要約:2005年の障害者自立支援法や2006年の精神障害者の障害者雇用率への算定など,
近年精神障害者の就労と就労支援を取り巻く環境が大きく変化している。これらのさまざ まな制度上の改革には,一方では課題も多く見受けられるが,同時に,障害者への就労支 援が大きく注目されるきっかけとなり,精神障害者の就労支援実践におけるさまざまな変 化や活発化へとつながっている。それではその結果,つまり実際の精神障害者の就労・雇 用の状況には,どのような変化が起きているのであろうか。最も直接的な興味としては,
実際に精神障害者の就労は増えているのかという疑問が,本稿の基本的な背景であり,本 稿ではそれを明らかにするために政府統計を中心とした統計データの検討と考察を行って いる。
キーワード:精神障害者雇用者数,一般就労移行率,みえにくい就労
1 はじめに
近年,障害者の就労に関する取り組みが活気を帯びている。そのきっかけといえるの が
2005
年の障害者自立支援法(以下,自立支援法)であり,さらに精神障害者につい ていえば,自立支援法施行による影響もさることながら,2006年4
月には関係者にと って念願であった障害者雇用率(以下,雇用率)への算定が始まったことも,大きなイ ンパクトを与えた出来事であっただろう。これらのさまざまな制度上の改革では,一方では自立支援法における利用者の
1
割負 担や就労移行支援事業における成果方式の導入,あるいは雇用率制度における精神障害 者雇用の義務化見送りなど,課題も多く見受けられる。しかし同時に,障害者への就労 支援が大きく注目されるきっかけとなったのも事実であり,自立支援法において障害者 の就労支援の抜本的強化が主要な柱として位置づけられたことにより,障害者の就労支 援実践にはさまざまな変化が起こり,また実践者たちによる活発な取り組みへとつなが っている。そこであがる疑問が,そのような実践における変化の結果として,実際の精神障害者
────────────
†同志社大学大学院社会学研究科・博士後期課程
*2010年6月22日受付,査読審査を経て2010年7月21日掲載決定
論文
精神障害者の就労は増えたのか
──政府統計にみる状況とその背景にあるもの──
山村りつ
†81
を含む障害者の雇用にはどのような変化がみられるか,である。端的にいえば,それら の政策や実践上の変化によって障害者の雇用は増えているのかという疑問である。
この疑問の答えを確かめることは,ここまでの政策的取り組みを評価する上でも不可 欠な作業となる。もちろん,障害者の就労支援は,支援自体がある程度のスパンをもっ て行われるものであり,また「就職」だけでなくその後の定着と継続も課題となるとい う点から,即座に成果が示されるものではない。しかし,自立支援法施行から
5
年,雇 用率算定からも4
年が経過した現在,ある程度の評価を下すことが可能な時期に来てい るといえる。そこで本稿では,障害者,中でも精神障害者の就労支援について,現在の就労支援実 践の成果についての評価を行うために不可欠な現状についての正確な情報を得ることを 目的として政府が発表する統計データからその雇用の状況を明らかにすることを試みて いる。
なお,その分析対象の性質上,本稿では就労支援に関連するさまざまな施設および事 業名が繰り返し記述される。そこで混乱を避けるために,本稿で検討の対象とする就労 支援に関連した施設および事業について以下の通りの限定をしておく。
まず,本稿の目的に照らし合わせて,その分析の対象とするのは,さまざまな障害者 支援施設の中でも,特に就労支援を主な目的として実施・運営されている施設等とな る。具体的には,自立支援法における対象は「就労移行支援事業」「就労継続支援事業
A
型」「就労継続支援事業B
型」の3
事業とする。また以下ではこれらを,それぞれ「移行支援事業」「継続
A
型事業」「継続B
型事業」と表記し,3つの事業をまとめて示 す場合には「自立支援法3
事業」と表記する。次に比較対象となる旧体系における対象施設については,「入所授産施設」「通所授産 施設」「小規模通所授産施設」「福祉工場」の
4
施設を対象とし,前の3
施設をまとめて「授産施設」,それに福祉工場を含めた
4
施設をまとめて示す場合には「福祉基本法4
施 設」とする。さらに上記「自立支援法3
事業」と「福祉基本法4
施設」の総称として「就労支援関連
7
機関」の語句を用いる。2 精神障害者の就労の状況を示すもの
政府統計データについての分析を始める前に,精神障害者の就労の状況がそのデータ の中でどのように捉えられているのかという点について,確認が必要な点がいくつかあ る。
障害者の雇用の状況を示す基本的なデータとして,おそらく最も代表的なものの一つ に,雇用率制度のもとに把握される雇用者数がある。障害者の就労の状況について検討
精神障害者の就労は増えたのか 82
を行うのであれば,厚生労働省が毎年公表するこのデータの状況を,まずは確認してお く必要があるといえる。もちろん本稿においても,この雇用者数は次節において分析対 象の一つとなっている。
しかし,特に精神障害者の場合,政府統計上の雇用者数には表れない者が相当数存在 することが,その他の就労に関連したデータから推計される。たとえば社会福祉施設等 調査をみると,2006年度に就労支援関連
7
機関から「就職」を理由に退所した者は合計で
2,240
人となり,政府の示す同年度の新規雇用数2,048
人(表1)をすでに超えて
いる。
さらにその他の施設や事業所にも就職を理由とした退所者はおり,逆に政府統計にお ける新規雇用数にはこれらの福祉施設を経ずに就労に結びつく例も含まれる点なども考 えれば,新規雇用数以外にも就職した精神障害者が相当数存在している可能性が考えら れる。
