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揺れ易さマ ップの作成 と地震災害 リスクマネジメン ト

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揺れ易さマ ップの作成 と地震災害 リスクマネジメン ト

Pr epar i ngofSi t eAmpl i 魚Cat i onMapandRi s kManagementf or Ear t hquakeDi s as t e r

荏 本 孝 久

関 東 学 院 大 学 経 済 学 会 研 究 論 集

『経 済系

』第

2 4 2 集 2 0 1 0 年 1月抜 刷

995

(2)

関東学院大学 『経済系』第

2 4 2

( 2 01 0

1 月) 特別寄稿論文

揺れ易さマップの作成 と地震災害 リスクマネジメント

Pr epar i ngofSi t eAmpl i f icat i onM apandRi s kM anagementf or Ear t hquakeDi s as t er

荏 本 孝 久

Ta k a hi s aEno mo t o

l. はじめに

2. サイスミック ・マイクロゾーニング

3. 地盤区分 と増幅率評価によるデジタルマップの作成

4. 揺れ易さマップの作成 5. ハザー ドマップの作成

6. まとめ

キ‑ワー ド 地形 ・地質,地盤震動特性,サイス ミック ・マイクロゾーニング,地盤増幅率,デジ タルマップ,地震災害,リスクマネジメント

1. は じめに

我が国 は 自然災害の多発 国であ る。歴史的 に も 古 くか ら地震災害,台風災害,土砂 災害,火 山災 害 を始 め と して様 々な地変,気象現象 に伴 う自然 災害が発生 し,多大 な人的 ・物 的損失 が繰 り返 さ れている。近年の関東地方 における大災害 は

1 9 2 3

年 関東大震災であ り,関西地方のそれは

1 9 9 5

年阪 神 ・淡路大震災である といわれ る。 いずれの地震

災害 において も地盤 と地震災害 には強 い相 関関係 が指摘 されている。最近で は,地球規模 あるいは 太陽系規模 で災害の誘 因 となる自然現象 の解明 に 至 るアプローチが進め られている。 しか しなが ら,

なかなか 目に見 えて 自然災害が減少す る とい う傾 向は認 め られていない。 む しろ,都市化 ,情報化, 人口集 中,高齢化 な ど社会的 な構造 の変化 に伴 っ て, 自然災害の様相 も変化 して きてい る と考 え ら れている。例 えば,地震災害 に限って考 えてみて

ち,災害 は地形 ・地質や地盤 な どの地域 の 自然環 境や人口 ・産業構造 ・施設 な ど社 会環境 の両者 を 含 めた 「地域特性」 と自然現象 の時間的 ・空 間的 な変化 として 「地震規模」 との相互 の関わ り合 い によ り地震災害 の規模 が変化す る と考 え られてい る。 したが って,地震災害 を現象 させ るため には

「地震現象」の解 明 と同時 に 「地域特性」の詳細 な 分析 が必要不可欠 であ る。現在, この ような考 え 方 は 自治体が 中心 となって実施 され る地震災害 に 関す る 「被 害想定調査」 と 「地域危 険度調査」 に 用 い られ, それぞれ地震災害対策 に反映 されてい

る。 因みに前者 は地震発生後の応急 ・復 旧対策 に, 後者 は地震発 生前 の予 防対策 に活用 され るケース

が多 い

。1 9 7 0

年頃 よ り東京都が 中心 となって先導 的 に調査 が進め られて きた。

地域 の地震防災 を考 える上で,基本 的に重要 と なる情報 は,将来 その発生が予想 され る地震 の想 定 と,その地震 による被害規模 の予測 である。 す

なわち,被 害想定調査 である。現在多 くの 自治体 において被害想定調査 が行 われ

,1 9 9 5

年阪神 ・淡 路大震災以降, この種 の調査 が増加 し細密化す る 傾 向 にある。 これ まで に実施 されて きた被 害想 定 調査 の流 れ を まとめ る と図 1に示す ようになる。

図中には,被害想定調査 の流れの中で,地域危険度 調査 あるいはサ イス ミック ・マ イクロゾーニ ング

( se i s mi cMi c r o ‑ z o ni ng)

と言 われる,比較 的広 い 意味 での地震被 害 の危 険度評価手法 の位置づ け も 示 してあるO 図に示 したように地域危険度調査 は,

レベル

Aで示 される地形 ・地質や地盤構造 な どの 地域 の 自然 的要 因か ら,主 に対象地域 の地盤の震

9 9 7

(3)

揺れ易さマップの作成と地震災害リスクマネジメント

サイスミックマイクロゾーニングの手法 と利用

防災対策 ・防災計雷

・対応レベル 払)地域・金製レベルの計酉 恥)市町村レベルの計萄

(C)都府県 レベルの計画 (a)囲レベルの計画

・格互支壌システ

地温災専艇波プログラム

手法

利用

1 サイスミック ・マイクロゾーニングの考え方

動特性 によって決 まるマ イクロゾーニ ングが可能 であ り,同様 に レベル

B

で示 される社会的要因 に

よって決 まる諸施設の耐震性 能 と分布状況,分布 密度 な どに基づ いて対象施設 の相対 的な被災危 険 度 の評価 との重 ね合 わせ によ り検討す る ことがで きる。す なわち, この両者のデータに よ り地域危 険度の評価 が可 能 となる。 さ らに,被害想定調査 では想定地震 を設定 し,入力地震動 の特性 を評価 した上で構造物 の被害 関数 を導入 して被害分布 と 被害量 を算定す るこ とになる。現在 , この ような 方法で算定 された被害想定調査項 目毎 の被害分布

と被害量 か ら,地域 防災計画が策定 され,地震災 害軽減のための各種 の活動 や組織づ くりが行 われ

ている。

地震災害 も含 めて よ り広義 の 自然災害 に対 す る

998

地域の被災危険度 (ポテ ンシャル)に関する何等 か の危 険度評価 は,水 害や土砂崩れの発生箇所 ある いは死者の多発地区な どによ り,か な り古 い時代 か らの記録や言伝 えな どの形で特定化 されて きた。

しか し,大地震の地震災害 に関す る特定地域 内 に おける被災危険度 の評価 は,地震 の再来期 間が長 い こともあって, 人工 的な改変 による市街地の変 遷や,諸施設 の集積 な どによる急激 な変化 を伴 う 場合 には, なかなか的確 には特定 しに くい。先駆

