• 検索結果がありません。

中学校保健体育科教員の保健学習に対する意識:―インタビューおよび質問紙調査による研究―

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "中学校保健体育科教員の保健学習に対する意識:―インタビューおよび質問紙調査による研究―"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)中学校保健体育科教員の保健学習に対する意識 一 インタビューおよび質問紙調査による研究一 専  攻. I 研究目的  日本学校保健会(2005)の調査では,小学校・ 中学校・高等学校の児童生徒の「保健の学習意欲」 は,全体的に十分とはいえず,特に中学校において 低いと報告されている。生徒の「保健の学習意欲」 を高めていく方策として,保健学習の充実した指 導が重要であると考える。先行研究では,保健学 習の充実した指導には担当教員の内的要因と外的 要因が関わると報告され,学習の不振についても 担当教員の内的要因が主な要因であるとも報告さ れている。しかし,中学校保健体育科教員の保健 学習に対する意識に関する研究は少ない。  本研究では,中学校保健体育科教員の保健学習 への意識向上を図るために,教員の意識及び,そ の関連要因について質的,量的に調べ,保健学習 の推進の方策について検討する。. II研究方法 (1)中学校保健体育科教員の個別インタビュー  中学校保健体育科教員の「保健学習」に対する 意識の実態把握と,質問紙調査の質問項目の作成. に役立てるため,2010年3月に,5名を対象に個 別インタビュー調査を行った。なお,その事前調 査として保健体育科コース大学生に対してFGIを 打つだ。. (2)中学校保健体育科教員の質問紙調査  質的調査結果や先行研究を参考に作成した質問 票を用い,6府県内の中学校保健体育科教員352 名を対象に,2010年7月∼10月に調査した。調査 内容は,r保健学習の実施状況」をはじめとして, 略小単元の指導の難易」「保健学習指導の生徒 への影響・指導の意欲」など内的要因に関する5 項目, r保健学習の研修会」 r大学(教員養成機 関)での保健体育に関する授業」など外的要因に. 教科領域教育学. コ ース. 生活・健康・総合内容系コース. 学籍番号 名  前. M 0 9 2 0 4 H 上田 裕司. れた項目については,残差分析を行った。 皿.結果 (1)中学校保健体育科教員の個別インタビュー  インタビューの発話内容の分析から,保健学習 の授業に関わる内的要因としてr授業形態」 r理 解のさせ方」 「興味関心を高める指導のあり方」 r配当時間と指導内容」 「教材研究の時間確保」. などが,外的要因として「指導要領の改訂」「教 育実習」「保健体育科教員養成」 「保健学習に関 する研修会」など出現した。 (2)中学校保健体育科教員の質問紙調査 1)保健学習の実施状況   「毎週あるいは隔週,冬季・梅雨時に集中」 など,規則的,計画的な実施が70.2%, r雨の  目」や「その他」など,不規則が29.8%であっ た。学習の内容をr完全に」あるいはr予定の  8割∼9割」実施が約80%であったが, 「予定 の半分以下」が約20%あった。  また,「教材研究に時間がかかった」は66.8% であった。 「養護教諭や栄養教諭,外部講師な  ど」を活用した授業方法については29.3%,「ブ  レインズトーミング」の活用は22.7%で低率で あったが, 「身近にある題材」の活用が83.9% で高率であった。また, 「実習をとり入れた授 業」は58.3%であった。. 2)保健学習指導の生徒への影響・指導の意欲.  全13の項目の内,2項目を除いて,肯定的回 答が約6割を超えた。特に, 「保健学習は学校 教育の中で必要」95.7%, 「保健の学習をすれ ば社会に出てからの生活に役立っ」は98.0%で あった。しかし, 「保健学習の指導は体育より 得意」は28.1%で低率であった。. 関する4項目の全10項目とし,質間数は64間で あった。.  統計分析には,PASW Statistics18を使用し, 各質問項目の回答状況,それらと経験年数との関. 3)各小単元の指導の難易(表1)  各小単元について「難しい」が50%程度以上 をxで, r難しくない」が70%以上をOで示し. 連を中心に分析した。.  分析では経験年数を「5年未満」I群, 「5年 以上10年未満」■群, 「10年以上20年未満」皿 群, r20年以上」W群として,有意な関連が見ら. た。.  回答結果と経験年数の関連については,両者 に有意な関連がみられたものには,▲で示した。. その内1,5,7,8,12では,経験年数が浅 一392一.

