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JAIST Repository: わが国航空宇宙産業におけるインスティテゥーションの分析(科学技術政策, 第20回年次学術大会講演要旨集II)

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JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/

Title

わが国航空宇宙産業におけるインスティテゥーション

の分析(科学技術政策, 第20回年次学術大会講演要旨集

II)

Author(s)

仲井, 隆一; 渡辺, 千仭

Citation

年次学術大会講演要旨集, 20: 984-987

Issue Date

2005-10-22

Type

Conference Paper

Text version

publisher

URL

http://hdl.handle.net/10119/6219

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す

るものです。This material is posted here with

permission of the Japan Society for Science

Policy and Research Management.

(2)

2J13

わが国航空宇宙産業におけるインスティテ

ゥ一

ションの分析

0

仲井 隆

Ⅰ渡辺千帆

( 東工大社会理工学 ) 1. 序輪 進行しているバローバル 化や I T 化は、 国際市場 新世紀の幕開けとともに、 我が国産業において、 の 一体化を加速させアジア 諸国の企業の 追い上げを 技術立国が叫ばれている。 グローバル経済化の 本格 許している。 この進展に伴 う 企業間競争の 激化の中、 化や我が国の 製造業に対する 中国・韓国・ 台湾いっ 航空宇宙産業の 最先端技術と 高度な部品・ 素材を結 た アジア諸国の キヤ ソチアップに 直面し、 更に高度 合による高い 付加価値、 またその技術の 他産業への な技術の付加価値を 求める動きが 表面化してきてい 高いスピルオーバー 効果は着目に 値する。 特に航空 る 。 このような流れを 受けて航空宇宙産業に 対する 宇宙産業の技術のスピルオーバー 効果は、 現在我が

期待が高まっている。

航空宇宙産業の

特徴として、

国産業の根幹を 担っている自動車産業と 比較しても 知識集約産業であ り付加価値の 高い産業であ ること、 極めて高い ( 表 lL 。 この表においては、 特定産業の つまり素材、 加工機械、 電子機械、 機能部品など 航 波及効果を産業波及効果と 技術波及効果に 大別して 空宇宙産業の 裾野を形成する 広い産業分野の 発展の いる。 産業波及効果とは、 当該産業の産業活動が 多 うえに成り立つ 総合産業であ る事が挙げられる。 ま 産業の産業活動を 誘発する効果であ り、 通常産業連 た他の産業分野への 高い技術のスピルオーバー 効果 関表から算出される 生産誘発 額 ( 係数 ) で表される。 があ げられる。 具体例を挙げれば 建物や車両に 広く 技術波及効果とは 当該産業で生み 出された技術が 他 使われるアルミ 合金や釣竿やゴルフのシャフトに 使 産業に移転され 新製品の創成や 生産活動の効率向上 われている炭素繊維強化プラスティックなどはもと など他産業の 活性化を誘発する 効果であ る。 また、 もと航空機用に 開発されたものであ り、 高性能小型 航空機需要も 世界の民間ジェット 機の運行 数が 10 コンピュータなど 電子機械の多くも 航空宇宙技術及 年後には 54. 8% 増、 20 年後には 2,3 倍と予想いれて び産業向けの 厳しい要求を 満たすことから 発展した いる ( 日本航空機開発協会 ) 。 このような航空宇宙 塵 ものが多い。 業 において、 世界と我が国とのインスティテュー シ ョンを分析する。 この ょう に大きな期待をされている 我が国の航 空宇宙産業であ るが、 現在の国内生産規模は 1 兆