的な地震災害 の危険度調査 には,1968年 に実施 さ れた横浜市 の 「危険エ ネルギー」 調査があるO被 害想定調査 によって,被害 の定量化 を実施 しよう

とす る試みが始 まる以前 に実施 された大変卓抜 し た調査 であった

現在 ,有用 な地域危険度評価 は,災害 に対す る 地域の危険度 ポテ ンシャルを数億 的な億 に変換 し, 相対 的な評価 を行 って危険地域の割 り出 しを行 い,

その地域 を特定化す るこ とによって,地域 的な地 震 防災対策 として予 防対策 の方針 を決 めてい くこ

とを主 な目的 としている。 したが って,特 に地震 災害 の地域危険度 の評価 を考 えた場合 には,地域 特性 の抽出 と地域特性 を評価す る地域 の最小単位

に大 きく依存 す ることになる。す なわち, この場 合 には 「自然環境」 として主 に地盤特性か ら期待 される地震動 の強 さの分布 (地盤 の性 質 による地 域特性) と 「社会環境」 として建物等 の諸施設 の 分布状態 (分布密度 による地域特性) か ら検討 さ

れる場合が多 く,地域 の最小単位 としては町丁単 位 あるいは適当 なメ ッシュ単位 を選択す ることに

なる。 また,必然 的 に地域危険度調査 の結果 は相 対的 に評価 され るだけで,被害想定調査 の ように 被害総量 を量 的 に算定す るこ とはで きない。

いずれに して も,地震災害危険度評価 は人 口集 中の著 しい大都市域 を対象 とした地震防災 として, その重要性 は増 して きている。 その際 に地盤 と地 震災害の関連性 を十分 に考慮 した検討が重要で あ

る と言 える。

本論 では,現在進めている研究 プロジェク トの 目的 と概要について説明するとともに,神奈川 県を 対象 として実施 した効率 的かつ詳細 なデ ジタル地

盤 区分 図 と地盤増幅率 図の作成方法 と作成結果 に

(4)

済 系 242

ついて述べ る。 また, これ らのデ ジタルマ ップを 利用 した "揺 れ易 さマ ップ"と "ハザ ー ドマ ップ '

の作成 を紹介 し, これ らの地震災害の危険度 の評 価結果 を用 いた地震災害 リス クマネジメ ン トにつ

いて触れてみ たい と思 う。

2. サイスミック ・マイクロゾーニング

上述 したサ イス ミック ・マ イクロゾーニ ングに つい ての考 え方 は,1970年代 頃か ら主 に国際サ

イス ミックゾーニ ング会議 (ICSZ:International conferenceonSeismicZonation)や世界地震工学 会議 (WCEE:WorldConferenceonEarthquake Engineering)な どの国際会議 をとお して,世界各

国の事情 を反映 した形 で検討が なされて きた経緯 がある。 したが って,国や地域 な ど対象地域 の大

きさ,内容,手法や レベルは異 なる ものがあるが, それ らの最終的な 目的や考 え方 は地震災害 の軽減

に寄与す ることで大局 的 には類似 してい る。す な わち,大地震の発生 による構造物の一次被害は,地 震の性質,震源 か ら被害地域 までの地質構造 ,被 害地域 の地盤 の性質,被害主体であ る構造物の条 件 な どの関数 で表現で き, これ らの要素 を結 びつ けているのが地盤特性 に関連 した地震動 とい うパ ラメー タであ る と考 えている

したが って,サ イス ミック ・マイクロゾーニ ン グを実施す る手順 は以下 の ようになる。

①震源位置 と発 震機構 の検討 1

②地震動伝播経路 の地質構 造の検討 J.

③ マ イクロゾーニ ングを行 う地域の地盤 の検討 J

④地盤特性 による地域 区分 についての地震工学的 評価

J

⑤地域区分 された地域 に分布す る構造物の被害予測 理論的には,以上の ような作業手順 になるが,特 定 の地震 を想定す ると震源 の特性が比較的強 く反 映 された形 のサ イス ミック ・マ イクロゾーニ ング

になる場合があ り,前述 の被害想定調査 と同様 に なる。 この ような特定の地震 の影響 を排除 したサ イス ミック ・マイクロゾーニ ングを実施す る場合 には,比較 的遠 くの大地震 を想定 してサ イス ミッ ク ・マイクロゾーニ ングの検討 を実施す るケース が多 い。 その ような想定地震 としては, どれ に も 共通 に使用 で きる地震特性 を もつ地震 を考 えなけ れ ばな らない。 そのため,一般 に考 え られ る方法

は地盤特性 についてのみ評価 す る方法 で,地盤危 険度 とい う表現 を使用 している。取 り上 げ られる 項 目は,地盤の震動特性,液状化現象の可能性,そ れに斜面崩壊 の可能性 な どである。 す なわ ち,地 盤危険度 のみか ら基本 的 なサ イス ミック ・マ イク

ロゾーニ ングを行お うとする一つの考 え方であるO 最近では,1991年,1995年,2000年 に第 4軌 第 5回お よび第 6回の国際サ イス ミック ・ゾネー

シ ョン会議 が米 国 カ リフォルニア州ス タンフォー ド,フランスのニース と米国カリフォルニア州パ ー ムスプリングスで開催 された。 また,1984年か ら

2008年 に も4年毎 に世界地震工学会議が米国, 日 本,スペ イン,メキシコ,ニュージーラン ド,カナ

ダお よび中国で開催 され,年々サイス ミック ・マ イ クゾーニ ングに関す る研 究や事例 の報告が増加 し てお り,その重要性が世界的 に も益 々高 ま りつつ ある。特 に,1995年第 5回国際サ イス ミック ・ゾ

ネーシ ョン会議 では,行政機 関が地震災害 防止や 軽減 を目的 とした防災対 策 を実施す る上での基本

的な情報 として,またツール としてサ イス ミック . マ イクロゾーニ ングの重要性 を指摘す る声が大変 高 くな り,それ以降各 国の調査 ・研 究活動が活発 化 した。 また,20世紀最後 の 10年 間に後進 国の

自然災害 を軽減す る目的で, 国際連合が提唱 した

「国際防災の 10年 (IDNDR:InternationalDecade forNaturalDisasterReduction)」 が 1990年か ら 始 まった。1992年 に IDNDR に関す る国際会議が 横 浜市 で開催 され,世界各国か ら政府代 表団が参 加 し, 自然災害の防止 と軽減 に関す る各国の取 り 組 み と防災対策 の技術 や方法 に関す る討議 が行 わ

