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幼児の運動遊び環境についての一考察-沖縄県内保育所(園)・幼稚園の実態調査を通して-: 沖縄地域学リポジトリ

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Academic year: 2021

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(1)

(園)・幼稚園の実態調査を通して−

Author(s)

山城,眞紀子; 島袋 桂; 島袋 ,愛; 真栄城, 勉

Citation

沖縄キリスト教短期大学紀要(46): 59-74

Issue Date

2017-10-16

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/22137

Rights

沖縄キリスト教短期大学

(2)

幼児の運動遊び環境についての一考察

-沖縄県内保育所(園)

・幼稚園の実態調査を通して-

A study in environment of physical play of preschool children

The actual situation of nursery school and kindergarten in Okinawa

-山城眞紀子

1)

・島袋 桂

2)

・島袋 愛

2)

・真栄城 勉

3)

Makiko Yamashiro ・ Kei Shimabukuro Ai

Shimabukuro・Tsutomu Maeshiro

要 約 本研究では、幼児の運動遊びの実態について調査するために、沖縄県内の認定こども園・へき地保育所・ 夜間保育園を除いた保育所・幼稚園669園を対象にアンケート調査(質問紙法)を実施した。分析にあたって、 運動環境の課題の有無と、幼児の充分な運動量を確保出来ているかという2つの視点を採用し、群分けを 行った。結果として、ハード面における環境の差が明らかになったが、園の方針として運動遊びに力を入 れていることや、年間指導計画を作成して計画的な運動遊びを実施することにより、幼児の充分な運動量 を確保出来る可能性が高いことが示唆された。また、幼児の充分な運動量が確保出来ている園も、そうで はない園も、外部講師等の利用状況に差はみられなかった。そして、外部体育講師のみの運動遊びだけで はなく、保育士による運動遊びの展開も行われていた。運動遊びの内容については、特定の運動遊びの実 施や、運動遊びの達成目標の設定が、幼児の充分な運動量の確保につながっているとはいえない結果を示 していた。園の所有している運動施設や遊具が充実していることは、園の運動環境や幼児の運動量に対す る評価と有意な関連がみられなかった他、所有している運動施設や遊具にはほとんど差はみられなかった。 研究の限界や課題は含まれるものの、今後の保育士養成に活かす資料が得られた他、県内の保育施設に 還元出来る資料が得られた。 Ⅰ.緒 言 現代の生活様式や社会環境はますます幼児の運動機会を減少させる方向に進んでおり、その 後の児童期、青年期への運動やスポーツに親しむ資質や能力の育成の阻害にとどまらず、意欲 や気力の減弱、対人関係などコミュニケーションをうまく構築できないなど、子どもの心の発 達にも重要な影響を及ぼすことも懸念されている。このような状況を踏まえて、文部科学省は 「幼児期の運動指針ガイドブック」(2013年)を作成発行して、幼児期に主体的に体を動かす 遊びを中心とした身体活動を、生活全体の中で確保していくための指針を作成している。 幼児期における家庭内での運動経験の減少の問題と同時に園での生活が長くなる傾向にある 現状を考えると、園での生活充実とともに体験する運動遊びの内容や保育者や外部講師による 運動指導が幼児の心身の健康にとってより重要なものとなる。森等(2004)は、園庭や園舎の 広さなど園の物理的環境は、幼児の運動能力の発達に狭からず、広からずの適切な広さがある ことを指摘している。さらに、園にある施設用具の種類の数でも運動遊具の数量が多い園は運 動能力が高かったことを報告している。また、星野等(2013,2014)は、愛知県内で大学幼児 教育実習先の実習園の運動遊びについて、保育所と幼稚園にアンケート調査を行い、保育所で は外部講師の活用が85%に及ぶこと、またスポーツ教室を実施している幼稚園では器械体操、

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体操、水泳、サッカーが上位を占めていることを報告している。一方、外部指導者の特別な指 導を行っている園ほど子供の運動能力は低く、特別な指導を全く行っていない園ほど運動能力 が高いという杉原等(2004)の報告もある。吉田(2012)は、幼児の健康や体力づくりに高い関 心を持ち、その重要性は認識されているものの、実際の指導は運動指導者に任せ、特定のスポーツ種 目に限定したものや技能の向上を図ることを中心に行う傾向がみられていると指摘している。幼児の 運動能力や体力向上に外部講師の活用は、興味深い関心事であり検討を加えたい。沖縄県内の保育所 (園)や幼稚園では園児が進んで運動遊びに取り組み、体力向上を目的に様々な取り組みが進められ ているとみられるがまとまった研究成果は見られない。唯一、小橋川(2000)が全国調査と行った同 時調査報告で、幼児の遊びの様子と運動能力の関係で、外遊びが多い、遊びの種類が多い、リーダー シップの高い、運動遊びが上手い等に該当する幼児ほど、運動能力は高かったという結果を残してい るのみである。県内において近年の報告は見当たらず、とりわけ幼児の保育所や幼稚園での運動環境 が児童の運動量を確保していくために適正であるのかについては検討がなされていない。そこで本報 告では、園内で実施されている運動プログラム内容や運動遊具、遊具の設置状況などの調査結果をも とに、幼児の運動指導の実態を明らかにして保育科の学生の運動遊びに必要な資質向上を期するため の養成校の授業改善 を目的に行うものである。 Ⅱ.研究方法 1)調査対象と調査時期 沖縄県内の認定こども園・へき地保育所・夜間保育園は除いた保育所・幼稚園669園を対象 にアンケート調査(質問紙法)を実施した(但し、認定こども園・へき地保育所・夜間保育園 は除いた)。なお、調査地区は本県北部(93園)・中部(240園)・那覇(129園)・南部(124園)・ 宮古(40園)・八重山(43園)で、調査対象は、県内公私立保育所(424園)、幼稚園(245園) であった。 アンケート調査は、2017年6月30日に調査用紙を郵送配布し、7月31日までに郵送で回収し た。有効回収率は、59.1%であった。(保育所:60.8%、幼稚園:57.1%)回答した園の運営形態は、 保育園で公立が22.6%、私立が77.4%となっており、幼稚園は公立が83.9%、私立が16.1%となっ ていた。回答者の役職は、保育園で園長・所長が53.7%、主任が17.9%、その他職員が7.0%と なっていた。幼稚園では園長が6.4%、副園長が29.3%、主任が26.4%、その他職員が37.9%となって いた。 2)調査項目 調査項目は、回答者の役職、園の地域、公立または私立等の対象園に関する質問と、園児の 運動遊びに対する質問14項目とした。 3)対象園の分類方法 本研究の目的に合わせて、本調査中に行った2つの質問から対象園を4つの群に分類した。 手続きとして、①「運動環境に課題があると思いますか?」(『かなりそう思う~全くそう思わ ない』の5件法)という質問に対して、『かなりそう思う』『少しそう思う』の回答を合わせて 「課題有り」とし、その他を「課題無し」とした。次に、②『園児の運動量は充分だと感じま すか?』(『充分である』~『不足している』の4件法)という質問に対して、『充分である』『お おむね満たしている』の回答を合わせて「充分」とし、その他を「不充分」とした。その後①

