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小中高一貫の地域公民性育成カリキュラムに関する開発と実践 : 社会形成力育成のための現行社会科・公民科カリキュラムの改善

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(1)

『社

第22

号 2010

(pp.61-70)

小中高一貫の地域公民性育成カリキュラムに関する開発と実践

一社会形成

力育成のための現行社会科

・公民科カ

リキュラムの

改善一

A Study on the Curriculum Development and Practice for Local Citizenship through Primary,

Lower Secondary, and Upper Secondary School: Improvement of the Existing Social Studies

Curriculum with the Aim of Social Construction

1。研究課題の設定

本研究は

、児童生徒の社会形成

力育成のために

小中高

一貫の公民形成の視座か

ら、カリキ

ュラム

開発の

枠組み

を示

し地域公民性

育成に焦点

をあて

試案を開発することをね

らいとする

。筆者は

、社

会認識形成研究と比較

して

、形成者の資質

・能

に関する社会形成

力育成研究の遅れ

を指摘

してき

。近年、筆者

と同

じように池野範

男、佐長健

司、

片上宗二が社会形成

力育成に関する授

業論

を提案

していることに注目し

、教育社会学の立場か

「社会力

」育成

を提案

している門脇厚司の論を含

、筆者の授

業論と諸氏の考えの異同を明らかに

してきた1

.そ

こで明らか

となったのは

、下記の

二点である。

市民的資質育成の授業論が示され

ているが市

性や公民性の考察は行われ

ていない

各校種や小中での開発は

あるが

、小中高一貫の

視点か

らの開発はな

、開発の理論と

してカリ

ュラム

全体の

枠組みは

示されて

いない。

研究課題の設定の意図を安彦忠彦と嶺

井明子の

意見を参考に述べ

。安彦は、中央教育審議会委

員の経験か

、これまでの

日本の教育に子どもを

未来の形成者

して教育す

る主権者教育の視点が

欠けていたのではないか

と指摘

した2

.また、シ

ィズ

ンシッ

プ教

育の

動向につ

いて

、嶺

井が

シテ

ンシップの

多元的、多重的構造に配慮する必要

を述べ

、地域社会

的(local)

、国

家的(national)

境域的(regional)

、地球的(global)

レベルの市

民性に関する概念に注目することを指摘

してい

る3

以上のよ

うに、社会

形成力研究の動向

を踏

まえ、

西 

村 

公 

(鳴

門教

育大

学)

安彦の匚

未来の形成者と

しての主権者教育

」の重

要性の指摘

、それ

は主権者と

しての公民性

(市民

)育成がカ

リキュラム

開発の今日的課題である

との指摘でもある

。そこで、本研究では主権者教

育の中核

となる社会形成

力育成の

リキュラム開

、課題と

して設定する。嶺井が指摘

して

いる

人と国家の

関係だけで

なく

、市民性

を多元的に

えた公

民形成

(公民性の

育成)を課題と考

えて

いる

。本稿では民主主義の

資質

・能

力の基盤とな

「 ̄

地域公

民性

」に焦

点をあて開発

を試みる

こで

、次の

ような手順でカリキ

ュラム開発の

枠組み

を提案

しなが

、実際には

、地域公

民性育

成のカ

リキュラム

試案と具体

的な公

民性育成

プラ

ンを示す

ことによ

り課題の到達

点を明

らかにす

1に

、一貫性に関する先行実践

・研究

を紹介

、その分析を試み

ることにより本研究課題の位

置付

けを行

。第

2に、社会形成

力育成の

小中高

一貫カリキュラム

開発の枠組みについて

、目標

内容

(教材)

、方法か

ら提案する。第3に

、第

で示

した枠組みに基づいて地域公民性

を育成する

一貫性カ

リキュラム

レーム

ワーク試案

を示す

本研究で使用する概念

を簡単に説明

しておく。

小中高一貫

生活科

、小中社会科、高校公

民科を社会系教科

と考え

、小中高12

ヵ年一貫

を研究対象

とす

②社会形成

力4

社会認識を基盤に協同学習による議論によって

自己の考えを発信

、社会参加

(参画)によ

り社

をつくり

・運営

・改善する能

力と定義す

る。

地域公民性

公民形成を多次元的

(地域

、国家、地球社会

(2)

公民性育成か

ら探究す

。地域

主権の確立に貢献

できる

、地域

・地方の担

い手

(形成者

)を育てる

地域公民性

」を探究

し、その公民性

を社会認識、

力、態度

(実践

力)の総体と捉

え開発

を試み

る。

2。一貫性カリキュラム開発の先行研究分析

ここでは

、カリキュラム開発理論の先行研究を

押さえた上で

、本研究課題である一貫性カリキュ

ラム開発に限定して

1)理論面の研究、

(2)