れた。 この席上 に置いて もマ イクロゾーニ ングの 重要性が強調 された。 これ らの こ とか ら,サ イス ミック ・マイクロゾーニ ングの取 り組 みは,世界

999

(5)

揺れ易さマップの作成と地震災害 リスクマネジメン ト

的な趨勢 であ ることは間違 いない事実であ り, そ の背景 には情報 ・通信技術 の進歩 によ り,地震災 害 を含 む 自然災害 に関す る情報が世界的規模 で共 有 され る ようになったこと,飛行機 を用 いた航空 測量や人工衛星 を利用 した リモー トセ ンシ ング技 術が普及 し,地図作成 や画像処理 に関す る技術が 飛躍 的 に進歩 し防災技術 に利用す ることが可能 と

なったこと,コンビェ一夕技術の進歩 によ り,デー タベース ・システム (DBS)や地理情報 システム (GIS)な ど膨大 なデー タの蓄積 とデジタル地図に よる可視化表示 な どを可能 とし,防災 システムに 重要 なハ ー ドウェアとソフ トウェアが発達 したこ とな どが考 え られる。 しか しなが ら, 冒頭 に も述 べ た ように,サ イス ミック ・マ イクロゾーニ ング

の作成 日的,技衛 や方法 な どは, まだ十分 に統一 された もの とはなっていない こともあ り,地震陳 災対策 の ツール として,その重要性 は認識 されつ つある ものの,依然 として国や地域 によって定義, 内容や質の レベルは相違 している と言 える。

一方,サ イス ミック ・マイクロゾーニ ングには地 盤 と地震動特性 が大 き く関与 しているため,地震 時の地盤応答す なわち地盤震動特性 の評価 が不可 欠であ り,この種の研究が進展 した。特 に 1995年 阪神 ・淡路 大震災の被災経験 を教訓 と して起震断 層 の震源特性 ,地震波動 の伝播特性お よび地盤構 造の増 幅特性 な どを総合 的に考慮 した強震動特性 の評価 方法が普及 して きている。 この種 の研 究 と

して,ESG (EffectsofSurfaceGeologyonSeismic Motion)研 究が活発化 し,1987年 に活動 を開始 し

IASPEI(InternationalAs sociationofSeismol‑ ogyandPhysicsoftheEarth'sInterior)/IAEE

(International As sociationforEarthquakeEngi‑

neering)共 同 WG によ り主催 され る ESG国際会 議が数年 間隔で開催 されてい る。1992年 に 日本,

1999年 に米 国そ して 2006年 にフランスで開催 さ れ,強震地震動 に与 える表層地質の影響 に関す る 共通認識が高 まって きてお り,地盤 と地震動特性

を考慮 したサ イス ミック ・マイクロゾーニ ングに 大 き く貢献 してい る。

前述 の ように,我が国では被害想定調査 は地震 発生後 の応急 ・復 旧対策 に有効であることと,地

1000

域 防災計画 の基礎 デー タをなす もの として基本 的 に重要であ り,1995年阪神 ・淡路大震災以降その 必要性が高 ま り,調査 を実施 した 自治体が増加 し

たが, これ らの調査 の中で想定 され る地震 に対 し ての調査結果 となる ものの,地盤危険度や建物被 害 に関す る評価 について も一応検討 され ることに

なるo Lたが って,サ イス ミック ・マ イクロゾー ニ ングは,地震被害想定調査 とかな り重複 して検 討 し得 る形態 となっている。

3. 地盤区分 と増幅率評価 によるデジタル マップの作成

近年, 日本列 島は地震活動期 に入 った との認識 が高 まっている。 同時 に,新 たな きめ細 かい防災 対策 の検討が急務 となってい る。 自然災害 に関す る防災技術 は,個別 の災害 に対す る要素技術 と し て進展 して きている。 しか しなが ら, これ らの要 素技術 は主 に個別 の災害 に対 す るハ ー ドな対応技 術 であ り,災害の予測精度や対策費用 との関係 で, 事前 に十分有効 な対応 が取 られてい る とは必ず し

も言 いがたい。地震災害 を対象 とした防災対策 で は,1995年阪神 ・淡路大震災 を契機 として,ハ ー

ドな対策や ソフ トな対策 を含 めて広 い視野で進展 して きている。 しか もハ ー ド ・ソフ トの防災対策 のバ ランスは重要であ り, これ を実現す るには両 者 に共通す る認識 として災害 リス クを精度 良 く認 識 し,災害危険度 を評価す るための詳細 な地盤特 性評価,す なわち地盤 区分 図 と地盤増

率 図の作 成 とそれ に基づ く地域危険度調査 や被害想定調査 が必要 となる。

本節では,現在進 めてい る研究 プロジェク 1、の 目的 と概要 について説 明す る とともに,神奈川県 を対象 と して実施 した効率 的かつ詳細 なデジタル 地盤 区分・図 と地盤増幅率図の作成方法 と作 成結果

について述べ る。

前述 の ご とく我が 国では,地震 ・台風 災害 を始 め として 自然災害が多発 す る。 自然災害 は多岐 に 亘 り,災害の起 因である 自然現象 と災害 の誘 因 と なる地域特性 の組 み合 わせ で決 まる。 近年 の都市

(6)

済 系 242

図 2 神奈川県の地質図

防災 を考 える場合,ハ ー ドな観点か らの災害評価 の問題 とソフ トな観点か らの社会 システムの現況 評価 の問題 に関す るバ ランスの配分 によって リス

クを評価 して,効率的 に地域 の防災性 を高めて災 害軽減化 を図る必要がある と考 え られ る。 そのた

めには,ハ ー ドとソフ トな対応 を考慮 した リスク 評価 による適切 なマネジメ ン トが重要 となる。研

究 プロジェク トの 目的は,地震災害 を対 象 と して これ らを統合化す る技術 を開発す るこ とを目指す もので,災害軽減化 のための リス ク評価 による有 効 な リス クマネジメ ン ト手法 の構築 と実践化技術 の開発 を実施す るこ とを目的 としている。 この一 環 として,神奈川県 を対象 として県 内の市 区町村

レベ ルにおいて も対応可能 な地盤区分図 と地盤増 幅率 図 を作成 した。

地震災害 に対す る地域危険度調査や被害想定調 査 を行 う際 に地盤特性 を把捉する必要があ り,予め

地盤 図の作成が重要 となるO この ような地盤 図の 作成 に当たっては,国総研 (元国土地理院)発行の 地質 ・地形図等 を基本 として都道府県 において地盤