このように精神障害者の雇用が新規雇用数に反映されない場合の理由の一つとして,
相当数の精神障害者はその障害を開示せずに就労していることが考えられる。吉田ら
(2007)による実態調査でも,42.6% が障害を開示せずに働いていており,雇用側によ って精神障害者として認識されている者は,実際に就労している精神障害者の一部にす ぎないことが推測される。
また,雇用者数は雇用率算定の対象となる障害者の数である。というより,雇用率算 定のための集計データが障害者の雇用者数として示されるのである。つまり,そこにカ ウントされているのは,雇用率の対象となる事業所において雇用されている対象となる 障害者の数,すなわち従業員数
56
人以上の事業所において1
週間の所定労働時間が20
時間以上である雇用者の数に限定されていることになる。体力面に課題のある傾向があるとされる精神障害者の場合,長時間の就労が難しい場 合もある。短時間労働者の
0.5
カウントという方法は,そのような精神障害者の特徴を 考慮に入れたものでもあるが,その20
時間を超えることすらも難しい場合もある(齋藤
2010)。それでも働いている本人にとってそれは就労していることになるのだが,そ
の場合には雇用者数には反映されないし,当然雇用率にも影響しないことになる。
就労を障害者自身にとっての意義という点から捉えるのであれば,このような雇用者 数に反映されない就労も評価をされるべきであり,何よりも雇用者数だけを見ていたの では,そのような精神障害者の存在を見落とすこととなってしまう。また特に精神障害 者においては,他障害種別と比べてもそのような雇用者数に反映されない形態での就労 が多い傾向があることが予測される。そのため,雇用者数からの分析・検討だけでは,
精神障害者への就労支援の効果を正しく把握することはできないといえる。
このような問題を解決する手段として,別の側面からの精神障害者の就労の現状把握
精神障害者の就労は増えたのか 83
を行う必要がある。その一つが,施設から就労に移行した者の把握という方法である。
それは福祉施設等からの「就職を理由とした退所者数」として示され,全利用者に占め るその割合は施設から一般就労への移行率として示される。
そこで本稿では,「雇用率算定における雇用者数」と「福祉施設からの就職を理由と した退所者数」という
2
つの点から,精神障害者の就労における変化の状況と,近年の 就労支援における改革および実践の成果について検討を行っていく。もちろん,精神障 害者の就労の状況を正確に把握するには,この2
つの点からの検討だけでは十分ではな いだろう。中には本稿で対象とする就労支援関連施設以外の機関を利用する場合もある し,あるいは施設などの支援を経ずに就労する場合もある。しかし,自立支援法などの 近年の障害者就労支援における改革の成果について検討するという本稿の目的と,雇用 者と施設からの移行者によって障害者の就労の大部分を捕捉できると考えられること,さらにデータへのアクセスの課題等を勘案し,本稿での検討は上記
2
点に限定するもの である。3 障害をもつ雇用者の数
3. 1
障害者雇用者数の変化厚生労働省の発表によれば,民間企業,国および地方公共団体,独立行政法人等に雇 用されている障害者の数(以下,雇用者数)の変化の状況は表
1
に示すとおりである。ただし,前述の通り,精神障害者が雇用率に算定されるようになり,雇用者数にも数え られるようになったのは
2006
年4
月1
日からのことであるため,表1
も2006
年からの ものとなっている。この数値からは
2006
年度以降,毎年約2,000
人のペースで精神障害者の雇用者数は表1 障害者の雇用者数とその内の新規雇用数 (単位:人)
全体 身体障害者 知的障害者 精神障害者
雇用者数 新規雇用数 雇用者数 新規雇用数 雇用者数 新規雇用数 雇用者数 新規雇用数 2006年
2007年 2008年 2009年
297389 318188.5 337040.5 344649.5
27074.5 32107.5 37737 30877
251466 265643 276999 279265
20894 24042 28028 21663
43814 48354 53894 57276
5580 6542 7618 7166
2109 4191.5 6147.5 8108.5
600.5 1523.5 2091 2048
(厚生労働省「障害者雇用状況報告書」平成19年版〜平成22年版から筆者作成)
注1)数値は各年6月1日時点のものである。
注2)雇用者数・新規雇用者数とも,民間企業,国・地方公共団体,独立行政法人等のそれぞれの数値を
合計したものである。
注3)雇用者数・新規雇用者数とも,身体障害者および知的障害者では重度障害者のダブルカウントを,
精神障害者では1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の者について0.5カウントを,そ れぞれ行った上での値である。
精神障害者の就労は増えたのか 84
増えていることが分かる。また精神障害者だけでなく,身体障害者および知的障害者に おいても同様の増加傾向がみられる。このような増加傾向の一つの可能性としては,ま ず精神障害者に限っていえば雇用率への算定が始まったことの効果が考えられる。しか し,他の障害種別でも増加傾向がみられることから,それだけでは説明が不十分であ る。
それでは,2005年に施行された自立支援法の影響はどうだろうか。この点について は,2006年以前にはその雇用者数の正確な把握がされていなかった精神障害者の場合,
