第 9回 尾 瀬 サイ エ ン ス フォ ー ラ ム 2013/10/27
片品村の動植物
尾 瀬高 校 自 然環 境 科 卒 業生 の 会 8 期生 黒 沢秀 基 ■片品村の植物相 ○概要 一定地域に分布する植 物のまとまり を植物相とい い、植物は地形・地質 、地史、気象、 そして生物な どの様々な環境要因に影響を受 けて生育している。 片品村は関東地方北部 に位置し、新 潟、福島、栃 木と他県に隣接する。 最低標高は幡谷 の約七〇〇m から関東以北で一番高 い山日光白根山 二五七八mま であり、山地帯から高山帯まで にわたる。 地形地質について、日 光白根山など のような急峻 な山や河川などの崖も あれば河岸段丘 になり平らな 地形もある。様々な地 質が入り混じり 、日光白根山、 四郎岳、荷鞍山、武尊 山などの火山噴 出物に覆われ ているところが多いが 、流紋岩、花崗 岩、戸倉オフ ィオライト、蛇紋岩な どがある。住宅 のある里地か ら田畑がある地域は人 為的で開拓され たり造成され たりしている。 気候は標高約一〇〇〇 mの戸倉集落 周辺の平均気 温は約八度で前橋の平 均気温一四度と 比べ冷涼であ る。ただ、村内で標高 差があるため戸 倉より低い地 域は暖かく標高の高い ところは涼しい 。県内の前橋 と比較すると夏の降水 量は少なく冬は 積雪がある分 多いが年間を通すとさ ほど変わらない 、年間降水量 は一二〇〇㎜前後と多くない。 このような地質や気象 条件から主に 落葉広葉樹林 と針葉樹林、高山草原 が成り立つ。群 馬県内から見 ても寒冷で常緑広葉樹 林が成立しない ところである。 尾瀬を代表する湿原、 至仏山特有の 蛇紋岩地、武 尊山、日光白根山、沢 や河川、人為的 な里地周辺の 様々な環境が存在し植物は豊富 である。 ○記載された植物 基準標本として記載さ れているのが、 ホソバヒナウ スユキソウ、オゼソウ 、タカネシュロ ソウ、オゼヌ マアザミ、オゼコウホ ネなどが尾瀬地 域から、コフ タバランなどが丸沼地域から採 取されている。 ○植生 村内の植生を植物社会 学的に分類す るとコマクサ ‐イワツメクサ群落、 コケモモ‐ハイ マツ群集、オ オシラビソ群集、シラ ビソ‐オオシラ ビソ群集、ミ ドリユキザサ‐ダケカ ンバ軍団、チシ マザサ‐ブナ 軍団、ハルニレオーダ ー、クリ‐ミズ ナラ群集、オ オバクロモジ‐ミズナ ラ群集、カラマ ツ植林、ヤマ ツツジ‐アカマツ群集 、スギ‐ヒノキ 植林、ツルコ ケモモ‐ミズゴケクラ ス、ヌマガヤオ ーダー、ヨシ クラス、畑地雑草群落 ・桑園・果樹園 、水田雑草群 落などが存在している。「参考 群 馬県植物誌 改訂 版」 ・コマクサ‐イワツメクサ群落 主に至仏山に成立する 。蛇紋岩の影響 受け成立して いる植物群落である。 ・コケモモ‐ハイマツ群集 主に至仏山と武尊山の山頂周辺 に成立する。 ・オオシラビソ群集 尾瀬のアヤメ平周辺、 武尊山の上部、 日光白根山周 辺の一部に成立する。積雪の多い ところに成立する。 ・オオシラビソ‐シラビソ群集 日光白根山周辺の一部 に成立する。オ オシラビソ群 集の成立するところよ り積雪が少ない ところに成立 するようだ。 ・ミドリユキザサ‐ダケカンバ 軍団 尾瀬の一部、武尊山山 頂周辺、日光白 根山山頂周辺 に成立する。 ・チシマザサ‐ブナ軍団 尾瀬ヶ原周辺、武尊山 中腹、日光白根 山下部に成立 する。 ・ハルニレオーダー 尾瀬ヶ原周辺の一部、奥鬼怒方 面に成立する。 ・クリ‐ミズナラ群集 、オオバクロモ ジ‐ミズナラ 群集、 集落周辺に成立し、二次的な植 生である。 ・カラマツ植林 集落周辺から山地にかけて植林 された人工林。 ・アカマツ植林 主に宇条田峠にある。 ・スギ‐ヒノキ植林 集落周辺に植林された人工林。 ・ツルコケモモ‐ミズ ゴケクラス、ヌ マガヤオーダ ー 尾瀬ヶ原に広大に成立 し周辺アヤメ平 など湿原も同じクラス、オーダーの植生であ る。 ・ヨシクラス 尾瀬ヶ原の一部や水辺周辺にみ られる。 ・畑地雑草群落・桑園・果樹園 、水田雑草群落 集落や周辺に成立する群落で、植 林されて成立する。 ○各地域の植物相 ・尾瀬地域の植物相 尾瀬は尾瀬ヶ原や尾瀬 沼を取り囲む 至仏山やアヤ メ平、燧ケ岳、景鶴山に成り立 つ。 尾瀬ヶ原は標高約一四 〇〇mで、東 西六㎞、南北 二㎞の本州最大の高層 湿原を有する。 低山帯以高の 湿原植物がたくさん生 育している。ミ ズバショウ、 ニッコウキスゲなど大 きな群落を形成 する植物をは じめオゼヌマアザミや ナガバノモウセ ンゴケなど貴 重な植物も多くある。 なんといっても湿原に 重要なミズゴ ケ類が多く、 イボミズゴケ、キダチ ミズゴケ、アオ モリミズゴケ など種類も多様である。 池塘にはヒツジグサ、 オゼコウホネ 、ミヤマホタ ルイ、ホソバタマミクリが生育 する。 至仏山は標高二二二八 mあり、尾瀬 ヶ原側の山麓 標高一四〇〇~一七〇 〇mまでがキタ ゴヨウ、クロ ベが多く、その上部は ミヤマナラ、そ の上部にハイ マツが生育している。 ホソバヒナウスユキソ ウ、ジョウシ ュウアズマギ ク、至仏山周辺に固有 な植物だけでな くオゼソウ、 カトウハコベ、キンロ バイなど蛇紋岩 地に特有な植 物が生育する花の宝庫である。 落葉広葉樹はブナ、ミ ズナラ、シラ カバ、ダケカ ンバ、トチノキ、シナ ノキなどが主な 樹種である。 川沿いや崩壊地には天 然のカラマツが 並び全国でも 珍しい天然カラマツ林が成立し ている。 ブナやミズナラは巨樹 ・巨木が多く とても貴重で ある。亜高木や低木の 樹種は、ハウチ ワカエデ、ウ リハダカエデなどのカ エデ類、マユミ 、コマユミ、 ヒロハツリバナなどの ニシキギ類、ム シカリ、オオ バクロモジ、コシアブ ラ、アオダモ類 などの樹種が 多く種類が豊富である 。草本層にはチ シマザサが広 範囲を覆い、木道周辺 や沢沿いなど開 けたところに タケシマラン、エンレ イソウ、ツクバ ネソウ、マイ ヅルソウ、ユキザサなどが生育 する 針葉樹林に多い樹木は オオシラビソ 、クロベ、コ メツガ、などである。 なかでもオオシ ラビソが優先 する。オゼトウヒなど 貴重なものも生 育する。低木 にはオオバスノキやウ スノキ、コヨウ ラクツツジ、 ハクサンシャクナゲな どのツツジ類が 多く、他にナ ナカマドやミヤマハン ノキ、ミネカエ デなどが生育 する。草本層にはゴゼ ンタチバナ、イ ワカガミなど が多くコイチヨウランも咲く。 尾瀬沼にはジュンサイ 、ヒルムシロ 、オオフトイ などが沼の浅瀬に群落を形成し ている。 ・丸沼地域の植物相 植物相は冷温帯から亜 寒帯に主な樹 林がある。尾 瀬・武尊地域同様日本 海側の植物も見 られるが、積 雪が多くなく、地質が 新しいため植物 相はがらりと 変わる。 皇海山方面続く山々も 比較的新しい 山が多く、フ ォッサマグナ要素の植 物が生育する。 からシラビソ が多く生育している。 丸沼周辺のから 菅沼の間に冷 温帯の落葉広葉樹林か ら亜寒帯の針葉 樹に入れ替わ る。 植生はニホンジカの 食害などにより 大変影響を受 けておりシカが好む種 類は減りシカが 嫌がる忌避植 物が多く繁茂している 。減少している 植物はシラネ アオイなどで、増加し ている植物はカ ニコウモリや イケマなどであり、シ カの踏み付けに よる植物への 踏圧・採食圧が懸念さ れるところであ る。地元のシ ラネアオイを守る会や 群馬県立尾瀬高 等学校がシラ ネアオイの保護に取り組んでい る。 丸沼地域はおもに火 山の噴出物で覆 われ溶岩や火 山弾などにより、ゴツ ゴツとした林床 であるところ 図 ミズバショウの群落(中田 代) 図 ニッコウキスゲの群落(中 田代)
が多い。そのような他 の草本やササが 生えづらい場 所にはコケ層が豊富で ある。ヒカリゴ ケなど貴重な ものもある。 ・武尊山地域の植物相 武尊山は武尊牧場から 山頂に向かう 尾根沿いにブ ナ林が形成されている 。避難小屋周辺 からオオシラ ビソ林になり山頂近く まで行くとハイ マツが現れる。 谷に向かっての斜面の 多くはカラマツ が植林されて いる。 東俣沢など沢には巨樹 巨木が多くあ り樹種はトチ ノキ、ブナ、カツラ、 サワグルミなど がある。武尊 牧場の三合平周辺には レンゲツツジが 多く、シラカ バやダケカンバなどの 明るい林がある 。六月にはベ ニバナイチヤクソウの 大群落が一斉に 花を咲かせる。 他にも、マイヅルソウ やツバメオモト が生育してい る。 ブナの自然林には亜高 木層にミヤマ アオダモやコ シアブラ、低木層には ムシカリ、草本 層にはチシマ ザサなどのササがおお われている登山 道沿いなどに はマイヅルソウ、ウス バサイシンなど があり、林内 の湿地などにはミズバ ショウやヒメカ イウが生育し ている。田代湿原など の湿原にはイボ ミズゴケやツ ルコケモモ、オゼミズ ギク、ミカヅキ グサなど尾瀬 ヶ原と共通する種類も 多い。オオシラ ビソ林には低 木にムシカリ、ナナカ マド、スノキ類 。草本はミツ バオウレン、ゴゼンタチバナが 生育している。 ・里地の植物相 集落周辺や田畑のある ところまでを 里地とし植物 は尾瀬、丸沼、武尊地 域と比べ外来種 が多い。造成 したところや道端には セイタカアワダ チソウ・ハル ザキヤマガラシ・セイヨウタンポポ・シロツメクサ、 ムラサキツメクサなど 全国的に繁茂し ている植物が 生育する。 人家周辺はスギ、ヒノ キの植林やコ ナラやアカマ ツなどの二次林が主で ある。他には養 蚕に使用する ために植えられたクワ が多かった。霜 よけのために 大木にして管理されて いたと言われる クワは養蚕の 衰退に伴って伐採され たり、放置され て藪になった りしている。全国的に もこれほど大き なクワがたく さんある場所は少ない 。現在クワ林は 点々と残って いる。 河川にある林はニセア カシヤやヤナギ 類が中心だが、 斜面が急なところや崖 になっていると ころはカエデ 類やツツジ類、オニグルミなど の樹木が生育する。 戦後復興期、木材の需 要が高まり片品 村ではたくさ んの木が切りだされた 。その場所に植 えられたのが 成長の速い針葉樹片品 村は雪が多いた め雪害などに 強い落葉性のカラマツ が植えられた。 今も片品村の 多くの植林地がカラマツである 。 ○文化財の植物 文化財として指定され ている植物は次 のとおりであ る ・武尊牧場のレンゲツツジ 三合平にあるレンゲツ ツジの群落。 県指定の天然 記念物。 ・天皇桜(ヤマザクラ) 花咲針山地区にある桜 で樹齢三〇〇 年といわれて いる。 片品村重要天然記念物。 ・金井沢の赤松 土出古仲地区にあるア カマツで樹齢 三〇〇年とい われている。 県指定の天然記念物。 ・花咲栃久保のシナノキとイチ イ 県指定の天然記念物。 ・宮前の桜(エドヒガン) 樹齢百数十年といわれ 、村指定の天 然記念物に指 定されている。 ○利用されている植物 山菜として食べられて いる植物は、 ギョウジャニ ンニク(尾瀬びる)、タラノキ、コシアブラ、ゼンマ イ、チシマザサ(根曲り竹)、クサソテツ(こごめ)、 ギボウシ類(うりっぱ)、シオデな どが食されている。 過去に利用されてい た芝蓑(しばみ の)にはカン スゲの仲間(いわしば )が利用されて いた。カンス ゲの仲間は岩場や湿潤 であるところに 生育している。 他にも冬に利用される かんじきにはし なりの良い丈 夫な低木が主に利用さ れていた。多雪 地の低木は雪 の重みなどで枝が折れ 無いよう適応し たしなりがあ る。 ロープは藁縄やツルが 使われたりした が、シナノキ の樹皮で作るロープは とても丈夫で大 工の荷揚げな どにも用いられたそうだ。 ○地衣類 目立つ存在ではない が樹木の肌や岩 肌など多くの 場所に生育する。葉状 のもの樹枝状の もの固着性の ものと生活や形態などもさまざ まである。 地衣類は研究が進んで いない分野で もあり、近年 尾瀬で実施された調査 では大変貴重な 知見が得られ た。 アカゾメチャクロイボ ゴケ、スルス ミヘリトリゴ ケの二種は、北極圏や 高緯度地域の地 衣類だがアジ
アで初めての記録であった。 タカネキノリ、チャイ ロヘリトリゴ ケの二種は日 本で初めての記録であ った。ムチイボ ゴケは一八九 〇年以来、フジヤマチ ズゴケは一九四 四年以来、ア バタフスキデアは一九 九八年以来の記 録となった。 このように村内でもま だまだ知られて いない生物が たくさんいる。 その調査ではほかにも 尾瀬地域だけ で二〇〇種を 超える地衣類を確認できた。 食用となる地衣類はイ ワタケという ものがあり食 べられている。 ■片品村の動物相 前章で紹介の通り片品 村は豊富な植物 が生育し、標 高七〇〇m~二五〇〇 mまでの幅広い 標高差の中に 人工林、二次林、天然 林、湿原、川、 沼など多様な 環境があり、多様な動 物が生息してい る。冬季は冷 え込むため暖温帯に依 存する動物は少 なく、冷温帯 ~亜高山帯に生息する 動物が多い。身 近な動物では 昆虫や魚類、カエルや ヘビ、小鳥やネ ズミ、大型の 哺乳類や鳥類などが生 息し、貴重で複 雑な生態系を 成している。