図が作成 されている。 図 2は神奈川県 を対象 とし た地質図である。県 の全体 的な地質構成 は理解で

きるが,市 町村 における詳細 な地盤特性の把握は難 しい。現在,独立行政法人 ・防災科学技術研究所が 中心 となって進めてい る表層地盤 区分 のデジタル 化 は 500m あるいは 250m メ ッシュサイズで地盤

区分 を行 い地盤特性 を表示 している。 図 3(a),(b) は神奈川県平壌市 を対象 とした 250m メ ッシュ と

1001

50m メ ッシュで表示 した地盤 区分 図の例 であ る。

前者 で は,広 域的な地盤 区分 図 としての有用性 は 認 め られるが,市町村 レベ ルでの詳細 な地盤 区分

図 としては不十分で,50m メ ッシュ程度 を用いた 地盤図作成が必要 となることが わか るO また,也 盤 区分 図は地質 ・地形 図 を基礎 とす るため,平面 的な地盤情報 となってお り,地盤震動特性で重 要 な深 さ方向の情報や動 的特性 に関す る情報 は含 ま れてい ない。 そのため, ポー リングデー タの蓄積 や強震観測や常時微動観測結果 の蓄積 によ り, 令 わせて地盤振動特性 の評価 を加味 した詳細 な地盤 区分 図の作成が必要である。 このため本 プロジェ

ク 1、で は, デジ タル地盤 区分 図の作成 と同時 に神 奈川県 を対象 として, ボー リングデー タのデー タ ベース化 を進めてい る。 ポー リング地点の場所 を GISを用 いてデジタル地図上 に表示 し,地盤情報

に関す る様 々な属性 データを持 たせ ることによ り, 地盤情報 のデー タベ ース を整理す る こ とに した。

さ らに,図 2の中に示 されてい る神奈川県東部 ・ 中央部お よび西部 に広が る平低地部や東部の川崎 ・ 横浜市 を対象 に して実施 した常 時微動観測結果 に

ついて もデ ー タベ ース化 を進 めてい る。 これ らの 地盤 関連情報 のデータベース を利用 して, デ ジタ

ル地盤 区分 図 とリンク して,地盤 の卓越周期や増 幅率 な ど地盤震動特性 の評価 も行 っている

本 プロジェク トで作成 した地 図は,神奈川県全 域 の地形分類 図 と表層 地質 図の 2種類 である0両

地図 とも,建設省 (現国土交通省)国土地理 院か ら 発行 された もので,縮尺 は 1/50,000である。地図

は紙地図 を電子 デー タ化 した

TI FF

デー タを使用 した。神奈川県全域 の地形図お よび地質図は,全 部で 7枚 に分 け られてお り, それぞれ 「横須 賀 ・

三崎」

,

「八王子上 「横 浜 ・東京西南部 ・東京東南 部 ・木更津」

,

上野原 ・五 日市」

,

小 田原 ・熱海 ・

御殿場」

,

「秦野 ・山中湖」

,

「藤沢 ・平塚」 に区分 される。地図のデジ タル化 に伴 う各作 業 は以上 の

7

枚 の地図別 に行 い,最終的 に

1

枚 の地図

( 1

つの デー タ) として ま とめた。

図 4に地形分類 7枚 による神奈川県全体 図 を示 し,その図郭 と縮尺 1/50,000に相 当す る標準地域 メ ッシュ図郭 とを比較 した。

(7)

揺れ易さマップの作成と地震災害リスクマネジメント

J "" ij

埋立地、干拓i 自Za壌

砂丘束煉傾斜葡 砂丘開放泡

L

LIM

dRttt輔

砂丘 htllt ローム台地 U■G‑tL 丘陵 山鳩

乱 川 (b)

3 平塚市の地盤区分図

使用 した紙地図は,その図郭範囲が標準地域 メッ シュ (昭和 48

7

12日行政管理庁告示第 143号

「統計 に用 いる標準地域 メ ッシュ及 び標準地域メッ シュコー ド

) 」 )

の縮尺 1/50

, 0

00相 当の メッシュに 一致 していない こ と, また,通常 は地図の図郭の 4隅 に記 されてい る座標値 も不鮮 明であ り, はっ

きりと判別 で きないため,地形分類 図お よび表層 地質図 をデジ タル化す る際 には,地図作成時の説 明が記 されている図郭範 囲座標 を位置情報 として 設定 した。 また,地形 ・地質図上 には,標準 地域 メ ッシュの図郭 を表す線が引いてあるため,必要 に応 じてその座標 を位置情報 として設定 した。

地図のデ ジタル化 に当たっては,ArcGISDesk‑

top(ESRIジャパ ン (秩)製)を使用 したoArcGIS Desktopは地理情報 を効率 的 に取得,保存,更新, 加工,表示,管理す ることがで きるだけでな く,壁

間検索や解析がで きるO また,高度 な空間デー タ処 理機能 も持 ってお り,各種 オーバー レイ処理,近隣 処理,単純化処理,図郭接合処理,座標系変換処理

な どが含 まれる。作成 した ArcGISの主なデータ 形式 はシェープファイルであ り,ライン (級)デー

タ,ポ リゴン (面)データ,ポイン ト (点)データ の

3

種類があ るo その他,紙地 図をスキ ャナ等 で 読み込 んだo地形 ・地質図のラス ター (画像)デー タも使用 してい る。 シェープファイルの各 データ には属性 デー タもあ り,各 ポ リゴン, ライ ンお よ びポイ ン トデータに情報 を持 たせることがで きる。

本 プロジェク トで は,作成 した各 ポ リゴンデータ の属性 デー タに地形 ・地質の物性 デー タを入力 し た。 また,属性 デー タは,dbfファイル として保 存 されてお り,Microso氏Excelの DBF4(dBASE

1002

細線 :標準地域メッシュ

( 縮 尺 1 / 5 0 , 0 0 0 に 相 当 ) , 太

級 :今回使用 した地図 (地形

分 類 図 )

図 4 神奈川県全体図および図郭の比較

,j v、、'\ Q〜‑、 ‑‑ヽ 盛

t

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珊線 :世界測地系,太線 :旧 日本測地系

5 測地系の差異

Ⅳ)

ファイル とも対応 していることか ら,属性 デー タの編集 な どに Excelも活用 してい る。

測地基準系 は地球上 の位置 を表すための基準 で あ り,測地基準系,日本測地系,w GS84,測地成果 2000など様 々な測地系 があ るが,異 なる測地系 で 作成 されたデー タを ArcGIS上で重ねて表示す る