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②の回答の組み合わせから対象園をA~Dの4つの群【A:①課題無し②充分、B:①課題有 り②充分、C:①課題無し②不充分、D:課題有り②不充分】に分類した(表1)。①②の質 問に対する有効回答の得られた保育園241園と幼稚園144園を分析対象とした。 表1 対象園の分類方法 分 類 保育園 n % 幼稚園 n % A型:運動環境に課題がなく幼児の運動量充分 119 49.4% 67 46.5% B型:運動環境に課題はあるものの幼児の運動量充分 55 22.8% 25 17.4% C型:運動環境の課題はないが幼児の運動量不充分 32 13.3% 17 11.8% D型:運動環境の課題がありかつ幼児の運動量不充分 35 14.5% 35 24.3% 合 計 241 100.0% 144 100.0% 3)分析方法 分析対象は、上述の①②の質問に対する有効回答の得られた保育園241園と幼稚園144園を分 析対象とした。各質問項目に対してA ~ D群の比較を行った。分析にあたって、Microsoft Excelで集計を行い、IBM SPSS Statistics ver.24を用いてχ2乗検定を行った。有意水準は5% と した。分析では、質問ごとに有効回答のみを扱い、欠損は除外した。 Ⅲ.結果及び考察 1.園内の運動環境 園内の運動環境に関する5項目の質問について、『かなりそう思う』『少しそう思う』と回答 した園の割合を抽出し、質問毎に各群の比較を行った。その結果、保育園では、「園庭の広さは適 切である」、「遊戯室など運動できる場がある」「運動遊びに力を入れている」の3つの項目に1%水準 で有意差が認められた(表2)。幼稚園では、「園庭の広さは適切である」、「遊戯室など運動できる場 がある」「年間指導計画を作成している」の3つの項目に1%水準で有意差が認められた(表3)。 有意差が認められた項目について、A群がD群を上回るのは事前に予想された結果であった。 運動環境に課題があるB群と運動環境に課題がないC群の比較では、保育園では「運動遊び に力を入れている」、幼稚園では「年間計画を指導している」の項目でB群の割合はC群を大き く上まわっていた他、運動環境に課題の無いA群よりも高い割合であった。以上の結果より、園 児の充分な運動量の確保については、運動環境の要因だけではなく、園の方針として運動遊びに 力を入れていることや年間計画を作成していることが要因となることが推察された。 .

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表2 園内の運動環境(保育園) N=241 A B C D n % n % n % n % 合計 P-value n % 園庭の広さは適切である n=239 81 68.1% 26 47.3% 16 51.6% 14 41.2% 137 57.3% 0.008 ** 近隣に利用出来る公園に恵まれ 84 71.2% 36 66.7% 19 61.3% 17 50.0% ている n=237 156 65.8% 0.133 .n.s 遊戯室など室内で充分な運動遊 88 73.9% 28 50.9% 12 37.5% 16 47.1% びができる場がある n=240 144 60.0% 0.000 ** 運動遊びには 力を入れてい る 75 64.7% 40 72.7% 11 35.5% 18 54.5% n=235 144 61.3% 0.005 ** 運動遊びは年間指導計画を作成 59 51.8% 34 61.8% 13 40.6% 14 40.0% してある n=236 120 50.8% 0.129 .n.s 表3 園内の運動環境(幼稚園) N=144 n A % n B % n C % n D % 合計 n % P-value 園庭の広さは適切である n=144 55 82.1% 14 56.0% 11 64.7% 13 37.1% 93 64.6% 0.000 ** 近隣に利用出来る公園に恵まれ ている n=142 29 44.6% 4 16.0% 4 23.5% 14 40.0% 51 35.9% 0.050 n.s. 遊戯室など室内で充分な運動遊 びができる場がある n=144 53 79.1% 11 44.0% 10 58.8% 18 51.4% 92 63.9% 0.004 ** 運動遊びには力を入れている n=144 44 65.7% 18 72.0% 9 52.9% 17 48.6% 88 61.1% 0.201 n.s. 運動遊びは年間指導計画を作成 してある n=142 34 51.5% 17 70.8% 3 17.6% 12 34.3% 66 46.5% 0.003 ** 2.運動遊びの指導者について 1)運動遊びの保育形態 運動遊びの保育形態について各群で比較を行ったところ、保育園、幼稚園ともに各群に有意 な差は認められなかった。運動環境の違いと保育形態に関連がみられなかった他、保育形態の 違いと幼児の運動量に関連がみられなかった(図1、図2)。吉田(2004)らによると、一斉 保育よりも自由保育を中心とした運動遊びを取り入れている園の幼児の方が、運動能力が高 かったことを報告している。本研究では運動能力は調査していないが、職員による評価として 幼児の運動量が確保出来ているかについて、保育園・幼稚園ともに、運動量が充分確保出来て いるA群とB群では自由保育の割合が若干高くなっているものの、運動量が充分でないC群と D群と比較して有意差はみられなかった。一方で、図から保育園と幼稚園を比較すると、保育 園は幼稚園よりも一斉保育中心の割合が高く、自由保育中心の割合が低くなっており、保育形 態に違いがあることが示唆された。