自立支援法施行の前後での状況を比較することができない。それに対して他障害種別で は,特に民間企業では
2003
年以降に障害者の雇用数の増加がみられている。自立支援法の施行は確かに
2005
年であったが,それに向かう動きは支援費制度と介 護保険制度の統合案や,2004年のグランドデザイン案(1)などとして,数年前から関係 者の知るところとなっていた。そのような政府の動きが実践に影響を与えた可能性がな いとはいえない。しかしながら,障害者の雇用の増加や就労支援の発展などと直接結び 付くと考えられる要因は見当たらない。2005年の自立支援法の施行との関連も,それ を明確に示す十分な情報はなく,はたして自立支援法による影響がどの程度あったのか は,雇用数の増加傾向のみからは推察することが難しい。もちろん,雇用者数の状況から分かることもある。たとえば精神障害者の雇用数は,
確かに
2006
年以降増加しているが,他の障害種別の雇用者数との比較でみると,その 雇用数自体は十分とは言い難い状況がある。2010年現在,それぞれの障害者数は身体 障害者(児)が366.3
万人,知的障害者(児)が54.7
万人,精神障害者が302.8
万人と いわれている(厚生労働省2010)。その点を考えると,元々の障害者数との割合という
点で精神障害者の雇用数は極端に低いということができる。このような障害種別による偏りは,その他にもさまざまな就労支援に関連した制度に おいてみられ(齋藤
2010),たとえば職場適応援助者(ジョブコーチ)事業(以下,ジ
ョブコーチ事業)におけるプログラム終了者にも同様の状況がみてとれる。基本的に雇 用されている障害者が利用するプログラムであるジョブコーチ事業では,年間約3,000
人の障害者が支援を開始し,ほぼ同数が支援を終了している。この中には,事業所の規 模により雇用率に算定されない,つまり雇用数にのらない障害者もいるが,精神障害者 とそれ以外の障害者との割合という点でいえば,ジョブコーチ事業の利用開始者のうち 精神障害者は,2006年度では全体の約2
割に当たる600
人程度となっている。この割 合は徐々にではあるが増加傾向にある(2)が,やはり先に述べた分母となる障害者の数や 他障害種別より就労を望む傾向がある点(浜銀総合研究所2009)などから考えれば,
その利用者の少なさは妥当とはいい難い。
しかしながら,雇用者数の増加という点でいえば,すべての障害種別においてある程
精神障害者の就労は増えたのか 85
度の新規雇用数とともに雇用者数が伸びていることは事実であり,その点で,自立支援 法や雇用率算定等の近年の改革の成果かどうかはともかく,何らかの促進要因により障 害者の雇用者数は増えているということはできるだろう。
3. 2
「雇用者数の増加」が意味するもの以上のように,障害者の雇用者数の変化には,いくつかの疑問を喚起する点もある が,とはいっても実数として雇用者数が増加しているのは事実としてある。それでは,
そもそもこの雇用者数の増加数を実態として捉えてもよいものなのか,あるいはそこに なんらかの課題がみられるのか。以下ではその点について,雇用者数の増加の状況が意 味するものについて考えていく。
表
2
は,表1
に示した新規雇用数に対する前年度雇用者数との差である増加数,さら に新規雇用数とその増加数の差を示したものである。ここで最初に注目したいのが,新 規雇用数と実際の増加数のずれである。表に示す増加数は,その名の通り前年度と比べた雇用者数の増減をしめしている。も し,最初から雇用されていた障害者が辞めることがなく,新規雇用以外に障害をもった 雇用者が増加することがなければ,当然この増加数は新規雇用数と同じになる。しか し,実際には両者には差があり,表
2
にみるようにその大半がマイナスとなっている。つまり少なくともそのマイナス分の離職する者がいるということである。そこでこの数 値を,表
2
では推定離職数として示している。この新規雇用数・増加数・推定離職数の状況を概観して最初に目につくのが,特に身 体障害者と知的障害者の場合で,推定離職者数が相当数いる点である。2009年の値を みると,身体障害者では新規雇用数の
89.5%,身体障害者では 52.8%,両者を合わせた
数値でも
75.6% におよぶ離職者が推定される状況となっている。このことは,これま
で精神障害者の雇用についての研究でも指摘されてきた,障害者雇用の回転ドア現象の 問題,つまり就労継続の課題が,精神障害者だけではなく障害者全体にみられる課題で あるということである。
表2 障害者の雇用数における新規雇用数・実質増加数・推定離職数 (単位:人)
3障害合計 身体障害者 知的障害者 精神障害者
新規
雇用数 増加数 推定 離職数
新規
雇用数 増加数 推定 離職数
新規
雇用数 増加数 推定 離職数
新規
雇用数 増加数 推定 離職数 2006年
2007年 2008年 2009年
27074.5 32107.5 37737 30877
20799.5 18852 7609
−11308
−18885
−23268 20894 24042 28028 21663
14177 11356 2266
−9865
−16672
−19397 5580 6542 7618 7166
4540 5540 3382
−2002
−2078
−3784 600.5 1523.5 2091 2048
2082.5 1956 1961
559
−135
−87
(厚生労働省「障害者雇用状況報告書」平成19年版〜平成22年版から筆者作成)
精神障害者の就労は増えたのか 86
