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(1)

A

=

生 涯 学 習 社 会 に お け る高 等 教 育 機 関 の役 割 と

課 題 に関 す る実 証 的 研 究

学 研 都 市 圏 を 中心と した 生 涯 学 習 シ ス テ ム の構 築 を 目指 して

ADemons t r at i veSt udyont heRol eof Hi gher Educ at i onal I ns t i t ut i ons

Cons i der at i ons f or t heEs t abl i s hment of

Li f el ongLear ni ngSys t ems i nKans ai Sc i enc eCi t y

市 川 良 哉

遠 藤

博 美

東 山 弘 子

高 見

大 町

山 田 隆 敏

荒 川 茂 則

武 久 文 代

高 橋 光 雄

藤 原

田井 康 雄

田 中

田 原 武 彦

Yos hi yaI Cxl xAWA, Takas hi Er mo, Fumi yoTAxExl SA,

Mi t s uoTAKAHAs } 丑, Hi r omi Ts uTs uMI , Hi r okoHI GAs 田YAMA,

Ts uyos hi FbJ [ wARA, Yas uoTAI , Shi ger uTAKAM[ ,

I s aoOMAc HI , RyoTANAKA, Takehi koTAwARA,

Takat os hi YAMADAandShi genor i AxAxAWA

ま え が き

国民 が生 涯 に わ た って学 習 す る機 会 を求 め て い る現 状 に て ら して 、 中 央 教 育 審 議 会 は平 成2

年1月30日 「生 涯 学 習 の基 盤整 備 に つ い て 」 答 申 し、 同年6月29日 に 「生 涯 学 習 の 振 興 の た め

の施 策 の 推 進 体 制 等 の整 備 に 関 す る法 律 」 が施 行され 、 新しい 「大 学 設 置基 準 」( 平 成3 . 7. 1施

行) も そ れ を踏 ま え て い る。 こ う した流 れ の 中 に 、 高 等 教 育機 関 が 地 域 の 人 び と の生 涯 学 習 推

進 に寄 与 す る こ と に強 い 期 待 を寄 せ て い る と ころ に 時 代 の 特 徴 を見 る。 翻 っ て い え ば 、 これ は

高 等教 育機 関 と して の 大 学 は 地 域 社 会 へ 自 らを ど う開放 す るの か 、 どの よ うな貢 献 が 可能 で あ

るの か に か か わ る問題 で あり、 大 学 は 時 代 の要 求 に ど う答 え るの か を問 わ れ て い る の で あ る。

本 研 究 は本 学 が 高 度 先 端 科 学 技 術 集 積 都 市 が 形 成 さ れ つ つ あ る 「関 西 学 術 文 化研 究都 市( 以

下学研都市) 圏 に 位 置 す る と いう立 地 条 件 の 下 で 、地 域レベ ル で の 生 涯 学 習 支 援 シ ス テ ム を構

築 す る際 に担う本 学 の役 割と課 題 を 、総 合 的 に 検 討 す る た め の基 礎 デ ー タを 得 るた め に 調 査 を

多 面 的 に 実 施 す る こ と に 目的 を お い て い る。

この よ うな 目的 に沿 って 、 具 体 的 に は 、( 1) 学研 都 市 圏 住 民 対 象 の ア ソ ケ ート調 査 を実 施し 、

住 民一 般 の 中 で も積 極 的 に 関 心 を示 す 人 た ち の生 涯 学 習需 要 、 つ ま り、 本 学 に対 す る 「教 育 需

(2)

総 合 研 究 所 所 報

要 」 を可 能 な限り絞り込 み 把 握 す る。 そ の た め 、生 涯 学 習 の経 験 や 意 欲 、 大 学 に お け る生 涯 学

習 と地 域 社 会 の 関 係 な ど を問うこ と に した。( I I ) 生涯 学 習機 会 を 提 供 す る際 に可 能 な人 的・物 的

な 学 内 資 源 の 点 検 と、 教 員 の 生 涯 学 習 に つ い て の 意識 調 査 を実 施 す る。 そう して 本 学 独自の 生

涯 学 習 プ ロ グ ラ ムの 研 究 ・開 発 の 着 手 を 目指 す 。( m) 生涯 学 習提 供 主 体 と して 、 他 の高 等 教 育機

関 や 行 政 の 動 向 を調査 し、 今 後 の プ ラ ソニ ソ グの基 礎 資料とす る。 他 の 高 等 教 育 機 関と して 、

国 内 で は 先 発 科 学都 市 に位 置 す る筑 波 大 学 、 生 涯 学 習 プ ロ グ ラム の 研 究 ・開発 に秀 で る早 稲 田

大 学 お よび 昭 和 女 子 大 学 の場 合 に つ い て実 施した ヒヤリソ グ調 査 を 中 心 に考 察 する。また 、 ア

メ リカ の 高 等 教 育 機 関 の 地 域 住 民 に対 す る エ クス テ ソ シ ョソサ ー ビ ス に つ い て も、資 料 収 集 を

通 じて そ の 把 握 に 努 め る。 さ ら に、 行 政 に つ い て は 、主と して 学 研 都 市 圏 を対 象と し、 そ の 生

涯学 習 に 対 す る認 識 と地 域 住 民 に対 す る学 習 機 会 の提 供 の 現 状 把 握 を ねらい と した調 査 を実 施

し、 学 習 の 機 会 提 供 に 関して い か な る連 携 や協 力 関係 の構 築 が 可 能 な の か を総 合 的 に検 討 す る

こ とにした 。

今 日、社 会 が21世紀 に 向け て そ の規 模 と速 さ で大き く変 貌 しつ つ あ る。 「そ の変 化 の波 の 中

で教 育も、新 た な在り方 が 求 め られ」 て 、 生 涯 学 習 体 系 へ と移 行しつ つ あ る。 「生 涯 学 習 に は 、

個 人 の側 か ら と、 社 会 の 側 か らの 二 つ の方 向 か らの要 請 が あ る。 個 人 の 側 か らは 、人 生 を よ り

充 実した もの と し、 可 能 な限り自 己 を実 現しよ う とす る願 望 か ら くる要 請 が あ り、一 方 、社 会

の側 か らは 、 急 速 に変 化 す る社 会 の活 力 の維 持 ・発展 の た め に 、 そ の 成 員 に耐 え ざる知 識 ・技

術 の 収 得 を促 さ なけ れ ば な らな い と い う要 請 が あ る」( 社 会 教育審議会 「生涯学習 とニ ュー メデ ィ

ア〔報告 〕昭和62. 4. 28) 。 こ う した 中 で 、 高 等 教 育 機 関 を 中心と した地 域レベ ル で の 生 涯 学 習

支 援ニシ ス テ ム の構 築 とそ の運 用 に関 す る研 究 は大きな 意 味 を もつ と思 わ れ る◎

調 査 の 結 果 と そ れ に基 づく成 果 に つ い て 、順 序 に 以 下 の三 つ の題目 に分 け て 報 告 す る。( 1)

『奈 良 に おけ る地 域 住 民 の生 涯 学 習 の経 験と意 識 に 関 す る調 査 研 究 』 、( I I ) 『教 員 の生 涯 学 習 に

対 す る意 識 の現 状 と課 題 』 、( m) r 生 涯 学 習 提 供 主 体 の 対応 ① 「国 内 と外 国 の高 等 教 育 機 関 の

場 合 」 、② 「高 等 教 育 機 関 に対 す る生 涯 学 習需 要 に 関 す る調 査一 学 研 都 市 圏 近 隣 の市 町 村 を 中

心 に一 』 。( 市 川 良哉)

1奈 良 にお け る 地域 住 民 の生 涯 学 習 の経 験 と意 識 に 関 す る調査 研究

第1章 調査 研 究 の概 要

1. 調 査 の 目的

今 日、 生 涯 学 習 を求 め る人 々 の ニ ー ズ が広 い範 囲 に わ た って 存 在 す る こと は、これ ま で に実

施 され て きた 各 種 の 社 会 調 査 に よ っ て 明 らか に され て い る。

本 研 究 は、 こ う した 生 涯 学 習 を め ぐ る現 実 を ふ まえ な がら、と りわ け高 等 教 育 機 関 で あ る大

学 が 行う生 涯 学 習 に対して 地 域 社 会 の人 々 が示 す 関 心 や 期 待 の分 析 に調 査 研 究 の焦 点 を お い て

い る。 そ の た め 、 本 研 究 で は、 地 域 社 会 住 民 の学 習 行 動 や 学 習 意 欲 の一 般 的 な実 態 を調 べ るの

で は な く、 地 域 の 住 民 の 中 か ら比 較 的 意識 が 高く大 学 が 提 供 す る レ ヴ ェル の生 涯 学 習 に積 極 的

(3)

