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海況と漁況との関係に関する基礎的研究 : 第1報 海況の時間的変化の大さについて

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Academic year: 2021

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(1)

海況と漁況との関係に関する基礎的研究 : 第1報 

海況の時間的変化の大さについて

著者

高橋 淳雄

雑誌名

鹿児島大学水産学部紀要=Memoirs of Faculty of

Fisheries Kagoshima University

2

1

ページ

33-40

別言語のタイトル

Fundamental Study On the Relation between the

Oceanographical conditions and the Fisheries :

I. On the Order of Time Variation of Phisical

Properties in the Sea

(2)

33

海況と漁況との関係に関する基礎的研究

第1報 海況の時間的変化の大さについて

高  橋  淳  雄

FundamentalStudy On the Relation between the Oceanographical conditions and the Fisheries

i. On the Order of Time Variation of Phisical Properties in the Sea

Tadao TAKAHASHI 緒     言 御鉢於ては同時酎tlo困難なる為,種々の要素の分aJ・は定常状態に近いと云う大前提 の下で時間的変化を撫硯した多くの議論が為されて来た・しかしその様にして得られた海 洋国乃至緒論は,気象図の場合に比して著しく精度の劣るものであることも亦多くの人々 に銃に指摘されて来ていることである(1)・従って同時馴牧は極めて短時問の問に非常に 多くの資料を獲得し得る-装置(2)による卵が為されなければ・正確なる海況は把握さ れない.しかしながら今徹一応の検討もなくして時間的変化を鰯されることが多く, 特に水禍郎於ては,一点に於ける一回の酎陣その鵬の海況を十分正しく代表する ものと為す取救いが,何の顧慮もなく行われている(3・1・例えば縄漁業に於て・縄を延え終 って後の見張。の数時間の問の任意の或る時刻に唯一rLl]の観tI.I,qIJ (多くの場合は最も変動の 激しい家面加温だけ)が為されその儀がその時の漁獲に直ちに結びつけられるが如き大 胆なる取扱いである・一歩を進めてその資料を推計学的に処理されたにしでも・恐らく却 って,これだけの資料からは期待する様な結論は出ないと云う結締を導き得るに過ぎない であらう.戟-時間的変化の機構に深く立入らなければならない・一方横断観測に際し ても,一点から一点-非常に遅い速さで移動し・少数の不便な器材を使用することによっ て一点の観測vcl時間以上を要すると云う悠々たる観帥桁われる・大洋に比して短時間 の変動の多い沼岸に於ての此の様な悠々たる観測の一例を検討してみる・ _ 一・一 一.--一 一 、、---   r- - - LI - -(1)例えば 須田瞳次:海洋物理学 須田暖衣:海洋科学 (2)例えば 藤田親男: THP方式による海水湿度計について・日本水産学会九州支部例会昭和25年12月 藤田親男: THP方式による海水湿度測定法,日本物理学会広島支部例会昭和2時6月 spilhaus, Athelstan ・・ A Bathythermograph・ Jour・ Marine Research・ Vol・ 1 (3)例えば

相川広秋:本土大平洋沿岸のカツヲマグロサンマ漁況,水産学会報第5巻第4号 宇田童隆・得永英断ビyjlガマグロ換況と海配の関係,日本水産学錦第5巻第5号

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34 匪児島大学水産学部紀要  鰐2番 解1号 槻測と その検討 ここに示す戟洲は第1図の通り鹿児島湾谷山,垂水間に於て行ほれたもので観測点8一息 のうち西年分は1951年7月12, 13日に,東年分は7月16, 17日に行われ,両側で各 1点づつ碇置して時間的変化が槻測されてい る.採水器は唯1胴しかなく,捲場機其の他の 度々の故障の為多くの欠洲がある.練習船新潮 丸で水産学部学生の実習として行われた蔵測の 一部分であって,測定は十分注意浮く行われて いる.第1表に観測値を示す. この数値からNo.2,N0.7の2点に於ける各 犀の温度及び塩分の時間的変化曲線を第2 , 3 , 4,5図に示す.これらの図qlに同じ日に為され た他の観測点の値を共に記入してある.資料が 少くて調和分析が出来ないので, No.2, N0.7の 各暦に於で引統く2回の観測の間の変化AT/At 及びAS/Atを求め,その最大値・平均値・最 小値を第2表に示す.叉第2表にはT及びSの 観測点l日  時 22.05 22.13 22.25 22.38 22.54 23.08 23.28

