大阪中河内地区の堆積層序とその土壌
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(2) 3 4. 近畿大学農学部紀要. 第2 5号 ( 1 9 9 2 ). て約 1 2km である.高度 は,盛土下の旧耕作土面で .m か ら八 尾南 の海抜 1 12 .m 示 す と水走 の海抜21. 合が強 くなった. それ らの粒径組成 は,友井東以北. までの間 に含 まれ る. また各地点の勾配 は,現在 の. は下層ほど粗砂 と円横が含 まれた. これ らの砂層の 形状や組成 は,地表面の堆耕,被覆状況 に関わ り, 砂層 自身や隣接表土の侵食 による削剣 も起 った と考. 天井川堤防 ( 恩智川,吉田川,第 2津屋川,長瀬川, 平野川および大和川) を除 けば水走か ら友井東 まで の間 は僅かに05 .m/km 以下 と小 さ く,友井東か ら. で は細砂が主で,円鞍 をまれに含むが,亀井以南で. えられる. またこれ らの特徴 は砂の堆gt 前の地表面. 八尾雨間では15 .m/ km と僅かに増加 しているにす ぎない.. gt 規模が小 さければ通常その まま埋gt され ることは. 土壌断面の層序 は,各土壌 の色 と蔑横的組成 の特. 少な く,砂粒子 は耕地の復旧や耕作 によって土壌中. 徴で示 した.色 の表現 はマ ンセル, 色襟法によ り,秩. に分散 し,土壌組成 を構成す ると思われ る.独重層. 棟的組成 は国際土性表示法に したがった. 各土壌の化学成分の定量で は,有機物農 は塵 クロ ム敢 カ ) )ウム還元による炭素量 に定数 1. 7 3を乗 じて. の推定 に重要である.耕地が砂で被われた場合,哩. として堆gF 漣存 した場合 には,砂層 は,酸化層では 暗渠の作用 を, グライ層では地下水位 に対する康衝 作用 を果す場 となった と思われ る.. 全炭窯農 とした2).全鉄量 は熱濃塩酸 とハイ ドロサ. 各断面の地下水位 は,斑紋が分布 する層位の下限. ルファイ ト( Na2S0 2. )による分解浸出の後3 1 ,原子. 面 とグライ層 の上限面 にほぼ一致 した. これ らは,. 吸光法によった.全 リン酸農 は過塩素酸分解法一 )に よった. 水稲栽培 ポッ ト試巌 は,水田遺構土壌 その ものを. 各調査地点の高度僻 に位置 してお り,水走で は地表 面下4 5c m,亀井 と山賀ではほぼ同 じ85c m,八尾南 1 0cm であった.高度が上がれば,表層ほ ど土 では1. 用 い,三年連続 して行 なった.弥生時代中期 と後期 の土壌 は若江北 の ものを,古墳時代前期の土壌 は久. 壌 は乾燥 して通気性 あるいは透水性 に倭れ,土壌生. 宝寺遺跡 ( 八尾市久宝寺) ,古墳時代中期 は八尾南, 鎌倉期 と江戸期 は友井東,現代の ものは若江北遺跡. 各層序の土の色 は,総 じて明度が 3以上,彩度が 3未満の黒味 を もった灰色系統の色相であった.斑. に隣接 した水田土壌 な ど 7種 を供試 した.栽堵 は,. 紋の色 は,鉄系で は褐色ない し赤褐色で,点 ・嬰状. 各土壌 を乾圭 として40 .kgと り5 0 0 0 分 の 1アール のポッ トにより,品種 を紅 あさひ ( 晩生 ・長辞穂垂. か ら糸根 ・うん管状 の形状 を示 した. その直下にあ. 型)で各 2連で行 なった. それぞれのポッ トは施肥. 状 の ものが顕著な場合 もあった. グライ層の各層位. 区 と無施肥区を設 け,施肥 はレンゲ堆肥 を元方 巴のみ. の土色 は,黄褐灰色か ら黒色 までに分布 し,青灰色 系 は稀 であった. しか し,かつて存在 した と考 えら. でポ ッ ト当 り乾 韮1 5g加 えた.. 成作用に起因する克紋 の形成が顕著 に認め られた.. るマ ンガン茸ではチ ョコレー トない し茶色の車 ・点. れ る斑紋が消滅 しかか り,時 には也裂面ないし過去. l I l 結果 と考棄 31 . 