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総合病院で血液透析を導入した患者の転院時の不安

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(1)

液 透

転院

川上

由香

山下裕紀

秋永美津

* ,

神戸市看護大学

西神医療ン タ

      要   旨  わ が国の血液透析患 者は

医療技術の進 歩に伴い年々直線 的に増加して いる

本研究で協力を得た総合病 院で も

維持 期の患 者に は

他 施設へ の転 院を依頼す ること が不 可欠であ る

し か し な が ら

生活のペ

スをっ か み か け て い る こ の時期の患 者に と

転院は簡単なことではな く躊躇や不安を口 にする者も少な くない。   そこで本 研 究では

転 院に関 する不 安 を 明 らかにするた め

転 院 予 定 患 者

9

名 と すで に転 院 した 患 者10名に半 構 成 的 面 接 を 実 施 し

質 的 帰 納 的に分 析 した

 その結果

転院前

転院後の患者に共通して見ら れ たパ タ

ン と して

〈転 院につ い て の 思 い〉は

自分の身体へ の自信の程 度 と

〈 こ こ は良い け ど向こ う は ど う か 〉 と い う他施設に対す る不安の程度に関係し て い る こ と が明ら か に な

た。 転 院前の患 者で

が ん な どのため臼分の身体に自信が な く

他施設の医療や看護に不信感 を抱いてい る者は

転院 を 「嫌 だ 」 と述べ

<不 安へ の対 処〉 と して 「抵 抗 す る 」 という対 処 法 を 用いていた

岡 様に転 院 後の患 者 も腎 不 全 以 外の疾 患 を もっ 者 は

転院を 「追 い出 さ れ た 」 と捉 え

今 な お 憤 りは続いているようであっ た

 

転 院前後の患 者の語 りを比較し た結果

転院の準 備性にっ い て は違い が見ら れ た

転 院後の患者で自分の身体に自信が あ り

ど こ で透析を受けて も同じ である と考え て い た 5名は

「す ぐ出ようと 思っ た」と述べ

積極的に転 院の準備を していた。 これに対 し

転 院 前の患 者は

人 も転 院 を 前 向 きに検 討し ていな か

転 院 前の患者は

転 院の説 明 を受 けて いたが

その情 報はいつ

こへ いっ た具 体 性に欠 けて いた ため不 安 だ けが 募 り

患 者はく不 安へ の対 処〉として 「触 れ ない」とい う対 処 法 を 用い て いた

今後転 院を支援するためには

転 院の基準の明確化とそ の透明性が重要で ある

また

看護 師は

転院先 施設の 医療の質に関する正確な情 報を提供し

転院が患者にとっ てどのような意 味が あ るのか を共に考えて い く必要が あ る。 キ

ド:血 液 透 析

転 院

不 安

質 的 研 究

1

は じ めに  わ が国の透析 患者は

医療 技 術の進 歩に ともない年々 直線 的に加 して い る。 2002 年に透析導入 した患者は

33,

710

名に のぼ り

今 後 も人口の高 齢 化に伴い

透 析 導 入 患者の増 加に

層拍車が か か る と予 測さ れ る (中 井 他

,2004

 本研 究で協 力を得た総 合 病 院で は

8年 間で約370 名の透析導入 患者を受け入れて きた。 月平均にすると 4 名の患者に透析を導入して い る ことに なり

それは 維持期に入り安 定して い る患者に は他施設へ 転院依 頼が不 可 欠なこと を意 味 する

し か し な がら

生 活の ペ

スをっ か み か けて い るこ の時期の患者に とっ て

転 院は簡単なことで は な く躊 躇や不 安 を口 にする者も 少なくない。  先行研究で は

透析導入か らの 過年数に より

心 理 的 変 化 が どのように生 じるか が 明 らかにされてお り

透析年数が浅い ほ ど不安が強く (浅井他

1973 ;土居 他

1997)

透 析 歴が長 くな るにっ れて生 活へ の適 応 が良くな る (横 山他

1987;志 自岐他

1992)と いう。 正木ら (1990)は

血 液透析導入後 1 年 未満の

入退院のり返 しや食事の制限がス トレ ッ サ

と して 有 意に高い こと を見 出し

導 入 期か ら維持期にか けて は

透析にする学習

社会 復 帰へ の努 力

透 析 生 活 と社 会 生 活の両 立 等の多 くの課 題の中で

食 事の 自 己 管理 を覚え, 慣れ る まで にス トレ ス を 認 知 する か らで は ないか と指 摘 して い る

こ のような時 期に勧められ て き た転院は

患者に とっ て は大き な環境の変 化で あ ると考えられる。 その

機能分 化

医療者に とっ て は当然の流れ

シス テ ムの

っ に過ぎ ない も の と捉え ら れ てきたので は ないだろうか

 ところ が近 年

透 析を導 入 する患 者は合 併 症を持ち 合わ せて い ること が多く

総合病 院での 維持透析を強 く望み

その結 果

総 合 病 院の ス タッ フが

紹 介 先の 施 設の ス タッ フと患 者との狭 間で

その 仲裁役に神経 を す り減 ら す と指 摘さ れ てい る (上田

2001)

こ の ように

どの施 設に

どのタイ ミングで転 院する か は 患者に とっ て極め て重要な課題であると同時に 医療 者に とっ て も非 常に気が か り な事柄になっ て きて い る と言え る だ ろ う。

(2)

12  神戸市看護大学 紀要 Vol

 g

2005  これ までの ところ

転 入 患 者の受 け入 れ 体 制の評 価 (加 藤 他

2004 )や

施 設 問の し送 りテ クニ ッ クに っい て の解 説 (鈴 木 他 2002;藤田

2002)はあるが

転 院に関 する患者の意 向や考え を取 り上げた研究は な く

患者のニ

ズ はかにされて いない 以 上の こ と か ら

本研究の目的は

転院前の患者と転 院後の 者を対象者と し

転 院に関する不 安や気が か り

転 院 後の思いを 明 らかにす ること と した。

ll,

方   法 1

研究対 象 者   本研究は

患者の転院に関 する不安やニ

ズ を よ  り深 く理解する た め質的帰納 的研究方法を用い  象者を 2っ の群か ら得た。 ひ とっ は

現 在は血 液 透  析 (以 下 透 析 ) を導入 した総合病院で受 けて いるが

 今 後 他施 設へ 転 院 す可 能 性

も うひ と  つ はすでに他 施 設へ 転 院透 析 を 受て い  る

これに より

転 院 前の患 者が転 院に対 し現 在ど  のよ う な思い を抱いて い る かを知る こ と に加え

実   際の転 院体 験を通して患 者が感 じ たこと や求めて い  た援 助

そ して転 院後の思い を知ること がで き る と  考え た。   対象者は

状態が比較的安定して お り

透析 中に  血 圧 低 下 やテ タニ

症 候 群い っ た副 作 用 症 状の出  現頻度が低く, 主治 医の承諾を得た患者と し た。 2

タ収集    デ

タ収 集は,

2003

5

〜7

月に行っ た。 対象  者 1 名にっ き 1

イン タビュ

ガ イ ド に基 づい て  半 構 成 的面 接 を実 施 した。 イン タビュ

で は

転 院  にっい て いっ誰から説 明 を 受 け た か

その時 ど う感  じた か

特に不安に思っ たこと は何か

その他透析  に いた るまで の経 過や透 析 を しな が らの生 活 等にっ  いて自由に話して も らっ た。 面 接は透析開姶か ら約   1時 間 後に 対 象者の血 圧 等, 状態 が 安定して い る  こと を確認 し た上で行っ た。

3 .