本章では 哺乳類、鳥類、 爬虫類、両生 類、魚類、昆虫類の中 のいくつかの分 類群、を紹介 する。 ○片品村の哺乳類 村内の哺乳類は四〇種以上生息 している。 表 片品村に生息する哺乳類 大きく山の生活の拠点 を置き山で生活 している哺乳 類、里地周辺の山に生 活の拠点を置き 時に里地に降 りてくる哺乳類、里地 を拠点に身近な ところに生活 している哺乳類などに 分けられる、山 に依存してい る動物はモグラ類、コ ウモリ類、ネズ ミ類などに多 い、里地に降りてくる 動物はツキノワ グマやイノシ シ、シカ、カモシカ、 サル、ハクビシ ンなどで、農 林業にとっては害獣に なるものが多い 。里地や人家 に依存している動物は アブラコウモリ やノネコなど であるが、ノネコが山 の中で確認され つつある。全 国的に問題となってい る帰化動物のア ライグマは確 認されていない。 尾瀬地域、丸沼地域、 里地で増えて問 題になってい るのがシカである。夏 に足尾や日光方 面からやって くると言われている。 五月ごろの夜間 、金精峠や大 清水方面に出かけると 路上や道路脇に たくさんのシ カを見ることができる。 カ モ シ カ の ことを「くらっぽ」、 イタチのことを 「ムジナ」、ア ナグマのことを「ササ ムジナ」などい ろいろな方言 で呼ばれ親しまれている。 オコジョは山の神様 とされ、山仕事 をしていてオ コジョを見たら仕事を やめて帰らなけ ればならない という言い伝えがある。 この中でカモシカ、ヤ マネは特別天然 記念物に指定 されている ○片品村の鳥類 村内の鳥類は夏鳥、 冬鳥なども合わ せると一〇〇 種を超える。 ホンシュウトガリネズミ ニホンウサ ギコウモリ ヒメネズミ カワネズミ ユビナガコ ウモリ ニホンツキノワグマ ホンシュウジ ネズミ ニホンコテ ングコウモリ ホンドキツネ ヒメヒミズ ニホンテングコウモリ ホンドタヌ キ ヒミズ ホンドザル ホンドテン ミズラモグラ トウホクノウ サギ ニホンイタ チ アズマモグラ キュウシュウノウサギ ホンドオコ ジョ コキクガシラコウモリ ニホンリス ニホンアナグマ キクガシラコ ウモリ ニホンモモ ンガ ハクビシン オゼホオヒゲコウモリ ムササビ ノネコ カグヤコウモ リ ヤマネ ニホンイノ シシ モモジロコウモリ ヤチネズミ ホンドジカ アブラコウモリ スミスネズミ ニホンカモシカ ヤマコウモリ ハタネズミ ヒナコウモリ アカネズミ 図 ホンドジカ(大清水周辺) 図 ニホンカモシカ(戸倉)
表 片品村に生息する鳥類 イヌワシやクマタカ、 オオタカなど生 態系の頂点に 立つ鳥類が多く生息し 、村内の自然の 豊かさを生息 する鳥類から感じ取れる。 山に住む鳥は多く、 沢や川、沼の鳥 も多いが、水 鳥の仲間は少ない ○片品村の両棲爬虫類 村内には両棲類が一四 種類、爬虫類が 九種類生息し ている。 表 片品村に生息する両棲爬虫 類 カエル類は、産卵時期 が種間で異なり 、ニホンアカ ガエルとヤマアカガエ ルが早く雪解け 直後の三下旬 から四月、アズマヒキ ガエルは四月下 旬から五月、 アオガエルの仲間は五月下旬か ら六月と異なる。 アオダイショウ、シマ ヘビ、ヤマカガ シは里地から 山地までいるヘビであ る。タカチホヘ ビの記録はな いが生息している可能 性が高い。村内 に生息してい る毒を持つヘビはマム シとヤマカガシ の二種である。 トカゲやカナヘビは普通にみら れる。 このうちトウホクサン ショウウオは群 馬県の天然記 念物に指定されている。(群馬県が トウホクサンショ ウウオの南限のため) ○片品村の魚類 村内には九種生息している。 表 片品村に生息する魚類 凶暴な外来種はいないが、移入放 流なども見られる。 釣りなどで親しみのあ る魚が多く、浅 瀬にはカジカ やシマドジョウがいる イワナやヤマメ 、ニジマスな どは多くの釣り人を楽しませて いる ○片品村の昆虫 村内の昆虫相は非常に 豊富で、村民 になじみのあ る昆虫から山奥の貴重 な虫までさまざ まである。環 境への依存性の強い昆 虫類はたくさん の植物や環境 があってこそ多くの種類が生息 できる。 戦後すぐのころから、 昆虫採集をす る人たちが多 く訪れ、昭和四六年に 発行された「新 しい 昆虫採 集案内 (Ⅰ)」という 本に武尊山、裏日 光(丸沼 ・ 菅沼、東小川の大沢)などが紹 介されている。 生活の中でも養蜂・養 蚕などで身近 な存在の昆虫 がいた。養蜂はセイヨ ウミツバチでア カシア、トチ ノキで蜜などが取れ、 ニホンミツバチ で百花蜜が取 れた。 養蚕はカイコガを飼育 し繭を売って いた。養蚕は 群馬の主な産業でもあ り片品村でもお もな産業のひ とつであった。養蜂は まだ行っている が養蚕は衰退 しきってしまった。 戸倉ダムにおける調査 では約八〇〇 種以上の昆虫 が確認されている。 ここでは、村内の主な 昆虫相の中で 特徴があり、 身近な昆虫相を抜粋し てチョウ、カミ キリムシ、ク ワガタムシ、トンボを紹介する 。 ・片品村のチョウ 村内は関東地方の山地 に産するチョ ウが一通り生 息する。種数は一〇〇 種を超え、貴 重な種類も多い。 カ ワウ キ ジ モズ ヒガラ マガモ ヤマドリ ヒレンジャク シジュウカラ カ ルガモ キ ジバト キレンジャク ヤマガラ コガモ ア オバト カワガラス エナガ オシドリ カ ッコウ ミソサザイ ゴジュウカラ オナガガモ ツツドリ イワヒバリ キバシリ キ ンクロハ ジロ ホトト ギス カヤク グリ メジロ ゴ イサギ ジュウイチ コマドリ ホオジロ コサギ ヨ タカ コルリ カシラダカ チュウサギ ハ リオアマツバメ ジョウビタキ ホオアカ ダイサギ ヒメアマツバメ ルリビタキ アオジ ア オサギ ア マツバメ ノビ タキ ノジコ オオジシギ ヤマセミ マミジロ クロジ ヤマシギ ア カショウビン トラツグミ カワラヒワ ミサゴ カ ワセミ アカハラ マヒワ オオワシ ブッポウソウ クロツグミ アトリ オジロワシ ア オゲラ シロハラ ハギマシコ イヌワシ オオアカゲラ ツグミ ベニマシコ ク マタカ ア カゲラ ウグイス ウソ ハ チクマ コゲラ ヤブサメ イカル ト ビ ヒバリ キクイタダキ シメ ノスリ イワツバメ メボソムシクイ ニュウナイスズメ オオタカ ツバメ エゾムシクイ スズメ ハ イタカ キ セキレイ センダイムシクイ ムクドリ ツミ ハ クセキレイ キビタキ カケス ハ ヤブサ セグロセキレイ オオルリ オナガ チョウゲンボウ ビ ンズイ コサメビタキ ホシガラス フ クロウ サンショウクイ サメビタキ ハシボソガラス コノハズク ヒヨド リ コガラ ハシブトガラス トウホクサンショウウオ ニホントカゲ クロサンショウウオ ニホンカナヘビ ハコネサンショウウオ シマヘビ ニホンイモリ ジムグリ アズマヒキガエル アオダイショウ アマガエル シロマダラ ニホンアカガエル ヒバカリ タゴガエル ヤマカガシ ヤマアカガエル ニホンマムシ ツチガエル ヌマガエル モリアオガエル シュレーゲルアオガエル カジカガエル イワナ ニジマス ヤマメ ワカサギ アブラハヤ ドジョウ カジカ コイ シマドジョウ
