JAIST Repository
https://dspace.jaist.ac.jp/Title
e-Government の発展策 : ITインフラの整備と組織・
制度改革(知識と情報 (2), 第20回年次学術大会講演要
旨集II)
Author(s)
志津木, 優; 勝本, 雅和
Citation
年次学術大会講演要旨集, 20: 879-882
Issue Date
2005-10-22
Type
Conference Paper
Text version
publisher
URL
http://hdl.handle.net/10119/6154
Rights
本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す
るものです。This material is posted here with
permission of the Japan Society for Science
Policy and Research Management.
2C20
e-Govemment
の発展第
一丁 T インフラの整備と 組織・制度改革∼0 志津水優,勝木
雅和 ( 京都工芸繊維 大 ) 1 . イントロダクション 携帯電話・インターネット 等、 情報通信技術 (ICT) は社会に多くの 変革を起こしてきた。 また、 今後その 発展は人々の 文化・生活様式を 大きく変える 可能性を秘めている。 近年、 この流れは、 政治・行政の 分野にも大きな 影響を与えっ っ あ る。 いわゆる、 電子政府 (e.Govemment) であ る。 OECD のレポート [1] によると、 電子政府とは、 「よりよい政府の 実現のためのツールとしての ICT の 活用」であ り、 ①よりよい政策成果、 ②より高品質なサービス、 ③市民とのより 深い繋がりを 可能にする、 と あ る。 つまり、 効果的な電子政府の 構築により、 電子化による 行政事務の効率化だけでなく、 オンラインサービス による市民への 新たなサービスの 提供、 更にはインターネットのインタラクティブ 性を利用した、 政治への更 なる市民参画の 推進が可能となる。 政治・行政における ICT の活用は、 既存の政治形態、 政府と市民の 係わり 合いまでも大きく 変える可能性を 持っている。 図 1 は、 国連により発行されている 電子政府の進捗 ㏄ 度を表したランキンバであ る [2] 。 アメリカが 1 位 とな 。 6 っている。 日本は 18 位と、 電子政府構築の 面で、 先 。 .。 進 諸国の中では 低迷しているといえる。 一方、 ICT イ ㏄ ンフラの発達という 面では、 日本は世界的にも 非常に 成功しているといえる。このように、 ICT インフラの発達している 国が 、 必ずしも電子政府の 発展に成功しているとは 言えな い ということがわかる。 電子政府の発展には、 ICT " 。 。 本研究では、 効果的な電子政府の 発展のために 必 ・。 要 な条件を、 国際と ヒ 較を通じて明らかにすることを 目的とする。
2, 仮説 図 2. 総務省 : I CT インフラに関する 国際ランキング 2005 先行研究 [6] の示すところでは、 「情報化投資に 見合うだけの 成果が上がらない、 情報技術の "p
の
du ㏄ 五 ㎡ ゆ p 荻 ad は,の 起きるケースが 多かった。 情報化の成果を 十分に活用するために、 インフラ面の 整備だけでなく、 情報化に見合った 制度・組織が 必要であ る」としている。 別 の 研矧 7] では、 情報インフラの 整備だけでなく、 生産エリアでの 組織変革や人材マネージメントを 積極的 は 行っているカナダの 企業は、 より高いパフオーマンスを 発揮しているということが 示されている。 ICT はそ れだけでも生産力を 有するが、 高レベル な 組織変革と組み 合わせることで、 より生産性が 高まるのであ る。これは、 電子政府の場合にも 当てはまると 考えられる。 図 8 は、 電子政府の発展プロセスを 表した ものであ る。 発展レベルの 低い段階では、 ICT インフラの整備のみで、 効率化という 目標は ほぼ達成できる。 しかし、 発展レベルが 高ま り 、 政治・行政の 電子化の範囲が 広がり、 電子 政府の内容が 質的に変化するに つ れて、 それ に対応していくために、 組織や体制までも 変 えていく必要が 出てくると予想 は れる。 先行研究 [1] 等をまとめると、 電子政府を 構成する主な 要因として、 組織・制度・ ICT インフラ・ ICT 政策・デジタルデバイド・ 国 の規模の大きく 6 つの要素に分けることが できる。 ぞ れぞれの要素が 電子政府の発展に どのような影響を 与えるのかを 考察し、 後に 回帰分析により 実証する。
W 何
l Ⅰ等の活用よる 政策形成 @
時間的発展 図 3. e,Government 発展の図 ①組織・ ・以上の記述より、 電子化に上手 く 対応できるような 柔軟かつ効率的な 組織体制が必要であ る。 よって、 組織レベルが 高い程、 電子政府の発展に 正の影響を与えると 考えられる。 ②制度・・・ 組織問題の場合と 同じく、 電子化にスムーズに 移行できる制度が 必要であ る。 ③ ICT インフラ・・・ 電子政府の地盤の 確立のためにはインフラは 必要不可欠なため、 正の影響を与える。 ④ ICT 政策・・・国が ICT の政策を積極的に 行 う程 、 電子政府の発展は 促進されると 考えられる。 ⑤デジタルデバイド ・・コンピュータを 活用できない 層が存在すると、 電子政府の利点が 十分に活用され ず、 結果的に普及に 負の効果を及ぼす。 ⑥国の規模・ ・シンガポール や 、 オーストラリアの 電子政府発展例を 見るところ、 国の規模は電子政府の 発展に必ずしも 影響しない。 3.
