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〈論文〉中国百貨店の聯営制に関する一考察--百貨店経営への弊害についての検討

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(1)近 畿 大学 商 学 論 究. 第13巻 第1号2013年7月. 中国百貨 店 の聯 営 制 に関 す る一 考察 一 百 貨店経 営 へ の弊害 につ いて の検討 一. 朱 要 旨. 近 年,聯. 洪. 双. 営 制 は 中 国 百 貨 店 の 主 要 な売 場 経 営 形 態 に な り,そ の比 率 は80%に. 達 して. い る。 聯 営 制 は伝 統 の 自営 百 貨 店 と異 な り,単 な る売 場 賃 貸 と も異 な る。 聯 営 制 の下 で,百 貨 店 は 自営 制 の 場 合 に起 こ りや す い様 々 な リス クを 回避 す る こ とが で き,売 場 賃 貸 に よ る管 理 上 の弊 害 を 避 け る こ と もで き る。 しか し近 年,中. 国 で は 多 くの 百 貨店 は 聯 営 へ と切 り替. わ った に もか か わ らず,経 営 上 の弊 害,供 給 業 者 と の 対 立 問 題 お よ び社 会 的 な 責任 の 問題 な ど新 た な 問 題 が 次 第 に出 て き た。 こ こ で は,聯 営 制 の 既 存 研 究 に基 づ い て聯 営 制 の本 質 を確 認 し,百 貨 店 経 営 へ の 弊 害 を 指 摘 す る ことが 本稿 の 日的 で あ る。. キ ー ワー ド. 百貨店. 聯営. 自営. カ ウ ン ター 賃 貸. 二元 流 通. Abstract. Presently, in major cities in China 80% of Chinese large department. advantage. of LianYing model (joint management).. department. stores and has become the mainstream. LianYing has prevailed. store take in Chinese. operation model because it can reduce. cost and risk comparing with self-support model, and give strengthen of the integrality and power of control comparing with leasing floors. However, LianYing model stands in the way of the cooperation between department earlier. literature. stores and brand suppliers. This paper reviews the. on LianYing, defines the essence of LianYing, analyzes. its problems. location.. Key. words. department, distribution. lianying,. self-imposed. management,. counter. rental,. dual.

(2) 1.は. 1.1問. じ. め. に. 題意識. 中 国 で は90年 代 か ら今 ま で の20年 間,百 貨 店 は飛 躍 的 に進 歩 発 展 す る と 同 時 に,経 営 方 式 も大 きな 変 化 が 起 き た。 多 くの百 貨店 は伝 統 な 自営(自 主 運 営)の 経 営 方 式 か ら聯 営 の 経 営 方式 に 切 り替 わ り,そ の比 率 は80%以 上 に 達 して い る。 聯 営 と は リス ク回 避 を前 提 と して,企 業誘 致 の 方 式 で 有 名 な 商 品 や ブ ラ ン ド品 を 導 入 し,製 造 業 者 ま た は代 理 商 が 日常 の運 営 を す る と と も に,そ れ らの供 給 業 者 か ら小売 業 者 が 賃 貸 料 ,管 理 費 等 の 日常 運 営 の た め の 固定 費 の ほか,売 上 の何 パ ー セ ン トか を控 除 し,粗 利 益 と して 徴 収 す る と い う,も と も と 百貨店 が 導 入 した売 場 経 営 方 式 の一 種 で あ る。 聯 営 の 経 営 方 式 は確 実 に 百貨 店 に経 営 リス クの 回避,コ. ス トの 削 減,市 場 へ の対 応 な どの メ リ ッ トを も た ら した。 具体 的 に財. 務 費 用,労 働 コ ス トの 削 減,在 庫 コス トの 回避 な どの利 点 が あ る。 しか し,百 貨 店 は様 々 な リス クを 回 避 す る と同 時 に,「 百貨 店 の本 質特 徴 」(呉 小 ∫』2008)(1}の支 持 が失 わ れ ,価 格 決 定 権 の喪 失,収 益 力 の 低 下,販 売 力 の低 下,売. り場 の 同 質 化 な どの 多 くの 弊 害 も顕 在. 化 し,百 貨 店 の経 営 面 に 深 刻 な影 響 を 与 え て きた。 本 稿 は 中 国 百貨 店 の 経 営 方 式 で あ る聯 営 の特 徴 お よ び発 展 現 状 を 分 析 し,百 貨 店 の経 営 上 に もた ら した弊 害 に っ いて 検 討 す る こ とで,聯 営 制 問 題 の所 在 を指 摘 した い。. 1.2百. 貨 店 の 定 義 に つ いて. 本 研 究 の 論 旨 を明 確 にす る た め に,ま ず,中 国 百 貨 店 にっ いて の定 義 を提 示 し,本 研 究 に お け る 「百貨 店 」 の 対 象 範 囲 を 明 らか に した い。 以F,「. 中 国 零 讐業 態 分 類 規 範 意 見 」(1998)お. よ び 「零 唐 業 態 分 類 」(2004)か. ら中 国. 百 貨 店 の定 義 を 提 示 した い。 ①. 「零 魯 業 態 分 類 規 範 意 見」(1998)(2>で は,一 っ の 建 物 で,商 品 部 門 ご と に販 売 区 を 設 置 し,仕 入 れ,管 理,運. 営 す る こ とで 顧 客 の 多様 な ニ ー ズ を満 た す人 規 模 小売 業 で あ. (1)百 貨 店 の 本 質 的 特 徴 の 要 素 に関 して は 呉 小 丁(2008)は 次 の よ う に述 べ て い る。 「百 貨 店 は Departmentstore(部 門 商 店)と い う名前 の 通 り,す な わ ち,部 門 別 管 理 は百 貨 店 の重 要 な特 徴 で あ る。 部 門 別 管 理 と は百 貨 店 は商 品 を そ の 特性 に よ って い くっ か の 部 門 に分 け,独 自 に経 営 す る こ とで あ る。 … … こ の部 門 別 管 理 を採 用 す る こ とに よ って 百 貨 店 は幅 広 い商 品 を確 保 で き,商 品 に っ い て の知 識 も身 に っ け られ る。 っ ま り,広 い,深 い品 揃 え の 確 保 が で きた。 … … しか し, 近年 販 売 ,多 くの大 型 百 貨 店 の売 り場 の 経 営 方 式 は 伝 統 の 「自営 」 か ら 「聯 営 」 に転 換 し,仕 入 れ, 従 業 ,在 員 庫 等 の 管 理 権 は全 部 供 給 業 者 に移 転 した の で百 貨 店 の も と も との 仕 入 部 ,販 売 部 の 専 門 と部 門 の意 味 が な くな り,departmentstoreと い う百 貨店 の基 本 的 な特 徴 が な くな って き た」。 (2)元 国 家 国 内貿 易局(1998)『 零 魯 業 態 分 類 規 範 意 見(試 行)』.第106号 。 一22一.

(3) る と定 義 さ れ て い る 。 立地. 1 一. 営業面債 一一. 取扱商 品 紳 十 服,婦. 部,交 通 便. 5000㎡. 対面サ ー ビ. 家 庭 用 品 な ど 多様 が あ り,少 量 高. ス とセ ル フ. 利潤. サ ー ビス. 以上. 料,. 利の処. ②. 販売方式. ア フ タ ー ・サ ー ビ ス. 一.  . 都市 の中心. 「零 讐 業 態 分 類 」(2004)(3iで 管 理 を 実 施 し て い る,商. 人 服,子. は,大. 供 服,衣. 定 価 販 売,返. 品 が. ・∫能, 一. き な 建 物 の 中 で 多 種 多 様 な 商 品 を 取 り 扱 い,統. 品 の 種 類 に よ っ て 販 売 区 を 設 置 して 独 自 に 経 営 し,顧. 一. 客 を満. 足 さ せ る た め に 多 様 な フ ァ ッ シ ョ ン商 品 を 取 り扱 う 小 売 業 で あ る 。 ドの 表 は 具 体 的 な 標 準 に つ い て ま とめ た もの で あ る。   . 目標顧客. 疏地 市,区. 級 商. フ. ァ. ッ シ. 営業面積 「 一. 取扱 商品. 販売 方式. ョ. 業 中 心,歴. ン性 と 高 級. 6000-20000服. 服 飾,靴. 史形 成 の商 業集積地. 感 を追及 す る流動顧客. ㎡. 家 庭 用 品,家 庭 電 器 製 品 家 一. 鞄 類,化. 粧 品,. 対 面 サ ー ビス とセ ル フ サ ー ビス. 一. 以 ヒ,中 国 百 貨 店 の定 義 に っ い て 特 徴 と分 類 標 準 を 示 した が,特 徴 に っ い て は表 現 の 違 いが 若 干 あ る もの の,基 本 的 な 特 徴 は ほ ぼ同 じで あ る。 す な わ ち,百 貨店 は 「1っ の 建 物 の 中 で,多 種 多 様 な商 品 を取 り扱 い」,「商 品 の 種 類 に よ って 販 売 区 を設 置 して 独 自 に経 営 」 と い う特 徴 が あ る。 以 .ヒの 「中 国 零 篤業 態 分類 規 範 意 見」(1998)と 「零 篤 業 態 分 類 」(2004) を基 準 に,本 研 究 に お け る百 貨 店 を 「市,区 級 商 業 中心 あ る い は歴 史 的 に形 成 され た 商 業 集 積 地 に 立地 し,6000-20000㎡. の 営 業 面 積 が 有 す る大 規 模 小 売 店 で あ り,商 品部 門 ご と に. 販 売 区 を設 置 し,仕 入 れ,管 理,運. 営 す る こ と で顧 客 の 多様 な ニ ー ズ を満 た す た め に,多. 種 多 様 な商 品 とサ ー ビ スを提 供 す る小 売 業 」 と定 義 した い。. 1.3本. 研究の構成. 本 研 究 の構 成 は以 下 の通 り とす る。 ま ず2.に. お い て 聯 営 制 の 定 義 と 特 徴 を 述 べ る 。 そ し て3.で. リ ッ トに っ い て 先 行 研 究 を レ ビ ュ ー し たEで4.で. は聯 営 の メ リッ トとデ メ. 聯 営 制 の 問 題 点 を 分 析 す る 。最 後 に5.に. お い て は今 後 の課 題 に っ い て 述 べ る。. (3)国 家 質 量 監 督 検 験 検 疫 総 局 と 国 家 標 準 化 管 理 委 員 会 が 公 布 した 「零 唐 業 態 分 類 』。GB/ T18106-2004。. 一23一.

