 囲 気 中 で 時 間 の 経 過 と 共 に 透 明に な り 、 ガ ラ ス 様 状 態 に 変 化 し 、 ま た 逆 に 、 ガ ラ ス 様 状 態 の 卵 白 を 精 製 水 に浸 す と 膨 潤 し て 再 び ゲ ル に な る と い う 事 が 報 告 さ れ

24)。 こ の ゲ ル ー ガ ラ ス 様 転 移に お い て 、 白 濁 し た 試 料 が 収 縮 し 透 明 に な る と い う 事 か ら 、 内 部 構 造 に 大 き な 変 化 が生 じ て い る 事 が 示 唆 さ れ る 。

Takus hiら は 、 加 熱 卵 白 ゲ ル ( ゆ で 卵 の白 身 ) の 乾 燥 過 程 に お け る 重 量 変 化 の 測 定 を 行 い 、 転 移 過 程 は

2

段 階 で あ る と 報 告 し た26)。 ま たMashimoらはTDR

( Time Domain Reflectometry ;時間領域反 射 ) 測 定 の 結 果 か ら61)、第一段階 が ゲ ル 中 の 弱 い 相 互 作 用 を 受 け た 水(freewater)の脱 水 過 程 で あ り 、 第 二 段 階 が ネ ッ ト ワ ー ク に 強 い 束 縛 を 受 け た 水(boundwater)であろうと結論している。

し か し な が ら 、 こ の 物 性 変 化 の 詳 細 の 解 明 が学 術 的 の み な ら ず 将 来 の 食 品 の 保 存 等 へ の 応 用 上 も 大 変 重 要 で あ る に も か か わ ら ず 、 こ の 変 性 途 中 の 過 程 に お け る 実 験 的 研 究 は 、 ほ と ん ど 行 わ れ て い な い 。

さ ら に 、 卵 白 は 加 熱 処 理 と 同 様 に 加 圧 処理 に よ っ て も ゲ ル 化 し 、 食 品 加 工 の 分 野 に お い て 、 生 成 前 の 性質 を 維 持 し た り 、 熱 に よ る 栄 養 素 の 破 壊 を 防 い だ り と い っ た 利 点 か ら 、 最 近 加 圧 に よ る ゲ ル 化 が 非 常 に 注 目 を浴びている。

第 5章 で も 述 べ た 様 に 、 変 性 環 境 の 違 い が 生 成 物 に 大 き く 影 響 を 与 え て い る の で 、 生 成 物 の 乾 燥 過 程 に お け る 変 性 環 境 依 存 性 を 解 明 す る た め に 、 ま ず 初 め に 重 量 及 び 体 積 の 時 間 変 化 の 同 時 測 定 を 行 い 、 加 熱 処理 及 び 加 圧 処 理 し た 卵 白 の 両 者 に つ い て 、 ゲ ル ー ガ ラ ス 様 転 移 に お け る 物

t

l:変化の挙 動 の 比 較 を 行 っ た 。 次 に 転 移 過 程 に お け る 構 造 変 化 測 定 と し て 、 時 間 分 解 小 角 X線 散 乱 実 験 を 高 エ ネ ル ギ 一 物 理 学 研 究 所 放 射 光実 験 施 設BL‑l OCに お い て 行 っ た 。 得

ら れ た デ ー タ か らGuinierプロット62)に よ り ク ラ ス タ ー ・サ イ ズ の 見 積 を 行 っ た 。 さ ら に 、 変 性 途 中 の 動 的 挙 動 と 、 得 ら れ た 物質 の 構 造 及 び 物 性 を 比 較 す る た め に 、 広 角X線 回 折 写 真 及 びSEM観 察に よ る ( 静 的 ) 形 態 観 察 も 併 せ て 行 った。

6‑2  実 験

108 

(28)

