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青年期の延長にみる親子関係の変化

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(1)

青年期の延長 にみ る親子 関係 の変化

The Changing

in the Relationship

between

Parents

and Adolescent

大久保

摩里子

Mariko

Okubo

要 旨  青 年 期 の親 子 関 係 に お い て親 か らの 自立 は青 年 の最 も重 要 な発 達 課 題 の1つ であ る。 しか し 近 年 、 この よ うな 自立 に 関す る親 子 の分 離 的側 面 の 問 題 が 青 年 の抱 え る 問題 と して注 目 され る よ うに な っ て きた。 そ こで 青 年 期 の 親 子 関 係 の あ り方 の変 化 を捉 え る た め、 親 子 関係 の発 達 的 変化 と青 年 の 自立 との 関連 に着 目す る。 しか しこれ まで の多 くの 自立 研 究 で は 自立 の概 念 は一 様 で な く、そ の定 義 も明 確 に され て こ なか っ た。青 年 期 の 親 子 関 係 の 発 達 的 変化 を 明 らか にす るた め に は、 理 論 的枠 組 み の設 定 お よび枠 組 み の 実 証 的検 討 を適 切 に行 う上 で も 自立 の定 義 化 が 重 要 で あ る。 そ こ で これ まで の 自立 研 究 を レ ビ ュー す る と と もに 自立研 究 に お け る課 題 を再 確 認 した 。 まず 、 これ か らの 自立 に関 す る研 究 は、 これ まで の 理 論 を質 的 なデ ー タか ら見 直 す とい う実 証 的 な検 討 が 必 要 で あ る。 質 的 な研 究 を積 極 的 に行 い、independence(自 立)やautonomy(自 律)と は 区別 した 日本 人 の 特 性 に合 った 自立 の概 念 を確 立 す る こ とが 重 要 で あ る。 ま た 自立 の 発 達 段 階 を明 ら か にす る よ うな尺 度作 成 が 必 要 で あ る。 そ して 仲 間 関 係 が 自立 を促 進 す る こ とを踏 ま えて 、 青 年 期 の 対 人 関 係 の 観 点 か ら親 子 関 係 の 関 係 性 と自立 の程 度 の 関連 を捉 え る こ と も重 要 で あ る。 そ う す る こ とで 青 年 期 の 親 子 関 係 の発 達 的 変 化 にお け る 親 子 の 肯 定 的 な 結 びつ き を う ま く概 念 化 し、 葛 藤 が 非 顕 在 化 した 親 子 関 係 の 実 態 を明 らか に す る た め に 有 効 な 理 論 的 枠 組 み の 設 定 を可 能 にす る と予 想 され た。 キ ー ワー ド:青 年 期 、 親 子 関 係 、 自立 は じめ に 青 年 期 に お け る親 子 関係 の特 徴 は親 か らの 自立 や 、 親離 れ だ とい わ れ て きた 。 親 か らの 自立 が 青 年 期 の終 わ りで あ り、 自立 は青 年 期 の最 も重 要 な発 達 課 題 の1つ で あ る 。 しか し これ は 親 に全 く頼 らな い とい う こ とで は な く、 親 を ひ と りの大 人 と して見 る こ とが で き、 か つ 自分 の生 活 と人 生 に責 任 を持 と う とす る こ とで あ る。 青 年 に とっ て親 か らの 自立 は 、心 理 的 自立 だ け で な く物 理 的 自立 も簡 単 な こ とで は ない 。 そ こで 青 年 の親 か らの 自立 の過 程 に は 自立 の欲 求 と依 存 の 間 に葛