分析

3000 億円台に過ぎない。 世界的にみてもその 優れた 2. ] 木棉文の目的 技術力を認められている 我が国において、 その技術 力 を最も発揮しやすいと 考えられる航空宇宙産業が 序論で示したよ う に、 グローバル化や I T 化が進 主力産業足りえていない。 この理由として、 GHQ 行しアジア諸国の 猛烈な追い上げを 受ける中で、 航 ( 連合軍司令部 ) の命令による 戦後 7 年間の航空禁 空宇宙産業が 我が国産業において 果たすべき役割は 止が挙げられる。 これにより我が 国の航空宇宙産業 非常に大きい。 本研究は世界における 我が国の航空 を 担ってきた人材が 電車や自動車に 代表される他の 宇宙産業とインスティテューションなどの 関係につ 産業に流出し 産業基盤が崩壊してしまった。 その後 いてできるだけその 構造を明らかにすることを 目的 の 航空宇宙産業は、 他国の先端技術をキャッチアッ としている。 その為にまずインスティテューション プ する場としての 役割を果たしてきた。 しかし現在 について言及する 必要があ る。 表 1 航空機産業の 技術スピルオーバー 効果 当該産業の生産高技術波及効果 産業波及効果 波及効果合計 航空機産業

ml

メド 円 103 兆円

129

巳円 115 兆円 自動車産業 320 兆円 34 兆円 872 兆円 906 兆円

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3.4

3 倍 1.40% 12.7 ㎝ ( 出典 ) 三菱総合研究所による 推計結果 ( 平成 12 年 3 月、 日本航空宇宙工業会委託調査 )

(3)

2 Ⅰ インスティト ウ -- ションの旗号 ヂ Ⅰ 2,4 インスティテューションの 分析 技術経営システム 的認識においてインスティテュ ーションは、 社会経済体質とも 称 すべきイノベーシ ョンを生み出す 土壌として掌握されており、 図 1 で 表現される 3 軸 ( 「国家戦略・ 社会制度」、 「企業レベ ルでの組織文化」、 「時代背景」 ) で構成される。 今回 は 航空宇宙産業における 各国のインスティテューシ ョンを検証する (Watanabe,2004)0 '

時代背Ⅰ 全文レベルでの 租ユ文ィヒ 図 1. インステイテューションの 3 軸 2.3 技 街のスピルオーバーⅠ 航空宇宙産業における 技術のスピルオーバー 量を 計測するにあ たって、 今回の分析ではデータ 上の制 約から輸送機械産業を 対象とした。 我が国製造業 14 業種において、 まず各産業と 輸送機械産業との 技術 距離を計測し、 これを用いて 技術のスピルオーバー 量を計測した。 pi : 輸送機械産業と 1 産業間の技術距離 丁 Ⅱ輸送機械産業から 行る技術のスピルオーバー 景

R;.=

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げチソ肪

円 :i 産業のテクノストックの 合計 TU 土産業がⅡ産業分野に 持つテクノストック 今回航空宇宙産業におけるインスティテューショ ンを分析するにあ たって、 世界の主要な 8 カ国につ いて分析対象とした。 国内総生産、 航空宇宙産業の

売上、 国防支出費、 輸出額、 輸入額、

製造業従業員 数、 航空宇宙産業従業員数、 売上シェア、 従業員シ ェア、 国防支出費シェアに 対し主成分分析を 行 う 。 表 3 主成分分析の 結果 固有値 @sw

㍻。 " 。 ' 7. ㏄ 2 0 . 7 ㏄ 0 . 7 ㏄ @@SS@o2 ].8 ㏄ 0 . 190 0.893 。

。 3 0.716 0.072 0 . 965 主成分Ⅲ 04 0 ・ 327 0 . 033 0 .㏄ 7 表 4 主成分負荷見

膨 " " 。 ' せ

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弍 ・ ]19 田 126 田 ㏄Ⅰ 七 %7 0

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8 0 ㏄Ⅰ ㎝㏄ Ⅰ 5 ぴ 弍 074 円Ⅰ 配 ㎝㏄ 田 ]73 弍 ㏄ 7