分析手法
仮説の検証のために、 各国の電子政府の 普及 度 、 パフォ 一 マンス指標を 表す変数を独立変数、 インフラ要因 や組織・制度要因等の 要因の変数を 従属変数として 用いて、 回帰分析を行 う 。 データは、 国連 [2] 及び WorldEconomicForum[3][4] 、 World Bank[5] の資料から用いた。 対象としたのは e,Government ㎏ adinessIndeX
上位 41 カ国、 使用するデータ 数は 36 項目であ る。 多数の項目が 存在するものの、 それぞれの項目のデータ 数は限られていることから、 回帰分析に使用する 変 数を限定するため、 2 通りの方法で 回帰分析を行った。 ①インフラ要因や 組織・制度要因等を 表す項目を因子分析により、 機械的に分類分けし、 導き出された 因子得 点を従属変数として、 回帰分析を行 う 。 ②変数を、 仮説部分で述べた 6 要素に分類し、 従属変数として 各要素から一項目ずっ 抜き出して回帰分析を 行 ワ @
4.
分析結果
最初に、
因子分析の結果を以下に示す。
20
項目の変数を組織・制度、 ICT インフラ、
ICT
政策、
デジタル デバイド、 国の規模、 その他、 の 6 つの変数に集約することができた。iIa
Ⅱ
m
old
Ⅰ㎡Ⅰ ddi
。
"
回帰分析の結果は、 以 「 ①因子分析Ⅱ
碇
'"紺
""" ICTT インフラ """ 。 " デジタ. H しチ バイド " 。 "" 因 Ⅱ 0.2 品 的 0.193055 0 ・ 0 け 968 0 Ⅱ化 田 0 . 3TOl10% Ⅰ 3 Ⅰ 1
0 . 0452% 0.001l86 0 . l19878
0.028024 0 ・ 088B ⅠⅠ 0 . 271495 0.0704l2 0.29 Ⅰ 609
チ テⅡイド ジタル ロ の 坦瑛 。 Ⅰ ' 任 帆
㎜
l 0.08281 Ⅰ 0 ・ 005755 0 . 0 ㏄ 2l 0.4%W 0 . l6T13 0@019539 0 Ⅱ 9l98 0 0 Ⅰ 23 % 正 163 0 ・ 0298 日 3 0 . 2 Ⅰ 315 日 0 . 258420 ・ 2% Ⅰ 15 0 Ⅱち田 0.20 Ⅰ 2lD 口・ 162033 0.0l7 ㏄ 0.0T411 Ⅰ 0.19l1% 0 ・ 156 0.0 田 ㏄ 0 ・ 4 品 76 0 . 035824 D.00826 0 . 10168 Ⅰ 0.1 丁Ⅰ l68 O 1l8 Ⅰ 0 . 054 イ 9 0 . 08 Ⅰ 401 Q0.13094 Q0.13583 %.02115 0 . l9 Ⅰ 42G 0 116851
0. ㎝ 782 0 ・ 0 品㎝ イ 0.03209 0 円ア 8 0.4% 兜 l 0%0 ㏄Ⅰ -008111 0 ・ 15 Ⅰ 28 0.209l9 0 ・ 21T 列 g 0 ・ 7l2 Ⅰ 8 0.2 缶㏄ 8 0 Ⅱ S5% Ⅰ 0 . 05928 0. ㏄ ヨ l 0 ・ 30095 0 . 2 Ⅰ n68 日Ⅰ 0 . 田 359 0 ・ 0 品 了 9 0 . 0 缶 沖 8 の 通りであ る。
法
血
る方
よ
択
選
数
変
②
よ
f