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藤 が 生 じ るの で あ る。 この よ う に 自立 は青 年 の心 理 発 達 を説 明 す る上 で 重 要 な概 念 の1つ で あ り、 青 年 の 自立 にお い て 青 年 が 心 理 的 に親 離 れ す る こ との重 要 性 が 強 調 され て きた が 、 そ れ と同 時 に 親 が 子 離 れ す る こ と も重 要 で あ る。 青 年 の 親 か らの 自立 とい う問題 は、 青 年 に は独 自の 価 値 観 の 確 立 が 求 め られ る一 方 で 、 母 親 に は段 階 的 に子 ど も との距 離 を と り、 干 渉 領 域 を減 ら して い くこ とが 求 め られ る相 互作 用 的 な課 題 と して捉 え る こ とが で きる。 これ ま で青 年 期 の 親 子 関係 につ い て はBlos(1967)の 「第 二 の 個 体 化 」モ デ ル や 、 西 平(1990) や 落 合 ・佐 藤(1996)の 心 理 的離 乳 過 程 に 関 す る発 達 プ ロ セ ス な ど、 多 くの研 究 が さ れ て きた。 そ して これ らの研 究 で は 青 年 と親 が 共 に協 調 的 な態 度 変 容 を示 し、 青 年 期 前 期 に は分 離 が 強 調 さ れ 青 年 期 後 期 で は親 密 な結 び つ き を取 り戻 す こ とが 指 摘 さ れ て きた。 こ の よ う に、 青 年 期 にあ る 子 ど も と親 との 関 係 にお い て は、 分 離 と結 合 のバ ラ ンス が 大 切 な ので あ る。 つ ま り青 年 期 の 親 子 関 係 の 発 達 的 変 化 につ い て 検 討 す る場 合 に重 要 な観 点 の1つ は、 青 年 の 自立 か らの 観 点 で あ る こ とが い え る。 しか し近 年 、青 年 が 自立 で きず 依 存 期 が 長期 化 して い る こ とが 「ひ き こ も り」、 「パ ラサ イ ト ・シ ング ル」、 「フ リー ター 」、 「ニ ー ト」と い っ た社 会 問題 と して注 目 され て きた 。 この よ う な問 題 の背 景 と して 青 年 の不 安 定 就 労 の増 加 の よ う な社 会 的 要 因 が ま ず 考 え られ て い るが 、 青 年 の 親 へ の 自立 欲 求 の 表 れ で あ る第 二 次 反 抗 期 の 非 顕 在 化 と も考 え られ る「仲 の 良 い親 子 関係 」 に も注 目す べ きで あ る。 ど ん な親 子 関 係 で あ りた い か とい う問 い に 「友 だ ち の よ うな 親 子 」と答 え る 親 が 増 えて お り、 威 圧 的 な 親 に な りた くない 、 子 ど も とは出 来 る限 り対 等 な関 係 で い た い と 考 え る 親 が 増 え て い る よ うだ 。 特 に女 性 は母 親 と友 達 感 覚 で 接 す る傾 向 が 強 い(辻 、2003)よ うで、 .現代 の 青 年 期 の 親 子 関 係 は従 来 の 葛 藤 や 反 抗 とい っ た険 悪 な親 子 関 係 で は な く、 仲 の 良 い 親 子 関 係 が特 徴 とい え る。 この よ うな 親 子 間 の 葛 藤 に直 面 しない 現 代 の 青 年 期 の 親 子 関 係 に お け る心 地 よ さは 、 親 元 か らの 自立へ の 欲 求 を殺 い で しま うの で は ない か と危 惧 され る こ とが 多 い 。 しか し 一 方 で、 反 抗 を顕 在 化 しな い 青 年 は真 に 自立 で きない 葛 藤 を抱 え込 ん だ ま まで あ る こ と も決 して 稀 で は な い 。 そ こで この よ うな 問 題 は 青 少 年 の マ イナ ス 方 向 へ の 変 質 論 と して危 惧 され る こ とが 多 い 。 しか し渡 部(2005)は 、 こ の よ うな 事 態 を単 に好 ま し くな い こ とだ と して マ イナ ス 的 に捉 え る こ と に疑 問 を投 げ か け て い る。 また 山 田(1997)は 、 多 様 化 す る社 会 の 中 で は 今 ま で の よ う に親 が尊 敬 の対 象 に な らな くな っ て きて お り、 この よ うな 親 子 関係 の 変化 は 適応 的 な 変化 の結 果 で は な い だ ろ うか と して 、 親 と子 が 実 質 的 に コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン を と るた め に 「友 だ ち」 とい う 手 段 を とる のか も しれ な い と指 摘 して い る 。 で は、 従 来 の 青 年 期 の親 子 関係 に対 し、 「友 だ ち の よ うな 関係 」が 親 子 関 係 に お け る 適応 的 な変 化 で あ る とす る な らば 、 この よ うな青 年 は 親 か らの 自立 へ の 欲 求 を持 ち なが ら葛 藤 が 非 顕 在 化 し た 緩 や か な 関係 を築 い て い るの だ ろ うか 。 この よ うな青 年 期 の 親子 関係 の あ り方 の 変化 を とらえ る た め に、 親 子 関 係 の発 達 的変 化 と青 年 の 自立 との 関 連 に着 目す る。 そ こ で まず 、 自立 の 概 念 を確 認 す る た め に これ まで の 自立研 究 の レ ビュ ー を行 う とと もに 自立研 究 にお け る課 題 を再 確 認 す る。