(4) 2.聯. 営の特徴. 本 節 で は,現 在,中 国百 貨 店 の 主 要 な3種 の 売 場 経 営 形 態 を比 較 し,そ れ ぞ れ の 特 徴 を 説 明 した うえ で,聯 営 の 本 質 を さ らに深 く掘 りマ げ て み る。. 2.1百. 貨 店 売 場 の経 営 形 態. 聯 営 は売 場 経 営 形 態 の 一 種 で あ る。 中 国 で の売 場 経 営 は所 有 権 移 転 の 有 無 と その 時 期 を 基 準 と して 自営,聯 営 と カ ウ ン ター の賃 貸(出 租 桓 台)の3っ. に分 け られ る。 こ こで,聯. 営 を 深 く理 解 す る た め に,ま ず こ の3っ の経 営 方 式 の特 徴 にっ いて 述 べ る。 自営(自. 主 運 営)で. は,百 貨 店 は製 造 業 者 ま た は代 理 商 か ら商 品 を 買 い取 り(買 断),. 自 らの 店 舗 で 販 売 す る。 す べ て の リス ク と コス ト(商 品 の 流 通 費 用,税 金,人 件 費,店 舗 運 営 費,広 告 費 等)は 百 貨 店 側 が 負 担 し,利 潤 を す べ て 自分 で 得 る。 自営 の下 で は,百 貨 店 は主 に仕 入 と販 売 の鞘 を稼 ぐ こ とで利 潤 を確 保 す る。 聯 営 の 下 で,百 貨 店 は 「聯 営 控 点 」(控 率 と も呼 ぶ)を 通 じて利 益 を得 る。 す な わ ち, 百 貨 店 は 供 給 業 者 か ら賃 貸 料,管. 理 費 等 の 口常 運 営 の た め の 固 定 費 の ほか,売. 一ヒ の何. パ ー セ ン トか を控 除 し,粗 利 益 と して製 造 業 者 また は代 理 商 か ら徴 収 す る。 この金 額 は百 貨 店 と供 給 業 者 の契 約 に沿 って,売 上 に 歩 合 を掛 けて 百貨 店 の 利 益 と して徴 収 さ れ る もの で あ る。 売Lか. ら受 け取 る金 額 の比 率 は具 体 的 に3種 が あ る。 一 つ 目 は実 際 の売 りhげ か. ら受 け取 る。 二 っ 目 は最 低 限 度 の売 り一ヒげ か ら受 け取 る。 す なわ ち,供 給 業 者 が儲 け る か ど うか にか か わ らず,百 貨 店 側 が最 低 の保 証 額 を受 け取 る こ とが で きる。 三 っ 目 は総 合 方 式 で あ る。 す な わ ち,最 低 限 度 の売 り上 げ を達 して い な い場 合,最 低 限 度 の売 りLげ か ら 受 け取 り,最 低 限 度 の売 り 上げ を超 え た場 合,実 際 の 比 率 か ら受 け取 る こ とに な る。 カ ウ ン ター の 賃貸 とは百 貨店 が所 有 ま た は使 用 して い る売 場 を製 造 業 者 ま た は代 理 商 に 貸 し,一 定 の賃 料 と報 酬 金 を受 け取 る こ とで あ る。 この 賃 料 は通 常 百貨 店 と供 給 業 者 の 交 渉 に よ って決 め られ る。 この賃 料 は一 般 的 に売 場 面 積 と テ ナ ン トの所 在 位 置 を基 準 と して 受 け取 る。 報 酬 金 は 百 貨店 が業 績 の良 い供 給 業者 か ら徴 収 す る奨 励 金 で あ る。 製造 業 者 や 代 理 商 は売 場 の具 体 的 な経 営 を行 う。 カ ウ ン タ ーの 賃 貸 と聯 営 の最 大 の違 い は料 金 の徴 収 方 式 に あ る。 聯 営 に お け る料 金 の 徴 収 は 「固 定 費 」 と 「聯 営 控 点 」 の2部 分 か ら構 成 さ れ,「 聯 営 控 点 」 は売 上 に よ り変 わ る。 一 方,カ. ウ ン タ ー賃 貸 の 場 合 は 売 上 にか か わ ら. ず,金 額 は一 定 で あ る。 以L,中. 国 百 貨 店 の3種 類 経 営 形 態 に っ い て説 明 した。 こ こ で この3っ の経 営 形 態 を 区. 別 す る た め,百 貨 店 側 の権 利 と義 務 を表1の 一24一. よ う に ま と め る。.

(5) 表1百. 貨 店 の3っ 売 場 経 営 の権 利 と義 務. 特徴 営利 の面. 販売 業務 の. 自営. 供給 業者. 供給業者. 百 貨店 の主 な収 益源. 仕 入 と販 売 の鞘. 「 聯 営控点」. 賃貸料. 百貨店 の品揃 え決定権. 商品 の選択. ブ ラ ン ドの 選 択. 供給業者の選択. 価 格 コ ン トロー ル権. 百貨店. 百 貨 店(一 部). 供給業者. 販売促進 の管理権. 百貨店. 双方協 力. 供給業者. 部 分(場 所). 部 分(場 所). 全 部(場. 商 品 陳 列 へ の百 貨店 の 関 与. 模,ス. 所,規 タ イ ル 等). 統 一 レ ジ権. 全部統一. 大部分統一. 半分. 販 売 サ ー ビス の執 行 権. 百貨店. 供給業者. 供給 業者. 百 貨 店 と供 給 業. 百貨店. ア フ ター サ ー ビス執 行 権. 資源の面. カ ウ ン ター賃 貸. 百貨店. 面. 物流の面. 聯営. 商品の所 有権. 者. 供給 業者. 仕入. 百貨店. 供給業者. 供給 業者. 配送. 百貨店. 供給業者. 供給業者. 店舗管理員. 百貨店. 百貨店. 百 貨店. 販売員. 百貨店. 供給業者. 供給業 者. 店舗の設備等. 百 貨店. 百貨店. 百 貨店. 注:供 給業者 は製造業 者また代理商の ことを指す 出所:「 中国零 篤研究』2010年01期,10ペ ー ジ。 表1か. らわ か るよ うに,自 営 にお いて 商 品 の所 有権,価. 格 設 定 権,物 流 面 の執 行 権 等 の. す べ て の権 利 は 百 貨 店 側 が持 って い る の に対 して,聯 営 で は 百貨 店 は 半分 以 上 の権 利 を供 給 業 者 に委 ね て い る。 聯 営 と カ ウ ンタ ー賃 貸 は 表面 的 に は区 分 しに くいが,実 質 に お いて は大 きな違 い が あ る。 わ か りや す く言 うと,カ. ウ ン ター 賃 貸 にお いて 百 貨 店 は単 純 な不 動. 産 の管 理 を 中心 業 務 とす るに す ぎ な い。 聯 営 で は,単 な る売 場 貸 しで あ る の み な らず,百 貨 店 全 体 の協 調 性 維 持 と コ ン トロ ー ル の役 割 も果 た して い る。 聯 営 百 貨 店 は直 接 商 品 を仕 入 れ るわ けで は な い が,百 貨 店 で 販 売 さ れ る商 品 に っ い て 選 別 す る こ とが で き る。 ま た, 財 務 管 理 を通 じて す べ て の カ ウ ン ター の営 業 状 況 を把 握 す る こ と もで き る。 中 国 で は,大 型 百 貨 店 は商 品 の 種 類 に応 じて3っ の 経 営 形 態 を同 時 に採 用 す る場 合 が 多 い。 そ れ ゆ え に,3っ. の 経 営 形 態 の売 上 総 額 の比 率 に よ って 「百 貨 店 は ど ん な売 場 形 態 を. 採 用 して い るか 」 を 判 断 す る。 近 年,巾. 国 主 要 な 都 市 大 型 百 貨 店 の聯 営 比 率 は80%に 達. し,主 要 な売 場 経 営 形 態 に な って い る。. 2.2聯. 営 の運 営 方 式. 聯 営百 貨 店 の 運 営 の 方 式 を 「商 品 の仕 入 れ 」, 「財 務 の管 理 」 及 び 「利 益 の 獲 得 」 の面 か ら検 討 した い。. 一25一.

(6) 商 品 の仕 入 れ の 面 で は,自 営 百貨 店 は商 品 の仕 入 れ を通 じて 経 営 の 自主 権 を 獲 得 す る こ と が で き る。 百 貨店 は 自身 の財 務 状 況 と市 場 の 中 で の位 置 に 基 づ い て商 品 品 目 を選 別 し, さ らに は売 ヒと在 庫 の 回 転 率 の 予 測 を踏 ま え て 商 品 の仕 入 れ 計 画 を立 て る。 こ の よ うに, 自店 に適 合 す る供給 業 者 を 見 っ け,適 切 な価 格 で仕 入 れ る こ とが で き る。 聯 営 百貨 店 は企 業 誘 致 の 方 式 を 通 じて商 品 を仕 入 れ る。 百 貨 店 は 自身 の ポ ジ シ ョニ ング に 基 づ い て 売 場 の面 積 とテ ナ ン トの 位 置 につ い て総 合 的 な 計 画 を 立 て た 後,同. じカテ ゴ. リー の 商 品 か ら市 場 細 分 化 の 原 則 に基 づ い て選 択 的 に 商 品 を 企 画 し,ま た は マ ー チ ャ ンダ イ ジ ングを 実 施 し,公 開 の 企 業 誘 致 を通 じて 商 品 を 百貨 店 に導 入 す る。 この よ うに,百 貨 店 は統 一 の 企画 を 通 じて売 場 商 品 の高 級 化 を 確 保 で き る。 しか し,「 聯 営 百 貨 店 は商 品 の 仕 入 れ 活 動 を しな い た め,販 売,在 庫 管 理 等 の 自主 経 営 権 もな くな り,経 営 上 に隠 れ て い る弊 害 も しだ い に 目立 って い る」q)。 財 務 管 理 の 面 で は,自 営 百 貨 店 の財 務 管 理 は す べ て 自社 の 社 員 に よ って行 い,全 体 の売 上 を 把 握 す る。 同 様 に聯 営 百 貨 店 の 会計 は 主 に 「統 一 会 計 」 で あ る。 具 体 的 に は,売 上 数 字 を コ ン ピュ ー タ ヒに保 存 し,毎 日の売 ヒ状 況 を 正 確 に把 握 で き る。 そ して,各 テ ナ ン ト の 状 況 及 び全 体 の 販 売 状 況 を把 握 す る こ とが で き る。 百 貨 店 はす ば や く有 効 な販 売 促 進 を 行 い,あ る い は経 営 状 況 が 悪 い テ ナ ン トを取 り除 くこ とが で き る。 聯 営 の 「統 一 会 計 」 に よ ってli確 に 「聯 営 控 点 」 を徴 収 す る こ とが で き る。 利 潤 の 獲 得 の 面 で は 自営 百 貨 店 の 主 要 な収 入 源 は鞘 を 稼 ぐこ とで あ る。 百 貨 店 は 自 由 に マ ー ク ア ップ 率 を 設 定 で き る。 した が って,百 貨 店 は高 利 潤 の 実 現 も可能 で あ る。 聯 営 の 百貨 店 の 主 要 な 収 入 は供 給 業 者 か ら徴 収 す る。 そ の 金額 は具 体 的 に二 っ あ る。 ① 百貨 店 が 正 常 運 営 す るた め の 最 低 限 度 の 賃 貸 料,管 理 費等 固定 費 の ほか,② 売Lの 一 定 比 率 を控 除 す る こ とで 得 られ,こ の 控 除 額 は粗 利 益 と な る 「聯 営 控 点 」 で あ る。 表 面 か らみ る と,こ れ は百 貨 店 に と って売 れ 残 り等 の リス ク も負 わ ず,利 益 を 享受 す る こ とが で き るが,こ の 「控 率 」 は す べ て の百 貨 店 に と っ て一 般 の 範 囲 の平 均 数 値 と な るの で,高. い粗 利 益 を 期 待. で きな い。 以 上,百. 貨店 の運 営 方 式 に つ い て 分 析 した。 伝 統 百 貨 店 の 自営 と違 って,百 貨店 の聯 営. は商 品仕 入 れ と販 売 の権 利 を 供給 業 者 に渡 し,ブ ラ ン ドの選 定 と供 給 業 者 との交 渉 が主 要 な業 務 内容 と な った。 百 貨店 の聯 営 の 運 営 方 式 の 特 徴 を要 約 す る と,百 貨店 に よ る 「統 一 管 理 」,「売 場 の統 一 企 画 」,「統 一 会 計」 で あ る。 聯 営 の 百 貨 店 は売 れ 残 り等 の経 営 上 の リ ス ク を同 避 で き る上 に,管 理 費 や 人 件 費等 の 経 営 上 の コ ス トも下 げ られ る。 しか し,百 貨 店 は売 れ残 り等 の 経 営 リス クを 回 避 す る と同 時 に経 営 機 能 も変 化 して くる。 次 は 「聯 営 」 (4)「. 商 業 経 済 与 管 理 」2011,第2期,総. 第232期. 一26-一. 。.