市川: 生 涯学習社会における高等教 育機関の役割 と課題 に関する実証的研究

な 関心 を示 す と思 わ れ る層 を 析 出して 、 彼らの学 習経 験 や 学 習 意 識 の 実態を把 握し、 そ の構 造

を解 明する とい う方針 を と った 。 い い か えれ ば 、大 学 に お け る生 涯 学 習 が 将 来 さ らに本 格 的 な

もの へ と発 展して い った場 合 、 そ こ に参 加して くる と予 測 され る地 域 の 住 民 層 は どの よ うな属

性 や学 習 意 識 を も った 人 々 で あり、 また こ う した人 々 が 大学 に期 待 す る生 涯 学 習 の 推 進 は どの

よ うな方 向 や 内実 の もの で あ るの か を 明 らか にする こ とが 本研 究 の 基 本 的 な 目的 で あ る。

2. 調 査 地 域 と調 査 地 点

調 査 に あ た って は 、奈 良大 学 が立 地 す る奈 良 市 内 か ら、( 1) 大学 の 周 辺地 域と( 2) 近鉄 奈 良 線 の

学 園 前 駅 と あや め池 駅 を 中心とす る地 域 、 奈 良 市 を除く県 内 か ら、( 3) 大阪都 市 圏 へ の ベッ ドタ

ウ ソ と して の性 格 の 強 い生 駒 市と( 4) 奈良 の 伝 統 的 な地 域 性 を残 す郡 山市 の計4地 域 を選 び 、 こ

れ らの 各 地 域 に お い て合 計23%t イ ソトの 調 査 地 点 を設 定 した。

3. 調 査 の 方 法 と期 間

調 査 の 実 施 に あ た って は 、 学 生 調 査 員( 奈 良大学 学生) に ふ た り1組 に な って 各 調 査 地 点 を

回 って も ら い、 ラ ソ ダム に選 ん だ 各 戸 を 訪 問し、 調 査 の趣旨を説 明して 、協 力 を依 頼 す る とい

う方 法 を と っ た。 調 査 票 は記 入 後 に 用 意した 封 筒 に入 れ て大 学 宛に投 函してくれ る よ うに依 頼

した 。 これ は 社 会 調 査 の方 法と して は 留 め 置 き法と郵 送 法 の併 用と もい え る もの で あ るが 、 こ

れ に よ って まず 、 調 査 に一 定 の 関心 を 示し、 調 査 票 を受 け取る こ とを承 諾 してくれ る家庭 が抽

出 され 、 さ ら にそ の うち の何 割 か が実 際 に 調 査 票 に 回 答し、大 学 に あ て て投 函してくれ る とい

う プ ロセ ス を と って 地 域 住 民 の な か か ら0定 の 層 が析 出 され て い った とい う こ とが で き る。

調 査 は 、 平 成4年7月27日 か ら29日の3日 間 に わ た って 、 上述 の 方 法 で 調 査 票 を配 布し、 同

年8月8日 を 投 函 の締 め 切り と した 。 調 査 票 の配 布 数 は計23地 点 の そ れ ぞ れ に つ き各100票

( ただ し、2地 点 については200票) つ つ を配 布 した 。 後 述 す る調 査 票 の 回収 率 は学 生調 査 員 の 依

頼 に対して 調 査 票 を 受 け取ってくれ た 数( こ れが各地 点 の配 布数 で合計2500票) を 母 数と した 有

効 回 答 票 の比 率 で あ る。

4. 調 査 票 の 回 収 結 果

調 査 票 の 回 収 結 果 は 、 平 成4年8月31日 現 在 で 表1の よ うに集 約され た。

表1. 調 査 票 の 回収 率

調 査 地 域 調査 票 配布 数 有効 回 答票 数 回収 率( %)

学園前駅 ・あやめ池 駅周辺地域 900

355 39. 4

奈 良大学周辺地域 900 455

50. 6

生駒 市 300 175 58. 3

郡山市

X11

110 27. 5

(4)

総 合 研 究 所 所 報

な お、これ と並 行して奈 良 市 内 の他 の 地 域 で調 査 票200票 を配 布 す る調 査 を別 途 に行 い 、 有

効 票121票を得 た。 本稿 の 以下 の 分 析 で は 、郵 送 に よ る回 収 票1095票 に この121票 を加 えた 計12

16票 を 母 数 と して 集 計 を行 って い る。

( な お 、調 査 票 の 集計と デ ー タ解 析 に あ た って は 、 奈 良大 学 情 報 処 理 セ ソ ター に お い てACO

S430- 70を 利 用し、そ の際 に は 当 セ ソ ター所 員 の各 先 生 方 か ら貴重 な ご教 示と ご指 導 を賜った。)

5. 回 答 者 の 属 性

今 回 、 わ れ わ れ の調 査 に対して 、調 査 票 に回 答してくれ た地 域 住 民 の 属 性 は 以 下 の よ うに 集

計 され た 。

表2- 1. 性 別 表2- 2. 年 齢

実 数 構 成 比( %)

男 性 353 29. 0

女 性 846 69. 6

無 回 答 17 1. 4

合 計 1, 216 100. 0

構 成 比( %)

29歳以 下 96 7. 9

30∼39歳 208 17. 1 40歳 ∼49歳 359 29. 5 50歳 ∼59歳 255 21. 5 60歳 ∼69歳 194 16. 0

70歳以 上 83 …

無 回答 21 1. 7

合計 1, 216 100. 0

表2- 3. 性 別と 年 齢

29歳 以 下 30歳 ∼39歳 40歳 ∼49歳 50歳 ∼59歳 60歳 ∼69歳 70歳 以上

合 計

男性 9. 1 14. 2 15. 1 21. 3 26. 1 14. 2 100. 0

女性 7. 6 18. 7 36. 3 21. 4 12. 1 3. 9 100. 0 ( 単位%)

な お 、 平 均年 齢 は 男 性48. 4歳 、 女 性42. 3歳 と なり、 全 体の 平 均 年 齢は44. 1歳 と なっ た 。

表2- 4. 職 業 表2- 5性 別と 職 業

実 数 構成 比( %)

男 性 女 性

農業 ・林業 5 0. 4

農 業・林 業 1. 1 0. 1

会社 ・工場 ・商店 などに勤務 195 16. 0

会社 ・官 公庁

学校等 の勤務者 55. 4 14. 5

家庭の主婦 542 44. 6 商店などの自営業 64 5. 3

家庭 の主 婦 一 64. 4

官公庁 ・学校 ・団体 などに勤務 70 5. 8

自営業 8. 5 4. 0

教員 52 4. 3

無職 25. 3 10. 7

無職 179 14. 7

その他 87 7. 2 そ の 他 9. 7 6. 3

無回答 22 1. 8 合計 100. 0 100. 0

合計 1216 100. 0

( 単 位%) ( 単 位%)

(5)

市川: 生涯学習社会 における高等教育機関 の役割 と課題 に関す る実証的研究

表2- 6. 学 歴

実 数 構成 比( %)

中 学 ・高 校 を卒 業 511 42. 0

大 学 ・短 期 大 学 ・高 専 を卒 業 582 47. 9

短 大 ・大 学 ・大 学 院 に 在 学 中 71 5. 8

そ の 他 30 2. 5

無 回 答 22 1. 8

合計 1216 100. 0

( 単位%)

な お 、 男 性 で は 大 学 ・短 大 卒 業 の 高 等 学 歴 者が60. 5%と な り、中 学 ・高 校 卒 業 者は31. 3%と な っ た のに 対 し、 女性 で は 高 等 学 歴 者43. 8%、 中 等 学 歴者47. 6%と な っ た 。

第2章 生 涯学 習 の経 験 と 意 欲

1. 学 習 の 方 法 や場 所 か らみ た 生 涯 学 習 の 経 験

今 回 の 調 査結 果 で は 、 回 答 者 の9割 以 上 が既 に何らか の 学 習 を経 験して い るが 、 こ う した学

習経 験 を 学 習 した場 所 や方 法 の 種 類 に つ い て分 析 する と以 下 の よ うな結 果 に な った 。

まず 、 性 別 との ク ロス 集計 は 表3- 1の よ うに な った 。

表3- 1性 別

県 、市町 村、公 民館 な どの主催 す る講座・行事

カ ルチャ ー・セ ソ タ ー や 文化 教 室 など

大 学 な ど の 公 開講 座

会社 など 職場の研修会

サー クル、婦人会、 老人会、PTAな ど の学習活動や講演会

学校以外の 民間の通信教育

図書 館 にい って 調 ぺ もの を した

男性 28. 9 26. 2 12. 5 42. 5 21. 5 20. 7 38. 8

女 性 53. 1 53. 7 11. 2 16. 9 62. 5 29. 7 34. 4

( 単 位%)

これ を み ると、 女 性 の経 験 率 は 、 県 や 市 町 村 等 が主 催 す る講 座 ・行 事 、 民 間 の カ ル チ ャー セ

ソ ター や文 化 教 室 、 サ ー クル や 婦 人 会・老 人 会 等 の学 習 活 動 な どで 高く、 女 性 の 回 答 者 の 過 半

数 が こ う した所 に行 っ た こ とが あ る と答 えて い る。 他 方 、 男 性 で は企 業 等 の職 場 の研 修 会 に参

加した者 の比 率 が高 い。この ほ か 、 民 間 の通 信 教 育 で も女 性 の 経 験 率 が高く、 ま た 図 書 館 を利

用した学 習経 験 や 大 学 な ど の公 開講 座 へ の 参 加 経 験 に つ い て は 男 女 差 が ほ と ん ど み られ な い も

の に な っ て い る。

学 習 経 験 を年 齢 別 にみ た もの が表3- 2で あ る。

表3- 2年 齢

県 、市町 村、公 民館 な どの主催 す る講座・行事

カ ルチャ ー・セ ソ タ ー や 文化 教 室な ど

大 学 な ど の公 開 講 座

会社 な ど 職 場 の研 修 会

サー クル、婦 人会、 老人会、PTAな ど の学習活動 や講 演会

学 校 以外 の 民 間の通 信教 育

図書館 に いって 調 べ もの を した

29歳 以下 17. 7 40. 6 11. 5 26. 0 14. 6 33. 3 51. 0

30歳代 37. 5 50. 0 6. 7 26. 9 53. 4 34. 1 41. 8

40歳代 52. 1 52. 1 10. 9 22. 8 63. 0 27. 6 36. 5

50歳代 49. 4 44. 3 13. 3 27. 8 52. 2 27. 8 30. 2

60歳代 45. 4 36. 6 14. 4 23. 7 38. 7 19. 1 27. 8

70歳 以上 65. 1 38. 6 13. 3 13. 3 53. 0 15. 7 32. 5

平均 年齢 46. 4 43. 1 46. 4 43. 1 44. 6 41. 5 41. 9

(6)