学会及び共同研究の

2点から先行研究の成果を分

析し、開発の枠組みを作成するための示唆を得る

ことに

したい。

(1)理論面の研究

一昔肬

研究の先駆的な役割を果たしたのが、愛

知県教育センター

「 ̄

社会科教育における小

・中

高等学校の一貫性に関する研究」5である。同研

究はセンターの指導主事の下に12

名の小、中、高

等学校の教員が研究協議会を組織し環境教育の

貫性テ

ーマとして

「生活と水」を取り上げ、匚

・利水

・保水

・親水」の概念追究過程として一

貫性カリキュラムを開発している

。そして、形成

目標の項目に匚

関心

」匚

知識

・理解」

「 ̄

態度」厂

価能力

」匚

技能」匚

参加」を設定し、一貫的に育成

しようとしている

。特に、社会形成力として

「参

」に関する目標を具体的に小

・中・高において

一貫的に示している点に注目したい。

同研究を指導した集住忠久は、その後、愛知教

育大学で

小中高一貫肬研究会」

「以下、匚

一昔肬

研究会

」と表記)を立ち上げ三年間の研究成果を

『小

・中

・高一貫の社会科カリキュラム研究一統

合的公民性形成社会科教育の探究

−』6

として公

表している

。同研究では公民性の匚

統合化」の意

味について

、分野や科目の統合的取り扱いではな

く、公民=国民の立場のみ

ならず地域市民やグロー

ル社会の一員として、21

世紀を生きる子どもに

価値観形成力」

「 ̄

問題洞察力」

「 ̄

代案提出力」を

身に付けさせる一贄肬カリキュラムを開発してい

る。そして統合的公民性形成目標として、厂

人間

性」

「 ̄

知性」

「民主性」匚

責任性」

「 ̄

国際性」を置き、

それらを追求するために

6つの学習コースプラン

「匚

貿易学習

」匚

市民生活とルール学習」匚

自治学習」

平等学習」厂

市民生活における文化

・伝統学習」

生活環境と人間学習コを開発している。本研究

の特色は

、一貫肬の意味と課題について①学習内

容の関連性

、②概念や方法論の形成、習得におけ

る継続性

、③目標としての公民性形成追究の発展

性や累積性を挙げ

、①から③の意味の一貧肬

を統

合するカリキュラム構成理論を追究している点で

ある

。特に、③については匚

地域的公民性」匚

家的公民性

」匚

グローバル公民性」を挙げ、国家

や民族の利害を超え

、匚

グローバル

・インタレス

」に関心を抱く地球社会の一員としての公民性

育成を視野に入れている

。公民性を多腦的に捉え

る考えは既述した嶺井の多元的、多重的構造の捉

えと同じである。

本研究からの示唆は

、一贄肬の概念を学習内容

の関連

、方法論の形成、公民性形成の観点から明

らかにした

ことである。また、社会形成力につい

て学習コ

ース

プランの中で

「 ̄

知識」

「 ̄

能力」匚

態度」

に言及している点から

、能力形成としての匚

問題

洞察力

「代案提出力」に注目したい。問題を洞

察し代案を提出することは、社会形成力の重要な

要素となる。

諸外国の研究開発の中では

、山田秀和が紹介

分析しているアメリカ合衆国のオハイオ州社会科

カリキュラム(2002)

が注目される7

。山田によ

れば初等段階で空間軸の拡大

、中等段階で時間軸

の拡大として学習対象を拡大した後に

、第11

、12

学年で政治的経済的しくみや

、社会的問題への取

り組み方などを学習させる配列を取っており

コープに人文

・社会諸科学を基とした5つの学習

、ス

領域

(匚

歴史)匚

社会の人々

」匚

地理」

「 ̄

経済」匚

)を置き、他の2つは学問の横断として匚

民の権利と責任

「 ̄

社会科技能と方法」を設定し

ているという

コープ)に社会認識を基礎とする学習内容と

。本研究への示唆は、学習領域

(ス

「 ̄

会科技能と方法

」のように公民形成としての技能

を位置付けていることである

。学習内容の一貫と

共に社会的技能と方法を重視している点に注目し

たい。

(2)学会及び共同研究

最近の学会における個人及びグ

ルー

プ研究では、

新系統主義」に立ち問題解決学習の一貫性の追

究として厂

小中一貫の社会科カリキュラム開発」

(3)

を手が

けている中元順

一の研究発表8が注目さ

れる

。本研究は小中7

ヵ年の社会科カ

リキュラム

について3年生

・4年生

「地域

的公民性」を追

究する学年

、5年生∼7年生

「国家的公民性

を追究する学年

、8年生

・9年生を

「グ

ローバル

公民性

」を追究する学年の

三段階に分け、理解

・態度の統一的育成のためにスコー

プと

して

[A 

私たちと生活環境]

[B 

私たちと歴史の発

展]

[C 

私たちと現代の社会]を各学年段階に

配置す

るカ

リキ

ュラム

を提

している

。本

リキ

ラムは

目標

とする社会的人間像

(地域

的公民性→

国家的公民性→グ

ーバル公民性

)を示

し、学習

力の発達

(問題解決の発展

→その特徴

を活か

た学習

)と社会意識の

発達

(社会的なものの見方

や考え方の

育成)を段階

的に示

している

。また学

習領域に関する

「基礎

的知識の発展

」と厂

学習活

動の発展

(調べ方

・観察

・調査

、資料活用

、ま

とめ方

・表現

、かかわ

り方

・社会への働

きか

け)

を系統的に示

したところに特質をもつ

。小中一貫

の社会科カ

リキュラム

しては

、理論の枠組みが

明確であ

、現場の実践者の立場から実践可能な

優れたカ

リキュラム

案を提示

している

しか

し、

本研究が

目指す

小中高

一貫の公

民形成の立場か

すると

、義務教育と高等学校教育

をどのように繋

ぐのか

、8年生

・9年生でグ

ロー

バル公民性を追

した後はどの

ような人間像

を目指すのか

明らか

ではない

。また

、地域

的公民性育成を小学校の中

学年に限定するのは

、学習指導要領の枠内の捉

であ

り中高

での学習教材の

発展性が

明確ではない

共同研究の成果

しては

、市

川博研究代表匚

・高等学校の

一貫性に

よる社会科関連科目の連

携に基づくフレ

ーム

ワークの研究」

(平成9∼10

年度)