調査地の土壌断面 と層序 調査地点の現在か ら弥生時代 までの層序の柱状土 壌断面 を Fi g.1に示す. 盛土で被われた額上層の耕土 は, ち密化 して,含. に生育 した植物根 に沿 った板状 ・うん管状 の鉄 さび 状斑紋が認め られた り, あるいは粘土質土層中に藍 鉄鉱 ( vva iini t e) ,菱鉄鉱 ( s i dere i t)の沈棟物 な ど が親察 きれる場合 もあった. 当地域 の土性 は,全般 に粘土質であって,軽埴土. まれ る有様物 の部分的な酸化分解が起 り,灰色 に退. ( L C)か ら砂質壌土 ( sL)まであ り,埴壌土 ( cL) を. 化 していた. この層中には菟紋がほ とん ど含 まれな. 中心に分布 している. したがって,各層位の透水性. いが,湿性状態か ら乾性への変化過程 を辿 って下層 土化の進行が認 め られた. 各土壌断面の全層序 に対す る砂層の割合 は,友井. は,やや不良ない し不良であって,土圧 による無構 造化 に関与 している. しか し,断面の下層部では砂 層が随所 に存在 し,垂直方向の水の移動 は抑制 され. 東の5 3 %か ら八尾南の1 1 % までの範B f l で,必 ず しも. ると思われ る. これ らの地点の柱状図で示 した弥生. 調査地点の高度 に関係 していない. また砂層の厚 さ は,山賀での12 .m近 くの場合か ら各断面で観察 さ. 時代以後の堆横層序の厚 さは,高度が低 いほ ど大で, .倍弱であった.この差 を弥生時 水走では八尾南の24. れた薬理層の 1c m 未満 までの間 に分布 していた.. 代か ら現代 までの年数で単純 に割 る と年間約 1mm. そ して八尾商 を除 き下層ほ ど砂屑の現われ る頻度が 高い.地下水面以上の砂層 は,灰 白ないし灰褐色 を. に当 り, ほぼ倍 の堆gt 最善 に相 当 した.. 呈 したが,それ以下で はグライ砂層 として灰色の度. 比 定5 )と識別層序 の層厚 か ら年代別 の年間堆gFを. 各地点の土塀層序 に対す る考古学調査による年代.
(3) 3 5. 川村 :大阪中河内地区の堆gt 居序 とその土塀. 喜 r . I ). 含 ∼. ト) l auJq出. α: U S ヽ 読 印 L L ヽ 1\ U r ▼ V. U ∼ O. ). >. ヽ > L ' ヽ I < ヽ ■ I、 、 す ヽ E > l 一 1 q コ U ∼ ■ ● Dt J J ■ 」 l く L L ○ ○ L L y ) ヽ. く C > :> > 亡 く つ .J E > く = k ) : > ト L L I E > 一 U N ト L 、 I ヽ 1 、 臼 C L ) : く l J J 1 寸 ヽ. ( . 1 I L I B. >■ U ヽ ■ ■ 一 ヽ 一. U N \. 串 J. > ト L M I . ) J. く ∼⊃. 、 ヽ. :;::: .. E B J N ) L J. l. ヽ. t l l t. U. , , , \ \. 」コ. U N. 1. Uコ. 1U ZJ寸>. t\N^ S ト.. S 9. E ) O. O t. N\ †∝^Ot . C. ZJM>S. a .S. UI S. N\S^ S' N. N. UI S. Uコ. N\▼^S. ∼. I. P. ( 9 こL T SegT q・ [ ∈ 01. Ut J. ( n ). t ! adE t ! ^. ヽ . ヽ N . >■ . ■ ■ L /) U J. N. L L b. ミ > L I ). ヽ N . ヽ >} E r L L b. 5 t ′ 2 ) lL L l. o J t -. U ト. ミ N. I. : 耕. コ. ヽ ∼ > E . Y ■ ヽ ). ■. 、 > r 1 ヽ リ■ ) ト. U コ 〇〇. J U くr一. ヽ. 、. \. I 一. 、、. ト. ( ヽー ヽ 一. t. ! J A. 5T 1・atぶ. ( t▼). Iけ′. ll t t. L I ) ド. l. 、 1■ ) . . .> ∼ l ∽ N ′〉 : > 一′ ヽ. 