(7) リス ク回 避 の形 成 に っ い て 分析 す る こ とで,聯 営 が 百貨 店 の 経 営機 能 に どの よ うな 影 響 を 与 え るか を検 討 す る。. 2.3聯. 営 リス ク 回避 の形 成 メ カ ニ ズ ム. 近 年,多. くの 百 貨 店 は リス ク を回 避 す る た め,自 営 か ら聯 営 へ と変 わ っ た。 実 は,百 貨. 店 の経 営 リス クを 供 給 業 者 に転 嫁 す る過 程 は,言 い 換 え れ ば,百 貨 店 が 経 営 機 能 を供 給 業 者 に移 譲 す る過 程 で あ る。 この よ うに,百 貨 店 は経 営 リス クを避 け る と同 時 に,仕 入 れ ・ 販売 ・在 庫 管 理 等 の 業 務 範 囲 が 自営 の部 門 別管 理 か ら変 化 した。 具 体 的 な業 務 範 囲 は以 下 の 通 りで あ る。 第1に,標. 的 市 場 内 の ポ ジ シ ョニ ン グ。 これ はす べ て の 店 舗 経 営 が 先 ず 初 め に や るべ き. こ とで あ る。 聯 営 百貨 店 も例 外 で な い。 通 常,百. 貨 店 は高 級 消 費 者 を標 的 と し,こ の市 場. にお いて ポ ジ シ ョニ ング を行 う。 聯 営 の 元 で百 貨 店 は シ ョ ッ ピ ング,レ. ジ ャー,娯 楽 等 の. 提 供 の 他 に,顧 客 の フ ァ ッ シ ョ ン性 の追 求 に 応 え 導 く役 割 も果 た して い る。 第2に,ブ. ラ ン ドの管 理 。 自営 の 百貨 店 は主 に品 物 の 構 成 を通 じて ポ ジ シ ョニ ング を実. 現 した。 聯 営 の 百 貨 店 は主 に企 業 を誘 致 す る際 の ブ ラ ン ドに 対 す る選 別 で あ る(5)。した が って,百 貨 店 の 業 務 は 主 に 入 店 す る ブ ラ ン ドの選 別 及 び供 給 業者 との 「控 率 」,協 力 等 の内 容 にっ いて の交 渉 で あ る。 百 貨 店 内 の 専 門 人 員 は各 ブ ラ ン ドを 自 ら評 価 して,入 店 す る ブ ラ ン ドを選 別 し,一 一応 の協 力 意 図 を確 定 した後,百 貨 店 の関 連 指 導 原 則 と制 度 に基 づ いて 双 方 が 具 体 的 な協 力問 題 に つ い て交 渉 す る。 入 店 した ブ ラ ン ドを等 級 に分 け て管 理 す る。 第3に,全. 体 配 置 と店 内 の環 境 管 理 。 聯 営 の 百 貨 店 は店 舗 の面 積 に基 づ き,ブ ラ ン ドを. 種 類 別 に レイ ア ウ ト計 画 の も とで,そ れ ぞ れ の カ テ ゴ リー 内 で,入 店 す る具 体 的 な ブ ラ ン ドを市 場 セ グ メ ン トご とに選 択 し,百 貨 店 の 高 級 ポ ジ シ ョ ンの維 持 と ブ ラ ン ドカ の確 保 を 図 る と と も に,百 貨 店 全 体 と して の 品 揃 え を実 現 す る。 この場 合,「 供 給 業 者 は 自 ら売 場 の設 計,装 飾 及 び 陳 列 等 の 役 割 を 担 当」(孫 動2011)(6}す る。 百貨 店 は全 体 の配 置 と環 境 管 理 を担 当す る。 第4に,全. 体 の販 売 促 進 。 聯 営 の 百 貨 店 は商 品 の仕 入 れ ・販 売 ・在 庫 管理 等 の役 割 を供. 給 業 者 に渡 す が,全 体 の 販売 促 進 は 百貨 店 側 の重 要 な職 務 の一 っ で あ る。 この 販売 促 進 は 百 貨 店 と供 給 業 者 とが 共 同 で 行 う。 費 用 の 面 で は通 常 双 方 の 契 約 に基 づ い て 共 同 負 担 す る。 統 一 販売 促 進 は百 貨 店 の 全 体 の イ メ ー ジを顧 客 に提 示 し,一 定 程 度(聯 営 制 に お い て. (5)中. 国 百 貨 商 業 協 会 の ホ ー ム ペ ー ジ。. (6)孫. 動(2011),15ペ. ー ジ。 一27一.

(8) 各 ブ ラ ン ド商 の 独 立 経 営 に よ って 引 き起 こ さ れ る)百 貨 店 全 体 の イ メ ー ジの 弱 体 化 を 補 う。 第5に,商. 品 品質 の検 査。 聯 営 の百 貨 店 は入 店 す る商 品 の品 質 を検 査 す る職 務 も担 当 す. る。 具 体 的 に商 品 の 名称,価 格,規 格 等 を コ ン ピュ ー タに入 力 し,入 店 した商 品 に対 して 把 握 す る こ とが で き る。 以 上 の職 務 範 囲 の変 化 の み な らず,組 織 機 能 も変 化 す る。 自営 の元 で 百 貨店 は 強大 な仕 入 れ部 門 と販 売 部 門 を擁 し,従 業 員 も商 品 に関 す る専 門 的 な知 識 を持 ち,市 場 を熟 知 して い る た め,各 部 門 の協 力 に よ り百 貨 店 は競 争 の 優 位 性 を保 っ 。 聯 営 制 の元 で百 貨 店 は仕 入 れ ・販 売 ・在 庫 管 理 等 の業 務 を行 わ な い た め,専 門 の 仕 入 れ と販 売 の 人材 を持 っ必 要 が な い。 百 貨店 の従 業 員 は顧 客 と接 触 す る第 一 線 の 販 売 活 動 に 直接 関与 せ ず,各 テ ナ ン トに対 す る販 売 の指 導,定 期 的 な監 督 や 検 査 等 の 店 舗 管 理 を 通 じて 間 接 的 に 顧 客 に サ ー ビス す る。 第一 線 の販 売 員 は 供給 業 者 か ら派 遣 され,社 員 の移 動,給 与 支払 い 及 び教 育 は もち ろ ん供 給 業 者 が担 当 す る。 百 貨 店 は供 給 業 者 が 指 定 した従 業 員 に対 して テ ス トを 行 う。 合 格 した従 業 員 に対 して 企 業文 化,経. 営 理 念 及 び規 則 制 度 等 に っ い て 単 な る訓 練 を 行 う。 この. よ うな組 織 機 能 の 異 化 が 百貨 店 に与 え た影 響 につ い て,後 節 で 改 め て 詳 細 に述 べ る。 聯 営 の 百貨店 が 商 品経 営 の リス クを 供 給 業 者 に転 嫁 す る一 方 で,商 品 所 有 権 を 持 って い る供 給 業 者 も リス クを 回避 す るた め,様 第1に,価. 々 な対 策 に取 り組 ん で きた。. 格 の 調 整。 商 品 所 有 権 と価 格 決 定 権 を擁 す る供 給 業 者 は生 産 コ ス ト,販 売 コ. ス ト及 び競 争 相 手 の 状 況 に 応 じて す ば や く価 格 を調 整 す る こ とで利 潤 を 確 保 す る。 具 体 的 に は百 貨店 が収 益 を 向 一Lする ため に 「聯 営 控 点 」 や入 店 料 等 を 引 き 上げ る こ と も多 い。 供 給 業 者 は こち らの 費 用 を 商 品 の 価 格 に加 算 し,そ れ に よ って,販 売 コ ス トを 消 費 者 に転 嫁 す る こ とが可 能 で あ る。 第2に,派. 遣 店 員 に よ る売 れ 筋 の 把 握 。 供 給 業 者 は 臼社 の派 遣 した社 員 が 直 接 販 売 活 動. に参 加 す る こ とで,顧 客 各 人 別 の 購 買 行 動 と商 品 単 品 の売 れ 筋 を把 握 す る。 こ の よ うに, 適 当 な 商 品 ・数 量 ・時 間 ・場 所 ・価 格 を 選 別 し,顧 客 の ニ ー ズ を 満 足 さ せ る(孫. 動. 2011)(7}。 ま た,供 給 業 者 は 第 一一線 の 販 売 活 動 を通 じて 販 売 の 知 識 を蓄 積 し,商 品 の 企 画,開. 発,物. 流 及 び 在 庫 管 理 等 の よ り効 率 的 な 方 法 を 通 じて 最 大 限 に コ ス トを コ ン ト. ロ ー ル し,リ ス ク を 回 避 で き る。 した が って,供. 給 業 者 は消 費者 が どん な ものを欲 し. が って い る か も把 握 す る こ とが で き,消 費 者 の ニ ー ズ満 足 す る た め,努 力 す る。 そ して, 自 社 ブ ラ ン ドも確立 す る こ と もで き る。 以bの 分 析 か ら,百 貨 店 の 聯 営 制 は供 給 業 者 に有 利 な経 営 方 式 と も いえ,生 産 と販 売 の (7)同. 上,17ペ. ー ジ。. 一28一.