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1、 自立 を捉 え る概 念 的 な枠 組 み と 自立 研 究   青 年 は親 へ の 依 存 か らの 脱 却 を求 め られ 、 一 人 の人 間 と して社 会 へ と巣 立 って い くこ とが 期 待 さ れ る。 そ の ため 青 年 期 は 自立 にお い て不 可 欠 な時 期 と して と らえ られ てい る こ とか ら、 青 年 期 の親 子 関係 につ い て 検 討 す る 際 に、 青 年 の 自立 が 重 要 な観 点 の1つ で あ る とい え る 。 しか し、 自 立 につ いて の 先 行 研 究 の ほ とん どで は 自立 そ の もの の定 義 が な さ れ て い な い。 これ まで の 発 達 心 理 学 にお け る 自立 概 念 は経 済 的 自立(安 定 した 収 入)、社 会 的 自立(年 齢 、結 婚 な ど)、生 活 的 自立(家 事 が で きる か な ど)も 含 め て 定 義 され る こ とが 多 く、 そ の 定 義 は研 究 者 に よっ て さ ま ざ ま に な さ れ て きた 。福 島(1997)は この よ う な現 象 に つ い て 、 自立 は使 用 す る人 や 使 用 の され 方 ・そ の 対 象 に よ っ て意 味 内 容 が 微 妙 に こ とな って い る と指 摘 して お り、 自立 の 概 念 に つ い て は 自立 と 自 律 、 独 立 とい っ た言 葉 と共 に混 同 さ れ て使 用 さ れ て きた た め に、 曖 昧 さ を含 ん だ概 念 と して現 在 に至 っ て い る と指 摘 して い る。   「自立 」と 「自律 」の概 念 の混 同 につ い て は神 谷(1997)がindependence(自 立)とautonomy(自 律)の 関 係 につ い て 述 べ て い る。 こ れ に よ る と、 欧 米 の研 究 で はindependence1とautonomyを 同義 に 考 え る場 合 と、independence1とautonomyを 下 位 要 素 と して 考 え る 場 合 が あ り、 さ らに autonomyに 関 して はindependenceと 対 立 概 念 で あ る場 合 な ど欧 米 にお い て も多 様 な使 わ れ方 を して い る と指 摘 して い る。 そ して こ の こ とが 日本 語 へ の翻 訳 の際 に混 乱 を生 じてい る と して欧 米 にお け るautonomyの 概 念 と 日本 に お け る 「自立 」の概 念 に は曖 昧 な 関係 が 存 在 して い る と述 べ て い る。 つ ま り、autonomyは 日本 に お け る 「自立 」とか な り似 通 っ た意 味 合 いで 使 用 され て い る よ うで あ る が 、autonomyの 日本 語 訳 は 「自律 」と され て い る。 そ の た め 日本 にお い て 「自立 」 とい う場 合 は 、 一 般 的 にindependenceが 用 い られ て い る。 神 谷 の 指 摘 に よ る と、 日本 で の 言 語 感 覚 か らす れ ば、 人 間の 成 長 にお い て 、 まず 自 己 の 身体 的 な行 動 の統 制 、 制 御 が 可 能 に な る こ と、 さ らに心 理 的 、 社 会 的 に他 者 との 関 係 にお い て も トラ ブ ル な く自 己 の行 動 を統 制 で き る よ う に な る こ とが 「自律 」か ら 「自立 」へ の発 達 的移 行 を促 進 す る た め ヽautonomyと 「自立 」の 概 念 は一 致 す る よ うで 一 致 し な い もの で あ る。 さ らに 欧 米 で のindependenceの 概 念 が 日本 にお け る 自立 を十 分 に説 明 し尽 く して い る と は言 い 難 い と も指 摘 して い る。 そ こで 、 自立 の 定 義 化 は理 論 的 枠 組 み の 設 定 や 枠 組 み の 実 証 的 検 討 を行 うた め に も重 要 で あ る。 そ の ため 、 こ こで は まず 、 これ まで 自 立 を捉 えて きた概 念 的 な枠 組 み につ い て レ ビ ュー す る。 1、 心理 的 離乳 の研 究   青 年 期 は 心 理 的 離 乳 の 時 期 で あ り、ま た親 子 関係 が大 き く変 化 す る 時期 で あ る とさ れ て い る(山 岸 、2000)。 「心 理 的 離 乳 」はHollingworth(1928)が 提 唱 した概 念 で 、 青 年期 に生 じ る 「家 族 の 監 督 か ら離 れ 、 一 人 の独 立 した 人 問 に な ろ う とす る衝 動 」の こ とで あ る 。 これ を 受 け、 西 平(1990) は 心 理 的 離 乳 を 「児 童 が 青 年 と な り、 青 年 が成 人 と な り、 さ ら に 自 己実 現 を果 たす た め に 必 要 な