、西脇保

幸研究代表

「社会科

関連科

目の小

・高一貫による教育課程開発

・編成に関する研

(平成11

∼13

年度)が

ある。この二つの共同

研究

(文部科学省補助基盤研究

)は

、外国のカ

キュラム紹介や具体的なカリキュラム作成の枠組

を示

している

点で

、開発論の作成の参考となる。

以上の

ように

、一貫性研究の理論、学会及び共

同研究においては

「社会形成

力」育成そのもの

を目指すカ

理論研究における奐住グルー

リキ

ュラム

開発は見

プの一貫性研究会が

られ

ない

。唯

一、

統合的公民性形成を目標と

「地域的公民性」

「国家的公民性

「グ

ローバル公

民性」を明示

し、

社会形成

力の重要

な要素

して

「批判的思考力

「代案提出

力」

「実践

力」

「社会参加」を挙げてい

点が参

考となる。

これ

まで先行研究

を分析

してきたように

、一貫

性カリキ

ュラム開発の理論研究は

、社会系教科で

はほ

とん

ど進ん

でいない

。各校種の実践に分析対

象を広げれ

、社会系教科と総合的学習との連携

による地域連携カ

リキ

ュラムが開発

され

ているが

社会形成力育成の体系的な枠組み

は示され

ていな

。そこで、池野範男、佐長健司

、片上宗二らの

社会形成

力育成の授業理論を小中高

一貫するカ

リキュラム

開発の枠組み

りが必要

となる。

3。社会形成

力を育てる小中高一貫カリキュラム

開発の枠組み

学校教

育の

リキュラム

開発は

、伏本久始によ

ば①

文化遺産の継承

・発展

、②

社会適応

・改造

③子どもの自己実現の支援という3つの側面か

の要請を反映させて編成

されているという

社会形成

力育成カ

リキュラム

、公民教育及び

社会系教科の

目標

を総合

、その

目標に具体的な

多次元的公民性育成を位置付

けて開発される

こと

なる

。その際に

、現代社会の

変化と課題及び児

生徒の実態と変化に

も配慮

した開発が

望まれる

伏木の指摘を開発に援用すれば①

を公民教育及び

社会系教科目標か

、②の社会適応

・改造の主体

となる形成者の資質

・能

力育成

を現代社会の変化

と課題か

ら明確に

、③の社会形成者と

して児童

生徒の

自己実現

を図るために実態

と変化に十分に

配慮

した枠組み

らカリキ

ュラムが開発

され

るこ

とになる

。それ

はグ

ローバル化の

変化と課題

、児

童生徒の実態と変化か

ら主権者と

して自己実現を

図る社会の形成者育成カ

リキュラム

開発に

なる

では

、目標の実現のために内容

・領域の選択及

びその配列

、そ

して、目標

と内容に対応する方法

(学び方)をどのように体系化

、カ

リキュラム

を開発すれ

ばよいのか

、順に検討

してみた

O社

会形成者

としての資質

・能力の

育成は

、社会認識

形成の

特に重視

知識

され

・概念の習得とともに学び方の習得が

る。教室内の座学中心の社会認識形

(4)

成だけでなく

、社会と繋がる社会参加

(参

画)を

り入れ

、社会

形成者と

しての

自覚と能

力、態度

育成を目指すカリキュラム

開発の枠組みが考案さ

なければ

ならない。

巾 

社会

形成力育成の

目標

として

「自立」

「共

「社会参加

(参画)

」を考

える

筆者は先に社会形成力を

社会認識

を基盤に協

同学習に

よる議論によって

、自己の考

えを発信

社会参加

・参画によ

り社会

をつくり

・運営

・改

善する能

」と定義

した

。ここでは個人の社会認

識力の育成

、他者の意見

を取り入れ

、自己の考え

を発信す

る協同学習

、社会参加

・参

画による社会

形成が重要

となる

。ここから次の

ような目標項目

を導くことができる

。自立

した個人の社会

認識形

、他者と協同で問題解決

を図る共生、主体的な

社会参加による社会形成ということになる

。そこ

、匚

自立

「共生」厂

社会参加

(参画)

」を抽出

し、

社会形成力育成の

目標

して考察

してみ

一に

自立に

ついて考

える。自立には精神面、

生活面

、経済面などかおる。社会系教科の基礎と

なる生活科では学習面と生活面の

自立

を生活者の

基礎と

して

目標化

している

。社会系教科では

、社

会事象の

多面的

・多角的な見方

・考

え方ができる

ために個

人の社会認識の確立が重要

となる

。さら

に公民教

育が目指す主権者と

しての

自立は

、社会

的かつ経済的自立

を含む公民性の

形成である

すなわ

、主権者と

しての社会

認識形成は、自

した市

民が

、自己の考えに基づき判断

(意思決

定)

、社会参加す

る市民性の基礎

となる

第二に共生について考える

。共生の問題は自立

と関連

している

。共生については

、天野正治の

『多文化社会における

「 ̄

共生

」への教育』10

が参

考となる

。天野は、1993

年にユネスコに設置され

匚21

世紀教

育国際委員会

」が出

した

『トロール

委員会報告書』(1996

年)11

を紹介

、21

世紀の

教育や学習の基本が

、匚

共に生きることを学ぶ」

「他に

、匚

知ることを学ぶ

」匚

為す

ことを学ぶ」匚

間として生きることを学ぶ

⊃ことであり、それ

に与えられた意味12

を紹介

している

。そして、

委員会の

委員長であった

トロ

ールは

、匚

ころで

我々が自然に所属する近隣社会

といった共同体

国家、地域

、市

・町

・村の中で共生する

ことを知

らず

して

、いかに

『地球村』で共生することを学

えよ

うか

。共同生活の中で共同体に貢献するこ

とを望み

、あるいは貢献できる

ことこそ民主主義

の中心課題である

」と紹介

している13 

トロール

が指摘する共生の概

念は

、自分が

所属す

る近隣の

共同体

(地域

、市

・町

・村)への貢献

(社会参加

が基盤となって初めて地球社会での

共生が実現で

きること

、社会

貢献こそ

民主主義の中心課題であ

ることを指摘

して

いる

。す

なわち

、地域公

民性と

しての共生と貢献

(社会参加

)が

、社会形成

力の

基盤となるとの指摘であろう

第三に社会参加

(参画)に

ついて考える

。改正

教育基本法(2006

年12

月)は

、教

育の目標

(第2

)三匚

・・・公共の精神に基づき、主体的に社

会の形成に参画

、その発展に寄与する態度

を養

うこと

」を明記

した

O今や国と地方の債

務は903

兆円に達

、政治

を見守る主権者ではなく、個

の尊重の共通認識の

下に

一人ひと

りの市民が社会

形成に社会参加

(参画)す

ることに

より

、大衆民

主主義の弊害を是正

、主権者と

しての責務を果

たす参加型民主主義の

り方が課題となっている

近年

、大人の社会参加だけでな

く子

どもの社会参

加も注目され

、ロジャー

・ハー

トなどに

より参画

理論が

示され

、様

々な実践の成果が報告

され

るよ

うになってきた14

.社会参加の概念は

、企画段階

ら参加

し結果について共同責任

を負う匚

社会参

」を含めた広義の概念を理想と考

えているが

岡明秀忠が分析

しているようにどの場所で参加す

るのか

、授業、校

内活動、社会活動での位置付

重要

となる15

(2)社会形成

力育成の学習内容の構成

社会形成

力育成の学習内容の構成は

、既述

した

伏木の説

を援用すれ

ば3つのカ

リキュラム

開発の

側面か

らそれ

を考えることができる

。第

1は、文

化遺産の継承

・発展と

して

、従来の社会諸科学の

知識

、概

念、法則

を重視

した教科内容の構成

、第

2は社会適応

・改造に主体的に関わ

る社会形成者

して

、能

力育成

を重視

した

内容の構成

、第3は、

自己実現を目指す小

さな市民と

して児童生徒

を捉

え、社会

形成者育成支援

を重視

した内容の構成が

考えられ

る。

1は

、従来の社会科学

、人文科学の

知見から

(5)

