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㈱ 大塚製 薬工場 動物実験施設

塩 本 泰 久

鳴門研究所 実験動物管理室 施 設 め ぐ り

当社 は鳴門の渦潮,鳴門大橋 に代表 され る徳 島 県鳴門市にあ ります。海 に近 く,時折, 強い浜風 を受 け るこ ともあ りますが,瀬戸 内海 国立公 園 を 遠望す る風光 明美な地 にあ ります。 また, ここは 古 くか ら塩 田が開け製塩業が盛んであ りましたが, その こ とに関連す る化学薬 品 メー カー として始 ま った当社発祥 の地 で もあ ります。周囲は造成 され てす っか り様変 わ りし,工場敷地 内 も整備 され, 新 し く建 て替 え られた事務所,工場,倉庫等が並 んでお ります。

それ らの建物に並んで動物実験施設があ ります。

当社 の動物実験施設はすべ て研 究開発棟 の中に組 み込 まれ る形で設置 されてお り,現在,4棟 に分 かれてお ります。名称 も設置 されてい る研究開発 棟 に合 わせ て第1動物実験施設, 第2動物実験施 設,第 3動物実験施設,第 4動物実験施設 として お ります。

施設の概要

第1動物実験施設は最初, 第1研究開発棟 (4

1研究開発棟 2研究開発棟 (弟1動物実験施設) (2動物実験施設)

ウス ラット

l l

l l

:マウス :

l t

:ラットi

l l モット

階建 て) の1階の一角 にオープ ンシステムの施設 として設け られてお りましたが,1990年にマウス・

ラッ ト専用のセ ミバ リアー施設 として1階全 フロ アーに拡充 しま した.マ ウス飼育室, ラッ ト飼育 室,処 置室 を設け, それ らの室 には 自動飼育機, 飼育 ラック等 を備 えてお ります。管理 区域 にはフ ロアー ロー リングタイプの高圧蒸気滅菌装置,高 圧蒸気・EOガス兼用滅菌装置,パ スボ ックス,バ スルー ム,消毒 噴霧装置等,バ リアー を維持す る に必要 な機器 を備 えてお ります。 また,緊急時の ために 自家発電装 置 も備 えてお ります。 その 2階 には小規模 ではあ りますがオープ ンシステムのマ ウス;ラッ ト飼育室 を3室併 設 し,短期 間の飼育 ・ 実験がで きるよ うになってお ります。 その他,

2

階,3階, 4階には検査室,実験室 を設けてお り ます。特 に この施設 は薬効 ・薬理試験や探索研究 を主 な 目的 としてい るため, い くつかの工夫があ ります.例 えば処 置室 のスペー スを充分 に確保 し, 温度,湿度等の環境条件 を飼育 室 と同一 として様々

な実験 に対応 で きるように してお ります。飼育 ラ

3研究開発棟 (3動側 設)

図 1 動 物実験施 設 の概 略 図

≡≡:ヨ バリアー施鼓

[:=:コセミバリアー施設 I

.

‑…… モ ォ‑プン施設

マウス .ラット ハムスター .ウサギ .イヌ

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ッ クは タイプの異 なるケー ジが選択 で きるよう工 夫 してお りますO ラ、ソトの ケ一一ゾは従来の もの よ り大 き くして比較 的長期の試験 も可能 とし,持 ち 運 び も簡単 にで きるよう工夫 してお ります。また, 管理面 では,動物 の搬 入 ・搬 出が 多いため に, そ れ らが容 易にで きるよう設備 ・器具に工夫 を して お りますO消毒 噴霧装置は洗浄室に タンクとポン プ を設置 し,施設内の要所 に配管 した一括方式 と してお ります。施設内のいた るところで噴霧消毒 が簡単 にで き,消毒 液の交換や調製, 濃度管理 も 容易 に してお ります。 また, コンビュ‑I‑タは′ぞ、/

コンを用 いた

LAN ( Lo c a lAr e aNe t wo r k)