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007 ㏄ 0. ⅠⅡ 0.585 この結果を用いてクラスタ 一分析を行 う 。 距離は ユー グリット平方距離、 クラスタ一の 合併 法は ウォ ード法を用いた。 更に、 世界の主要な 航空宇宙産業 企業 12 社について回帰分析を 行 う 。 2.5 データソース 分析に用いるデータとして、 技術のスピルオーバ ー量の計測には、 科学技術研究調査報告を 用いた。 インスティテューションの 分析には、 航空宇宙産業 データベース ( 日本航空宇宙工業会 ) を用いた。 航 空宇宙工業の 性格上、 データの人手が 困難な国が極 めて多く、 今回の分析では 公表している 2003 年度に おける 7 カ国での分析となった。 企業間分析につい ては各企業の 財務指標に有価証券報告書を 用い、 通

(4)

貨 換算に際して I MF の「 rntemmational FinanciaI ら他産業への 技術のスピルオーバーは、 一般機械産 Statlstics 各年版」を用いた。 データの平準化の 為に 業や金属産業において 顕著に見られた。 これは、 上 2000 年から 2003 年の平均値を 用いた。 記の産業が輸送機械産業から 技術的に大きく 影響を 表 5 通貨換算率 受けていることを 示している。 米国ドル 三 U ユーロカナダドル 3.2 インスティテューションの 分析 2000 107.7 99.291 72.568 2001@ 121.53@ 108.752@ 78.467 2 章で述べた指標を 用いて主成分分析を 行い、 こ 2002 ⅠⅠ 5.93 ⅠⅠ 8.003 79.902 の 結果を用いてクラスタ 一分析を行った。 結果 2003@ 1 15.93@ 130.935@ 82.713 は 表 6 に示されている。 同分析を基に 、 先の主 成分分析の結果を 示したものが 図 3 であ る。 3. 分析結果

規棋 X 割合 3.1 技術のスピルオーバーⅠ

・アリ カ

廿 イタリ ア

規棋

主成分分析の 結果から第 1 成分は売上等の 規模、 第 図 2. 輸送機械産業への 技術のスピルオーバー 量 2 成分は売上に 対する割合を 表していることが 分か る。 また、 クラスタ一分析の 結果、 世界の国々の 航 計測結果は図 2 に代表されるように、 輸送機械産業 空宇宙産業を 3 つのクラスタ 一に分類することがで への技術のスピルオーバー 量は 、 主に一般 械 産業と きた。 この結果から、 航空宇宙産業においては 規模 電気機械産業から 受けている。 逆に輸送機械産業か だけでなくその 割合も重要な 指標であ る事が抽出で きた。 この抽出した 指標であ る割合が利益に 与える 表 6 クラスタ一分析の 結果 影響を分析する 為に、 2 章で述べた通り、 世界の主

Dend ア nog Ⅰ <am us@ng na ア d Ⅱ ethod 要な 航空宇宙産業 12 社に対して回

帰分析を行 う 。 この分析に際し 以下

Rescaled@ Distance@ Cluster@ Combine の モデル式を使用する。

C A S E Ⅰ 0 15 20 25 Labe@ Num + 一一一一一一一一一 + 一一一一一一一一一 + 一一一一一一一一一 + 一一一一一一一一一 + 一一一一一一一一一 + イギリス 3 「 フランス

0

Ⅰ 二

㏄十月

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ヵ ナダ 7 」

イタリア "

AOI:

航空宇宙産業分野の

営業利益 韓国 ' "

日本 ・

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ドイ、 ソ 4 」 アメリカ AS : 航空宇宙産業分野の 売上高 AS/S : 航空宇宙涯分野の 割合 全 体 の 売 上 高

(5)

この分析の結果は 表 7 のようになった。 これによ り最近の航空宇宙産業企業においては、 全体の売上 高に対する航空宇宙産業分野の 売上高の割合 (AS/S) が航空宇宙産業分野の 利益 (AOI) に非常に大きな 影 響を与えていることがわかる。 さらにこの分析結果 の 散布図は図 4 となり、 これを見ると 我が国の航空 宇宙産業企業と 他国の航空宇宙産業企業との 違いも 表れていることが 分かる。 表 7 企業間分析の 結果 び 俘

adj

2 り . 30] 2.216 0.816

(1.6

(6.73)