と,図 5の ように位 置がずれ,最大で約 500m 程 度 の誤差が生 じることもあ る。 したが って,基準

となる測地系 を設定す るこ とが重要であ る。 図 5

(8)

済 系 242

上段 :50mメッシュポリゴンデータ,中段 :50m メッシュ中心点デー タ,下段 :反映させるデータを持つポリゴンデータ

6 物性データの反映過程 に,世界測地系 と旧 日本測地系 との差異 を示す。

本 プロジェク 1\では,使用 した地形分類 囲お よ び表層地質図が旧 日本測地系 で作成 されているこ とか ら

,

旧 日本測地系 を採用 した。 なお,測地系 は ArcGISソフ トによ り,測地成果 2000(世界測 地系)‑変換す ることがで きる。 また,ArcGISソ

フ トは地 図の 目的に応 じて多種 な投影座標系 に も 対応 している。本研究で使用 してい る地図は一般

的に よ く利用 されているユニバ ーサル棟 メル カ ト ル (UTM)図法で作成 されている。

地図のデジタル化 に際 しては,50m メ ッシュを 使用 した。従来,地震 の被害想定や表層地盤の増

幅率 な どの解析 には 250m メ ッシュや 500m メ ッ シュが広 く使われてお り,50m メ ッシュな どの細 かいメッシュでの解析 を行 った例 は少ない。 また,

メ ッシュの物性 デー タは,紙地図上 のメ ッシュを 人の 目で 1つずつ判断す る とい う手法が一般的で

あったため,判別 に大変時間がかか り,人の 目に よる判別 ミスの可能性 も高か った。

本 プロジェク トでは,効率性や利便性お よび汎 用性 の観 点か ら 50m メ ッシュポ リゴンデー タを 用いて,ArcGISにより地形 ・地質ポ リゴンの物性

デー タを機械 的 に反映 した。 これによ りどの様 な 大 きさの メ ッシュに も対応 で き,物性 デー タの入 力 ミス も少 な くなる。 また,地形 ・地質の物性 デー

タを 50m メ ッシュへ反 映 させ る過程 で は,50m メ ッシュの中心点 となるポイ ン トデータを使用 し た。最初 に地形 ・地質ポ リゴンデータと重 なる中心 点ポイン トに物性 を反映 させ,その後 に 50m メ ッ

1003

シュのポ リゴンに中心点の物性 を反映 させ るため である。図 6に物性 デー タの反 映の過程 を示す。

ArcGISDesktopでは,各 50m メ ッシュ中の地 形 ・地質 ポ リゴンの面積比 によって反映 させ る物 性 を選定す ることもで きるが,作業過程が増 えて

しまうことや,面積比 に よる選定 と中心点に よる 選走法 では選定結果 に差が ほ とん どない と考 え ら

れ ることか ら,本 プロジェク トでは中心点 に よる 選定法 を採用 した。

以下 に地形 ・地質図 をデジタル化 す るまでの流 れ を示す。 なお,① 〜⑤ までは地形 ・地質図 とも

に各 7枚ずつの作 業 を行 う。

① 地形 ・地質図の TIFFデー タの うち,地図以外 の凡例 や文字,余 白部分 を削 除す る

②ArcGISで読 み込 んだ TIFFデー タに位置情報 (緯度 ・経度情報 な ど) を与 える

③全 7枚 の各 TIFFデー タ上の地形 ・地質の境界 線 に沿 って ライ ンデータを作 成す る

④ ライ ンデー タをポ l)ゴン化す る

⑤作成 したポ リゴンデータに地形 ・地質の物性 デー タを入力す る

⑥7枚 の地図 を 1 (1つのデー タ) に統合す る

⑦ 地形 ・地質 ポ リゴンか ら 50m メ ッシュの中心点 のポイ ン トデー タに物性 デー タを反映 させ る 以上 の ような手順 に よるデ ジ タル化 に対 し, い くつ かの手法 を以下 に示す。

上記② の作業 において,TIFFデー タを ArcGIS上 の位 置 (緯度経度) に反映 させ るため に,最初 に

(9)

揺れ易 さマップの作成と地震災害 リスクマネジメン ト

】 l

=巌.Y慮壷+ナJ琵T

ネqJ/; if√'■̲k'l

i

細線 :標準地域メッシュ,太線 :使用した地形 ・地 質図枠,● :標準地域メッシュの図枠頂点

,

○ :也

形 ・地質図枠頂点

7 基準座標点

紙地図上の座標 が明記 されている点 を探 す。 次 に その座標 を持つ ポイ ン トデー タを基準座標 点 と し て GIS上 にプロ ッ トし,ArcGISのジオ リファレ ンスの コマ ン ドを使用す る。 ジオ リフ ァレンス と は,紙地 図上 の座標点 と GIS上の同 じ座標 を持つ ポイン トとを リンクさせ て画像 デー タ等 に位置情 報 を反映 させ るための コマ ン ドであるが, 点 と点

を確 実 に一致 させ る機 能が付 いていない欠点が あ る。 したが って,GIS上 で 7枚 あ る神 奈川県全域 の地図が,正確 に並べ られているか は人の 目の判 断 によるため, なるべ く誤差が少 な くなる ように 何度 も繰 り返す必要があ る。 図 7にジオ リファレ

ンスに使用 した基準座標 点, 図 8にジオ リファレ ンスの概 要図 を示す。

図 7の ように,本 プロジェク トで使用 した地形 ・ 地質図の作 図範囲は縮尺 1/50,000相当の標準地域

メ ッシュの図枠 とは一致 しないが,各地図上 には 標準 地域 メ ッシュの図枠 を表す線が示 してあ る。

したが って, ジオ リファレンス に使用す る基準座 標点 は地形 ・地質図枠 の頂点座標 を使用 し,図枠 の座標 が不 明確 な点 につ いては標準 地域 メ ッシュ の頂点 を使用 して,図

8

の ようにジオ リフ ァレン ス を行 い,GIS上で TIFFデー タに位置情報 を与

えた。

また上記③ において,紙地図上のすべ ての地形 ・ 地質のポ リゴンを作成す る場合 は,ArcGISの作業 効率か ら,最初 に各地形 ・地 質ポ リゴンの境界線

をすべ て ライ ンデー タで作成 し,その ライ ンで 閉 塞 された空間をポ リゴン化す る手順 で地形 ・地 質 ポ リゴンを作成 した。作成 するラインが必ず 閉塞