分 析 方 法    インタビュ

内容は

対象者の 許 可を得て テ

プ   録 音し

逐 語 録 を作 成 した。 こ の逐 語 録 を 繰 り返 し  読み, 全体の語りの流れ をつ か み な が ら

転院に関  する象 者の思いや考えを中心に分 析 を進め た

夕の検 討は研 究 者

4

名で行い

信 頼 性 と妥 当性 を 高 め ることに努め た。

4 ,

倫 理 的配慮    神戸市看護 大学倫理審査 委 員 会で承 認 を得た研 究  依 頼書にづ き

対象者に研究の 目的

方法を説明  し た。 参加はあく ま でも自由意 思に よ るものであり

  研 究に参 加 しない場 合で も

現 在の治 療 や 看 護に不  利益が ない こと

途中辞退 も可能で あ るこ と

参加   決 定に際 し時 間 を 要 する場 合には

それ を保 証 する  こと を説明し

署名に よ る同意を得た。     研 究 協 力の依 頼 及びイ ン タビュ

対 象 者がよ  り率直にれ る ように

ケア に携わ ら ない研究者が  行い 情報匿名性を保持することを約 束した。 イ  ンタ ビュ

中は対 象 者の状態に十分 注意 し

少しで  も疲労が伺わ れた場合に は イ ンタビュ

の継続 が 可   能か どうか を確 認し た上で

イン タビ

ュー

を終 了し  た

ま た

転 院 前の対 象 者に対 して は

こ のイン タ  ビュ

が転 院 を 決 定 する判 断材 料に は ならない こと  を明確に説明し

心理的圧 迫に な ら ないよ う に努め  た

結   果   本 研 究の対 象 者は

現 在 は 総 合 病 院で透 析を受 けて いる が

今後他施 設へ 転院 す可能性が あ る成人

9

名と すで に他施設へ 転 院し た成 人 患者 10名であっ た。 年 齢は

36

76歳 (平 均63 歳)

透析 期 間は

4 ヶ月

〜7

6

ヶ月 (平均

2

9

ヶ月)であっ た

(表 ) 面 接 時 間は 1人20

90分 (平均66分)で あっ た。

1

  カ テ ゴ リ

の説 明    転院に関する患者の思いや対処にっ い て分 析し た   結 果

転 院前の患 者の語り か らはく転 院 話の受 け と  め 〉 〈 こ こ は良い け ど向こうは どうか 〉 <転 院につ  いての思い 〉 〈安へ の対 処〉 <保 証 しても らえ る  な ら〉 の5カテ ゴ リ

転院後の患 者の語 りか ら  は〈転院を勧め ら れた 時の 思 い〉 〈転 院 先 を 選 ん だ   理 由〉 〈転 院 してか らの思い 〉 の

3

カ テゴ

が抽  出さ れ た (図 )。 以下

各カテ ゴ リ

  例 を 示 しな が ら説 明 する。 典 型 例には

それ を 語っ  た対 象者の仮 名 (男性

女 性は

さ ん

),   現 在の年 齢

転 「完の前 後を付 記 した

なお

カ テ ゴ

(3)

総合病院で血 液透 析を導入し た患者の転院 時の不安   

13

転 院 前

五 車 院 後 1

転 院 話の受けとめ 自分の ことで はない ま だ

大丈 夫    次 は自分 身 体 に対 す る 自信

3

転院につい ての 思い 仕 方ない わ かって い る けど出て行 け ない 嫌だ 自 分で選 ぶ 信 じて行 く 抵 抗す る 触 れ な い 4

不安への 対 処

2

こ こは良いけ ど   向こうはど う か 看 護 師 の 関わり 医療の質 生活 リズムへ 影響 6

転 院 を勧め られた時の思い すぐ出 ようと 思った 出る しかなかった 追い出され た 7

転 院先 を選 ん だ 理由 医療者

家族の 後押し 8

転院して か ら の 思 い 転 院 前 の 病 院 とのつな が り こ こが 良 い     こ こで 良 い   どち らでも 良 い   向こうが 良 い 医 療 の 質 厚 生 医 療 交 通 手 段 図   血液透析を導入 した患 者の転 院に関 す るカテゴリ

はく 〉

サ ブ カテ ゴ リ

は 「」で表 記し た。

1

)〈転 院 話の受 け と め〉   これは

患 者が どのように医 療 者からの転 院の  説 明を受け とめてい る かを示して おり 「自分の こ  と で はない」 「まだ

大丈夫 」 「次は自分 」の

3

通  り に分か れ た。 医療者は ど の患者にも概ね同じ よ  うに転 院の説 明を して いた が こ の説明を式 的  なもの と受けと めて いた者は

転院を 「自分の こ  とでは ない」 と捉 えていた。 ま た

今す ぐで はな  い と解釈して い た者は 「ま だ

大丈 夫 」と捉えて   おり

具 体 的に転 院日を考え る よ う促さ れ た者は  「次は自 分 」と捉えて いた。    5 氏のか ら は, 医療者や先輩患者か ら転 院  の説 明は聞い て お り

いっ 自分の番が来る か とい  う不安と

自分は 「ま だ

大 丈夫」と い う揺れ動   き が 伺 わ れる

(5氏

50

歳 転 院 前 )  以前, 看 護婦さ ん が, 今こうい う話になっ て るか ら声を かけ られるかもわ か らんから心の準 備だけ は しとっ て よっ て言わ れ たりし ま し た。 その時は嫌や っ て言っ たりして ま し た け ど ね。 先 輩 達 がね

ここ は何ヶ月 か した ら出 されるん やから

そのっ も りで皆おらなあか ん よっ て。 で, 何人か が先生か らよそ に転院して くれ る かっ て言 われ る のを見た ら

(自分も) 言わ れるん ちゃ う ん か なっ て ドキ ドキ して ま し た ね 結局 僕は 1回 も言わ れて ま せ ん か ら。 2)〈 こ こは良いけど向こうは どう か〉   こ れ は, 転 院に対する患者の不安 を 表わ し て お   り

「看 護 師の関 わ り」「医 療の質 」「生 活リズ ム  への影響」で構成さ れていた。 7 名と最も多くの   患 者 が 転 院にっ いて不 安であると述べ た 内容は