あるいは,むしろ精神障害者では同年の推定離職数が新規雇用数の
4.2% と低く,就
労継続の問題はそれほど大きな問題ではないのかと思わせるような数値がみられる。し かし,ここにも大きな落とし穴がある。2007
年の数値をみてみると,推定離職数がプラスになっている。これは新規雇用以 外に雇用数が増える状況があることを示している。この状況として考えられることは,次のような場合である。たとえば,雇用者が精神疾患に罹患して精神障害者となった
(認定を受けた),あるいは精神障害に罹患していたが認定を受けずに働いていたか休職 等の状況にあった者が雇用率算定の開始後に認定を受けた,そして既に認定を受けなが ら障害を開示していなかった者が開示したといったケースである。
しかしながら,最初にあげた例でいえば,雇用率への算定が開始された年に急に精神 疾患に罹患する者が増えたということも考えにくい。近年のうつ病患者の増加の影響の 可能性も,総患者数の増加が
2005
年から2008
年で約200
人程度である(3)ことから,そ れほど大きな影響があるとは考えにくい。それよりも,この増加分はおそらく元々潜在 的に職場にいた精神障害者がカウントされるようになったためと考えるのが妥当だろ う。しかしそうなると,先ほどの「離職者が少ない」と思われる状況も,そうみえるだ けという可能性が出てくる。特に精神障害者の場合,そのような潜在的な存在が他障害種別に比べて生じやすい条 件が揃っている。それはたとえば精神障害に対するスティグマや,精神障害が他障害種 別と比して目に見えにくいこと(Ellthworth 2009)などであり,それにより障害の開示 を望まない傾向が強まり,非開示のまま働くケースが増える(吉田ほか
2007)ことが
考えられる。もちろん雇用率に算定されていなかったという状況も,そのような潜在化 を促進する要因となり得ただろう。そして,雇用者数の状況には明確に現れてはいないが,就労の継続に関する問題はや はりあるのだとすれば,納得のいく状況もある。それは,2007年時点ではプラスを示 している推定離職数も,2008年・2009年とマイナスに転じている点である。これは,
実際には潜在的に存在していた精神障害者が顕在化したことが雇用者数増加の主な要因 であったものが,その潜在的精神障害が顕在化によって減少し,その結果,新規雇用以 外の増加要因が減少し,離職者の存在が徐々に露わになってきている考えることもでき る。
もちろん,精神障害者の民間企業や行政等における新規の雇用数が毎年一程度みられ ることも事実であり,それがどの程度の実質的増加であるかという疑問があったとして も,評価に値する点であるといえる。また,潜在的であった精神障害をもつ雇用者が顕 在化した影響の可能性についても,それはそれで,精神障害者の就労における意義のあ る変化をもたらすものと考えることができる。なぜならば,吉田らによる調査が障害の
精神障害者の就労は増えたのか 87
開示状況と在職期間の関係を指摘しているように(吉田ほか
2007),障害を開示して働
かない(働けない)ことが,精神障害者の就労継続を阻害する要因となる可能性がある からである。ただし,その実態をよみとるにはさまざまな角度からの検討が必要であり,上記のよ うに疑問が提起される点もいくつかある。特に就労の継続の問題については,他障害種 別にみられるような明らかな疑いはみられないが,慎重に検討を行っていく必要がある といえる。
4 施設からの移行率の状況
4. 1
自立支援法による移行率の上昇精神障害者の雇用率算定が開始される以前,その一般就労の状況を示すのは,主に施 設から就労(もしくは福祉的就労から一般就労)への「移行率」であり,施設の利用者 数における就職を理由とした退所者数の割合として算出されていた。またこれまでその 数値は,障害者全体で約
1% 程度という状況が続いており,福祉施設から一般就労へつ
なげることの難しさや効率の悪さを示すものとして用いられてきた。この移行率について,厚生労働省は平成
21
年度版の厚生労働白書において,就労移 行支援事業における移行率が2008
年4
月時点で14.4% になったとしている(厚生労働
省
2009)。これは数字だけをみれば,驚くべき飛躍である。しかしながら,障害者の雇
用者数とその変化がそうであったように,この数字が表面的に示すものの裏側について 十分に検討する必要があるだろう。
これまで繰り返し取り上げられてきた「1% 程度」という移行率は,就労支援に関す る社会福祉施設全体に対する数値であり,それは一般に身体・知的・精神の福祉基本法
4
施設が主な対象となっていた。それでは自立支援3
事業について同様に計算すると,移行率はどうなるだろうか。
厚生労働省が公表した「就職を理由とした退職者」(以下,就職者)の数は表
3
に示 す通りである。次に分母となる利用者数だが,2007年9
月時点の数値を用いて「就職 者数」/「利用者数」の式による算出を試みると,16.22% と政府の示した数値から大き く外れてしまう。これは厚生労働省が移行率を14.4% としたのは 2008
年4
月時点での 数値であり,その時点ではそこまでの就職者数がなかったためと考えられる。そこで,
2008
年4
月時点での移行率が判明している就労移行支援事業において,2007
年9
月の利用者数に対する移行率が14.4% となる就職者数(986.1
人)を算出し,それ と年間の就職者数(1,111人)との割合(88.76%)を他事業種別の年間の就職者数に適 用させ,推定の就職者数を算出させた上で移行率を算出したのが表3
である。精神障害者の就労は増えたのか 88
これをみると,全体の移行率は
5% 弱にとどまることがわかる。これは,3
つの中で も利用者の数において最も多くを占める継続B
型事業における移行率の低さ(それでも
2% 程度にはなるが)によるものだろう。実際,これらの就労支援関連施設における
2008
年の就職者数は,自立支援3
事業で1,724
人,3障害の福祉基本法4
施設で1,223
人の計
2,947
人だが,自立支援法への移行が進む前の2006
年では,福祉基本法4
施設だけで
2,455
人となっており,1% から14.4% という上昇を生じさせるほどの差は当然
みられない。
しかしもちろん,1% から
5% 弱への上昇でも,明らかな増加と取って差支えはない
だろう。少なくとも,法施行の初期段階としてはそれでも十分な効果といえる。ただ し,そのためには「1% から」の部分についての検証も忘れてはならない。4. 2
旧体系における移行率の実状表
4
は,福祉基本法4
施設の移行率を,表3
と同様に計算したものである。なお全体 の移行率が1% より若干高めになっているのは,実際の移行率の算定にはさらにいくつ
かの施設種別が加えられるためであるが,3障害を通じて比較が可能な種別は上記4
種 別であり,また施設の目的も異なるため,ここで施設種別を限定している。表
4
をみると,旧体系における施設でも,精神障害者の施設においては3〜4% 前後
の移行率があることがわかる。ここでは頁幅の関係上,平成17
年からの数値を示して いるが,それ以前についても,精神障害者の施設に限ってみれば同様かむしろ高めの移 行率となっている(4)。また障害種別および3
障害のいずれの数値でも平成18
年と19
年 の間で移行率の低下がみられているが,これはおそらく旧体系から自立支援事業所への 移行の進展によるものであり,自立支援法以前の精神障害者施設では4% 前後の移行率
があったと推測される。そうなると,精神障害者に限ってみれば新体系と旧体系で移行 率の差はそれほど1% 未満程度であったと予測することも可能となる。
ただし,先に提示した自立支援
3
事業の移行率5% 弱という数値がすべての障害者を
表3 自立支援法の就労支援事業における移行率
事業種別 利用者
2008. 9
2007. 10〜2008. 9 2007. 10〜2008. 4注1)
就職者 移行率 就職者 移行率 就労移行支援事業 6848 1111 16.22% 986.1 14.40%
就労継続支援(A型)事業 2476 96 3.88% 85.2 3.44%
就労継続支援(B型)事業 22657 517 2.28% 458.8 2.03%
合計 31981 1724 5.39% 1530.1 4.78%
厚生労働省「社会福祉施設等調査」(2008, 2009)より筆者作成
注1)表中の数値については,本文中に説明した通りの手順で算出した推定値である。
精神障害者の就労は増えたのか 89
含んだ数値であり,精神障害者に限定した場合にその値が上昇する可能性は考慮に入れ なければならないが,自立支援
3
事業の利用者の障害種別の内訳はデータが示されてい るが,退所者の障害種別の内訳は示されていないため,この点を詳しく検証することは 難しい。しかしながら,旧体系と比べて自立支援
3
事業において精神障害者の割合が高いこと も事実であり,それを示したのが表5
である。つまり,より移行率の高かった精神障害 者の割合が増加することで,自立支援3
事業法および移行支援事業の移行率を高めてい る可能性が示唆される。そのことと関連して,もう一つ指摘しておくべきことがある。表
3
および表4
をみる と,継続B
型事業の移行率が精神障害者通所授産施設の移行率よりもかなり低くなっ ている。同小規模通所授産施設と比べてもわずかではあるが低い。逆に精神障害者通所 授産施設に関していえば,その移行率は自立支援事業の就労支援事業全体の移行率より も高くなっている。このことは何を示しているのだろうか。自立支援法の制定時,旧体系における授産施設は移行支援事業か継続
B
型事業に移 行することが想定されていた(坂本2006)。しかし継続 B
型事業と授産施設の間には 移行率の大幅な下降がみられ,対照的に移行支援事業では授産施設と比べても飛躍的な 伸びがみられる。このような状況の理由の一つは,就労支援の中でも機能の分化が起こ表4 旧社会福祉施設体系における就労支援施設の移行率
障害
種別 施設種別
平成20年 平成19年 平成18年 平成17年 利用
者数 就職 者数
移行 率
利用 者数
就職 者数
移行 率
利用 者数
就職 者数
移行 率
利用 者数
就職 者数
移行 率 精
神 障 害 者
入所授産施設 通所授産施設 小規模通所授産施設 福祉工場
536 5760 6821 296
14 294 122 7
2.61%
5.10%
1.79%
2.36%
685 7698 9112 411
9 360 200 14
1.31%
4.68%
2.19%
3.41%
690 7191 8538 391
0 463 268 17
0.00%
6.44%
3.14%
4.35%
650 6373 6893 404
12 406 214 8
1.85%
6.37%
3.10%
1.98%
計 13413 437 3.26% 17906 583 3.26% 16810 748 4.45% 14320 640 4.47%
身 体 障 害 者
入所授産施設 通所授産施設 小規模通所授産施設 福祉工場
8963 6425 3200 947
26 56 29 9
0.29%
0.87%
0.91%
0.95%