、 ー. k Z ト. 、. U. - 一 一 一-. 、、. 一 ∼. \ コ U > u ∪ N r 1 l つ 一. -- ー. I . 亡 〉. ヽ く J > L F ′ I T . ヽ 一 ). - 一一 一一 ㌧. く つ ヽ. U J > E L ○ ト L q ○ T . \ ヨ > く ー ' ⊃ ' . } _ -一 一 一一. ヽ \ ヽ ヽ \ \ ヽ. Z (M. U J. U J. 」 【 ′つ. U J. ( d ′)g J. U J. d. ヨ. I > . ○ ■ ヽ J 、. 一 = I ヽ C E † Y ヽ I .. \ > L L 一 ) N. > L I 一 ) ヽ N ■ t . r ヽ. ヽ > I ヽ 一. ・ : N, 昌 二 、 M. > ■ ヽ ヽ. 説 >一 ヽ p . . ヽ 1. \ r > 1 ■. l J I. N. E1. ∼ †. L L 1. ) St : Ta JV. 4). a 岩 E : =T ! l -. ≡ B 一 E U. L L ) J T. -. 3 ` てl 25 1 ⊃4 t G = ). S ! 1 ト = >. N ⊂ n. E . -ト t . ○. I. 3 ○. _ , E ql. l I E長 t -. .I . BL L. . .(t.a)St!n v. ら. > L: 一. . pucs ■S ⋮ e ot^pues]S :∈ t 0 lJ ( ) L S !. 10! S︰ ∈ COl^CU I JU :^t P Z 2t ^eU S. US F :^e t U) もコ . U1 ! 日 alnX ta H) OS O JJSU O! ?eF ^ 巴qqV ( U .uO!)e u [LaSudyua q ]SNtOニ0h JOLOUl!O S( q. u O ! t e 30L)tZq=t :t a ^a[tZS a qt :(3 1] auJ)1 a ^ a ta L t )J hO q S3 SS a q一u 巴 ed u!sa JqEn N( C. u J n!^ nニ] 2! t t U e J Y L還 e ・q eNeqe S O a4 t 'U! S u O! ) e U OIP a t d∈es Jo sa! t J o J d t!os. トl. J 言 !. a^O. p ^ a t J a l e JbP tm. . 9︰ L 盾 曇 " e s=. 8 (. † l ヽヽ ヽ. l l′ ′ ′ ′. - E d. l : 岩 おち . G エ >. l. 一 l 一 l.
(4) 36. 近載大学農学部紀要. 第2 5号 ( 1 99 2) り急速 に黒色化 と細分化が起 る. なお,土壌中の全. Tabl elに示す.これ らの値 は,侵食 による負効果の 影響があると思われ るが,各地点におけるそれぞれ の年代 の堆gt 状況 を示す指標 とみることがで きる, 現代 の埋 め立てによって下層土化 しつつある耕作土. 成作用の結果に影響 して層序の土壌 に潜在す るよう. 層 は,各地点 に共通 してほぼ05 . mm 以下 の年間堆. に思われ る.. 窒素量 も有裁物含量 と極 めて高い相関 を示 した7) こ とか ら,有機物 の遺存が窒素の無横化 による土壌生. gt 量であった.なお,木表において古代 については. 全鉄量については,旧耕作土の直下に多いが, さ. 層序の年代判別が困難な場合が多いため中世 区分に. らに下層の還元部位で も減少 しない.還元砂層で鉄. 含 めている.古墳期か ら近世 にかけて堆秋 の苦 るし. 含量が少い ことは,酸化砂層の鉄集積 と対照的な場. い水走 を除 くと,他の 5地点では現在か ら古墳期 に 至 るまでは地域差が少な く,安定 した土壌化作用が. 合がある.強 く還元 されて可溶化 した鉄分 は局部的 に酸化性 の部位 に到達する と,酸化 きれて沈耕 し克. 働 いたことを暗示 している. そして,年代 をさかの. 鉄 となる. この状況 においては,土性,構造 な どの. ぼるほど堆gt 量が増加 した. 