表 片品村に生息するチョウ チョウの生息は食草の 有無によって大 きく左右され、 周囲の環境によっても左右され る。 近年村内で増えたチョ ウは、ウラギン シジミ、ムラ サキシジミ、ツマグロ ヒョウモン、ア サギマダラな どで温暖化などの影響 といわれており 全国的に北上 しているウラギンシジ ミ、ムラサキシ ジミは戸倉で 確認されておりツマグ ロヒョウモンは 尾瀬でも確認 されている。アサギマ ダラはシカが嫌 うイケマを食 草としているため、イ ケマが増加し、 アサギマダラ も増加している。 逆に近年村内で減った チョウはオオ イチモンジ、 オオゴマシジミ、コヒ ョウモンなどで 、オオイチモ ンジは丸沼周辺で採取 されていたが、 まったく採取 されなくなり絶滅した と言われている 。オオゴマシ ジミも開発や開発後の 植生変化で減少 し、コヒョウ モンなどはシカ食害に よる食草の減少 などにより減 少している。 ・片品村のクワガタムシ 村内のクワガタムシは一〇種以 上確認されている。 クワガタは産地と里地で大きく 特徴がある。 表 片品村に生息するクワガタ ムシ 山地にはヒメオオクワ ガタ、オニクワ ガタ、ツヤハ ダクワガタ、コルリク ワガタ、ルリク ワガタが生息 している。里地ではノ コギリクワガタ 、コクワガタ、 ・片品村のカミキリムシ 村内には二〇〇種を超 えるカミキリ ムシが生息し ており、地域ごとで貴重なカミ キリムシも異なる。 表 片品村に生息するカミキリ ムシ 群馬昆虫学会の学会誌 「乱舞 第一二 号」に群馬県 のカミキリムシがまと められている。 そのはじめに 書かれている文には「 群馬県は裏日光 大沢(東小川 大沢のこと)丸沼、菅 沼、武尊山など の全国的に有 名なカミキリムシの産 地を有する」と 書かれ、挙げ られている地域が片品 村にかかわりの ある地域であ る。新聞にはカミキリムシ村と書 かれるほどである。 ・片品村のトンボ 村内のトンボは四〇種近く確認 されている。 表 片品村に生息するトンボ ウス バシロ チョウ ミ ドリシジミ ヒオドシチョウ ベニヒカゲ ジャ コウアゲハ アイノミドリ シジミ エルタ テハ ジャノメチョウ キアゲハ メスアカミドリシジ ミ キベリ タテハ ウラジャノメ オナ ガアゲ ハ フジミドリ シジミ キタテハ ツマジロウ ラジャノメ カラスアゲハ エゾミドリシジ ミ シー タテハ ヒメキマダラヒカゲ ミヤマ カラス アゲハ オオ ミドリシジミ コヒョウモン クロヒカゲ キタキチョウ ジョウ ザンミドリシジミ ヒョウモンチョウ ヒカゲチョウ スジ ボソヤマキチョウ カラスシ ジミ ウラギ ンス ジヒョウ モン サトキマダラヒカゲ モンキチョウ ミ ヤマカラスシジミ オオウ ラギンス ジヒョウ モン ヤマキマ ダラヒカゲ ツマ キチョウ コ ツバ メ クモガタ ヒョウ モン キマダラモドキ モンシロチョウ ト ラフシジ ミ メスグロ ヒョウ モン オオヒカゲ スジ グロシロ チョウ ウ ラナミシ ジミ ミドリ ヒョウ モン ヒメヒカゲ ウラギ ンシジミ ヤマ トシジミ ギンボシヒョウモン アオバ セセリ ゴイシシジミ ツバメシジミ ウラギ ンヒョウモン キバ ネセセリ ベ ニシジミ ルリ シジミ ツマ グロヒョウモン ダイ ミョウセセリ ムラサキシジミ ス ギタニルリシジミ スミ ナガシ ミヤマセセリ ムモンアカシジミ オオ ゴマシジ ミ イチ モンジチ ョウ ギンイ チモンジセセリ ウラゴマダラシジミ ヒメシジミ アサマイチモ ンジ コチャバ ネセセリ ウラキンシジミ ミ ヤマシジミ コミ スジ ヘリグロチャバ ネセセリ ウラナ ミアカシジミ テングチョウ フタス ジチョウ コキマダラセ セリ アカシジミ アサギマダラ ホシ ミスジ アカセセリ オナ ガシジミ サカハ チチョウ ミス ジチョウ キマダラセセリ ミズイ ロオナ ガシジミ クジャ クチョウ オオミ スジ オオチャバ ネセセリ ウス イロ オナガシジミ ヒメアカタテ ハ コムラサキ ミヤマチャバ ネセセリ ウラミ スジシジミ アカタテハ オオムラサキ イチモンジセセリ ウラクロ シジミ ルリ タテハ ヒメウ ラナミジ ャノメ ヒメオオクワガタ オニクワガタ コクワガタ ツヤハダクワガタ スジクワガタ コルリクワガタ アカアシクワガタ ルリクワガタ ノコギリクワガタ マダラクワガタ ミヤマクワガタ ホソ カミキリ キヌ ツヤハ ナカミキリ ツマキトラカミキリ クリイロ シラホシカミキリ ウスバカミキリ ヤマトキモンハナ カミキリ ムネマダラトラ カミキリ クワ カミキリ ノコギリカミキリ マルガ タハナ カミキリ アカネ トラカミキリ シロ スジカミキリ ニセノコギリカミキリ ヌ バタ マハナ カミキリ キスジトラカミキリ ヒゲナガゴマフカミキリ コバ ネカミキリ ツヤケシハ ナカミキリ シラケトラ カミキリ セミスジコ ブヒゲカミキリ クロ カミキリ アカハナ カミキリ シロオ ビトラカミキリ ヒトオ ビアラゲカミキリ サビカミキリ ブチヒゲハ ナカミキリ キンケトラカミキリ フタモンアラゲカミキリ シナノサビカミキリ ヒメアカハナ カミキリ クリストフコトラカミキリ フタオビアラゲカミキリ ツシ マムナ クボカミキリ オオハ ナカミキリ コトラカミキリ ジュ ウジクロ カミキリ オオクロ カミキリ ベ ニバ ハナ カミキリ ヨコ ヤマトラ カミキリ クモノスモンサビカミキリ ヒメマルクビヒラタ カミキリ ムネアカクロ ハナカミキリ ハセガワ トラカミキリ カッコウ カミキリ オオマルク ビヒラタ カミキリ ヤツボシハナ カミキリ エグリトラカミキリ ミヤマチビコブカミキリ トドマツカミキリ ツマグロ ハナ カミキリ クロ トラカミキリ ピックチビコ ブカミキリ カラマツカミキリ ヨツスジハナカミキリ トウ キョウ トラカミキリ ハイ イロ ツツクビカミキリ ハイ イロ ハナ カミキリ ヤマトヨツスジハ ナカミキリ ホソ トラカミキリ シロ オビド イカミキリ ホンドニセハ イイ ロハ ナカミキリ ハ ネビロハナ カミキリ ヒメクロトラカミキリ クリイロ チビケブカカミキリ アラメハナ カミキリ カタ キハ ナカミキリ カンボ ウトラカミキリ ネジロ カミキリ フタコ ブルリハナカミキリ フタ スジハ ナカミキリ トゲ ヒゲ トラカミキリ エゾトゲムネカミキリ モモグロハ ナカミキリ オオク ロハ ナカミキリ シロトラカミキリ ヒゲナガモ モブトカミキリ テツイロ ハナカミキリ オオヨ ツスジハナ カミキリ マツシ タトラカミキリ ゴマダラモモブトカミキリ キベリカタビロハ ナカミキリ カエデ ノヘ リグロ ハナカミキリ アカジ マトラカミキリ ミヤマモモブトカミキリ フタスジカタビロハ ナカミキリ ヒゲジロ ハナ カミキリ エゾトラカミキリ トゲバカミキリ クモマハ ナカミキリ ホンドアオバホソハナ カミキリ ゴマフカミキリ ホオ ノキトゲバカミキリ カラカネハナ カミキリ ニョウ ホウ ホソ ハナカミキリ カタシロ ゴマフカミキリ キッコウ モンケシカミキリ オトメクビアカハ ナカミキリ ニンフホソハ ナカミキリ マダラゴマフカミキリ ガロ アケシカミキリ クビアカハナカミキリ ミヤマホソハナ カミキリ フタスジゴマフカミキリ アトモンマルケシカミキリ ピックニセハムシハ ナカミキリ オニホソコバ ネカミキリ ナガゴマフカミキリ クモガタ ケシカミキリ アカイロ ニセハ ムシハナカミキリ カラフトホソコ バネカミキリ シナノクロ フカミキリ ヨコ グロ ケシカミキリ ヒナルリハナ カミキリ オオホソコ バネカミキリ クビジロカミキリ シラオビゴマフケシカミキリ チャ イロ ヒメコ ブハナ カミキリ クロ ホソコバ ネカミキリ ヒトオビチビカミキリ トホシカミキリ シラネヒメハ ナカミキリ ヒゲシロ ホソ コバ ネカミキリ クリチビカミキリ ヘリグロ アオカミキリ ホソ ガタヒメハナ カミキリ マルク ビヒゲ マダラ カミキリ シロオ ビチビカミキリ ムネモンヤツボシ カミキリ ナガバ ヒメハナカミキリ トビイロ カミキリ ミチ ノク ケマダラカミキリ ニセヤツボ シカミキリ ニッコウ ヒメハナ カミキリ ヨツボシカミキリ ドウ ボソカミキリ ヤツボシカミキリ キベリクロヒメハ ナカミキリ アメイ ロカミキリ ニイジマチビカミキリ ブロ イニングカミキリ ミヤマヒメハナカミキリ カッコ ウメダカカミキリ ヒメナガサビカミキリ シナカミキリ カクムネハナ カミキリ タ カオメダカカミキリ マルモンサビカミキリ ヤツメカミキリ ブービエヒメハ ナカミキリ ナ カネ アメイ ロカミキリ アトジロ サビキミキリ ハンノアオカミキリ アサマヒメハナ カミキリ オニヒゲナ ガコバ ネカミキリ クリサビカミキリ ヘリグロ ヤツボシカミキリ ツマ グロ ヒメハ ナカミキリ コ ジマヒゲナガコ バネカミキリ エゾサ ビカミキリ ニセシラホシカミキリ オオヒメハナ カミキリ クスベニカミキリ トガ リシロ オビサビカミキリ ハンノキカミキリ マツシタヒメハナ カミキリ ルリボシカミキリ アトモンサビカミキリ キモンカミキリ チャ イロ ヒメハ ナカミキリ オオアオカミキリ クワ サビカミキリ オニグルミノキモンカミキリ フタオビヒメハナ カミキリ ミドリカミキリ ホンドアカガネカミキリ ジュ ウニキボシカミキリ ニセフタオビヒメハナ カミキリ アオカミキリ コブヤ ハズカミキリ シラホシカミキリ オヤマヒメハナ カミキリ ヘ リグロベ ニカミキリ イタ ヤカミキリ セミスジニセリンゴカミキリ ミワヒメハナ カミキリ ベ ニカミキリ カラフトヒゲナ ガカミキリ ヒゲナガシ ラホシカミキリ ムネアカヨ コモンヒメハナ カミキリ ミドリヒメスギカミキリ ヒゲナガカミキリ クロ ニセ リンゴカミキリ ニセヨコ モンヒメハ ナカミキリ ヒメスギカミキリ シラフヒゲナガカミキリ チチブニセリンゴカミキリ ヨコ モンヒメハ ナカミキリ ビャ クシンカミキリ ヒメヒゲナガカミキリ キクスイ カミキリ セスジヒメハ ナカミキリ チャ イロ ホソ ヒラタカミキリ ゴマダラカミキリ ヨツキボ シカミキリ チビハナ カミキリ アカネカミキリ センノキカミキリ ヘリグロ リンゴカミキリ ホク チチビハナカミキリ シロ オビチビヒラタカミキリ ビロウ ドカミキリ ムネグロ リンゴカミキリ チャ ボハナカミキリ オオトラカミキリ ニセビロウ ドカミキリ ヒメリンゴカミキリ ミヤマルリハ ナカミキリ トラフカミキリ ヤハズカミキリ ニセリンゴカミキリ ミヤマクロハ ナカミキリ キジマトラカミキリ ゴマフキマダラカミキリ シラハ タリンゴカミキリ クロ ルリハ ナカミキリ ニイ ジマトラ カミキリ キボシカミキリ ホソ キリンゴカミキリ ルリハナカミキリ ブド ウトラカミキリ ヨコ ヤマヒゲナガカミキリ ホソ ツツリンゴカミキリ ヒゲブトハナカミキリ ウ スイ ロトラカミキリ チャボ ヒゲ ナガカミキリ アオイトトンボ ヒメクロサナエ マユタテアカネ ニホンカワトンボ コサナエ ミヤマアカネ カラカネイ トトンボ ヤマサナエ ハッチョウトンボ キイトトンボ オニヤンマ ショウジョウトンボ エゾイ トトンボ カラカネトンボ ウスバキトンボ オゼイトトンボ オオトラフトンボ シオカラトンボ ルリイトトンボ タカネトンボ シオヤトンボ アジアイトトンボ エゾトンボ オオシオカラトンボ ムカシトンボ コヤマトンボ ヨツボシトンボ オオルリボシヤンマ カオジロトンボ ルリボシヤンマ ナツアカネ クロ スジギンヤンマ ノシメトンボ コオニヤンマ ムツアカネ クロ サナエ アキアカネ ダビドサナ エ ヒメアカネ