10429 8381 4349 1320
42 128 56 23
0.40%
1.53%
1.29%
1.74%
10838 8260 3811 1312
55 136 92 26
0.51%
1.65%
2.41%
1.98%
11047 7928 2991 1300
37 137 62 20
0.33%
1.73%
2.07%
1.54%
計 19535 120 0.61% 24479 249 1.02% 24221 309 1.28% 23266 256 1.10%
知 的 障 害 者
入所授産施設 通所授産施設 小規模通所授産施設 福祉工場
12522 52255 3671 894
115 525 16 10
0.92%
1.00%
0.44%
1.12%
13927 56912 6046 1800
183 869 43 7
1.31%
1.53%
0.71%
0.39%
13508 52015 5975 1693
270 994 110 24
2.00%
1.91%
1.84%
1.42%
13872 48280 5112 1617
234 807 75 63
1.69%
1.67%
1.47%
3.90%
計 69342 666 0.96% 78685 1102 1.40% 73191 1398 1.91% 68881 1179 1.71%
3障害合計 102290 1223 1.20%121070 1934 1.60%114222 2455 2.15%106467 2075 1.95%
厚生労働省「社会福祉施設等調査」より筆者作成
精神障害者の就労は増えたのか 90
り,移行支援事業のもつ機能がより一般就労につながりやすいものであったということ が考えられる。
しかしながら,同時にもう一つの可能性がそこには存在する。すなわち,施設体系の 移行の中で,旧体系における授産施設の利用対象であった精神障害者のうち,もともと 比較的就労の可能性の高い利用者が,集中的に移行支援事業の利用者になっているとい う可能性である。その結果,就労の可能性が高い利用者の集まった移行支援事業では必 然的に移行率が上がり,そうでない利用者が集まった継続
B
型事業では従来以下の移 行率となったとも考えられる。そうなると,上述の機能の分化もこのような傾向に拍車 をかけるものとなる可能性もある。つまり,移行支援事業の高い移行率の背景には,施設体系の移行に伴って,①本来移 行率に差のあった精神障害者と他障害種別における利用者の不均衡な新体系への移行 と,②精神障害者の中での就労能力に応じた自動的な振り分けという,2つの利用者の 選別機能が働いた可能性があることが考えられる。
これらの可能性を検証するためには,旧体系における利用者と新体系における利用者 の間の流れを把握する必要があり,それは非常に難しい作業になる。そもそも,就労の 可能性の判断をどうするかなどの課題もあり,現時点ではおそらく不可能といえるだろ う。
さらに,この仮説が事実であったとしても,それは一概に批判されるべきことではな い。政府が自立支援法において施設体系の再編を行った背景には,それまでの施設・事 業体系の複雑さに加え,本来の各サービスの目的と利用者の実態の乖離があったとされ るが(坂本
2006),利用者の棲み分けのような状況は,ある意味で利用者とサービスの
表5 施設および事業所種別の各障害種別の割合
3障害 身体障害 知的障害 精神障害
施設・事業所種別 利用者数 利用者数 割合 利用者数 割合 利用者数 割合
新体系 2008
就労移行支援事業 就労継続支援事業A型 就労継続支援事業B型
6848 2476 22657
557 490 2623
8.13%
19.79%
11.58%
4580 1555 12841
66.88%
62.80%
56.68%
1711 431 7193
24.99%
17.41%
31.75%
計 31981 3670 11.48% 18976 59.34% 9335 29.19%
旧体系 2005注1)
入所授産施設 通所授産施設等注2)
通所授産施設 小規模通所授産施設 福祉工場
25108 85790 67466 18324 3396
10838 12071 8260 3811 1312
43.17%
14.07%
12.24%
20.80%
38.63%
13580 57990 52015 5975 1693
54.09%
67.60%
77.10%
32.61%
49.85%
690 15729 7191 8538 391
2.75%
18.33%
10.66%
46.59%
11.51%
計 114294 24221 21.19% 73263 64.10% 16810 14.71%
厚生労働省「社会福祉施設等調査」より筆者作成
注1)自立支援法施行前後の比較という点から,旧体系については施行の年である2005年を採用している。
注2)「通所授産施設等」は「通所授産施設」と「小規模通所授産施設」を合わせたものである。
精神障害者の就労は増えたのか 91
マッチングがより適切になったと考えることもでき,効率化や合理化といった点から も,施設体系再編の目的に即したものと取ることもできる。もちろん,施設の評価の一 つとなる一般就労への移行率(5)をあげるために,意図的に能力の高い利用者を施設側が 受け入れているようなことがあれば,それは大きな問題だが,現在のところ,そのよう な状況を証明するものはみられない。
ただし,この仮説が事実であるとすれば,厚生労働省が大きく掲げた「就労移行支援 事業の移行率が
14.4%」という状況には疑問が生じることとなる。授産施設からの新体