総 合 研 究 所 所 報

経 験 率 が高 か った 学 習 形 態 の うち 、県 や市 町村 等 の 主 催 す る講 座・行 事 に つ い て は 、40歳代

で 経 験 率 が上 昇し、30歳代 と40歳 代 以上との 間 に段 差 が み られ 、 か つ ま た30歳 代と29歳 以 下 の

間 に も大きな格 差 が み られ る。 そ して 、 中 高 年者 の 間 で も と くに70歳 以 上 の年 層 の数 値 が きわ

だ っ て高 い。 これ に対して 、 民 間 の カ ル チ ャー セ ソ ター や 文 化 教 室 な ど で は 、 こ う した 年 齢 と

の関 連 は 明確 で は な い。こ こで は 比較 的若 い 層 で あ る30歳 代 と40歳 代 の経 験 率 が 高く、50歳代

がそ れ らに つ いで い る が、60歳以 上 で は数 値 は いくぶ ん低 下 す る。 サ ー クル や婦 人 会・老 人 会

な ど の地 域 の学 習 活 動 で は30歳 代 か ら経 験 率 が 高くな る が、 と くに40歳代 の経 験 率 が 目立 って

高 い。 大 学 な ど の公 開 講・座 の経 験 率 に は 年 齢 に よ る顕 著 な差 異 は認 め が た い 。 また 、 会 社 等 の

職 場 の研 修 会 に つ い て も同様 で あ る。 学 習 形 態 のうち、29歳 以下 の若 い 層 が よ く経 験して い る

の は民 間 の 通 信教 育 と図 書 館 で の調 べ 物 で あ る。前 者 で は 、20歳 代 と30歳 代 、40歳代 と50歳 代 、

60歳 代 、70歳 以 上 と い う よ うに4つ の 段 階 で 層 別 され る か た ち で数 値 が推 移し、 また 後 者 で は

60歳 代 ま で は年 齢 層 が高 くな るに つ れ て 経験 率 が 低 下 す る が 、70歳以上 で ふ た た び 数 値 が 上 向

い て い る。

次 に、 職 業 別 に み た もの が 表3- 3で あ る。

表3- 3職 業

県 、市 町村 、公 民 館 などの主 催 す る講座・行 事

カ ルチ ャ ー・セ ソターや 文 化教 室など

大学 など の公 開講座

会社 など 職場の研修会

サー クル、婦 人会、 老人会、PTAな ど の学習活動 や講 演会

学校以外の 民間の通信教育

図書館 にい って 調 ぺ もの を した

農 業・林 業 80. 0 0 0 40. 0 40. 0 40. 0 20. 0

会 社 ・官公 庁

・学校 に勤 務 30. 9 36. 0 11. 7 47. 6 27. 1 29. 7 37. 2

家庭の主婦 57. 4 56. 1 9. 6 11. 4 71. 2 30. 1 32. 5

自営業 28. 1 35. 9 6. 3 32. 8 39. 1 20. 3 31. 3

無職 49. 2 40. 2 12. 8 15. 1 40. 8 16. 8 31. 3

そ の 他 34. 5 40. 2 25. 3 31. 0 35. 6 25. 3 64. 4

( 単 位%)

こ こで は 、家 庭 の主 婦 の経 験 率 が 、 地 域 の 学 習 活 動 、 地 方自治 体 等 の講 座 ・行 事 、 民 間 の カ

ル チ ャー セ ソ ター や文 化 教 室 な どで 高 い 数 値 を 示して い る こ とが注目 され る。これ らの 学 習 形

態 で は 、無 職 の経 験 率も高 い が 、 無 職 で は 自治 体 等 が提 供 する公 共 の学 習機 会 に 比 べ る と カ ル

チ ャー セ ソ ター な ど民 間 の 生 涯 学 習 機 会 を利 用した 者 の比 率 は約10ポ イ ソ トほ ど低 い 。 こ の無

職 の 経 験 率 は 民 間 の 通 信 教 育 で も低く、 こ こで は費 用 の 問題 が要 因 に な って い るの で は な い か

と推 測 され る。 他 方 、 企 業 や 団 体 ・学 校 の勤 務 者 は職 場 で の 研修 会 を よ く経 験して い る ほ か 、

民 間 の 通 信 教 育 の 受 講 者 も比 較 的 多 い。 大 学 な ど の公 開講 座 を み る と、 主 婦 の 経 験 率 が低く、

会 社 等 の 勤 務 者 の 数 値 を や や 下 回 て お り、 か つ こ こで は や はり費 用 が 安 い た め か 無 職 の人 の経

験 率 が比 較 的 高 い 。 自営 業 者 に つ い て は 、地 域 の学 習 活 動 の 経 験 率 が 比 較 的 高く、こ う した一

部 の 自営 業 者 層 が地 域 活 動 の担 い手とな って い る とい う一 面 が あ る よ うで あ る。自営 業 者 に は

カ ル チ ャー セ ソ ター の よ うな民 間 の有 料 の学 習機 会 を 利 用 す る者 もか なりい る し、 ま た職 業 上

の研 修 会 に参 加して い る者 や民 間 の通 信 教 育 を 受講 して い る者 も比 較 的 多 い。 図 書 館 の利 用 率

(7)

市川: 生涯学習社会におけ る高等教育機関の役割 と課題 に関する実証的研究

に は 、 「そ の 他 の 職 業( 学 生 を含 む) 」 を 除く と 、 職 業によ る差は ほと ん ど みら れ な い 。 学 歴を みる と 、 表3- 4の よう に なる。

表3- 4学 歴

県、市 町村 、公 民 館 な どの主 催 す る講 座 ・行 事

カ ル チャ ー・セ ソターや 文 化教 室など

大学 など の公 開講座

会社 など 職場の研修会

サー クル、婦 人会、 老人会、PTAな ど の学習活動 や講 演会

学校以外の 民間の通信教育

図書館 に いって 調 べ もの を した

中学 ・高校卒業 49. 5 40. 1 7. 6 20. 7 57. 1 23. 3 24. 9

短大 ・大学卒業 45. 0 51. 2 14. 4 27. 8 45. 9 29. 7 43. 5

短大 ・大学等 に在学中

33. 8 47. 9 16. 9 19. 7 45. 1 35. 2 49. 3

その他 33. 3 33. 3 6. 7 33. 3 40. 0 23. 3 33. 3

( 単 位%)

県 や市 町 村 等 が 主 催 す る講 座・行 事 で は 、 中学 ・高校 卒 業 者 の ほ うが 高 等学 歴 者 よ りも経 験

率 が や や 高 い 。 地 域 の学 習 活 動 で はこ う した差 が さ らに 大 き くな って い る。他 方 、 民 間 の カル

チ ャ ー セ ソ ター や 文 化 教 室 で は 高 等 学 歴 者 の経 験 率 が 中学・高校 卒 業 者よ りも高 い 。 後 者 の 傾

向は 民 間 の通 信 教 育 の 受 講 、 大 学 な どの 公 開 講 座 へ の参 加 、 図書 館 の利 用 、職 場 の 研 修 会 へ の

参 加 で も み られ る。この ほ か 、 民 間 の カル チ ャ ー セ ソ ター や文 化 教 室 、 地 域 の学 習活 動 、 民 間

の通 信 教 育 、 大 学 な どの公 開講 座 、 図 書 館 の 利 用 で は、 短 大 ・大 学 等 に在 学 中 の者 の経 験 率 が

比較 的 高 い 数 値 を示して い る。

2. 学 習 内 容 か らみ た生 涯 学 習 の 経 験 と意 欲

今 回 の調 査 で は 、 同じ学 習 内 容 に つ い て 、経 験 の 有 無 と意 欲 の 有 無 を 質 問 した 。 こ こで は 、

つ ぎ に これ らの 質 問 に対 す る回 答 結 果 の集 計 を 比較 検 討 す る。 そ れ に よっ て 、 学 習 行 動 の 実 態

と学 習 ニ ー ズ の所 在 に つ い て さ らに 明 ら か に して い きた い。

まず 、 性 別 に つ い て み た もの が表3- 5で あ る。

表3- 5性 別

教養を高めたり、 趣味に関するもの

職業や収入を得る のに役立つもの

家庭や日常の生活 のために役立っもの

育児や子供のしつけ 教育に役立つもの

外国語

職業と1濃係ないが、 ポ ラソテ ィアな ど 社 会 に 出 て活動 するのに役立っもの

スポー ツ ・レクリェー シ ョ ソ ・体 力 づ くり

男性

学習経験 あり 60. 9 33. 4 16. 4 5. 1 15. 9 10: 5 28. 6 学習意欲 あり 81. 0 24. 1 23. 2 4. 8 24. 4 21. 8 36. 3

女性

学習経験 あり 74. 2 20. 1 39. 0 38. 4 13. 4 14. 5 42. 0 学習意欲 あり 78. 5 21. 6 35. 9 15. 1 28. 6 28. 0 37. 9

( 単 位%)

学 習 経 験 と学 習 意 欲 の両 方 で 最 も高 い 数 値 を 示して い る の は男 女 と もに教 養 や趣 味 に 関 す る

学 習 で あ るが 、 経 験 率 は女 性 の ほ うが 男 性 よ り もか な り高 い数 値 と な って い る。しかし、 この

種 の 学 習 に対 す る意 欲 を み る と男 女 差 は ほ とん どなく、 男 性 で は 経 験 率 と の落 差 が大きい。

性 差 が 明 確 に認 め られ る もの は 、実 生 活 に か か わ る実 利 的 な学 習 で あ る。 そ の うち職 業 や収

(8)