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心 理 的 な発 達 過 程 」と と らえ て い る。 ま た、 久 世 ・久 世(1980)は 、 発 達 的観 点 か ら自立 を身 体 的 、 行 動 的 、 精 神 的 、 経 済 的 の4側 面 か ら定 義 してお り、 こ の4側 面 は 身 体 的 、 行 動 的 自立 に つ い て は 幼 児 期 に お け る基 本 的 生 活 習慣 の獲 得 が 主 要 な 問 題 とな っ て お り、 精神 的 、 経 済 的 自立 に つ い て は 青 年 期 の 問 題 と して い る 。 つ ま り青 年 期 に は 親 か らの 精 神 的 な分 離 を図 りつ つ 、 経 済 的 に も 自 立 す るた め の 準 備 をす る こ とが 求 め られ る とい う こ とで あ る。 この こ とか ら、 心 理 的 離乳 の概 念 は 青 年 期 の 自立 を精 神 的 自立 の 側 面 か ら と らえ る 有 用 な概 念 とい え る。 落 合 ・佐 藤(1996)の 心 理 的 離 乳 の概 念 に 関す る 実 証 的研 究 で は、 この 過 程 にお い て 中 高 生 に あ た る青 年 期 前 期 ・中 期 に は 、 理 想 と異 な る 親 を批 判 し葛 藤 が 生 じ、 親 か ら分 離 し よ う とす る欲 求 が 高 ま るが 、 大 学 生 に あ た る青 年 期 後 期 に な る と親 を客 観 視 で き る よ う に な り、 親 子 関係 を 再 構 成 し対 等 に関 わ る こ とが で き る よ うに な る とい う独 自の 発 達 モ デ ル を提 唱 して お り、 この 関 係 の 捉 え直 し に よ って 子 は 親 を一 人 の 人 間 と して 捉 え る こ とが 可 能 に な る と した 。ま た、小 高(1998) は 親 子 関 係 の 変 化 は 日常 生 活 にお け る子 の 親 へ の 態 度 や 行 動 に も表 れ る と して 、 大 学 生 を対 象 に 日 ご ろの 親 に対 す る態 度 に関 す る項 目 を収 集 し質 問 紙 を作 成 した 。そ の結 果(1)親 か らの ポ ジテ ィ ブ な影 響 、(2)親 と の対 立 、(3)親へ の服 従 、(4)親へ の情 愛 的絆 、(5)一 人 の 人 間 と して の親 の認 知 、 の5因 子 が 抽 出 され 、 青 年 の心 理 的 離 乳 の過 程 を捉 え る有 用 な測 定 道 具 を提 案 して い る 。 これ ら の 研 究 は、White、Speisman、&Costos(1983)に よ る青 年 期 か ら成 人 期 初 期 まで の 両 親 との 関 係 の 発 達 プ ロ セ ス の6段 階 の 一 部 と一 致 して い る。Whiteら の6段 階 プ ロセ ス で は 、 初 期 の 段 階 で は青 年 が 両 親 か ら分 離 した 自己 を強 調 し、 両 親 を批 判 す る態 度 が 顕 著 で あ るが 、 や が て 子 ど も は 両 親 との 関係 にお い て 自分 が 何 らか の 形 で 寄 与 して い る とい う視 点 や 、 続 い て両 親 の 立 場 に身 を 置 き、 両 親 の 目で 物 事 を見 る よ う に な る視 点 炉 獲 得 さ れ る。 そ して、 両 親 が 自分 を ひ と りの 個 人 と して どの よ う に眺 め て い るか とい う こ とにつ い て明 確 な イ メ ー ジ を持 つ よ うに な る。 一 方 、 両 親 も子 ど もが 親 に対 して ア ドバ イス や ケ アが で き、 自分 自身 の意 見 を持 っ て い る存 在 で あ る こ と を理 解 す る よ うに な る。 そ して、 最 終 段 階 で は互 い に個 別 の 人 間 と して み な し始 め、 仲 間 の よ う な相 互 性 を示 す 段 階 に至 る とさ れ て い る。 2.ア イデ ン テ ィテ ィの 研 究 Erikson(1950)の 漸 成 理 論 に お い て青 年 期 は、 ア イ デ ンテ ィテ ィ対 ア イ デ ン テ ィテ ィ混 乱 の 時 期 に あ た り、 こ の 「ア イデ ンテ ィ テ ィ危 機 」の 解 決 が 青 年 期 の 課 題 で あ る とされ て い る。 「ア イ デ ンテ ィテ ィ危 機 」の解 決 と は、 自己 を正 し く理 解 し、社 会 的 に認 め られ る形 で主 体 的 な 自分 を 再 構 成す る こ とで あ る。Eriksonは 、青 年 が 成 人 と して の 役 割 を 身 につ け る準 備 を整 え るた め に は、 成 人 に な る 以前 のす べ て の経 験 か ら獲 得 して い な け れ ば な ら ない 諸 成 果 を一 定 の 総合 され た形 へ と総括 す る必 要 が あ る と して 、 これ を 「自我 同一 性 」の 確 立 と した 。 青 年 は 自分 の過 去 と未 来へ の展 望 と の 間 に、 あ る 永 続 的 な連 続 性 が あ る と無 意 識 的 に 感 じ られ る よ うな 「自我 統 合 」を行 う