(2) いほど指導が難しいと感じていた。  一方, 2,6,13,14などは,経験年数と一 定の傾向がみられなかった。.  次に,回答結果と教材研究に要した時間との 有意な関連がみられた。それについては(●で 示す), 「教材研究に時間がかかった」者ほど 指導が「難しい」としていた。. 表1 「指導が難しいと感じる単元」の意識 50%. 経験年数.  さらに, r教育実習にかかわる大学の指導は 充実していた」は49.3%であった。また,教育 実習での保健の授業をr2時間以上」は59.3% で, 「1時間」が・21.9%, 「担当しなかった」. が18.9%であった。.  なお,教員として教育実習生(中・高保健体 育)に「保健の授業を担当させるか」では「必 ず担当させる」が58.6%,「できれば担当させ る」が36.3%, 「全く担当させない」が0.6%. 教材研究. であった。. O70%×. 質問項目. 1. 身体機能の発達. 2. 生殖にかかわる機能の成熱. 3. 精神機能の発達と自己形成. 4 5 6 7. 8. 9 10 11. 12. ○. ▲. ●. ▲. ● ●. ×. 欲求やストレスヘの対応と. Sの健康 ▲. ヘ・至適環境. ヌ理 生活・廃棄物の衛生的管理 自然災害や交通事故などに. 謔髀搖Qの防止 応急手当. 生活行動・生活習慣と健康 喫煙,飲酒,薬物乱用と健. N 13. 感染症の予防. 14. 個人の健康と集団の健康. ●. ×. ▲. ×. ▲. ●. ○. ▲. ●. ○. ●. 健康の成り立ちと疾病の発. カ要因. い方」が49.9%であり, 「医薬品」について指. 導すべき内容では「知っている」の肯定的回答 は22.8%であったが, 「医薬品の授業に関する 研修会の参加」は,80,7%で肯定的回答が高か. った。調査項目すべてにおいて経験年数と回答. 身体の環境に対する適応能 空気や飲料水などの衛生的. 7)指導要領の改訂に伴い追加された指導内容を  「知っている」割合は, 「二次災害によって起  こる傷害の防止」47.0%, r医薬品の正しい使. ●. O O ×. ● ▲. ●. ▲. ●. ▲. 5)保健学習に関する研修会  保健学習の研修会は,「興味深い」60.9%,  「役に立った」72.4%,「重要だ」84.5%,「意. 識を向上させた」68.1%であった。以上の質問 項日は,全て回答率と経験年数に有意な関連が みられた。.   また,経験年数が浅いほど,研修に対して肯 定的であった。特に, 「重要だ」については, 経験年数5年未満の教員が顕著であった。. 率に有意な関連がみらなかった。. IV.考察   本調査では,経験年数と保健学習に関わる内  的要因および外的要因との関連を調べた。   保健学習の実施状況は,全体でみると概ね良  好であると判断できた。保健学習の指導につい  て,生徒への影響や,指導の意欲は高く積極的  であった。しかし,多くの教員は,体育の指導  より保健学習の指導が不得意であり,積極的だ  が苦手意識があることがわかった。   各小単元の指導の難易と経験年数とに有意な  関連がみられ,経験年数の浅い教員が,その指  導について,経験年数を経た教員より難しいと  感じていることがわかった。また,各小単元の  授業の準備では,経験年数の浅い教員が教材研  究に時間がかかっていたことから経験の浅い教  員への支援の方法を考えていく必要がある。   …方,保健学習の支援に関わる外的要因では,  経験年数と研修会の回答率に有意な関連がみら  れ,経験年数の浅い教員は,研修会に対して意  識が高く,肯定的に考えていることがわかった。. V.まとめ. 健関連の授業」38.9%,r体育関連の授業」75.0%.   保健学習の実施状況や保健体育科教員の保健  学習への意欲は,それほど低いものではなかっ  た。しかし,経験年数の浅い教員を中心に,資  質や能力の向上を図るための支援の在り方につ. であった。.  いて,一層の検討が必要である。. 6)大学での保健体育に関する授業   大学での授業でr充実していた」のは,「保.   r興味深かった」のは,r保健関連の授業」 同様に38.4%, 「体育関連の授業」76.1%で,.  「保健関連の授業」よりr体育関連の授業」に 肯定的回答が高かった。. 一393一. 指導教員   西岡 伸紀 主任指導教員 永木 耕介.

(3)

参照

関連したドキュメント

○  発生状況及び原因に関する調査、民間の団体等との緊密な連携の確保等、環境教育 の推進、普及啓発、海岸漂着物対策の推進に関する施策を講じるよう努める(同法第 22

また、学内の専門スタッフである SC や養護教諭が外部の専門機関に援助を求める際、依頼後もその支援にか かわる対象校が

小学校学習指導要領総則第1の3において、「学校における体育・健康に関する指導は、児

経済学研究科は、経済学の高等教育機関として研究者を

告—欧米豪の法制度と対比においてー』 , 知的財産の適切な保護に関する調査研究 ,2008,II-1 頁による。.. え ,

★分割によりその調査手法や評価が全体を対象とした 場合と変わることがないように調査計画を立案する必要 がある。..

2 保健及び医療分野においては、ろう 者は保健及び医療に関する情報及び自己

社会学研究科は、社会学および社会心理学の先端的研究を推進するとともに、博士課