系への移行の中で施設の機能が分化されたことが,移行支援事業の高い移行率の出現に 影響しているのだとすれば,旧体系と新体系における就労支援のための施設全体の移行 率の差も,同様の影響の可能性が指摘される。つまり,自立支援法によって就労支援が 強化されたことにより,自分には就労はできないと考える利用者や,それほど就労を志 向しない利用者が就労支援を中心としない事業の利用者へと移行し,分母から外れるこ とで,結果的に移行率の上昇という影響が起きている可能性もあるのである。ただでさえ自立支援
3
事業全体としてみれば移行率が5% 弱になるところに,そのよ
うな機能分化にともなう利用者の棲み分けともいえる現象が影響を与えているのだとす れば,自立支援3
事業の移行率を精神障害者に限定した場合に,そこに予想される上昇 の程度を考慮に入れても,旧体系における移行率との間にどの程度の差が残るのかは疑 問である。以上のように,社会福祉施設から一般就労への移行率という点では,確かに就労移行 支援事業における大幅な移行率の増加という現象はみられるが,それが果たして実際の 就労者数の増加につながっているのかについては,検討すべき点が多々あると考えられ る。
5 みえにくい精神障害者の就労の状況
ここまで述べてきたように,精神障害者全体における就労の状況を把握しようとして も,そこにはさまざまな課題があり,実際にその状況を正しく把握するのは非常に難し いといわざるを得ない。
その背景には,まず精神障害および精神障害者における特性として,就労において障 害が開示されない傾向がある点が挙げられるだろう。その場合,職場において彼らに精 神障害者としての存在はなく,まさに「隠れた」状態になる。あるいは,障害を開示し て働いていたとしても,雇用率に算定されるような働き方が適応しにくい状況がある。
たとえば長時間の就労が難しいこともその一つであるが,同時に対人関係の課題や変化 への脆弱性,精神障害者自身のタイミングで就職先を探すことなどからも,比較的小規
精神障害者の就労は増えたのか 92
模な企業で働く傾向が推測され,そのような状況が影響し,彼らは雇用政策における障 害者就労の表舞台には上げられにくい対象となることが考えられる。
さらに,ここまで雇用に結びついた人と就職を理由に施設から出た人という面から就 労の状況を把握しようと試みてきたが,特に短時間の就労の場合などには,中には就労 をしながら施設の利用を継続する例も考えられる(6)。そうなると,上記のいずれの場合 にもその状況を捕捉することが難しくなる。
同時に,現在の状況だけでなく,障害者の一般就労への移行状況における自立支援法 の施行に伴う変化などについても,その構造的な体系移行の影響により,その正確な把 握が難しくなっている。さらにいえば,原則として
3
障害を共通とする自立支援法が障 害者への就労支援の中心となることにより,精神障害者の就労支援と就労の状況を把握 することは,さらに難しくなることが予測される。以上のように,精神障害者の就労は,もともと外からは把握しにくいさまざまな要素 を持ち合わせているところに加えて,障害者への就労支援における大きな変化の中で,
より一層,みえづらくなる可能性を抱えている。今回の検討においても,十分な情報が 得られず,推測の域を出ない部分が散見された。
しかしながら現状の正確な把握は,社会福祉実践においてその効果や妥当性を示し,
よりよい支援を提供するための大前提である。障害種別についても,障害による差別は もちろんあってはならないことだが,実際にあるそれぞれの障害特性に応じた支援を提 供していくためには,障害種別に基づいた検討も必要となる。
特に現在は,精神障害を含む障害者の就労支援に関する制度において,大きな変化が あった後の過渡的な時期であり,その制度上の変化によって,精神障害者への就労支援 と就労の実態においてどのような変化が起き,今後どのような変化を経てどこへ向かう のか,注意深く観察する必要があるといえる。そのためにも,その状況が実際にどのよ うな状態にあるのかについて,より詳細な,あるいは異なった観点に基づいた情報の収 集と分析が求められるといえる。
6 おわりに
精神障害者を含む障害者の就労支援と就労の状況は,現在大きな変化の真っただ中に ある。その中で現状を把握していくことは,それだけでも困難が伴うものである。ま た,精神障害者の短時間労働者の雇用率算定が認められるようになったように,近年,
障害者の就労や雇用に関する政策においても,就労における多様性を許容しようという 方向性がみられる。そのことも,現状の把握をより困難にする可能性があるといえる。
そのような中で,厚生労働省が厚生労働白書内において
14.4% という移行率の数字
精神障害者の就労は増えたのか 93
だけをあげたことは,障害者の就労の状況についての誤った認識や誤解を生む可能性も あり,何らかの説明が伴われるべきであったと考えられる。
実際,本稿を通して精神障害者および障害者の就労に関連する政府統計データをさま ざまな方向から検討した結果,14.4% という数値は,決してその数値だけをみて障害者 の就労に対する期待的観測をもつべきものではないことが示唆されている。
ただし,私見としては,それでも
14.4% という数値の大きさを鑑みれば,さらに実
践でのさまざまな新たな取り組みやその効果の状況をみる限りは,多少の就労促進の傾 向はあるという印象を受ける。しかし,その妥当性を十分に実証するだけの方法が現段 階では見当たらないのも事実である。さまざまな問題が指摘されながら始まった自立支援法にあって,「就労支援の強化」