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こ とな しで は 成 人 の社 会 に入 り込 ん で個 を 生 か す こ とは で き ない 。 また 自分 の所 属 す る 集 団 の価 値 観 や理 想 と、 自分 の確 信 を な す何 か とが 一 致 して い る こ と を確 認 で き、 集 団 との 間 に 連 帯 を も つ こ と も成 人 と して生 きる た め に不 可 欠 で あ る。 ア イ デ ンテ ィ テ ィの発 達 と親 子 関係 に 関 す る研 究 と して 、 金 子(1989)は 両 親 、 特 に母 親 との 心 理 的 距 離 が 遠 い ほ ど ア イ デ ンテ ィ テ ィ拡 散 感 を 強 く持 つ こ と を見 出 した。 また 、 高 橋(2001) は ア イ デ ンテ ィ テ ィ発 達 と親 に対 す る親 和 性 との 関連 に つ い て検 討 し、 青 年 期 前 期 に あ る青 年 で は ア イ デ ン テ ィ テ ィ発 達 の 程 度 が 高 い と き親 に対 す る親 和 性 も高 く、 同性 の親 に親 和 性 欲 求 を持 つ こ と を明 らか に した 。 日本 にお け る ア イ デ ンテ ィ テ ィ研 究 は 質 問紙 を用 い た ものが 多 い の に対 し、Bosma&Gerrits(1985)は 、 観 察 法 に よ り家 族 機 能 と青 年 の ア イ デ ンテ ィテ ィ達 成 と の 関 連 を検 討 した 。 そ の 結 果 、 青 年 のautonomy(自 律)、 家 族 の 対 話 が ア イ デ ンテ ィ テ ィ ・ス テ イ タ ス 、特 にア イ デ ンテ ィテ ィ探 求 と関 連 して い る こ と を見 出 した。 この よ う な研 究 方 法 で は、 青 年 の心 理社 会 的発 達 に お け る 家 族 の相 互作 用 の役 割 に も注 目 して お り、 青 年 期 の 変 化 す る親 子 関係 を概 念 化 して測 定 す る 方 法 が特 徴 的 で あ る。 青 年期 の 親 子 関 係 と ア イデ ンテ ィテ ィ に関 す る研 究 は さ ま ざ まな方 法 に基 づ い て行 わ れ て きた が 、 どの 先 行研 究 か ら も青 年 期 の 親 子 関 係 が アイ デ ン テ ィテ ィ確 立 に影 響 を及 ぼす こ とが見 出 され 、 さ ら に青 年 の 自己 を形 成 す る概 念 と関 連 し重 要 な 役 割 を担 っ て い る こ とが 明 らか に され て きた。 山本 ・岡本(2008)は 親 子 関係 の多 様 化 を考 え る上 で の一 つ の 手 が か りを見 出す た め に大 学 生 の親 に対 す る態 度 ・行 動 とア イ デ ンテ ィテ ィヽ 対 人態 度 の 関連 性 を分 析 し、 そ の性 差 に つ い て検 討 した。 そ の 結 果 、 女 子 青 年 にお い て特 に母 親 との結 びつ きが 強 い こ とが 示 され、 さ らに母 親 と の 心 理 的 距 離 が 近 く親 和 志 向 が 高 い密 着 した母 子 関係 が ア イ デ ンテ ィテ ィ確 立 の妨 げ に な っ て い る可 能 性 を指 摘 した 。 また ヽ この 研 究 で は親 子 関係 と他 者 関係 に焦 点 を 当 て、 親 子 関係 とア イ デ ン テ ィ テ ィ、 対 人 態 度 の3点 を同 時 に検 討 して お り、 ア イ デ ンテ ィテ ィ は親 子 関係 よ りも む しろ 対 人 関 係 に よ っ て影 響 を受 け る こ とが 明 らか に さ れ た。Eriksonは 、 最 終 的 な 自我 同 一 性 の 確 立 は 青 年期 後期 の 課 題 で 、 前 半 は 身 体 的 変 化 と性 的 成 熟 を受 容 す る こ と、 同 性 との 仲 間意 識 を確 立 し異性 との 人 間 関係 を獲 得 す る こ とが 課 題 で あ る と した 。 この と き仲 間 との 連 帯 感 を喪 失 し疎 外 され る こ とが 大 きな危 機 とな る 。 また 、 この 時 期 は 重 大 な決 断 を行 わ なけ れ ば な ら ない 時 期 で も あ り、 親 や 他 の 大 人 の模 倣 で ない 自 己 とい う もの は何 か とい う疑 問 につ き当 た る 時 期 で もあ る。 こ の よ う に ア イ デ ンテ ィテ ィ確 立 の時 期 に あ る青 年 に とっ て他 者 と の 関係 は非 常 に重 要 で あ る。 そ こ で、 山本 らの よ うな親 子 関係 と他 者 関係 に 焦 点 を当 て た研 究 は 親 子 関係 の 多 様 化 に つ い て 考 え る新 しい観 点 で あ る と言 え る。 3.そ の 他 の 自立 研 究 青 年 の心 理 的 自立 につ い て の 研 究 で は 、Hoffman(1984)が 青 年 期 の 心 理 的 自立 を多 面 的 に 理