総 合 研 究 所 所 報

か つ男 性 で は 学 習 の 経 験 が意 欲 を上 回 っ て い る。 他 方 、 家 庭 生 活 や 子 育 て に 関 す る学 習 で は女

性 の経 験 率 が 男 性 の そ れ をは る か に上 回 っ て い る。 た だし、 女 性 の場 合 には 、 これ らの 学 習 の

意欲 が経 験よ りも低 い 数 値 に な る。 そ の うち 、子 育 て に 関 す る学 習 に つ い て は、 加 齢 に よ る経

験 率 の蓄 積 が 考 え られ 、 ま た そ の学 習 意 欲 に つ い て は 女 性 の ライ フサ イ クル との 関 わ りが大き

い もの と推 察 され る。

この ほ か 、 ス ポー ツや 体 力 づ く りの経 験 率 で大きな 男 女 差 が認 め られ る。 た だ し、 これ に対

す る意 欲 の 点 で は ほ と ん ど差 が な く、 こ こで も男 性 の 側 で 大 き な経 験 と意 欲 の落 差 が あ らわ れ

て い る。

さ らに 、 こ う した経 験と意 欲 の落 差 が大きい もの は 、 男 女 と も に外 国 語 と ボ ラ ソテ ィア な ど

社 会 活 動 の た め の学 習 で あ る。と りわ け 、 後 者 の 学 習 ニ ー ズ の存 在 は地 域 社 会 参 加と生涯 学 習

との接 点 を意 味 する もの で あ り、 こ う した学 習 に つ い て経 験 と意 欲 との落 差 が み られ る ことは 、

今 後 の 生 涯 学 習 の課 題 に つ い て示 唆 す る と と もに 、 生 涯 学 習 が社 会 的 な事 業 と して発 展して い

くた め の 方 向 に つ い て示 唆する もの で あ ろ う。

年 齢 と の関 連 は表3- 6の よ うに な った 。

表3- 6年 齢

教養 を高めた り、 趣味 に関す るもの

職業や収入を得る のに役立つもの

家庭や日常の生活 のために役立つもの

育児や子供のしっけ 教育に役立つもの

外 国語

職業とは関係なL・が、 ボラソテ ィア など 社 会 に 出 て 活 動 するのに役立つもの

ス ポー ツ ・レク リェー シ ョソ ・体 力 づ く り

29歳以下

学習経験あり 61. 5 29. 2

・ …

14. 6 19. 8 10. 4 36. 5

学習意欲あり 70. 8 33. 3 31. 3 18. 8 39. 6 15. 6 53. 1

30歳 代

学習経験あり 63. 0 34. 1 34. 1 39. 4 16. 8 10. 6 44. 7

学習意欲あり 79. 8 38. 0 37. 4 28. 4 38. 9 19. 2 43. 8

40歳 代

学習経験あり 71. 4 23. 1 37. 6 43. 7 15. 9 14. 5 43. 7

学習意欲あり 77. 4 24. 8 30. 4 13. 4 34. 5 36. 5 38. 7

50歳 代

学習経験あり 73. 7 20. 0 33. 7 22. 7 12. 5 14. 1

・ …

学習意欲あり 80. 4 15. 7 33. 3 2. 0

・ …

26. 3

・ …

60歳 代

学習経験あり ? 1. 6 19. 6 25. 3 11. 3 9. 3 13. 4 27. 3

学習意欲あり 83. 5 12. 4 26. 8 3. 6 13. 4 22. ? 28. 9

70歳以上

学習経験あり ? 9. 5 15. 7 33. 7 12. 0 8. 4 15. 7 22. 7

学習意欲あり 80. 7 3. 6 31. 3 8. 4 12. 0 19. 3 15. 7

( 単 位%)

教 養 や 趣 味 に 関する学 習 の経験率 は40歳代 で 上 昇し、50歳代 と60歳 代 で 同 様 の数 値 を示し、

70歳 以 上 で さ らに上 昇 する。これ に対して学 習 の 意 欲 は30歳代 か ら高くな り、 そ れ 以 上 の年 層

と29歳 以 下 の年 層 の あ い だ に 段 差 が認 め られ る。した が って 、 学 習 の 経 験 と意 欲 と の落 差 は30

歳 代 で 最も大き くな るが 、 この 落 差 に つ い て は29歳以 下 の年 層 でも約10ポイ ソ トほ ど の数 値 が

示 さ れ て お り、他 の 年 層 との あ い だ に 差 は み られ な い。 経 験 率 に つ いて は、 加 齢 に よ る経 験 の

蓄 積 を考 慮しな け れ ば な らな い が 、 職 業 や 収 入 の た め の学 習 、子 育 て に関 す る学 習 、外 国語 の

(9)

市川: 生涯学習社会におけ る高等教育機関の役割 と課題に関す る実証的研究

学 習 、 お よ び ス ポ ー ツや 体 力 づ く りに つ い て は 比 較 的 若 い年 層 で 経験 率 が高 い。

これ らの うち、 職 業 や 収 入 の た め の学 習 で は29歳以下と30歳 代 の年 層 で と くに経 験 率 が高く、

か つ 学 習 意 欲 も この 年 層 で 高くあ らわ れ て おり、 他 方 高 齢 者 ほ ど学 習 意 欲 も低 い数 値 に な る。

また 、 子 育 て に 関 す る学 習 で は40歳 代と30歳 代 で 経 験 率 が高く、 意欲 は40歳代 、20歳代 、30

歳 代 の順 で 高くな るが 、50歳以 上 で は大 幅 に低 下 す る。 この 学 習 意欲 に つ い て は 、 と くに子 育

て を主 要 な軸と して経 緯 す る女 性 の ラ イ フ サ イ クル との 関 連 で 説 明 で き る もの と思 わ れ る。 学

習 経 験 は既 に大 半 が子 育 て を 終 え て い る と推 定され る50歳 以 上 の 年 層 で 低 下 す るが 、 この こ と

は高 齢 の世 代 で は子 育 て に 関 す る知 識 が 親 族 や 近 隣 の 人 間 関 係 を 通した世 代 間伝 達 の か た ちで

習 得 され 、 い わゆ る学 習 の必 要 は 少 な い か 、 あ る い は学 習 と して 意 識 される こ とが な か った こ

との 結 果 で は ない か と推 察され る。

子 育 て 以 外 の 家 庭 生 活 に関 する学 習 で は29歳以 下 と30歳以上 の 年 層 の 間 に経 験 率 の大きな 差

が認 め られ るが 、 そ れ 以 外 の点 で は ライ フサ イ クル と の 明確 な 関 連 は み られ な い よ うで あ る。

外 国語 の学 習 は 意欲 の 点 でも若 い年 層 ほ ど数 値 が 高くな り、 か つ経 験 と意 欲 の 落 差も若 い年

代 に い くほ ど大きい。この 外 国 語 の学 習 に た い す る意 欲 は50歳 以 上とそ れ 以 下 の 年 層 の間 に大

きな段 差 が み られ 、他 方 経 験 率 は か な り低 い数 値 で 推 移して い る た め 、経 験 と意 欲 との 落 差も

この40歳 代 と50歳 代 の間 で顕 著 な 変 化 を示して い る。

ス ポー ツや 体 力 づ く りで は 、30歳代 と40歳 代 で最も経 験 率 が高く、60歳以上 の 年 層 に な る と

大 き く数 値 が 低 下 す る。これ に対 す る意 欲 は29歳以下 が 最 も高く、 高 齢 に な るに した が って 低

下して いく傾 向 が 認 め られ る。 経 験と意 欲 と の落 差 は 、過 半 数 が やりた い と答 え た29歳以下 で

約17ポイ ソトという高 い 数 値 が あ らわ れ て い る が、 そ れ 以外 の 年 層 で は ほ と ん ど認 め る こ とが

で きな い 。

ボ ラ ソテ ィア な ど社 会 活 動 に参 加 するた め の 学 習 で は 、40歳以 上 の 各 年 層 で そ れ以 下 の 若 い

年 層 に比 較 して経 験 率 が や や 高くな る。 学 習 意 欲 の 点 で は40歳 代 が 最 も高く、50歳代 が これ に

つ い で い るが 、 そ の 間 に は 約10ポ イ ソ トの差 が あり、 意 欲 と経 験 の 落 差 も40歳 代 で 最も顕 著 に

あ らわ れ て い る。50歳代と これ 以 外 の年 層 、 お よび これらの各 年 層 相 互 の 間 には 学 習 意 欲 に つ

い て は比 較 的 小 さ な差しか な い 。 た だし、 意 欲と経 験 の 落 差 は40歳 代 で20ポイ ソトを超 えて い

る ほ か、30歳代 か ら60歳 代 に か け て の 各 年 層 で いず れ も10ポイ ソト前 後 の 数値とな って お り、

この種 の学 習 ニ ー ズ が年 齢 のうえで は か な り広 い範 囲 に分 布して 存 在 す る こ とが 示 され て い る。

(10)

総 合 研 究 所 所 報

表3- 7職 業

教養 を高 めたり、 趣味 に関す るもの

職業や収入を得る のに役立つもの

家庭や 日常の生活 のために役立つもの

育児や子供のしつけ 教育 に役立つ もの

外国語

職業とは関係ないが、 ボ ラソティアなど 社 会 に 出 て活 動 するのに役立っもの

スポーツ ・レクリェー シ ョン ・体 力 づ く り

学習経験あり 80. 0 0

・ …

0 17. 8 0 20. 0

農業 ・林業

学習意欲あり 100. 20. 0 40. 0 0 0 20. 0 40. 0

会社・官公庁 ・学校に勤務

学習経験あり 60. 9 33. 1 34. 1 16. 1 16. 8 11. 4 33. 4

学習意欲あり 77. 9 26. 2 24. 3 7. 9 30. 6 23. 7 40. 4

学習経験あり 76. 0 18. 5 37. 6 44. 6 15. 9 14. 8 45. 0

家庭の主婦

学習意欲あり 79. 7 22. 3 39. 5 16. 4 28. 4 29. 5 37. 5

学習経験あり 56. 3 26. 6 33. 7 12. 5 12. 5 17. 2 42. 2

自営業

学習意欲あり 70. 3 25. 0 21. 9 9. 4 32. 8 25. 0 48. 4

無 職

学習経験あり 74. 3 15. 6 25. 3 11. 2 9. 3 10. 6 25. 7

学習意欲あり i ・ ・ 6. ? 26. 8 6. 1 15. 6 20. ? 27. 9

そ の他

学習経験あり 69. 0 40. 2 33. 7 24. 1 8. 4 14. 9 36. 8

学習意欲あり 72. 4 39. 1 33. 3 16. 1 31. 0 26. 4 40. 2

( 単 位%)