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図1 運動遊びの保育形態(保育園) 図2 運動遊びの保育形態(幼稚園) 2)外部講師等の活用状況 外部講師等の活用状況について各群で比較を行ったところ、保育園、幼稚園ともに各群に有 意な差は認められなかった。運動環境の違いと外部指導者の活用状況に関連がみられなかった 他、外部講師の活用状況と幼児の運動量に関連がみられなかった(図3、図4)。一方で、図 から保育園と幼稚園を比較すると、保育園は幼稚園よりも体操教室や外部講師を活用している 割合が高いことが示唆された。これは、今回の調査対象園で、保育園の8割が私立だったのに 対して、幼稚園は公立が8割以上だったことが関係していると推察される。

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図3 外部指導者等の活用状況(保育園) 図4 外部指導者等の活用状況(幼稚園) 3)外部体育講師等の招聘目的 体操教室や外部講師を導入している園(保育園:n=115、幼稚園:n=34)に対して、外部講 師等の招聘目的について該当する目的を回答させた(複数回答可)。そして目的毎に該当した 割合を各群で比較した。結果として、保育園、幼稚園ともに各目的について各群で有意な差は 認められなかった(表4、表5)。よって、運動環境の違いや幼児の運動量の違いは、外部講 師等を活用する目的とは関連がみられなかった。また、園の運動環境や幼児の運動量に関わら ず、保育園と幼稚園ともに、外部講師等には園児の体力向上を求めている割合が高いことが示 唆された。その他、幼稚園のn数が少ないため保育園と比べることは出来ないが、保育園では 2割以下ではあるものの、『指導不安』『他の園との差別化』が外部講師等の招聘の目的として挙げ られていた。

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N= 表4 外部講師等の招聘目的(保育園) N=115 A n n=58 % B n n=30 % C n n=11 % D n n=16 % n 合計 % P-value 園児の体力向上 56 96.6% 28 93.3% 9 81.8% 13 81.3% 106 92.2% 0.118 n.s. 保護者からの要望 6 10.3% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 6 5.2% 0.101 n.s. 保育士の指導不安 11 19.0% 8 26.7% 2 18.2% 4 25.0% 25 21.7% 0.832 n.s. 他の園との差別化 12 20.7% 4 13.3% 3 27.3% 1 6.3% 20 17.4% 0.405 n.s. その他 10 17.5% 9 30.0% 5 45.5% 3 18.8% 27 23.7% 0.175 n.s. 表5 外部講師等の招聘目的(幼稚園) N=34 A n n=18 % B n n=8 % C n n=2 % D n n=6 % n 合計 % P-value 園児の体力向上 18 100.0% 7 87.5% 2 100.0% 6 100.0% 33 97.1% 0.341 n.s. 保護者からの要望 1 5.6% 1 12.5% 0 0.0% 0 0.0% 2 5.9% 0.768 n.s. 保育士の指導不安 3 16.7% 0 0.0% 0 0.0% 1 16.7% 4 11.8% 0.596 n.s. 他の園との差別化 1 5.6% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 1 2.9% 0.822 n.s. その他 1 5.6% 0 0.0% 1 50.0% 1 16.7% 3 8.8% 0.128 n.s. 4)外部体育講師のみ実施または保育士も実施 体操教室や外部講師を導入している園(保育園:n=113、幼稚園:n=30)に対して、運動遊 びの際、外部体育講師等のみの実施なのか、または保育士も実施しているのかについて回答さ せた。そして、その回答の割合を各群で比較したところ、保育園、幼稚園ともに各群で有意な 差は認められなかった(図5、図6)。吉田ら(2007)は、外部体育指導者に運動遊びを任せ きりになることで、運動遊びがスポーツ指導に近い内容となることの弊害を危惧しているが、 本研究の対象園ではほとんどの園が保育士による運動遊びも実施していた。 図5 外部講師のみ実施または保育士も実施(保育園)

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N= 図6 外部講師のみ実施または保育士も実施(幼稚園) 5)外部体育講師等を導入しない理由 外部講師等を利用していない園(保育園:n=105、幼稚園:n=97)に対して、外部講師等を 利用しない理由について回答を選択させた。そして、外部講師等を利用しない理由について各 群で比較を行ったところ、保育園、幼稚園ともに5%水準で有意な差が認められた(図7、図8)。保 育園では、幼児の運動量が充分なA群とB群では『経済的理由』の割合が低いが、幼児の運動 量が不充分なC群とD群では『経済的理由』の割合が高くなっていた。よって、C群とD群の ように幼児の運動量が不充分な園では、外部講師等を利用したいが経済的理由で行えていない ことが示唆された。また、幼児の運動量が充分なA群とB群では外部講師を必要としていない ことが示唆された。幼稚園に関しては、A群以外は『経済的理由』と『その他』が占める割合 が多い結果となった。『その他』は幼稚園が公立であることから外部講師は導入出来ない等 の理由 が多くみられた。 図7 外部講師等を利用しない理由(保育園)