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解 す る必 要 が あ る こ とを指 摘 し、 機 能 的 自立 、 態 度 的 自立 、 感情 的 自立 、 そ して葛 藤 的 自立 の4 つ の異 な った 心 理 的 自立 の側 面 を提 唱 して い る。 渡 邊(1990)は これ ま で 自立 概 念 は複 数 の側 面 か ら と らえ られ て きたが 、 中 で も情 緒 的側 面 、 行 動 的側 面 、価 値 的側 面 の3側 面 は 自立 の概 念 化 の枠 組 み と して 不 可 欠 で あ る と した。 ま た 、 高 坂 ・戸 田(2003)は 、 自立 とい う用 語 が 日常 生 活 で頻 繁 に用 い られ て い る た め に そ の意 味 す る 内容 が そ の場 の 文脈 に応 じて微 妙 に使 い分 け られ て き た た め に概 念 と して曖 昧 に な っ て しま っ て い る と して 、 理 論 的枠 組 み の 設 定 お よび枠 組 み の実 証 的検 討 を適 切 に行 う上 で も自立 の定 義 化 が 重 要 で あ る と指 摘 した 。 高坂 らは青 年 の心 理 的発 達 に着 目 して経 済 的 自立 や 社 会 的 自立 とは 区別 した 「心 理 的 自立 」とい う語 を用 い て 「成 人期 に お い て適 応 す る た め に 必 要 な心 理 ・社 会 的 な能 力 を有 した状 態 」と定 義 して い る。 さ らに、 心 理 的 自 立 概 念 を 把 握 す る た め に行 動 ・価 値 ・情 緒 ・認 知 の4つ の概 念 的 枠 組 み を 設 定 した 。 これ ら の4 側 面 は 自 らの意 思 で決 定 した行 動 を 自分 の力 で行 い、 そ の結 果 の責 任 を取 る こ とが で きる よ う に な る こ と(行 動 的 自立)、行 動 ・思 考 の指 針 とな る価 値 基 準 を 明確 に 持 ち 、そ れ に従 って 物 事 の 善 悪 、 行 動 の 方 針 な どの判 断 を下 す こ とが で きる よ う に な る こ と(価 値 的 自立)、 他 者 との 心 の 交 流 を 持 つ と とも に、感情 の コ ン トロ ー ル が で き、常 に心 の 安 定 を保 つ こ とが で き る よ う にな る こ と(情 緒 的 自立)、 現 在 の 自分 を あ りの ま まに 認 め る と と もに 、 他 者 の行 動 、 思 考 、 立 場 お よ び外 的 事 象 を客 観 的 に理 解 ・把 握 す る こ とが で き る よ うに な る こ と(認 知 的 自立)で あ る。 さ ら に こ の定 義 を基 に心 理 的 自立 尺 度(Psychological Jiristu Scale:pJS)(高 坂 ・戸 田、2006)を 作 成 して い る 。 この 尺 度 で は 「価 値 判 断 ・実 行 」「自己 統 制 ・客 観 視 」「現 在 把 握 ・将 来 志 向 」「適切 な対 人 関係 」「社 会 的知 識 ・視 野 」の5下 位 尺 度 か ら構 成 され て い る。 高 坂 らはそ の 後 の 研 究 にお い て も改 定 を続 け 、 これ らの5下 位 尺 度 に 「責 任 」を加 え た心 理 的 自立 尺 度 第2版(Psycho1oglcal  Jiristu Scale:pJS-2) も作 成 した(高 坂 ・戸 田、2005)。 ま た、 福 島(1992)は 主 に女 性 は 、 親 や 友 人 とい った 他 者 と の 関 係 性 の確 立 につ い て は男 性 よ り も優 れ て い る こ とを示 し、 女 性 に お い て 自 立 と依 存 が 共 存 して い る こ と を指 摘 した。 こ の こ と は、 他 者 との依 存 関係 を体 験 す る こ とで 自立 が 促 進 さ れ て い くこ と を示 唆 してい る。 さ らに 日本 にお け る 自立 は他 者 人 間 関係 を基 礎 と して発 達 す る も の と して と ら え、 他 者 との 人 間関 係 、 関係 性 を強 調 す る こ とに よ っ て 日本 に お け る 自立 概 念 を実 証 的 に と ら え る こ とが で き るだ ろ う と指 摘 して い る。 ま た 永 江(2000)は 自己 中心 的 な心 性 を 有 す る現 代 の 若 者一 ゆ らぎ人 間 に対 して 、 他 者 との 共 感 性 を獲 得 して い くこ とが 自立 して い く上 で 重 要 で あ る と述 べ て い る。 以 上 の こ とか ら も人 間関 係 を抜 き に して 自立 につ い て考 え る こ とは不 可 能 の よ う で あ る。 臓Ⅱ.自立 と仲 間 関係 青 年 期 に は社 会 的 役 割 や 人 間 関 係 が そ れ まで の家 族 を 中心 と した狭 い人 間 関係 か ら、 よ り広 い 範 囲 に広 が っ て い く。 また 青 年 期 の特 徴 の1つ で あ る第 二 次 反抗 で は、 両 親 や 教 師 な どの 周 囲 の