 他 施 設の 「看 護 師の関わ り」であっ た。 患者は自  己管 理 が甘いに注 意 を促 す 現 在の看 護 師の関 わ  り を

叱っ て くれ る

と表現し

看 護師が仕 事と  割り切らずに常に自分達の ことを考え て くれ ている  か らこ の ような関 わり がで きる のだ と捉えて いた。    透析と い う ものを 全然知 らな か っ たと話す8 氏  は

導 入 初 期

4時 間ベ ッ ド に縛ら れて い る こと  が辛く

慣れ る まで に ラジ オを聞い た り

本を読

(4)

14 神戸 市 看 護 大学紀要  Vol

9

2005 表 対 象 者の属 性 と 転 院 につ い て の思い      番 号1

9は転 院 前 の 対 象 者   番 号10

19まで は 転 院 後 の 対 象 者 番 号 年 齢 性 別 現 在 通 院 して い る施設 透 析 年 数 総 合病院の年数 (転院 の時期 ) 他 の 疾 患 の有 無 転 院 につい て の思 い 165 男 総 合 病 院 7年6ケ月 ア年δケ月 弁膜症術後 しゃあない ですよ

変 わ らないか ん ね ん やったらね 変 わ ります よ

僕 は

新 しい人 が 入ってきて

そ のためにはやっぱ りそ れ はせ にゃいかんと思う

僕は やっぱり世の中ね

自分だ けの世の中違うか ら

今 はもう

この機 械 もようなってるか らな

265 女 総合 病院 1年6ケ月 1年6ケ月 動 脈 瘤 緑 内障 喘息 自分 として は 後 が い いけ どこ この 病 院 として は そうは い かな いということも あるで しょ