各土壌断面 の層序 を柵成 す る土 の化学成分 の う. 遺存が庸性であって,鉄克紋層 にまで発達する場合 もある.各調査地点のグライ層では,一般 に稲が生. ち,炭素Jtか ら換井 した有裁物 と鉄の全量 について. 育 している真夏の水田作土 に比べ,還元力が弱 く,. g. 2お よび Fi g. 3に示 す. それぞれの垂直分布 を Fi 土壌中の有税物 は,若江北の 6層位で 6% と最大. 地温変化の少なさ,透水性 の抑制,粘土 によるイオ ン吸着 あるい は鉄化合物 の生成な どで,鉄 は,各層. 含有量 を示 し,粘土質周で高 く,砂質な層位 ほど低. 序の土壌 に保持 され,還元溶出による鉄含量の低下. い結果であった. さらに,有機物量 は,地下水位以 下の各層位では全般 に高 く,砂層 において も友井東. が遅 い と推察 される.. の 6, 7層間の砂層 を除いて, 1%以下 にはなって. 持 され る7) . 当地域 の湿潤 な塩基溶脱条件下で は鉄. いない. これ らの有機物 は,植物 な どの組織が残 っ て点色化 した粗腐植物質 とコロイ ド状 に細分化 した. 分が リン酸の吸着母体 として作用 し, リン酸の固定. 腐植 とがある. これ らは,主 として各地表面 ( 根部. 塩素酸分解 による全 リン酸量 は,Fi g. 4にみ られ る ように鉄含量 との相関が非常に高い.すなわち,相. や人為的な施肥物質な どは表層土中) に蓄gtL,哩 棟 され ると酸化条件 に応 じて変化 を受 けて減少 し, 層間の移動が ほ とん どない もの○ ) と思われ る. これ. 土壌中での リン酸 は,特 に酸性土壌で強 く吸着保. が一層 に促進 され るようである.各層序の土壌の過. 関係数 が09 鉄含量)=00 .51 2で, ( .38× ( 全 リン酸 4 53の関係が得 られた.#溶性 として知 られ 量)+0.. 1×1 0. らの有蔑物 は,理研 の場所が地下水面 より上位であ. var i s ci t e,溶榊 るリン酵アル ミニウム(. れば,微生物 な どの作用 によってやがては分解消失. に比べ, リン酸鉄 ( sr teng. i t e. ,溶脚 1×1 0I323) は 00 , 0. 0倍 も小 さい溶糊 をもつ不溶性物質 さらに約2 であることか ら,溶解性 の極めて低 い リン酸鉄の生. する.他方, グライ層中で は有機物 の分解 は抑制 さ れ〇 ㌧ 粘土含量 と高い相関 をt )つて適存する. また,. 28). このような条件下の埋耕有機物 は,空気 に触れない 限 り元の色調 を変 えな くて,脆弱 さはあるものの原. 成が暗示 され る. しか し,各層序の リン酸平均含量. 形 を留めるものが多い. そして空気中での乾燥 によ. ていて,なお可溶化の傾 向を 示唆 している.. は,今 日のわが国の農耕地平均のほぼ 1 /3の値 を示 し. Tabl e1 .So. i l. a c cmu u 】 at i once of f i ci e ntofhor i z ons e que nc e si nOs akaNakaKawac hia‖u・ VI Um Age Pr e s ent. Mi z ua h iWakaeki t a Yamaga Tomoi hi gas. hi Ka. me i Ya°mi nami 30 .. 05 .. 05 .. 07 .. 07 .. 08 .. Modem. 18 .. 06 .. 08 .. 08 .. 07 .. 07 .. Mi ddl eadA n n ci e nt. 2_ 8. 1_ 8. 15 .. 18 .. 07 .. 08 .. Kou fn. 13 .. 27 .. 17 .. 23 .. 10 .. 1. 1. erhl af Yayo, il at t. 18 .. I7 .. 15 .. 14 .. II .. 08 .. Numb er. saei r nmHl i mc t er sp ery e ar.