こ こで は 極く少 数 で あ っ た農 業 ・林 業( 実 数 で5名) は 除 外 して 考 察 する と、 まず 、教 養 や

趣 味 に関 す る学 習 で 無 職と家 庭 の 主 婦 の経 験 率 が勤 務 者 や 自営 業 な どの 有 職 者 に 比 べ て は るか

に高 い数 値 に な って い る こ とが 目を ひく。 た だし、 学 習 意 欲 の 点 で は主 婦 と有 職 者 の 間 に そ れ

ほ ど大きな差 は な く、 そ の た め 意欲と経 験 の 落 差 は 有 職 者 の ほ うで よ り顕 著 な か た ち で あ らわ

れ て い る。 これ に対して 無 職 の場 合 に は 、 学 習 の 経 験 率 も高 い が 、意 欲 を もつ 者 の 比 率 は そ れ

をは るか に超 え る極 め て 高 い数 値 に な って おり、 意 欲 と経 験 の落 差も有 職 者 と さ して大きな 差

の な い もの に な って い る。 す で にみ た よ うに今 回 の 回 答者 の な か の無 職 に は高齢 者 が 多 くお り、

先 の 年 齢 別 分 析 の結 果 を あ わ せ て考 え るな らば 、 こ う した無 職 の高 齢 者 層 は収 入 や そ れ を 得 る

機 会 にそ れ ほ ど関 心 を示 さ な い人 々 とい う こ とに な る。 こ う した人 々 は職 業 生 活 を退 い た 後 に

も経 済 的 には 余 裕 の あ る老 後 生 活 を送って い る高 齢 者 層 で あ る と考 え られ る。 あ るい は古 い価

値 観 や 教 育 観 を もつ 高 齢 者 に お い て は 、学 齢 期 以 後 の 学 習 を職 業 や収 入 と結 び つ け て考 え る観

念 が 希 薄 で あ る の か も

、しれ な い。 お そ ら く、 こ う した ふ た つ の側 面 が と もに あ る もの と考 え ら

れ る が、 も し前 者 の側 面 が大きい とす るな らば 、 今日の生 涯 学 習 は実 践 的 に もニ ー ズ の うえ で

も高 齢 者 を主 要 な担 い手 の ひ とつ と して 展 開 され て い る にせ よ 、 そ の実 態 は家 族との 同居 率 の

高 さ が示 す よ うに家 庭 的 に恵 ま れ て おり、 か つ 経 済 生 活 の うえ で も余 裕 の あ る豊 か な老 人 た ち

で あ る と い う こ とに な る。これ 以 外 の 実利 的 な 学 習 の うち、 子 育 て の た め の学 習 で は 、経 験 率

の点 でも学 習 意 欲 の点 で も当然 の こ とな が ら主 婦 で 最も高 い数 値 が あ らわ れ て い るが 、他 方 家

庭 生 活 一 般 に関 する学 習 で は この よ うな 差 異 は 明確 で は な い。 た だ し、有 職 者 で は経 験 率 が学

習 意 欲 を もつ者 の比 率 を上 回 るの に 対して 、 主 婦 と無 職 の場 合 に は この ふ た つ の数 値 の 問 に 差

が ほ と ん ど み られ な い もの に な って い る。

(11)

市川: 生涯学習社会 における高等教育機関 の役割 と課題 に関す る実証的研究

次 に外 国 語 の 学 習 で は、 勤 務 者 と主 婦 の経 験 率 が ほ ぼ 同 様 の 数 値 を示し、 自営 業 や 無 職 よ り

もや や 高 い という結 果 に な って い る。 学 習 意 欲 は有 職 者と主 婦 で ほ ぼ 同 じ程 度 で あり、 無 職 で

は これ らに 比 較 す る と低 い数 値 と な る が、 外 国 語 の学 習 で は 、 無 職 を含 め て ど の職 業 に つ いて

も学 習 の 経 験 と意 欲 の落 差 が か な り明確 に あ ら われ て い る。 こ う した 外 国 語 学 習 を めぐる意 欲

の 高 さや経 験 率 と の落 差 は 、 今 回 の調 査 の サ ソ プル 集 団 の 全体 に つ い て も指 摘 で き る点 で あ り、

今 日の 生 涯 学 習 ニ ー ズの 所 在 につ い て 示 唆 す る もの と い え よ う。

ス ポ ー ツや体 力 づく りをみ る と、 主 婦 と 自営 業 者 の経 験 率 が 高 い が 、 主 婦 で は これ を や って

み た い とい う意 欲 の あ る者 は 経験 者 の 数 を 下 回 るの に対して 、 自営 業者 で は 意 欲 を もつ者 の 比

率 が経 験 率 を さ らに 上 回 って い る。 勤 務 者 で は 意 欲 を もつ者 の 比率 が 自営 業 につ い で高 く、 自

営業 者 と 同様 に経 験と意 欲 との 落 差 が か なり明 確 に あ らわ れ て い る。 先 に み た 年 齢 別 比 較とあ

わ せ て考 え るな らば 、 ス ポ ー ッや体 力 づく りに 対 す る関 心 に は 、レジ ャー と して の要 素と健 康

の維 持 や管 理 と い う要 素 の2つ の側 面 が あり、 さ ら に主 婦 が大 半 をしめ る女 性 の場 合 に は 前者

の要 素 に美 容 と い う 自己 の 身体 に 対 す る も うひ とつ の ま な ざ しが加 味 され る もの と推 察され 、

現 状 に お い て は前 者 の要 素 が 時 間 的 余裕 等 の条 件 と関 連しつ つ 、 よ り行 動 化しや す い動 機 づ け

要 因 と して 作 用して い る の で は な い か と考 え られ る。 高 齢 者 の多 い無 職 で経 験 率 もやりた い と

い う意 欲 も と もに低 い こ とは 、 先 に述 べ た よ うに、 生涯 学 習 に積 極 的 な高 齢 者 層 は 家 庭 的 に も、

経 済 的 に も恵 まれ た境 遇 に あ ると 同時 に 、健 康 や体 力 の 点 で も問 題 の な い人 々 で あ る こ と を示

唆して い る よ うに思 われ る。

ボ ラ ソ テ ィア な ど社 会 活 動 に参 加 するた め の 学 習 で は 、自営 業 の経 験 率 が比 較 的 高く、 主 婦

がそ れ に つ ぎ、 勤 務 者 と無 職 の経 験 率 が ほ ぼ 同じという結 果 と な っ て い る。 学 習 意 欲 の 点 で は

主 婦 で 高 い 数 値 が 出て おり、学 習 の経 験 と意 欲 の 落 差 も主 婦 で 大き くな っ て い るが 、 こ う した

落 差 は 有職 者 や 無 職 で も10ポイ ソトほ ど あ り、 先 の 外 国 語 と と もに サ ソプ ル集 団 の 全 体 に つ い

て もか なり明確 な 数 値 と して認 め られ る もの で あ る。 前 に も述 べ た よ うに 、 この種 の 学 習 ニ ー

ズは 、 生涯 学 習 を 地 域 社 会 参 加 やコ ミュ ニ テ ィ形 成 、 あ る いは 福 祉 社 会 化 や高 齢 化 社 会 へ の対

応 な ど今 日の社 会 的 実 践 課 題 へ と架 橋 す る もの で あ り、 そ の 所 在 が あ らた め て確 認され た こ と

は 今 回 の調 査 の 主 要 な 成 果 の ひ とつ と い え る だ ろ う◎

最 後 に学 歴 別 に 比 較した もの が 表3- 8で あ る。

表 ・. 学 歴

教養 を高 めた り、 趣 味に関す るもの

職業や収入を得る のに役立つもの

家庭 や日常の生活 のために役立っもの

育児や子供のしっけ 教育に役立つもの

外 国語

職業とは関係ないが、 ボラソテ ィアな ど 社会に出て活動する のに役立っ もの

スポー ツ ・レクリェー シ ョ ソ体 力 づ く り

中学 ・高 校 を卒 業

学習経験あり 69. 3 18. 4 34. 6 28. 0 7. s 12. 9 35. 6

学習意欲あり 79. 6 19. 2 35. 0 10. 0 18. 6 25. 6 34. 1

短大 ・大 学 を卒 業

学習経験あり 71. 3 28. 5 1 28. 5 19. 4 13. 6 38. 5

学習意欲あり : 1 24. 2 29. 4 14. 1 34. 0 27. 1 39. 5

短大・大学等 に在学中

学習経験あり 74. 6 21. 1 26. 8 31. 0 15. 5 12. 7 52. 1

学習意欲あり 71. 8 26. 8 32. 4 11. 3 32. 4 22. 5 54. 9

その他

学習経験あり 56. 7 36. 7 40. 0 36. 7 13. 3 13. 3 36. 7

学習意欲あり 56. 7 30. 0 40. 0 13. 3 33. 3 26. 7 20. 0

(12)