だい ぶ 慣 れ た

透析そのものは慣れた か らね

どこ行かされても大丈夫やと思う

366 女 総 合 病 院 1年6ケ月 1年6ケ月 肥 大 型 心 筋 症 自分の体調も少しは良くなってきた か らかな

もう

こ こ

来始めの頃 は そんな話しを聞い ても

私 は 心 臓 の ことが あ るか ら

亅って思って いた け ど

今 は薄 らい できた と言 うことは

それ だ け 自分 の身体に少 しはね

少 しは 自信 が で てき たんかってい

448 女 総 合 病 院 5年2ヶ月 5年2ケ月 無し 弱 い立 場って いうか

お 世 話 になって いる か ら無理 は いえ ない

でも無 理 を言 いた いという

す ごい ジレ ン マ です

十 分 生き た じゃな い かってわれた らそれま で だ けでも

やっぱ り

欲が 出て くる ということもある から

その欲 をゆず れ ない

代 わってくださる方 がいらっしゃるな ら

い いじゃな いって

550 男 総合病 院 2年10ケ月 2 年栂 ケ月 無し こ こ(総 合病院1と変わらないようなとこ に行きなさいよって言われたら

そら大丈夫違いますか? ス 厶

ズ に変 わ れ る

だ け ど

あ まりにも差 が あった ら

た だテ レビが あるって だけ 言 わ れ て

行った けど

そういうの ん じゃきっとショ ックを起こすと 思 いますよ

あっちが良かったわって言っても

もう絶 対 戻れ ませ んか らね

だ か ら

そ ういう不 安 もある と思 うんです よ

651 女 総 合 病院 4ケ月 4ケ月 多発性嚢包腎 よそ の病 院 に 行つた らめちゃくちゃ(血 圧 が )上 が ると思 うよ

新 しい ところに行った り

新 しいことを するとなった らあか んわ

また

慣れた らまたわかませ んけど

もう絶対緊張しまくりや か ら

ら おい てもらえ たらおい ても らいたいと思います けどね

767 男 総 合 病 院 4年2ケ月 4年2ケ月 糖尿病 肝 が ん 他 の病気の 方がある程 度 に なるま で は おいて欲 しい

て言 おうと思

ているね ん けど

転 院 した わって いうても

す ぐまたこ こ に 入院して帰って こんといかんわって いうことになった ら大 変 や か ら ね

8 フ3 男 総台病院 1年4ケ月 1年4ケ月 無 し だか ら

新しい施 設 なん か じゃ

テ レビ が あった りごっ つい便 利 やでって聞 くけどね

僕 は 変 わ り た くないな

て思うわけ

雰囲気から考えると

絶対変わりたくないな

て思うけどな

970 男 総合病院 5年9ケ月 5年9ケ月 前 立 腺が ん 転 院す るのは困 る というだけでね

また言 わ れ た ら(転 院を断 る)理 由を言 わないといけないなって 思って

場 合

よそ病 院 に行 くの が不 安 だ もんね

極 端 に 言ます とね

透 析 だ け合 併 症 がな くて

血 圧 も下 が らない ような場合 は

そ りゃ

どこでやっても同じことだ か らね

1066 女 Aク1 丿ニック 3年2か  2年 (維持期) 無し 別 に

す ること自体 は

緒 です か らね

心 配 はな かったで す よ

ただ

に のクリニックが 〉受 け入 れ てれるか どか ですね

が空い てかどうか

心配だっただ けで

1176 男 8クリニ ック 4年2ヶ月 3 年2ケ月 (維 持 期 ) 無 し 正直言って ね

τヶ月 もせ ん うち に出 よった人 もわ かっとった か らね

僕 は

3年 あまりもおった らあっ か ましい

(先 生 か ら転 院 と言 わ れ て )わ か りま した

僕 は

あの

指 示 に応 じま す けど

(患 者 会 の)役員やってるから

今後出すん だったら

役 員じゃないもん から出すように して欲しい と

1271 男 Aクリニック T年9ヶ月 4ケ月 (維持期〉 無 し 大勢大 勢なって患者が増えや ろ

や か らもう

きっとどこぞ

行ってもらわなし ゃあないねや わって

先 生 が そう言 うか ら

行 くかって

一,

え え と二あった ら行 くでわ しも

な んや

ちょっとで も近 いとこやった ら

1369 女 Aクリニック 4ケ月 1ケ月 未満 (維 持 期 ) 無し 来 るときは バス に乗って来 るんです よ

だ け ど

帰 りは ね

しん どくて

帰ってもす ぐに ベッドに横に なうて

そ ういうふ うなこ とがあるか ら

ば リ付 き添いがない とだ め

て言 わ れて

でも送迎がな い でしょ

だ か らそれ が

付 き 添いをしてくれ るどな たか がいた ら良いけれ ども

そ うでないん だった ら

そうい うの が あ る方 を選 ぱな い と

1472 女 Aク リニ

ソク 1年8ケ月 3ケ月 (維持期) 腎臓結 石 あの病院は救急で来た人 の た め にちょっと空けておかない と いなかったするし

び込ん でくる 人 もお

てやったか ら

それ は 覚 悟 しま した

なるべくな ら

同 じところで ずっと出来 るの が 良いけど

移って欲しいと言われて

何日も経って いませ ん で した

1週間ぐらい で

すぐに手配 しました

調べ るというか

す ぐに 役 所 にいきま した

私の場 合厚 生 医療がもらえたの で

1570 男 Aクリニック 1年2ヶ月 1ケ月 (維 持 期 ) 糖尿病 やっぱり向こうもい っまでもい てもらえ ないと

自動 的 に希 望の病院に 行ってもらわ ないか んって聞 いとるもん や か らね

そら出て いか なし ょうが おません やん

慣れた とこ ろが良いなって思いましたけ どね

そ うした ら

もう

あん た

出ても らわ なあ か んって言 わ れた

出 るしかない

1636 女 Aクリニック 5年2ヶ月 4年2ケ月 〔維 持 期 ) 無 し 自分が もう

やっぱり体重 が 重 かったし

最 初 心 不 全 に なった りとか して

自分 が やってい く自 信も なかったの で

何 か起こるん じゃないかな あと思って

  最 後になった ら

もうい いか なって気 も あったん です よ

もうそ んな ん 言 うて もね

み ん な 変わ らな あか ん しな あって いうの もどっか にあった ん で

1759 女 Bクリニック 1年3ケ月  2日 〔導 入 期 ) 糖 尿 病 心疾患 私

1番 新 しいけど1番 早うに おっぽ り出 された

悪い患 者 さんが おるし

入 院 患 者 が 増 え た か らいう て

18 フ3 男 Aクリニック 2年9ケ月 11年9ケ月 維 持 期 ) 脊 髄 損 傷 皆

とこ ろ て ん式

ちの病院こ

ちの病院に出すら しい よ

だか ら先生に言うて ん

先生はも うあ れ (透析1最 初 する時にどこもや らん か らこ の病 院でずっと最 後 まで診 るか らってそ う言 うか ら やったの に

そんなんやったらなん であんなこと言うねんって憤慨したけどな

1959 女 B クリ

ック 3年  2年 (維 持 期 ) 糖尿病 先生

睡眠薬飲ん で寝なさい寝なさい

て言うたけ ど

寝えへん か

たな

ぱ り考え てな

ぱ り

い つ変 わ るん?って聞いた ら自分 自 身 がな ん か 耐 え られへん かった しな

その変わること自体にな

もうちょっとあそこおりたい気もあったし

うん

自分の体がこ こにつ い て いけ るんか どうかいう

透 析 自体 じゃなくって自分 自身 が

自 分 自身の 気 持ちが こ こについていけ るか どうかいう心 配 は あった

(5)

ん だ り

いろい ろ試してみた と言 う。 そ して今で は

機嫌良く寝て い ら れ るこ の態が最高で あ る と述べ た。 (

8

氏 

73

歳  転 院前)   全 然

やっ ぱり雲 泥の差やわな

患 者さん の 扱い方が な。 僕も○ ○病 院とこ こし か知ら な い け ど

や っ ぱ り

看護婦さ ん は ここが

番良い ん と 違 うか な。 だ か ら

新しい施 設な ん か じゃ

テ レビが あっ た り ごっ っ い便利やで っ て 聞 くけど ね。 僕 は変 わ りた くないなっ て思 うわ け

雰囲気か ら考え る と。 絶対変わ り た く ない なっ て思 うけど な

   

「医 療の質 」は

院 内 感 染の危 険 性は な  いか

不 測の事 態 が生 じた場 合 適 切に対 処して も  ら え る か

うま く穿刺を して も らえ る か といっ た  転院先 施 設の医療全性およ び医療技 術に関す  る不安であ っ た。   また

「生活リズムへ の影響」と は

こ れ ま で   自分が創 り出 して きた 透 析と透 析 後の体 調にあわ  せ た生 活リズ ムが崩れ ることへ の 不 安を示して い  た。 仕事を辞め る

あるいは職 場と交 渉 して仕 事  の内容や部 署を変えて もら う者もい れ ば, 2 名は  透析が受 けやすいよう病 院の近 くに引っ 越しを し  ていた。 こ の よ う な患者は転 院することで これ ま  での努 力 が 無 駄になるので はないか と憤 りを 訴 え  て いた。

3

)〈転 院につ い て の思い〉   こ の 〈につ い ての思い〉は

自分の身 体に   対 する自信の程 度 と

先に示し たくこ こ は良いけ  ど向こうは どうか〉 とい う不 安の程 度に よっ て  「仕方ない」 「わかっ て い るけど出て行け ない」   「嫌だ」の 3つ に分 け られた

  身体が透 析に慣れ自信がで て き た患者は

他の  施 設の 「看 護 師の関 わり 」 や 「医療の質」がわか  ら ないた め不 安は あ る もの の

転 院を勧め られ れ  ば 「仕方 ない」 応 じると述べ て いた。

  安 定 して いるもの の

他の施 設の 「医療の質 」に  不信感が あ り

自分の身体に害が及ぶの で は ない  か と考えて い た者は

転 院は や むを得ないと わ かっ  て い て も

「わ かっ て いる けど出行 け ない」と  い うジレ ン マを体験していた。 ま た, が ん や糖尿  病な どの疾 患を もっ 者は

転 院が自分の身体にど 総合 病院で血液透析を導入 した患者の転院 時安   15 のような影 響 を 及ぼすのか がわか らないとい う不 安が強く, 転 院は 「嫌だ」とい う思いを 強く表わ して いた。   次に示す例は, 転 院へ の思いが 「嫌だ 」 から 「仕 方 ない」に変 化 し た3さ んの語 りで あ る。 3 さ ん は肥大 型 心筋症の治療も受 けてい るが

導 入 時より も体 調が よくなり 自信がで て きたこ とで転 院を拒否 する気持ちが薄れて き た と述べ 。 (

3

さ ん  

66

歳   転 院 前 )   自分の体 調 も少 しは良 くなっ て きた からか な。 も う

こ こへ 来始め のは そん な話 を 聞い ても, 「嫌 や

一,

私は心臓の こと がある か ら

」っ て 思 っていた け ど。 今は薄らいで きた と言うこと は それ だけ自分の身 体にしはね

少 しは自 信がで て きた ん か なっ て。  

方, 4 さん の場合は, 他の人が転 院 して くれ た よ うに

自分も転院するべ きで あ る と考えて い な が らも

気 持ちが そ れを許さ ない 「わ かって い る け ど出て行 け ない」と述べ

そ の理 由 を次の よ う に 語 っ た

4

さ ん  

48

歳   転 院 前 )  ク リニ ク だ と

が 悪い とい う わ け じゃ ない ん だ け ど も

やっ ぱ り経 営 面 を 考 えて い く と手を抜か ざ る を得ない況が出て きますよ ね。 そ れ で, こ の間の△ △病 院につ い て も, 周りの 噂だ か ら信用は できないか もし れ ないけど