シ ステム を構築 してお り,管理室,飼育室等の要所 に端 末機 を配置 してお ります

2

動物実験施設 は第

2

研 究開発棟 (

4

階建 て) の1階, 2階, 3階に配置 されてお りますu l階 はイ ヌ, 2階はモルモ t・,ト ・ウサ ギ, 3階 は7 rJ7 ス ・ラッ トの区域 となってお ります。 こU)建物 は 1983年 にGLP対応施設 として建 設 した もの で, 第 1研究開発棟 に隣接 し,廊下 で接続 してお りま すO動物専用のエ レベー タを備 え,各区域 には動 物種毎 に検疫室,飼育室,隔馳呈,処置室 を設け,

自動飼育装置,飼育 ラック等 を備 えてお r)ます,, また

, 1

階はセ ミバ リヤー としてお りますか

,2

階, 3階はバ J)7‑ シ てテム を採 用 し,バ リアーー

を維持す るに必要 な機器 ・装 置 を備 えてお r)圭 ,

緊急時のために 自家発電装 置 も備 えてお ります.. その他, 1階には,動物受 入れ 口,検疫試験室, 集中監視室,RI実験施設等 を,2階,3階 には実 験室,解剖室,検査 室等 をそれ ぞれに配置 してお

写真1 2研究開発棟外観

ります。 この施 設の特徴 としては,施設内の床, 壁,天井すべ て を長尺塩 ビシー トで仕上 げて気密 性 を高め,飼育室毎 あ るいは区域毎 に単独 してホ ルマ リンガス煩素 がで きるように してお ります。

消毒 噴霧装置は一括方式 としてお ります。 第 1動 物実験施設の もの よ り規模 は大 き く, タンク容 量 は約10002, 3階か ら1階 までの要所 に配管 して お ります。その他,GLP専用の コンピュー タを備 え,飼育室,実験室,解 剖室,検疫室等に端末機 を配置 してお ります。

第3動物実験施 設は第 3研究開発棟 (4階建 て) の

1

, 3

, 4

階にあ ります

o l

階 はマ ウス ・ ラッ ト, 3階は ウサ ギ, 4階はマ ウス ・ラッ トの 区域 となってお ります。 これ らの施設はすべ てオ ー70ンシステムですが, それぞれが実験室,解剖 室,検査 等室 と隣 り合 わせ になってお り,利用 し 易 い配置 となってお ります。

第4動物実験施 設は平屋建 ての第4研 究開発棟 のほ とん どを占め てお りますO この施設 もオープ ンシステムですが,1992年 に一部改造 し,小規模 なが らマ ウス, ラ ッ ト, ノ\ム スター, ウサ ギ, イ ヌ等,種 々の動物種 ・系統が飼育 で きるよ うにな ってお りますO空調 は3系統 に分 け, 入 r)口も別 に設けて グレー ドの異な る動物や イヌの飼育室 を 区別 してお ります。

施設は以上 ですが,動物収容数 (最大収容数) は,4施設合計でマウス約5,500頭,ラッ ト約10,000 頭,‑ ムス ター約200頭, モルモ ッ ト約400頭, ウ サ ギ約500頭, イヌ約150頭, その他 のげ っ歯類約 200頭 となってお ります。

施設の利用 と管理

当社の研 究開発部 門は,大 き くは開発 目的別 に 独 立 した5つの研 究所 (那) と,研究開発 をサ ポ ー トす る 1つの研究所 (鳴門研究所)か ら構成 さ れてお ります。研 究開発 をサ ポー トす る鳴門研 究 所 は, さらに研究企画室,安全性研究室,代謝分 析研究室,施設管理室, コンピュー タ室,実験動 物管理室等か ら構成 されてお りますO

動物実験施設は, 6つの研究所 の生物系の研 究 ス タッフ約110名が,それ ぞれの施設に分かれて利 用 してお ります。

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施設の管理 は鳴門研究所が管轄 し, その内,施 設の‑‑ ド管理 と飼育環境 のモニ ター は施設管理 室が一括 して行 ってお ります。スタッフは

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名 で, 第1動物実験施設 と第2動物実験施設の飼育環境 モニ ター (温度,湿度,換気 回数,室 内圧,照明) につ いては,集 中監視室 で行 ってお ります。また, 集 中監視室 では,実験 中の動物 のテ レビカメラに

よる観察 ・ビデオ収録, 自動飼育機,高圧蒸気滅 菌装置,消毒噴霧装置の コン トロー ル, その他, 空調設備,電気設イ嵐 給排水 ・衛 生設備,防災設 備 のモニ ターがで きるよ うになってお ります。夜 間は守衛室 と連携 し