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大 人 に対 して 反 抗 を示 し、 心 の 支 え や 共 通 の悩 み を共 感 しあ う精 神 的 なつ な が りと して 友 だ ち や 仲 間 を選 ぶ よ う に な る。 こ う した 背 景 か ら、 青 年 期 の 親 子 関 係 と仲 間 関 係 に関 す る研 究 が 行 わ れ て きた 。 青 年 期 には 生 活 の 大 部 分 が 友 人 との 交 流 を中 心 に進 め られ る よ う にな り、 家 族 関 係 の 比 重 は相 対 的 に少 な くな る。 さ らに 少 数 の特 定 の 友 人 と非 常 に親 密 で 個 人 的 な人 間 関 係 を作 る こ と も多 くな り、 これ が い わ ゆ る 親 友 で あ る 。 この よ う に、 青 年 期 に はい ろい ろな 人 間 関 係 に よっ て 多 面 的 な行 動 を と る よ うに な っ て い く。 そ の 中 で 、 青 年 は 社 会 的 現 実 に も適 す る 自分 とい う もの を ま とめ あ げ な け れ ば な らな い 。 そ の た め 青 年 は これ まで 主 に両 親 の価 値 観 に基 づ い た しつ け を 通 して培 っ て きた 児 童 期 ま で の 古 い 習 慣 を捨 て去 り、 自 らの 意 志 で 選 択 した 新 しい 習 慣 を獲 得 し よ う とす る。 社 会 の 中 へ 人 間 関 係 を広 げ て い く とい うこ とは親 か らの 自立 を必 要 とす る 。Blos (1967)は 、 青 年 が 親 の影 響 か ら 自立 す る過 程 を 「第2の 分 離 一個 体 化 期 」と した。 また宮 下 ・渡 辺(1992)は 友 人 関係 の 親 密 度 とア イ デ ン テ ィ テ ィの 関 連 を検 討 し、 女 性 に お い て 親 密 な友 人 関 係 が 自我 同 一性 との 関 連 で重 要 で あ る こ とを示 した 。 これ らの 結 果 は ヽ 青 年期 に は 友 人 が 自己 意 識 の 形 成 に大 きな影 響 を与 え る 「重 要 な他 者 」で あ る こ と を裏 付 け て い る。 この こ とか ら、 親密 な 友 人 関 係 の形 成 は青 年 に と っ て重 要 な発 達 課 題 で あ り、 自立 を促 進 す る要 素 で あ る とい え る。 青 年 の 親 か らの 自立 の欲 求 を表 して い る の が 「第 二 次 反 抗 期 」で あ る。 反抗 は 青 年 が 親 の権 威 に 従 う他 律 的 態 度 か ら 自律 的 態 度 へ と向 か お う とす る 自我 の成 長 の 証 しで あ る と見 な され て きた 。 この よ うな観 点 か ら青 年 期 の親 子 関係 を捉 え る と、青 年 の 親 か らの 自立 、 親 や社 会 か らの 自由 と い う側 面 が 強調 され る 。 ここ で 自立 とは 、 主観 的 な 自律 性(autonomy)に つ い て の 自己報 告 、 個 人 的 決 定 の 自信 、 親 に是 認 さ れ る もの と仲 間 に是 認 さ れ る もの との 二者 択 一 の選 択 な ど と考 え ら れ(Hil1、1986)、 親 か らの 分 離 、社 会 的 影 響 か らの 自由 とい う暗 黙 の 概 念 を含 む も の で あ る。 し か し、 こ の よ うな概 念 は青 年 の心 理 的過 程 は表 して い る が 、 親 の心 理 的過 程 は表 して お らず 、 親 子 の相 互 関係 につ い て は検 討 して い な い。 青 年 期 の対 人 関係 の特 徴 は親 子 関係 よ り も友 人 関係 や異 性 関係 に重 点 が置 か れ て い くこ とで あ る が 、 実 際 に は親 子 の 関係 が 希 薄 に な っ て し ま うわ け で は な い 。 小 高(1998)は 、 この よ う な青 年 期 の対 人 関係 にお い て も親 子 の 関係 はそ の基 底 にお い て継 続 す る と した。 こ れ は青 年 期 に は仲 間 と過 ごす 時 間が 多 くな り親 と過 ごす 時 間が 少 な くな るが 、 青 年 は一 般 に両 親 へ の肯 定 的認 知 と 情 緒 的方 向づ け を維 持 して い る とい う結 論 と一 致 して い る。 ま た、Youniss&Smollar(1990)は 、 親 と仲 間 の 関係 を統 合 す る概 念 に関 心 を持 ち、 青 年 は仲 間 との相 互 作 用 か ら自 己 に類 似 す る も の と差 異 の あ る もの が い る こ と を認 知 す る と した 。 そ して仲 間 との 関係 か ら得 た相 互 性 は、 技 能 で あ り、 青 年 期 前 期 にお い て は親 との 交 渉 にそ れ を利 用 す る と考 え た。 ま た母 親 は、 青 年 の 仲 間 と の 経 験 を父 親 に橋 渡 しす る特 殊 な役 割 を担 って い る と指 摘 した。 こ の よ う な青 年 、 両 親 、 仲 間 の 関 係 を合 わ せ て検 討 す る こ とは 、 そ れ ぞ れ の 関 わ り方 の 違 い を理 解 す るの に も役 に立 つ 。