導かれ

る知識や概念の

系統性か

ら学習領域

(ス

プ)を設定

、内容構成を図るカリキュラム

開発

として

、現行の社会系教科内容の構成に見られ

。本研究では既述

した山田が分析

したよ

うに

社会形成者と

しての社会適応

・改造の匚

社会的技

」を重視する第

2のカ

リキュラム

開発の側

面を

活用

した

。また、第3の児童生徒の

自己実現

支援する内容構成の立場か

らは

、その実態に即

た課題か

ら内容の構成

を考

える

ことが大切

となる

えば

、児童生徒の公民性

を育成する課題か

らは

社会性

」匚

倫理性」匚

公共性」を育てる教材を配

したカ

リキ

ュラム開発の内容構成が考

えられ

このよ

うに社会

形成者

育成の内容構成

を考

える

、第

2と第3の

カリキ

ュラム開発は明確な区別

が付

きに

くい

。そこで、本研究の内容構成の枠組

では

、社会的技能

を育成する立場と子

どもが社

会形成者と

して自己実現

を図って

いく立場

を重視

した内容構

成と

して

、社会的論争問題

を活用する。

社会的な

論争問題」は、アメリカ社会科の

Controversia

囗ssues

の訳語にあた

、社会的な課

題の

中で価値観や利害の

対立により

、容易に解決

できない時事的な問題で激

しい論戦が行われ

てい

る問題

をいう16

社会的論争問題の探究には

、第

1の

文化遺産の継承

・発展

としての社会認識の習

得が肝要となり

、その上で第2、第3の内容構成

ら多元的公

民性

を育成する教材

を活用する

その際に

、社会

的論争問題

を教材と

して課題

探究

して

いく過程に

おいて

、内容

を構成する視

として匚

環境

(社会環境)

、匚

ローバル」

、厂

」を取

り上げたい。社会形成者

として社会

的論

争問題

を解決

していくためには

、どの

ような社会

環境で起きている事象か

、グ

ローバル化の影響や

空間的な関係はど

うなっているか

、今日的解決の

思考

・判断

(意思決

定)だけでなく自分たちが形

成者の

主体となる未

来では

どのような解決が求め

られ

るか

、など学習内容

を三つの視

点か

ら小中高

と発展的かつ累積的に探究できる内容をカリキュ

ラム

開発に位置付けていくことと

したい

(3)社会形成者育成の方法

(学び方)

目標

としての匚

自立

」匚

共生」匚

参加

(参画)

を意識

た内容をどの

し社会形成

ように学習

力を育成するためには

させるのか

、学び方に関

、構成

る方法論の考察が重要

となる

。社会系教科の学

び方は

、観点別評価項目匚

関心

・意欲

・態度」

思考

・判断」匚

資料活用

・表現」などか

ら学習

展開が工

夫され

てきた

O社会

形成

力育成のカ

リキ

ラムでは

、方法

(学び方)と

して匚

調査」匚

分析」

表出

(発信)

」の項目を重視

していきたい。

調査

」は、見学や観察とともに重視され

てき

。社会

的事象は

、自然現象

と異な

り人間の意思

定による行動が複雑に絡み合って現れ

ている

そのために事象の観察

・調査が重要

となる。

しか

、すべ

ての社会的事象

を学

習の

内容とする

こと

はできない

、対象と

して選ばれた内容もすべて

が直接

・間接に観察

・調査が

できる訳では

ない。

そこで

、社会形成

力育成カ

リキュラム

では

、直接

に観察

・調査がで

きない事象については、客観的

な資料

・統計など

を活用

し、読解する

ことになる。

次に匚

分析

」を考

えてみ

る。社会的事象を調査

社会の見方

・考え方の幅

を広

げることが、社会形

力として重要になる

。分析の視点や観点を決め

て多面的

・多角的に

、話

し合い

・討論

・ディベー

ト等の議論

を活用

して

、他者との協同学習によ

社会的事象

を比較

、分類

、関連付けさせなが

ら考

していくことが重要となる

。分析の質を高め事

を科学的か

つ論理的に探究するため

にも匚

討論

技能の育成は社会形成力の

中核となる育成課題と

位置付けている。

最後に匚

表出

(発信)

」17

を検討する。調査、

分析

された社会的事象は

、個

人の意見と

して表出

され

ることが重要となる

。他者

との対話

を意識

し、

自分の考えを表出

(発信)す

ることは民主主義社

会の形成者

として最も重視される能

力である

Oこ

の表出

(発信)の具体

的な能力と

してカ

リキュラ

ム開発を具体化

した単元構成

・授業構想では、

分析

」の段階に

引き続

き匚

討論

・参加

(参画)

を表出

(発信)と

して位置付ける

ことも可能であ

Oすなわち

、参加

(参画)を視野に入れた討論

が社会形成

しては重要

とな

、唐木清志が重視

する参加型授業論は

この点で参考になる18

.それ

は単元構想に社会的実践

力と

して提案

・参加

を位

置付け

、行動と振

り返

(自己評価)によ

り社会

形成力を育成

しようとする考えである

。ただ

し、

直接参加できない課題は、大人を支援する参加に

(6)

化・

民教育の

目標

・社会

系教科の

目標

自立

多次元

民性

単元開発の具体

・学習内容の構成

・学習過程の組歟

(学

・教材の構成

・学習形態

や学習法

図 

中高

貫の社

形成

力育

リキ

ム開

枠組

(西

村作

以上の

これ

での

考察

を踏ま

えて開

発の

枠組

を示す

上記の

うな

全体

想に

(4

)カ

リキ

ラム

開発

枠組み

一貫の

民形成

ける社

力育

リキ

ラム

発の

枠組み

、上

記の

図の

うに

きる

。な

、本

稿

は地域

民性

を育

成す

リキ

ラム

を開

発す

こと

目的

して

徒の

態・

いるの

、国家

民性

と地球

民性

育成

いて

して

ないが

、同

じカ

リキ

ラム

発の

組み

を活

して

開発

をす

でに終

えて

(目的

・ね

い)

・小

中高

貫の

力育

リキ

ュラム

よる

多次

的公

性の

。本

稿で

紙幅の

関係

ら地域

民性

育成す

るね

を設定

(社

系教

目標)

(7)

・社会認識形成を基盤とした社会形成力の育成

(社会形成力の目標)

・「 ̄

自立」匚

共生」匚

参加

(参画)

」をキーワー

とした社会形成者としての資質

・能力育成を

小中高一貫で形成

(内容構成)

・社会形成力の基礎となる社会認識形成。

・多次元的な課題に関する社会的論争問題の活用。

・ 

環境

(社会環境)

」匚

グローバル」厂

未来」の

視点から小中高一貫で内容を構成

(教材化)

(方法

・学び方)

・ 

調査」匚

分析」

「 ̄

表出

(発信)