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図8 外部講師等を利用しない理由(幼稚園) 3.運動遊びの運動内容 1)外部体育講師等が指導している運動遊び内容 体操教室や外部講師を導入している園(保育園:n=115、幼稚園:n=34)に対して、外部講 師等の運動遊びの内容について実施している内容を回答させ(複数回答可)、実施率の高い順 に並べた。そして運動遊びの内容毎に各群で比較を行ったところ、保育園、幼稚園ともに各群 に有意な差はみられなかった(表6、表7)。園の運動環境の課題と外部講師等の運動遊び実施 内容に関連はみられなかった他、園児の充分な運動量と実施内容にも関連がみられなかった。外部 講師等が多く実施している内容として、保育園では「器械体操」「かけっこ」「体操遊び」が挙げら れ、幼稚園では「器械体操」「ボール遊び」「体操遊び」が上位に挙げられていた。吉田ら(2012)の幼 稚園を対象とした先行研究においても、外部指導者の指導内容の上位に「器械体操」「体操」が挙げられ ており、園の外部指導者に対するニーズとして器械体操や体操の指導があるとともに、保育士の器械体 操や体操の指導に苦手意識や課題があることも推察される。

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表6 外部講師等の運動遊び内容(保育園) N=115 A n n=58 % B n n=30 % C n n=11 % D n n=16 % n 合計 % P-value 1 器械体操 45 77.6% 26 86.7% 9 81.8% 9 56.3% 89 77.4% 0.128 n.s. 2 かけっこ 45 77.6% 10 86.7% 9 81.8% 9 56.3% 89 77.4% 0.193 n.s. 3 体操遊び 33 56.9% 19 63.3% 7 63.6% 5 31.3% 64 55.7% 0.422 n.s. 4 組体操 33 56.9% 10 33.3% 6 54.5% 5 31.3% 54 47.0% 0.095 n.s. 5 ボール遊び 30 51.7% 9 30.0% 7 63.6% 5 31.3% 51 44.3% 0.088 n.s. 6 縄跳び 25 43.1% 10 33.3% 4 36.4% 7 43.8% 46 40.0% 0.815 n.s. 7 フープ遊び 16 27.6% 9 30.0% 6 54.5% 3 18.8% 34 29.6% 0.230 n.s. 8 身体表現遊び 13 22.4% 11 36.7% 1 9.1% 4 25.0% 29 25.2% 0.279 n.s. 9 サッカー 13 22.4% 6 20.0% 2 18.2% 5 31.3% 26 22.6% 0.820 n.s. 10 空手 9 15.5% 4 13.3% 0 0.0% 5 31.3% 18 15.7% 0.164 n.s. 11 鬼ごっこ 10 17.2% 5 16.7% 2 18.2% 0 0.0% 17 14.8% 0.356 n.s. 12 マラソン 7 12.1% 4 13.3% 0 0.0% 0 0.0% 11 9.6% 0.288 n.s. 13 水遊び 8 13.8% 2 6.7% 0 0.0% 0 0.0% 10 8.7% 0.201 n.s. 14 カくらべ遊び 6 10.3% 4 13.3% 0 0.0% 0 0.0% 10 8.7% 0.310 n.s. 15 エイサー 5 8.6% 3 10.0% 0 0.0% 1 6.3% 9 7.8% 0.744 n.s. 16 散歩 3 5.2% 2 6.7% 1 9.1% 0 0.0% 6 5.2% 0.719 n.s. 17 フォークダンス 1 1.7% 1 3.3% 0 0.0% 0 0.0% 2 1.7% 0.820 n.s. 18 剣道 0 0% 0 0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0% n.s. 19 なぎなた 0 0% 0 0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0% n.s. 20 その他 10 17.2% 4 13.3% 0 0.0% 3 18.8% 17 14.8% 0.487 n.s. 表7 外部講師等の運動遊び内容(幼稚園) N=34 A n n=18 % B n n=8 % C n n=2 % D n n=6 % n 合計 % P-value 1 器械体操 11 61.1% 7 87.5% 2 100.0% 3 50.0% 23 67.6% 0.308 n.s. 2 ボール遊び 10 55.6% 5 62.5% 2 100.0% 2 33.3% 19 55.9% 0.398 n.s. 3 体操遊び 7 38.9% 4 50.0% 2 100.0% 3 50.0% 16 47.1% 0.427 n.s. 4 組体操 5 27.8% 5 62.5% 0 0.0% 3 50.0% 13 38.2% 0.220 n.s. 5 縄跳び 7 38.9% 3 37.5% 2 100.0% 1 16.7% 13 38.2% 0.220 n.s. 6 かけっこ 6 33.3% 2 25.0% 1 50.0% 2 33.3% 11 32.4% 0.920 n.s. 7 サッカー 5 27.8% 0 0.0% 0 0.0% 3 50.0% 8 23.5% 0.133 n.s. 8 空手 5 27.8% 2 25.0% 0 0.0% 1 16.7% 8 23.5% 0.810 n.s. 9 水遊び 5 27.8% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 5 14.7% 0.157 n.s. 10 フープ遊び 2 11.1% 1 12.5% 1 50.0% 1 16.7% 5 14.7% 0.528 n.s. 11 鬼ごっこ 4 22.2% 0 0.0% 1 50.0% 0 0.0% 5 14.7% 0.157 n.s. 12 身体表現遊び 3 17% 0 0.0% 1 50.0% 0 0.0% 4 11.8% 0.165 n.s. 13 力くらべ遊び 2 11.1% 1 12.5% 0 0.0% 0 0.0% 3 8.8% 0.795 n.s. 14 マラソン 1 5.6% 0 0.0% 0 0.0% 1 16.7% 2 5.9% 0.596 n.s. 15 エイサー 2 11.1% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 2 5.9% 0.596 n.s. 16 散歩 1 5.6% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 1 2.9% 0.822 n.s. 17 フォークダンス 1 6% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 1 2.9% 0.822 n.s. 18 剣道 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% n.s. 19 なぎなた 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% n.s. 20 その他 3 16.7% 0 0% 1 50.0% 1 16.7% 5 15% 0.329 n.s.