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班Ⅲ.ま と め と 今 後 の 課 題   従 来 、 青 年 期 の 親 子 関 係 は 親 子 間 に 葛 藤 の 様 相 を 呈 す る もの と さ れ て き た 。 し か し、 こ の よ う な 見 解 は 支 持 さ れ る と い う よ りむ し ろ 否 定 さ れ て き て い る 。 青 年 期 の 親 子 関 係 に お い て 青 年 の 親 に 対 す る 葛 藤 が 自 立 の 欲 求 で あ る と さ れ て き た(Blos、1971)が 、 こ れ に 対 しMontemayor(1983) は 、 葛 藤 的 な 親 子 関 係 は 青 年 期 の 典 型 で は な い と し た 。 しか し こ の よ う な 親 子 の 肯 定 的 な 結 び つ き は う ま く概 念 化 さ れ て い な い 。 こ れ ま で の 青 年 期 の 親 子 関 係 の 研 究 の 多 く は 、 親 子 関 係 の 分 離 と結 合 に お け る 青 年 の 心 理 的 発 達 過 程 を 明 らか に し て き た 。 しか し こ の よ う な 概 念 は 青 年 の 心 理 的 発 達 過 程 は 表 して い る が 、 親 の 心 理 的 過 程 は 表 し て お らず 、 親 子 の 相 互 関 係 に つ い て は 検 討 し て い な い 。 そ こ で 今 後 は 、 親 子 関 係 が 親 か ら子 へ の 一 方 的 な 権 威 の 型 か ら相 互 性 へ と再 交 渉 さ れ る こ と に よ っ て 変 容 す る こ と に 着 目 し、 こ の よ う な 変 容 の 関 係 と過 程 を 重 視 す る こ とが 必 要 で あ る 。   と こ ろ が 日本 に お け る 青 年 期 の 親 子 関 係 研 究 の 多 く は 質 問 紙 法 に よ っ て 行 わ れ て お り、 親 子 の 相 互 作 用 を 明 らか に す る に は 限 界 が 感 じ ら れ る 。 親 子 の 相 互 作 用 に よ る 親 子 関 係 の 変 容 や 、家 族 、 仲 間 、 青 年 の そ れ ぞ れ の 関 係 を 明 らか に す る た め の 研 究 方 法 が 必 要 で あ る 。 そ こ で こ れ か ら の 自 立 概 念 に つ い て の 研 究 は 、 理 論 的 な 枠 組 を 活 か し、 そ の 理 論 を 面 接 法 や 自 由 記 述 法 な ど の 質 的 な デ ー タ か ら見 直 す と い う実 証 的 な 検 討 が 必 要 と な る だ ろ う。   ま た 、 高 坂 ら(2006)の 心 理 的 自 立 尺 度 は 青 年 の 自立 の 状 態 を 測 定 す る の に 有 用 な 尺 度 で あ る が 、 そ の 発 達 的 な 過 程 を と ら え る こ と は で き な い 。 そ こ で 、 自 立 の 発 達 段 階 を 明 ら か に す る よ う な 、 例 え ば ア イ デ ン テ ィ テ ィ発 達 の 視 点 を加 え た 尺 度 作 成 が 必 要 で あ る 。 ま た 仲 間 関 係 が 自立 を 促 進 す る こ と か ら、 青 年 期 の 対 人 関 係 の 観 点 か ら 親 子 関 係 の 関 係 性 と 自 立 の 程 度 の 関 連 を と ら え て い く こ と も重 要 で あ る 。 こ れ に よ り親 子 の 肯 定 的 な 結 び つ き の 概 念 化 を 可 能 に す る か も し れ な い 。 こ こ ま で レ ビ ュ ー し て き た よ う に 「自立 」 と い う概 念 に つ い て の 理 論 的 な 研 究 は こ れ ま で に 多 く行 わ れ て き た が 、 自立 の 概 念 は一様 で は な い 。 自 立 に つ い て 質 的 な研 究 を積 極 的 に 行 う こ と で 、independence(自 立)やautonomy(自 律)と は 区 別 し た 日 本 人 の 特 性 に合 っ た 自 立 の 概 念 を 確 立 す る こ と が 今 後 の 課 題 で あ る 。 参 考 文 献

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(研 究 紀 要 編 集 部 は 、 編 集 発 行 規 程 第5条 に 基 づ き 、 本 原 稿 の 査 読 を 論 文 審 査 委 員 会 に 依 頼 し 、 本 原 稿 を 本 誌 に 掲 載 可 とす る 判 定 を 受 理 す る 。2009年9月24日 付)。

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