生 理食塩水を使い回す とか, そ う い う話しを聞い て い ると

な ん か なあ

っ て い う

私は

ま だ

死ぬ わ けにはいかない し

ま た そ うい うので感 染して

余分 な負 担 を 持 ち た くない

感 染 した からっ て発 症 するわ けじゃない れ ども

発症 の危 険とい うのがすご く恐い です

 っ ま

4

さ んの場 合

<こ こは 良いけ ど向こ うは どうか〉とい う不 安は

向こう は

ど うだ ろ う か

とい う疑問では なく

で きて いない ん じゃ ないか

とい う不 信 感であ り

こ の思いが 4さ ん に転院を た め ら わ せて いた。 し か し

同時に転院 が や むを得ない こともわ かっ てお り

それ ゆえ ジ レ ン マ を感じて いた。

(6)

16  神 戸 市 看 護 大 学 紀 要  Vol

9

2005 (4 さん 48 歳 転 院前)  弱い立 場っ て い う か お世話に なっ て いる か ら 無理 は言え ない

で も無理 を言いたい とい う

す ごいジレ ン マです。 十分生 きたじゃないかっ て言 わ れたらそれ までだ け ど

でも

やっ ぱ り

欲 が 出て く る というこ と も あ る か ら

そのを ゆ ず れ ない。 ま

代 わっ て くだ さ る方 がい らっ しゃ るな ら

い い じゃない っ て 4)〈不安への対処〉    これ は

患 者 が 転 院へ の不 安 を 軽 減 するため に  用い る対処 法で あり 「触れ ない」 「抵 抗す る」 「信   じて行 く」「自分 で選 ぶ」で構 成さ れて いた

多  くの患者は

透析 中にはで き る だけ転 院の話 題を  避 け

医 療者に そ のが あると思 わせ ない よ う  「触れ ない」とい う対処 法を用い て いた

  しか し

仮に転院を 勧 められ る よ う な こ と が あ   れば

転 院は 「嫌 だ 」と感 じて い る者 は

その時  は 「抵 抗す る」と態度を決め てお き

考え 過 ぎて  不安にならないように努めて いた。 他 方

転 院 を  「仕方 ない」と受け とめ てい た者は

転 院先の  設を見学し

そ こ で透 析を受 けて い る患 者に話 を  聞くことで感触をっ か み 「自

  くは転 院 を勧めた 医 療 者 を あ くまで も 「信 じて行  く」 とい う態度で 臨も う と してい た。    

2

さんは

他の患 者 か ら

新 しい患 者 が増 え た  こと に よっ て古い人は

飛ば さ れ る

とい う話を   聞 き

転 院は 「仕 方 ない」と述べ いた

し か し

 看護師と

か らコ ミュ ニ ケ

シ ョ ンを とらなけれ  ば な らない ことや, 食事療法に対する意欲が な く  な るの で は ないか と心 配して お り

最 終 的に は  「信じて行 く」しかない と述べ た。 (

2

さ ん 

65

歳  転 院前)  だ か らこっ ちの希望な んてあ ん まり言わ れ な い 泌尿器科の先 生 が紹介するっ て言う て はっ たところも私 自身は

1

回 も行っ たことが ない し

先 生と も会っ たこと ない し だ か らこ こ の病 院 を100% 信 用 して行 く

紹 介 さ れ た らそこへ くっ て い ことですよ ね。

5

) 保 証 して もら える なら    これは

どの ような 援 助 が あ れ ば 転 院 を して も  良いと思え る か を患者に聞いた時に現れ たニ

ズ で あ り

「医 療の質 が 変 わ らない」 「悪い時に は戻 れ る」 「立 地条件」 「看護 師の関 わ り」で構成さ れ て いた

患 者はこれ らの こ とを保 証して も らいた いと述べた が

そ の

方で保証して もら うこと は 難 しいだろう と も語っ ていた

 9氏は

透析 導入後に前立腺が ん が 見っ か り

脊 椎 転 移のため歩 行 が 困 難 な 時期 もあっ たこと

すなわ ち 自分の 身 体に対 し自信が ない こと から転 院は 「嫌だ 」 と話して いた

しか し

も し転 院し なけ れ ばならない の であ れば 「医 療の質 が 変 わ ら ない」 「悪い時に は戻 れる」こ と が保証さ れ る よ う望んで いた

(9氏  70歳   転 院 前 )  仮に転院して もね, 何か悪い時は ね, こ こ の 病 院で従 来 通 り

ス ム

ズに診て いた だけると い う こ と が ひ とつ ですね そ れ と ね

転 院する 場 合 ね

た とえ ば

時× ×病 院で透 析 中に院 内 感染し た と か ありま し た ね。 こ こは

気をっ かっ てね

きっ ち りやっ て いた だいてい るんですよ ね。 そうい うこと が ね

その病 院で もやっ て い ただ け るんだっ た らね

  また

5

名の患 者 は透 析の時 間 帯 やテレビの有 無とい っ た設備に関する情報は

転院を前 向き に 検 討 する要 因に はな らない と語っ て いた

 以上, 転院前の患者の不安と そ の対処にっ いて 述べ た

次に

転 院を経 験し た患 者の語り か ら

どのよ う な思い で転院し

実 際に転院してみて ど うであっ たのか を 明 らかに した

6

) 転 院後の患 者の く転 院 を 勧 め られ た 時の思い 〉    すで に転院し た患者は ど う転 院を受け入れ たの  であろうか

転院 時 を振 り返 り 「す ぐ出 よ うと思っ  た」「出る しか な かっ た」「追い出された」の 3っ  に分け られた。 これ らの違い は

転院前の患者と   同 様に自分の身 体に対 する自信の程 度とく こ こは   良いけど向こうは どうか〉とい う不さ に よっ  て決まっ て い た

合 併 症がな く

ど こ で透 析 をし  て も同じであ る と考えてい た患者は 「す ぐ出よう  と思っ た」と述べ 転 院先の施設に も自ら連絡を  とり転院の準備を して いた。 これに対し脊髄 損傷  や心 疾 患

糖 尿 病 とい っ た腎不全 以外の疾 患 を も  っ 患 者

自分の身 体に対して 自信がもてないた

(7)

転院に よっ て何か起こ る ので は ないか とい う不 安か ら 「追い出 さ れた」と憤り を感じて いた。   18氏は

24年前の 通事故で脊髄を損傷し

車 椅 子の生 活 を送っ て いる。 同 じ疾 患 を もっ仲 間が 尿 毒 症で亡 く なっ て い くの を 見て

透析導入は し た くない と思っ て いたのだ が

医 師 や家 族の説 得 に よっ て導入に踏み切っ た。 1 年が経ち

透 析に 慣れだ した頃を見計らっ て医療者は転院を勧め た のだ が

18氏は医 師が裏 切っ た かのよ うに感じ

その怒り は今も続いている よ う であっ た (18氏  

73

歳   転 院 後 )  皆 “ ところてん式” や

あっ ちの病院こっ ち の病院に出すら しいよ。 だ か ら先 生に言う て ん, 先生 は も う あ れ (透 析 ) 最 初 する時にどこも や らんか らこ の病院でずっ と最後まで診るか らっ てそう百うからやっ たの に。