(5) 3 7. 川村 :大阪中河内地区の推す層序 とその土壌 Wakae ・ ki t a Or ga n i cc o ne tn t( %) 1 2 3 4 5 6. Mi z L 山ai Or ga ni cc on t e n t( %) 1 1. 2. 3. 4. oO] ! O. ( ∈)u Nて q SJ O q一daG. J!. 7d a G. O. 2. l. 3 t 一 d a. ( uJ )uO: 2 TO t J SJ Ot 1. 2. ( E)u OZ Otl]. T!OSJO. 3. Q. 0 2 #. Kame1. Ya 0mi n ami j cc one tn t( Dgan %). uJ )U O2 ℃0 エ︻ ︻ Cr SOVI d. (. Or g ani cc on t e n t( %) 1 2 3 4. f. O S J O V ) d. ( u } )t J ON てOt JT !. :. a G. O. ad. 1 0 t I ( ( O SJ. ( ∈)亡OZ!. h ・. .r. To moi ・ h j ga s h i Or ga n i cc o ne tn t( %) 1 2 3 4. (. 少口. t l]d. 匡. Fg. 2.Ve r t i ca】di sr ti bu. t i o. nofor gani cT T l at tri e ns oi lhor i zons equenc es . Or gani cmat t er c one tntc ountfrt o oa tls o】 lcaro b nx1 . 7 3. l. Fi g. 5は当地域 に一般的な堆8t 地形 を土壌累耕層 のモデルで示 したものである.土壌の層序 は,流路 およびその近辺で認 められ る不安定な土砂 の淘汰堆 gt 層 と,流路間低地 ( 後背低湿地)で認 め られ る安 定 な細粒子の沈降土壌層か ら成 り, それぞれに表土 層 を伴 っている. このような地形で は下層 ほど流路 の蛇行 と分流化が認 め られ, これ ら流路の曲部 に沿 って砂質土頓が堆耕 して自然堤防 ( 流路高地墳防) あるいは微高地の堆gt 材料 となる. そして,そこで は住居地 や畑作地 としての条件 が備 わ る と思われ. る.. 一方,後背低湿地 では,可能な限 り水田や畑 の開 発が行なわれ,港排水の確立が計 られた もの と推測 古れ る.水田開発 に伴 って自然堤防 を中心 に幹線流 路か ら支流が分岐 され,水利 の整備が高度化 して安 定 な堆鎌が稲作 を通 して も進行 したと思われ る.そ の間,水の流れ は流路 の許容量 を洪水 などで越 える と自由に低地 を選 び, より低地で新 たに流路 として 土砂 の堆横が繰 り返 され たことが当地 の土壌層序か ら推察 され る.当地 で発掘倹 出 された弥生期 な どの.
(6) 3 8. 近畿大学農学部妃要. 第. 2 5号 ( 1 9 9 2 ). Wa k a e k i t a Fe 2 0,( %) 1 2 3 4 5. MI Z 止血. 03( e 7 %) 12 F 4 5 6. 3. Ya ma g a Fe 2 03( %) 1 2 3 4 5. T ! O SJ O t daG. (u[ ) uoZ! JOt J. 2. t. 7 O SJ ( ∈) u oNF 10t11 OV7da cr. J. ( uJ )UO Z : てO t] t C 67 OV t d a G. Ka me l. 藍. Fe203 (%). J OLJ)dao. ( ∈)uoNu O t JL [ OS. F l g・ 3.Ve r t i c aldi s t r i bt ui o nof. tt oa. Hrnc o o ne tnti ns oi l. hor i z o ns. e que n c e s . 水田連横 の地形 は,洪水時 に微地形での低地が必然. 32 . 水田遺構土壌 による水稲栽培. 的に集水域化 した洪水前の幹線流路間に生 じた後背. 本調査地域 には現代 か ら弥生時代 までの水E E l が埋. 低湿地である. ここで は,洪水時 に低地の水田域が. 横 している.特 に,考古学調査で形態的に水田 と特. 新 たな流路 とな り,発掘 された水田は耕作不能 にま. 徴づけられな くて も,継続的な土地利用の場で,土. で粗粒質土砂で埋没 した事実 を示 している.近世 に. 壌の性質や微地形的に凍段差のテラス状立地の状況. な るに したが って低地周辺 に営 まれ る水 田が増 す. か ら水田 と考 えられ る層序 は非常 に多 く5 7 ,む しろ. と,流路 は,人為の度合が増 し,固定化 され天井川. 埋没時の ままの水田は検 出され ることが稀 と思われ. 化す る傾向が強 まる. そ して汝諜 された流路底質が. 0 数年前 までの当平野の土地利 る.いずれにして も1. 運gl された側面微高地 ( 河川の堤防域) は,住居地. 用形態 は他の低平地 と共通 して水田であ り,しか も,. あるいは畑作地の土壌条件 を備 えることにな り,当. それが稲作の初源期 にまで さかのぼ り得 ることが土. 地の一連 の考古学調査か らもこの傾 向が伺われ る.. 壌層序か ら推定で きる..