」による討論

参加

(参画)技能の育成

(カリキュラム評価)

・社会形成力育成の小中高一貫のカリキュラムと

なっているか

、RPDCA

サイクルの観点からの

カリキュラム評価

(単元開発)

・授業構成論

(学習内容構成、教材構成、学習過

程の組織、学習形態や学習法)の活用。

4。開発

と実践の実際

(1)地域

公民性

を育成す

る小中高一

貫の

リキ

ラム試案の開発

と実践

児童

生徒の発達段階

を考慮

して

、地域

・地方の

担い手

(形成者)と

しての地域公

民性を育てる社

会系教科の

一貧陛

を重視

したカ

リキュラム

試案を

示すことにする

O小学校

段階では

、生活者の視点

から地域公民性の基礎

を育成

、高学年から中学

では

社会性」匚

公共性」を意識

した社会的生活

者の視

、そ

して中学から高校

では匚

倫理性

」も

加味

した社会

形成者

としての

資質

・能力を育てる

カリキュラム

を小中高

一貫の視

点から提

案する

さらに

、図の開発の枠組みと

して示した厂

環境

(社会環境)

「 ̄

未来」厂

グローバル」の

内容構成の

視点を意識

、社会的論争問題を単元構想と

して

位置付

ける

。この

ような目標と内容

を小中高と一

貫して学ぶ中で

、地方自治の担い手

(形成者)と

しての社会的技能を身に付

けることが

できるカリ

ュラム

を開発

した

。それは討論と社会参加によ

る協同的な課題解決能

力の

育成カリキ

ュラム

とな

O具体的には表

1の

うな

小中高

一貫の

リキュ

ラム

レームワーク試案になる

なお

、2006

年に開発

しカリキ

ュラム試案に基づ

く実践は

、愛知県岡崎市城南小学校6年、新城市

鳳来中学校

3年

、愛知教

育大学附属高等学校

1年

で行

っている

。中高については筆者が実践を行

果と課題を検証

している。

(2

)地域公

民性

を育成す

る小中高

貫の

リキ

ラム

フレ

ーム

ワーク試案の概要

(表

1参照)

・児童生徒の社会生活上の課題は

、小中高の

6段

階におけるそれぞれの課題

を示している

・社会形成者の

育成は、生活者

、社会的生活者

社会形成者と

しての

自立の

三段階を置

・学習内容は

、小学校か

ら高等学校の各ステー

おいて

、地域公民性

を育成する内容と

して教

材化できる課題

を探究できるように配列する

・社会的論争問題は、各学習ステージに応

じて身

の周

りの問題か

ら生活問題

、社会問題と発展さ

、社会環境

、グ

ローバル

(空間的関係)

、未

来の視点か

ら課題探究が行

えるようにす

・方法

(学ぶ

力)については

、最終的に匚

社会参

」育成

を目指

し、討論能

力を育成す

る。

・本

プランは小中高

を2学年ずつの

6期の学習ス

ジに分けている。中学、高等学校の教材は

現行制度の内容を使い

「中学校高等学校

」の

プランは

どちらの校種でも活用できるように

いる。

(3

)社会的論争問題

を活用

した地域公民性

を育

成す

る具体

的展開例の概要

(表2参照)

・表

1で開発

した小中高

一貫のカ

リキュラム試案

について

、具体的な社会的論争問題

を活用

して

地域公民性

一貫的に育成する

プラン

を示す。

その際に

、地域公民性について

「地域公民性の

基盤と

しての社会認識形成

「地域公民性で育

成する能力

(社会的技能

「地域公民性

とし

て期待され

る態度」の要素について

、小中高一

貫の学習段階か

らまとめる。

・活用する社会

的論争問題は

、小学校段階では税

金からの視点で

「公共施設の建設問題

、中学

校段階で行政の効率化と公共サ

ビスの視

点で

「市町村合併問題とその後

、高等学校段階で国

家行政と地方分権の在

制導入問題」を取

り上げて、地域公

り方か

らの視

点で

民性を段階

「道州

(8)

的 に育 成 する。

・本稿 で は地 域公民 性 の育 成を研 究課題 として い

る。 そ こで、多 次 元的公民 性 との位置 付け に言

及す る。具 体的 には、 国家 公民 性 と地 球公民 性

との関連 につ いて まと める。

・各学 習 のステ ージにつ いて は、 表1 との整合 性

を図 るた めに2学年 ずつ の学習 ステ ージI ∼V

の段 階で 社会 認識、 能力 ( 社会 的技 能)