。。。

そ ん な んや

た ら な んで あ ん なこ と言う ね んっ て憤 慨し た け ど な

だまっ て眠 ら して くれへ んのやっ て

死 ぬな んて こ と考え た ら い か んっ て医者言い よっ たけど な

ほんま何の た め やっ て

7 )転院先を選 んだ理由   これは, 「医療者

家族の後 押し」 「転 院前の病  院との つな が り」「医療の質」「厚生医療」 「交 通  手 段 」で構成されていた。 最も多 くの患者が転院   先 を 選ん だ理 由 は 「医 療 者

家 族の後 押 し」で あ  り

これ は転 院を決めか ねて い る時に

ス タッ フ   や 家 族に個 人 的には転 院 先 を ど う思 うか と尋 ね

 肯定 的な返答を得たこ とで転院を決 定し た様 子を   表して い る

   17さ ん は

急に勧め られ た転 院に 「追い出され  た」と不満を訴えっ っ も, 嫁と転 院先を見学し,   嫁の勧めで転 院 すること を決めて いた。 (

17

さ ん 

59

歳 転院後)  他の人長い ことい て 私新しい の になん で ほっ ぽり出すの ?っ て言 うた ら

悪い人だけおい と くっ て言 う た

    (転 院先の) 病院が きれ いや し

ほ いで親 切 や し

ほ で嫁 さんもこ こやっ た ら え え や んっ て言うて安心 も し とっ た し

8

) 転院してか らの 思 い     転 院し た患 者の現 在の思い は

「こ こが良い」   「こ こ で良い」 「ど ち らで も良い」 「向こうが 良い」 総 合 病 院で血 液 透 析を導 入し た患 者の転院時の不安   

17

4っ に分け ら れ た 「向こうが良い」 と述べ た 患 者は

転 院 後レ ス ト レ ス レッ グ症 候 群に苦しみ

前の 病院に戻るこ と を希望 して いた。 しか しな が ら

他の患 者 は

転 院前には強い不 安 や怒 りをもっ て いた に も関わ らず

現 時 点で は 「こ こ が良い 」 と述べ て いた

その理 由は

転 院 し た施 設で の 「看護 師の関 わ り」が親切, 優し い か ら と い う意 見がも多く, 次い で 医 師が

1

1

回 必 ず 診察し て くれ ること

看護師が頻回に血 圧を測定して く れる こと, そして透析時間 を 短 縮 しても らいたい と言え ば

その通 り融 通を き か せて も ら え ること が挙 げられてい た

 

「こ こで良い」 は

転 院 前と転 院 後の施 設の 「看護師の関わ り」を熟 慮し た結果,

短はあるが

とり あえず今の設で透析を受ける こ と に納得して い る様子を示し てい る。  4年 間 片 隅に隠れ な が ら転 院の声が か か ら ない よ うに過 ごして いた と言う16さ ん は

「看 護師の 関 わ り」 を比 較 し

全 く違 うと述べて いた

以 前 の病院の看護師を

教育マ マ

維持 期を過ご 現 在の施 設の看 護 師 を

放 任 主 義

と表 し

体 重 が増えて も何も言わ れず自己管理 が甘くな ること を懸 念 する

方で 心 地は良いと語っ て いた

16

さ ん  

36

歳 転 院後 )   言う た ら ね

こ こ は居心 地は良い ですよ。 優 しい し, (体重が)増えて も別に何 も言わ れへ ん し。 そや け ど

ある意味

反対に返 す と

やっ ぱり心 配は心 配です ね

いろん なことが

自分 の子は怒 る け れ ど も

他人のは怒らへ で しょ。 なんか

向こうの方 (総 合 病 院 ) が 何て言 うか な。 命の大 切さ をもっ と重 視 する。

  そりゃ 居心 地はこ っ ちの方がすごい良いですよ でも 私が

自分が管 理で きへ ん から

あの

重 も 増え る か ら。 言う た ら

ほ ん と は そ りゃ総 合病 院に いるのが

自分の た めやと思いま す

 これに対 して

転 院前か ら施 設が変わ ること を 心 配して いない患者は, 転 院後も 「どちら でも良 い」 と述べ , 施設 ど う しを比較して そ の善し悪し を語る こ とはな か っ た。 2

転 院 前の患者と転 院 後の患者の語り の 比較     転 院 前

転 院 後の患 者に共 通 して見 られ たパ

(8)

18

  神戸市看 護大 学紀要  Vol

9

2005 ンと して

〈転院にっ い て の思い 〉は

自分の身体 へ の自信程度

< ここは良い け ど向こ う は ど う か〉とい う他 施 設に対 する不 安の程 度に関 係 して い ること が明らか に なっ た 転 院前の患者で が ん な ど の疾 患 を もっ

3

名は

転 院は 「嫌 だ」と述べ

<不 安へ の対処〉 と して 「抵抗す る」と語っ て い た。 同 様に転 院 後の患 者

3

名も脊髄 損 傷やコ

ルが 難しい糖尿 病を抱えており

転 院を 「追い出された」 と捉 え

今 な お 憤り は続いている ようで あっ た  

自分の身 体が透 析に慣 れ

自信がで て き た と述べ 転 院の患者 3 名は

で き る だ け転 院は後 の方が良い と言いな がら も

転院を勧められ れば そ れに応 じる 「仕 方ない」と述べ いた。 こ れ に対し

転 院 後の患 者の中に も 「出る しかな かっ た」とい う 思い で転院を引き受け た者が2 名いた。 しかし

転 院 後の患 者の場 合は身 体へ の自信 を持っ まで には至っ て お らず, 他施 設の 「看護師の 関 わ り」 「医療の質」 につ い て く こ こは良いけ ど向こう は ど うか〉 と不 安 を もっ てい た。 そ して最終 的に は

医療者の強い要 請と

次々 に新 しい患者が来る様 子 を 見て

も う拒 むこと はで き ない と感じ転 院していた。  こ のように見てい くと

転 院 前 後の患 者の語 り を 比較し た際

最 も違い が見られ たの は転 院へ の準 備 性で あっ た

転 院 後の患 者の中には

転 院の勧め に 対し 「す ぐ出ようと思っ た」者が5名おり

直ちに 転 院の準備に かかっ ていた

転院前の患者は 転院とい うシ ス テムにっ い て説明を受け

他の患者 が転院してい く様子か ら いず れは自分も転 院する と 理解して いたに も関わ らず

転 院を前 向きに検 討し て いた者は

人 もいなかっ た

IV

 察

f

転院の準 備 性につい て   本研究の対象と なっ た総 合病院で は 透析 導入患  者にし転院に対 する心の準 備 を促 すた め

こ の施  設で は維持透析はで き な い

いずれ は転院して も ら  う と導 入時に説明していた

しか し, 転院前の患者  で こ の説 明を形 式 的なもの と捉えて いた者は

「自

 