(7) 川村 :大阪中河内地区の堆積層序 とその土壌. 6. 5. ( % dぉJ )S aUun a t m. ・ ■ 「. 3 2. ℃ O ql !OSu こ亡a一uU Ot J O l ttt!)0ト. 亡02. 5 0 1 1 0 0 Toapo tlhs pae ht c o ne tnti ns oi lho r ) ' z o ns equence s( P205mg1 0 gs oi l ) / 0. 18 5. n s. Fi g. 4.Cor rea lt i onofi r onandphos pa ht ei ns o. i l. hor i z ons. equence s. Sanpl e dl ou ti o O :Mほ山 l. ) t A P ● ':.WYaAok・■rreH・TktLL r n. O:Y8m A:Ka me L. J I :To r T Dih J P8 hl ▲. b e r ai s e d. dl i v e r. Fl g 5.Mod】 e ofhor i z ons equence si nC bakaNakaKawac hial l uvu im・. 作物栽培 で は各作物 に特定 な場所 が重要 で あ る が,連作可能な水稲栽培 もその管理 に有利 な土壌条. は,ポッ ト当 り 4g ( 推定反収80kg, 5斗 3升)か. の向上が計 られた と思われ る.当地の稲作 は,栽培. 5g ( 同490kg, 3石 2斗 7升)までの範囲で, ら24. 6g ( 同30k 2 g, 2石 1斗 3升)であった. 総平均が1 施肥 による収量増 は全区にみ られ,特 に近世 区で苦. 発祥地か らはるばると人 によって伝 えられて可能 と. るしく高い. また この増加 は,収量の低 い区ほど大. なった ものであ り,伝播 その ものが人間の要求 に応. きい.近世 区の連作 3年 目では施肥区 と無施肥 区 と. 件 を得 るために可能な限 り土地が加工 されて肥沃度. じた品種淘汰 を伴 っている. また稲作 は栽培管理 だ. 5倍に達 し,最大であった.逆 に現代 区の の差 は,3.. けでな く,土の性質か ら全 自然 との対話 までが含 ま れていたであろう.当初か らの稲作の内容 を具体化. 連作 2年 目では,その差 は僅か43 .%増であ り,最小 値 を示 した.連作の影響 は, 3年 日の無施肥区が 1. す るために,土壌 に加 えられた過去の記韓が土壌層 序 にどの ように遺存するかを求 める一つの方法 とし. 年 日のそれの 1% 2 の平均収量減 を示 したが,弥生中 期のように 1年 目が低 い場合 もある. しか し施肥区. て栽培試験が行 なわれた.. で は僅か46 .% の平均減少だけであ り,その障害要素. Tabl e2は水稲栽培試験 の結果である.玄米収量. は植物養分の減少 としてよい と思われ る..