2 4

時間監視体 制 としてお りま す。

動物の飼育管理 と検疫 は,私 の所属す る実験動 物管理室が一括 して行 ってお ります。動物の飼育 管理 は担当スタッフ

2 0

名 で動物 の購入か ら受け入 れ, 日常の飼育管理,衛生管理,飼料 の購入 ・管 理 までのすべ て を行 ってお ります。 日常の飼育管 理 は,施設別 に専従 とし,休 日は当番制 としてお ります。 また,動物 の購入手続 き,受 け取 り ・報 告,飼育 スケ ジュールの管理,飼育室の調整等に つ いては,独 自に開発 したパ ソコンLANに よる

"飼育管理支援 システム〝 を用 いて行 ってお りま す。 この シ ステムは, その他,購 入動物 の管理 ・ 集計 ・飼料 ・器材の管理 ・集計, ケ‑ ジ表示 カー

ドの作成等 もで き,実験者‑の情報提供 に も役立 ててお ります. 第2動物実験施設 では GLPコン ピュー タを利用 してバ リアー 内へ の入退室管理, 飼育 スケジュール管理 を行 ってお ります。 また, 当社 ではサルの実験施設は持 ってお りませ んか,

写真2 集 中監視 室

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外部の試験受託施設 と契約 し,必要時に実験がで きるよ う常時サル を確保 してお り,実験の スケ ジ ュール管理 と依頼手続 きは当室が一括 して行 って お ります。

検疫 は,担 当ス タッフ4名 で受 け 入れ検疫か ら 飼育動物 の定期検疫 までのすべ て を行 ってお りま す。検疫方法は施設,動物種 に よって異 な ります が,原則 としてマ ウスか らウサ ギまでは群毎 に, イヌについては個体別 に検査 し評価 してお ります。

定期検疫 は概 ね3ヵ月毎 に行 ってお ります。また, 第2動物実験施設 で行 う検疫 につ いてはGLPコ ンピュー タを利用 してお りますO

施設運営の現況

当社の動物実験施設 は逐 次増 ・改築 されて4棟 に分かれてお りますが, 第2動物実験施設は主に GLPに対応 した安全性試験 と代謝試験,その他 の 施 設は薬効 ・薬理試験 と探索研究に区別 されてお りますO さらに薬効 ・薬理 試験や探索研究は開発 目的によって実験 内容や設備 も異なってきますが, そitl)もほぼ施 設別 に区別 されてお り,実験者に は比較的利用 し易 い施設 となってお ります。

施設の管理や飼育管理 につ いては,作業が集 中 して行 えない点の不便 さは否め ませ んが,飼育管 理 で言 えば,担 当者 を専従 とし, スケ ジュー ルの 管理か ら日常 の飼育管理 まですべ てを施設毎 に行 うこ とで,実験 日的に よ り適 した管理 がで きてい ると考 えてお ります。また,"飼育管理支援 シ ステ ム〟 を利用す るこ とに よ り,情報不足か ら くる不 便 さもい くらか改善 で きた と思 ってお ります。 こ の システムは,所 詮は "支援〝 ではあ りますが, 事務 的 な業務 の効率 化,実験者へ の情報提供 には さらに効果が期待 で きますので,今後 も発展 させ たい と考 えてお りますO

動物 につ いては,現在, 第 1動物実験施設,第 2動物実験施 設, 第3動物実験施 設では, イ ヌ以 外 はすべ て SPFとしてお ります。1983年の第2 動物実験施設の稼働 を機 にモルモ ッ ト, ウサ ギ も すべ て SPFとしてお ります。 イヌもコンベ ンシ ョナ ルではあ りますが,動物福祉 の こ ともあ って すべ て ビー デル犬に切 り替 えてお ります。経 費の 面 では大 きな負担 とな りますが,動物 の質,取 り

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扱 い,実験デー タの信頼性 につ いては言 うまで も あ りませ ん. また, これ らの動物 は,一部 の特殊 な系統 を除いてはすべ て動物生産専 門業者 よ り購 入 し, 自家生産 は してお りませ ん。