している必要があるため,線の端点 については,必 ず一致か交差 をさせ た。 また,複数の線 が交差 し 合 う場所 では,微小 な閉塞空間が生 じて,微小 な

ポ リゴンがで きない ように,交差 の方法 に も十分 に留意 した。 図 9を例 に 4つのポ リゴンを作成す る際の,ラインの引 き方の良い例 と悪い例 を示す。

上記⑤ において,作成 されたポ リゴンデー タの 属性 デー タには,各 ポ リゴ ンに対応す る地形 .地 質の物性 デー タを入力 した。 また,物性 の入力方 法 については,まず GIS上で TIFFデータを下 に,

ポ リゴンデー タを上 に重ねて表示 して,TIFFデー タ上 の各地形 ・地質 の色や名称 か ら各地図の凡例 よ り物性 を判別 して入力 したO なお

,7

枚 の地形 分類 図の物性 はすべ て統一 したコー ドを使用 した,

7枚 の表層地質図の物性 は凡例が統一 されていな いため,各地 図で物性 コー ドを入力 した後 ,地質 図共通 の凡例 一覧表 を作成 し地図 ご との物性 コー

ドをリンクさせ た。

上記⑥ において,① 〜⑤ まで に作成 した各 7枚 の地形 ・地質図のデー タは,検索 や解析が し易 く,

また,デー タ管理 を簡易 にするため,ArcGIS機 能 のユニオ ンとい うコマ ン ドで 1つのデータに統合

した。図 10にユニオ ンの概 要図 を示す。

上記⑦ では,地形 ・地質ポ リゴンの物性 デー タ は,50m メ ッシュの中心点のポイン トデータに反 映 させ た。 また,地 図 と地図の境界部分 な ど, ポ

リゴンがわずか に離 れてい る ところで は中心点 の ポイン トデー タをポ リゴン上 に重 ねた際 に,物性 が反映 されないポ イン トが生 じることもある。 そ の場合 は, ポイ ン トに最 も近 いポ リゴンの境界 を ず らして, ポイ ン トがポ リゴンに重 なるように し て再度物性 を反映 させ た。 図 11にポ リゴ ン境界

をず らす図例 を示す。

4. 揺れ易 さマ ップの作成

地域 防災力 の向上 には,住民が地域 の地震災害 に対す る危 険性 を正 しく理解 ・認識す ることが必

1004

(10)

242

TIFFデータ

GIS上の完成図

8 ジオ リファレンス概要図

要である。地域 における揺 れ易い場所 を把捉す る ことは極 めて重要であ り,揺れ易 さを把撞す るツー ルの一つ として揺 れ易 さマ ップがあ る.全 国の揺 れ易 さマ ップは,2005年 に内閣府が統一的な作成 方法マニ ュアル (地震 防災マ ップ作成技術 資料 , 以下,技術資料)をまとめ,1km メ ッシュで作成

した事例 を公表 してお り,地域 内の詳細 な揺れの 違い を把握す るため には,地域 の地形 の違 い に対 応 したメ ッシュ規模 での評価 が必要である として

いる。

本 プロジェク トでは,神奈川県平塚市,小 田原 市 を対象 として 50m メ ッシュ (標準地域 メ ッシュ

3

次 区画 を 20×20分割 したメ ッシュ) での黍 度マ ップを試作 し,50m メ ッシュで評価す ること

によ り,地域の地形 の違 い に対応 した詳細 な揺 れ 易 さマ ップが作成で きることを確認 した。本報 は, 神奈川県 内各 自治体 レベルの詳細 な地盤 の揺 れ易

さマ ップ作成のため に,神奈川県全域 を対 象 とし て 50m メ ツシェで の徴 地形 区分 と地盤増 幅率 図 の作成結果 について述べ る。

神奈川県の微 地形 区分 を縮尺 1/50,000の土地分 類基本調査 図の うち,地形分類 図 と表層地質図 を 用いて 50m メ ッシュ単位で地形,地質 を読 み取 っ て作成 された神奈川県 のデジタル地盤区分 図 を用 い,技術 資料 に よる徴 地形 区分設定手)1酎 こ基づ き 15区分 の微地形 を設定 し,微地形 区分図 を作成 し

1005

良い例

悪い例

悪 い例

作成 したライン 作成 されたポ リゴン

ポリゴン化

一三

t:=>

ゴ ン北

‑でン

ポ リゴ ン化

LLでゝ

ポ リゴン4

ポ リゴン3

ポ リゴン5つ

図 9 ラインデータ作成時の注意点

た。作成 した微地形 区分 図 を図 12に示す。 また, 比較 のため図 13に国土数値情報 に基づいて作成

した 250m メ ッシュに よる徴 地形 区分 図 を示 す。

両者 を比較す る と,基本 的 には同様 な微地形 区分 となってい るが 50m メ ッシュの方が よ り詳細 に 自然 に近い形 で微地形 区分 が表現 されている

地盤の増幅率 は Midorikawaetal.(1994)によ る表層地盤の平均せ ん断波速度 AVS30と貴大速度 の増 幅率 の経験式 を用い て設定 した。AVS30は,

枚 岡ほか

(1994)の微 地形 区分 と AvS30の経験 式 を用 い, この際 に必要 となる微地形 区分 ご との 係数 は技術資料 に基づいて設定 した。 ただ し,節 第三紀 とローム台地 については技術資料 の係 数 を その まま用 して AVS30を算定 し増幅率 を計 算す

る と,図 14に示す ように標高が

8 0

m を越 える と ローム台地 の増 幅率 が新 第三紀 よ りも小 さ く評価 されるO これは,山地 (新第三紀)よ りもローム台

(11)

揺れ易 さマ ップの作成 と地震災害 リスクマネジメン ト

作成 した地図 7

属性 な しのポ リゴン

が生 じる

1枚 の地図 に統合

図 10 ユニオン概要B]

界を 再度物性 を反映

11 属性無 しポイン トの対処例

図 12 微地形区分国 (50m メッシュ)

図 13 徴地形区分図 (250m メッシュ)

1006

(12)

済 系 242

2.4 2

櫛 1.6

繁 1 . 2

0.8

0.4

‑‑ ‑ .一 一舌第三紀以前‑ #%=#新第三紀 (ローム台地調整後)

i i i

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1

1 0 1 0 0 1 0 0 0

標高(m)