という方向性は評価される数少ない点の一つであった。その自立支援法による就労支援 が,本当に効果があり,精神障害者の就労とその継続を促進するものであるのであれ ば,そのことを実証し事実として提示していく必要がある。あるいは,その効果がみせ かけのものであるならば,それもまた実証されなければならない。それによって,制度 や実践をより効果的なものへと発展させていくことができるのである。
そのためにも,今後より詳細なデータの分析と実践を通した新たなデータ収集などを 行い,実際に精神障害者の就労にどのような変化が起きているのかについて明らかにし ていく必要がある。特に本稿で示されたいくつかの論点は,示唆や推測の域を出ないも のとなっている。そのような点について,実証もしくは反証していくことが今後の課題 である。
注
⑴ 「今後の障害保健福祉施策について(改革のグランドデザイン案)」として2004年10月に社会保障審 議会で示されたもの。
⑵ 厚生労働省のホームページ等で公表されている『地域障害者職業センターにおける職場適応援助者
(ジョブコーチ)支援事業の実施状況』の各年の数値において,支援開始者数における精神障害者の割 合が徐々にではあるが増加している。
⑶ 厚生労働省の患者調査では,うつ病・躁うつ病の総患者数は2005年で924人,2008年で1,041人とな っている。
⑷ 同様の計算方法で,平成12年には4.31%,平成9年には5.88% となっている。
⑸ 自立支援法では,一般就労への移行実績が移行支援事業所の給付額に反映される仕組みになっており
(田川2009),そのために利用者の選別が起こることが懸念される。
⑹ 自立支援3事業の利用にあたっては,就労していないことが条件になるが,その場合の「就労」の定 義は明確でなく,また旧体系における施設ではそのような条件はない。
参考文献
Ellthworth, E.(2009)『NON-VISIBLE DISABILITY DISCLOSURE IN THE WORKPLACE』VDM Verlag Dr.
Müller Aktiengesellschaft & Co. KG.
浜銀総合研究所(2009)『平成20年度障害者保健福祉推進事業 授産施設/就労継続支援B型/就労移行 精神障害者の就労は増えたのか
94
支援事業利用者の就労意向調査と従業員(職業指導員,就労支援担当者),家族意識調査』株式会社浜 銀総合研究所,3−4。
厚生労働省編(2010)『平成21年版 厚生労働白書 暮らしと社会の安定に向けた自立支援』株式会社ぎ ょうせい,44。
坂本洋一(2006)『図説 よくわかる障害者自立支援法』中央法規出版。
田川精二(2009)「通院者就労調査アンケートとNPO大阪精神障害者就労支援ネットワーク(JSN)(第105 回日本精神神経学会総会)−(シンポジウム 精神障害者の就労支援)」『精神神経学雑誌』111(9):1076
−1081,日本精神神経学会。
吉田光爾・田川精二・伊藤純一郎・田村理奈・相澤欽一(2007)「就労における精神障害者の障害の開示状 況の実態:(社)大阪精神科診療所協会地域精神保健委員会「就労調査アンケート」の結果から」『精 神障害とリハビリテーション』11(1):66−76,日本精神障害者リハビリテーション学会。
資料
厚生労働省『患者調査』(2005・2008)
厚生労働省『社会福祉施設等調査』(2006〜2009)
精神障害者の就労は増えたのか 95
Employment of parson with psychiatric disabilities and its environment have changed re- cently, for example, the enforcement of Services and Supports for Persons with Disabilities Act or the start of applying the employment rate rule to person with psychiatric disabilities.
Those changes have some problems, however, it trigger to gather attention for job support for person with disabilities, and to lead the changes and activation in that field. And then, what kinds of changes have been occurred in actual status of employment of person with psychiatric disabilities? As the most direct interest, have the number of employment of them increased? This question is the background of this study, and this article describes that investigation and consid- eration of government statistics about employment of parson with disabilities.
Is the Employment of People with Psychiatric Disabilities Growing? :
Status and Background of Government Statistics
Ritsu Yamamura
精神障害者の就労は増えたのか 96