分の ことで はない」と考え

今 す

で は ない と捉え  て いた者 は

「ま だ

大 丈 夫 」と推

i

測 し

前 向 きに  転 院の備を して いな かっ た そ れ ば か り か大半の  者が

転院 先の施 設に対 しく こ こは良いけ ど向こう は ど うか〉 と不 安 を もっ て い るに も関 わ らず

医 療 者に問してい る様子は見ら れ な かっ た 患 者 達は こ の転 院の不 安に対 し

回 避 的な 「触 れ ない」とい う対処法を用いて いた。  他 方

転 院 後の患者

5

名は

転 院を勧められ 「す ぐ出ようと 思 っ た」と述べて お り

転院先の施 設や 市役所に自 ら連絡を と り転 院の準 備 を進めて いた。 こ の よ う な転 院 後の患 者の 「す ぐ出ようと 思った」 という反 応は

過 去 を 振 り返っ た 上で明 らかに され たもの であ り

,一

概に院 前の患者と比較すること は難しい しか し

あ え て比 較 する な ら

転 院 後の 患者は転院が確定しており

転 院先が選べ る よ う具 体的な説 明を受け ているとい う点で違いがあっ た 転 院 前の患 者は

転 院 先の施 設を見 学し たり

看 護 師に相談 した りす れ ば

それに よっ て転院に前 向 き な者

す な わ ち転 院候 補 者になりか ね ない とい う危 惧を もっ てお り

質 問 をし た くて もで き ない という 状 態であっ た

っ ま り

医療 者が心の準 備を促 すた め に して い た転院の説明は

た だ転院が必要という こと だけが患者に伝 わっ て しまい

いっ

どこ に転 院するのか

どのよ う な順 番で転院するのかといっ た 具 体 性 が乏 しい ことによ り

患 者の不 安 をかき立 て る結 果と な

て い た。   以 上の ことか ら

患 者の不 安 を 軽 減 し

ス ム

ズ に転院して い ける よう支援する た め に は

転 院の基 準の明確化と その透明性が重要で あり, 少な くとも 転院にっい て医療者に質 問をすることで は

転院候 補者に な らな い こと を約束する必要が あると思 わ れ る

 さらに

く こ こは良いけ ど向こう は ど うか〉と転 院 先の施 設に対 し不 安 を もっ 患 者の中に は

その施 設の医療や看護の不安を抱き

望んでい る よ う な医 療や看 護が提 供されない ので は ないかとい う疑 念を持っ者がいた。 こ のよ う な疑念を もっ患者にこ そ, 転 院先の施設の医療の質に関する正確な情報を 提 供 する必 要がある と考える

すなわち

衛生管理 がで きてい ること

穿刺の技術が優れて い ること

使用されてい る透 析 機 器 が 今 までと変 わ らない こと とい っ た内 容が これにあ た る。  ま た

導入期と同 様の 医 療 が保 証されるだ けで は な く

維 持 期に適 し た ケァを提 供 して いる施 設 も多 いこと を伝え るの も重要であ る。 転院 先の施設では

透 析 時 間の長 さや 時 間帯に融 通がき くこと

維 持期

(9)

安 定し た患 者が多い施設と も な る と医師が定時的 に診 察で きる こと

看 護 師は患 者の個 別 性に応じた ケア を 提供で きるこ となどが具体 的に示され れ ば

患 者 は 自ずと転 院に前 向 きになれるの で はないだろ う か。   こ の ような転 院の利 点につ い て の情 報 を提 供 する に は, 看護師 自身が転 院先の施設にっ い て十分に知っ てお く必要がある。 しかしなが らそれは, 機 器の種 類や

テ レ ビ の有無とい っ た設備の情 報に留まり

どの よ うな看 護師がい るのか, その看護師に よっ て 提 供さ れ る ケアは どのよ う な ものか

透 析 時 間の長 さ や時 間 帯は医 師 と相 談で きるの か といっ た情 報 を 備えて いる施 設 は少ない のが現 状ではないだろ うか。 こ の よう な情報不足に よ り

医療者 自身が患者に とっ て の転院積極 的意 味を見出せず

後ろ め た さ や

すま ない とい う気持ち を抱く。 そ し て, 説 明に際し, 病 院の特 性上や む を得ない という理由を前 面に出さ ざるを得な くな り

これら は その ま ま患者に伝わ っ て い る可 能 性がある

  看護 師の役割と して

転 院時に紹介 状を整え るこ と は患 者 を 理 解 して も ら う上で極めて重 要である (松橋

2002 ;畠1

1

2002)が

患 者の視点に立ち

患 者が必 要とする転 院先の情報提供を 始め と して

生活に どの よ う な影響が あ るのか

患者にとっ て ど の ような 意 味 が あるのかに応 える援 助 が 求め られて いる と考え る。   最 後に

転 院した くない

すな わ ち転 院は 「嫌だ 」 と いう意見に関係して いたこと は

身体に対 する自 信のさで あっ た 腎不全以外の大きな疾患 を もっ 患者や

穿刺が難しい患者は透析に はれて い ても

本人が自分の身体に自信が ない と思えば転院前の患 者は 「嫌 だ 」 と述べ

転 院の患者は 「追い出 され た」と捉えて い た。 よっ て

転院を勧め る前に は

患者本 人 が自分の身体を どのように捉えてい るか を 把握し

自信が ない場 合には

ところてん方 式

で 転 院 を勧め るの で は な く

時問的に余 裕を もっ て 自 信の な さをサポ

トし

転 院 を 勧めて い くこと が必 要で あ る。 Z

看護師の関 わ り    く こ こは 良いけ ど向こう は どうか〉 の内容と して   最も多 くの者が不 安であ る と指 摘して いたのが 「看  護師の関 わ り」で あり

転 院後の患者が

こ こが 良 総 合 病 院で血 液 透 析 を 導 入 した 患 者の転 院 時の不安    19 い と思え る よ う に なっ た そ の 理由も 「看護師の関わ り」で あっ た。 こ こ で は看 護 師の役 割が大き く2っ 示さ れて いた。 それは患者が自己管理で きる よ うに 働 きか けて い く役 割と