飼育環境や管理 につ いては,第1動物実験施設, 第2動物実験施設は,充分 に高い レベ ルで維持 ・ 管理が で きてお ります。 ただ, 第2動物実験施設 の イヌの管理 もバ リアー に準 じて行 ってお ります が, ビー グル犬の グレー ドを考 える と再考 の必要 もあ るのではないか と思 ってお ります。第

3

動物 実験施設はオープ ンシステムのため, ソフ ト面 で いろいろ工夫 してお ります。飼育密度 を減 らした り,実験 の期 間 を限定 した り,連休 中はで きる限 り飼育室 を空に し徹底 した消毒 を行 う等, よ り慎 重 を期 してお ります。施設の レベ ルア ップ,動物 の グレー ドア ップは世界的 な趨勢であ り, 当然の こ とで もあ ります。 当施設 も漸次改善 し,動物 の グレー ドも向上 して まい りました.

ところが,施設の レベ ル,収容 す る動物の グレ ー ドを上 げて行 くうちに, これ まで も使用 して き たグレー ドの低 い動物がだんだん と飼育 で きな く なる と言 う相反す る問題 が出て まい りました。特 に探索研究 では様 々な動特種,系統が要求 され ま すが,すべ て

SPF

で入手 で きる とは限 りませ ん。

中には

SPF

化 で きていない もの もあ ります

。 SPF

レベ ルで生産 されていて も定期 的に検査 されてい ない もの もあ ります。また,

SPF

としていて も米 国の ように 日本の規格 と若干異 なるもの もあ りま す。

SPF

化 されていない動物や,一般 的に言われ ている病 原体 が コン トロール されていない動物 は 当然ではあ りますが,当施設ではすべて 日本の

SPF

グレー ドとは区別 して取 り扱 ってお ります. その ために新 し く第4動物実験施設 を確保 したわけで す。

SPF

の定義 は抽象的で,その規格 も明確 ではあ りませ ん。最近 では ク リー ン等の言葉 もよ く使 わ れ,言葉 だけではその作 出方法や コン トロール さ

れている病原体 を知 るこ とがで きない状況 にあ り ます。 それ らの動物 の取 り扱 いは,考 え方や病 原 体 の重要度 の認識に よって も変 わ り,様々であろ うと思 われ ます。 当施設において も, その取 り扱 いは変 わ るこ とがあ るか もしれ ませ んが, いずれ に して もそれ らの動物 の作 出方法, コン トロール されてい る病 原体, その検査頻度等の内容 を充分 に把握 し, その位 置付 け を明確 に した上 で決め る べ きであろ うと考 えてお ります。‑ユーザー とし ては,微生物学的な グレー ドの用語や定義,規格 が もっ と明確 に され,統一 されれば と考 えるこ と があ ります。

一方, グレー ドの異 なる動物 を同時に維持 ・管 理 してお ります と,施設が離れているとは言 え, 施設間の汚染 防止策 も考 えなければな りませ ん。

当室 では施設の構造や設備,収容動物 の グレー ド, 検疫結果等 に基づ いて, それぞれの施設 をAか ら

D

までの

4

段 階にラン ク付 け し, その ランクに従 って搬入で きる動物 の グレー ドを規制 した り,施 設間の人や動物 の移動 を規制 してお ります.第4 動物実験施設は,一番新 し く稼働 を始めたに もか かわ らず低 いラン クとなってお ります。時代 の流 れに逆行す るようですが, この ような施設 もまだ 必要 な現状 であろ うと思 われ ます。

今後 もさらに種 々の動物種 ・系統が要求 され, 管理技術面 で もさらに高度 な ものが求め られ るこ とと思われ ます。 当室 では, そのために も通常の 業務 につ いてはで きる限 り標準化 し, システム化 してい きたい と考 えてお ります。施設の ランク付 けや動物 の グレー ド分 け もその一環 であ ります。

コンピュー タ化 も一つの方策 と考 えてお ります。

その上 で,高度化す るこ とへの対応 を図ってい き たい と考 えてお り,現在,飼育機器 ・器具 の改良, 動物種 ・系統探索のデー タベー ス作成,疾患モデ ル動物 の維持 と基礎 デー タの収集,新 しい疾患 モ デル動物の検討,野生動物の実験動物化等に取 り 組んでお ります。

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