図 オゼソウ(至仏山) 図 ホソバヒナウスユキソウ( 至仏山) 多くは尾瀬の湿原に生 息しており里や その他の地域 では沢や川、池などで生活して いる。 戦後間もなくトンボの 研究をしていた 朝比奈正二郎 がトンボの多い尾瀬に 訪れ何度も足を 運んだと言い 伝えられているほどである。 中でもオゼイトトンボ と名のついてい るトンボもい るほどである。 昆虫についてはたくさ んの分類群のあ る中からいく つかを紹介した。 片品村の名前のついた カタシナナガゴ ミムシという 昆虫もいる。 動植物について、今後 もたくさんの 生き物が見つ かっていくであろう。 この片品村の自 然を片品村の 子供たちのためだけで なく片品村を訪 れるすべての 人たちのために残していきたい 。 ■尾瀬地域の動植物 片品村の北に位置し、 片品川の源流 部である。太 平洋と日本海の分水嶺 を有し、湿原、 蛇紋岩地、冷 温帯、亜高山帯、ハイ マツ帯など、そ れぞれの環境 要素が他の地域より広 範囲により均等 に存在するた め貴重な動植物が大きい個体群 を維持している。 尾瀬は尾瀬ヶ原や尾瀬 沼を取り囲む 至仏山やアヤ メ平、燧ケ岳、景鶴山などによ って成り立つ。 尾瀬ヶ原は標高約一四 〇〇mで、東 西六㎞、南北 二㎞の本州最大の高層 湿原を有する。 低山帯以高の 湿原植物がたくさん生 育している。ミ ズバショウ、 ニッコウキスゲなど大 きな群落を形成 する植物をは じめオゼヌマアザミや ナガバノモウセ ンゴケなど貴 重な植物も多くある。 なんといっても湿原に 重要なミズゴ ケ類が多く、 イボミズゴケ、キダチ ミズゴケ、アオ モリミズゴケ など種類も多様である。 池塘にはヒツジグサ、 オゼコウホネ 、ミヤマホタ ルイ、ホソバタマミクリが生育 する。 至仏山は標高二二二八 mあり、尾瀬 ヶ原側の山麓 標高一四〇〇~一七〇 〇mまでがキタ ゴヨウ、クロ ベが多く、その上部は ミヤマナラ、そ の上部にハイ マツが生育している。 ホソバヒナウスユキソ ウ、ジョウシ ュウアズマギ ク、至仏山周辺に固有 な植物だけでな くオゼソウ、 カトウハコベ、キンロ バイなど蛇紋岩 地に特有な植 物が生育する花の宝庫である。 落葉広葉樹はブナ、ミ ズナラ、シラ カバ、ダケカ ンバ、トチノキ、シナ ノキなどが主な 樹種である。 川沿いや崩壊地には天 然のカラマツが 並び全国でも 珍しい天然カラマツ林が成立し ている。 ブナやミズナラは巨樹 ・巨木が多く とても貴重で ある。亜高木や低木の 樹種は、ハウチ ワカエデ、ウ リハダカエデなどのカ エデ類、マユミ 、コマユミ、 ヒロハツリバナなどの ニシキギ類、ム シカリ、オオ バクロモジ、コシアブ ラ、アオダモ類 などの樹種が 多く種類が豊富である 。草本層にはチ シマザサが広 範囲を覆い、木道周辺 や沢沿いなど開 けたところに タケシマラン、エンレ イソウ、ツクバ ネソウ、マイ ヅルソウ、ユキザサなどが生育 する 針葉樹林に多い樹木は オオシラビソ 、クロベ、コ メツガ、などである。 なかでもオオシ ラビソが優先 する。オゼトウヒなど 貴重なものも生 育する。低木 にはオオバスノキやウ スノキ、コヨウ ラクツツジ、 ハクサンシャクナゲな どのツツジ類が 多く、他にナ ナカマドやミヤマハン ノキ、ミネカエ デなどが生育 する。草本層にはゴゼ ンタチバナ、イ ワカガミなど が多くコイチヨウランも咲く。 尾瀬沼にはジュンサイ 、ヒルムシロ 、オオフトイ などが沼の浅瀬に群落を形成し ている。 哺乳類はニホンジカが 多く湿原の植 生に影響を与 えてきている。オコジ ョやヤマネなど 天然記念物、 ツキノワグマなども生 息する。コウモ リ類などは貴 重なものが多い。
二〇一〇年前後から特 別保護地区周 辺でイノシシ が確認され、今後の尾 瀬の植生への影 響が懸念され る。 鳥類は湿原を生活圏に 入れている種 類が特徴的で ある。ホオアカやノジ コなどは湿原で 鳴き、カルガ モの親子やサギの仲間 がいる。夏鳥と して、日本で 主に繁殖をするノジコ や遠くオースト ラリアから日 本にわたってくるオオ ジシギなども尾 瀬の湿原に訪 れ繁殖している。鳩待 峠周辺ではメボ ソムシクイや エゾムシクイなどのさ えずりが聞こえ 、至仏山では イワヒバリやホシガラスが多い 。 尾瀬の両棲爬虫類は他 地域より種数は 多様である。 爬虫類はシマヘビ、ア オダイショウ、 ヤマカガシ、 ニホンカナヘビが湿原 や林縁部でよく 活動している。 シマヘビは黒化型の出 現が多く尾瀬に いる真っ黒で 大きいヘビはほぼシマ ヘビである。両 棲類はクロサ ンショウウオ、トウホ クサンショウウ オ、ハコネサ ンショウウオ、ニホン イモリの四種は 村内で見られ る有尾類のすべてが見 られる。無尾類 はヤマアカガ エル、タゴガエル、ア ズマヒキガエル 、モリアオガ エルなどが生息している。 魚類は尾瀬の歴史から 人為的にコイ などが放流さ れていたようだ、放流 がなければイワ ナやアブラハ ヤくらいの貧弱な魚類 層であったはず だ。現在尾瀬 では五種生息しているのが確認 されている。 昆虫類はチョウで特徴 的なのが至仏 山に生息する ベニヒカゲやフタスジ チョウ、尾瀬ヶ 原に生息する コヒョウモンなどであ る。ベニヒカゲ は以前至仏山 固有で亜種名がつけら れていたようで 多少の変異が ある。今後も守ってい かないといけな い個体群であ る。 カミキリムシはコブヤ ハズカミキリ やシラフヒゲ ナガカミキリ、アカハ ナカミキリなど がよく木道を 歩いている。天然のカ ラマツが多くあ るため天然カ ラマツの樹皮を食べる ミドリヒメスギ カミキリなど 貴重なカミキリムシも生息して いる。 トンボ類はとても多い 。カオジロト ンボやハッチ ョウトンボ、オゼイトトンボ、 ルリイトトンボ、エゾ イトトンボな ど他地域では あまり見られない種類が多い。 そのほかに尾瀬地域に 特徴のある昆 虫はハセガワ グンバイである。尾瀬 周辺のシャクナ ゲでしか確認 されていない貴重な昆虫である 。 尾瀬の動植物に関して は多くの研究が なされている。 尾瀬の総合調査がある 図 コブヤハズカミキリ(鳩待 街道) 図 ミドリヒメスギカミキリ( カラマツ上)
■丸沼地域の動植物 片品村の東に位置し、 関東一標高の 高い日光白根 山(標高2578m)を有する地域であり、その動植物 相は豊かである。 植物相は冷温帯から亜 寒帯に主な樹 林がある。尾 瀬・武尊地域同様日本 海側の植物も見 られるが、積 雪が多くなく、地質が 新しいため植物 相はがらりと 変わる。 皇海山方面続く山々も 比較的新しい 山が多く、フ ォッサマグナ要素の植 物が生育する。 からシラビソ が多く生育している。 丸沼周辺のから 菅沼の間に冷 温帯の落葉広葉樹林か ら亜寒帯の針葉 樹に入れ替わ る。 植生はニホンジカの 食害などにより 大変影響を受 けておりシカが好む種 類は減りシカが 嫌がる忌避植 物が多く繁茂している 。減少している 植物はシラネ アオイなどで、増加し ている植物はカ ニコウモリや イケマなどであり、シ カの踏み付けに よる植物への 踏圧・採食圧が懸念さ れるところであ る。地元のシ ラネアオイを守る会や 群馬県立尾瀬高 等学校がシラ ネアオイの保護に取り組んでい る。 丸沼地域はおもに火 山の噴出物で覆 われ溶岩や火 山弾などにより、ゴツ ゴツとした林床 であるところ が多い。