総 合 研 究 所 所 報

こ こで は 中学 ・高 校 卒 業 者 と短 大・大 学 卒 業 者との 比 較 に 焦 点 を お い て分 析 を行って いく。

教 養 や趣 味 に 関する学 習 、子 育 て の た め の学 習 、 社 会 活 動 に参 加 するた め の学 習 の3つ の 学

習 に つ い て は 、学 習 の経 験 に つ い て も、 意 欲 に つ い て も学 歴 に よ る差 異 は み られ な い 。 学 歴 と

の 関 連 性 が は っ き り と認 め られ るの は 、職 業 や 収 入 の た め の 学 習と外 国 語 の 学 習 で あ る。 これ

らの 学 習 で は と もに 高学 歴 者 の方 で経 験も意 欲 も高くあ らわ れ て い るが 、学 歴 に よ る格 差 が よ

り顕 著 に み られ るの は外 国 語 の学 習 で あ る。 この 外 国 語 を学 習した い 意欲 は 中 学 ・高 校 卒 業 者

の 間 で もあ る程 度 の 広 がりを 示 して い る。しかし、 中学・高 校 卒 業 者 で は 、 実 際 に学 習 を行 っ

た 者 は 極く少 数 に な る。 高 学 歴 者 の 場 合 に は 、 約20%が 学 習 の経 験 を もつ が 、 意 欲 を もつ者 の

比 率 は さ らに 高 い 数 値 となり、経 験 と意 欲 との 落 差 が大きい。 た だし、 経 験 と意 欲 の落 差 は 中

学 ・高 校 卒 業 者 で もか なり大 き く、 この 意 味 で は 外 国 語 に た い す る学 習 ニー ズ は学 歴 の い か ん

に か かわ らず 、 広く分 布して い る とい え る。 職 業 や 収 入 の た め の 学 習 で は 、 学 習 の経 験 で約10

ポ イ ソ トの 差 が み られ るが 、 学 習 の 意 欲 で は この 差 は5ポ イ ソトと小 さ くな って い る。

こ の ほか 、 家 庭 生 活 に 関 す る学 習 と ス ポー ツや 体 力 づ く りに つ い て も、 学 歴 に よ る格 差 とい

え る もの が認 め られ 、 前 者 で は学 習 の経 験 も意 欲 も と もに 中学 ・高校 卒 業 者 の方 で数 値 が高く、

後 者 で は反 対 に高 等 学 歴 者 の 数 値 が 高 い と い う結 果 が示され て い る。 た だ し、こ う した 点 に つ

い て は、 性 別 や 年 齢 な ど他 の 属 性 変 数 に よ る媒 介 作 用 が あ る もの と考 え られる。

第3章 大 学 にお け る生 涯 学 習 と地 域 社 会

1. 大 学 に希 望 す る生 涯 学 習 の 提 供 形 態

大 学 が 生 涯学 習 機 会 の 提 供 主体とな っ ていくこ と に対して は 、9割 以上 の者 が賛 成して い る。

そ こで 賛 成 した者 に対して は 、 さ らに彼らが大 学 に希 望 す る生 涯 学 習 の形 態 に つ い て 質 問 した。

こ こで は、 こ の質 問 に た いす る回 答 結 果 を 回答 者 の属 性 との 関 連 を分 析 す る角 度 か ら検 討して

み よ う。

まず 、性 別との関 連 は表4- 1の よ うに な った。

表4- 1. 性 別

社会人が大学に入学

し、大学の卒業資格

を 取れ る 制度

社会人が大学の授業を 聞いて単位を取れる制度

社会人のための夜間授業 ・スポーツ敷室

大学を会場にした公開講座 ・スポーツ教室

大学外の会場を利用 した 公開講座 ・スポー ツ教室

夏期大学 のように 一定の期間に集中的

に 行 う公 開 講 座

男 性 14. 6 25. 5 22. 0 59. 6 24. 8 33. 8

女 性 24. 2 28. 7 22. 3 65. 1 19. 9 37. 1

( 単 位%)

男 女 と もに 希 望 す る者 が 最 も多 い の は 、 「大 学 を会 場 に した 公 開講 座 ・ス ポー ッ教 室 」 で あ

り、 「夏 期 大 学 の よ うに 一 定 の 期 間 に集 中 的 に行う公 開 講 座 」 が これ に つぐと い う結 果 に な っ

て い る。 また 、 「大 学 の 単 位 が 取 得 で き る制 度 」 に は男 女 差 が み られ な い が 、 「大 学 の卒 業 資

格 を とれ る制 度 」 に は10ポイ ソトほ どの 男 女 差 が み られ る。これ らの 数 値 は 大 学 で の生 涯 学 習

を実 際 に経 験した者 の比 率 を大 き く上 回 る もので あ る。こ う した 大 学 で の 生 涯 学 習 へ の指 向 性

は 、 まず 時 間 の うえ で も費用 の うえでも比 較 的 小さな コ ストしか 要しな い公 開 講 座 の よ うな も

(13)

市川: 生涯学習社会 における高等教育機関 の役割 と課題に関す る実証的研究

の に向 け られ 、 さ ら にす す む と単 位 や卒 業 資 格 の取 得 を も と め る本 格 的 な学 習 ニ ー ズ に まで 発

展して いくもの と推 察 され 、 か つ こ う した傾 向 は現 状 で は 女 性 に よっ て先 導され て い る もの と

思 わ れ る。

た だ し、 こ こで は 同じ公 開 講 座 ・ス ポー ッ教 室 で も大 学 を 会 場 とす る もの に比 べ る と、 学外

で行 な わ れ る もの にた い して は希 望 す る者 が 少 なく、 「大 学 の 卒 業 資 格 を と れ る制 度 」( 女 性

の場合) や 「単 位 が取 得 で き る制 度 」( 男 女 と も) の 数 値 を さえ 下 回 る とい う点 に 注目 して おく

必 要 が あ るだ ろ う。この こ とは 、大 学 で の生 涯 学 習 に対 する回 答 者 の 関 心 が 既 に 彼らの大 半 が

経 験 がして い る行 政 の講 座 や民 間 の カ ル チ ャー セ ソ ター 等 の レ ヴ ェル を越 え た 内 容 を もと め る

質 的 な 高 さを もつ もの と な っ て い る反 面 に お い て 、 こ う した大 学 に対 す る人 々 の 指 向 性 が多く

は 「大 学 に行って 何 か を学 んで み た い」 と い う意 識 を越え る もの で は な い こ とを 示 唆して い る

よ うに思 わ れ るの で あ る。

次 に 、年 齢との 関連 に つ い て は 表4- 2の よ うに な った 。

表4- 2. 年 齢

社会人が大学に入学 し、大学の卒業資格 を取れる 制度

社会人が大学の授業を 聞いて単位を取れ る制度

社会人のための夜間授業 ・スポーツ教室

大学を会場にした公開講座 ・スポーツ教室

大学外 の会場を利用 した 公開講座 ・スポーッ教室

夏期大学のように 一定の期間に集中的

に 行 う公 開講 座

29歳以 下 25. 3 24. 1 26. 4 58. 6 18. 4 50. 0

30歳 代 29. 0 32. 5 33. 3 65. 5 16. 0 36. 1

40歳 代 23. 7 32. 5 26. 0 71. 0 17. 5 35. 3

50歳 代 16. 5 24. 3 17. 8 65. 2 21. 3 19. 0

60歳 代 16. 6 21. 5 12. 3 54. 6 32. 5 , , ・

70歳以 上 9. 7 19. 4 5. 6 44. 4 30. 6 44. 2

( 単 位%)

「大 学 を会 場 にした 公 開 講 座・ス ポ ー ツ教 室 」 に対 して 、40歳代 で希 望 者 が と くに多く、こ

の年 層 を 中心 に 中 年層 で この 種 の 学 習 ニー ズ が高く現 れ て い る こ とが 目を ひく。 大 学 の単 位 や

卒 業 資 格 が取 得 で き る制 度 で は 、50歳代 で 数 値 が 目立って 低 下し、 そ れ以 上 の年 層 で は 高 齢 に

な る ほ ど希 望 者 が少 な くな る。 高齢 者 の数 値 は 、 奈 良大 学 の 地 理 的 条 件 の た め時 間 的 なコスト

が比 較 的 大 き い夜 間 授 業 等 で も低 下して い る こ と を あ わ せ て 考 え る な らば 、こ う した こ とは加

齢 に と も な う体 力 や 気 力 の低 下 の結 果と も解 す る こ と が で き る。しかし、 高 齢 者 層 が学 外 で の

公 開 講 座 や 夏 期 大 学 な ど に対して は積 極 的 で あ る こ と を み るな らば 、 高 齢 者 には 制 度 や資 格 に

と らわ れ る こ となく学 習した い とす る 内面 的 な欲 求 を も つ人 々 が 多くい る こ とを 示 唆して い る

と も解 釈 で き る。

(14)

総 合 研 究 所 所 報

表4- 3. 職 業

社会人が大学 に入学 し、大学の卒業資格 を取れる制度

社会人が大学の授業を 聞いて単位を取れる制度

社会人のための夜間授業 ・スポー ツ教室

大学を会場にした公開講座 ・スポー ツ教室

大学外の会場を利用 した 公開講座 ・スポーツ教室

夏期大学 のように 一定の期間に集中的

に行 う公 開 講 座

農業 ・林業 25. 0 0 0 75. 0 0 50. 0

会社・官公 庁

・学 校 に勤 務 17. 1 29. 1 27. 4 66. 6 20. 7 36. 1 家庭の主婦 24. 8 28. 6 20. 2 66. 7 19. 8 35. 3 自 営 業 24. 1 15. 5 39. 7 56. 9 29. 3 19. 0 無 職 12. 2 23. 1 12. 2 55. 8 22. 4 40. 8 その 他 31. 2 35. 1 22. 1 51. 9 24. 7 44. 2

( 単 位%)