6‑2‑1 試 料 の 調 製

試 料 は 図6‑1に 示 す 方 法 に よ り 調 製 し た。加 熱 処 理 に よ る 卵 白 ゲ ル は 、 生 の 卵 白 を1000Cで 12分 間 加 熱 す る 事 に よ り 得 ら れ た。加圧処理によるゲルは、

DBC(JIS ;SKD62)及び、 SLD(JIS;S KD11)裂の二つ に 分 離 さ れ た 圧 力 容 器 (

中120mmX t21 Omm)を用いて 以 下 の 要 領 で 作 製 し た。原 料 ( 生 の 卵 白(101111)) は 液 体 状 で あ っ た の で 、 圧 力 媒 体 と の混 合 を 防 ぎ し か も 静 水 圧 が 試 料 に 印 加 さ れ る 様 に 、 ゴ ム 製 の 膜 に よ っ て 圧 力 媒体 と 試 料 を 分 離 し た 。 こ の 圧 力 容 器 を 用 い て 、 卵 白 を500MPaで、60分 間 加圧 し 加 圧 ゲ ル を 得 た 。 断 熱 圧 縮 に よ っ て 試 料 の 温 度 は 若 干 上 昇 し た 。 し か し な が ら 、 図6‑2で 示 す 様 に 、 試 料 の 温 度 は 340

C

以 上 に は な ら な か っ た の で 、 発 熱 に よ る影 響 は 、 こ の 実 験 で は 十 分 に 無 視 で き る と 考 え ら れ る 。

こ れ ら の 操 作 の 後 に 、 卵 白 ゲ ル を 寸 法 中7.0mmXtl.Ommの 円 盤 に 薄 く 切 り 取 り 同 時 時 間 分 解 観 察 及 び 形 態 ・ 構 造 観察用の試料とした。

6‑2‑2  測 定

最 初 に 、 予 備 実 験 と し て ガ ラ ス 化 に 伴 う 濁 度 変 化 と 重 量 変 化 を 図6‑3に示し た 装 置 を 用 い て 加 熱 ゲ ル を 対 象 に 測 定 し た。次に、 加 熱 ゲ ル 及 び 加圧 ゲ ル で の 比 較 測 定 を 行 っ た 。 巨 視 的 な 物 性 観 察 と し て 、 重量及び体積の同時測定、

ま た セ ミ ミ ク ロ ス コ ピ ッ ク な 構 造 観 察 と し て 時 間 分 解 小 角

X

線 散乱

( S AXS)

実 験 を 行 っ た 。 さ ら に 生 成 物 質 の 比 較 を す る た め にSEM及 び 広 角X線 回 折実験に

よる形態、・構造観察を行った。

6‑3  実 験 結 果

6‑3‑1  濁 度 ・ 重 量 同 時 測 定

ガ ラ ス 化 に と も な い 最 も 変 化 す る 物性 の ひ と つ は 、 光 の 透 過 ネ で あ る 。 そ こ で 、 予 備 実 験 と し て 、 加 熱 ゲ ル を 常温 常 圧 下 で 放 置 し た 際 の 重 量 及 び 波 長 入=670nmで、の透過率の時間変化を測 定 し た 。 図6‑4に 重 量 の 時 間 変 化 、 図6‑5

109 

(29)

Q  ¥ )   Raw  egg  w h i t  

J  、 M

m s

a a ω C

I  H~抱ghι1 ト-pressure v e s s e l   P r e s s u r e  

p r e s ump

1 0 0

0

C ,  1 2 m i n   500MPa , 6 0 m i n  

J

~ S a m p l e  

図 6 ‑ 1.試料の調整

(30)

600  I 

40 

500 I 

イ 36

4長 一 ̲tI 

  , ‑

400 

(d

H E )

ハ リ ハ

U

U

υ

弓 コ ゥ

H

ω ‑ H ロ ∞ ∞ ω ‑ H

U

E

i

υ 

32 乙

ω 

~

C

ω 

~

285 

24 

8 0 20   

。 20  40  60 

T i m e  ( m i n )  