そのような他 の草本やササが 生えづらい場 所にはコケ層が豊富で ある。ヒカリゴ ケなど貴重な ものもある。 哺乳類はニホンジカに よる食害が多 く植生に多大 な影響を与えている。 シカの食害は草 本にとどまら ず、樹木の樹皮を食害している 。 鳥類は落葉樹が多いと ころはオオル リやキビタキ など、針葉樹が多いと ころはメボソム シクイなどが 多い。クマタカなど大型の猛禽 類も生息している。 両棲爬虫類はあまり多 くなく、池や 止水の環境に クロサンショウウオが 産卵に来ていた り、沢にはハ コネサンショウウオが産卵に来 ていたりする。 魚類はヒメマス、コイ 、イワナやヤ マメなどが多 く生息する丸沼・菅沼には釣り 人でにぎわう。 昆虫類は豊富である。 チョウ類は多 くのミドリシ ジミやタテハチョウが 生息する。七月 下旬から八月 上旬一斉にアサギマダ ラが羽化し、ス キー場や国道 沿いのヨツバヒヨドリ に訪花し蜜を吸 っている。同 じ七月下旬から八月上 旬にオオゴマシ ジミが羽化す る。このチョウは関東 ではあまり見ら れない局所的 に生息するチョウであ る。武尊や尾瀬 地域でも記録 はあるが丸沼のほうが 多かったようで ある。県内で は唯一丸沼周辺で記録 のあるオオイチ モンジは近年 発見記録がなく群馬県 では絶滅したと の扱いになっ ている。となりの日光 市でも減少し近 年は発見記録 がまるでない。 カミキリムシは丸沼・ 菅沼が有名で ハイイロハナ カミキリやアラメハナ カミキリ、キベ リカタビロハ ナカミキリなど貴重な ものが多く開発 や製紙会社の 伐採などでカミキリムシが多く 発生した。 伐採をしていた頃は採 取されていたが 最近は全く見 かけなくなった。 昭和四六年に発行され た「新しい昆 虫採集案内」 に丸沼地域が里地の東 小川と一緒に「 裏日光」とい う名前で載っている。 珍しい昆虫の採 取できるとこ ろの案内が載っていた ため全国から多 くの採集家が 集まった。 図 キベリカタビロハナカミキ リ(みよしや旅館よ り) 図 アラメハナカミキリ(菅沼 )
図 オオホソコバネカミキリ 図 マダラゴマフカミキリ ■武尊山地域の動植物 片品村の西側に位置す る。武尊山は 武尊牧場から 山頂に向かう尾根沿い にブナ林が形成 されている。 避難小屋周辺からオオ シラビソ林にな り山頂近くま で行くとハイマツが現 れる。谷に向か っての斜面の 多くはカラマツが植林されてい る。 東俣沢など沢には巨樹 巨木が多くあ り樹種はトチ ノキ、ブナ、カツラ、 サワグルミなど がある。武尊 牧場の三合平周辺には レンゲツツジが 多く、シラカ バやダケカンバなどの 明るい林がある 。六月にはベ ニバナイチヤクソウの 大群落が一斉に 花を咲かせる。 他にも、マイヅルソウ やツバメオモト が生育してい る。 ブナの自然林には亜高 木層にミヤマ アオダモやコ シアブラ、低木層には ムシカリ、草本 層にはチシマ ザサなどのササがおお われている登山 道沿いなどに はマイヅルソウ、ウス バサイシンなど があり、林内 の湿地などにはミズバ ショウやヒメカ イウが生育し ている。田代湿原など の湿原にはイボ ミズゴケやツ ルコケモモ、オゼミズ ギク、ミカヅキ グサなど尾瀬 ヶ原と共通する種類も 多い。オオシラ ビソ林には低 木にムシカリ、ナナカ マド、スノキ類 。草本はミツ バオウレン、ゴゼンタ チバナが生育し ている。武尊 山は武尊牧場から山頂 に向かう尾根沿 いにブナ林が 形成されている。避難 小屋周辺からオ オシラビソ林 になり山頂近くまで行 くとハイマツが 現れる。谷に 向かっての斜面の多く はカラマツが植 林されている。 哺乳類は他の地域と違 いシカの害は あまり無いよ うである。武尊山の下部にニホ ンザルが多い。 群馬県立尾瀬高等学校 (以下、尾瀬 高校)の調査 では武尊山に多いブナ の実の豊凶とア カネズミの個 体数の増減に規則性があること を明らかにした。 平成一七年秋、ブナの 実が豊作で翌 年平成一八年 にアカネズミの個体数 が増加した。翌 年の平成一八 年、ブナは結実せず、 アカネズミの個 体数も著しく 減少し、以降平成一九 年から平成二二 年まで並作か 凶作が続いた。平成二 三年秋に再び豊 作になり、翌 年の平成二四年にアカ ネズミの個体数 が増加した。 下図のように個体数の変動があ った。 アカネズミは秋にブナ の実を食べ、 繁殖するため に十分な栄養を得る。 翌年の春も貯蓄 しておいた前 年のブナの実を食べた り、ブナの実生 を食べたりし てその年の個体数を増やす。 ブナの実の豊凶により アカネズミの 個体数が変動 することからさらに、 アカネズミの捕 食者の個体数 の増減にも何らかの影響を与え ているだろう。 鳥類は尾瀬高校が実施 している調査 では平成一五 年から平成二五年まで 約一〇年間に確 認された鳥類 の種数は八〇種近くに のぼり朝から夜 までの調査も 行われている。そこで は照度により鳥 の鳴き出しや 生息する種類も変わるという事 がわかっている。 両棲爬虫 類はク ロサン ショウ ウオが 多く、 五月~ 六月の繁殖期にかけて 三合平の池や眠 る男ロケ地の 池、山頂近くの池に集 まる。尾瀬高校 が三合平で調 査したサンショウウオ の卵のうの数か らは、一〇〇 個体以上のメスが産卵に来てい ることが分かった。 魚類は沢にイワナ、ヤ マメが生息し ている。渓流 釣りを楽しむ人が多い。 昆虫はクワガタやカミ キリムシなど の甲虫類が有 図 アカネズミの推定個体数( 尾瀬高校調査)