透 析 室 を居 心 地 良 くする役 割で あっ た 治療上

特に難しい食事療 法 を求め ら れる透 析 患 者に とっ て

看 護 師の 自己 管理へ の働 き かけは極めて重要で は あ る が, そ れ と同じ ぐ ら い に 重要視されて い た の は, 優 しさ や親 切さ

そ して居 心地の良さ を提供す る関わりであっ た。 1週間に 2

3 回 , しか も

1

3 〜4

時 間を じっ とベ ッ ドで過 ごす 患 者に とっ て看 護 師は ま さに環 境その もので あ る に違いない

多 田 野 ら (2003)は

196名の外 来 血 液 透 析 患 者 を対 象と し た研 究で

ス タッ フへ の満 足度がス トレ スの認 知状態と有意に相関して い る と 述べ

患者が医 師や看護師に理解さ れて いる と感じ る程, ス タッ フに対する満足度が高い傾向にあると い う。 ゆえに転 院に際して も

前もっ て転 院 先の看 護 師に訪 問を依頼し

施設の情報を 提供して も ら う ことに加 え

顔がわか る関 係であること が望 ましい ので は ない だ ろ う か。

V

.実

践へ の示

 今 後

転院を勧め る施設は

転 院シ ス テムに基 準 を 設 け

それに基づいて患 者に説 明 を する

す な わ ち患 者に対 する透 明 性を確 保 すること が大 切と考え る。 ま た

転 院 を勧める施 設と受け る施 設ど う しだ けで はな く

そ こ でケアを提供して い る看護師どうし が連携を 図り, 時に は患者の ニ

ズや ケアのあ り方を巡っ て意 見交 換をする とい っ た

互い に知り合い

信頼を育て る こ と が重要と考え る。

VI

研 究の限 界  本 研 究の限 界と して

対象施設が限定さ れて い るこ と が あげら れ る

透析を導 入し た病 院か ら他の施 設へ 転 院 す る時の患 者の不 安は

転 院を待つ 患 者に共 通し て い る可能性は あ る が

施設その もの に対する患者の 満足 感は その施設固有の もの とえ られる。 今 後は

施 設 数を拡 大 して研究する こと

ま た透析を導 入し た 患者に対する転院に向けての効 果 的 な介入 方 法 とその 評 価につ い て研 究 すること が求め られ る。

(10)

20  神戸市看 護大学紀 要 Vol

9

2005 皿

結   論  本 研 究は

血 液 透 析 患 者の転 院に関 する不 安や気が かり

転 院後の 思いを 明らかにする た め

転 院予定患 者

9

名と

すで に転 院 した患 者

10

名に半構成 的面接を 実施し

質的帰納 的に分 析し た。  転 院前

転 院 後の患者に共通 して見 られ たパ

ン と して

〈転院につ いての思い 〉は

自分の身 体へ の 自信の程度とくこ こ は良い け ど向こうは どう か〉とい う他施設にする不安の程 度に関 係して いるこ とが明 らかに なっ た 転 院前の患者で

が ん な どのた め自分 の身 体に自信がな く

他 施 設の医 療や看護に不 信感 を 抱いている者は

転院は 「嫌だ」と述べ

<不 安へ の 対 処〉として 「抵 抗 す る」 とい う対 処 法 を用い て いた。 同様に転院後の患 者外の疾患を もっ者 は

転 院 を 「追い出 さ れ た」 と捉え

今な お憤り は続い て い る よ うで あっ た

 

転 院前後の患者の語りを比較した結果, 転院 の準 備 性につ い ては違いが見られ た。 転院後の患 者で 自分の身 体に自信があり

どこで透析を受けて も同じ であ る と考えて いた

5

名 は

「す ぐ出 よ う と思っ た 」 と述べ

積 極 的転院準 備を して いた。 これに対し

転院前の患者は

人 も転 院を前 向 きに検討 して いなかっ た。 転院前の患者は, 転院の説 明を受けて い た が

そ の情 報はいっ

どこへ , どの順 番で とい っ た具体 性に 欠 けていたため不安だけ が募り

〈不安へ の対処〉と して 「触 れ ない」 とい う対 処 法 を 用い て い た。  今 後

患者の不安を軽減し

ス ム

ズに転 院で き る よう支 援 す るた め には

転 院の基 準の明 確化とその透 明性が重要であり

少な くと も転院につ い て医 療 者に 質 問 する ことで は, 転 院候補者に な ら ない こ とを約 束 する必要が ある

また

看 護師の役割として

転 院 先 施 設の医療のに関する正 確な情報を 提供し

生活に どの よ う な影 響がある のか

患 者に とっ て どの よう な 意 味 が あるのか を 患者と共にえ ること が重要であ る。 謝   辞  面接調査に貴 重な時 間を割 き

ご協 力いた だ きま し た血液透析治療を受け て お ら れ る皆様に心よりお礼 申 し上 げます。  な お

こ の研究は平 成 15年度 神戸市看護大学 共 同研 究費 (臨 床 )の助 成 を 受 け た

引 用

・参考文

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Anxieties

of

dialysis

patients

in

transferring

the

hospital

'

Yuka

KAWAKAMI,

Yuki

YAMASHITA,

Mitsue

AKINAGA*,

Sanae

TAKADA

Kobe

City

College

of

Nursing,

'Nishi-Kobe Medical Center Abstract

Number of dialysispatientsin Japan has been linearlyincreasing,asthe populationhas been aging rapidly, In a general

hespital,wherewe were permittedtosuryey thisstudy, dialysispatientswho were giventheinitialtreatmentand laterdiagnosed to be ina stable conditien had tobe transferredtoother facilities.However, transferenceseems an aggravating thingforpatientsinthe

convaleseence, and rnany of themare describinganxieties, depression,or resentment,

Theaim ofthisstudy was toexplore dialysispatients:negatiye emotjons intransfeningthehospital.A qllalitativemethod was used,

Semi-structuredinterviewsare cenducted with 9 dialysispatientswho might transferto other faeilitiesand 10patientswho were al-ready transferred.

As aresult,common patternswere demonstratedforbothpatientsof beforeand aftcrthetransference.That is,<feeling for

trans-ferenceof hospita)>related tothedegreeof confidence about physicalcondition ancl thedegreeof anxiety about theother facilities saying <It isgood here,bllthow abeut the other facility?>.Patientswho might transfertoother facilities,butworried about his or herhealthcondition becauseof other diseaseslikecancer, and patientswhe thoughtthemedical qualityand nursing services in other facilitiesdebatablesaid,

[I

hateto move out], and declared,

['I

resist], tocope with anxieties. Likewise,after-transference

patientswho suffered fromother diseasesthought

[Being

forcedtomove out] and were annoyed with resentment.

On theother hand,comparison of patients:opinions beforeand afier transferenceshowed differencesinthepreparationattitude for

thetransference.Transference-finishedSpatients,who were not worrying about theirhealthcondition, said,<I didnot mind to move out the hospitalsoon>, becausethey thought thesame dialysistreatment would begivenanywhere, and they expectantly preparedthe transiference of hospital,

However,none ef thebefore-transferencepatientsprepareditpositively.Altheughthebefore-transferencepatientswere toldabout moving-out, the explanation of transferencedidnot includedetailssuch as when, and towhere, etc;therefore their actien for<coping with anxieties> was

[avoiding],

Itisimportanttoclarify criteriaof transferenceto support the patients,At the same time, nurses need togivethepatientspreciseinformationregarding medical qualityof other facilitiesand discussthemeaning and infiuenceof

hospital-transferencewkh them,

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