(8) 近毛大字農学部紀要. 4 0. 第 25号 ( 1 992). Tabl e 2. .Yid( el g/ pot )ofunu h He dr i c egr owni ns oi l. f r o. m hur l e. dpa. ddyf i e l ds Manur ∫ n g Pr e s e nt Mode m. d d l e Mi d d l. ea nd Mi Ko fJ u l A . n c i e ∫ ー t. o K o f u n . Y ayo.. i Y a y i , f i r s t h a l f l at tr e h a. l f f t h i r s a 】 f. No. 2 26 .. 52 .. 1. 08 .. 1 26 .. 1 40 .. 1 30 .. No. 2 30 .. 54 .. 90 .. 1 34 .. 1 35 .. l l2 .. 1 55 .. No. 2 05 .. 40 .. 1 05 .. l0 . l. l l3 .. 85 .. 1 66 .. Ye s No. 2 36 . 2 20 .. 1. 40 .. 49 .. 1. 62 .. 1 01 .. 1 75 . 1 23 .. 2 05 . 1 29 .. 1 70 . 1 09 .. 2 30 . 1 68 .. Ye s. 2 40 .. 1 34 .. 1 6_ 1. 1 86 .. 2 08 .. 1 8_ 7. 2 33 .. .f r om Soi l swe r eF r o. m wakae・ ki t afrH o Pr e s ent " ,f r om Tomoi hi gas hif or" Moder nHadl n t Mi ddl eadA n n ci e nt ' ' ,` H ' Yayo, il at t e rhai r adH n Yayo, iE i r s l Yao・m i nmi a f or` ■ Mi ddl eKof un' ' . f r om Wakae・ un,f i r s tha) f ki t af orH Kof hal I ". 各時代 区の収量 は,近世 区でいずれの年 も最小 を 示 し,年代 をさかのぼるに したがって漸増傾向であ る. そして最下層の弥生中期の区の収量 は,現代 区. る事例 と思われ,部分的 にしろ施肥が実施 されてい 斉 たことは疑 えない.また,6世紀初頭の中国農書「. に対 し無施肥状態で7% 7 に達 した. 施肥状態で9% 6 ,. )や湊代 の「 氾勝之書 」L2 )には刈草の埋 め込 民要衝 」LO み,敷 き並べ,草木の焼 き払い,蚕残,兼汁の農地. 弥生後期区の収丑 は古墳中期 区のそれにほぼ匹敵 し. 施用や緑豆栽培 による耕土の肥沃化 までが記 され,. た. これ は,粘土丑が少な く,養分保持能 も低 いた め と思われた.各時代 区の収丑の違 いは,有機物 の. 収津 との関係 を明瞭に している.. i 圭存丑 にほぼ一致 し, また,層位分化 をt )た らして. 理化学的性質にまで及んだ例がな く,大足やえぶ り. しか し,考古学的な施肥事実の論議 は,耕作土の. いる現時点 での土壌 生成作 用 に対応 す る傾 向 も強. による残樺,緑肥 の踏 み込み具 13)の推定や,小河J l l. い.過去の地表面で特徴づけられ,蓄積 された土壌. での棚 田,沢田などの地力消耗型水田での施肥 の必. の肥 沃度 の残存性 は, それぞれの地表面の影響の度. 要性 1一 ・ 1 5 )に及んでいるに過 ぎない.本調査で注 目で. 合 によってかな り支配 されている. また,収点 に及. きるのは,調査地の埋没水 田耕土中にかな りの有横. ぼす施肥効果 は,土壌本来の肥 沃性 と魂復 して現わ. 物 や植物兼分が漣存する事実である.生活廃棄物,. れるが,土壌の度衝性や兼分保持 と密接 に関わ り,. 耕地での除草後の枯草な どの処理,耕烏 の場合の雑. 過去の土壌肥沃性 に無関係で はない と思われ る.. 草土塊の反転 とその痕跡,物理性改良のための有機. 作物栽培 における施肥 の必要性 は,特定 な場所で. 物 の鋤 き込 み,マルチな どの施肥複合跡が見出され. の生産力の維持や者額 を期待す ることか ら無理な く. ることは,見落す ことがで きない施肥 の間接証拠で あると思われ る.. 受容 されたであ ろう.作物 の種類や品種 により施肥 が減収 を もた らす場合 もあるが,一般 に効果的な作 物の保欝育生 に対 し施肥 や除草耕作 な どの土への保 全向上操作 は経験的な因果律 として強 く関 っていた に違いない. 施肥に関 しては「 滞良記 」8)以後の多 くの文献記録 に具体的 に取 り上 げ られている. それ以前 には耕極. l V ま と め 大阪中河内の低平地 は洪水 によ り運搬 された土砂 の堆秋 を基本 として形成 されている. この ことは, 当地の土壌層序で特徴づけられ るが, これ らの層序 もそれ ぞれの地表面 での土壌生成作 用 を受 けて い. 的に肯定 した史料 は少ないが, 1 0 世紀の 「 延書式」9 ). る.現在の土壌層位 と過去の地表面 との関 りについ. には朝廷,食族の野菜園な どで兼土 による肥培法が. て各層序の土壌の性状 を調べ,その結果 を考察 した.. 記 され,8世紀初頭の 「 播磨風土記」1 0 )には革敷, 刈取の説話がある. これ らは施肥慣行 に関 る例であ ろう.. その結果 は以下のように要約 され る.. また 「 古称記J 「日本宙紀 」lHには国生み神生み神 話での糞尿 と作物生産の神 との関 りが施肥 を示唆す. 1.各調査地点の土壌層序 は,堆棟層理 その もの を表わ してお らず,堆横後 に地表面で受 けた土壌生 成作用 を含んでいる. しか も堆棟 による埋没層 もそ れぞれの地表面 と地下水 の影響下にある..