盛至芸

2.06 2.18 2.30 2.4 1 2.54 3.07 4.02 6.07 24.60 24.14 24.20 24.00 23.29 19.09 18.05

量目重言6g6.a 33.32萎

雲:認 諾:8g 24.37  31.33 23. 84  32.52 22.83  33. 15 1956  33.55 1 7.67  33.68 5 7 0 4 5 8 3 0 . 0 , 2 , 0 . V , . 5 . 0 0 0 0 0 0 ノ 1 3 I 0 0 2 0 8 5 1 . 5 . 2 . 4 . 5 . 5 2 J 8 9 9 9 9 0 0 ・ 1 -1 0 5 1 0 1 5 2 5 幻 7 0 5 0 5 5 0 5 ・ l 1 2 5 7

(4)

高橋-海況と漁況との閑体に関する基碇的研究(欝l帝)     35 観測点 t R No.3 3 1.29'35"N 1 30035′30'′E (98m) No.4 3 1.29'35''N 1 30036′35′ ′ E ( 1951m) No.7 3 1029′35′′N 1 30039′50′ ′ E (78m)

時国水浬極分

1 0.50 10.55 11.06 11.18 11.29 11.40 11.50 1 2.40 12.42 1 2.5O l3.00 13.15 1 3.25 1 3.35 13.50 13.53 14.06 14.15 14.30 14.40 14.53 16 10.51 11.56 1 3.00 14.00 1 5.00 16.00 17.00 18.00 19.00 20.0 0 21.00 22. 14 23.00 23.54 17 0J)5 0.00 0.15 0.28 0.38 0.50 1.05 1.15 観測点IR 時l探SI水 分 23.86 22.60 19.76 17.61 0  24.90 5  24.80 10  24.42 1 5  23.67 25  22.6 1 50■ 19.61 75, 1829 g 芸・.423 251 22.71E 33.19… 0暮  25.401 29.70

量目58:萎

24.40 23.69 19.19 1 7」98

盛i 22!57;董

2 2 5 5 ′ 0 0 3 刀 . 0 . 1 . 2 3 . 5 β 2 2 2 2 2 2 3 0 5 1 0 1 5 公 5 0 7 . 2 5 . 4 2 . 1 8 . 4 8 . 4 0 ぷ 9 . 9 . 9 . 3 . . O L , , . お 2 5 2 5 2 5 2 5 2 5 2 5 2 5 2 5 2 5 2 5 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 5 0 5 5 0 5 1 1 2 5 7 = 馴 a ・ S ・ g ・ S ・ - e ・ S i S ・ S ・ S ・ S ・ 3 4 2 4 認 S ・ S ・ S ・ S ・ 紬 m g ・ S ・ S N ・ S ・ S ・ g ・ g ・ S ・ S ・ 紺 ・ n { S ・ 即 " S ・ 糾 S ・ o S ・ S ・ 9 ・

(5)