こ こで は 、 卒 業 資 格 を取 得 で き る制 度 を 希 望 す る者 は主 婦と 自営 業 者 で 多 い こ と、 単位 を 取

得 で き る制 度 を 希 望 す る者 は会 社 や学 校 等 の 勤 務 者 と主 婦 お よび 無 職 で 多 い こ と、 また 自営 業

者 に は夜 間 の授 業 ・ス ポ ー ツ教 室 を 希望 す る者 が 比 較 的 多 い こ とな どが 目に つく点 で あ ろ う。

学歴 に つ い て は 表4- 4の よ うに な った 。

表4- 4. 学 歴

社会人が大学に入学 し、大学の卒業資格 を 取れ る 制度

社会人が大学の授業を 聞いて単位を取れる制度

社会人のための夜間授業 ・スポーツ敦室

大学を会場にした公開講座 ・スポーツ教室

大学外 の会揚を利用 した 公開講座・スポーツ教室

夏期大学のように 一定の期間に集中的

に行 う公 開講 座

中学 ・高校卒業 22. 1 25. 4 19. 2 62. 0 20. 3 29. 8

短大 ・大学卒業 20. 4 29. 4 25. 0 66. 1 22. 9 40. 9

短大・大学等

に在学中 30. 2 33. 3 20. 6 57. 1 11. 1 42. 9 そ の 他 14. 3 21. 4 14. 3 50. 0 25. 0 25. 0

( 単 位%)

中 学・高 校 卒 業 者 と短 大 ・大 学 卒 業 者 の 間 に大きな数 値 の 差 は み られ ない が 、 卒 業 資格を取

得 で き る制 度 を除くと高 等 学 歴 者 の 方 が 全 体 と してよ り積 極 的 な 傾 向 を示 す とい え る よ うで あ

り、 と くに夏 期 大 学 等 に つ い て は そ の 差 が 約10ポ イ ソトと高くな って い る。 短 大 ・大 学 の 卒 業

者 の場 合 に は 、 夏休 み の 集 中 講 義 を受 講した経 験 な どか ら こ う した 学 習 形 態 につ いて 具 体 的 な

イ メー ジを描きや す い の で は な い か と い っ た説 明 も可 能 と思 われ る が、こ う した学 歴 と の 関連

に つ い て は他 の 属 性 要 因 や 変 数 に よ る媒 介 が あ る こ と も考 え られ、さ らに 多様 な側 面 か らの分

析 を ふ まえ て 考 察して いく こ とが必 要と思 わ れ る。

2. 大 学 に 対 す る地 域 社 会 住 民 の 関 心

今 回 の 調 査 で は、 奈 良大 学 が 「地 域 に 開 かれ た大 学 」とな るた め に は どの よ うな こ とが 望 ま

れ る か を質 問 する こ とに よ って 、 回 答 者 が 地 域 社 会 の住 民と して の 立場 か ら大 学 に対して 期 待

し、 求 め て い るニ ー ズに つ い て 探 って み た 。 そ の結 果 は 以 下 の よ うに分 析 され た 。

まず 、性 別との 関 連 は 表4- 5の よ うに な っ た。

(15)

市川: 生涯学習社会 におけ る高等教育機関の役割 と課題に関する実証的研究

表4- 5. 性 別

「生涯学習セソター」 をつ くり、生涯学習に 関す る情報を提供する

音楽会 ・演劇 ・展覧会 ・サークル活動など地域 の人 々も参加で きる 催しや 行 事 を 開く

子 供 の敷育や 家 庭 の問題 などで悩み を かかえている人のために 相談室を 設ける

地 域の 伝統 的 な 文化( 財) の 保 存 に 貢献 す る

体育館 やグラ ウソドな どの施設 を利用して、 地域 の人々のスポー ツ 活動

や体 力づ くりを指 導す る

そ の他

「地域に開かれた大学」 とい う理念に反対だ

男性 52. 4 45. 6 12. 2 34. s 31. 2 3. 1 o. s 女性 49. 6 50. 8 16. 8 29. 1 28. 3 2. 0 0. 5

( 単 位%)

男 女 と も に、 「生 涯 学 習 に関 する情 報 の 提 供 」 と 「地 域 の 人 々 も参 加 できる催しや 行 事 」 と

い う回 答 が多 く、 これ ら につ い で 「地 域 の 伝 統 的 な 文 化( 財) の 保 存 に 貢献 」と 「体 育 館 や グ

ラ ウ ソドを利 用した ス ポ ー ッ や体 力 づく りの 指 導 」 が多 い。 ま た 、 「子 供 の教 育 や 家 庭 問 題 の

た め の相 談 室 」 につ いて も男 女 間 に大きな違 い は み られ な い。 た だし、 「地 域 に開 かれ た催し

や行 事」と 「子 供 の 教 育 や 家 庭 問 題 の相 談 室 」 で は 、女 性 の方 で 数 値 が や や 高 い。 反 対 に、 男

性 の方 で数 値 が 高 い もの は 「地 域 の 伝 統 的 な文 化( 財) の 保 存 」 で あ る。

年 齢 に つ い て は 表4- 6の よ うに な った 。

表4- 6. 年 齢

「生涯学習センター」 をっくり、生涯学習に 関する情報を提供する

音楽会 ・演劇 ・艮覧会 ・サークル活動など地域 の人々 も参 加でき る 催しや 行 事 を 開く

子 供 の 教 育 や 家 庭 の問 題な どで悩 みを かかえている人のために 相談室を設ける

地域 の伝統的 な 文化( 財) の 保 存

に 貢献す る

体育館や グラウソ ドな ど

の施 設 を利用して、 地域の人 々の スポーツ 活動や体力づ くりを指 導す

そ の 他

「地域に開かれた大学」 という理念に反対だ

29歳以 下 36. 5 f i 3. 5 19. 8 Zs . 4 45. 8 1. 0 2. 1

30歳 代 44. 7 63. 0 16. 8 22. 6 41. 3 4. 8 0. 5

40歳 代 55. 7 54. 9 11. 7 32. 9 28. 4 2. 2 0. 3

50歳 代 51. 8 40. 4 12. 5 32. 5 22. 0 2. 4 0. 4

60歳 代 52. 1 35. 1 l s . s 36. 6 26. 3 1. 5 0. 5

70歳以 上 50. 6 34. 9 24. 1 27. 7 12. 0 0 0

( 単 位%)

若 い 年 層 で は 「地 域 に開 かれ た催 しや 行 事 」と 「ス ポ ー ツや体 力 づく りの指 導 」 が 多 い の に

対して 、 年 配 者 に は 「生 涯 学 習 情 報 の提 供 」 が 多 い傾 向 が み られ る。 ま た、 「地 域 の伝 統 的 な

文 化( 財) の 保 存 」という回 答 は40歳代 か ら60歳代 に か け て 多 い。さ らに 興 味 深 い こ と は、

「子 供 の 教 育 や 家 庭 問 題 の 相 談 室 」 の数 値 が 若 い層 と高 齢 者 層 で 高くな る こ とで あ る。 こ の こ

とは 、大 学 の地 域 に 開 か れ た 相 談 室 機 能 が 育児 や 小 さ な子 供 の教 育 の 問 題 と高 齢 者 問 題 と い う

2つ の ベ ク トル が 交錯 す るか た ちで 地 域 の ニ ー ズ と して 浮 か び上 が って きて い る こ と を意 味 す

る もの と解 せ よ う。と りわ け 、 後 者 の 問 題 は 当 事 者 た る高 齢 者 が 自 らの 問 題 と して 自覚 す る か

た ち で援 助 を大 学 に対 して 求 め て い る こ と に なり、 生 涯 学 習 と と もに地 域 開 放 という点 で も大

学 に高 齢 化 社 会 へ の対 応 を期 待 す る社 会 の ま な ざ しが ほ の 見 えて い るか の よ うで あ る。

(16)

総 合 研 究 所 所 報

表4- 7. 職 業

「生涯学習セソター」 をっ くり、生涯学習に 関する情報を提供す る

音楽会 ・演劇 ・展覧会 ・サークル活動など地域 の人 々も参加で きる 催しや 行 事 を 開く

子供の教 育や家 庭 の問題などで悩みを かかえている人のために 相 談 室 を設 け る

地 域の伝 統的 な 文 化( 財) の 保存

に貢献 す る

体育 館や グど ラ ウソ ドな の緬設 を利 用 して、 地域 の人々の スポーツ 活動

や体力づ くりを指 導す る

そ の 他

「地域に開かれた大学」 という理念に反対 だ

農業 ・林業 60. 0 40. 0 20. 0 20. 0 40. 0 0 0

会社・官公 庁

・学校等に勤務 55. 5 50. 5 14. 8 33. 4 33. 8

3. 5 o. s

家庭の主婦 50. 2 53. 1 14. 4 27. 5 29. 0 1. 8 0 自 営 業 37. 4 45. 3 15. 6 31. 3 35. 9 0 1. 6

無 職 51. 4 38. 0 19. 6 35. 2 20. 7 0. 6 0 そ の 他 41. 4 49. 4 13. 8 33. 3 26. 4 6. 9 3. 4

( 単 位%)

こ こで は、 大 学 の相 談 室 機 能 に対 す る期 待 が高 齢 者 の多 い無 職 で相 対 的 に 高 い数 値 を と る こ

とが 、 先 に述 べ た こ と と の関 連 で 興 味 を ひく。 これ 以 外 に は職 業との 関連 で と くに指 摘 で き る

こ と は な い よ うで あ る。

最 後 に 、学 歴との 関連 は表4- 8の よ うに な っ た。

表4- 8. 学 歴

「生涯学習セ ソター」 をっくり、生涯学習に 関する情報を提供する

音楽会 ・演劇 ・展覧会 ・サークル活動など地域 の人々 も参 加で きる 催 し や行 事を 開 く

子 供 の 教 育 や 家 庭 の問題な どで 悩み を かかえている人のために 相 談室を 設ける

地域 の伝統的 な 文化( 財) の 保 存

に貢献す る

体育館や グラウ ソドな どの施 設 を利用して、 地域

の人 々のスポー ッ 活動や体 力づ くりを指 導す る

そ の他

「地域に闘かれた大学」 とい う理念に反対だ

中学 ・高校卒業 50. 7 46. 2 14. 7 28. 0 27. 4 1. 4 0. 6

短大 ・大学卒業 53. 4 52. 4 16. 7 33. 2 29. 6 3. 1 0. 2

短大 ・大学等 に在学中

33. 8 52. 1 12. 7 33. 8 36. 6 2. 8 2. 8 そ の 他 36. 7 40. 0 13. 3 20. 0 33. 3 0 0

( 単 位%)