標準 fM 系 数 と 2 178 0 . へ 6 Ⅰ 2. Ⅰ 25* 宇 0.489 0.518 3.f624* * 0 . 舘 2 3 ㏄ 5* * 0.089 1.028 その他 0 Ⅰ 02 0 7 日 7 固 。 矩棋 " 。 n 汝立 係数 9 ゑ立 変故 e. ㏄ wrnInentI 血 eX 調整済み R2 乗 O 却 6 腓豊 済み "2 乗 0 羽 4 3 1 Ⅰ 2 す ネ 0T 的 ①因子分析による 方法 組織・制度要因と、 I CT インフラ要因のみが 有意で、 両方とも正の 効果を有している。 ただし、 調整済み決定変数は 0.406 と、 低くなっている。 有意になっている 項目だけを見れば、 仮説のところで 述べた要因毎の 正負の効果通りの 結果は出ていること がわかる。 ②変数選択による 方法 制度、 組織、 ICT 政策、 ICT インフラ 、 国の規模の要因が 有意となっている。ただし、 I CT 政策の要因が 負の効果を示しており、 仮説と逆の効果を 示す結果となった。 また、 国の規模 は正の効果を 示しているが、 これはやはり、 経済的な余裕等があ る程度は影響するためと 考えられる。 5.
考察
分析結果から、 以下のことが 考えられる。 図 4. 電子政府の効用曲線 穏窩 ,何度空車 1) インフラ面の 整備だけでは、 電子政府の更なる インフラ 発展は望めない。 組織・制度面の 変革が、 電子 政府の発展には 必要不可欠であ る。 ( 図 4) 2)I CT 政策を重視することが、 かえって効果的 な電子政府の 発展の妨げになっているという 奇 妙な結果になった。 この理由としては、 ①電子政府発展レベルの 低い所では ( 図 1 参照 ) 、 インフラ面の 整備の重要性が 高い。 つまり、 積極的な ICT 政策が必要なのは 発展レベル の低い段階であ って、 発展レベルの 高い国は、 インフラ整備のための ICT 政策は必要とし ていないため。 ②単純に、 ICT 政策 ( コインフラ整備 ) は電子 政府の発展には 効果がないため。 ということが 考えられる。 以上の研究を 踏まえ、 今後は以下の 点の分析を行 う 予定であ る。 ① I CT 政策要因が負の 効果を示していることの 原因追求 ②組織・制度変革の 側面から見た 電子政府発展策の 国際比較 ③制度・人々・ 文化という視点から 見た、 組織変革における 障壁についての 調査 参考文献[@1@]@OECD , "e ・ Government@Studies@The@e , Government@Imperative , "@(2002)
[@2@]@United@Nations , "E , Government@at@the@Crossroads" , World@Public@Sector@Report@2003@(2003)
[@3@]@W0rld@Economic@Forum@"The@Global@Competitiveness@Report@2004-2005"@(2005)
[@4@]@WOrld@Economic@For Ⅱ
℡
"The@Global@Information@Technology@Report@2004-2005"@(2005)[@5@]@WOrld@Bank@"The@W0rld@Development@Indicators@CD , ROM@2002"@(2002)
6@]@ Erik@ Bryn lfsson@ and@ Lorin@ M , Hitt , "Beyond@ Computato Ⅰ Information@ Technology , Organizational Transformation@and@Business@Performance" , Journal@of@Economic@Perspectives ・ Voll4.@ (p23-48)@ (2000)
[@7@]@Surendra@Gera@and@Wulong@Gu@"The@Effect@of@organizational@Innovation@and@Information@Technology@on