36         顔見島大学水産学部紀零 節2巻 欝1号 解2 図 N0.2 の渡匿変化 x JdQJ A plo.3 0 ∼0.午 oyp      _-一女-ALJ ▲ 010 ▲ く) '、tJ∼ ユE ユー ▲ 0 ro J> SO s.n・Jー -…-I-- \ち0 0 '5-T----I/\一、---、、、___」三言 lユ○ Jl I+ 16 18 10 1ユ 0 ユ + i B JO ll 川Jlo守 lI■ 最-I;値・平均値・最小値と,各骨の平均値から計辞した各暦問の平均の垂直傾度ATm/Az, ASm/Az (1mに対する差)とを共に示す.これらの変動を示す数値は明かに無税し得な い-J<さを持っている. 第2表によると,卒均値に於ては 0-15m問ではN0.2がN0.7よりも減摩低く塩分 大であるが, 25m以津では重く逆になっている.叉垂直傾度を見ると, N0.2に於ては純 度傾度の最大値は25-50m間にあり塩分傾度の最大借は10-15m間にあるが, No・7で は最大線度傾度は15-25m間にあり塩分の垂直傾度は上暦程天である. 1時間変化率は N0.2では泥度変動の大きいのは15-25mで塩分変動の大きいのは0-25mであり, N0.7では泥度変動は25mで最・JCで,塩分変動は0-10mと25mで大きい.要するに No.2, N0.7の2点共に0 -15m間は塩分傾度非常に-)(であり50m以探は傾度甚だ小で あって,その中閥の15-50mの間が遷移骨になって居り,その遷移暦が湿度傾度の最も 大なる範囲になっている.叉1時間変化率も亦■この骨で最も大きくなって居り,変動の最 も大きいのは25m暦と表層附近とである.この遷移犀に於ける東に詳細な検討から明確 な躍暦の深さと内波の諸要素が見出され理論(4)との比較も為されるが,これについては別 に報告する. (4) Lamb : Hydrodynamics.

Hidaka, Kusunoki・. The Vertical Distribution of the Amplitude and the Hori2;Ontal velocity in the Internal Waves. Geophisical Notes・ vol・ 4

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高橋一海況と漁況との幽係f・C関する基礎的耕尭(鯵1報)      37 欝  3  図 lF0 令 i〆\-\/AO s.0

1\-\†, ,AFT 、

lCe め.7巾与BL良隻It・ ● 小.F A か.G ● do.8 tl lq・・ 16 18 10 17 0 1 年  6 178 I9 Ii lや Ib さてNo.2, N0.7の平均値に於ける上越の如き蓋は,域測時刻が約4持ちがう為の差 と地点の異る為の素とが合成されている.これを分離する為には内波・潮沈・渦動等を吟 醸して時間的変化の機構を明かにしなければならない・しかし一般の海洋国の作り方に従 うと, No.2, N0.7の夫・k幾回かの観測のうちの或る1組づつと, No・1, 3, 4, 5, 6, 8 の数値とが,時刻とEI附とに拘らず1951_年7月中旬の数値として1つの図に組合せられ る.その様にして出来た図も,断面重体に現われている数値の火さの程度だけを,例えば 3月の値く5)と比較するのには役立つが,それだけならば測定課蔓を少くする為に多数の測 定値の平均をとるのと同じことであって,得られた測定数倍は唯1個しかないのと同じで ある. No.2, N0.7に於ける連続した観測は何れも約12時間しかなく且つ2時間置きの観測 であるから,非常に周期の短い変動と非常に周期の長い変動とは此の観測に現れてこな い.例えば第5図N0.7のOmの塩分曲線に於て14-20時の間の毎時観測が, 2時間 (5)藤1R島拷池田湖親潮報告 海洋時報 第5巷 策2号

(7)

38        匪鬼島大学水産学部紀要 夢2巻 欝1号 歩4 図 N0.2 の塩分変化 P X No・1 A hTo.3 0 yo.4 --・大 胡 }○ il け i Jt lO I 15 I ヰO A

公/〟, ,::