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2)保育士が指導している運動遊び内容 体操教室や外部講師を導入していない園(保育園:n=122、幼稚園:n=105)に対して、保育 士の運動遊びの内容について実施している内容を回答させ(複数回答可)、実施率の高い順 に 並べた。そして運動遊びの内容毎に各群で比較を行ったところ、保育園では、体操遊びと空手 に5%水準で有意差が認められた(表8)。幼稚園では、マラソンに1%水準で有意差が認めら れ、エイサー、サッカーに5%水準で有意差が認められた(表9)。有意差のあった項目におい て、運動環境に課題があるB群とD群を比べると、保育園「体操遊び」、幼稚園「サッカー」 「体操遊び」の項目において、B群の割合はD群を大きく上まわっており、保育士による体操 遊びやサッカーの実施がB群の幼児の充分な運動量の確保と関係する可能性が統計上示唆され た。また、保育士が多く実施している内容として、保育園では「散歩」「水遊び」「エイサー」が 挙げられており、エイサーの実施率が高く、沖縄県内の特徴ともいえる傾向がみられた。幼稚園で は「縄遊び」「フープ遊び」「水遊び」が上位に挙げられていた。 表8 保育士の運動遊び内容(保育園) N=122 A n n=59 % B n n=25 % C n n=20 % D n n=18 % 合計 n % P-value 1 散歩 59 100.0% 23 92.0% 19 95.0% 17 94.4% 118 96.7% 0.237 n.s. 2 水遊び 59 100.0% 22 88.0% 19 95.0% 17 94.4% 117 95.9% 0.085 n.s. 3 エイサー 54 91.5% 24 96.0% 19 95.0% 17 94.4% 114 93.4% 0.866 n.s. 4 かけっこ 56 94.9% 24 96.0% 17 85.0% 16 88.9% 113 92.6% 0.401 n.s. 5 フープ遊び 57 96.6% 23 92.0% 17 85.0% 15 83.3% 112 91.8% 0.190 n.s. 6 ボール遊び 56 94.9% 22 88.0% 16 80.0% 16 88.9% 110 90.2% 0.262 n.s. 7 縄跳び 54 91.5% 23 92.0% 18 90.0% 14 77.8% 109 89.3% 0.389 n.s. 8 鬼ごっこ 53 89.8% 23 92.0% 15 75.0% 14 77.8% 105 86.1% 0.212 n.s. 9 器械体操 47 79.7% 20 80.0% 15 75.0% 15 83.3% 97 79.5% 0.937 n.s. 10 身体表現遊び 49 83.1% 21 84.0% 13 65.0% 11 61.1% 94 77.0% 0.106 n.s. 11 体操遊び 29 49.2% 17 68.0% 13 65.0% 5 27.8% 64 52.5% 0.040 * 12 マラソン 27 45.8% 10 40.0% 7 35.0% 5 27.8% 49 40.2% 0.544 n.s. 13 力くらべ遊び 16 27.1% 13 52.0% 7 35.0% 6 33.3% 42 34.4% 0.185 n.s. 14 サッカー 21 35.6% 6 24.0% 8 40.0% 4 22.2% 39 32.0% 0.482 n.s. 15 組体操 16 27.1% 7 28.0% 7 35.0% 5 27.8% 35 28.7% 0.925 n.s. 16 フォークダンス 11 18.6% 4 16.0% 5 25.0% 3 16.7% 23 18.9% 0.877 n.s. 17 その他 11 18.6% 4 16.0% 3 15.0% 2 11.1% 20 16.4% 0.893 n.s. 18 空手 4 6.8% 2 8.0% 3 15.0% 6 33.3% 15 12.3% 0.022 * 19 なぎなた 1 1.7% 1 4.0% 0 0.0% 0 0.0% 2 1.7% 0.685 n.s. 20 剣道 0 0.0% 1 4.0% 0 0.0% 0 0.0% 1 0.8% 0.271 n.s.