14 標高と増幅率の関係

15 地盤増幅率図

地 の方が揺 れ易い (増幅率 は大 きい) とい った一 般的 な傾 向 とは矛盾す る。 そこで本検討では,節 第三紀 の係数 には若松 ほか

( 2 0 0 5 )

の山地 (第三 系) の係数 を用 いた。若松 ほか

( 2 0 0 5 )

の山地 の 係数 を用 いた場合 は,図

1 4

に示す ように標高 に 係 わ らず ローム台地 の方が山地 よ りも増幅率 は大

き くな り,一般 的な傾 向 と矛盾 しない。作成 した 地盤増幅率 図 を図 15に示す。

本 プ ロ ジ ェ ク トで作 成 した神 奈 川 県 全 域 の

5 0m

メ ッシ ュ に よる徴 地 形 区分 図 と地 盤 増 幅 率 図 は ,神 奈 川 大 学 荏 本 研 究 室 が 運 営 す る 防 災 フ ロ ンテ ィアの ホームペ ージ (http://bousai‑ frontier.net/index.html,図 16にて 「神奈川県版 揺れ易 さマ ップ」として公開を行 った。ホームペー

ジで は神奈川県全域版 のほか に市区町村単位 に分 割 した徴 地形 区分 図 と地盤増 幅率 図 を公 開 した。

市 区町村単位 の例 として横浜市神奈川区の地盤増

1 0 0 7

幅率 図 を図 17に示す。

5. ハザー ドマップの作成

地域防災力の向上 には,住民 が地域 の地震災害 に対 す る危険性 を正 しく理解 ・認識す ることが必 要である。住民 に理解 され易い情報 としては,具 体 的 な地域 や シナ リオに基 づいた評価 を視覚的 に 表現す ることが重要である。前節 において神 奈川 県 を対象 として

5 0m

メ ッシュによる微地形区分図 と地盤増幅率図を作成 し,ホームページにて 「神奈 川県版揺 れ易 さマ ップ」 と して公 開 を行 った。本 凝 で は,神奈川県全域 にお いて建物 デー タを整備

し,神奈川県 に影響 を及 ぼす と考 え られ る地震が 発生 した場合 の建物被害率 を算 出 し,地域危 険度

マ ップ としてハザー ドマ ップの作 成 を行 った。

ハザ ー ドマ ップの作成 にあた って,建物の構造

(13)

16 防災フロンティアのホームページ (揺れ易 さマ ップ)

17

市区町村単位の地盤増幅率図の例 ( 神奈川区)

種別や建築年代別の分布状況を把握することが重 要 となる。ここでは,神奈川県県土整備部による 平成 1 2 年度基礎調査 ・ 建物現況の 1 棟単位のデー タを用いて,建物の構造種別 ・建築年代別棟数 を

5 0m メッシュ単位で整備 した。構造種別に関 して は,木造

・RC

(SRC

造含む)

・S

造 ・軽量

S

造 ・ その他 ・ 不明の

6

種類,建築年代に関しては ,1 9 7 1

年以前 ・1 9 7 2年 ‑1 9 81 年 ・1 9 8 2 年以降の

3期 間

に分けてそれぞれ集計を行 った。結果の一例 とし て 5 0m メッシュの木造建物の棟数分布を図 1 8 に, 非木造建物の棟数分布 を図 1 9 に示す ( 仝建築年 代の総数)0

神奈川県に影響 を及ぼす と考えられる

10

地震 を想定地震 として設定 した。各想定地震 による工 学的基盤の最大速度を司ほか ( 1 9 9 9 ) による距離

1008

減衰式で求め,地盤増幅率図で設定 した表層地盤 増幅率を乗 じることにより地表での最大速度 を算 定 した。地表での震度 は,童ほか ( 1 9 9 6) による 最大速度 と計測震度の経験式 を用いて換算 し,震 度分布図を作成 した。各地寛による震度分布図 を

20

に示す。

20

か ら神奈川県では関東地震が支配的であ り,他の地震の最大震度 を概ね包含 していること が分かる。

建物全壊棟数は,地表の最大速度 と建物棟数か ら村尾ほか ( 2 0 0 0 ) の被害関数を用いて 5 0m メッ シュで計算 した。地域危険度マ ップ作成において は ,5 0m メッシュで計算 した建物全壊棟数を 2 5 0m

メッシュで集計 して建物全壊棟数率 を算出 し,建

物全壊棟数率 を基に 7 段階の建物被害危険度 ラン

(14)

済 系 242

18 木造建物の棟数分布 (50m メッシュ)

19 被木造建物の棟数分布 (50m メッシュ)

クを設定 した。ハザ ー ドマ ップの一例 として,関 東地震 の結果 を図 21に示すO図 21か ら,太平洋 沿岸付近 と河廿沿いの平野部 を中心 に,建物危険 度 7 (全壊率 30%以上) の地域が広 が っている。

地域防災力 の向上のため に,50m メ ッシュの地 盤データと,1棟単位のデータを元 に作成 した建物

デー タを用 いて地域危険度 マ ップを作成 した。本 報では,神奈川県全域 で作成 した危 険度 マ ップを 一例 として挙 げているが, よ り住民 の理解が し易 い各市町村単位 での危険度マ ップも試作 している。

試作 した地域危険度 マ ップは,神奈 川大学荏本研 究室が運営す る防災 フロ ンテ ィアのホームページ

にて公 開す る予定であ り,住民が地震時の危 険度 を把握す るための有益 な情報 になる と考 える。

1009

6.

まとめ

地盤 と地震災害 は極 めて強い関連性があ り,也 盤の揺 れ易 さが地震災害 を増大 させ る傾 向がある。

この ことは,過去 に発生 した多 くの地震災害 に認 め られ,指摘 されていることであ り,将来発生す る

ことが舟倶 されてい る地震 災害 を軽減 させ る上で 大変重要である。 1995年阪神 t淡路大震災 により 顕著 となった大都市 の地震災害で は,地震動 の強

さに起 因す る各種構造物 の被害 に代 表 され る 「直 接被 害」 と地震災害 の発生後 に社会環境 に起 因 し

て顕在化 す る被害 の連鎖 ・波及構造 による 「間接 被 害」 とを重 ね合 わせ た総合 的な災害規模 が大 き

な問題 となる。 この こ とに関 しては,事前 に 「直 接被害」と 「間接被害」の両被害量 を想定 し得 る被 害想定調査 を実施す る必要が あ り, その基礎 とな

(15)