(9) 連 動 を 通 じて 最 大 限 に 経 営 リス ク を 回 避 す る こ と が で き る 。 さ ら に,市. 場 で効 率 的 に ブ ラ. ン ド ・イ メ ー ジ を 形 成 す る こ と も で き る。 聯 営 の 元 で こ の よ う な 低 コ ス ト,高 収 益 の 経 営 方 式 が 供 給 業 者 の 高 速 成 長 を 遂 げ た 大 き な 原 因 で あ る 。90年 代 以 来,多. くの 国 内 ブ ラ ン ド,. 例 え ば,「 波 司 登 」,「杉 杉 」,「九 牧 ⊥ 」,「 ヒ匹 狼 」 等 の ブ ラ ン ド は 聯 営 の お か げ で 無 名 な 小 企 業 か ら 全 国 で 有 名 な ブ ラ ン ドへ と大 き な 発 展 を 遂 げ て き だ8)。. 3.百 貨店 の経営 に対す る聯営 への擁護 及び批判の検討. 百 貨 店 の聯 営 に っ い て の 先 行 研 究 の 多 くは 百貨店 の利 益 獲 得 方 式 と い う観 点 か らの もの で あ る。 っ ま り,近 年,中 国 大 型 百 貨 店 の低 収 益 問題 の 所 在 は売 り場 経 営 方 式 で あ る聯 営 に あ る と多 くの学 者 に 指 摘 され,聯 営 に対 して デ メ リッ トに偏 る研 究 の 傾 向 が 強 い。 そ の 結 果,多. くの研 究 は 百 貨 店 が 自営 に回 帰 す べ き との指 摘 が 強 ま って い る。. 聯 営 に っ い て の擁 護 派 は少 数 で あ るが,た. とえ ば,崔 馨 予(2010)は,百. 貨 店 の コス ト. の 回避 の面 か ら聯 営 の メ リ ッ トを 指 摘 した。 彼 に よ れ ば,売 れ 残 っ た商 品 ま た は 見込 み違 い に対 して百 貨店 が責 任 を 負 う必 要 が な い とい う経 営 リス クの 回 避 が 可能 だ と指 摘 され て い る。 ま た,自 営 の 場 合 に 比 べ て,少 した。 李 酸 佳,李 減(2008)は. な い 資 金 に て 多額 の 取 引 を 行 う こ とが で き る と指 摘. 人 件 費 と費 川 の 面 か ら 「聯 営 」 の メ リッ トを 述 べ た。 「人. 件 費 を 節 約 で き る し,聯 営 の 百 貨 店 は デ ベ ロ ッパ ー 業 へ の 転 換 を 促 進 す る こ と もで き る」。 ま た,李 飛(2011)は. 聯 営 す べ きか 自営 す べ きか,と. い う経 営 方 式 が 課 題 な の で は. な く,大 事 な の は 供 給 業 者 と百 貨 店 の協 業 に よ る顧 客 ニ ー ズ に適 合 す る こと だ と指 摘 して い る。 一 方 で ,聯 営 に っ い て の 批 判 的 な 研 究 は 多 数 存 在 し て い る が,そ (2000)と. 陳 立 平(2009)で. の代 表 は呉小 丁. あ る。 呉 小 一J▲ に よれ ば 部 門 別 管 理 は 百 貨 店 の 重要 な 特 徴 で あ. り,伝 統 の 自営 か ら聯 営 に転 換 し,仕 入 れ,販 売,在. 庫 等 の管 理 権 は 全部 供 給 業 者 に 移転. した の で 百 貨 店 の もと もと の仕 入 部,販 売 部 の 専 門 従 業 員 と部 門 の意 味 が な くな り,百 貨 店 の 基 本 的 な 特 徴 が な くな った。 そ の結 果,聯 営 方 式 で は わ ず か の 全体 促 進 と間接 サ ー ビ ス以 外 は 百 貨店 自 らが 行 わ な くな り,仕 入 れ,販 売,在. 庫 管 理 等 の機 能 を次 第 に喪 失 し. た。 百 貨 店 は長 期 に わ た って貯 蓄 した 特 有 な技 術 も次 第 に弱 体 化 させ,百 貨 店 に低 収 益 性 を もた らす こ と に な った。 ま た,陳 立 平(2009)は. 聯 営 制 の 本 質 と そ の変 遷 過 程 を 解 明 した 上 で,聯 営 制 が 百 貨 店. に 「百 貨 店 の経 営 能 力 の 喪失 」,「小 売 企 業 が 担 うべ き社 会 的 責 任 へ の 疑 問 」 と い う経 営 問 (8)中. 国 品 牌 網 の ホ ー ム ペ ー ジ。. 29一.

(10) 題 を もた ら した と指 摘 して い る。 彼 に よれ ば 「百貨 店 の経 営 能 力 の 喪 失 」 は主 に商 品 の仕 入 れ ・販 売 に か か わ る経 営 能 力 の 喪 失,サ. ー ビス機 能 や能 力 の 劣 化,店 舗 の同 質 化 な ど の. 問 題 が 挙 げ られ て い る。 「小 売 企 業 が 担 うべ き社 会 的責 任 へ の疑 問 」 は 主 に"中 国 製"商 品 の 二 重 流 通 構 造 の 形 成 と 商 品 価 格 の 上 昇,と. い う問 題 を も た ら し た。 陳(2009)は. 「まず 商 品 の 自主 的 マ ー チ ャ ンダ イ ジ ン グ に よ り売 場 支 配 権 を取 り戻 し,徐 々 に 商 品 調 達 や 企 画 ・開 発 を 自 主 的 に 行 う。 自主MD売. 場 を 主 と しな が ら,テ ナ ン ト経 営 を併 せ て 行. う とい った経 営方 式 を 模 索 す る」(9)(陳 利 平2009)と. 自営 へ の 回 帰 を主 張 して い る。. こ う した聯 営 の メ リ ッ ト,デ メ リ ッ トに対 す る代 表 的 な 意 見 を レ ビュ ー したが,実 際 に 聯 営 は百 貨 店 に経 営Lの. 弊害 っ いて の議 論 が 実 業 界 で 盛 ん に 行 わ れ て い る。2009年11月,. 《北 京 市 商 業 企 業 管 理 協 会 》 と 《北 京 百 貨 商 業 協 会 》 は共 同 で 「百 貨 店 自営 模 式 経 験 報 告 会 暦 研 討 会」 を 行 い,大 型 百 貨 店 の 売 場 経 営 形 態 で あ る 自営 にっ いて 百貨 店 に対 す る利 害 を 検 討 した 。2010年4月,《. 北 京 海 淀 区 商 業 聯 合 会 》 は 「零 讐 企 業 盈 利 模 式 創 新 座 談 会 」. を 開 催 し,自 営 と聯 営 につ いて 検 討 した。 近 年,中. 国 百 貨 店 の 低 収 益 性 につ いて 議 論 す る. 際 に,聯 営 の 問題 は百 貨 店 にお け る最 も重 い経 営 課 題 と して 取 り扱 わ れ て き た。 自営 が 中 国百 貨店 の低 収 益 性 を 改 善で き る唯 一 の処 方 と して大 多数 の 業 界 人 及 び学 者 た ち に指 摘 さ れ た。 た とえ ば,元. 中 国 経 貿 委 内 貿 局 局 長 は 中 国 百貨 店 の 聯 営 の 弊 害 に っ い て 「現 在 で. も,中 国 の伝 統 的 な 百貨 店 が 優 勢 を 保 って い る。 しか し,百 貨 店 は同 質 化 しっ っ あ り,同 業 態 間 の 価格 競 争 もま す ま す 激 し くな る。 も し,自 営 に変 わ らな けれ ば 外 資 百 貨 店 が 優 勢 に な る 可能 性 が あ る」(10)と 述 べ た。 ま た,少 数 の 人 が 中 国 の現 状 か ら 「自営 」 の 回帰 の 可 能 性 に っ い て 分 析 した。 「自主 経 営 と 自社PBの. 開 発 は 百貨 店 経 営 の 唯 一 の 活 路 で あ るが,. 現 状 の 中 国rl∫ 場 か らみ る と,百 貨 店 は 自 営 す る の が 難 しい 」(金 玉 華2010)(11}。聯 営 は百 貨 店 経 営 上 へ の弊 害 に関 す る議 論 が 多 い けれ ど も,従 来 の議 論 か ら も少 し踏 み込 ん だ議 論 が 必 要 で は な いか と考 え られ て い る。. 4.聯. 営の問題点. 前 節 で は,百 貨 店 の3っ の 売 り場 経 営 形 態 に っ い て の比 較 分 析 を 通 じて,聯 営 制 の 本 質 特 徴 を 明 らか に した 。 聯 営 百 貨 店 は経 営 リス ク を回 避 す る と同 時 に経 営 機 能 も変 化 して き た。 商 品 価 格 決 定 権 や,売 場 支 配 権 を 失 い,直 接 顧 客 に サ ー ビス を 提 供 す る こ と もな くな. (9)陳 利 平(2009)。 「中 国 の大 規模 小 売 企 業 に お け る 「連 営 制 』 の生 成 と展 開」 一 一百 貨 店業 態 を 中心 に 」。 「流 通 情 報 』2011(493)(李 雪 訳)。 (10)北 京 市 海 淀 区商 業 聯 合会 の ホ ー ム ペ ー ジ。 (1D同 上 。 一30-一.

(11) り,百 貨 店 の 同 質 化 現 象 を引 き起 こす 等 の問 題 点 も指 摘 した。 本 節 で は聯 営 制 は中 国 百 貨 店 の 経 営 ヒに 与 え て い る問 題 点 にっ いて 検 討 す る。. 4.1経. 営 技 術 と機 能 の衰 退 に よ る低 収 益. 百 貨 店 は 仕 入 れ,販 売,サ. ー ビスの 提 供,在 庫 管 理 等 の 小 売 機 能 を 果 た した。 聯 営 方 式. で は わ ず か の全 体 促 進 と間 接 サ ー ビス以 外 は 百 貨 店 自 らが 行 わ な くな り,仕 入 れ,販 売, 在 庫 管理 等 の機 能 を 次 第 に 喪 失 した 。 百 貨 店 は長 期 に わ た って 貯 蓄 した 特 有 な 技 術 も次 第 に弱 体 化 させ た。 百 貨 店 の 本 質 的 特 徴 に 関 して は多 くの学 者達 に指 摘 さ れ て い る(2。そ の共 通 点 を ま とめ る と,百 貨店 は 多 くの異 な る商 品 部 門 か ら構 成 され,こ. の異 な る商 品部 門 は百 貨 店 の 中 に. 独 立 した売 場 を持 ち,部 門 別 に 専 門 の 仕 入 部 と販 売 員 が有 し,そ れ ぞ れ の 部 門 が 独立 して 会 計 を行 う。 この 「部 門 別 管 理 」は百 貨 店 特 有 の経 営 方 式 で あ る た め,そ れ が百 貨 店 に と っ て如 何 に 大 事 で あ るか に つ い て 強 調 して い る。 パ ス ダ ー マ ジ ャ ン(13>は 「部 門 別 管 理 」 に つ い て 「百 貨店 は非 常 に 多 くの様 々 な 商 品 系 統 で 構 成 さ れ る が,各 々 の 商 品 系統 は店舗 内 に 独立 した売 り場 を持 ち,そ れ ぞ れ 専 門 の 仕 入 係 と販 売 要 員 を擁 し,独 立 した 会 計 が な され た」 と百 貨店 の経 営 原理 の一 っ と して 指 摘 した。 聯 営 は 百 貨店 の本 質 的 な特 徴 「部 門 別 管 理 」 を 否 定 す る。 周知 の よ うに,百 貨店 は 日用 品 か ら流 行 性 の 高 い ア パ レル,化 粧 品,装 飾 品 等 国 内外 の 有 名 な ブ ラ ン ド品 の 品揃 え を通 じて,消 費者 の個 性 化 ・高 級 化 の要 求 に対 応 す る こ とが で き,他 業 態 と の差 別 化 を図 っ た。 自営 の 百 貨店 は 自 ら商 品 の 計 画 ・開 発,仕 入 れ等 経 営 を 通 じて 顧 客 に サ ー ビス を提 供 す る。 一 方 ,「 聯 営 」 の 百 貨 店 にお いて は経 営 の 重点 が仕 入 れ,販 売,在 庫 管 理 か ら 「招 商 」(企 業 誘 致)へ. と変 わ った。 専 門 の 仕 入部 と部 門 の 管 理 部 の存 在 意 義 が な くな った。 百貨 店 側. か らす れ ば様 々 な リス クを 回避 した結 果,価 格 決 定 権 の喪 失,収 益 力 の低 下,販 売 力 の低. (吻BarryBermanとJoelREvansの 二人 の学 者 は著 書R6磁1ル 勉ノzα967η6〃'の 中 で百 貨店 に つ い て次 の よ う に叙 述 す る。 「 百 貨 店 は多 種 多様 な 商 品 と サ ー ビ ス を提 供 す る大 型 小 売 業 で あ り,多 種 多様 な 商 品 とサ ー ビス は 顧 客 の 購 買 目 的,販 売 促 進 及 び 顧 客 サ ー ビス の要 求 等 が 異 な る た め, 若 干 の独 立 部 門 を分 け,顧 客 に も っ と幅 広 い 品 揃 え の商 品 を提 供 す る」。 小 林 行 昌(1928)は 百 貨店 の業 態 特 性 に っ いて 「種 種 の商 品 を 販売 す る もの と異 な り,各 商店 各専 門 店 の部 門 と為 し,設 備,執 務 そ の 他 に お いて も全 く異 な る組 織 に よ り,ま た勧 工場 の ご と く,各 小 売 商 店 が或 る建 物 の一 部 を 賃 貸 して,各 自 己 の計 算 に お い て販 売 す る もの とは 同 じか ら ざ る な り」 と述 べ た。 百 貨店 は 「 商 品 の 取 扱 技 術 や 消 費 者 の関 連 性 に基 づ い て一 っ の部 門 を組 織 す る。 しか もそ の部 門 は,勧 工場 の よ うに 個 々別 々 に機 能 して い る の で な く,統 一 的 に機 能 して い る」 と考 え た。 小 西 滋 人 は 「最 新 商 業 辞 典 』 の 中 で 社 会 経 済 的 見 地 か ら百 貨店 の定 義 に っ い て 「 販 売 商 品 が衣 食 住 に わ た り多種 多様 で あ り,対 面 販 売 を は じめ とす る各 種 サ ー ビス を提 供 し,独 立 採 算 制 に よ る 合理 的 な部 門 別 組 織 を備 え,賃 貸 売 場 の 単 な る集 合で は な く,単 一 資 本 に よ る統 一 性 を有 す る 大 規 模 小 売 業 」 と定 義 をっ け た。 q3Pasdermadjian,H.(1954),56ペ. ー ジ。 一31一.