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表9 保育士の運動遊び内容(幼稚園) N=105 A n n=47 % B n n=17 % C n n=12 % D n n=29 % n 合計 % P-value 1 縄跳び 47 100.0% 17 100.0% 12 100.0% 29 100.0% 105 100.0% 2 フープ遊び 47 100.0% 17 100.0% 12 100.0% 29 100.0% 105 100.0% 3 水遊び 44 93.6% 17 100.0% 12 100.0% 29 100.0% 102 97.1% 0.283 n.s. 4 かけっこ 45 95.7% 15 93.8% 11 91.7% 29 100.0% 100 96.2% 0.555 n.s. 5 ボール遊び 43 91.5% 17 100.0% 12 100.0% 27 93.1% 99 94.3% 0.473 n.s. 6 鬼ごっこ 40 85.1% 16 94.1% 11 91.7% 29 100.0% 96 91.4% 0.153 n.s. 7 器械体操 34 72.3% 14 82.4% 7 58.3% 23 79.3% 78 74.3% 0.448 n.s. 8 身体表現遊び 38 80.9% 13 76.5% 5 41.7% 21 72.4% 77 73.3% 0.055 n.s. 9 エイサー 39 83.0% 14 82.4% 6 50.0% 18 62.1% 77 73.3% 0.043 * 10 サッカー 32 68.1% 16 94.1% 7 58.3% 16 55.2% 71 67.6% 0.046 * 11 散歩 28 59.6% 11 64.7% 6 50.0% 22 75.9% 67 63.8% 0.364 n.s. 12 マラソン 17 36.2% 11 64.7% 4 33.3% 13 46.4% 45 43.3% 0.192 n.s. 13 体操遊び 18 38.3% 11 64.7% 2 16.7% 5 17.2% 36 34.3% 0.005 ** 14 フォークダンス 17 36.2% 7 41.2% 2 16.7% 9 31.0% 35 33.3% 0.530 n.s. 15 力くらべ遊び 15 31.9% 5 29.4% 2 16.7% 11 37.9% 33 31.4% 0.611 n.s. 16 組体操 9 19.6% 2 11.8% 1 8.3% 4 13.8% 16 15.4% 0.728 n.s. 17 その他 7 15.2% 0 0.0% 1 8.3% 6 20.7% 14 13.5% 0.227 n.s. 18 空手 5 10.6% 2 11.8% 0 0.0% 2 6.9% 9 8.6% 0.636 n.s. 19 剣道 0 0.0% 0 0.0% 1 8.3% 0 0.0% 1 1.0% 0.050 n.s. 20 なぎなた 1 2.1% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 1 1.0% 0.742 n.s. 3)運動遊び内容と達成目標 運動遊びの7つの内容において、達成目標を設定している割合を各群で比較したところ、保 育園では各項目において各群に有意差は認められなかった(表10)。幼稚園では、雲梯において 5%水準で有意差が認められた(表11)。幼児の充分な運動量が確保出来ているA群とB群、運 動環境に課題がないC群が達成目標を設定している割合が高くなることが予想されたが、D 群 が他の3群のいずれかを上回る項目が多く、幼稚園においては全項目においてD群が最も多い 割合だった。以上の結果より、達成目標を設定していることが園児の充分な運動量につながっていると はいえないことが示唆された他、運動環境の課題の有無が達成目標の設定に影響を及ぼしているとはい えないことが示唆された。 表10 達成目標が設定されている運動遊び(保育園) N=237 A n n=117 % B n n=55 % C n n=31 % D n n=34 % n 合計 % P-value マット運動 32 27.4% 19 34.5% 5 16.1% 8 23.5% 64 27.0% 0.300 n.s. 跳び箱 53 45.3% 28 50.9% 10 32.3% 18 52.9% 109 46.0% 0.311 n.s. 鉄棒 44 37.6% 24 43.6% 8 25.8% 8 23.5% 84 35.4% 0.156 n.s. 竹馬 36 30.8% 20 36.4% 6 19.4% 14 41.2% 76 32.1% 0.246 n.s. 縄跳び 55 47.4% 25 45.5% 12 38.7% 11 32.4% 103 43.6% 0.421 n.s. 雲梯 21 17.9% 10 18.2% 2 6.5% 4 11.8% 37 15.6% 0.374 n.s. マラソン 20 17.1% 5 9.1% 3 9.7% 2 5.9% 30 12.7% 0.224 n.s. その他 8 6.8% 5 9.1% 0 0.0% 3 8.8% 16 6.8% 0.398 n.s.

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表11 達成目標が設定されている運動遊び(幼稚園) N=144 A n n=67 % B n n=25 % C n n=17 % D n n=35 % n 合計 % P-value マット運動 6 9.0% 3 12.0% 0 0.0% 6 17.1% 15 10.4% 0.273 n.s. 跳び箱 14 20.9% 5 20.0% 2 11.8% 9 25.7% 30 20.8% 0.714 n.s. 鉄棒 18 26.9% 9 36.0% 3 17.6% 14 40.0% 44 30.6% 0.310 n.s. 竹馬 32 47.8% 13 52.0% 5 29.4% 19 54.3% 69 47.9% 0.381 n.s. 縄跳び 35 52.2% 16 64.0% 8 47.1% 23 65.7% 82 56.9% 0.409 n.s. 雲梯 16 23.9% 9 36.0% 3 17.6% 17 48.6% 45 31.3% 0.040 * マラソン 6 9.0% 3 12.0% 1 5.9% 7 20.0% 17 11.8% 0.340 n.s. その他 12 17.9% 4 16.0% 0 0.0% 6 17.1% 22 15.3% 0.317 n.s. 4.運動施設・遊具 設置型遊具、大型移動遊具、小型移動遊具で分類された運動施設・遊具について、園が所有 しているものについて、3つの型毎に所有率の高い順に並べた。そして、それぞれの所有率に ついて各群の比較を行ったところ、保育園では「マット」に5%水準で有意差が認められ、幼 稚園では「砂場」、「平均台」に5%水準で有意差が認められた(表12、表13)。運動環境に課題 があるB群・D群の割合が低くなることが予想されていたが、有意差のあった項目、または他 の項目をみてもそのような傾向はみられなかった。また、運動環境に課題が無く幼児の運動量 も充分に確保出来ているA群が他の3群よりも高い割合を示すことも予想されたが、有意差の あった保育園の「マット」と幼稚園の「平均台」においてはその傾向はあるが、B群の割合と ほとんど差が無い。以上より、園が所有する運動施設・遊具は、園の運動環境の課題を感じて いることと幼児の充分な運動量の確保にほとんど影響を及ぼしていないことが示唆された。 表12 所有する運動施設・遊具(保育園) N=241 A n n=119 % B n n=55 % C n n=32 % D n n=35 % n 合計 % P-value 砂場 プール 設置型 鉄棒 遊具 雲梯 複合アスレチック遊具 ジャングルジム 土山 111 106 92 50 42 31 37 93.3% 89.1% 77.3% 42.0% 35.6% 26.1% 31.1% 51 44 39 19 10 15 12 92.7% 80.0% 70.9% 34.5% 18.2% 27.3% 21.8% 31 25 21 11 8 12 6 96.9% 78.1% 65.6% 35.5% 25.0% 37.5% 18.8% 32 27 25 12 8 8 8 91.4% 77.1% 71.4% 34.3% 22.9% 22.9% 22.9% 225 93.4% 0.829 n.s. 202 83.8% 0.177 n.s. 177 73.4% 0.538 n.s. 92 38.3% 0.714 n.s. 68 28.3% 0.088 n.s. 66 27.4% 0.549 n.s. 63 26.1% 0.370 n.s. マット 平均台 大型移動 跳び箱 遊具 技巧台 トランポリン 117 110 108 64 61 98.3% 92.4% 90.8% 53.8% 51.3% 54 49 51 28 29 98.2% 89.1% 92.7% 50.9% 52.7% 28 28 26 17 13 87.5% 87.5% 81.3% 53.1% 40.6% 34 33 33 12 12 97.1% 94.3% 94.3% 34.3% 34.3% 233 96.7% 0.020 * 220 91.3% 0.681 n.s. 218 90.5% 0.253 n.s. 121 50.2% 0.233 n.s. 115 47.7% 0.228 n.s. フープ 115 96.6% 54 98.2% 31 96.9% 34 97.1% 234 97.1% 0.955 n.s. ボール 114 95.8% 52 94.5% 32 100.0% 32 91.4% 230 95.4% 0.398 n.s. 小型移動縄 108 90.8% 51 92.7% 28 87.5% 28 80.0% 215 89.2% 0.242 n.s. 遊具 竹馬 84 70.6% 42 76.4% 22 68.8% 29 82.9% 177 73.4% 0.442 n.s. 大型積み木 70 58.8% 26 47.3% 15 46.9% 16 45.7% 127 52.7% 0.313 n.s. 手づくり遊具 22 18.5% 11 20.0% 3 9.7% 4 11.4% 40 16.7% 0.474 n.s.