図 6 ‑ 2 . 試料作製時における圧力及び温度 の 時間 変化

111 

(31)

CCD 

Sample  S l i d e   g l a s s  

S t a n d  

図 6 ‑ 3 . 重量及び透過率スペクトル同時測定系の概略図

55

m u

m 一 m 一

ζ J

.1 1E

D i s p l a y   g g c m

112 

(32)

1 . 0   0 . 8  

~0.6

+

∞ 

ロ ロ

..0 

0 . 4

{

C K

J F

0 . 2  

公 し

010  4 0   二 子

1 2 0   1 6 0   2 0 0   2 4 0   8 0  

Time ( m i n )  

図 6 ‑ 4 . 卵 白のゲル ーガラス様転移 における重量の時間変化

113 

(33)

"....̲ 

¥?。

• •

1 1

 

r ‑ : ‑

+d 

¥

J

+Fd

+4ロリ

F

ω

4pc4

o  40  8 0   1 2 0   1 6 0   200  240  Time ( m i n )  

図 6 ‑ 5 . 卵白のゲル ーガラス 様 転移 における透過率の時間変化

114 

(34)

に 透 過 率 変 化 を 示 す 。 重 量 変 化 に つ い て は 縦 軌 を 対 数 に と っ た 場 合 、 近 似 的 に

2

段 階 の 減 少 過 程 を 示 し 、 Takushiらのデータ 24)と 良 い 対 応 を 示 す。 一方 透 過 率 は 、 時 間 の 経 過 と と も に 上 昇 し 、 ガ ラ ス 化 に と も な い 透 明 に な っ て 行 く 事 が 観 測 さ れ た。 ま た 、 時 間 変 化 の 様 子 が

2

本 の 直 線 で 近 似 可 能 で あ り そ の 変 曲 点 は 約140分 の と こ ろで あ り 、 重 量 変 化 の 結 果 と も 良 く 一致 す る 。 こ の か ら 、 ガ ラ ス 化 に と も な う 透 過 率 の 上 昇 は 、 自 由 水 の 脱 水 過 程 と 相 応 す る 傾 向 に あ る と い う 事 が 示 唆 さ れ る 。

6‑3‑2  巨 視 的 物 性 測 定63)

図6‑6は 、 加 熱(a)及 び 加 圧(b)処 理 し た試 料 の 常 温 常 圧 下 に お け る 、

面 積 、 体 積 及 び 密 度 の 時 間 変 化 を 示 し た グラ フ で あ る ( 密 度 の 算 出 は2‑4節 参 照 ) 。 そ れ ぞ れ の 値 は 初 期 値 ( ゲ ル 状 態 の値 ) で ス ケ ー ル さ れ て い る 。 ま た 、 縦軸は対数である。

加 熱 処 理 し た 卵 白 の ゲ ルーガラ ス 様 転 移に お い て 、 密 度 は ほ と ん ど一定 で あ っ た が 、 重 量 と 体 積 ( 面 積 ) の 変 化 は 、 異なる

2

つ の 直 線 で 近 似 で き る 機 な 減 少 を 示 し た 。 こ の 様 な重 量 変化の結果は、 Takushiら に よ っ て 報 告 さ れ た 重 量 測 定 の 結 果24)と 良 く 一 致 し て い る 。 ま た 第一 及 び 第 二 段 階 の 減 少 の 様 子 は 、 拡 散 過 程 に お け る 溶 媒 の 減 少 に と も な う 残 存重 量 の 時 間 変化を計 算 し た 結 果

(図2‑13) と 傾 き に 相 違 が あ る が 、 横 軸 を ス ケー ル す る 事 に よ り 良 く 対 応 し ている。

と こ ろ が 、 加 圧 処 理 し た 試 料 に つ い て は 、 重 量 は 、 二 本 の 直 線 で 近 似 可 能 な 減 少 を 示 し た が 、 体 積 ( 面 積 ) は ほ と ん ど 変 化 を示 さ な か っ た の で 、 密 度 は 試 料 の 重 量 変 化 と 類 似 し た 著 し い 減 少 を示した。