(12) ド,売 場 の 同質 化 等 基 本 的 な能 力 を 次 第 に劣 化 させ た。. 4.1.1百. 貨 店 の 収 益 力 につ い て の検 討. 2010年3月. 北 京 で行 わ れ た 《第 八 届 中 国 百 貨 店 高 峰 論 壇 》で 「北 京 当 代 商 城 」(百貨 店). の代 表 取 締 役 社 長 金 玉 華 は百 貨 店 の収 益 性 の 落 下 に っ いて こ う説 明 した 「… 近 年 た くさ ん の デ ィ ベ ロ ッパ ー も百 貨 店 業 界 へ 参 入 し,小 売 資 源 の 供 給 が 急 速 に増 加 した こ と に伴 い ブ ラ ン ド品 の 不 足 現 象 が 起 きた 。 小 売 業 と供 給 業 の 関 係 が 逆 に な って きて,小 売 業 が 弱 くな り,収 益 力 が 落 下 した … … 近 年,百 の 一 っ の原 因 だ 」(19。近 年,百. 貨 店 の 経 営 課 題 で あ る聯 営 は収 益 水 準 の 下 落. 貨 店 の 経 営 課 題 で あ る 「聯 営 」 は百 貨 店 の収 益 性 低 下 の. 一 っ の 原 因 と して 取 り上 げ られ て い る 。 実 際,図1の ■ ヒ総 利 益 率 は15%か. ら20%ま. ら2009年. と」二昇 し た が,そ. の4.01%へ. よ う に,2004-2009年. で 増 え た こ と に伴 い,当 期 純 利 益 率 も2004年 れ で も5%に. 百 貨店 の売 の1.78%か. 満 た な い と い う低 収 益 性 が 現 状 で. あ る。. 図12004年. ∼2009年. 百 貨業 界 の平 均 利 潤率. 30. 257備 209㌔. 2 総利益率 16.42-15. 10___』. 圃軸監当組 純利 益 率. 5轟_一. ・. 0_ 2004年2005年2006年2007年2008年2009年 出所:「 中 国 連 鎖経 営 協 会 」CIDが. 整 理 した デ ー タ(2010-2011年. 百 貨 業 界調 査 研 究)。. 百貨 店 の 収 益 力 と は 百貨 店 が 持 っ,利 益 を上 げ るた め の 力 や 仕 組 み 等 の こと を指 す 。 た だ し,単 に売 上を ヒげ る力 で は な く,営 業 利 益 を 上 げ るた め の 企 業 販 売 力 ,コ ス トの削 減 力,リ. ス クの 回 避 力 等 の 総 合 的 な こ とを指 す。 近 年,多. くの 大 型 百 貨 店 は 自身 の 知 名 度 を. 高 め るた め,有 名 な ブ ラ ン ドを競 って誘 致 した結 果,小 売 業 と供 給 業 の 関 係 が 逆 に な って きて,小 売 業 が 弱 くな っ た。 聯 営 の 元 で百 貨 店 の 収 益 力 も変 化 して きた。 周 知 の よ うに, 百 貨店 は ほか の 小売 業 よ り,商 品 の高 級 化,フ. ァ ッ シ ョン性,個 性 等 の 特 徴 を 持 って い る. の で,売 上 も高 い とい わ れ て い る。 た とえ ば,ア メ リカで は小 売 業 の平 均 売h総 利 益 率 は ⑳. 中国 百 貨商 業 協 会 の ホ ー ムペ ー ジ。 一32一.

(13) 28%で. あ る が,百 貨 店 の 平均 売 上 総 利 益率 は33%に. 型 百 貨 店 で は聯 営 の比 率 が80-100%で. まで 達 して い る(E。 しか し,中 国 の 大. 高 く,聯 営 控 点 に よ る利 益 を 獲 得 す るた め 収 益 も一. 定 の 範 囲 内 に と ど ま り,百 貨 店 は売 上 利 益 率 に 対 す る コ ン トロ ー ル能 力 も低 下 して い た。 そ れ に よ って,収 益 率 は国 外 の 同 水 準 の 百 貨 店 よ り低 く,平 均 の 売 上 総 利 益 率 は20%程 度 で あ る。 大 型 百 貨 店 銀 泰,天 低 収 益 が 続 いて い る。(表2を. 表2代. 虹,百 盛 は 中 国 の 上 位 百 貨 店 と して も売 上 利 益 率 が 低 く, 参 照). 表 的 な 主要 な 三つ 百 貨 店 の 売 上 総 利 益 率. 謙 卍轍1識iFl霧1干 駕 出所:「 商 業 経 済 与管 理 』(2011)資. 料の 一 部 と 各 百貨 店 の各 年 財 務報 告 の 資料 を 整 理 した もの 。. 4.1.2「 聯 営控 点 」 に よ る収 益 に つ い て の検 討 中 国大 型 百 貨 店 の 売 場 の 運 営 形 態 は 前述 した よ うに 「自営 」,「 聯 営 」,「 カ ウ ン ター の 賃 貸 」 の3っ が あ る。 自営 の ドで,百 貨 店 は主 に(仕 入 と販売 の)鞘 を 稼 ぐこ と で利 潤 の確 保 が 実現 で き る。 聯 営 の 下 で,「聯 営 控 点 」(「控 率 」 と も呼 ぶ)を 通 じて利 益 を 得 る。 す なわ ち, 百貨 店 は供 給 業 者 か ら賃 貸 料,管 理 費 等 固 定 費 の ほか,売 上 の何 パ ー セ ン トか の 金額 を 徴 収 す る こ と に な る。 この金 額 は 百 貨 店 と供 給 業 者 の 契 約 に沿 って,売 上 に 歩 合 を掛 けて 百 貨 店 の利 益 と して 徴 収 され る もの で あ る。 「聯 営 控 点 」 に 影 響 す る要 因 は3っ あ る。1っ は商 品 の種 類 で あ る。 百貨 店 で は一 般 的 に服 飾 類 の売 上 比 率 が大 き く,平 均 「控 率 」 も一 番 高 い商 品 で あ る。 生 鮮 食 品,電 子 機 器 類 は 臼営 の 比 率 が 小 さ く,「 控 率 」 も低 い 。(表3 を参 照)二. っ 目は 店 舗 の 成 熟 度 。 新 規 オ ー プ ン した 店 舗 の 場 合,百 貨 店 に と って は新 しい. 参 入 者 店 の場 合,供 給 業 者 との 聯 営 が難 しい た め,「 控 率 」 は低 く設 定 され,逆. に既 存 の. 店舗 は 「控 率 」 が 高 い。 三 っ 目は 不動 産 の 価 値(立 地 の良 さ)で あ る。 大 都 市 で は百 貨 店 の 立 地 が 重 要 で あ る。 一一般 的 に 不 動 産 の 価 値 が 高 い と こ ろで 「控 率 」 が高 い 。1級 都 市 で は高 く,2,3級. (⑤. 都 市 で は低 い。. 『商 業 経 済 与 管 理 』2011,第2期,13べ. 一 ジ。 一33一.

(14) 表3百. 丁㍗塵率」一(%)1商. 一商品 の種類. 1イヒ ニ 癩. 貨店 の各種類商品 の控率 品の禾 藪 自 一 一一一 . 1控 奉1%ゲ. ー 引. 一一一一 一一 一1. 瓢 翻 一 鰐 一ヨ継 三 一 一 三騰 一 一   -1. 一 女幽 ピ ー. 一 一七. 匹26. }鯉'三墜 匪IF-一 、鍬. 服. 工18:2δ 一.一.i-20-26. ll撫 三ll弓i鍵 ヨ [嘘 〔 箆 壁)⊥ 締1三lll-1. 出所: 中国 の 「百 貨店 合 同 費 用 標 準 雁総 表』 の 資 料 に よ る作 成 。. しか し,こ の売 上 歩 合 は双 方 が 将 来 見 積 も る額 に基 づ い て契 約 す るの で,こ の 金 額 はす べ て の供 給 業 者 が 許容 す る範 囲 内 の 金 額 とな る。 商 品 の価 格 に か か わ らず ,百 貨 店 は高 く て も売 ヒの30%以. 下 の 徴 収 しか で きな い。 百 貨 店 側 は す べ て の コ ス トを差 し引 く と10%. 超 の純 利 益 を獲 得 す る こ と は非 常 に困 難 な こ と と な る。 この 「聯 営 控 点 」 は百 貨 店 に と っ て は収 益 性 向上 の 足 か せ とな る。. 4.1.3盲 近 年,消. 目的 な価 格 競 争 に つ い て の分 析 費者 の ニ ー ズを 満 た す た め,世 界 中 の有 名 な ブ ラ ン ドは ほぼ す べ て 中 国 市 場 に. 参 入 した が,販 売 量 は極 め て 少 な い。 したが って,中 国 の百 貨店 は この よ う な ブ ラ ン ドを 自分 の店 舗 で取 り扱 うた め に,供 給 業 者が 要 求 す るす べ て の条 件 を 満 た さ な けれ ば な らな い。 聯 営 は そ の 条 件 の一 つ で あ る。 百貨 店 は イ メ ー ジの 向上 と利益 の 獲 得 の ため に は有 名 な ブ ラ ン ドを導 入 す るの が 一 番 い い方 法 で は な いか と考 え,大 手百 貨 店 は どん どん 名 高 い ナ シ ョナ ル ・ブ ラ ン ドを導 入 した 。 聯 営 の 比 率 は ます ます 増 加 し,百 貨 店 は ます ます 主 導 権 を失 い,供 給 業 者 へ の 依 存 が 高 ま って き た。 しか し,こ こで指 摘 す べ き こ と は国 際一 流 の ブ ラ ン ド品 と国 内 の高 級 ブ ラ ン ド品 の 価 格 は逆 に高 くな って お り,商 品 の 内 外 価格 差 が 次 第 に拡 大 して い る(こ の 問 題 は後 で詳 細 に述 べ る)。 一 方,国 は販 路 を拡 大 す る た め,多. 内 一 般 ブ ラ ン ドメー カ ー. くの百 貨 店 に進 出 した。 百貨 店 の 「同質 化 」 等 の 問題 も浮 か ん. で き た。 中国 で は大 部 分 の百 貨店 は 店舗 の レイ ア ウ ト,商 品 の種 類,品 揃 え,等 級 及 び サ ー ビス水 準 が きわ め て類 似 し,経 営 特 色 が不 足 して い る。 各 百 貨 店 の扱 う ブ ラ ン ドも同質 化 した。 供 給 業 者 は で きる だ け 多 くの百 貨 店 に 自分 の 商 品 を 展 示 す る こ とを望 む。 百 貨 店 は 人 気 の ブ ラ ン ドを取 り扱 う こ と を望 む。 した が って,「 同 質 化 」 現 象 が あ ま ね く百 貨 店 で. 一34一.