揺れ易さマップの作成と地震災害 リスクマネジメント

Tl

i I: I

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, ‑‑I i I

東 京 湾

神奈川

」 .ItI..・p :

断 層 ,

J

純 一国府津 ・松 田 断層

!.?ご '

西 部 地 震

■‑:I:Ii' 図 20 各想定地震による震度分布

る情報 と して本論で述べ た詳細 なデ ジタル形式 の

「地盤 区分 図」や 「地盤増幅率図」の作成 と利活用 を図ることが必要であ り, 同時 にポー リングデー

タな ど地盤関連情報 の収集 ・整理 とデー タベース 化 による地盤震動特性 の検討が必要不可欠 となる。

そ して最終 的 には地域 の防災性 を高め るハー ドと ソフ ト防災対 策 を構築す るために 「揺 れ易 さマ ッ プ」や 「ハザ ー ドマ ップ」 の作成 と公 開 を基本 と す る地震災害 リス クマネ ジメ ン トが重要 となる も

の と考 えているO

今後 の課題 と しては,震源特性や伝播経路特性 を考慮 した地震動特性 の評価 と建物 の分類 とその 被害判定の評価基準 の統 一 な らびに比較 的新 しい

1010

構 造形式 の建物 の力学的評価 であ る。 同時 に主 に 建物 を主体 とした地域特性 と時代 的変遷 に よる経 年劣化 をいか に考慮 して行 くか とい うやや細 かい 点 に対 する配慮 であ る。 また,他 の観点か らすれ ば,効率的な建物分布 に関す る基礎 デー タ収集 の 方法論 の確立 である。現在 コンピュー タを最大 限 利用 した地理的情報 システムや都市情報管理 シス

テム といったシステム構築が進め られているため, 利用可能 なデー タのデー タベース化であろう

大都市 ・中小都市 ・市町村単位 な ど, どの よう な地域単位 を対象 と しようとも,少 な くとも地盤

と木造 ・非木造建物別 の分布状況 に関す る調査 資 料 を作成 しておけば,想定 され る地震 に対 す る簡

(16)

経 済 系 242

21 関東地震を想定 した場合のハザー ドマップ

単 な被 害想 定 あ るい は地域危 険度 調査 はハ ザ ー ド マ ップ と して即 時 に可 能 とな り, 地域 の相対 的 な 危 険度 評価 と住 民 の認 識へ の フ ィー ドバ ックに よ り,地 域 の地震 防災 に関す る基礎 的 な情報 となる この こ とは

,

直接 被害 」 と 「間接被 害」で見積 も られ る総被 害量 の軽 減 に も大 き く寄与 す る もの と 考 え られ る。 また, この ような調査 を予 め更新 し 整理 して あ るデー タに基 づ いて,10年程度 の間隔

で被 害想 定調 査 の見 直 し図 る こ と も重 要 な こ とで あ り, さ らに引 き続 い て, その他 建物 以外 の施設 を対 象 と したやや詳細 な被 害想 定 調査 へ もス ムー ズ に移行 し,都市 型 震災 を対 象 と した被 害想 定 と ハ ー ド面 とソ フ ト面 の震 災対 策 を考慮 した地 域 防 災計 画 の策 定 のため の作 業 も比較 的容易 になる も の と思 わ れ る。 いず れ に して も,上述 の ように効 率 的 な基礎 デ ー タの収集 ・管理 ・利 用 に関す る方 法論 を早 急 に構 築 し,予 め作 成 し利 用 で きる環境

に してお くこ とが最 も重 要 な課題 で あ ろ う。

謝辞

本論庫 の "揺 れ易 さマ ップ"の作成 にあた り,共 同 して開発 に協力頂 いた環境 防災技術研究所 (秩 ), 構造計 画研 究所 (秩 )に厚 く御礼 申 し上 げ ます。 な

お,本研 究 は,神 奈 川大 学 にお け る文部科 学省 学 術 フ ロ ンテ ィア研 究 プ ロジェ ク ト 「災害 リス ク軽 減 を 目的 と した ソフ ト ・ハ ー ド融合型 リス クマ ネ

1011

ジ メ ン トシス テ ムの構 築 に関す る研 究 (研 究代 表 普 :荏 本孝 久

)

」 の‑環 と して実施 した もので あ り

ますO

[参考文献〕

[

1

]万、出ほか :神奈川の大地一岩石 ・鉱物 ・地層 ・歴 ‑,有隣堂,2001

[2]1/5万土地分類基本調査 (地形分学割乳 地質分類 囲)「横須賀 ・三崎

藤 沢 ・平

小田原 ・熱海 ・

御殿場

八王子

上野原 ・五 日市

秦野 ・山中

湖 」

横浜 ・東京西南部 ・東京東南部 ・木更津」( 奈川)

[3]内閣府 こ地震防災マ ップ作成技術資料,2005

[4]Midorikawa,S.,etal.=SiteEffectofStrong‑

Motion Records Observed during the 1987‑

Chibaken‑tohol0ki,JapanEarthq・Eng・Sympo

,

Vol

.

3,pp.85‑90,1994

[5]松 岡ほか :国土数値情報 とサ イス ミックマイクロ ゾーニング,第 22回地盤震動シンポ,建築学会, ppt23‑24,1994

[6]若松ほか :日本の地形 ・地盤デジタルマ ップ,東京 大学出版会,2005

[7]防災フロンティアURL:http://bollSaifrontier.net/ index.html

[8]神奈川県県土整備部都市計画課 :都市情報データ, 2000

[9]司ほか :断層 タイプ及び地盤条件 を考慮 した最大 加速度 ・最大速度の距離減衰式,日本建築学会構 造系論文集,No.523,pp.63‑79,1999

[

1 0

]童ほか :計測震度 と従来の地震動強 さ指標の対応 関係,土木学会第 51回年次学術講演会梗概集,

(17)

揺れ易 さマ ップの作成 と地震災害 リスクマネジメン ト

pp.458‑459,1996

[11]村尾 ほか :自治体 の被害調査結果 に基づ く兵庫県 南部地震の建物被害関数, 日本建築学会構造系論 文集,第 527,pp.189‑196,2000

[12]橋本 ほか :地域の地形 に対応 した地震防災マ ップ の作成 (その 3)微地形区分 に基づ く神奈川県 の

50m メッシュ地盤増幅率, 日本建築学会大会 ( 国),2008

[13]落合ほか :地域の地形 に対応 した地震防災マ ップ の作成 (その 4)地域危険度マップの作成,日本建 築学会大会 (東北),2009

1012

参照

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