、 態度

がど のよう に、 発展 的に 関連付 けら れて育 成さ

れてい くかを示 して いる。

5。 結 び

表 1 地域公民 性を 育成する 小中高一貫 のカリ キュラムフレ ームワー ク試 案

学 習 ス テージ・ 校 種 ・ 学年 児 童 生 徒 の 社 会 生 活 上 の 課 題 ( 実 態 ・ 変 化) 社 会 形 成 者 の 育 成 ( 自 立 ・ 共 生 ・ 参 加) 学 習 内 容 社 会 的論 争 問 題 (環 境・ グ ロ ー バ ル ・ 未 来) 方法・ 学ぶ力( 調査・ 分 析 ・ 表 出) 学 習 ス テ ー ジ I 小 学 校 1年 2年 幼 稚 園 か ら 仲 間 集 団 が 多 様 化 す る 中 で 、 小 学 校 生 活 か ら 身 の 周 り の 人 々 の 存 在 や 施 設 の 働 き に 気 付 く こ と か 課 題 と な る。 生 活 者 とし て の 自立 の 基 礎 ・ 実 感 的 な 人 や 社 会 へ の気 付 き ・ 生 活 習 慣 の基 礎 ・ 仲間 遊 び(仲 良 く) ・ みん な で 行 う ・ みん な で 使 う 物 ・ 身 近 な 公 共 施 設 ○ 身近 な公 共 施設 の利 用を ル ー ル か ら考 え よ う。 ・ な ぜ 公 園 の 施 設 に は ル ー ル が あ る の か ・ 余 所 の 地 域 の 公 園 の 施 設 利 用 に も ル ー ル が あ る の か ・ お 兄 さ ん や お 姉 さ ん は ル ー ルを 守 っ て 利 用 し て い る か 身 の 周 り の環 境 に気 付 く た め の学 び ・ 体 験 や 活 動 ・ ル ール や マ ナ ー の 習 得 ・ 学 校 探 検 や 地 域 探 検 によ る 見 学 、 観 察 学 習 ス テ ー ジ n 小 学 校 3年 4年 学 校 や 地 域 で の 生 活 か ら 身 近 な 社 会 で の 問 題 を 、 自 分 た ち で 調 べ て 、 地 域 社 会 の 課 題 や 変 化 に つ い て 理 解 す る こ と か 課 題 と な る 。 生 活 者 とし て の 自立 ・ 実 感 的 な 社 会 理 解 ・ 生 活 習 慣 の確 立 ・ 他 者 へ の共 感 ・ 協 力 と参 加 ・ 地 域 の公 共 施 設 ・ 地 域 社 会 で 働 く人 々 ・ 地 域 と 都道 府 県 の 関係 ○ 地 域 の 廃 棄 物 の処 理 は ど の よ う に 行 わ れ て い る か ・ 住 民 の 生 活 環 境 は 守 ら れ て い る か ・ 廃棄 物 が 余 所 の地 域 で 処 理 さ れ て い な い か ・10 年 後 の ゴ ミ 処理 は 大 丈 夫 か 自 分 の生 活 環 境 か ら 問 題 を 発 見 す る 学 び ・ 体 験 と 調 べ活 動 ・ 他 者 と の協 力 的 な 働 き か け ・ 話 し 合 い 学習 ス テ ー ジ Ⅲ 小 学 校 5年 6年 地 域 社 会 や 地 方 の 問 題 に 関 心 を 持 ち 、 仲 間 と の 話 し 合 い に よ り 問 題 を 解 決 す る 方 法 を 考 え 、 ど の よ う な 解 決 か 望 ま し い か 意 思 決 定 か で き る こ と が 課 題 と な る 。 社 会 的 生 活 者 とし て の 自 立 の基 礎 ・ 共 感 的 な 社 会 理 解 ・ 自己 認 識 の基 礎 ・ 役 割 分 担 の 自覚 ・ 文 化 、 価 値 観 の異 な る他 者 へ の共 感 ・ 発 信 と社 会 参 加 ・ 地 方 の特 色 と 国 の 関係 ・ 地 方 の 自治 ・ 国 の政 治 ・ 地 域 と交 流 の あ る外 国 の人 々 と都 市 ○ な ぜ 地 域 の 政 治 は 住 民 の た め に 行 わ れ て い る の か ・ 地 域 の 生 活 、 社 会 環 境 は 良 い の か ・ 余 所 の 地 域 の 環 境 は ど う か ・ 未 来 の 地 域 社 会 は ど の よ う に な って 欲 し い か 社 会 問 題 に 目を 向 け る 学 び ・ 様 々な 人 々 と交 流 と 体 験 ・ 観 察 や 調 査 す る力 ・ 言 語 で 表 出す る力 ・ 社 会 的 活 動 へ の参 加 学 習 ス テ ー ジ IV 中 学 校 1 年 2年 地 域 社 会 や 地 方 の 生 活 環 境 の 社 会 的 条 件 を 掴 み よ り よ い 地 域 社 会 形 成 に つ い て 、 集 団 で 議 論 し 具 体 的 な 解 決 策 を 提 案 で き る 発 信 力 を 身 に 付 け る こ と が 課 題 とな る 。 社 会 的 生 活 者 と して の 自立 ・ 共 感 的 な 社 会 認 識 ・ 自己 認 識 と責 任 の 自 覚 ・ 役 割 分 担 と共 生 ・ 地 方 の地 理 的 条 件 と特 色 ・ 地 方 の歴 史 と 伝 統 文 化 ○ 地 域 の 伝 統 や 文 化 は 継 承 す る 必 要 が あ る の か ・ 地 域 の 環 境 に 適 応 し て い る の か ・ 余 所 の 地 域 で は 守 っ て い る の か ・ 次 の 世 代 に 残 す べ き な の か 社 会 問 題 を 分 析 す る 学 び ・ 情 報 を 収 集 す る力 ・ 観 察 や 調 査 す る力 ・ 考 え る力 、 判 断 す る 力 ・ 比 較 や 解 釈 に よ る 分 析 す る力 学 習 ス テ ー ジ V 中 学 校 3年 高 等 学 校 1 年 地 方 の 政 治 に 関 心 を 持 ち 、 よ り よ い 地 域 社 会 を 形 成 す る た め に 、 仲 間 と の 協 同 学 習 を 重 視 し た 問 題 解 決 に 主 体 的 に 関 わ り 、 解 決案 を 提 案 し 社 会 参 加 に よ り 社 会 を 運 営 ・ 改 善 す る 能 力 を 身 に 付 け る こ と が 課 題 とな る 。 社 会 形 成 者 とし て の 自立 の基 礎 ・ 科 学 的 な 社 会理 解 ・ 相 互 理 解 に基 づ く 共 生 ・ 参 加 意 識 と意 欲 に 基 づ く社 会参 加 ・ 参 画 ・ 地 方 自治 の 本 旨 と そ の 働 き ・ 住 民 参 加 の 政 治 ・ 地 方 の 自 立 ・ 市 町 村 合 併 問 題 と 今 後 の 課 題 ○ 市 町 村 合 併 は な ぜ 行 われ た の か ・ 地 域 の 生 活 、 社 会 環 境 は ど の よ う に 改 善 さ れ た の か ・ 他 県 の市 町 村 合 併 の 成 果 と 比 べ て み よ う。 ・20 ∼30 年 後 の 地 域 の 自 治 は ど の よ う に あ る べ き か 社 会 問 題 の解 決 を 提 案 す る学 び ・ 情 報 の収 集・ 分 析 ・ 表 現 ・ 提 案 す る力 ・ 協 働的 な 討 論 に よ る解 決力 ・ 社 会参 加 に よ る 問 題 解 決 学 習 ス テ ー ジ Ⅵ 高 等 学 校 2年 3年 国 と地 方 の 政 治 の 働 き を 学 び 、 地 方 自 治 の 理 念 を 実 現 さ せ る 問 題 解 決 力 を 身 に 付 け る た め に、 協 同 学 習 の 討 論 に よ り 論 理 的 思 考 と 公 正 な 判 断 力 を 養 い 、 主 体 的 な 社 会 参 加 に よ り 、 地 域 創 造 に責 任 を 果 た す 社 会 形 成 者 と し て の 資 質 ・ 能 力 育 社 会 形 成 者 と し て の 自立 ・ 科学 的 な社 会 認 識 ・ 共 生 で きな い 現 実 も理 解 し た上 で の 相 互 利 益 に 伴 う共 生 ・主 体的な社会参 加・ 参 画 と 自 己 評 価 ・ 地 方 自 治 の 本 旨 と そ の 働 き ・ 住民 参 加 の 自 治 ・地 方 分 権 時 代 の 自 治 の 在 り 方 ○ 地 域 主 権 の た め に 国 は地 方 に 権 限 と財 源 を も っ と 移 譲 す べ き か ・ 地 方 の社 会 環 境 の 改 善 に は 何 か 必 要 か ・ 他 の 国 の地 方 自 治 は ど の よ う に な っ て い る か ・ 将 来 的 に は 道 州 制 も考 え る 社 会 形 成 者 と し て の 自立 を 目 指 す 学 び ・ 思 考 力 ・ 判 断力 ・ 表 現 力 ・ 論 理 構 成力 ・ 討 論 力 ・ 社 会 参 加力 ・ 自己 評 価力