(9) 川村 :大阪中河内地 区の堆gt 層序 とその土壌. 2.埋没 した地表面土壌 は,酸化層で は下層土化 が苦 る し く進 み,有蔑物 の着 る しい減少 と鉄分の土 粒子面への沈着や物性 に応 じた集積 が認 め られ る. 還元層 で は有様物 は残存性 が大 で.鉄の量 は酸化層. 41. 23 ( 1 98 3) 2) 足立嗣雄 :ペ トロジス ト,8,55-57 ( 1 9 64) 3 ) A.AsAMIandK.KUMADA:So i lPhnLFo o d, 5,1 79-1 83( 1 959). と差が ない.. 4 ) M. L. 3.各層序の リン酸量 は,わが国耕地土平均 の約 34% であ り,鉄 の量 と高い相関 を示 した. 4.本地形 は,堆研過程が倭勢 とな る流路や 自然. 1 76 1 77,Pe rnt i ce Hal lN , . ∫(98 15). 5) 川村三郎 :若江北遺跡概報 ,1 6、2 2,1 09-1 30,. 大阪府文化財 セ ンター ( 1 983). JACKSON :"olC S i hmclA e ia nayi lss " ,. 堤防か らな る地域 と,安定 な土壌生成作用が進 む後 し,平坦化 している.すなわち水田の開発 に伴 い水. 77 -1 8 3( 1 9 84) 6) 三土正則 :ペ トロジス ト,28,1 7) 川村三郎 :八尾南遺跡 ,245-268,八尾市教育. 委員会 ( 1 981). 路 の固定が天井川化 を もた らし,流量 と勾配の限界. 8 ) 山田粗雑 ・飯沼二郎 ・岡光夫 ・守田志郎 :日本. か ら後背低湿地 に流路 が移 る過程 の繰 り返 しを経 て. 農讐 全集 ,1 0,l oo-1 05,農 山漁村 文 化協 会. 背低湿地 とが,同地点で時代 を異 に して交互 に存在. いる.. ( 1 980). 5.水 田辻横 の耕土 は,理研状態 と土性 の影響 を 受 け,水稲収量 に関与 した.酸化層中の水田耕土 で. -112 ,東大 出. 9) 古島敏雄 :日本農業技術史 ,111 1 975). 版会 (. は玄米収量 が低下 し, グライ層 区の もの は現代 区の. 1 0) 柳 田国男 ・安藤広太郎 ・盛永俊太郎 ・他 :稲 の. 収量 に近接 した.. 日本史 ,2 73,筑摩 番房 ( 1 969). 6.グライ層位 に理耕 した水 田耕土 中の有機物遠 存農 は,施 肥のt F行 を示唆す る. 謝辞. 本研究 を行 な うに当 って大阪府,八尾市,. 東大阪市 の各教育委兵舎の遺跡 発掘関係者 には現場 での試料採取 をはじめ調査資料 を提供 していただい た.また,本字農芸化学科 の学生 であった海野良子, 田島千意,高橋衝-,奥田晃三,中川繋和,安8t暁 彦,池側康彦,太 田頼孝の諸君 には実験 に協力いた だいた。 ここに記 して謝意 を表 します.. 引用文献 1) 古川久雄 ・ 服部共生 :ペ トロジス ト,2 7,22 -. ll ) 大林太良 :稲作 の神話 ,28 -33,弘文堂 ( 1 97 3). 5-20,農 山漁村 文. 1 2) 岡島秀夫 ら訳 :氾勝 之菅 ,1 化協会 ( 1 98 9). 1 3) 木 下 忠 :古代 の農 耕 ,5 4,32 -38,歴 史 公論. ( 1 98 0). 4,. 1 4) 森浩一 ・嵐嘉一 ・渡部忠世 :古代学研究 ,7 1-30 ( 1 974). 65-1 94,日本放. 1 5) 渡部忠世 二日本農耕 の源流 ,1 送出版協会 ( 1 98 3). ( 平成 3年 1 1 月 8日受理).
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