12 14 1も I8 10 11 1) ユ  サ I3⊂l 弟  2  表 \.。よ○ lO 4 一\・l! irムー - " 一一J亨 :-Tbl,SfOも0.7,-ゞ○ 6  8 Ie ごまt' 塩      分 T oC 壷妄「妄高7盲示 前諒IAT-/AZ S  %o F AS/At 最大1平均l最小L最大I平均卜最小 ASmI AZ 〇〇㌔ o ▲ ∫ 一   一

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(8)

卑 高橋一海況と漁況との関係に醜する基礎的研究(鰐1 *)     39 歩 5 図  N0.7 の塩分変他 毎の耕測しかなかったとしたらその中関の山と谷は現れない・従って第2表に示された変 化の拡幅や1時間変化率は,正しい値よりも相当小さくはあっても大きいことは決してな い.而して第2, 3, 4, 5因に明かな通りNo.1, 3, 4, 5, 6, 8で得られた数値は殆ん どNo.2,7の変動の範囲内に入ってしまう.且つこれらの点に於てもNo・ 2, 7に於け ると同程度の時間的変化が起っている筈である.従って時間的変動を造かに越えた場所的 変化より臥波動によって示される様な場所的時間的(位相的)変動が主要なものの棟で あって,これらの点の観測値はその様な変動中の或る別々の位相の値を得ているに過ぎな い.第2, 4図と第3, 5図を比較すると, No.1, 3, 5とNo・5, 6, 8との間には, 重体としてN0.2とN0.7との間の既に述べた違いと同様な葺が認められるが,これは翠 に観測線の西年分と東年分の場所的差ではなく, No・1, 2, 3, 4の観測日とNo・5・ 6, 7・ 8の観測EIの異る為,長周期変動の一端が現れ-たものと解せられる・ かくして構断面重体の数値の大さの程度だけを,唯一つの数値として異なる時期の比較 には役立て得ても,断面に於ける等値線の形の比較は重く意味がない・何となれば描かれ た等値線の形が欧に明確な意味のものでないからである・ 1点の垂直分布について考えて みても,この例の様にOmから75m迄の測定に1時間以上も経過して居れば・その点の 垂直分布はもはやその時間中に無税し得ない変化を生じているから,各点の垂直分布相互 間の差も測得値そのままでは比較できない・この様な何を意味するか判らない海況図に現 れる変動は,漁況の変動に対して独立であるのは当然予想されることである・

(9)

40 顔見島大学水産学部紀要 鯵2番 解1尊 結      び 上述の如く時間的変化は無視し得ない太さのものであって,一般に垂直断面図其の他の 海洋国は精度が憩いのみならず,極端な場合には唯翠に労力の結果の表現に過ぎない・大 洋に於ては沿岸に比して時間的変化は一般に少いが,各棟汎点間の距離も大となり,所要 時間も従って増大するので,杢観測中に起る変化はやはり無税し得たvlであろう・漁場と なる海域は比較的定常状態にないので特にこの点を考慮しなければならない・海況と漁況 の独立性は海況の把握の不確実性にその大きな原因がある・従って我Rは兜づ迅速なる測 定を行い,海潮流・内波・渦動・海上気象・海底地形等を詳細に検討して,時間的変化の 物理的機構に立入って行かなければならないが,これについては別に報告する・僻,更に 大規模な時間的変化については海洋の熟収支に迄立入らなければならないのは云う迄もな い.最後に問題の如何によっては時間的変化は考慮外でよい場合もある・しかしその場合 にも資料を集めた問の時間間隔を一応反省すべきである(6).要するに我々の問題とする事 柄の如何によって許容される範囲内の短時間に測定が為されなければならない・ R e s u m i

The oceans al・e generally close to a steady state, but observations that have been made by a same ship within a pretty long time cannot be treated as if they were simllltaneous・ h) fisheries no reflection have been made to the time interval within which the observations were taken・ For the pourpose of the researchs on the relation between the oceanographical conditions and fisheries, the arthour compares the order of the time variations with the variations in space, and indicates that the time variations must not be neglected for his pourpose・

参照

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