(9)

表 2  社 会 的 論 争 問 題 を 活 用 し た 地 域 公 民 性 を 育 成 す る た め の 具 体 的 展 開 例

地 域 公民 性 地 域 公民 性 の 基 盤 と し て の 社 会 認 識 地 域 公 民 性 で 育 成 す る 能 力 ( 社 会 的 技 能) 地 域 公 民 性 とし て 期 待 さ れ る態 度 社 会形 成 者 と して の ね ら い ・ 家 庭 ・ 学 校 ・ 地 域 社 会 にお け る人 間 集 団 の 機 能 と 働 き に 気 付 き 、 そ れ ら を 理 解 す る こ と に よ り 地 域 の 一 員 と し て の 役 割 を 考 え 、 実 践 ( 社 会 参 加 ) で き る こ と を 行 動 に 移 し、 社 会 に 関 わ る 形 成 者 育 成 を 目 指 す。 そ の た め に は、 社 会 を つ く り ・ 運 営 し ・ 改 善 す る た め の 基 盤 と し て 、 自 立 し た 社 会 認 識 形 成 を ね ら い と す る。 ・ 地 域 社 会 や 地 方 で 起 こ って い る 様 々 な 社会 的 論 争 問 題 に つ い て、 社 会 環 境 、 グ ロ ー バ ル 、 未 来 の 視 点 か ら探 究 し、 地 域 社 会 や地 方 の形 成 者 とし て 、 討 論 力 と 提 案 力 を 身 に 付 け る 。 具 体 的 に は 協 同 的 な 学 び に よ り、 討 論 技 能 を 身 に 付 け、 判 断 に 基 づ き 社 会 生 活 の 場 で 実 践 ( 社 会 参 加 ) し、 社 会 を 運 営 し 改 善 す る 社 会 的 技 能 を 持 つ 。 ・ 民 主 主 義 社 会 に お け る 自 由 と 自 治 を 尊 重 し 、 地 方 自 治 の 理 念 を 理 解 し、 こ れ か ら の地 方 の 在 り 方 を 主 権 者 で あ る 住 民 、 市 民 の 立 場 か ら、 知 識 や 認 識 を 自 治 に生 か す 社 会 参 加 を 考 え 実 践 化 を 試 み る 。 自 分 た ち が 居 住 し て い る 地 域 社 会 や 地 方 を 住民 参 加 に よ り、 よ り よ い 民 主 的 な 社 会 環 境 に改 善 し て い く 態 度 を 養 う 。 多 次 元 的 公 民 性 に お け る位 置 付 け ・ 地 域 公 民 性 と し て の社 会認 識 形 成 は、 主 権 者 と し て の国 家 公 民 性 の基 礎 と な る。 現 代 社 会 の変 化 は、 グ ロ ーバ ル化 と 情 報 化 に よ り 、 地 球 規 模 の変 化 と交 流 に な っ て い る 。 地 域 社 会 の 問 題 も多 く は 国家 、 国 際 社 会 と 相 互 に 関 連 し 、 そ の認 識 か重 要 と な っ て い る。 ・ 地 域 社 会 や 地 方 の 生 活 環 境 の 社 会 的 条 件 を 理 解 し 、 地方 の 政 治 に関 心 を 持 ち、 よ り よ い 地 域 社 会、 地 方 を 形 成 す る た め に 育 成 さ れ る 社 会 的 技 能 は、 国 家 公民 性 や 地 球 公民 性 に 活 用 や 応 用 が 可 能 と な る 。 そ れ は 体 験 可 能 な 身 近 な 自治 の 学 び に よ り、 獲 得 で き る。 ・ 国 と 地 方 の 関 係 か ら地 方 自治 の 理 念 を 実 現 さ せ る 問 題 解 決 力 を 身 に 付 け、 社 会 参 加 に よ り地 域 創 造 に責 任 を 果 た す 民 主 的 態 度 が期 待 さ れ る。 こ の よ う な 社 会 認 識 と 社 会 的 技 能 を 伴 っ た 民 主 的 態 度 は 、 国 家 公 民 性 と 地 球 公 民 性 に お い て も 肝 要 と な る 。 学 習 ステ ー ジI ( 小 学 校 低 学 年 ) ・ 学 校 の 周 り の 様子 につ い て 見 学 や探 検 を 行 い、 実 感 的 に人 々 の 働 き と社 会 の関 係 に気 づ く。 ・ 自 分 た ちの ま ちを 探検 し、 社 会が ル ー ル や マ ナ ーで 成 り立 っ て い る こ とを 自 分 の言 葉 や文 章 で 表 現 す る。 ・ 自 分 た ち の ま ち で 生 活 し て い る人 々 に共 感 す る。 学 習 ステ ー ジn ( 小 学 校 中 学 年 ) ・ 地 域 に あ る 公 共 施 設 を 調 べ て、 ど の よ う に住民 や市 民 に活 用 さ れ て い る か、 そ の実 態 と課 題 を 理 解 す る。 ・ 市 町 村 の 様 子 や 都 道 府県 の 様 子 を 調 べ 、 具 体 的 な 課 題 ( 問 題) につ い て 話 し 合 い 、 自分 の 考え を 発 信 す る。 ・ 市 町 村 の 様 子 や 都 道 府 県 の様 子 を 調 べ、 人 々 の 働 き か 社 会 性 を 持 って 行 わ れ てい る こ と に 気づ く 。 学 習 ス テ ー ジ Ⅲ ( 小 学 校 高 学 年 ) ・ 地 域 に あ る 公 共 施 設 を 調 べ て、 ど の よ う に運 営 さ れ て い る の か、 住 民 か 支 払 っ て い る 税 金 と の 関係 で 理 解 す る。 ・ 近 年 行 わ れ た 市 町 村 合 併 の 成 果 を 話 し 合 う 。 ま た 課 題 を 発 見 し そ の 解 決 に 参 加 で き るこ とを 提 案 す る。 ・ 他 の 市 町 村 や 都 道 府県 と 比 べ て 、 公 共 施 設 の 利 用 や 建 設 か 公 共 性 に配 慮 し て 行 わ れ てい る か 探 究 す る。 学 習 ス テ ー ジ Ⅳ ( 中 学 校 ) ・ 都 道 府 県 の 地 理 的 条 件 や 歴 史 的 変 化 を 理 解 し 、 余 所 の 都 道 府 県 と ど の よ う な 関 係 に あ る の か 。 ま た、 社 会 的 論 争 問 題 と し て 何 か あ るか 理 解 す る。 ・ 生 活 し て い る 市 町 村 や 都 道 府 県 の現 状 か ら課 題を 見 つ け 、 比較 や 解 釈 の分 析 を 通 し て、 多 面 的 ・ 多 角 的 に 考 え 公 正 に判 断 す る 。 ・ 地 方 の 自 治 は、 国 と の 政 治 と 比 較 し て ど の よ う に 行 わ れて い る か、 住 民 、 市 民 は 自 治 に 社 会 性 や 公共 性 を 意 識 し て 参 加 し て い る か探 究 す る。 学 習 ス テ ー ジ V ( 中 学 校 ・ 高 等 学 校) ・ 近 年 行 わ れ た 市 町 村 合 併 の 概 要 を 理 解 し 、 そ の 後 の 課 題 につ い て 認 識 を 深 め る 。 ま た、 住 民 や 市 民 と行 政 か 対 立 し て い る 社 会 的 論 争 問 題 を 理 解 す る。 ・ 市 町 村 合 併 の 成 果 と課 題 を 調 べ 、 賛 成 派 と反 対 派 の 考 え が ど の よ う に 活 か さ れて き た の か、 情 報 の収 集 ・ 分 析 か ら 再 度、 解 決 策 を 提 案 す る。 ・ 地 方 分 権 の 時 代 とい わ れ て い る 地 方 合 併 後 の 課 題 に つ い て 討 論 し、 新 し い 公 共 性 の 創 出 に 積 極 的 に 関 わ り、 社 会 参 加 によ る問 題 解 決 を 試 み る。 学習 ス テ ー ジ Ⅵ ( 高 等 学 校) ・ 国 と 地 方 の政 治 は ど のよ う な 役 割 を 果 た す べ き か、 分 権 の 在 り 方 か ら 道 州 制 の 導 入 問 題 を 事 例 に、 財 政 問題 と 公 共 サ ー ビ ス に つ い て 認 識 を 深 め る。 ・ 合 併 後 の市 町 村 は ど の よ う に な っ て い る か 、 住 民 、 行 政 、 他 地 域 の 例 を 分 析 し、 問 題 点 を 話 し 合 う 。 ・ 国 と地 方 の 政 治 は ど の よ う な 役 割 を 果 たす べ き か、 社 会 形 成 者 と し て の社 会 参 加 と 自己 評 価 を 試 み る。 そ の 際 に 住 民、 市 民 の 倫 理 性 も期 待 さ れ る。