(15) 存 在 す る。 調 査 に よ れ ば,同. 質 化 の 深 刻 な 商 品 は 豆に 婦 人 服,化. 粧 品,婦. 人 靴 に あ り,こ. れ ら の 商 品 は ま さ し く 販 売 比 率 が 高 い 商 品 で あ る 。 特 に 婦 人 服 は 全 体 の80-90%を た と え ば,「 綾 致 集 団 」 のOnlyやVeromoda,「 時 力,莫. 格Esprit等. 占 め,. 衣 恋 集 団 」 のElandTennie,Winnie,欧. 国 内 有 名 ブ ラ ン ドが 全 国 の ど の 人 型 百 貨 店 に も あ る 。 しか し,近. 年,. 中 国 の 消 費 者 は個 性 化 を追 求 す る傾 向 が強 くな って き た。 こ の よ うな 同質 化 の状 況 で各 百 貨 店 は 顧 客 の 獲 得 に し の ぎ を 削 る た め,各. 百 貨 店 に よ る バ ー ゲ ン 競 争 が 始 ま る。 「隣 の 百. 貨 店 が 値 ドげ を す る な ら,う ち も値 ドげ を し よ う」と い う連 鎖 反 応 が 起 き,年 中,割 引 や バ ー ゲ ン セ ー ル の 赤 紙 が 店 頭 に 貼 ら れ る。 バ ー ゲ ン セ ー ル が 増 え る と,消 を 信 頼 し な く な る 。 周 知 の よ う に,百 ∼2万. 平 方 メ ー トル で あ り ,サ. 費 者 はプ ロパ ー価 格. 貨 店 は 古 い 小 売 業 態 と し て 単 一 の 店 舗 の 面 積 は1万. ー ビ ス 面 で も よ り良 い サ ー ビ ス を 提 供 す る た め,人. 極 め て 高 い 。 さ ら に 立 地 に 対 す る 要 求,取. 扱 商 品 の 多 様 化,管. 引 き下 げ る こ と は 非 常 に 難 し い こ と で あ る 。 加 え て,こ. 件費 も. 理 の 複 雑 さ 等 か ら コ ス トを. の よ う な盲 目的 な価 格 競 争 は供 給. 業 者 の 利 益 を 損 ね る 上 に 百 貨 店 の イ メ ー ジ も損 ね て し ま う 。 多 く の 供 給 業 者 は 値 引 きで も 利 益 を 確 保 で き る よ う に 当 初 の 価 格 を 高 く 設 定 す る よ う に な る 。 割 高 な 商 品 な の で,ま. す. ま す プ ロ パ ー で は 売 れ な く な る 。 こ う し て 価 格 競 争 が 一 層 激 し く な る 。 こ れ ら の 結 果,価 格 競 争 は 百貨 店 の収 益 力 を低 ドさせ た。. 4.2従 4.2.1従. 業 員 販 売 能 力 の低 下 業 員 忠 誠 度 の弱 体 化. 周知 の よ う に,百 貨 店 は接 客 応 対 を中 心 とす る労 働 集 約 型(特. にサ ー ビス集 約 型)産 業. で あ る。 と りわ け,対 面 販 売 は百 貨 店 の本 質 的 な特 徴 で あ り,接 客 は百 貨 店 の サ ー ビス の 中 核 業 務 で もあ る。 したが って,百 貨 店 に と って 販 売 員 の 接 客 技 術 は非 常 に重 要 な こと で あ る。 伝 統 的 な 自営 百 貨 店 は従 業 員 に対 して 教 育 を 行 う。 自部 門 の 商 品 知 識 の み な らず, す べ て部 門 の知 識 を持 って い る必 要 が あ る。従 業 員 は 自由 に 店 内 の いか な る部 門 も移 動 し・ 適 応 能 力 が高 い。 教 育 を通 じて 従 業 員 に対 す る百 貨 店 の経 営 理 念 とサ ー ビ ス趣 旨 を 徹 底 す る こ とが で き る。 ま た,第 一 線 の接 客 を 通 じて 従 業 員 の帰 属 意 識 を高 め る こ と もで きる。 同 時 に,百 貨 店 は奨 励 金 等 の 制 度 を通 じて 従 業 員 の意 欲 を 高 め られ る。 聯 営 の 百 貨 店 は経 営 リス ク を回 避 で き る よ うに売 り場 運 営 活 動 を 供 給 業 者 に任 せ る。 そ して,販 売 員 の 多 く も供 給 業 者 か ら派 遣 さ れ た。 徐 剛 ・侯 異(2008)は. 聯 営 百 貨 店 の従 業. 員 忠 誠 度 の 視 点 か ら販 売 能 力 が 低 下 した 原 因 に っ い て 分 析 した。 「百 貨 店 の 売 場 に は供 給 業 者 か ら派 遣 した 販売 員 に よ って運 営 され る こ とが 多 い の で,人 員 の流 動 性 が大 きい。 そ の結 果,従 業 員 の忠 誠 度 を 薄 め た。 さ ら に,派 遣 販 売 員 に よ る売 り場 で の接 客 と推 奨 が 一35一.

(16) 支 配 的 な 経 営 方 式 は,百 貨 店 の顧 客 掌 握 力 を著 し く低 下 させ た。 そ の 結 果,従 業 員 は 自 社 の 収 益 の み に 関 心 を持 ち,百 貨 店 全 体 の 営 業 を気 に掛 けな くな って きた 」(徐 剛,侯 曼 2008)(1⑤と述 べ た。 「聯 営 」 百 貨 店 で は多 くの 従 業 員 は供 給 業 者 か ら派 遣 され る の で,従 業 員 に対 す る管 理 も変 わ って きた。 具 体 的 な 管理 面 は主 に三 っ の 面 か ら分 析 す る ことが で き る。 第1に,人. 員 募 集 の面 で あ る。 供 給 業者 側 は まず 選 考 基 準 に よ って 従 業 員 を募 集 し,そ. の 後 は百 貨 店 側 が 募 集 した人 に対 して2次 選 考 を 行 い,百 貨 店 に適 合 す る従 業 員 を選 択 す る。 第2に,訓. 練 ・育 成 の面 で あ る。 採 用 され た従 業 員 は百 貨 店 に入 る前 に,ま ず,百 貨 店. の規 則 制 度,企 業 文 化 等 企 業 の基 本 的 な 知 識 にっ いて 学 習 す る。 商 品 知 識,販 売 技 術 等 の 教 育 はす べ て供 給 業 者 が行 う。 第3に,奨. 励 と懲 罰 の面 で あ る。 百 貨 店 は労 働 コ ス トを回 避 す る た め従 業 員 との契 約 も. 供 給 業 者 に任 せ た。 そ して,従 業 員 に対 す る給 与,奨 励 等 の権 利 は全 部 供 給 業 者 が持 って い る。 従 業 員が 百 貨 店 の規 則制 度 を 犯 す と,百 貨 店 側 は従 業 員 に対 して懲 罰 を 与え る権 利 が あ る。 た だ し,優 秀 な従 業 員 に 対 して の 奨 励 は供 給 業 者 が 行 い,百 貨 店 は優 秀 な従 業 員 に一 っ の星 を あ げ る(星 は優 秀 な 従 業 員 を 象 徴 す る もの)だ 以 上,3っ. けで 実 質 的 な奨 励 が な い(m。. の面 か ら従 業 員 は 部外 者 の立 場 に な って しま い,供 給 業 者 と百 貨 店 に対 す る. 忠 誠 心 の問 題 も生 じて きた。 供給 業 者 と 百貨 店 との 間 で トラブ ルが 発 生 した場 合,従 業 員 は 自身 の利 益 を考 慮 して供 給 業 者 側 に傾 き,販 売 活 動 を行 うと き,消 費 者 は サ イ ズ な どが 合 わ な い時 の商 品 の取 り換 え が 困 難 にな り,サ ー ビス が悪 化 す る等 の 問 題 も避 け られ な い。 そ して,百 貨 店 に対 す る忠 誠 心 が 薄 くな り,百 貨 店 の 利 益 も確 保 で きな い。. 4.2.2顧. 客管理の劣化. 従 業 員 は供 給 業 者 が顧 客 と接 触 す る第一 線 の 社 員 なの で,彼. らに顧 客 管 理 の責 任 を負 わ. せ る。 百 貨 店 の顧 客 管 理 状 況 に っ い て は江 尻 弘 が 「百 貨 店 返 品 制 の考 察III」の 中 で ア メ リ カ と比 較 して説 明 した。(表3-3参. 照)ア. メ リカの 百 貨 店 で は売 場 に いて 接 客 ・推 奨 販 売. す る の は 自社 の社 員 で あ るた め,顧 客 各 人別 の欲 求 を 自 社 が把 握 し,各 人 に満 足 で き るサ ー ビス を提 供 で き る。 日本 の場 合 は 「百 貨 店 は,顧 客 管 理 の 欠 如 の ゆ え に固 定 客 の ウオ ン ッ 情 報 を把 握 で きて い な い た め,商 品 ご との 販 売 見 込 も把 握 され て お らず,そ. の結 果,販 売. 予 測 の 精 度 は低 くな らざ るを え な か った 」q鋤 と説 明 した。 中 国 聯 営 の顧 客 管 理 は 日本 の 「委 (1㊦ (n同 姻. 徐 剛,侯 上,81ペ. 曼(2008),80ペ. ー ジ。. ー ジ。. 江 尻(2003),150ペ. ー ジ。. 一36一.