6‑3‑3  時 間 分 解 小 角X線 散 乱 実 験64)

重 量 変 化 の 時 間 依 存 性 に 見 ら れ た 様 に 、 ゲ ルー ガ ラ ス 様 転 移 に 伴 な う マ ク ロ ス コ ピ ッ ク な 物 性 変 化 と セ ミミ クロス コ ピ ッ ク な 構 造 変 化 と の 対 応 関 係 を 明 ら か に す る た め 、 加 熱 及 び 加 圧 処 理 し た卵 白 の SAXSプ ロ フ ァ イ ル の 時 間 変 化 を 測 定 し た 。 な お 、 ゲ ルーガラ ス 様転 移 に お い て は 、 前 節 で も 述 べ た 様 に 重 量 が 時 間 の 経 過 と 共 に2段 階 の減 少 を 示 し 、 そ の 変 曲 点 が 特 徴 的 な 時 刻 と

115 

(35)

U

U

E

i

。 : Weight  企: Area 

x : 

Volume 

: Weight  Volume 

Fc4q24 

C4

1 . 0  

∞  υ 

XO  A  A  A  IA  x

。 。 。

xX‑O

Xx  X 

i 。 。

~

0 . 1   。 1 0 0   200  300  Time ( m i n )  

図 6 ‑ 6 ( a ) . 加熱ゲルの重量、面積、体積、密度の時間変化

116 

(36)

UハU

1Ei 

。 : Weight 

Area  x :   Volume 

: Weight  Volume 

C4

1  0 

金 金

o .  

。 ‑ ThT 

• • 。 。 。

0 . 1   。 1 0 0   200  300  Time ( m i n )  

図 6 ‑ 6 ( b ) . 加圧ゲルの重量、面積、体積、密度の時間変化

117 

(37)

な る 。 従 っ て そ の 時 刻 を 知 る た め に 、 SAXS実 験 で 用 い た 加 熱 及 び 加 圧 卵 白 ゲ ル と 同 様 な 試 料 を 用 い て 、 同 一 環 境 と み な せ る と こ ろ でSAXS実 験 と 同 時 に 重 量 変 化 の 時 間 依 存 性 を 測 定 し た ( 図6‑7)。

図6‑8に 示 す 小 角 散 乱 の プ ロ フ ァ イ ル か ら 、 散 乱 体 の 慣 性 半 径 を 導 く に は 、 般にGuinierプロ ットが用いられる。 Guinierプロットは、

︑ ・

tt BE Et I︐ ︐

'j

zg

R一3

ny

一fl

lt

P A  

G

A 

y A 

( 6 ‑ 1 )  

q=

sin8 

( 6 2 )  

で 表 さ れ る62)。ここで、

1

(q)、入、中、

Rg

は 、 散 乱 強 度 、 波 長 、 散 乱 角 及 び 慣 竹 半 径 で あ る 。 図6‑9は 、 各 時 刻 に お け るGuinierプ ロ ッ ト を 示 す 。 こ のGuinier

プ ロ ッ ト の 傾 き か ら 慣 性 半 径

Rg

を計算する 事 が で き る 。 加 熱 処 理 及 び 加 圧 処 理 し た 試 料 の 重 量 ( マ ク ロ な 物 性 ) と セ ミ ミ ク ロ な 構 造 変 化 と の 時 間 依 存1/'11: を 比 較 す る た め に 、 重 量 の 時 間 依 存 性 に 変 曲 点 が 認 め ら れ た 時 刻 t'g 

( 1 2 0

分) を 基 準 ( ス ケ ー ル ) 時 間 と し て 導 入 し た。図

6 ‑ 1 0

は 、 加熱 及 び 加 圧 処 理 し た 試 料 の ゲ ル ー ガ ラ ス 様 転 移 に お け る R のスケ ー ル し た 時 間 依 存 を 示 す 。 た だ