AS/sS Ⅹ AOI 2 ㏄ 200 Ⅰ 50 宰

1m

@50 A ぴ s 図 4. 企業間分析散布図 4 結論 以上の分析から、 航空宇宙産業の 極めて高い技術 のスピルオーバーが 確認、 された。 また、 世界の国々 全て説明できるものではない。 また、 今回の分析に おいても確認、 されたように、 航空宇宙産業部門が 有 する高い技術のスピルオーバー 効果という特性から、 たとえ航空宇宙産業部門で 利益がでていなくても、 この部門で研究開発された 技術が他の部門の 利益へ インパクトを 与えている可能性も 考慮する必要があ りこの計測も 今後の課題であ る。 また、 航空宇宙産業はその 性質上データを 公開して いない国も多く、 今回分析対象とならなかった 国も 含め更なるデータ

収集が望まれる。

今後時系列のデ ータ扱 う 事で、 我が国航空宇宙産業の 構造の変遷を 分析する事も 有意義であ ると考えられる。 更に、 研 究開発投資等の 技術的な側面に 着目して他国、 特に 米国とのボーイングの 共同開発やヨーロッパにおけ るエアバスに 代表される国際間の 共同開発と分業に よる co-evolution の分析も行っていきたいと 考えて いる。 キ 孝文献 Ⅲ 日本航空宇宙工業会、 『航空宇宙産業データベー ス J (2005) 。 [2] 日本航空宇宙工業会、 『日本の航空機工業 ( 資料 編り (2004)0 [3] 防衛庁、 『防衛白書』 (2005)n [4] 防衛庁、 『中期防衛整備計画』 (2000) 。 [5] 日本航空機開発協会『航空機産業の 現状』 (2005) 。 [6] 日本航空機開発協会『民間航空機の 需要動向予測』 (2005)0 [7] 日本航空機開発協会『主要航空宇宙防衛企業の 概 要 』 (2005) 。 [8] 渡辺 千匁 、 宮崎久美子、 勝木雅称、 『技術経済論』 における航空宇宙産業の 主成分分析により 航空宇宙 産業においては 規模だけでなく 割合も重要な 指標で あ る事が確認はれた。 また、 上記の 2 つの指標を用 いたクラスタ 一分析を行 う ことで、 世界各国の航空 宇宙産業を 3 つのクラスタ 一に分類することができ た。 さらに、 この結果を反映した 企業間の分析を 行 日 科技連 (1998L 。 [9] 渡辺 千伊 『技術革新の 計量分析』 (200D)o [10] 森山幸司、 渡辺 千匁 『インスティトウ 一 ションと アントレプレナーシップの 関係の分析』 (2005) 。 [1I] lMF uintemmationaIFinmcialStatisticsJ ( 各年版 ) 。

[12] A , Goto and K ・ Suzuki , "Diversification{fヽ&D‖nd

E 億 ectsofTec ㎞ o1o 騨 Sp Ⅲ over"(2004)

う 事により、 企業が航空宇宙産業部門での 利益 (AOI) [13]C ㎞ stopher L ㎝ gton, 町 he Mi Ⅱ ね Ⅳ Balance" ( 各年

を上げる為には、 企業全体の売上高 (5) に対する 航 版 )

空 宇宙産業部門の 売上高 (AS) の割合 (AS/S) を 大 [14] ビジュアル 放 日本の技術 100 年、 『航空機、 自動車』

きくすることが 必要であ ることがわかった。 筑摩書房 (1987) 。

航空宇宙産業部門の 利益に影響を 与える要素は 他にも多く存在すると 考えられ、 以上の研究のみで

参照

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