(17) 託 仕 入 れ 」 百 貨 店 の顧 客 管理 と類 似 点 が 多 い た め,こ こ で は江 尻(2003)の. 提 示 した 分 析. 視 角 に基 づ い て,中 国百 貨 店 にお け る顧 客 管 理 状 況 を ま とめ る こ とが で き る。 中 国 百 貨 店 の場 合 で は百 貨店 全 体 の 売 上 や 顧 客 に対 す る サ ー ビス を把 握 す るに と ど ま り,各 人 の ニ ー ズ を把 握 す る こ とが で き な い。. 顧客管理状況. 表4 「-1ア. メ リカ の 百貨 店. 隔客;万 厩 露 面 ∴癒 く. 1握1別. に 把 握 して い る. 薩 繋繰1熟 到. …一一 一一再. 一一一. 一陣. 売上の手 眼. 一. 接 客す る売 り場 従. 憲1業 客 ㌶ ∴ 繋∵ ∵1窓∵. 1業量. ウ ォ ン ッを 知 り, 各人. 接客方 法. …1. 唾額 離 度. 江 尻 弘(2003),. 4.3百. 奨 販売i説. 個. 定 客 カミ少 な く・ 販 売 込 み も不 明 石 崔で ・ 経 リス ク は大 き くな る. ⊥一. 150ペ. 明 を行し・ 誰. 奨販売. る. 。. 亜1匪 唖 一 麺 登空 画. 1見 込 み の 精 度 が 向L見 し・ 経 営 は 安 定 す る 償. 一一_一.. 出 所:. を行 い惟. る に と どま る1す. 高い,編 画 包く一 一 砥 い1噸1唖 マ  … 一 一 一一…Tl販 ・ 販売. 顧客の固定化 L-一. 潮. に齪 を提 供 す る こ と け 旨を 目指 すi. 一一. i. コ. 売 員 が 自社 利 益 だ けiI固 定客 が生 まれ 考 え る瀬 客 に対 す る[ 隔 喀 一L-一___一. 一 ビ スが 悪 い,固 定1 が少ない 。1 一一 一. ー ジを も とに 筆者 が 加 筆 作 成。. 貨 店 と供 給 業 者 の 関 係 が 協 調 的 で な い場 合 の影 響. 大 型 百貨 店 は聯 営 の 下 で,供 給 業 者 との 関 係 も自営 の単 純 な取 引 関 係 か ら提 携 の関 係 へ と変 わ った。 この よ うな 関 係 は交 易 型 か ら協 力 型 へ の グ ロー バ ル の 工 商 関 係1帥に適 応 して い る。 新 しい 市場 環 境 の 中 で,企. 業 は顧 客 の需 要 を満 足 す る こ とで,企 業 利 益 を獲 得 す る. こ とに も適 応 して い る。 しか し,こ の よ うな 百貨 店 と供給 業 者 と の関 係 が協 調 的 で な い場 合,さ. ま ざ まな 問 題 も起 き,百 貨 店 に悪 影響 を与 え る。 こ こで は,百 貨店 と供給 業 者 の 両. 面 か ら 「この 協 調 的 で な い 関 係 は百 貨 店 に どん な イ ンパ ク トを 与 え て い るか 」 を 明 らか に す る。. 4.3.1百. 貨 店 従 業 員が 賄 賂 を 受 け る行 為. 聯 営 百 貨 店 は 主 要 な商 品 の 仕 入 と販売 活 動 を供 給 業 者 に任 せ,供 給 業 者 と提 携 の条 件, す な わ ち 「控 率 」 にっ い て の 交 渉 が 主 要 な 業 務 と な っ た。 しか し,こ の 「控 率 」 は ほ とん. 働. 工 商 関 係 は 主 に 工業 企 業 と商 業 企 業 の 関 係 の こ と, こ こで は供 給 業 者 と百 貨 店 の関 係 を指 す 。 37一.

(18) ど 百 貨 店 の 経 営 状 況 及 び財 務 状 況 に つ い て の予 測 に基 づ い て 決 ま る。 一部 の供 給 業 者 は 百 貨 店 の 従 業 員 に 賄 賂 を使 い,「 控 率 」 を 低 く し,あ る い は 「最 低 の 保 証 額 」 を ドげ る こ と で,多 額 の利 益 の 獲 得 を た く らん で い る。 しか も,「 聯 営 控 点 」 の 増 加 と減 少 は多 くの百 貨 店 に と って 明 確 な基 準 に基 づ い て具 体 的 に算 出 され る もの で は な く,一 定 の範 囲 内 で あ れ ば 調 整 が で き る。 「最 低 の保 証 額 」 で も調 整 の 幅 が あ る た め,百 貨 店 が 損 失 を被 って も 明 確 に調 べ る こと は 難 しい。 この よ うな 不 正 な 行 為 は百 貨 店 に と って 直接 利 益 の 損失 に と ど ま らず,百 者,特. 貨店 の 企業 文 化 及 び 企 業 イ メ ー ジ等 に も影 響 を及 ぼ す。 ま た,多. くの 供 給 業. に誠 実 な供 給 業 者 との 関 係 に も深 刻 な影 響 を 及 ぼす 可 能 性 が高 い。. 4.3.2供. 給 業 者 の偽 りの行 為. 聯 営 の 下で,百 貨 店 は全 体 の 販 売 促 進 を担 当す る。 そ れ で,多. くの 利 益 を 得 る た め,百. 貨店 は祝 日や特 別 な 日 に頻 繁 にバ ー ゲ ンセ ー ル や割 引等 の促 進 活動 を 行 う。 しか し,百 貨 店 内 の数 千 の 供 給 業 者 は状 況 が 異 な り,供 給 業 者 に と って は 長 期 の 割 引 等 の促 進 活 動 は望 ま し くな い。 しか し,百 貨 店 の促 進 活 動 の期 間 は通 常 よ り客 が 多 いた め,必 要 な費 用 も大 き い。 百 貨 店 は 自分 の利 益 を 確 保 す る た め,セ. ール に 参加 して い な い 供 給 業 者 に 対 して,. 最 低 で も広 告 費 と して 「控 点 」 を上 げ る。 管 理 が落 ち て い る大 型 百貨 店 で は,一 部 の供 給 業 者 が この 「控 点 」 の損 失 を補 て ん す る た め に,季 節 は ず れ の 商 品,在 庫 の売 れ な い商 品 を 新 商 品 と入 れ 替 え て 販 売 す る こ とが しば しば あ る。 ま た,こ の 期 間 に商 品 の価 格 を 高 め る と い う詐 欺 を 働 く供 給 業 者 も少 な くな い。 この よ うに,供 給 業 者 の 偽 りの行 為 は百 貨 店 の 信 用 を 傷 つ け る。. 4.3.3そ. の他不協調関係. 中 国 人 型 百貨 店 で は不 適 正 な費 用 を徴 収 す る こ と も しば しば 発 生 して い る。 聯 営 の大 型 百 貨 店 は利 益 と して 一 定 の 「聯 営 控 点 」 を徴 収 す る ほ か,さ. ま ざ ま な費 用 も徴 収 す る。 こ. の 「聯 営 控点 」 は 百貨 店 と供 給 業 者 の交 渉 に よ り決 ま る もの で あ るた め,い. っ た ん契 約 し. た以 上 変 え る こ とが で き な い。 一一部 の大 型 百 貨 店 は利 益 を上 げ るた め に,さ ま ざ ま な名 目 で不 適 正 な 費 川 を徴 収 す る こ とが よ くあ る(播 玉 明2010)@o)。 この こ と は百 貨 店 と供 給 業 者 の協 力 関 係 を 破 壊 す る ばか りで な く,大 型 百 貨 店 を全 体 の 「統 一 管 理」 か ら単 純 な不 動 産 管 理 へ と変 え る可 能 性 もきわ めて 高 い。 百 貨店 と供給 業 者 の 問 で は,主 導 権 の問 題 にっ い て も,よ く対 立 関 係 に置 か れ て い る こ と が あ る。 「国 際 ブ ラ ン ド品 が 不 足,国 ¢①. 播 玉 明(2010),『. 内 ブ ラ ン ド品 が過 剰 」 と い う市 場 環 境 の 中 で,各. 中 国 商 貿 」。 一38一.

(19) 百貨 店 は知 名 度 の 高 い国 際 ブ ラ ン ド品 を 自 分 の店 舗 に 陳 列 す る ため に は,当 然 に劣 勢 に立 た な け れ ば な ら な い。 常 に強 力 な ブ ラ ン ド供 給 業 者 は 優 勢 を 占め て い る。 百貨 店 は聯 営 の 比 率 が ま す ます 増 加 し,主 導 権 も次 第 に な くな る。 一 方,中 小 の 国 内 ブ ラ ン ド品 は ブ ラ ン ド知 名 度 を 高 め る た め に,大 型 百貨 店 に進 出 す る た め,百 貨 店 の す べ て 条 件 を受 け な け れ ば な らな い。 多 くの 百貨 店 は 「聯 営 控 点 」 を ドげ て で も,有 名 な 国 際 的 ブ ラ ン ドを 自分 の 店 舗 に 置 きた い。 しば しば,人 型 百 貨 店 は 有 名 の ブ ラ ン ド品 に対 して 下 げ た 「控 点 」 を 中 小 ブ ラ ン ド品 に対 す る 「控 点 」 の加 算 に よ って 補 う。 した が って,百 貨 店 は経 営 状 況 が 良 い 時 に,中 小 ブ ラ ン ドの 供 給 業 者 は圧 倒 的 に 百 貨店 に入 り,い った ん市 場 環 境 が 変 わ る と, た とえ ば,新. しい百 貨 店 が 出現 す る と,そ ち らへ移 って しま う。 したが って,人 型 百 貨 店. で は 急 に 多 くの 供 給 業 者 の撤 退 で,困 る状 態 もよ くあ る。 明 らか に,こ の よ うな問 題 にっ い て は具 体 的 な 対 策 を と らな い と,百 貨店 と供 給 業 者 の 協 力 関 係 に悪 影 響 に与 え,双 方 の 利益 に 影 響 が あ る に も違 い な い。. 4.4聯. 営 の社 会 的 な 責 任 につ いて の 問 題. 近 年,「 聯 営 」 制 は 小 売 業 の 中 で 単 に 経 営 の面 に 影 響 を 与 え て い る の み な らず,社 会 的 な 責 任 に も波 及 して い る。 以 下 で は,主 に 「中 国製 造 」 の 二元 流 通 の形 成 と小 売 業 全 体 の 価 格 の 上 昇 と い う二っ の 面 か ら検 討 した い。. 4.4.1「 中国 製 造 」 の二 元 流 通 の形 成 改 革 ・開放 政 策 へ の転 換 か ら30年 以 上 の 年 月 が 経 過 し,中 国 経 済 は 大 き く様 変 わ り し た。 輸 出 面 で も同 様 で,輸 出相 手 先 で は,ア. メ リカを は じめ に,日 本,カ. ナ ダ等 の先 進 国. との 取 引 が 頻 繁 に行 わ れ て い る。 こ うい う 「中 国 製 造 」 の 輸 出 品 は衣 類,金 属,家 具,小 型 家 電 等 の 口用 品 をrP心 に これ らの先 進 国 の 各 小 売 業 に氾 濫 して い る。市 場 が 未 発 展 の 時, 消 費 者 は低 価 格 の 商 品 とサ ー ビ スを 求 め る。 中 国 対 外 貿 易 の輸 出企 業 は 「世 界 の工 場 」 と して,世 界 中 に高 品 質,低 価 格 を 提 供 す る こ と を実 現 した(顧 国 建2009)eD。. 言 い換 え れ. ば,中 国 対 外 貿 易 の輸 出 企 業 は経 済 危 機 の 時 に高 品 質,低 価 格 の商 品 を生 産 す る能 力 を備 え て い た。 現 在,中 国 の 消 費市 場 は"80後"e2が. 主 導 す る時 代 に な って きた。"80後"消. 費 者 の消 費特 徴 は フ ァ ッ シ ョン性 が 落 ちな い低 価 格 商 品 を追 求 す る こ とで あ る。 中 国 対 外 ⑳ ⑳. 顧 国 建(2009),「 国 際 商 業技 術 』 第2期 。 巾国80後 は近 年,中 国 の 次 世 代 の マ ー ケ ッ ト リー ダ ー と して最 も注 目 を 浴 び て い る消 費 グル ー プ の こ と で あ る。80後 と は,1980年 ∼1989年 の 間 に 生 ま れ た と い う意 味 で,1979年 に実 施 され た 中 国 の"一 人 っ子 政 策"の も とで 生 まれ,成 長 した。 ま た,成 長 プ ロセ ス は,中 国 の 一 連 の 改 革 開放 の過 程 で もあ り,中 国 の 市 場 経 済 の 進 化,イ ン ター ネ ッ トな どに よ る情 報 化 と グ ロ ーバ ル 化 の プ ロ セ スで もあ る。 こ の よ う な政 治 ・市 場 の背 景 で 生 ま れ 育 った80後 の若 者 た ち の考 え 方 は,親 の 世 代 と は大 きな 開 きが あ り,消 費 行 動,生 活 意 識 に大 きな影 響 を 与 え た と いえ る。 一39一.