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表13 所有する運動施設・遊具(幼稚園) N=144 A n n=67 % B n n=25 % C n n=17 % D n n=35 % n 合計 % P-value 砂場 鉄棒 雲梯 設置型 プール 遊具 ジャングルジム 複合アスレチック遊具 土山 66 59 50 46 33 28 12 100.0% 88.1% 74.6% 68.7% 49.3% 41.8% 17.9% 23 20 17 15 12 5 3 92.0% 80.0% 68.0% 60.0% 48.0% 20.0% 12.0% 15 13 12 7 3 5 6 88.2% 76.5% 70.6% 41.2% 17.6% 29.4% 35.3% 35 27 24 19 14 12 7 100.0% 77.1% 68.6% 54.3% 40.0% 34.3% 20.0% 139 97.2% 0.015 * 119 82.6% 0.443 n.s. 103 71.5% 0.89 n.s. 87 60.4% 0.166 n.s. 62 43.1% 0.116 n.s. 50 34.7% 0.253 n.s. 28 19.4% 0.294 n.s. マット 跳び箱 大型移動 平均台 遊具 技巧台 トランポリン 64 61 54 41 18 95.5% 91.0% 80.6% 61.2% 26.9% 22 20 20 11 8 88.0% 80.0% 80.0% 44.0% 32.0% 16 15 8 6 3 94.1% 88.2% 47.1% 35.3% 17.6% 31 30 23 16 5 88.6% 85.7% 65.7% 45.7% 14.3% 133 92.4% 0.492 n.s. 126 87.5% 0.539 n.s. 105 72.9% 0.025 * 74 51.4% 0.149 n.s. 34 23.6% 0.335 n.s. フープ 66 98.5% 23 92.0% 17 100.0% 35 100.0% 141 97.9% 0.138 n.s. ボール 66 98.5% 23 92.0% 15 88.2% 33 94.3% 137 95.1% 0.263 n.s. 小型移動 竹馬 65 97.0% 23 92.0% 17 100.0% 32 91.4% 137 95.1% 0.399 n.s. 遊具 亀 64 95.5% 22 88.0% 16 94.1% 34 97.1% 136 94.4% 0.455 n.s. 大型積み木 48 71.6% 17 68.0% 11 64.7% 22 62.9% 98 68.1% 0.821 n.s. 手づくり遊具 14 20.9% 4 16.0% 3 17.6% 2 5.7% 23 16.0% 0.263 n.s. Ⅳ.まとめ 本報告は、保育科の学生の運動遊びに必要な資質向上を期するよう養成校の授業改善に活用 することを目的に、沖縄県内の保育所(園)・幼稚園を対象に運動遊び環境について実態調査 を行った。本報告において特に明らかになったことについて下記をまとめとしたい。 1.園の運動環境について 園庭の広さや運動遊びが出来る遊戯室の有無等、県内の保育園、幼稚園においてハード面に おける環境の差が明らかになった。しかし、園の運動環境に課題があったとしても、園の方針 として運動遊びに力を入れていることや、年間指導計画を作成して計画的な運動遊びを実施す ることにより、幼児の充分な運動量を確保出来る可能性が高いことが示唆された。 2.運動遊びの指導者について 外部講師等の活用が、園の運動環境に対して課題を感じているかに影響を与えていることが 予想されたが、本研究の結果からは関連がなかった。幼児の充分な運動量が確保出来ている園 も、そうではない園も、外部講師等の利用状況に差はみられなかった。また、ほとんどの園が 外部体育講師のみの運動遊びだけではなく、保育士による運動遊びの展開が行われていた。 現在、外部講師等を活用していない園について、幼児の運動量が充分ではない保育園では、 外部講師等に対する希望はあるが、経済的理由等で導入出来ていない園が多くみられた。逆に 幼児の運動量が充分な保育園では、保育士の指導が望ましいと多くの園が感じていた。以上の 結果は、保育園において保育士の運動遊びの指導が充実したものであれば、幼児の充分な運動 量の確保につながる可能性が高いことを示唆している。ただし、本研究では外部講師等の活用 が幼児の運動量に影響を及ぼしているかについては明らかにしておらず、外部講師等の活用効 果がみられないという結論では無いことを記しておく。

