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〈巻頭言〉研究とは何か?

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Academic year: 2021

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(1)近畿大医誌(MedJKi nkiUni v)第35巻3,4号. 201 0. 「研究とは何か?」 近畿大学医学部産科婦人科学教室 教授 星 合. 昊. 本学に着任してから2 0年が過ぎた.着任当時から教室員や学生と 話しをして気になることがある. 「私は,臨床は好きですが,研究は どうも?」という会話である.さらに次に語られるのは, 「先生の研 究のお手伝いは一生懸命やらせて頂きます」 との言葉である.何人の 教室員や学生と同じ会話をしたことだろう. 研究とは「新事実の発見」であり,素晴らしい発見はインパクトフ アクターの高い雑誌に掲載される,と教えられることが多い.もちろ ん,医学の発展に寄与すべく日夜努力を重ねる多くの医学研究者に とっては,まさに正しい説明であろう. これらのことから「臨床は好きですが,研究はどうも?」という人 達は,研究とは「動物実験や試験官振り」であり,学位取得のためか,臨床に時間的余裕が出来 たら,行うものと思っているようである. 私は,本学の臨床講座の主たる目的は「優れた臨床家の養成」だと思っている.私の産婦人科 医師の養成プランは,当初2年間の研修制度によるローテートで麻酔科・救命・小児科,など将 来産婦人科医として必要と思われる臨床科を垣間見る,その後の3年間は専攻医として産婦人 科の常識を知る,この時点で産婦人科の専門医の資格を得る.ここまでは,医学部を卒業し医師 となり,自. を頼ってくれる患者さんを治せる喜びを日々感ずる毎日である.解らないことは先. 輩や上級医師に聞けば指導してもらうことにより,さらに自らが進歩してゆく.いわば 「自. が. 夢見た医師の素晴らしさ」 を感じる毎日である.しかし,この期間は限られており,先輩に聞い ても答えが得られない,教科書や手近な文献を読んでも「治せない病気」が極めて多く, 「医師 としての無力さ」に気づくのに長い時間は必要ない.この時に, 「今の医学ではしょうがない」 と思うか, 「治せない悔しさを感じて,何とか治せないかと工夫をする」かが,優れた臨床家= 臨床研究者になれるかどうかの岐路と. えている.この時に「工夫をする努力」が研究だと私は. えている.この時に,どうしたら過去の工夫(研究)があり,解決に近づく手段を覚えること が必要となる.このために, 「学位を取得する」過程を経て過去の検索法を知ることが必要とな る.当然学位のための研究は, 「過去に解決していない」ことが命題となり,各人が努力と工夫.

(2) 星 合. 昊. を行うが,直ちに臨床に還元できることは少ない. 「治せない悔しさを感じて,何とか治せない かと工夫をする」 と思い始めると,これは一生続く. え方であり,大学病院でも,一般病院でも,. 開業医しても持ち続けるモチベーションである. さて本題に戻ろう. 「治せない悔しさを感じて,何とか治せないかと工夫をする」ことが研究 だとの. え方を認めて頂いたとすれば,研究論文には,工夫が必要となる根拠の論証として,臨. 床統計や症例報告など,から始まり,工夫(臨床研究)をした結果の成功・不成功,臨床的な工 夫の不可能なことであれば動物実験や試験官を. っての研究も論文となる.ところが近年,臨床. 統計や症例報告など臨床研究の基となるような論文を掲載する雑誌が少なくなっているように 思われる.そこで本誌の利用法が見えてくる気がする. 学内誌の役割を認識して発展させるのは学内の構成員の任務であることを皆で認識しようで はありませんか.そのためには図書館も協力できることがらも多数あり利用して欲しいとも えている..

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