し 、 加 熱 及 び 加 圧 処 理 し た 試 料 の そ れ ぞ れ に お い て 、 t/t'g三二 1.3と1.1では 散 乱 強 度 が 著 し く 弱 く な っ た の で 、 R は 計 算 で き な か った。

ゲ ル ー ガ ラ ス 様 転 移 の 進 行 に 伴 な い 、 Rは 加 圧 処 理し た 試 料 で は 、 ほ と ん ど 一 定 で あ っ た の に 対 し 、 加 熱 処 理 し た 試料 で は 著 し く 減 少 し た 。 こ の 様 な 変 化 の 様 子 は 密 度 ( 重 量 / 体 積 ) の 時 間 依 存 性 に 良 く 対応する。すなわち、

6 ‑ 1 0

で示す様に、

Rg

の 値 が 減 少 し そ の 変 化 が 小 さ く な る 時 刻 が 、 ゲ ル の の 自 由 水 の 脱 水 が 終 了 し た と き の 時 刻(t/t'g'"'‑'1.

0 )

と良く一致している。

6 ‑ 3 ‑ 4  

走 査 型 電 子 顕 微 鋭 に よ る 形 態 観 察

加 熱 及 び 加 圧 処 理 し た 試 料 のSEM像を図6‑1 1に 示 す 。 加 圧 処 理 し た ゲ ル の 表 面 パ タ ー ン は 、 加 熱 処 理 の そ れ よ り大きなパターンが観測された。

一 方 図

3 ‑ 1 2

は 、 加 熱 及 び 加 圧 処 理 した 試 料 の ガ ラ ス 様 状 態 の 表 面 像 で あ る 。 こ れ ら は 非 常 に 類 似 し て お り 、 所 々 に あ る 亀 裂 部 分 を 除 け ば 一 様 な 表 面 パ

1 1 8  

(38)

1 . 0   ト

 '

x x 

x x  ~

t ' g  

x x 

'

( a )  H e a t ‑ t r e a t e d  

x x 

speClmen 

~

x x x x 

l . O r . ・ ・‑

∞ ‑ ・

• •

( b )   P r e s s u r e ‑t r e a t e d   •

speClmen  •

0 . 1   。 40  80  1 2 0   Time ( m i n )  

図 6 ‑ 7 . 加熱及び加圧卵白ゲノレの乾燥過程 における重量変化

119 

1 6 0  

(39)

O O A

斗 ・ ・

11

U

u

b

♂ ロ 畠 何 回 同

ω ζ

定方出凡な肖

l u ハ

A

U

U

U

U

1 . 6  

0 . 0 4   1 1 2   min 

E

i

U

υ 0 . 0 2  

q  ( A ‑ l )  

0 . 0 3  

図 6 ‑ 8

(a).加 熱 卵 白 の ゲ ル ー ガ ラ ス 様 転 移 に 伴 な う

SAXS

プ ロ フ ァ イ ル の 時 間 変 化

120 

(40)

6 2 8 4  

1 1 1 1

ハUハ

u

bz ロ ‑ S 五 ω

乙 お 宮 出 凡 な 凶

lV

~84min

n  m  ハ

U

1 2 6  min  2 . 0  

0 . 0 4   0 . 0 3  

0 . 0 2   q  ( A ‑ l )  

E I 

ハU

U

0 . 0   0 . 0 0  

図 6 ‑ 8( b ) . 加圧卵白のゲル ー ガ ラス様転移に伴なう SAXS プロファイルの 時間変化

121 

(41)

~

‑ 2 . 。

‑ 4 . 0   2 . 0  

ハU

U

n  m  ハ

U

28  min 

3 . 0   9 . 0  

(X10‑ 6)  1 5   2 1  

q  2 

図 6 ‑ 9

(a).

図6 ‑ 8

(a)

から計算した加熱卵 白のゲル‑ガラス様 転移における

Guinierフ。ロット

122 

参照

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