(20) 貿 易 の 輸 出企 業 は 直接 海 外 か らの 原 材料,設. 計 に よ って 生 産 す るの で,質. と デ ザ イ ンの面. で は国 内 の商 品 に勝 って い る。 しか し,中 国 対 外 貿 易 の 輸 出 企 業 は国 内 の こ ち らの消 費 者 需 要 に応 え て い な い,っ ま り,こ ち らの 高 品 質,低 価格 の 「中 国 製 造 」 品 は国 内 の消 費 者 に と って触 れ られ な い 商 品 で あ り,「 中 国 製 造 」 の 二元 流 通 を形 成 した。 した が って ,中 国 の 消 費 者 は海 外 に旅 行 に行 く時 た く さん の 「中 国製 造 」 品 を 買 って くる。 こ こで 「中 国 製 造 」 の 二 元 流 通 と は 「中国 製 造 」 品 は 国 内 で高 価 格,国. 外 で 低 価 格 と い う2っ の流 通 の. こ とを 意 味 す る。 近 年,中 国 で は 国 外 へ の輸 出 品 の生 産 商 と小売 商 は この よ う な二 元 流 通 を 打 破 しよ う と図 って い るが,効 果 もな か な か上 が らな い。 特 に,2008年,世. 界金 融危. 機 の 影 響 で,中 国 の 輸 出入 貿 易 も空 前 の二 苫境 に 陥 り,「 中 国 製 造 」 の二 元 流 通 問題 は 多 く の学 者 と業 界 人 に注 目 され て い た。陳立 平 は「「中 国製 造 』の二 元 流 通 を形 成 す る原 因 が 様 々 あ るが,主 要 な 原 因 は輸 出 入 企 業 の取 引 原 則 で は な く,我 が 国 で長 期 間 に形 成 した 経 営 方 式 と取 引慣 行 だ」(陳 立平2009)e3と. 「中 国 製 造 」 の 二 元 流 通 の 形 成 要 因 に っ い て述 べ た。. 中 国 対 外 貿 易 の輸 出 企 業 は国 内 消 費 者 の 需 要 に応 え られ な い,そ の大 きな原 因 は 輸 出 企 業 が 国 内 小 売 業,特. に 人 型 小 売 業 に進 入 す れ ば,入 店 料 の 支 払 い,決 算 期 間 の 条 件 づ け,. 商 品 の返 品 制 度 等 が あ るか らで あ る。 す な わ ち,国 内 の 小 売 業 と供 給 業 者 と の取 引制 度 は 供 給 業 者 が リス ク を 負担 す る聯 営 が 多 い の で,供 給 業 者 は国 内 の小 売 業 者 と は取 引 せ ず, 関 税 を 払 って で も輸 出 す る こ とを選 ぶ。 ま た,近 年,百 貨 店 は 「自営 」の鞘 を稼 ぐ方 式 か ら, 管 理 費,「 聯 営 控 点 」 の 収 入 を粗 利 益 とす る聯 営 に転 換 して い る。 しか しな が ら,小 売 業 が よ り多 くの 収 益 を 獲 得 す る た め に「聯 営 控 点 」や入 店 料 等 を上 げ る こ と も多 い。 「入 店料 」 とほ か の 費用 が 人 幅 に増 加 す る と,供 給 業 者 は こち らの 費用 を 商 品 の 価 格 に加 算 せ ざ る を 得 な い。これ は同 じ商 品 で も国 内 で は 国外 よ り高 い 原 因 で あ る。た と え ば,ア メ リカ の「Los AngelesTimes」. の報 道 に よ る と,「中 国 製 造 」製 品 は 中 国 本 一 ヒの 価 格 が 欧 米 諸 国 よ り高 い。. 北 京 の旗 艦 店 に販 売 して い る ノ ー トパ ソ コ ンは ア メ リカで 販 売 して い る 同 じ もの で も価 格 が ア メ リカ よ り460ド ル 高 い。「中 国 製 造 」の ラベ ル を 張 って い る「NIKE」 の ス ポ ー ッ ジ ュ ー ズ は ア メ リカで の価 格 が165ド. ル,中 国 の専 門 店 で は190ド. ルで あ る⑳。. 一 方 ,一 部 の製 造 業 者 は百 貨店 か らの コ ス トを 負担 した くな い た め,輸 出 の コス トが増 え て も国 内 の 市 場 に参 入 した くな い もの もあ る。 した が って 「中 国 製 造 」 商 品 は 高 品 質 , 低 価格 で 海 外 消 費 者 に提 供 し,市 場 の需 要 に こた え て い るが,国 内 消 費 者 の需 要 を満 た せ な い。 この よ う に,聯 営 制 は 「中 国 製 造 」 の二 元 流通 を形 成 す る要 因 の 一 っ と して 捉 え ら れ る。. e帥. 陳 立 平(2009),「. ⑳. 中 国 品 牌 網 の ホ ー ム ペ ー ジ。. ⊥ 海 商 業 」 第10期. 。. 40.

(21) 4.4.2商. 品価 格 の 上 昇. 近 年,聯. 営 百 貨 店 は 収 益 の 低 下 問 題 を 改 善 す る た め,「 聯 営 控 点 」 や 諸 費 用 等 を 引 き一L. げ る こ と も 多 い 。 供 給 業 者 も利 益 を 確 保 す る た め,こ こ と も 多 い 。 こ の よ う に,百 上 げ る こ と に よ り,百. ち らの 費 用 を商 品 の価 格 に加 算 す る. 貨 店 と供 給 業 者 と も リ ス ク 回 避 す る た め,商. 貨 店 ひ い て は 全 小 売 業 の 商 品 価 格 を 引 きhげ. 品 の価 格 を 引 き. て し ま っ た 。 現 在,中. 国 百 貨 店 の 商 品 は 内 外 価 格 差 が 次 第 に 拡 大 して い る 。 こ の 差 は 主 に2っ. が あ る。1っ. 目は. 海 外 と 国 内 の 高 級 ブ ラ ン ド品 の 価 格 差 で あ る 。 同 じ高 級 ブ ラ ン ド品 で も国 外 よ り国 内 の 価 格 が 高 い 。 同 じ様 式 の グ ッ チ の バ ッ ク は 北 京 で300ド. ル,ア. メ リ カ で は100ド. ル で あ る。. 2っ 目 は 「中 国 製 造 」 商 品 価 格 の 内 外 差 で あ る。 前 に 述 べ た よ う に,「 中 国 製 造 」 商 品 は 海 外 の 同 じ 商 品 よ り も 高 い 。 近 年,中. 国 大 都 市 の大 型 百 貨店 は イ メ ー ジと集 客 力 の向 上 を. 目 的 に 次 々 と 国 際 有 名 な ブ ラ ン ドを 導 入 す る こ と で,他. 社 と差 別 化 を 図 る 。 世 界 中 の 有 名. な ブ ラ ン ドは ほ ぼ す べ て 中 国 市 場 に 進 出 し た 。 しか し,販 売 店 の 数 は 少 な い 。 パ リ,ニ ュ ー ヨ ー ク,東. 京 等 の 「フ ァ ッ シ ョ ン 性 が 高 い 都 市 」 のLouisVuitton,Chanel,Hermes等. 有 名 な ブ ラ ン ドは1っ. の 都 市 で3∼5軒. が あ る 。 し た が っ て,中. ブ ラ ン ドを 自 分 の 店 舗 で 陳 列 す る た め に,供. 国 の 百 貨 店 は この よ うな. 給 業 者 の す べ て の 条 件 を み た さな けれ ば な ら. な い 。 百 貨 店 は 供 給 業 者 に 特 別 な 待 遇 等 の 政 策 を 出 さ な け れ ば な ら な い 。 た と え ば,店. 内. の い い 位 置 を 提 供 す る,リ. ら. フ ォ ー ム 費 用 の 負 担,「 控 点 」 の 引 き 下 げ(通. いe5り 等 国 内 ブ ラ ン ドよ り優 遇 な 条 件 を 提 供 す る。 しか し,コ. 常 は8-15%ぐ. ス トが 上 が る と百 貨 店 の 利. 益 が 減 少 ま た 欠 損 す る 可 能 性 が あ る。 多 くの 百 貨 店 は こ の リ ス ク を 回 避 す る た め,国 一 般 な ブ ラ ン ドに 転 嫁 し て し ま い. ,そ. れ で 国 内 ブ ラ ン ドの. ら な い 。 こ の よ う な リ ス ク の 連 環 転 嫁 の 結 果,商. 5.お. 現 在,中. 「控 点 」 を 引 きLげ. 内の. な けれ ば な. 品 価 格 の 上 昇 が 生 ず る。. わ りに. 国 で は経 済 の 高 度 発 展 に と も な って 消 費 者 の 行 動 も,大 き な 変 化 を しっ っ あ. り,今 後 も2つ の 「高 度 化 」 が 進 む だ ろ う。 ひ とっ は 「質 の 高 度 化 」 で あ り,「 衣 食 住 」 分 野 で は国 民 所 得 の増 加 に 伴 い,よ. り高 品 質 の 財 サ ー ビス へ の需 要 が 高 ま る もの と考 え ら. れ る。 もう1っ は 「個 性 の高 度 化 」 で あ り,ぜ い た く品 に代 替 す る個 性 化 の需 要 が 高 ま る もの と考 え られ る。 今 後,百 貨 店 は消 費 者 の 「高 度 化 」 ニ ー ズに 応 え る た め,百 貨 店 は 自 主 的 に売 場 の経 営 を通 じて 個性 的 な 商 品 を 提 供 す るべ きで あ る。 しか し,聯 営 の下 で は供 給 業 者 が 商 品 の仕 入 れ と販 売 を行 う。 しか も,多 ㈱. 中国百貨商 業協会のホ ームペ ー ジ。 41一. くの 供 給 業 者 は 自 分 の 利 益 しか 見 え ず,.

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