中学 ・高 校 卒 業 者と短 大 ・大 学 卒 業 者 の 間 に と くに顕 著 な相 異 は認 め が た い が 、 全体と して

高 等 学 歴 者 の方 が大 学 の地 域 開放に対 す る期 待 や 関心 が高 い とい え る よ うで あ る。

第4章 生 涯 学 習 の現 状 と 展望

1. 生 涯学 習 の 実 態

今 回 の調 査 票 で 複 数 回 答 を も とめ た各 問 に つ い て は、 集 計 の 際 に 回 答 の 合計 数 を カ ウ ソ トし、

そ れ ぞ れ 変 数 と して 設 定した。 こ こで は 、 前 章 まで の 分 析 結 果 をふ ま え な が ら、 こ れ らの構 成

変 数 に つ いて 検 討し、 今日の生 涯 学 習 の 実 態 につ い て 考 察して み よ う。

これらの変 数 の平 均 値 を算 出する と次 の 表5- 1の よ うに な っ た。

(17)

市川: 生 涯学習社会における高等教育機関の役割 と課題に関す る実証的研究

表5- 1. 平 均数

( ∠ O J F D ( ∠ Q

G

G

G

H

G

学 習 したこ と の 数( 場 所 や 方 法)

学 習 したこ と の 数( 学 習 の 内 容)

学 習し た いこ と の 数

大 学で 希 望 する 生 涯 学 習 の 数

地 域に 開 か れた 大 学に 期 待 する こ と の 数

平 均 値

2. 4836

2. 2344

2. 3808

1. 9432

1. 7558

標 準 偏 差

1. 5507

1. 4002

1. 2794

1. 0929

1. 1584

次 に これ らの変 数 が 相 互 に ど の よ うに関 連して い るか を明 らか にす る た め、ピア ソ ソの積 率

相 関 係 数 を算 出 した と こ ろ、 表5- 2の よ うな相 関 マト リク スが 得られ た。

表5- 2. 相 関 マ トリ クス

GZG3G5H2G9

G

G

G

H

G

1. 00000. 7187**0. 3597**0. 2559**0. 1492**

0. 7187**1. 00000. 4404**0. 3142**0. 1891**

0. 3597**0. 4404**1. 00000. 3142*0. 3160**

0. 2559**0. 2461**0. 3142**1. 00000. 2849**

0. 1492**0. 1891**0. 31600. 2849**1. 0000

**0. 1%水 準 で 有 意

こ こで は 、 いず れ の 変 数 間 に も有 意 の プ ラス の 相 関 関 係 が認 め られ る が 、 と りわ け 、学 習経

験 数 で あ るG2とG3の 間 の 相 関 係 数 が 高 い数 値 を と る。この こ とは次 の よ うな こ とを 意 味 す

る もの と解 釈され る。 す なわ ち、 い ろ い ろ な学 習 の場 所 や 方 法 を利 用 する人 は 、 そ れ に よ って

さ ま ざ ま な異 な っ た 内 容 の 学 習 を行う傾 向 が あ るの で あ って 、 ひ とつ の学 習 関心 を充 た す た め

に複 数 の さ ま ざま な学 習 機 会 が 利 用され る こ とは あ まりない 。 こ の こと は、 人 々 の学 習 ニ ー ズ

が そ の 内 容 の点 で は いくぶ ん 不 定 形 で あ り、 そ れ らが具 体 的 な学 習 活 動 と して表 出化され るに

あ た って は、 可 能 な学 習機 会 が そ の 方 向や 内 実 を規 定して い る と い う側 面 がや や あ る こ とを推

測 させ る。 い いか え れ ば 、 不 定 形 な 学 習 意 欲 が潜 在 的 な欲 求 と して 人 々 の あ い だで た か ま って

きて おり、 そ れ に よ っ て学 習 の機 会 が 学 習 の 内 容 に先 行 し、 前 者 が後 者 を決 定して い る とい う

側 面 が か な り大 き い よ うに思 わ れ るの で あ る。

さ らに この 相 関 分 析 の結 果 か ら指 摘 で き る も うひ と つ の点 は 、 学 習 関 心 の 広 さ を あ らわすG

5が 、G2やG3な ど学 習 経 験 数とか なり高 い プ ラ スの 相 関性 を 示し、 か つ この 変 数 は大 学 に

希 望 す る生 涯 学 習 形 態 の 数( H2) と 大 学 の地 域 開 放 に 関 する期 待 の数( G9) と も同じ程 度

の相 関性 を示 す一 方 、G2お よ びG3とH2お よびG9の 間 に は よ り小 さな 相 関 関 係しか な い

こ とで あ る。この こ とは 学 習 関 心 の広さが学 習 意 欲 の 拡 散 を意 味 す るの で は なく、 そ の 質 的 な

深さに か か わ る要 因 性 を も っ た変 数 で あ る こ とを 示 唆して い る よ うに も解され るが 、 同 時 に こ

(18)

総 合 研 究 所 所 報

G2

↓ ↑ →G5→

G3

( 学 習の 経 験) ( 学 習の 意 欲と 関 心)

H2

! 1

G9

( 大 学 の生 涯 学 習 や地 域 開 放 に た い す る期 待 と関 心)

こ う した プ ロセ ス が存 在 す るな らば 、 今 日の 生 涯 学 習 には 意 識され た学 習 関 心 や意 欲よ りも

学 習 の機 会 が先 行し、 そ れ に応じ るか た ち で 何 らか の 動 機 づ け に よ る学 習 行 動 が発 現し、 そ れ

らが さ ま ざ ま な要 因 に よ り強 化 され る こ とに よ って 、 さ ら に あ らた な学 習 動 機 を形 成して いく

と い う側 面 が あ る こと に な る。 い い か え れ ば 、 まず 学 習 経 験 が先 立 ち、 そ れ が学 習 意欲 を刺 激

し、 新 た な学 習 へ と進 展して いくという経 験 の 蓄 積 と意 欲 や 関 心 の拡 大 深 化 の相 互 媒 介 の パ タ

ソが 今 日の生 涯 学 習 の実 態とい う こ とに な る。

2. ま とめ に か え て

今 回 、調 査 票 に 回 答してくれ た サ ソ プル 集 団 は、 わ れ わ れ の 当初 か らの 意 図 に そうもの で あ

り、 地域 住 民 の 中 で は 比 較 的 豊 富 な学 習 経 験 を もち、 学 習 意 欲 や学 習 意識も高 い 層 で あ っ た。

奈 良 新 聞 の3月1日 付 朝 刊 に報 道 され た記 事 か ら引 用 する と、 「彼 らの92. 5%が 何らか の 学 習

活 動 に 取り組 ん で おり、 ま た 『生 涯 学 習 で 最も大 切 な こ とは』との 質 問 で は 『人 生 の意 味 や生

きが い を見 つ け る こ と』 が32. 9%と 一 番 高 」く、 さ ら に 「過 半 数 の人( 57. 9%) が 人 生 に の い

き方 にか か わ る大 切 な事 を見 い だ した い、とい う考 え を 生 涯 学 習 の目標 と して い る。 」

しか し、 今日の 生 涯 学 習 に は前 節 で み た よ うな一 面 が 実 態 と して あ り、 また 調 査 結 果 の属 性

分 析 が 明 らか に した よ うに 、学 習 者 の大きな部 分 は 時 間 的 に も経 済 的 に も十 分 な余 裕 を も った

主 婦 と高 齢 者 に よ ってしめ られ て い る。 そして 、 こ う した こ と は従 来 か ら繰り返し指 摘され て

きた点 で あ る。

今日、 生 涯学 習 に 関す る 多様 な言 説 と理 論 が さま ざま な立 場 の論 者 に よ って提 示され て い る。

ま た 、 国 の教 育 改革も生 涯 学 習 化 を 重 要 な 主 眼 にす えて い る。こ う した背 景 の も とで 、21世紀

の社 会 は生 涯 学 習社 会 で あ る と まで い わ れ て い る。

大 学もま た例 外 で は な い 。 こ こで は 、18歳人 口の 大 幅 な減 少とい う 『冬 の 時代 』 に お け る単

な る生 き残り戦 略 を越えた 発 想 の 転 換 が必 要 で あ る。 す な わ ち 、大 学 が これ まで の 教 育 と研 究

の営 為 の蓄 積 を ふ ま え ながら、 生 涯 学 習 の課 題 に ア カ デ ミズ ムの視 点 を 堅 持しつ つ 取り組 んで

行くこ とに成 功 す る な らば、 大 学 は生 涯 学 習 社 会 の構 築 の う えで 大 きな 役 割 を 果 た す だ け で な

く、 逆 に生 涯 学 習 は 大 学 に とっ て そ の 自己組 織 的 な 発 展 の た め の 有 効 な契 機 と な って い くよ う

に思 われ る。

今 回 の調 査 は、こ う した大 学 の生 涯 学 習 へ の 取 り組 み が 地 域 社 会 の人 々 に よ って 広く支 持さ

れ て い る こ と を 明 らか に す る もの で あ った。 そ の具 体 的 な 指 針 に つ いて は、 先 に触 れ た人 々 の

生 涯 学 習 観 や 学 習 を め ぐ る 目標 意識 な どの 価値 観 や 心 性 の 分 析 を視 野 に含 めた 多 面 的 な角 度 か

らの考 察 が必 要とな るが 、 この課 題 に つ い て は 稿 を 改 め て 取り組 んで 行く こと に した い。

( 荒川茂則、 田原武彦)

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