本 研 究 の 成 果 と 課 題 に つ い て ま と め る。 成 果 は

下 記 の 四 点 で あ る。

第 1 は、 こ れ ま で の カ リ キ ュ ラ ム研 究 が 欧 米 を

中 心 とし た 紹 介 ・ 分 析 研 究 で あ っ た こ と を 踏 まえ 、

小 中 高 一 貫 の 視 点 か ら 開 発 の 枠 組 みを 示 す と と も

に社 会 形 成 力 育 成 に つ い て、 具 体 的 な 社 会 的 論 争

問 題 を 教 材 と し た地 域 公 民 性 育 成 フ レ ー ム ワ ー ク

を 示 し た こ と で あ る。 学 習 指 導 要 領 の法 的 拘 束 力

の 下 に、 目 標 と 内 容 ( 内 容 の 取 り 扱 い を 含 む ) 面

で 規 制 さ れて い る現 状 か ら、 研 究 者 の外 国 の カ リ

キ ュ ラ ム 分 析 が 学 習 指 導 要 領 の改 善 や 現 場 の 実 践

面 で 活 用 さ れ て い な い。 本 研 究 は、 こ の よ う な現

状 を 改 善 す る た め に小 中 高 一 貫 の カ リ キ ュ ラ ム 開

発 の 視 点 か ら、 児 童 生 徒 の 社 会 形 成 力 育 成 に 関 す

る 独 自 の カ リ キ ュ ラ ム フ レ ー ム ワ ー ク を 試 案 と し

て 開 発 し、 提 案 す る こ と が で き た。

第 2 は、 小 中 連 携 、 中高 一 貫 な ど の 教育 の 在 り

方 が 見 直 さ れ、 独 自 の カ リ キ ュ ラ ム開 発 が 地 方 の

教 育 行 政 で 進 ん で い る 中 で 、 準 義 務 化 に あ る 高 等

学 校 を 視 野 に児 童 生 徒 の 社 会 形 成 力 に つ い て 、 小

中 高 と一 貫 的 に育 成 す る カ リ キ ュ ラ ムを 目 標 、 内

容 、 方 法 か ら 枠 組 みを 示 す と と も に、 多 次 元 的 公

民 性 の 要 素 と し て の 地 域 ・ 地 方 の担 い 手 を 育 て る

地 域 公 民 性 育 成 モ デ ル を 社 会 的 論 争 問 題 を 活 用 し

開 発 し た こ と で あ る 。

第 3は、 今 日、 多 文 化 化 す る 国民 国 家 にお い て 、

世 界 的 に シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 が 注 目 さ れて い る

中 で 、 社 会 参 加 ( 参 画 ) を 意 識 し、 厂社 会 を 作 り、

表 2  社 会 的 論 争 問 題 を 活 用 し た 地 域 公 民 性 を 育 成 す る た め の 具 体 的 展 開 例 地 域 公民 性 地 域 公民 性 の 基 盤 と し て の 社 会 認 識 地 域 公 民 性 で 育 成 す る 能 力 ( 社 会 的 技 能) 地 域 公 民 性 とし て 期 待 さ れ る態 度 社 会形 成 者 と して の ね ら い ・ 家 庭 ・ 学 校 ・ 地 域 社 会 にお け る人 間集 団 の 機 能 と 働 き に 気 付 き 、 そ れ ら

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