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3.運動遊びの運動内容について 園が運動環境に課題を感じているか否かは、運動遊びの実施内容に影響を及ぼしていなかっ た。「体操遊び」と「サッカー」の実施は、幼児の充分な運動量の確保に影響する可能性はあるが、他の遊 び内容も含めて検討すると、特定の運動遊びの実施が幼児の運動量に影響しているとはいえない結果であっ た。 また、運動遊びの達成目標の設定が、幼児の充分な運動量の確保につながっているとはいえ ない結果を示していた。また、達成目標が設定されている運動遊びの上位は、保育園で「跳び箱」、 「縄跳び」、「鉄棒」となっており、幼稚園では「縄跳び」「竹馬」「雲梯」となっていた。これらのう ち、「跳び箱」、「縄跳び」、「鉄棒」等の運動遊びについては、本調査の自由記述の中で、安全指導の配慮 と発達段階に応じた運動指針(目安)の重要性が指摘されており、知識力と実践力を保育士養成校へ の期待する意見が多く見られた。また、幼児教育の運動遊び指導は、幼児が主体的に遊ぶ中で 心身の健康が結果として身につくということが肝要であり、保育者自身が幼児とともに遊ぶこ とが基本であり、養成校の保育士自身が運動遊びに夢中に取り組む姿勢と資質づくりが育まれ なければならないとの指摘も、今後の授業改善に活かしていく必要がある。 4.運動施設・遊具について 園の所有している運動施設や遊具が充実していることが、園の運動環境に課題がないと感じ る要因となることが予想されたが、本研究の結果からはそのような傾向はみられなかった。ま た、幼児の運動量が充分な園も不充分な園も所有している運動施設や遊具にはほとんど差はみ られなかった。この結果は本研究の対象となった園において、施設の充実具合や遊具の充実具 合等に代表される園のハード面の評価によって、園の職員は自らの園に運動課題があるか否か を判断しているわけでは無いことを示唆している。また、同様にハード面の充実が、子どもの 充分な運動量の確保につながっているとはいえないことが結果からうかがえる。 5.本研究の成果・課題と今後にむけて 本研究では、運動環境の課題の有無と、幼児の充分な運動量を確保出来ているか、という2 つの視点から、県内の保育園と幼稚園における運動遊びの実態を調査した。結果として、園の ハード面の充実度が、運動環境の課題や幼児の運動量に影響を及ぼしているとはいえない結果 であった。逆に、園の方針として運動遊びを重視することや、年間指導計画の元に計画的な運 動遊びの取り組みが、運動環境の課題の解消と、幼児の充分な運動量の確保と関連しているこ とが明らかになった。この結果は、例え園の施設面で多少の不自由さがあったとしても、園の 方針や職員の努力によって、園児の運動遊びの改善とさらなる充実につながる可能性があるこ とを示したものであり、有益な成果だといえるのではないだろうか。 ただし、本研究の限界として、今回の調査ではどの質問も職員の1人が主観を元に回答して いると考えられる。よって、運動環境に課題の有無についても、一人の職員による評価でしか ないことに加え、園の広さや施設について客観的な基準等を設定したわけではない。幼児の運 動量についても、実測したわけではなく、あくまで回答した職員による評価となっている。よって、 今回の結果は園及び幼児の実態を正確に表したものとはいえないものであり、研究の課題と限界に相 当する部分は含まれている。しかし、正確といえないものの、日常的に園と子どもを観察している職 員による評価は限りなく現状を反映したものだと推察され、自由記述に記さ

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れた真摯で真剣な記述からも調査への協力は充分であり、今回の結果は県内の幼児の運動遊び の実態に近い資料だといえるのではないだろうか。 今後は、本研究で得られた成果を保育士養成に活かすとともに、県内の保育施設および幼児 教育施設等に還元を行っていくこととする。 1) 沖縄キリスト教短期大学,2) 琉球大学健康づくり支援プロジェクトLib,3) 琉球大学教育学部 参考文献 1)文部科学省幼児期運動指針策定委員会(2015)『幼児期運動指針』 2)小橋川久光(2000)「幼児期における運動能力の発達」琉球大学教育学部紀要第56集 pp.203-209 3)森司朗・杉原隆・吉田伊津美・近藤充夫(2004)「園環境が幼児の運動能力に発達に与え る影響」 体育の科学 Vol54 No4 pp.329-337 4)星野秀樹・国藤真理子・太田由美子・朴賢昌・富田健広(2013)「幼稚園における運動遊び・ 体育指導の実態について」 日本保育学会第66回大会発表要旨集 p.494 5)星野秀樹・太田由美子・国藤真理子・高雄淳子・朴賢昌(2014)「保育所における運動遊び・ 体育指導の実態」 日本保育学会第66回大会発表要旨集 p.944 6)吉田伊津美・岩崎洋子(2012)「幼稚園における運動指導の実態と教員の運動指導に対す る意識」 東京学芸大学紀要 総合教育科学系Ⅰ 63. pp.107-113 7)吉田伊津美・杉原隆・森司朗(2012)「幼稚園における健康・体力づくりの意識と運動指 導の実態」 東京学芸大学紀要 総合教育科学系 58. pp.75-80 8)吉田伊津美・杉原隆・森司朗(2004)「保育形態および運動指導の実態が運動能力に及ぼ す影響」 日本保育学会大会発表論文集 57. pp.526-527 謝 辞 最後に、多忙の中での調査協力に対し各保育園や幼稚園に対して深謝する次第である。回答 の中から保育現場での積極的な取り組みや厳しい現状についても垣間見ることが出来た。幼児 が自発的に体を動かす機会を提供していくためには、園として運動遊びに力を入れ、計画的に 実施する必要がある他、施設や用具を含む運動遊び環境の整備、外部講師の活用についての検 討、加えて保育者の資質向上が求められていくことであろう。また、養成校においても、現場 で実践されている運動遊び内容を検討した上で、養成校での授業計画や授業実践に活かしてい くことが望まれる。

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参照

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