名でチョウもたくさん いる。チョウは クロヒカゲモ ドキ、アカセセリ、フ ジミドリシジミ など尾瀬や丸 沼地域であまり数の少 ないチョウがい る。少なから ずオオゴマシジミの記 録もあるが近年 の記録はほぼ ない。 クワガタはルリクワガ タやコルリク ワガタなどの 幼虫が枯れたブナの枝 や幹を食べるた め多く生息し ている。ルリクワガタ やコルリクワガ タはブナの芽 吹きの芽を食べに訪れ る。尾瀬高校が 実施している 地表徘徊性昆虫調査の トラップに数十 匹かかったこ ともある。他にもヒメ オオクワガタが 沢沿いのヤナ ギの小枝にいたり、ブ ナ林やシラカバ 林の中を歩い ていたりする。林内に ある赤く腐った 木にはツヤハ ダクワガタが、倒木に は稀にミヤマク ワガタやアカ アシクワガタ、オニク ワガタなど産卵 のため訪れて いる。 カミキリムシは六月に 枯れたブナに マダラゴマフ カミキリ が集ま り、七 月~八月上旬オオホソコバネ カミキリやクロホソコ バネカミキリが ブナやダケカ ンバの立ち枯れに集ま っている。他に もヤマトヨツ スジハナカミキリやヒ ゲナガゴマフカ ミキリがブナ の枯れた木に集まっている。 オオホソコバネカミキ リとクロホソ コバネカミキ リはカミキリムシの採 集家の中では人 気が高く、採 集家が訪れる。 昭和四六年に発行され た「新しい昆虫 採集案内」に 「武尊山」が載ってお り、武尊口から の案内が載っ ている。一時はカミキリムシの 山とも言われた。 その他の昆虫では、ブ ナアオシャチ ホコとクロカ タビロオサムシである。 尾瀬高校の武尊山での 調査では周期は 分かっていな いが尾瀬高校が武尊山 で調査を始めた 一九九八年か ら、大発生は平成二四 年の一度だけで ある。ブナア オシャチホコが大発生 した翌年の平成 二五年は捕食 者であるクロカタビロ オサムシの個体 数が増加した。 尾瀬高校が実施してい る地表徘徊性昆 虫調査でも捕 獲された。 次の写真にあるようにブナアオシャ チホコの大発 生によりブナ林の地表 に届く光の量も 変わり植物の 発育やブナアオシャチ ホコの大量の糞 による土壌の 栄養も変わり、地面近 くに生える植物 の成長にも大 きくかかわるであろう 片品村の山地に多いブ ナは尾瀬高校 の調査により ネズミや昆虫たちを介 してブナ林全体 の生態系に大 図 クロカタビロオサムシ 図 ブナアオシャチホコ 図 平成二四年八月ブナ林 図 平成二三年八月ブナ林
きな影響を与えていることが分 かった。 そんなブナが村内でも 特に密集する 武尊山では、 ブナの実の豊凶、ブナ アオシャチホコ の大発生によ る劇的なイベントを他 の地域より強く 感じられる地 域である。 ■里地の動植物 集落周辺や田畑のある ところまでを 里地とし植物 は尾瀬、丸沼、武尊地 域と比べ外来種 が多い。造成 したところや道端には セイタカアワダ チソウ・ハル ザキヤマガラシ・セイヨウタンポポ・シロツメクサ、 ムラサキツメクサなど 全国的に繁茂し ている植物が 生育する。 人家周辺はスギ、ヒノ キの植林やコ ナラやアカマ ツなどの二次林が主で ある。他には養 蚕に使用する ために植えられたクワ が多かった。霜 よけのために 大木にして管理されて いたと言われる クワは養蚕の 衰退に伴って伐採され たり、放置され て藪になった りしている。全国的に もこれほど大き なクワがたく さんある場所は少ない 。現在クワ林は 点々と残って いる。 河川にある林はニセア カシヤやヤナギ 類が中心だが、 斜面が急なところや崖 になっていると ころはカエデ 類やツツジ類、オニグルミなど の樹木が生育する。 戦後復興期、木材の需 要が高まり片品 村ではたくさ んの木が切りだされた 。その場所に植 えられたのが 成長の速い針葉樹片品 村は雪が多いた め雪害などに 強い落葉性のカラマツ が植えられた。 今も片品村の 多くの植林地がカラマツである 。 哺乳類は人家近くに生 息しているア ブラコウモリ やムササビ、ハクビシ ン、イタチな どが身近にいる、 時折シカやカモシカ、 ツキノワグマな どが山から下 りてくる。人家周辺は 農作物や残飯な どがあり哺乳 類にとっては栄養豊富 な食糧を得やす い環境になっ ている。神社や空き家 などには屋根の 下や壁に穴を あけてムササビが生息している 。 餌や生息環境があれば 人家周辺でも 稀にオコジョ やヤマネも生息している。 鳥類は山では見られな いスズメやツ バメが多く生 息している。里地で主 にみられるのは 普通のツバメ だが戸倉などではイワ ツバメとツバメ が半々で混じ って生息している。 両棲爬虫類はヘビが多 い。アオダイシ ョウ、シマヘ ビ、ヤマカガシは頻繁 にみられ身近な ヘビである。 マムシは山より人家周 辺に生息する、 特に宇条田峠 に多い。他にもジムグ リやヒバカリ、 シロマダラも 生息する。タカチホヘ ビの記録はない が生息してい る可能性が高い。トカ ゲやカナヘビは 普通にみられ る。また、ミシシッピーアカミミ ガメ(ミドリガメ) の外来種の記録はない がため池などに 放さないよう 放されないよう注意する必要が ある。 魚類はイワナ、ヤマメ 、カジカ、ア ブラハヤ、シ マドジョウなどが生息している 。 昆虫類は山地にはあま り見られない 昆虫が多い。 チョウはモンシロチョ ウやモンキチョ ウが多く空き 地などにはヒメシジミ が多く生息する 、ヒメシジミ は全国的に減少してい る種類であり注 目されるチョ ウである。貴重なチョ ウではオオヒカ ゲやキマダラ モドキが局所的に生息している 。 カミキリムシは養蚕に は欠かせない クワの大木を 餌としているオニホソ コバネカミキリ が生息してい る。このカミキリムシ は一九五〇年代 後半、当時生 態がまるで分かってお らず標本もほと んどない貴重 なカミキリムシであっ た。村内でも今 は少なくなっ たそのカミキリも当時 は多く採取され 、生態の解明 が進んだ、その場所の中心が東小 川の大沢であった。 シーズンに入ると多い 時は一日一〇〇 人以上の採集 家が全国から集まりカ ミキリムシ採集 家のメッカと なった。まさに片品村 を代表する昆虫 である。群馬 昆虫学会発刊の学会誌 「乱舞」にはオ ニホソコバネ カミキリについて群馬 県を代表するカ ミキリムシで ある。と伝えられているほどで ある その当時の採集記録が 「カミキリム シの魅力」と いう本に書かれている 。また、製紙会 社の伐採木の 土場が大沢にあり、そ こではオニホソ コバネカミキ リに次いで貴重であっ たオオトラカミ キリが採取さ れることで知られ、合 わせて他の多く のカミキリが 採集できたことも東小 川の魅力であり 。約三〇年間 夏は採集家でにぎわった。
昭和四六年に発行され た「新しい昆虫 採集案内」に 丸沼地域と一緒に「裏 日光」という名 前で載ってい る。 コクワガタ、ミヤマク ワガタ、ノコ ギリクワガタ、 アカアシクワガタなど が多く生息して いる。ノコギ リクワガタは寒さに弱 いようで、村内 では須賀川周 辺が毎年のように発生 しているが少な い。鎌田で稀 に採取され、東小川大 沢でも採取され ている。村内 の子供はノコギリクワ ガタの大型のオ スを「ウシク ワガタ」と呼び人気が ある。カブトム シは里地に多 く畑などで使う腐葉土を食べて いる。 里地には昆虫や植物 など落葉広葉樹 林に多い動植 物がいる。 図 オオトラカミキリ(みよし や旅館より) 図 オニホソコバネカミキリ( みよしや旅館より)